キャンピングカーと車中泊スペースシェアなど「バンライフ」のCarstayが約5000万円を調達

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キャンピングカーと車中泊スペースのシェアサービスなど「バンライフ」プラットフォーム事業を展開するCarstay(カーステイ)は8月3日、初の第三者割当増資として約5000万円の資金調達を発表した。引受人はサイバーエージェント・キャピタル、ライフタイムベンチャーズ、平井誠人氏、田端信太郎氏を含む個人投資家。これにより、金融機関からの借入を含めCarstayの資金調達の総額は1.3億円となった。

今回の資金調達は、2020年6月末に正式リリースした、日本初のキャンピングカーのカーシェアサービス「バンシェア」のデザイン改善、システム追加開発、ユーザー獲得のマーケティングに投じる。

また、CarstayのCMO(Chief Marketing Officer/最高マーケティング責任者)に、ZOZO 元執行役員の田端信太郎氏が就任。同氏はマーケティング・PRのプロフェッショナルとして、経営に参画、事業戦略の立案から遂行までを通じて、更なるバンライフの普及拡大、事業の成長を図るという。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため、3密(密閉・密集・密接)を避けられる旅行手段として車旅や車中泊、新たなライフスタイルとしても「バンライフ」が注目されており、Carstayのユーザーは急増、7月は過去最高の予約件数を記録したという。現在、「バン シェア」には50台のキャンピングカー、車中泊スポットのシェアサービス「カーステイ」には200箇所が登録されている。

2018年6月創業のCarstayは、「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」というミッションを掲げ、“移動”を基盤にあらゆるサービスを提供する概念「MaaS」(Mobility as a Service)領域で新しい旅と暮らしのライフスタイルVANLIFEをテーマに事業を展開するスタートアップ企業。今後、5G・自動運転社会の到来で必要となる「快適な移動」と「感動体験」を「VANLIFE」プラットフォームの提供を通じてデザインするとしている。

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Colin O’Donnell(コリン・オドネル)氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが米国全土を襲い、数百年も続いてきた都市生活の亀裂が露わになる前から、街やコミュニティーを動かしているもの関する考えをすでに改めていた。

オドネル氏は、およそ6年前に盛り上がり始めた都市技術イノベーションの最初の波を起こした1人だ。彼は、公共交通機関のためのデジタルキオスクを製造する企業であるIntersection(インターセクション)を共同創設した。やがてこの会社は、Alphabet(アルファベット)が所有する子会社Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラブズ)による初めての大型買収劇に捲き込まれることとなった。

当初は、テクノロジーには既存の環境を再構築する力があると楽観視され、また興味を持たれていたのだが、トロントで実施されたSidewalk Labsの最初のプロジェクトは、データ収集の方法で問題が指摘されたことと、新型コロナウイルスのパンデミックがカナダの各都市の財政を圧迫したことから行き詰まってしまった。それでも、テクノロジーをインテリジェントな形で社会に組み込むという実験は、いまだに出番を待ち構えており、不動産技術への投資は増え続けている。

オドネル氏の新会社であるKibbo(キボ)は、その両方のトレンドを採り入れている。サンフランシスコを拠点とするこのスタートアップは、米国のトレーラーパークをアップグレードし、以前の都市部の知的専門職(「Previously Urban Professionals」略して「パップ」とでも呼ぶべきか?)のためのリモートワークを可能にする国際的コミュニティーのネットワーク構築を目指している。

こうしたリモートワークのパッピーたち(この呼び方が気に入った)は、自分が慣れ親しんだ形で米国の道を自由に動き回ることができる。Kibboの宣伝によれば、それはキッチン用品やコーヒーやおやつなどの簡単な飲食、ジムやみんなが集まれる娯楽施設などを備えた専用のRVパークとのことだ。現在、アメリカ西海岸の大きな国立公園の近くにこのパークを展開し、月額1000ドル(約10万7000円)で会員を募集している。

キャンピングカーを持っていない人には、Kibboが、最新のバンライフ装備を搭載した最上クラスのメルセデス・ベンツスプリンターを貸し出してくれる。レンタル料金は月額1500ドル(約16万円)だ。

2020年秋から、Kibboのこの高級クラブの入会を果たし、同社のコミュニティーに参加が許された人たちはオーハイ、ザイオン、ブラックロック砂漠、ビッグサーのサイトが利用できるようになる。これらはロサンゼルス、サンフランシスコ、シリコンバレーの一部地域などの都市部の拠点によって強化されるようになると、オドネル氏は説明している。

「数カ月間にわたる自宅待機で抑圧されてきた人々は、家賃の高い都心のアパートから脱出して自然の中を歩き、人々と関わりたいと願っています。私たちはそうした要求を受け取り、今の生活、仕事、遊びを考え直して、意義深いものを探すチャンスを得ました」と彼はいう。「都会での生活を考え直し、私たちが本当に望む未来の都市の姿を定義していきます」。

Kibboのローンチにより、リモトーワークを推奨する企業に勤める知的専門職によるコミュニティースペースのネットワークという構想に興味を持ったパッピー(やっぱりいい呼称だ)になりたい人たちは、参加申し込み金100ドルで、このネットワークの仲間になれる。

画像クレジット:Kibbo

同社は、米国の歴史と同じぐらい古い、この国の時代精神の一部を応用している。それは、大きく繁栄できるよう自分たちの価値観と信念に基づくコミュニティーを(他者を犠牲にして)作ろうと、人々がこの国に渡ってきた(そして植民地化した)ときから始まっている。

