Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門であるWaymo(ウェイモ)は、テキサス州、アリゾナ州、カリフォルニア州での自動運転トラック事業を本格的に拡大するために、ダラスにトラック専用のハブを建設し、車両マネジメントサービスでRyder(ライダー)と提携するという2つの動きを行っている。

このニュースは、Waymoが自動運転プラットフォームWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)とそのチームの継続的な成長のために、25億ドル(約2754億円)の資金調達を発表してからわずか2カ月後のことだ。同社の広報担当者によれば、Waymoは、クラス8のトラック(約15トン以上)に搭載した第5世代のDriverのテストを強化していて、テキサス州ヒューストンとフォートワースを結ぶ州間高速道路45号線に沿ってJ.B. Hunt(J.B.ハント)などの運送業者の貨物を運搬し、Daimler Trucks(ダイムラートラック)と協力して堅牢なレベル4車両プラットフォームを開発しているという。Society of Automotive Engineers(自動車技術者協会)によると、レベル4の自動運転とは、あらかじめ設定されたエリア内限定なら人間がいなくても、車が自動運転可能であることを意味している。

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Waymoは、国内で最も忙しい地域の1つにサービスを提供するために、ダラス・フォートワースに、同社の自動運転トラック事業であるWaymo Via(ウェイモ・ビア)専用の9エーカー(約3万6000平方メートル)の新しいトラック輸送ハブの建設をすでに開始している。このハブは商用利用のためにデザインされており、同社がこの地域で規模を拡大し、より大規模で複雑な自動運転テストを実施する際には、何百台ものトラックを収容することが期待されている。Waymoは、このハブはテキサス州での事業をI-45(高速45号線)に沿って、I-10とI-20の間に展開するのに役立つとしている。この場所は、州境を越えた長距離路線をサポートし、Waymoのフェニックスのオペレーションセンターと連携するのに適した場所だ。Waymoは、来年の前半にこの施設に入居する予定だという。

ここで、Ryderとのパートナーシップの出番だ。ダラスのハブは、Waymo Driverのテストを行うだけでなく、Waymo Driverが幹線道路を走って、人間のドライバーがファーストマイルとラストマイルの配送を担当できるようにするための、自動運転と手動運転を組み合わせた高速道路の近くにあるトランスファーハブモデルをテストするための中心的な拠点となる。このモデルを拡大するには、高度な組織化が必要だが、Ryderの車両マネジメントサービスと、500以上の施設で標準化された車両メンテナンス技術が、その役目を果たしてくれるはずだ。

このパートナーシップには、新しいダラスの施設を含むWaymo Viaのすべてのハブとテストサイトにおける車両のメンテナンス、検査、ロードサイドアシスタンスが含まれている。Ryderの規模と影響力、そしてWeymoの自動運転車両データへのアクセスを使って、両社は自動運転トラックのメンテナンスと最適化されたパフォーマンスの青写真作りにも取り組んでいく。

Ryderのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)で新製品開発責任者でもあるKaren Jones(カレン・ジョーンズ)氏は「このパートナーシップは、当初は車両メンテナンスに焦点を当てていますが、自動運転トラックの大規模展開を成功させるために、自動運転トラックの運用面で協力する機会はたくさんあると考えています」と述べている。「すでに、トラックのサービス性や、近い将来に計画しているトランスファーハブモデルに最適化できるように、Waymoのダラスの新施設のレイアウトやデザインについて協力しています。クラス8トラックの自動運転技術は急速に展開していて、Ryderはトラックの整備だけでなく、自動運転にともなう独自の物流管理においてもリーダーとなる準備を進めています」。

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画像クレジット:Waymo

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

カルフォルニアを諦めたUberの自動運転車がアリゾナに出発

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カリフォリニア州の陸運局(DMV)がUberの車両登録を撤回したことを受けて、同社はVolvoのXC90 SUVにセンサーを取り付けた自動運転テスト車をアリゾナ州に移すことを決めた。UberのスポークスパーソンがTechCrunchに話してくれたところによれば、テスト車を載せた運搬用のトラックは現地時間22日の朝にアリゾナ州に向けて出発しており、「今後数週間以内には」同州への配備が完了する予定だ。アリゾナ州知事のDoug Duceyはこれを全面的にサポートしている。

Ducey知事は22日朝、Uberによる自動運転車のテストをサポートするとツイートした。これは正式な表明というわけではないが、Uberのオペレーションをカリフォルニア州からアリゾナ州に移してほしいという気持ちの現れだといえる。アリゾナ州の都市スコッツデールでは、今年のはじめからGMも自動運転車のテストドライブを開始している。現在はWaymoと呼ばれる、Googleの自動運転車プロジェクトもアリゾナ州で活動している。

カルフォルニア州のDMVはUberに対し、自動運転車のオペレーションを行うのであれば許可を取るようにと命令していたが、Uberはそれを無視してオペレーションを続けるという方針を発表していた。そんな中、Uberは現地時間21日にカルフォルニア州DMVと同州司法長官と会見している。その会見の結果、DMVはUberが運用する自動運転車の車両登録を撤回すると決めたのだ(合計で16車両)。

その後、カリフォルニア州DMVはもう一度Uberを招いて許可を申請するプロセスを完了させようとしたが、Uberはそうする代わりにアリゾナ州にオペレーションを移すことを決め、それはすぐに実行された。

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Uberの主張とは、同社の自動運転車にはドライバーを同乗させる必要があり、カルフォルニア州DMVが定める自動運転車の定義には当てはまらないというものだったが、同社は今もその主張を崩していない。

UberはTechCrunchにセミ自動運転トラックの「Otto」に搭載された自動運転車の写真を提供してくれた。

今後情報が入り次第、記事をアップデートする。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter