米オーディオ機器メーカーのGradoが大麻繊維のヘッドフォンを発表、価格は約4.5万円

米国ブルックリンに本社を置くオーディオ機器メーカーのGrado(グラド)は、個性豊かな新型ヘッドフォンを発表した。価格といい、大麻繊維のHemp(ヘンプ)を注入した木製ボディーといい、大麻の葉の記章といい、ごく一部の顧客層を狙っているのは明らかだ。

同社は豊かなオープンエアーのサウンドで知られ、現在までに非常に評判のいいラインアップをそろえてきたが、この数年間はさまざまなタイプの木材や複合材料にオーディオコンポーネントを収めた限定製品の開発に力を入れてきた。このHemp Headphone(ヘンプ・ヘッドフォン)の幻覚を見そうなサイケデリックなボディーは「カエデの木材と「高圧縮したヘンプ」の複合材料で作られている」と同社は話している。

Hemp Headphoneは見た目も革新的だが、それぞれの製品の素材の違いにより、サウンドの輪郭に微妙な差が生じることの重要性をGradoは強く訴えている。おそらくそれが、この限定版シリーズを試す楽しみなるだろう。ただ、技術的にはさほど目新しいものはない。

昨年、同社は、GW100でワイヤレス技術の冒険に出た。オンイヤー型ヘッドフォンにBluetooth(ブルートゥース)を組み入れるという、実に奇妙な試みだ。Gradoは、GW100やインイヤー型ヘッドフォンでは一般向けの製品を追求しているが、同社の仕事で最も感銘を受けるのは、Bluetoothよりも家でXLR(キャノン)コネクターやフォノ出力の音を楽しむのが好きな強いこだわりを持つファンの要望に応えているところだ。

Gradoのヘッドフォンは、非常に頑固に快適性を無視し、現代のオーバーイヤー型とオンイヤー型ヘッドフォンの大きなトレンドに沿ったデザイン、つまりノイズキャンセリングを強く否定している。オープンエアー型のヘッドフォンは外の音が大きく聞こえてしまうし、ヘッドフォンの音を外に大きく漏れてしまう。そんなわけで、オフィスでの使用にはあまり向かず、家で聞くというじつにニッチな用途に限定されることになる。だが自宅待機が要請されている間は、家で音楽を聞くというのもニッチではあるが、比較的受け入れやすいニッチになってきた。

GradoのHemp Headphoneは、本日から予約を受け付けている。価格は420ドル(約4万5000円)だ。

関連記事:Gradoは初めてのワイヤレスヘッドフォンを公開(未訳)

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(翻訳:金井哲夫)

ノイキャン対応高音質インナーイヤー型ヘッドフォン「NuraLoop」がついに登場

いくつかの痛い失敗を別としても、CES 2019のNuraLoop(ニューラループ)には大いに失望させられた。前回のCESに出展されたヘッドフォンはダミーだった。それで私は、ちょっと傷ついた。オリジナルのNuraphoneは、私の2017年ベスト製品リストに載っていたので、飛行機の長旅に使えるそのポータブル版というアイデアは、まさに夢の夢だった。

あれからまる1年。それはようやく実現した。この製品を市場に送り込もうとしたオーストラリアのスタートアップが、いくつもの障壁にぶつかってきたことは理解できる。まだ設立から間もない企業なのだが、その第1世代の製品は予想を上回る出来だった。同社のノイズ対応ヘッドフォンは、パッケージに至るまで実によく考えられていた。

そのポータブルなインナーイヤー版の開発の遅れは、正直なところかなりショックだった。まるまる1年かけて、あろうことかNuraは、ケーブルを完全に取り去ることができなかった。どれだけ多くの競合他社が無線化を果たしているかを思えば、訳のわからないダブルの障害だ。無線化しないのは、美観よりも実用性を重視したためだと正面から公言すべきだ。率直に言って、デザイン上の観点からはあり得ないことだが。

CEOのDragan Petrovic(ドラガン・ペトロビック)氏は、今週開かれたブリーフィングで、オリジナルのオーバーイヤー型の顧客ベースには、熱心なプロのミュージシャンの顧客層も含まれており、アナログのヘッドフォンジャックに対応する磁石式アダプターも付属しているため、ステージ上でのモニターにも使えると話していた。有線式が求められる状況はほかにもたくさんある。例えば、今これを書いている飛行機の中とか。それが無ければ、私はただ「ジェミニマン」の画面を眺めることしかできない。

他にも利点がある。その筆頭が、充電ケースを持ち歩かなくても16時間以上のバッテリー寿命がある点だ。使わないときは首に巻いておける。もちろん、そうするのが好きな人の場合だが。

もちろん、製品の発表が遅れるのは面白くない。前回のCESから今回までの間に、Apple(アップル)はAirPod Proを発表した。製品のアプローチはまったく異なっているのだが、同社の製品は、外の音が聞ける機能や優れたノイズキャンセリングでNuraLoopのテリトリーに侵入してきている。しつこいようだが、対象ユーザーが異なる別の製品なのだが、どれだけの人間が逆にNuraLoopからAirPodへ一矢を報いてほしいと考えていることか。

NuraLoopの音質は変わらず非常に優れていることをお伝えできるのは、とてもうれしい。もちろん、イヤーカップがないためオーバーイヤー型のあの包み込まれるようなベースサウンドは失われるが、カスタマイズ可能なサウンドプロファイルは、そのまましっかりと使える。キャリブレーションもほぼ同じだ。カスタマイズが完了したら、プロファイルを切り替えて、カスタマイズでどれだけ変化するものかを確認できる。

このヘッドフォンは、少々大きな作りになっている。ぜひとも、このレビュー用のヘッドフォンを装着したままエクササイズに行って、どれだけしっかり耳に収まっていてくれるかを確かめたい。コントロール方式は実に賢くできている。ヘッドフォンの外側を指で触るだけで、いろいろな機能を操作できるのだ。

1年待たされたことには不満もあるが、辛抱してきた人には、それだけの価値がある。NuraLoopは、小さなオーストラリアのスタートアップが生み出した2つ目の傑作だ。この過密なカテゴリーで、なんとか彼らはブランドを確立できた。価格は200ドル(約2万1900円)で5月出荷予定。

