翻訳ファイルが“魔法のように”自動生成されるクラウドストレージ「WOVN Workbox」発表

Wovn Technologies代表取締役社長 林鷹治氏

ウェブサイト、アプリの多言語化サービスを提供するWovn Technologies(ウォーブンテクノロジーズ)は6月19日に開催されたイベント「Globalized 2019」のオープニングセッションで、ドキュメントファイルの多言語化を実現する新サービス「WOVN Workbox」を発表した。同サービスは現在開発が進められているところで、8月ごろのリリースに向けて本日予約を開始している。

Wovn Technologiesではこれまで、既存の1言語のサイト・アプリがあれば、簡単に多言語化できるというソリューション「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」、「WOVN.app(ウォーブンドットアップ)」を提供している。最大で40カ国語に翻訳が可能で、現在は大手企業を中心に約400社・1万5000サイトへと導入が進んでいるという。

新サービスのWOVN Workboxは、同社の「世界中の人が全てのデータに母国語でアクセスできる世界を目指す」というミッションを実現すべく開発されているものだ。サイトやアプリではなく「ファイル」の多言語化を、クラウドストレージ上で実現する。WOVN Workboxに保存すれば、自動的にWordやExcel、PowerPointなどの文書が翻訳され、ストレージにアクセスできるユーザーにファイルを別の言語で共有できる。

WOVN Workboxを利用することで、同じフォルダ内でも多言語で共同作業ができるため、外国人社員とのやり取りや、海外の顧客との取引、海外に拠点を持つ企業などでのファイルのやり取りに役立てることができる。

ファイル操作はDropboxやOneDriveなど、既存のクラウドストレージと同様、フォルダへのドラッグ&ドロップで行える。つまり「日本語ファイルをフォルダに入れる」と少し待つだけで「英語ファイルができる」、あるいは「英語ファイルを入れる」「待つ」「日本語ファイルができる」ということが相互にできる。フォルダ作成やファイル移動も反映され、ファイル内容を編集した場合も同期することで、自動的に変更部分が翻訳される。

WOVN Workboxを使ってWord文書を翻訳・共有するデモの様子

Wovn Technologies代表取締役社長の林鷹治氏は「保存するだけで多言語化される、魔法のようなクラウドストレージ」とその機能について表現していた。

利用者から見たファイルの翻訳は“自動的”だが、実際にはAIによる自動翻訳が施された後で、ネイティブの翻訳者が最終チェックを行うという。完全自動ではないが、しくみそのものは現在、同社のウェブ・アプリの多言語化サービスで採用されている翻訳フローと同じだ。

Wovn Technologiesでは、アルバイトも含め同社に所属する従業員のうち約半数が外国人で、国籍も17カ国にわたるという。営業資料、雇用契約など、言語別にファイルを用意することが「翻訳だけでなく、管理なども含め面倒なコストになっていた」と林氏は述べ、「全員が同じドキュメントを母国語で管理・編集できるようになればいいのに、と創業間もなくからずっと言っていた」と話している。

林氏はGAMEBOY開発者の横井軍平氏の言葉「枯れた技術の水平思考」を引用し、新サービスについて「クラウドストレージの技術に注目し、ファイル多言語化へと応用したもの」と説明していた。

WOVN Workboxの対応言語は、当初は日本語・英語間のみだが、近いうちに中国語にも対応していく予定だ。また利用できるファイルフォーマットは、Word文書(.docx)、PowerPointプレゼンテーション(.pptx)、Excelブック(.xlsx)、テキストファイル(.txt)の4種で、中国語対応と同じ頃にPDF対応も予定しているという。

Wovn Technologiesは2014年3月の設立。6月5日には総額14億円の資金調達を発表したばかりだ。

Dropboxに挑むスイスのpCloud、差別化に成功し黒字化達成

一般向けクラウドストレージ市場は、Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDrive、iCloud Driveなどがひしめき合い、混沌としている。そんななか、pCloudと呼ばれるスイスの小さな会社が、この5年で900万人以上のユーザーを獲得した。この社員32人の会社は、最近ようやく採算が取れるまでに成長した。