またこれにはHipcamp(ヒップキャンプ)に1億ドル(約107億円)以上の評価額を与え、Tentrr(テンター)に1100万ドル(約11億8000万円)の資金調達(未訳記事)を可能にさせたグランピングの流行も手伝っている。Hipcampはキャンプ場のデータベースを提供し、米国内に30万カ所あるキャンプ場の予約手数料で収益を上げている。

Tentrrと同様に、Kibboは会員だけが利用できる私有地にサイトを開設している。しかしTentrrと違うのは、Kibboはその土地を所有しコミュニティーの一部としてサイトを設定しているところだ。休暇を街で過ごすのとは異なる体験を旅行者に提供したり、国立公園内のキャンプ場と張り合うというだけではない。

Kibboはまた、特定層の会員からなる新しい形の移動する街の開発者としても自らを位置づけている。

「トップダウンでデザインされ建設される伝統的な不動産開発とは異なり、Kibboは次世代の街第1号の建設を目標にスタートしています。それは柔軟で、再構成が可能で、住民によってデザインされ形づくられるオフグリッドの持続可能な街です」とオドネル氏はいう。

それが、Urban.usの投資家であるShaun Abrahamson(シャーン・エイブラハムソン)氏を惹きつけた。

「短中期的に見て、これはRV市場の最上のものだと私は感じました。RV体験は休暇や隠居後のために設定されるものと考えられがちですが、リモートワークやバンライフといったトレンドが、新しい種類のインフラや体験の需要を示唆しています。……私たちの長期的な興味は、気候と安価な住居にあります」とエイブラハムソン氏は話す。

気候変動とそれが招く洪水、山火事、海面上昇は、恒久的な住居を支えるためのインフラという考え方を一変させようとしていると、エイブラハムソン氏はいう。

「バンライフは、交通インフラの恩恵の上に成り立っているため、太陽光発電とバッテリーで簡単にオフグリッド化できます。価格が下がれば、モバイル住居やインフラはもっと魅力的なものになるでしょう。Kibboは衛生やセキュリティーに関連したインフラのうち、軽い部分の補完します。もちろん、それらは新たな楽しい体験の中に組み込まれます」と彼はいう。

エイブラハムソン氏もオドネル氏も、単なる休暇や隠居後の生活を大きく超えたより本格的な放浪コミュニティーが誕生すると見ている。そのトレンドに乗じたのがKibboだ。それは、彼らを含まない未来の都市の構想であり、ニューヨークからサンフランシスコの共同空間に移り住んだオドネル氏が抱くビジョンだ。

「Kibboは、最初からエキサイティングなライフスタイルを提供してきました。私たちは、未来の都市は電化され、自動化された分散型の再生可能なユーザー生成型になると確信しています」とオドネル氏は話す。

画像クレジット:Kibbo

画像クレジット:Kibbo
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(翻訳:金井哲夫)

この3Dプリントされたキャンプ用コンロは、とても効率が良く風にも強い

私はキャンプが大好きだ。だがテントから起き出して来たのにまだコーヒーができていないあの瞬間は大嫌いだ。沸かないポットから目を離すわけにもいかず、テントを開けたら暖かい空気が逃げてしまって意味がないので単に寝に戻るわけにもいかない。ああまったく!だがスイス人たちがお湯をより速く沸かす素晴らしい方法を発見してくれた。この素敵なコンロが今すぐ欲しい。

PeakBoilコンロを生み出したチューリッヒ工科大学のデザイン学生たちは、明らかに私と同じ問題を抱えていたに違いない。そして彼らは実際に悪天候の中でキャンプを行っているので、通常のガスバーナーの弱い火を吹き飛ばす風にも対処しなければならない。

デザインを改良しようとする彼らの試みの要点は、コンロのパイプを容器の中に通して底からではなく、内側から加熱を行うという、議論も多い手段を採用したことだ。このやり方は水を加熱するためには他の多くの状況で使われているものの、私がキャンプコンロでそれを見たのは初めてだ。

ガスノズルを注意深く配置し、ヒートパイプの壁に波の模様を加えることで、PeakBoilは「炎とジャグ(水差し)の接触面積を増加させます」と、チューリッヒ工科大学のニュースリリースの中で、博士課程の学生でありプロジェクトリーダーのJulian Ferchowは説明している。

「これに加えて、壁をとても薄くしたことで、ジャグの中にある物質への熱伝導が理想的なものになりました」と彼の仲間のPatrick Beutlerが付け加えた。

煙突の中に炎を閉じ込めることで風の影響を最低限に抑えるため、炎が消えないように余計なガスを使うこともなくなる。

このデザインは、選択的なレーザー溶融と焼結プロセスを使用して作成された。このプロセスでは、3Dプリンターが熱せられたプラスチックを置いていくように、溶融した金属粉がパターンに沿って置かれていく。これは付加製造(additive manufacturing)の1手法であり、Ferchowの説明によれば「非常に大きなデザインの自由度を金属成形に対して与えてくれました、例えば、今回ガスバーナーの内側に実現したような筒の薄い壁はこれまでは実現不可能でした」ということだ。

もちろん、このデザインはお湯を沸かすことだけのために利用可能だ(こいつの上でフライパンを振りたくはないだろう)、だがこれは多くのキャンパーが既にその目的専用のコンロを持っているような一般的な特定の利用状況なのだ。

チームはデザインをさらに改善し、市場に出すための業界パートナーを探している。MSR、GSI、REI(いずれもキャンプ用品メーカー) …君たちには期待したい。君たちなら私の朝を耐えられるものにできるだろう。

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(翻訳:sako)