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(翻訳:金井哲夫)

ミニジャック接続も可能なAirFly ProはAirPodsのアクセサリに理想的

TwelveSouthは優秀なガジェットメーカーで、さまざまなニッチに巧みに対応するプロダクトを多数発売している。最近発売されたAirFly Pro(54.99ドル)はBluetooth経由でオーディオソースを送受信できるオーディオトランスミッターだ。3.5mmヘッドフォンジャックを備えているので利用範囲が非常に広い。

メーカーのサイトとAmazonだけでなくAppleストアでも発売されるのは理由がある。AirPods Proのアクセサリとして理想的なのだ。たとえば飛行機のエンターテインメントシステムのように有線接続しかできない場合でもAirPods Proで音楽を楽しめる。

AirFly ProはAirPods ProだけでなくBluetoothヘッドフォンならすべて接続できる。ただしノイズキャンセリングでも音質でもAirPodsで最も効果的に作動するようだ。iPhoneを利用するユーザーは機内その他有線接続のオーディオシステムに接触する機会が多いだろうから理想的だ。ただしAirFly
ProはProというだけあってさらにいくつかの便利な機能を備えている。

このプロダクトはTwelveSouthとして最初の入力、出力双方が可能なオーディオストリーミングデバイスだ。たとえばAux入力ジャックしか備えていないカーオーディオでもiPhoneから音楽を流せる。AirFly ProはBluetooth機能がないオーディオシステムでもミニジャックが接続できればBluetoothによるオーディオ信号を入力することができる。

AirFly Proにはもうひとつ、オーディオ共有という便利な機能がある。2組のヘッドフォンを接続して2人が同時に同じ音楽を聞くことができる。この機能自体は最近のiOSのアップデートによりAirPodですでにサポートされているが、AirFlyの場合はiPhoneだけでなくBluetoothヘッドフォンすべでサポートされる。カップルで旅行する場合などたいへん便利な機能だろう。

AirFly Proを実際にテストしてみたが、つくりはしっかりしており、信頼性にも問題なさそうだった。ペアリングなどの設定操作も簡単で3.5mmミニジャックのキャップにはキーチェーンリングがつけられるので携帯に便利だ。充電はUSB-C経由でUSB-A、USB-C変換ケーブルが同梱されている。内蔵バッテリーで16時間以上作動するので電源がなくてもフライト中に音楽を楽しむには十分だろう。自宅でiPadを使っている場合でもオーディオトランスミッター機能は便利だ。

TwelveSouthではAirFly Proと同時にAirFly DuoとAirFly USB-Cをリリースしている。Proとの違いはワイヤレス入力機能が省略されている点だ。ただしバッテリー作動時間は4時間長くなる。USB-Cモデルは3.5mmジャックがなくUSB-C端子のみ備えたオーディオデバイスが利用できる。これらのモデルはPro同様、2組のヘッドフォンが共有できる。Duo、USB-Cとも価格はProより5ドル安く49.99ドルだ。

【Japan編集部追記】AirFly Proは日本のアップルオンラインストアでは税別6180

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滑川海彦@Facebook

Boseのサングラス型新製品は‘オーディオAR’を提供する(ディスプレイはない)

オーディオ(スピーカー、ヘッドフォン)の名門Boseが新しいウェアラブルSDKを立ち上げて、拡張現実(augmented reality, AR)に手を染めたのは3月だった。そして近ごろやっと製品市場化のめどが立ち、最初のヘッドセットを来月発売することになった。

でも、ARという言葉に釣られるのは禁物。そのFramesと呼ばれる製品は、いかにもBoseらしく、あくまでも“オーディオによる”拡張現実だ。つまりそれはサングラスのような形はしているけど、ヘッドアップディスプレイはない。むしろそのねらいは、すごく没入的なオーディエンス体験をユーザーに提供することだ。

このハードウェアは、頭の動きを捉える9軸モーションセンサーとAndroidまたはiOSデバイス上のGPSにより、ユーザーがどこにいてどっちを向いてるかを検出する。そして位置や方向の変化に応じてオーディオを内蔵ヘッドフォンへ注ぎ込む。

このグラスには、イヤーバッドや骨伝導ではなく、小さなスピーカーグリルがある。だからユーザーには環境音も聞こえる。そのことは、良くもあり、悪くもある。耳を完全に覆うヘッドフォーンのように完璧なオーディオは楽しめないが、まわりによく注意することはできる。

さて肝心のコンテンツだが、その発表はまだない。それは来年からだ。でも同社によると、ゲームや学習、旅行情報などが提供されるらしい。ツアーガイドなんかも、あるのだろう。でももちろん、あなたはそのコンテンツが対応している場所にいなければならない。

お値段は199ドルで、まだ未知数の製品にしては高いが、もともとBoseの製品は高いから、誰も違和感を感じないかもしれない。電池は一回の充電で3.5時間、スタンバイタイムは12時間だ。

上図のようにFramesは二つのスタイルがある。アメリカでは1月に発売。そのほかの市場には春だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LogitechとPlantronicsの交渉は決裂

Logitech Internationalは本日付の声明で、Plantronicsと買収に関する話し合いを行っていたが、交渉を打ち切ったと発表した。

この週末、本誌は両社が22億ドルの買収交渉をしているというReutersの報道を取り上げた。

同社は正式発表以外のコメントを出していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

カセットテープをまだたくさん持ってる人用にCrosleyが新しいラジカセを発売

Crosleyは、Urban OutfittersやTargetなどで売ってる、中級品のレコードプレーヤーを作っている企業だが、レコードの次にねらったレトロ路線は当然ながらカセットだ。ニ機種とも1985年ごろの最新機能がすべてあり、現代的な便利機能もいくつかある。

まず何よりも明らかなのは、確実に滑稽な製品であることだ。それに、今でも大型ラジカセを買おうと思ったら買える、30ドルぐらいで。でもぼくがネットで見たかぎり、どれもかなり醜い。ビンテージもあるが状態が良くないし、腐食やモーターの故障など修理不可能な問題も抱えている。

しかし、信じない人もいるかもしれないが、テープは今なお立派に現用されている。カセットデッキを自作したり、それを使って録音をしている人たちは、それが楽しくてレトロで、そしてアナログだから好きなのだ。実はぼくも昨年、あちこちの展示会で数台買った。

だから、外見の良い、ポータブルな、ラジオ付きカセットプレーヤーなら、市場は確実にある。

Crosleyの製品は、相当、単純明快だ。製品はニ機種あって、大きなスピーカーが一つある(ステレオではない)。デッキは単方向なので、テープを裏返す必要がある。AM/FMのラジオとマイクもある。60ドルのCT100(カット写真)は、短波も受信できる。そしてSDカードやUSBメモリーからも音楽を再生できる。70ドルのCT200(上図)は、高音と低音を上げ下げできるし、録音やポッドキャスト用にVUメーターもある。

ぼくが買うなら、CT100だろう。SD/USBにダウンロードした曲でミックステープを作れる。曲と曲の間に短いしゃべりを入れてDJを気取ったら、それはまるで1994年のぼくだ。それに、短波ラジオも、何かに使えるかもしれない。

かなりアホらしい製品だけど、今生きてる世界も十分にアホらしい。アホらしいだけでなく、恐ろしい。カセットの復活は、癒しになるかもしれない。レイバンの格子柄スカーフのにせものを売ってるような店なら、きっとこのカセットプレーヤーも売るだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

レビュー:小さな129ドルのEcho Subでオーディオ環境が格段にアップする

音楽をもっといい音で聴きたい? それならサブウーファーを追加することだ。Amazonもそうすることにした。これで、Echoスマートスピーカーのラインナップは、ずっと面白くなった。Echoの音を不満に感じていたとしたら、Echo Subを追加してもう一度試して欲しい。きっと考えが変わる。

Echo Subは、小型の丸いサブウーファーで、Echoスピーカーと同じファブリックのカバーをかぶっている。ただし、現在色はチャコールのみ。床にも机の上にも置けるようデザインされ、Echoスピーカーでは再現できなかった低音域を発生する。Echo Subは、Echoスピーカーの音を、より完全に、より楽しく補完し、バランスの良い、より原音に近い音場を作るという使命を、うまく果たしている。Echo Subは、Echoオーナーには必須のアイテムだ。

レビュー

Amazonは、99ドル(約1万1000円)のEchoスピーカーのペアと、129ドル(約1万4400円:日本では1万5980円で10月30日に発売予定)のEcho SubをTechCrunchに提供してくれた。このセットは249ドル(約2万7900円)で発売されているが、Amazonは、Echo SubとEcho Plusのバンドルセットも329ドル(約3万6800円)で販売している。その違いには、価格の差に値するものがある。

設置には25分ほどかかる。それぞれのスピーカーをAlexaスマートフォンアプリで個別に追加するようになっている。すべてのスピーカーの設定が終わったら、これらをバーチャルグループにまとめる。アプリは、それを簡単に行えるように助けてくれるのだが、その工程でいくつかバグに遭遇した。スピーカーをグループに追加するときに、スピーカーを認識できないことが何度かあった。また、2つのスピーカーは認識できても、Subが見つからないということもあった。それでもなんとか設定を済ませ、2つのEchoスピーカーでステレオをサウンドを鳴らし、Echo Subで低音を出すことができた。

Echoスピーカー1つとサブウーファーを追加したことで、音がとても良くなった。しかし、驚くにはあたらない。ステレオにして音楽がより楽しくなるのは当然のことだ。

数年前に登場したJAMBOXは、ある世代に、音楽を聴くにはスピーカーはひつで十分だと思い込ませた。しかし、それはウソだ。ひとつでも音楽は聴けるが、ステレオならなおいい。さらに、Echoの場合はサブウーファーまで付いたのだから、もっといい。

Des Rocsの『Let me Live』は、この新しいサウンドステージを存分に活かしている曲だ。左右のスピーカーはその能力を爆発させ、Amazon EchoやApple HomePadのひとつのスピーカーでは味わえなかった没入感溢れるサウンドを楽しませてくれる。ステレオによって、音楽は生き生きと響く。

AKA Georgeの『Stone Cold Classic』も、このセットで生き返る。Echo Subはドラマチックな低音をトラックに与え、ステレオのEchoスピーカーが最高のエクスペリエンスを作り出す。まだ信用できない? ならばヴァン・ヘイレンの『パナマ』を聴いてみよう。ひとつだけのスピーカーでは、チャンネルがごちゃ混ぜになってしまい、この本来のサウンドは味わえない。しかし、本当のステレオとサブウーファーとの組み合わせにより、デイヴ・リー・ロスの声が生のように聞こえる。

249ドルのセットのサウンドには、本当に驚いた。重い仕事を大幅にEcho Subに割り当てることで、Echoスピーカーは中音から高音に専念できるようになり、この価格にしてはクリアで正確なサウンドが再現可能になった。249ドルで、Echoスピーカー2台とEcho Subのセットに匹敵するオーディオシステムを探そうと思ったら大変だ。さらに、Echoのスマートな機能が魅力を高めている。

Amazonから99ドルで発売されているEchoスピーカー2台でも、それなりに仕事はしてくれるが、149ドル(約1万6700円)のEcho PlusスピーカーとEcho Subを組み合わせたとき、その違いが歴然とわかる。Echo Plusを2台使えば、サウンドがさらによくなる。セットで買えば、価格の差はわずかだ。

Echo Subは、ほとんどの状況にうまくはまってくれる。他のサブウーファーと比べて小型だ。必要な低音が十分に出せるが、壁を振るわえるほどではない。ズンズン響くこともない。ハードロックやノリのいいポップスに向いている。車のトランクをぶるぶる震わせるようなラップには向かない。たとえば、アークティック・モンキーはいいが、ポスト・マローンにはちょっと合わない。

Alexaアプリを使うと、Echo Subの低音、中音、高音の調整ができる。ただ、調整範囲は限定的で、ウーファーの音響的特徴を極端に変えることはできない。全体的に、Echo Subは、2つのEchoスピーカーとうまく調和する、エレガントな小型サブウーファーということだ。

Echo Subは、Echoスピーカー1台だけでも使うこともできる。Echoスピーカーを1台しか持っていないという人でも、Echo Subを加えれば、驚くほど音質が向上する。

スマートスピーカーを組み合わせて新世代のステレオサウンドを構成しているのは、Amazonだけではない。Sonosは、ずっと前から複数のスピーカーを無線で接続して、ステレオやサラウンド音響が作れるようにしていた。Google Home Maxも、2台組み合わせれば可愛いステレオセットになる。Apple HomePodもそうだ。350ドル(約3万9000円)のHomePodを無線で2台つなげばステレオになる。これらのシステムは、どれも素晴らしいオーディオ品質を提供してくれるが、Amazonのものに比べて全体に高価だ。また、Amazonの他に専用のサブウーファーがあるのはSonosだけだ。

Echo Subを加えたAmazonは、同等の他社製品よりもずっと安価に、高い音質を提供できるようになった。129ドルのEcho Subは、コンパクトで高性能で、Echoスピーカーを即座にアップグレードできる最善の方法だ。もし可能なら、Echoスピーカーをもう1台追加して、ステレオセットを構築して欲しい。

Echo Subは、音楽を聴く環境がEchoスピーカーだけという家庭にお薦めだ。もし、Echo Subを買うか、もう1台のEchoスピーカーを買うかで迷っているとしたら、Echo Subを先に買うことをお薦めする。

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(翻訳:金井哲夫)

マーシャルのキルバーンIIは、堅牢美的なBluetoothスピーカー

Marshallは、自らの遺産を利用することをためらわない。伝説的英国アンプメーカーは、その名前を ビール缶冷蔵庫に貼り付けてきた。まったく駄目なブランディングではないが、ばかばかしいことは間違いない。

一見したところ、同社のBluetoothスピーカー・ヘッドホン製品ラインにも同じことが言えそうだが、ひとつ重要な違いがある。これが実によくできていることだ。 この会社が消費者向け電子製品に進出してから数年が過ぎたが、その象徴的な筆記体ロゴを冠したこれまでの製品群と驚くほど調和している。

今年夏のIFAで発表されたKilburn IIは、お馴染みのMarshallアンプのスタイルから外れていない。事実、これを練習用アンプと見間違えても責められない。しかし、これは頑丈に作られたBluetoothスピーカーで、ゴム加工された合成皮革デザインは相当の衝撃にも耐えられる。前面に施された鎖状のグリルがさらに堅牢さを増している。

スピーカーは防水なので屋外でもさほど心配なく使える。とはいえ、本当の全天候型スピーカーが欲しい人にはJBL製品をお薦めする。このKilburnは一緒に泳いではくれないが、ウィスキーをちょっとこぼすくらいなら耐えてくれる。

音質はこのサイズのスピーカーとしては十分だ。これまでに聞いたBluetoothスピーカーの中で最高とは言わないが、小さな部屋を音で満たせるポータブルを探している人には確実な選択だ。上面の高音・低音ツマミをつかえば完璧な音を見つけることができるだろう。

多くのBluetootスピーカーとは異なり、Kilburnは充電に専用のプラグが必要だ。つまり、microUSBでもUSB-Cでもない。しかし、巨大な内蔵バッテリーのことを考えれば納得できる。一回の充電で20時間以上使用可能で、残量に合わせて赤いバーが減っていくのが見える。

299ドルという価格はBluetoothスピーカーとして安くないが、価格帯に十分見合った出来栄えだ。オーディオマニアの音響システムをすぐに置き換えることはないだろうが、少なくともあなたのレコードコレクションの隣に置くにはぴったりだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft Surfaceファミリーにヘッドホンが加わる

今日の大きな発表の数々が数年来見てきたデバイスの定期的アップデートであることはわかっている。それでもMicrosoftは、今日のイベントに小さなサプライズを忍び込ませた。シンプルに名付けられたSurface Headphonesは、同社のノート、デスクトップ製品ラインを通じておそらく最も異質な新製品だろう。

しかしこのオーバーイヤー型ヘッドホンの鍵がCortanaにあることは明白だ。MicrosoftはこのSiri/Alexa/Assistant競合製品の普及にいくらか問題を抱えているので、こうした次世代ノイズキャンセリングのついたデバイスが伝道の後押しになるのだろう。

350ドルのワイヤレスヘッドホンは、いたる所で目にするBoseのQuietComfortや、Sony、Samsungらの競合製品がライバルになる。もちろん、もしCortanaが主要な差別化要因であるなら、混戦を抜け出すのは困難だろう。

まだ発表されたばかりで、発売時期も(「近日発売」以上には)わかっていないので、おそらくMicrosoftはまだいくつか楽しみを隠し持っているのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Echo版HomePodが必要?ならば自分で組み立てよう

本日開催されたAmazonの大規模イベントでの、大きな驚きの1つは、同社が発表しなかったものである。Amazonはここ数年にわたり、HomePodやGoogle Maxに相当する独自バージョンの高級スピーカーを作っているのではないかという憶測が飛び交っているが、結局の所まだ真のプレミアムEchoを目にしてはいない。

この理由の一部は、Amazonが既にSonyのようなハードウェア企業と手を組んで、Alexa組み込みプレミアムスマートスピーカーの提供を推進しているという点にもある。しかし今日私たちは、Amazonがこうした製品をどのようにして行こうと計画しているのかを垣間見ることができた。率直に言えば、ちょっとした新風である。

Amazonは既に基礎を押さえている。計画の第一歩は、EchoとAlexaをできるだけ多くの家庭の、可能な限り多くの部屋にばらまくことだ。そのためには超低コストのEcho Dotが大きな役割を果たしている。本日Amazonはこうしたパーツたちを、更に別のものへと変身させられることを示したのだ。

イベントの後で、私たちはAmazon HQの中に用意されたいくつかのデモ用居室に案内された。ここは自然の生活環境の中で、新しい製品を紹介できるようにデザインされている。私は2つの新しいEcho Dotに挟まれたソファーの前に立っていて、2つのデバイスに分離された左右のステレオトラックから流される、エド・シーランの曲を聞いていた(言っておくが、私の選択ではない)。

音は大きくて、まあまあだったが、HomePodのようなものと比べることはできない。だがそれは問題ではない。新しいSubを追加して、Link Ampも接続してみよう。やった、自分自身で組み立てたモジュラーホームステレオシステムの出来上がりだ。これはAmazonをSonosのようなものと競わせるようにできる、魅力的なアラカルトアプローチだが、それ以上に重要なことは、既存のEchoを、複数の部屋にまたがるホームスピーカーシステムの中心に据えることができるということだ。

Amazonクロック?Amazon電子レンジ?(どちらもハードウェアイベントで発表された)これらの奇妙な追加製品は、私の同僚のMatt Burnsの心には響かなかったようだ。一方Linkに関しては「ほんの2,3週間前には、光出力のためだけに、もう少しで600ドルのデバイスを買うところだったんだよ」と彼は言った。今や199ドルまたは299ドルで、LinkまたはLink Ampを手に入れることができるのだ。

HomePodやHome Maxのために349ドルとか400ドルという大金を支払う代わりに、自分自身の組合せを1つずつ作り上げて行けるのだ。もちろん、全部を組み立てたあとのコストは、先の2つのスピーカーを選ぶよりもすぐに高くなる可能性があるが、1部屋ごとに組合せを考えてカスタマイズできることには多くの利点がある。

このアプローチは、Amazonのニュースでぎっしりのこの1日の中でも、最も魅力的で素晴らしいものだ。AppleとGoogleがこれにどのように反応してくるかを見るのが楽しみだ。

イベントの完全なレポート一覧はこちらから

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(翻訳:sako)

Alexaに音声によるイコライザーが登場、オーディオ機能の高級化に一歩前進

AlexaがEchoのイコライザーを設定できるようになり、たとえば“アレクサ、高音を下げて”(Alexa, decrease the treble)で高音が下がる。この便利な機能は、もっと前からあってもよかった、と思うが、とにかく二日後には展開を終了し、Echoに“アレクサ、低音を上げて”(Alexa, turn up the bass)と言えるようになる。

当面アメリカだけだけど、EchoとDot, Plus, Show, Echo Spotで帯域を-6dbから+6dbの範囲で増減できる。

デベロッパーのスキルAPIも同時に提供するので、Polk Command BarやSonos Beamなどのスピーカーのメーカーも、この“音声によるイコライザー”を実装できる。Echo以外のデバイスでも利用できることは、ライバルのApple HomePodやGoogle Home Maxに勝つための重要な戦略だ。

昨年Amazonは、HomePodの対抗機を作っている、と噂された。結果的にそれは、Echoの次世代機として実現した。より高度な設計になり、オーディオも良くなったが、でもそれは、一部で期待されたハイエンドのスピーカーではなかった。今度のイコライザーではオーディオのカスタマイゼーションが増え、高級オーディオ製品としてのEchoの準備が始まったのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ひとつのBluetooth出力を複数のスピーカーで聴けるTempowの改造プロトコル

フランスのTempowは、Bluetoothのプロトコルを改造してそれを多機能にしようとしている。同社はこのほど、テレビやセットトップボックス用の新しいオーディオプロフィールを発表した。

テレビやセットトップボックスのメーカーがTempowのソフトウェアをライセンスすると、彼らのデバイスに新しい機能を実装できる。それは通常のBluetoothチップを使うが、そこに新しい可能性を開く。

まず、テレビの音声を複数のBluetoothスピーカーへ送れるようになるので、テレビ音声のサラウンド化ができる。

今、サウンドバーが5.1システムを徐々に駆逐しつつあるのは、後部スピーカーのために床にケーブルを這わせるのが面倒だからだ。TempowならスピーカーはBluetoothだからケーブルは要らない。

またTempowのBluetoothは、複数のデバイスにそれぞれ別のオーディオを送れる。たとえばテレビに複数のヘッドフォーンを接続して、それぞれ異なる言語で映画を鑑賞できる。字幕を読めない子どもでも、吹替版で映画を楽しめるようになる。

また、メーカーや型番の違う複数のスピーカーのサウンドプロフィールを揃えて、誰がどれで聴いても同じ音が聴けるようにもできる。

最初同社は、スマートフォンのオーディオプロフィールに取り組んだ。たとえばMoto X4のスマートフォンを持ってる人が、複数のBluetoothスピーカーを接続できたりする。しかし今日は、スマートフォンを超えてテレビやセットトップボックスに手を伸ばした。でも、それもまたBluetoothなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Bose、睡眠改善ビジネスに参入

米国民の大人の35%が睡眠を7時間とっていないと知ったら、あなたはますます悩むかもしれない。実際、この数字はすごく少ないように思われる。私自身、よく眠れていない。これまでずっとそうだったし、状況を改善するいいガジェットがあると聞くとつい手を伸ばしてしまう。

睡眠不足は、米国において毎年4110億ドルもの経済負担を生じさせている。睡眠不足は体に悪いし、周囲の人が近寄りがたいほど気難しくなったりする。だからこそ、Boseは睡眠改善ビジネスに参入しようとしている。明日、BoseはSleepBudsを発表する。入眠や眠りの質で悩みを抱えている人に向けた同社初の商品となる。

耳に差し込むタイプのこのワイヤレスイヤホンの登場は、150ドルの“スマート耳栓”を開発・販売しているサンディエゴ拠点のスタートアップHushをBoseが買収したことによるものだ。この買収では、横向けに寝ていようが寝ていまいが耳に快適に収まるその小さな躯体に必要な部品を詰め込むというノウハウをBoseは得た。その結果、今回発売するSleepBudsはティップとフックを除くとペニー硬貨のおおよそ半分ほどのサイズだ。

今日のランチイベントで私が話した担当者によると、Hush買収時、Boseは独自の睡眠改善ソリューションで試行錯誤していた。最終的に仕上がったこの製品にはHushの部品がBoseのもので仕上げられ、磨かれたアルミニウムのケースに収まっている。

Hushを買収したことによる面白い影響は他にも見られる。というのは、今回がBoseにとって初めてのクラウドファンディングであるということだ。オリジナルのスマート耳栓はKickstarterでのクラウドファンディングを経て商品化されていて、この2社はSleepBudsをテスト展開するために今回Indiegogoに持ち込む。

249ドルのSleepBudsはあらゆる要素が詰め込まれている。驚くほど快適な装着感で、外れにくい。シリコン製のティップが、耳に入るこもうとするノイズをブロックしてくれる。Boseが熟知しているアクティブ・ノイズ・キャンセリング機能は搭載していない。その代わり、搭載するサウンドスケープ(葉がたてるサラサラとした音や、したたる水の音など)でノイズをかき消す。

Boseはマンハッタンのホテルで我々にデモ体験をさせてくれた。街の喧騒といったニューヨーク特有のざわめきがする中で、製品の実体験というよりはラボでの睡眠研究のような感じだった。

SleepBudsは音をいっぺんにブロックするわけではない。その代わり、そよ風が吹く野原の遠くで誰かがいびきをかいているような奇妙なエフェクトが混ざった音がする。この音のレベルはアプリでいつでも調整できるが、決して大きなボリュームで聞きたい種類のものではない。

興味深いことに、Boseはこうした音をストリーミングせず、ローカルにファイルを保存することを選んだ。10のサウンドがプレロードされていて、さらに追加することもできる。これはバッテリー問題のためにこうなっている。フル充電すると16時間作動し、充電ケースを使えばさらに16時間の使用が可能だ。これは多くの人にとって4日分の睡眠時間、不眠に悩まされる人にとっては7、8日分の睡眠時間に相当するだろう。

SleepBudsのデメリットは明らかだ。もしあなたがこのプレロードされたサウンドではなく、音楽やポッドキャスト、その他のものを聴きながら眠りにつきたいのだとしたら、残念ながら、ということになる。前述したように、アクティブ・ノイズ・キャンセリング機能は搭載していないので、長距離フライトで眠りにつこうとするときにはベストな選択肢ではない。実際のところ、飛行機の騒音というのは、この耳栓にプレロードされているサウンドの一つで、この音で落ち着くという人もいるかもしれない。

不眠のためのアプリケーションは数多く展開されているわけではなく、そのためかSleepBudsの価格は249ドルとお高め設定だ。もしBoseがこの耳栓にタイマー機能を搭載したり、HeadspaceやCalmと提携したりすれば、瞑想にも使えること間違いなしだろう。しかし改めて言っておくが、この耳栓にはストリーミング機能はない。それが難点といえるだろう。

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(翻訳:Mizoguchi)

MWCに見る3.5mmヘッドホーンジャックの盛衰、ないことが高級機の証拠、しかし低価格機では必須

ワイヤレスの産業が今、Mobile World Congressで最新の技術と製品を披露している。Samsung, Sony, Nokia, LGなどからここで発表されたスマートフォンの新製品は19機種だ。各社はそれらを、2018年に消費者に売っていくつもりだ。その多くに3.5mmのジャックがあるが、でもその多くは中級から初級レベルの機種で、各社の旗艦的製品からは急速に姿を消しつつある。

上記19機種の中で、古典的な3.5mmのヘッドホーンジャックがあるのは17機種だ。ないのは、Sony XZ2, Sony XZ2 Compact, そしてNokia 8 Siroccoだ。しかしこれらの機種の前の型には3.5mmジャックがある。〔下図参照〕

いわゆる旗艦機の中でも、Samsung Galaxy S9とLG V30s ThinQは3.5mmのヘッドホーンジャックがある。SamsungはS9の発表の席で、このスマートフォンは革新的である、3.5mmのポートがあるからBluetoothが要らない、とジョークを言った。

3.5mmのジャックは2016年から徐々に姿を消し始めた。その年の4月にLeEcoは、ジャックがなくて、USB-Cをオーディオ用とする一連のスマートフォンを発表した。その後、Appleは2016年9月にiPhone 7でジャックを消し、さらにGoogle Pixel, Moto Z, HTC U11, Xiaomi Mi 6らがこのトレンドに乗った。

ヘッドホーンジャックがある機種と、ない機種の境(さかい)が明確になってきた。

MWC 2018で発表されたスマートフォンの多くが、低価格のミッドレンジ機で、それらはどれも3.5mmのジャックがある。いくつかの旗艦機も発表されたが、ヘッドホーンジャックがあるのはその半分だ。ただし量販されていないLand Rover ExploreとCat Rugged S61は、計算から除外する。

MWC 2018で新製品を発表しなかったのが、Motorola, HTC, Xiaomi, Huaweiだが、彼らの今後の機種に3.5mmのジャックがあることは、考えられない。すでに、前の機種からないのだから。

低価格機の3.5mmジャックは、Bluetoothヘッドセットがうんと安くなるまで、なくならないだろう。今は、ミッドレンジのBluetoothヘッドセットの方が、一部のスマートフォンよりも高い。

2018年の初めという今の時点では、ヘッドホーンジャックはミッドレンジから初級レベルのスマートフォンでのみ、標準装備だ。各社の旗艦的機種では、3.5mmジャックは徐々に姿を消し、やがて、このジャックがないことが高級機であることの印(しるし)のひとつ、と見なされるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Javascriptで作ったWinAmpエミュレータでインターネット・ガキだった自分を思い出そう

昔の子どものころからインターネット・ガキだった人は、WinAmpという小さなアプリケーションをおぼえているだろう。その小さなプログラムは、イコライザーのスライダーがいっぱいあって、まがい物のステレオ受信機みたいだったが、取説のMP3はWinAmpのミッションを“ラマ*の尻(けつ)を鞭でぶつこと”、と言っていた。〔*: llama, 当時のインターネット・ガキのこと〕

Jordan Eldredgeというプログラマーが、WinAmpへのオマージュをJavaScriptで作った。そのウィジェットを使えばスタンドアロンの音楽プレーヤーをどんなWebページの上にでも作れて、好きなスタイルをWinAmpの歴史から選べる。それをここで試せるし、コードはここからダウンロードできる。

“最初のヒントは、WinAmpのスキンがCSSのスプライトによく似た方法で実装されていることだった”、とEldredgeは述べている。“10代のころはWinAmpのスキンづくりで何時間も遊んでいた。コンピューターの上で初めてやった建設的でクリエイティブなことが、それだった”。

そのエミュレーターはWeb Audio APIを使って、オリジナルのWinAmpにできたことを、ほとんどすべて真似する。

“ぼくは3年前のアイデアを、いつまでも忘れられないおたくだね。‘それはやめるべきではないか?’、と自問する良識がぼくにはない。でもWinAmpのすべての機能をWebブラウザーという制限の中で作ることは、すごくクリエイティブでおもしろかった。WinAmpのスキンを考えた人も、同じような制限の中でクリエイティビティを刺激されたと思うね。ボタンを動かしたり、ウィンドウのサイズを変えたりできない中で、強力なユーザーインタフェイスを作ることは、すばらしいチャレンジだ。しかも、選択肢の多さに麻痺してしまうこともないしね”。

コード以外にEldredgeは、ボウリング場みたいなMP3プレーヤーを作りたい人のために、WinAmpのスキンをツイートするボットもリリースした。

そして極(きわ)めつけは、本誌TechCrunchのレポーターDevin Coldeweyが、これでやっと自分のオーディオファイルを整理できるようになったことだ:


[今でもWinAmpを使って手作業で音楽を整理している]

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Google Playのストアがオーディオブックを発売、Assistantと統合で便利機能も

Google Playのストアが今や、オーディオブックを扱っている。Playのストアのことを、AndroidのためのGoogleのアプリストアだ、と思っている人が、多いかもしれない。でもこのストアは前から、ムービーやテレビ番組、雑誌、eブックなども売っている。〔Home, Daydream, Chromecastなどのハードウェアも売ってる。〕

オーディオブックの販売は、45か国9つの言語でサポートされる。

オーディオブックを扱うのは自然な流れのようだけど、これまでなかったことが意外でもある。なぜそんなに時間がかかったのだろう? Google Play BookのプロダクトマネージャーGreg Hartrellはこう説明する: “多くの人が、本をもっとたくさん読みたいと思っているし、とくにオーディオブックは忙しい生活の中で本を‘読む’方法として人気が増している。Play Bookはすでに歴史も長くて、75か国に向けて500万あまりのeブックを提供しているが、最近はオーディオブックへの関心が高く、音楽やポッドキャストなどそのほかのオーディオコンテンツと同格になりつつある。でもいちばん重要なのは、ユーザーの要望がとても大きいから提供を開始する、ということさ”。

オーディオブックはどこでもそうだが、Google Playのストアでも試聴ができ、購入すれば自動的にユーザーのファミリーライブラリの一員になる。つまり、家族の誰もが‘読める’ようになる。

またスマートフォンやGoogle HomeではGoogle Assistantに統合されるから、Assistantに命令して(頼んで)読んでもらえる。また、“著者は誰?”など、その本に関する質問もできる。

Googleのオーディオブックのお値段は、少なくとも現時点では、Amazonと互角だ。人気のタイトルはだいたいどれも10ドル以下で、たとえばMichael WolffのFire & Fury(トランプ大統領の暴露本)は8ドル99セント、John GrishamのThe Rooster Bar9ドル99セントだ。

言語は英語, ドイツ語, スペイン語, フランス語, イタリア語, ロシア語, 韓国語, 日本語に対応。ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、およびアジアの計45か国で利用できる。

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交通騒音も路上と室内では違う…3D空間内の複雑な音響編集を助けるResonance AudioをGoogleが発表

拡張現実(augumented reality, AR)は、コンピューターとの対話を三次元化するという展望により、徐々に伸びつつあるが、すでにいろんなプラットホームを提供しているGoogleは、その三次元空間に視覚だけでなく五感のすべてを持たせたいようだ。

今日(米国時間11/6)Googleは、同社のVR Audio SDKをベースとして、より総合的な空間オーディオプロダクトResonance Audioをモバイルとデスクトップ両用に作っていることを発表した。

Googleの説明によるこのSDKの用途は、“本物の音が人間の耳や環境と対話する”様相を再現することだ。たとえば、現実の音が物や環境によって歪むという現象も、ARの仮想的シナリオにおいて再現する。

たとえばあなたが大型ラジカセを持って歩いている仮想キャラクターだとすると、何かの曲を鳴らしながら開放的な空間を歩いているときと、吹き抜け階段を降りているときとでは、音はどう違うのか? Resonance Audioが対応しているこのような多様な状況により、ユーザー(デベロッパー)もそんな状況を三次元の奥行きの中で音で再現できるようになる。

またResonanceはデベロッパーがシーン中の音源を指定できるだけでなく、音源が動く方向も音質の変化で表すので、たとえばあなたがデジタルのキャラクターのうしろを通るときと、顔の前を通るときでは、反響音を変えられる。

上で例を述べたようなさまざまな状況の変化は、ゲームのデベロッパーにとってはおなじみのものだが、しかし複数の(数十の)音源が同時にいろんな状況で対話的に鳴るといった複雑な設定では、その対応も難しい。CPUはビジュアルにかかりっきりで忙しいことが多いから、音の表現のこのような複雑性は予想外の困難性をもたらし、結局ベーシックなオーディオだけで発売してしまうこともありえる。Resonanceはたとえば、一部の音のリバーブを、いろんな環境ごとに事前に作っておくといったトリックにより、音のリアルであるべき対話性が時間的にずれる、といった問題を解消する。

ResonanceはUnityやUnrealのようなゲームエンジンとも併用でき、またいろんな音響編集作業のためのプラグインも用意しているから、既存のワークフローとの相性も良いだろう。

GoogleはVRやARの基盤的技術への関心をベースとして、さらにそれらをゲームの開発に応用しようとしているようだ。先週Googleが見せたPolyは、3Dのアセットや環境のためのホームだ。そしてResonance Audioが空間的オーディオを提供し、よりリアルな音の開発を容易にする。

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Deepgramがディープラーニングを利用する機械書き起こしサービスを無料で公開、データの獲得をねらう

オーディオデータを機械学習で処理するDeepgramが今日(米国時間10/10)、同社の機械書き起こしサービスを無料で公開した。これからはTrintのようなサービスにお金を払って自動化書き起こしという汚い仕事をやらせなくてもすむわけだ。無料化の秘密は、“データの取得”にある。

機械書き起こしは、完成された技術ではない。というか、機械何々はどれも未完成だ。それでも最近は、機械何々を完成させるためのデータを得ようと、各社が競っている。Deepgramのやり方は、書き起こしサービスを無料にして多くの人にオーディオデータをアップロードしてもらい、そのお礼に検索可能なテキストを渡すことだ。

