キヤノンのWi-F搭載カメラ多数がGoogleフォトと連動、写真が自動的にバックアップされる

キヤノンとGoogleはソフトウェアでの提携を発表した。多数のキャノンのカメラで撮影された写真が自動的にGoogleフォト にバックアップされる。サポートされるカメラのリストはこちらだが、同社が近年リリースしたレンズ交換式カメラはほぼ全て含まれる。Wi-Fi 機能を内蔵するカメラの大部分がサポートされると考えてよいだろう。

自動バックアップ機能はキヤノンのAndroidとiOSのモバイルアプリを通じて動作する。アプリは最新版に更新されていることが必要だ。アプリに手持ちのカメラを登録し、撮影した写真がオリジナル画質のままGoogle フォトにアップロードされるよう設定する。カメラがWi-Fiでスマートフォンと接続したときに転送が実行される。つまり撮影した後、手動でカメラをスマートフォンやデスクトップに接続して物理的メモリーカードからGoogle フォトへの転送するという手間が必要がなくなる。

ただし利用にあたって注意すべき点がある。この機能が使えるのは有料でGoogleドライブを利用しているGoogle Oneのメンバーだけだ。この経済的負担を和らげるために(もちろんGoogle Oneは写真をバックアップできるクラウドストレージとしてもっともコストパフォーマンスが良いサービスのひとつだが)、キヤノンは1ヶ月無料で100GBのストレージをGoogle Oneに提供するとしている。

私の経験からいうとスマホ以外のいわゆる「本物のカメラ」で撮影した写真の大半はカメラのメモリや各種バックアップデバイスの中、さらにはそこらに放り出したままの無数のSDカードの中に眠ったままになってしまう。自動バックアップ機能は撮影した写真を見直す機会を増やしてくれるのは間違いない。気に入った写真を発見すればプリントアウトしたりソーシャルメディアにアップロードするなどして大切な人と思い出を共有することになるかもしれない。他のカメラメーカーもキヤノンの例にならってくれるといいと思う。.

画像:Google

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滑川海彦@Facebook

自動運転レベル3に欠かせない500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーをパイオニア子会社が発表

パイオニアスマートセンシングイノベーションズは1月8日、500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーの試作機を米国ラスベガスで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「CES2020」に出品したことを明らかにした。同社は自動運転関連事業を承継する新会社として2019年10月に設立された、パイオニアの連結子会社。

同社は、キヤノンと条件付き自動運転である自動運転レベル3以上の実現に不可欠とされる「3D-LiDARセンサー」を共同開発しており、CESにはパイオニアのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)ミラーを用いたスキャン技術とキヤノンの光学技術を用いた波長905nm量産モデルも展示、。3D-LiDARセンサーは、両社のコア技術をベースに韓国SK Telecom(SKテレコム)の送受信技術を加えることで、計測距離を大幅に伸長させた波長1550nmのモデルとなり、500mの遠距離かつ高解像度な計測が可能とのこと。具体的には、SKテレコムが開発した、1550nm波長レーザー送信モジュールと単一光子検出器を利用する。

2020年秋から量産を開始する、準広角短距離用、中距離用、長距離用、広角タイプのモデルに、今回の遠距離モデルを加えることで、セキュリティ、交通監視用途や、路側センサーなどのモニタリング用途、自動運転車両における遠距離計測など、さまざまな市場、お客様のニーズに対応することが可能なるという。各LiDARセンサーを使用して、物体検知や自車位置推定などを高精度に行えるソフトウェアも開発・提供する。

パイオニアスマートセンシングイノベーションズは、今後も3D-LiDARセンサーの高性能化、小型化、ソフトウェアの開発を進め、2021年以降の実用・商用化を目指す。

参考資料:2020年秋より量産を開始する「3D-LiDARセンサー」‟2020モデル”について

キヤノンが新しいインスタントプリントカメラでチェキに挑む

長く人気を博してきたインスタントプリントカメラが新たな展開を迎えようとしている。インスタントプリントカメラは富士フイルムのInstaxシリーズ、チェキが市場を牽引してきたが、そこへキヤノンが新しいカメラを2モデル投入して戦いを挑む。しかしデジタルプリントの品質がネックになるかもしれない。

キヤノンの新しいカメラの名前はわかりにくく意味不明だ。米国では IVY CLIQとIVY CLIQ+、ヨーロッパではZoemini CとZoemini Sという名前で発表された(訳注:本稿公開時点で日本では発表されていない)。名前はわかりにくいものの、デバイス自体は極めてシンプルだ。ただ、ローエンドモデルはあまりお勧めできない。

コンパクトなCLIQ+(ハイエンドモデル)には28000万画素の小型のセンサーが搭載されている。カメラに内蔵されている2×3インチのZinkプリンタには十分な画素数だ。プリンタには10枚まで用紙をセットでき、急いでいてもすぐにプリントできる。対応アプリで写真の微調整や罫線の追加、切り取り、複製などもできる。

しかしここに問題がある。Zinkプリンタがあまり良くないのだ。1枚あたりのコストはInstax Miniの半分以下で、まとめ買いすればおそらく4分の1ほどになるだろう。しかし明らかに品質の差がある。Zinkの初期の頃に比べればだいぶ良くなったが、それでも解像度と色の再現性はインスタントフィルムの標準には達していない。Instaxが完璧とは言わないが、良く撮れている写真なら色は美しく、ピントがくっきりした写真ではないにしても細部まで自然に表現される。

インスタントプリントの流行は、メカニカルなもの、アナログなものが好まれる傾向と関連しているという一面もある。携帯電話でたくさんの写真を撮ってもあとからそれを見ないということに飽きた人々が、携帯電話はバッグに入れたままで、アプリもワイヤレス接続も使わずに写真を楽しめることに再び熱中している。

スマートフォンのアプリにワイヤレスで接続するデジタルプリンタとデジタルカメラでは、このトレンドに乗ることは難しいだろう。画質を気にせず、アナログの技術に親しみがなくて、ただ友だちにあげるプリントシールを作ったり写真にメモを入れたいだけの若いデジタルネイティブ世代や子どもたちにとっては、キヤノンの新しいカメラは安くていいオプションになり得る。

楽しいよ、一緒にどう?

リングフラッシュ搭載で800万画素のCLIQ+(Zoemini S)は160ドル(約1万8000円)。ローエンドのCLIQ(Zoemini C)は100ドル(約1万1000円)で、500万画素、スマホアプリに対応していない。センサーとプリンタの限界を考えるとフラッシュは高性能の方がいいと考えられるが、残念ながらローエンドモデルのフラッシュは黄色みがかった色で、私はあまり魅力を感じない。

キヤノンの新しいカメラは1〜2カ月以内に販売開始の予定。

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(翻訳:Kaori Koyama)