Dropboxを使い慣れた人なら、pCloudにも戸惑うことはないだろう。このサービスも、ファイルをバックアップしたり、デバイス間で同期する機能を提供する。容量は10GBまでは無料で、それ以上の容量と付加機能は有料となる。

DropboxやOneDriveとは異なり、pCloudはあたかも外付けドライブのように振る舞う。パソコンにアプリをインストールすると、デフォルトではすべてクラウド側にのみ保存されるようになる。macOSの場合は、Fuseを使って新たな仮想ドライブを作り、Finderにマウントする。

pCloud上のフォルダを右クリックして開くメニューから、そのフォルダ全体をローカルにダウンロードして、オフラインでもアクセスできるように設定できる。その結果ローカルのドライブ上に作成されるフォルダは、pCloud上の元のフォルダと同期されるようになる。逆にアプリの環境設定で、ローカルなフォルダを選び、pCloudに追加することも可能だ。こうしたフォルダは、パソコン上でアプリを動かしている限り、常に同期が保たれる。

pCloudはLAN同期もサポートする。同じWi-Fiネットワーク上で複数のデバイスを使っている場合、それらの間ではインターネットを通さずに、ローカルネットワークを使用してファイルを転送する。Dropboxのものと同様の機能だ。

モバイル環境では、専用アプリを使用してファイルにアクセスできる。他のライバルのサービスと同様、pCloudでもカメラロールを自分のpCloudアカウントに自動的にバックアップできる。

セキュリティについてはどうだろう。pCloudも、他のクラウドストレージのサービスと同様に、デフォルトではファイルを暗号化しない。ただしpCloudは、ファイルの転送中には通信を暗号化している。とはいえ、pCloud上に保存したファイルは、原理的にはpCloudの運営会社が読み取れる。もし、プライバシーを重視するのであれば、そもそもクラウドストレージなどは利用すべきではない。

しかしpCloudは、pCloud Cryptoという追加のオプションを提供している。これを利用すれば、パスワードで保護された秘密のフォルダを作成できる。このフォルダにファイルを追加する際、そのファイルはデバイス上で暗号化されてからpCloudのサーバに送信される。設定したパスワードがなければ、ファイルのロックを解除できない。つまりpCloudも、政府機関も、ユーザーの許可なしにその中のファイルを入手することはできないのだ。

価格についても明らかにしておこう。pCloudは、500GBのストレージで月額3.99ドル(約447円)、2TBなら月額7.99ドル(約895円)という価格設定だ。pCloud Cryptoは月額4.99ドル(約559円)の追加料金で利用できる。生涯契約なら、500GBで175ドル(約1万9600円)、2TBで350ドル(約3万9200円)、Cryptoオプションは125ドル(約14000円)で一生利用できる。これは高額のように思えるが、毎月の定額支払に抵抗があるというユーザーには受け入れられるだろう。

Microsoft、Google、Apple、Dropboxなどと競合するのは、かなり困難なことのように思えるだろう。それでも、何かしらの特徴的な機能を用意することで、そうした大企業にも対抗できるサービスを開発することが可能であると証明された。嬉しいことだ。pCloudはDropboxほど大きくなることはないかもしれない。それでも、同社の動きからは目が離せない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

消費者のストレージはますますクラウドへ移行する――Google Oneとライバルを比較

われわれはDropbox、Googleドライブ、Microsoft OneDriveなどのクラウドの利用料金がどんどん安くなっていくのを目撃してきた。昨日(米国時間8/15)、アメリカでGoogle Oneが公開され、テラバイトの当たりの月額がなんと半額になった。消費者向けストレージのクラウド化というトレンドをなお一層明確なものにしたといえそうだ。

TechCrunchのFrederic Lardinoisが記事に書いたとおり、 2TBのストレージの月額が9.99ドルになった。 Google One以前のGoogleドライブでは1TBがこの金額だったからGoogle Oneに参加するとストレージ容量が一挙に2倍になる。正直、1TBでさえ巨大な容量だ。

ではクラウド・サービスのライバルを比べてみよう。それぞれ特色は少しずつ異なるが、ともあれストレージのコストを比較してみる。

Google Oneが2TBで月額9.99ドルとなったことで、Appleのクラウドと並んでコストパフォーマンスがライバルのトップに立った。Googleが追いつくまでAppleがユーザーに最安のプロダクトを提供していたと聞けば意外に思うユーザーも多いかもしれない。もちろんMicrosoft OneDriveの場合はOffice 365がバンドルされており、WordやPowerPointなどのOfficeアプリを自由に使えるというメリットがある。多くのユーザーにとってこれは単なるストレージの提供に比べて大きな価値があるだろう。