前述のように、このやり方はそれほどユニークではない。誰もが、データを求めている。Image Captchasも、ラベルをつけた画像データを一般消費者に送ってもらって機械学習のモデルに利用することが目的だ。

Deepgramの書き起こしツールは、ディープラーニングを利用している(驚き!)…今やおなじみの、畳み込み型/再帰型のニューラルネットワークだ。無料バージョンでは何もかも一般化されるが、有料バージョンでは企業名や製品名、業界の専門用語などで訓練をカスタム化できる。

一週間前にやった1時間のインタビューで、このサービスをテストしてみた。レストランの騒音の中で二人の人間が対話をしている。書き起こしの質は、完全にはほど遠い。でも、今市場に出回っているサービスに比べて、極端に悪いというわけではない。

記憶している語句で検索することもできたし、三回目の結果の中に、探していた特定の箇所が見つかった。それをここに引用すると相手が怒りそうだからやめるが、記事を書くためには十分なコンテキストが得られた、と言えよう。音声による検索には5分ほどかかったが、テキストと違って音声による“語”には、似たような音(おん)が多いので、必要以上のマッチを見つけるのだろう。それでも、人間がやってくれる書き起こしサービスに比べると安い(無料!)し、今後少しずつ良くなっていくだろう。

Deepgramの協同ファウンダーでCEOのScott Stephensonはこう説明する: “音声認識の自動化は、まだ完成された技術ではない。特定のデータセットに対しては有能だが、ノイズが多いとだめだ。うちのサービスの結果も、良くないね”。

Deepgramは、機械書き起こしのAPIも無料で提供している。でも、有料サイトに100万分(ふん)の音声データをアップロードしたら、目の玉の飛び出る料金になるだろうから、その500テラバイトのファイルはDeepgramにトロルした方がよいかもね。

書き起こしはまだまだ人力には勝てないが、人工的に合成した音声なら機械学習にも勝つチャンスがあるかもしれない。テキストから音声を生成するWaveNetLyrebirdのようなプロジェクトを利用して、Deepgramのような機械翻訳システムを、機械が間違えやすい語で訓練すれば、その能力もアップするだろう。

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Monsterが音楽専用の音声アシスタントをヘッドフォーンの新製品に搭載、Siriの音楽無能が契機

Monsterは必ずしも革新的なテクノロジー企業ではないけど、でも同社製のヘッドフォーンにMelodyと呼ばれるヘルパーアプリを載せることによって、今大流行の音声アシスタントの世界へ足を踏み入れた。

MonsterのElementsヘッドフォーンに搭載されているMelody音声アシスタントを作っているSpeak Musicは、基本的にその機能を、Siriが音楽サービスをApple Musicしかサポートしていない、という音楽的欠点を補うために設計した。Siriは、そのApple Musicのサポートすら、そもそも十分ではない。Speak Musicの財務のトップは、Monsterのプロダクト担当VPだった人だから、その御縁で二社はパートナーしたのかもしれない。

Melodyは、ヘッドフォーンに限らず、スタンドアローンのオーディオ製品に組み込むのに適している。いきなりAmazonのAlexaやMicrosoftのCortanaなどに飛びつくと、今の音声アシスタント製品にはびこる数々の愚かさから、逃げれなくなってしまう。少なくとも理論的には、ユーザーはオーディオ製品に音楽の機能だけを期待するだろうから、ほかの低能な音声アシスタント機能で彼らをがっかりさせるおそれはなくなる。Bluetoothスピーカーならまだしも、ヘッドフォーンが、Siriなどスマートフォンのアプリに依存していたら、相当売りにくいだろう。

Melodyも、スマホのアプリとしてダウンロードできるが、でも音声アシスタント機能は即座に簡単に使えるべきだから、(このヘッドフォーンの場合のように)ハードウェアに最初から統合されていることが必須だ。たかがヘッドフォーンのメーカーがここまでやる、ということは、2017年という今における、音声アシスタントのみすぼらしい状況を示唆している。しかもそれらの機能の制約は、現状ではプラットホームごとにまちまちだから、ますます、今回のような本体搭載に拍車をかける。

MonsterのワイヤレスヘッドフォーンElementsは、色が“ブラックスレート”、“ブラックプラチナ”、“ローズゴールド”の三種あり、今月末から350ドルで発売される。

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あなたのアマチュアビデオ作品に壮大なサウンドトラックをつけるMoodelizerアプリ

ビデオを作るときは、オーディオがけっこう重要だ。良いオーディオが、賞をもらえることもある。そこでMoodelizerは、アマチュアのビデオ作品に適切なサウンドトラックをつけてくれる。画面のボタンに触るだけという、世界でもっとも平凡な作業で、あなたのビデオにすごいすてきな音がついてしまうのだ。

Moodelizerは大量の音楽トラックを作ったが、そこにはちょっとした工夫がある。それらはミックスされてないから、ミュージシャンでない人でも、適当なミキシングツールを使ってビデオ用のすばらしいサウンドトラックを作れるのだ。

たとえばスノーボードの妙技が始まる前に、とっても静かな音楽を流すのはどうだろう。そしてその選手がすごい高得点だったら、いきなりファンキーなビートと重厚なオーケストラに変わってドラマを盛り上げる、なんてどうかな。簡単に聞こえるかもしれないけど、実際にMoodelizerは簡単なんだ。でもアプリそのものはとっても良くできていて、ビデオを見る人を音で感動させることが、十分にできる。

下のデモビデオをなるべく大きな音で視れば、同社の仕事ぶりがよく分かると思う:

あるいは、これみたいに、音楽でドラマを作ることもできる。音なしのバージョンよりも、ずっといい。見る人(すなわちぼく)をハッピーにするね。

同社の、技術を誇示するようなアプリは、iOSバージョンがすでにあり、Androidバージョンは一か月後だそうだ。これらは本当は、プロ用のMoodelizer Studioのライセンスを売りたいための餌かもしれないけど、それでもいい。アプリは無料だし、すっごく楽しい。土曜日の午後いっぱい、楽しめてしまうだろう。

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