サーバーレスアプリケーションのデプロイと管理を助けるServerless, Inc.が新たに$10Mを調達

Serverless, Inc.は、早くからサーバーレスを手がけ、2015年にはデベロッパーのためのオープンソースのフレームワークを作っている。今日では同社は、これまでのプロダクトをベースとして、サーバーレスアプリケーションのデプロイとデリバリをデベロッパーがもっとコントロールできるようにしたい、と考えている。そのために同社は、Lightspeed Venturesが率いるシリーズAのラウンドにより1000万ドルを調達した。これで同社の調達総額は、1300万ドルになる。

同社はまた、総合的なツールセットServerless Platformを発表した。これには、Serverless Framework(フレームワーク)のほかに、Serverless Dashboard(ダッシュボード)とServerless Gateway(ゲートウェイ)が含まれている。これらのうち、フレームワークでデベロッパーは、さまざまなクラウドプラットホームで使用するサーバーレスのコードをセットアップでき、ファンクションのルールやインフラストラクチャの依存性などの、クラウドごとの違いに対応できる。ダッシュボードは、デプロイに関する情報を視覚化し、サーバーレスファンクションの動作を、さまざまなクラウドプラットホームの上でモニタできる。

図表提供: Serverless, Inc.

ゲートウェイは、レガシーのツールをサーバーレスのアプローチに取り込む方法を提供する。同社の説明によると: “Serverless Gatewayで企業は容易にサーバーレスを既存のサービスのメッシュに統合できる。それらはコンテナやSaaS、そのほかのレガシーシステムなどさまざまだ。Event Gatewayが、サーバーレスのコンピュートと共に、企業のすべてのビジネスイベントにコードで反応する強力な方法を与える”。

同社のファウンダーでCEOのAusten Collinsによると、企業がサーバーレスファーストの考え方に移行すると、アプリケーションの構築とデプロイの費用が低下するが、しかしそのためには、チーム全体や大きな組織全体にわたって使えるツールが必要である。そして同社は、そんなツールを提供していくのだ、と。

“サーバーレスの開発を実運用にまで持っていくためのツールの需要が、今拡大している。それは、チーム全体のデベロッパーや、あるいは全社のデベロッパーが、サーバーレスの開発を安全かつスタンダードなやり方で実践できるためのツールだ”、とCollinsは説明する。

Collinsによると、フレームワークと通信ゲートウェイは今後もつねにオープンソースだ。同社が企業に課金するのは、サーバーレスのコードのインサイトを得るためのダッシュボードと、ゲートウェイのホステッドバージョンへのアクセスだ。しかしゲートウェイは、オープンソースバージョンを使って企業が自力でホストしてもよい。

サーバーレスによって、デベロッパーは必要なインフラストラクチャを気にせずに、自分たちのアプリケーションを動かすことができる。彼らが書くのはインフラストラクチャにアクセスするコードではなく、イベントをトリガするファンクションであり、そのイベントを動かすために必要なコンピュートとメモリーとストレージは、クラウドのベンダーが面倒を見る。

デベロッパーは、適切なインフラストラクチャのデプロイについて悩む必要がなくなり、ただ、ファンクションがイベントをトリガするときに使うインフラストラクチャに関してのみ、課金される。それは従来の、アプリケーションのためにサーバーをまるまるデプロイし、それらが使われても使われなくても24/7支払うやり方に比べると、きわめて対照的だ。

このやり方は確かに、アプリケーションの開発とデプロイに伴う複雑性をかなり取り去ってくれるが、しかし企業などの一連のポリシーに従ってコードを正しくデプロイし管理していく責任はデベロッパーの肩に100%残る。Serverless, Inc.が提供するようなツールは、そんな新しいやり方には(そのままでは、それだけでは)欠けているかもしれないコントロールやインサイトを、デベロッパーに与える。

2015年にローンチした同社は、現在社員が22名いるが、彼らは分散オフィスの形をとっている。メインのオフィスは、サンフランシスコにある。顧客の中には、EA SportsやNordstrom, Reuters, Coca-Colaなどがいる。今回得られた資金は、主に、同社プラットホームの拡大に充てられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Datadogが立ち上げたWatchdogは機械学習でクラウドアプリケーションの健康をチェックし続ける

あなたが今使っている典型的なクラウドモニタリングサービスは、数ダースのサービスを統合し、きれいなダッシュボードを表示し、何らかの自動化により、アプリケーションの現況を監視する手助けをするだろう。Datadogも長年そんなことをやっていたがしかし今日(米国時間7/12)、Watchdogという新しいサービスを導入した。それは、機械学習を使って自動的に異状を見つけるのだ。

同社によると従来のモニタリングのセットアップでは、アプリケーションの動きをチェックするためのパラメータをユーザーが定義して、それらをモニタするためのダッシュボードやアラートをセットアップしていた。しかし今日の複雑なクラウドアプリケーションでは、そのやり方には限界がある。そこで、オートメーションの層がもうひとつ必要になる。

そしてそれが、Watchdogの役目だ。このサービスは、捉えられるかぎりのパフォーマンスデータをすべて観察し、それらの正常値を学習し、そして何か異状が起きたらアラートを発して、できるかぎり、何が起きたのかのインサイトをユーザーに与える。

Datadogのデータサイエンスの長、Homin Leeが、Watchdogの発表声明で述べている: “私たちの顧客の長年にわたるデータセットを使って、アルゴリズムの研究と訓練を行った。プログラムが問題を見つける点ではこの技術はユニークだが、それだけではなく、ユーザーが調査を始めるために必要な、おおよそのルートコーズ(根本原因)を指摘できる”。

このサービスは、DatadogのEnterprise APMプランの顧客が今日から利用できる。

関連記事: デベロッパーとオペレーションの文化を融合するDatadog(未訳)

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Sumo Logicのアプリケーションモニタリングとリアルタイムデータ分析がコンテナをサポート

アプリケーションの状態をリアルタイムで分析するSumo Logicの長年の目標は、顧客企業のデータの理解を助けることだ。そのデータが、どこに潜んでいても。しかしコンテナの時代になると、コンテナは本質的に短命だから、その目標がさらに難しい。そこで同社は、にもかかわらず、コンテナ化されたアプリケーションでも扱えるように、プロダクトの強化を発表した。

その新しい機能は、DockerのユーザーカンファレンスDockerConで披露された。このイベントは今週、サンフランシスコで行われている。

SumoのCEO Ramin Sayerによると、コンテナの定着は、DockerとKubernetesがメインのツールとして使われるようになった12〜18か月前から始まった。その人気を見て、Sumoは自分たちもコンテナに対応したい、と考えた。“DockerとKubernetesは圧倒的にスタンダードなツールとして新旧大小あらゆるショップで、新しいアプリケーション開発や既存のオンプレミスアプリケーションのクラウドへの移行、あるいはワークロードをベンダーAからBへ容易に移行できるようにするために、利用されている”、と彼は語る。

もちろん彼は間違っていない。コンテナとKubernetesは1年半前ぐらいから大々的な離陸が始まり、デベロッパーもオペレーションもどちらも、それらの理解と採用に奮励努力してきた。

“しかしそれらの利用が標準化してきたために、その扱い方もわかりやすくなってきた。そしてコンテナの扱い方が分かってくると、コンテナ化アプリケーションのベンチマークも提供できるようになった”、とSayerは説明する。

同社はそれを、エージェントを使わずにやろうとする。アプリケーションがVMで動こうが、コンテナで動こうが、どこで動いても、Sumoはデータを捕捉して、ユーザー自身には困難だったフィードバックを届ける。

スクリーンショット提供: Sumo Logic(トリミングした)

同社はKubernetesとAmazonのElastic Container Service for Kubernetes(Amazon EKS)をネイティブでサポートする。Kubernetesのユーザーお気に入りのオープンソースのモニタリングツールPrometheusもサポートする。Sumoの目標は、顧客が問題を早く修復し、ダウンタイムを減らすことだ。

こういう新しいテクノロジーを揃える中で重要になってくるのが、顧客への周知と教育だ。“顧客にはガイドを提供し、ベストプラクティスや使い方のコツを教える。彼らがやってることだけでなく、Sumoのほかの顧客との比較も提供している”、と彼は語る。

Sumo Logicは2010年に創業され、これまでに2億3000万ドルを調達してきた(Crunchbaseによる)。最近のラウンドは、昨年6月にSapphire Venturesがリードした7000万ドルのシリーズFだ。

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Rackspaceが企業のSalesforce導入を助けるRelationEdgeを買収、アプリケーション管理の部門を充実へ

Rackspaceが今日(米国時間5/17)、Salesforceの実装パートナーでデジタルエージェンシーのRelationEdgeを買収したことを発表した。価額など買収の条件は公表されていない。

Rackspaceは今でも多くの人が、ホスティングとマネージドクラウドサービスとIaaSの企業だと思っている。そしてRelationEdgeは、企業がSalesforceのSaaSを実装しようとするとき、それを支援し管理するサービスだ。しかしRackSpaceは近年、業態の多様化に努めており、各種SaaSアプリケーションの管理サービスもそのポートフォリオに含めようとしている。その最初の試みが、昨年のTriCoreの買収で、こちらもやはりエンタープライズのアプリケーション管理を提供する企業だ。本日の買収も、同じ路線上にある。

Rackspace Application ServicesのゼネラルマネージャーGerard Brossardによると、アプリケーション管理サービスに関しては同社はまだ草創期だが、これらの新しい提供物により新たな顧客を獲得しつつあり、既存の顧客もRackspaceにIaaSを超えた管理サービスを求めるようになっている。そして、“これによってSaaSの管理サービスの分野に参入できるし、しかもSalesforceはエンタープライズSaaSのリーダー格だ”、という。

一方、業績も良く、社員が125名もいるRelationEdgeは、なぜ身売りするのか? RelationEdgeのファウンダーでCEOのMatt Stoykaはこう語る: “まるで木々の自然成長のように、わずかな資金でここまで伸びてきたが、目の前にはもっと大きな機会がある。しかしそれをものにするためには、現状を超えた力が必要だ。つまり社員と企業の両方にとって、正しい新居が必要なのだ”。

彼によると、両社は社風も似ているそうだ。とくに、技術そのものよりも、それが生み出す結果を重視するところが。

当面、RelationEdgeのブランドはそのまま残り、Rackspaceとしても、現状のリーダーシップによる企業の独立性を尊重する、とBrossardは言っている。RelationEdgeのブランドイメージは無視できない、ということだ。

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