とはいえ、クラウドのストレージ料金だけに関して言えば、AppleとGoogleは1TBあたり5ドルだ。これは安い。これはクラウド・ストレージのコモディティ化が進んでいることを示すと同時に、クラウド・ストレージで利益を出すためには途方もないスケールが必要だということを意味している。

Deep Analysisのプリンシパル・アナリスト、Alan Pelz-Sharpeはこの分野を長年観察してきたエキスパートだが、コンシューマー向けクラウド・ストレージの料金は常にゼロに向かって下落していくと指摘している。Pelz-Sharpeは「マスのスケールがなければ利益を出すことができない。このジャンルの企業はMicrosoft、Amazon、Googleによって非常に厳しい立場に追いやられてきた。Google
Oneの登場はこのトレンドを一層明確にした」と述べた。

たとえばDropboxは5億人のユーザーがいると推定されている。これほどのスケールがあってそのうちの一部でも1TBあたり8.25ドルの有料プランに参加してくれるなら事業として成立するだろう。Dropboxは今年2月に株式上場の準備としてS-1書式を提出しているが、それによれば一般ユーザーからの収入は10億ドルあるとしている。現在、スタートアップが新たにクラウド・ストレージの分野に参入するのは、不可能とまでは言えなくても極めて困難だろう。それでもなおかつ既存の巨大プレイヤー同士は激しくコストダウン競争を繰り広げている。

Google Oneのスタートはコンシューマー・クラウド事業における料金引き下げ戦争の新たな一歩といえる。ある朝突然、料金は据え置きのままでストレージ容量が倍に増えるというのはこの動きが容赦なく進んでいることの何よりの証拠だ。

画像:Vladimir_Timofeev / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

駆け足で振り返るDropboxの歴史

Dropboxが初めてスタートアップシーンに登場したのは、2007年の夏の、Y Combinator Demo Dayでのことだった。その後同社は成長を続け、何億人ものユーザーを抱え、その評価額も100億ドルを超えた。このことで皆が期待してきたIPOのための機は熟したのだ。

しかし、このクラウドストレージ企業は、成功への道のりで沢山の競合相手を打ち負かしながら、どのように勝ち残ってきたのだろうか?Dropboxの歴史を駆け足で振り返ってみよう。

1/13:YCでDropboxがデビュー

CrunchbaseではDropboxの設立は2007年6月となっているが、このスタートアップが最初にTechCrunchのレーダーに補足されたのは、8月に開催されたYC Demo Dayでのことだ。このとき私たちはDropboxを以下のように紹介している:「デスクトップファイルをウェブ上に同期し、ファイルのバックアップを行い、任意の場所からのアクセスを提供し、ファイル共有を簡単にするための、(Mac/Win用の)透過的なファイル管理システムを開発している」。

2/13:成長の始まり

2007年の末に、DropboxはSequoiaから、程よい金額の120万ドルのシード資金を調達した。しかし私たちは2008年の春までは同社についてあまり耳にすることはなかった。そして人びとが競合相手であるBox.net(現在のBox)やMozyなどよりも、Dropboxが実際に選ばれるものの1つだと囁き始め、同社の快進撃が始まった。

共同創業者でCEOのDrew Houstonは後に、Disruptの前身であるTechCrunch50の壇上に招待されている。

3/13:100万人のユーザー

Dropboxは2008年にSequoiaが主導したシリーズAで、さらに600万ドルを調達した。しかしテクノロジー関係のプレスはそのことについて丸1年の間知らないままだった。CEOのDrew Houstonは、当時TechCrunchに対して、ユーザー数が25%増えたと語っている、その理由の一部は同社が公開した新しいiPhoneアプリのおかげだった。

2009年の春に、同社の会員数は100万人に達した。

4/13:更なる発展と大物の雇用

Dropboxは1年足らずで会員数を4倍にし、有名テクノロジー企業からの雇用を開始した。例えばSalesforceからはAdam Grossをマーケティングとセールス担当副社長として迎え入れている。

5/13:大金が投入された

2011年9月、TechCrunchはDropboxが多額の資金注入を行おうとしているという記事を書いた。このときの企業評価額は40億ドルで、Index Venturesに主導されたシリーズBで2億5000万ドルが調達された。

TechCrunchの情報源から伝えられるところでは、かつてAppleは同社に対して「9桁(億)」での買収を提案したという。CEOのDrew Houstonにとって、スティーブ・ジョブズに対して「No」ということは簡単ではなかったことだろう、but look where it got him.

6/13:DropboxがCrunchiesを受賞

Crunchiesはもう行われていないが、その歴史は残されている。これは今はもう存在していない年次のシリコンバレーアワードで、最大のテクノロジー企業や創業者たちが壇上に登った。2012年には、Dropboxの共同創業者のDrew HoustonとArash Ferdowsiが、同年のBest Overall Startupを受賞した。

さらにDropboxは”Best Cloud Service”(最高のクラウドサービス)でCrunchiesを受賞し、Houstonも”Founder of the Year in 2012″(2012年の創業者)の次点に入った。

7/13:Dropboxはさらに人気を博した

それまでに調達した資金のおかげで、Dropboxは膨大な数のメンバーをクラウドファイルの世界に引き込むことができた。2012年11月には1億人のユーザーがいた。その1年後にはサイズは倍増し、2億人となった。同社はGoogle、Facebook、その他の大手テクノロジー企業のトップタレントたちをヘッドハンティングしはじめた。

8/13:Dropboxはさらに資金を得た

Dropboxが、その急成長する競合相手のBoxを打ち負かすために、BlackRockその他から3億5000万ドルという巨額の資金を調達したことで、2014年の1月にはさらに多額の現金が流入した。

ウォール・ストリート・ジャーナルとRecodeの両者は、その当時同社に対して100億ドルの評価額を付けた。

9/13:Dropboxがリスクを取って、5億ドルを借り入れ

2014年の後半にはJPMorganがDropboxに5億ドルを貸し付けた。その当時、BoxがIPOを目指しており、Dropboxはそのクラウドストレージ競合相手と歩調を合わせるために、資金を必要としていたのだ。

10/13:Dropboxのキャッシュフローが黒字に

2016年、Dropboxは重要なファイナンシャルマイルストーンを達成したと発表した。キャッシュフローが黒字へと転じたのだ。「自分の目的を決めることができるようになったということです」とHoustonは語った。彼はまた、同社は株式公開を急いでいないことを強調した。

11/13:Dropboxは10億ドルの収益が予想できることを発表した

Dropboxは2017年の収益が、10億ドルに達する見込みであることを発表した。これはIPO前の企業としては、特にそのほとんどのユーザーがプロダクトに対して支払いを行わい企業としては、大きな数字である。エンタープライズユーザー向けに成長しているDropbox Businessカテゴリが、この大きな販売マイルストーンを達成するために役立っている。

12/13:そして新たな資金借入

前回の借入から3年後の2017年3月に、DropboxはJPMorgaから新たに6億ドルの借入れを行った。これにより同銀行に対する負債額は11億ドルとなった。

スタートアップ(とまだ呼ぶことができるのなら)の評価額は、100億ドルにとどまっている。

13/13:DropboxがIPOを申請

Dropboxは2018年2月に、待望のIPOを申請したことを明らかにした。同社にによれば、現在5億人の登録ユーザがおり、そのうちの1100万人が有償でサービスを利用しているということである。2017年の同社の収益は11億ドルとなり、損失として1億1200万ドルが計上されている。同社の公開は3月後半になる予定だ。

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(翻訳:sako)

DropboxがXboxにやって来た、ため込んだ動画や写真をテレビで観よう

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DropboxはXboxのためのユニバーサルWindowsアプリをローンチした。クラウドストレージプロバイダとしては初の動きである。このアプリを使えば、ユーザーは写真やビデオなどのファイルをテレビから見たり共有したりすることができる。つまり、ローカルコピーをダウンロードすることなく、Xbox経由でDropboxからビデオをストリーミングできるようになる。

また、VLCなどのさまざまなアプリケーションを利用して、XboxのDropboxファイルにアクセスしたり、USBスティックやその他のユニバーサルWindowsアプリからDropboxにファイルをアップロードしたりすることもできる。

このアプリを使えば、自分の個人所有のビデオをテレビの大きな画面に簡単にストリーミングできるので、DVDからリッピングしたり、(咳払い)、他の手段で多数の映画ライブラリを集めてきたりした人にアピールすることだろう。

新しいアプリは、ファイルのアップロード、コメント、共有など、他のプラットフォームのDropboxで見られるほとんどの機能を提供する。他のユニバーサルWindowsアプリで開いたファイルをDropboxに保存して、デバイスのストレージスペースを節約することもできる。またDropboxの発表によれば、KinectからDropboxへのスクリーンショットや写真を自動的にアップロードするように設定することもできる。

大画面での使用を想定しているため、Dropboxのアプリは、ゲームパッドやメディアリモコンを使ってナビゲートできる、テレビ用に最適化された新しいインターフェイスを導入している。

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これまでDropboxは、映画の海賊行為への関連の懸念からTVアプリを開発することに集中していなかったことを考えると、このローンチは注目に値する。実際、昨年の夏にRoku用のアプリをローンチしたとき、Dropboxの公開APIを使用してRokuのチームがアプリを実際に作っていたことが判明している。同社はまだApple TVやAndroid TVのアプリは持っていない。

さらに、Rokuのアプリには制限が課されていて、例えば動画は14〜15分の長さで切られてた。この制限は、Dropboxのアプリが商業映画向けではなく、家庭用映画のような個人向けのものであることを体現するためのものだった。

しかし、私たちが聞かされたところでは、新しいXboxアプリには、あなたがストリーミングできるビデオの長さの制限はない。

TVの世界を無視するという以前のDropboxの決定は、他の競合他社、例えばAllCastなどのサードパーティアプリが、Dropboxや他のクラウドストレージからストリーミングを行うサービスで参入する事態を招いた。そうしたアプリは、Chromecast、Apple TV、Xbox、Roku、Amazon Fire TVで動作している。

DropboxのXbox用Windowsアプリは、Xboxストアで今日から無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Sako)

退屈するのは創造性を十分発揮していないから、BoxのCEOは語る

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BoxのCEOのAaron Levieは、その役割を10年以上務めている。かろうじて30歳を過ぎたばかり、それが意味することは、これが彼が大人になってプロフェッショナルに行ったことの全てであるということだ。もし彼が他のチャレンジを考えていたとしても無理も無いと思うことだろう。しかしこれだけの期間が過ぎても、Levieの情熱ははっきりと燃え盛っている。

今週BoxWorksで対面インタビューを行った際に、ひょっとして退屈しているのではと尋ねたとき、彼はUberのCEOであるTravis Kalanick(彼はBoxの顧客でもある)の言葉を言い換えながら、こう言った「もし退屈だと言うならば、創造性を十分に発揮していないのですよ」。

Levieがその若いスタートアップに注目を集めようと努力していた2009年から、私は彼と定期的に話を続けて来た。公開会社であること、それに必然的に伴う一切の責任に対して、まだ彼はそれを掴みとる最中のように私には思えた。彼は自らの企業を、この分野で最大のソフトウェア企業となれるような強大なものにして行きたいと願っている。

彼は、Boxの周りで大企業が買収に動いているという噂に関してはコメントしなかったが、まだ独立企業であることに注力していると答えた。

「もしここ3-6ヶ月を振り返って、M&A市場を眺めれば、破壊的成長を遂げつつあるテクノロジー企業に対する嗜好は旺盛だったと思います。私たちは3億9600万ドルの収益を今年の目標として動いています。私たちが挑んでいるのは300から400億ドルの市場です。私たちは、達成したい場所へのおそらく1パーセントの位置にいるのです。私たちは10年以上これを行って来ましたが、このミッションと旅は、まだ始まったばかりです。独立であることと、会社の構築を自分たちで成し遂げることに、重点を置いています」。

