アキュリスファーマが28億円のシリーズB調達、てんかん発作用経鼻投与スプレー製剤の臨床開発や上市に向けた諸活動推進

アキュリスファーマが28億円のシリーズB調達、てんかん発作に対する経鼻投与スプレー製剤の臨床開発や上市に向けた諸活動推進

神経・精神疾患領域における新薬の開発と商業化を推進するアキュリスファーマ(Aculys Pharma)は3月27日、シリーズBラウンドにおいて、総額28億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、新規投資家のJICベンチャー・グロース・インベストメンツ、三菱UFJキャピタル、Spiral Capital、既存投資家のVision Pacific LifeSciences Capital I, II (DE) LLC 1、HBM Healthcare Investments、Global Founders Capital、三井住友トラスト・インベストメント、ANRI。累計調達額は96億円となった。

調達した資金は、第2パイプラインであるてんかん発作に対する経鼻投与スプレー製剤(主成分ジアゼパム)の臨床開発や上市に向けた諸活動にあてる。

ジアゼパムは、注射剤などの剤形でてんかん発作時の治療薬として60年以上日本の医療現場で使用されているという。また、医療機関外においても患者や介護者などの医療関係者以外の方が坐剤として使用してきた薬剤となっているそうだ。経鼻投与スプレー製剤としては、2020年1月に米国において「6歳以上のてんかん患者における通常の発作パターンとは異なる間欠性の典型的な発作頻発(群発発作、急性群発発作)のエピソード」を効果・効能として米国Neurelisが米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ているという。

アキュリスファーマは、同薬剤が貢献しうる患者に新しい治療手段を早く届けられるよう、日本国内での臨床試験を実施し、開発を進める。同時に、てんかん発作が患者とその家族の日常生活に及ぼす影響を軽減するための包括的な取り組みとして、急な発作時に迅速に治療薬にアクセスできるコミュニティ構築、AIやデジタルを活用した発作の予測システムなどに関する研究を外部パートナーと連携し、進める。また、てんかんに関して正しい理解が広まるよう、啓発活動への貢献にも取り組むという。

2021年1月設立のアキュリスファーマは、「Catalyst to Access」(革新的な医療への橋渡しを担う)を理念とする日本発のバイオ領域スタートアップ。神経・精神疾患領域において革新的な医療手段への橋渡し役となり、患者とその家族、医療関係者、社会により良い医療を届けるため、欧米諸国から革新的で優れた医薬品を導入し、開発・販売を担い、さらに疾患を取り巻く様々な課題に対するソリューションを提供するとしている。