周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラが総額12億円でシリーズB調達完了

周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラが総額12億円でシリーズB調達完了、2022年中に米法人立ち上げ周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラは1月14日、シリーズBラウンドにおいて、総額12億円の資金調達を完了したと発表した。2021年10月実施のファーストクローズ時に7億円、また今回ファイナルクローズとして5億円を調達した。累積資金調達金額は総額24億4000万円となった。

ファイナルクローズの引受先は、既存株主の三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル)、新規投資家のシンガポール政府系投資会社Temasek Holdings傘下のPavilion Capital PTE. LTD.、ICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合(ICMG Partners)、QB第二号投資事業有限責任組合(QBキャピタル、NCBベンチャーキャピタル)を新規株主。

宇宙ビジネスの成長に向けて、周回衛星の事業者に地上セグメントのトータルサービスを提供するため、シリーズBで調達した資金により以下領域に注力する。

シリーズBラウンド調達資金の用途

  • 通信エリアの拡大:通信可能エリアの拡大に向けてStellarStationへの地上局の接続を進める。2021年6月に提携した「AWS Ground Station」の地上局を含め、2022年中早期に世界中で20カ所前後の地上局をStellarStation経由で利用可能となる状態を目指す
  • 衛星オペレーター向け規制対応やライセンス取得サポートの充実:衛星の打ち上げ前に必要となる規制への対応やライセンスの取得のサポートについて、サービスの強化とキャパシティ充実のために体制を強化
  • 国内での地上局ホスティングサービスの開始:日本国内での通信のために、日本での地上局設置に関するニーズがあり、これに応えるため2022年中に日本国内にサイトを準備し、ホスティングサービスを開始することを目指す
  • 米国への事業拡大:海外の衛星オペレーターから、地上局ネットワークについて問い合わせを受ける機会が増えていることから、特に北米でのサービス提供強化のため、2022年中に米国法人の立ち上げる
  • 人材採用・組織力の強化:上記施策の実行に向け、Business Development、Software Development、Operationチームの採用を加速し、組織強化を進める

2016年設立のインフォステラは、周回衛星向けGround Segment as a Service(GSaaS)プロバイダー。「We connect Earth and Space to empower the future」(地球と宇宙をつなげ未来をエンパワーする)をビジョンに掲げ、その実現に向けて「Be the most effective enabler of space business by providing the best access to satellite」(衛星への最高のアクセスを提供し、宇宙ビジネスを最も効果的に実現する)をミッションとしている。

同社は、地上局ネットワークを仮想化するクラウドプラットフォーム「StellarStation」を通じて、柔軟性と拡張性に優れた地上局ネットワークを提供。StellarStationでは、衛星運用者側は一度セットアップを行うだけで、世界中の地上局にアクセスできるようになる。地上局オーナー側は、地上局非稼働時間を他の衛星運用者に貸し出すことで、収益につなげられるとしている。

また、無線ライセンス取得や周波数調整業務など、衛星運用を行うにあたり必要となる地上セグメント側の業務サポートも実施。地上セグメント構築の難易度を下げることで、衛星を活用した新しいビジネスに取り組む企業のミッション開発とサービス改善を支援している。

周回衛星向け地上セグメントサービスプロバイダーのインフォステラが7億円のシリーズB調達

インフォステラは10月21日、シリーズBラウンドにおいて第三者割当による総額7億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は宇宙フロンティアファンド(スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー)、三菱商事、伊藤忠商事、ネクスト新事業新技術1号投資事業有限責任組合(tb innovations)、みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合(みずほキャピタル)。累計資金調達金額は19億4000万円となった。さらに2021年中の最終クローズに向け、既存投資家や新規投資家との協議を継続するという。

また、2020年3月に発行した新株予約権付社債の引受先である、大和エナジー・インフラ、三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル)、三菱HCキャピタルが新たにインフォステラの株主となった。

2016年設立のインフォステラは、周回衛星向けGround Segment as a Service(GSaaS)プロバイダー。地上局ネットワークを仮想化するクラウドプラットフォーム「StellarStation」を通じ、衛星通信用地上局サービスを展開している。2021年1月に軌道上の衛星との実証実験に成功し、5月には商用衛星向けのダウンリンクサービスを欧州政府系機関向けに提供開始した。

同社は、調達した資金をもとに、StellarStationを通じ提供可能な地上局数を増加するための開発体制、主に米国市場進出に向けた営業体制、顧客数増加に伴う運用体制についてそれぞれの強化のための人材採用を進める予定。

 

StellarStationは柔軟性と拡張性に優れたクラウドベースの地上局プラットフォーム。衛星運用者は一度のセットアップで世界中の地上局にアクセス可能となる。地上局のオーナー側は、地上局の非稼働時間を他の衛星運用者に貸し出すことで収益に繋ぐことができるとのこと。