もし価値を株価で計るなら辛い気持ちになるでしょうけど、私たちの価値を認めてくれるお客さまの声は届いています。

— Box CEO Aaron Levie

問題の一部は、これだけの時間を費やしたあとでも、多くの人々がまだBoxが何をするためのものかを理解していないということのように思える。とはいえLevieはそのことではイライラはしていないようだ。彼はただコツコツと努力しこう語る、一般の人やウォール街は彼がやろうとしているものをまだうまく認識できていないようだが、そのことが彼の最終的なミッションに影響を与えることはない、と。

 「私たちは長期的視野において、とても一貫して来ました」とLevieは私に語った。「もし価値を株価で計るなら辛い気持ちになるでしょうけど、私たちの価値を認めてくれるお客さまの声は届いています。それが私たちがテクノロジーを開発する理由です」。

人々の働き方が変化していることを見ているので、同社は変化し成長し進化し続けているのだと彼は言う。そしてそれこそが彼の興味を惹き続けているのだ。「私たちは何年も前から変革側にいました、同時に次の10年に世の中の企業がどのように動くかを考えてみると、今日のトレンドがより広くそして重要なものになるでしょう ‐ ビッグデータ、機械学習、分析 – 2005年にBoxに求められていたものよりも、はるかに大きいトレンドが生まれています。私たちは、未来のためのプロダクトを構築する必要があるのです」と彼は言った。

彼は、そのビジョンに伴うものと、同社がどうやってそこへ辿り着く計画をしているのかを、ウォールストリートと既存顧客を越えた広い世界へ説明するのが、彼自身の仕事であることを理解している。もし彼らが理解していないのなら、より明確にするために彼のメッセージを改良する必要がある。とはいえ、成長と変化の余地は沢山あり、それが彼を突き動かしているように見える。

「これの何が素晴らしいかと言えば、いつでも何らかのワクワクさせるものがあるということなのです。変化は退屈することを許してくれません。私たちはエキサイティングで変革的である事に注力しようとしています」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

AppleがiCloudに月額19.99ドルで2TBのプランを追加

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この度、Appleは月々19.99ドルで2TBのストレージを利用できるプランを追加し、iCloudユーザーはストレージ容量をさらに増やすことができるようになった。

念のため簡単に概要を説明すると、iCloudストレージはMacとiOSユーザーが利用可能で、写真やビデオ、ドキュメント、デバイスのバックアップデータ、音楽、メールなどの情報を保存したり、デバイス間で同期したりできるサービスだ。

AppleはさらにiCloud Driveと呼ばれる、Dropboxのようなサービスを提供している。このサービスはiCloudストレージを利用しており、ユーザーはiOSデバイス、Mac、PC間でどんなドキュメントでも同期することができる。Appleは、iCloud Driveを標準サポートしたmacOS Sierraのリリースに向けた準備を進めており、iCloud Driveがデスクトップでも利用できることから、現状の1TB以上のストレージ容量が必要になってくるユーザーを想定し、恐らく今回の2TBのプランを追加したのだろう。

さらに、この大容量ストレージのオプションが追加されたことで、Appleが近々256GBのHDDを搭載した新しいiPhoneをリリースしようとしているという噂の信用性も高まってきた。2TBのオプションが登場する前は、256GBのHDDを備えたiPhoneが登場しても、バックアップ時にこれまでのiCloudストレージのリミットである1TBに達してしまうユーザーが出てくる恐れがあったのだ。

今回追加された2TB以外にも、iCloudには5GBの無料プランのほか、月額0.99ドルの50GBプラン、月額2.99ドルの200GBプラン、そして月額9.99ドルの1TBプランが用意されている。

利用料に関して言えば、Appleの金額は競合他者のサービスとほぼ同じレベルに設定されている。Google Driveの1TBプランは月額9.99ドル(それ以上は月額99.99ドルの10TBプランまで間を埋めるプランは用意されていない)に設定されているほか、Microsoftは、Office 365のプランの一部として1TBのスペースを月額6.99ドルで提供している。さらにDropboxの1TBプランも月額9.99ドルに設定されている。

利用料はどのプラットフォームでもほぼ横一線に並んでいるため、判断の際には、ユーザーにとっての利便性や、保有する複数のデバイス間で使いやすいプラットフォームといった観点しか残されていない。今回のストレージ容量の拡大や、今度のiCloud DriveのmacOSへの統合によって、AppleはついにiOSやMacユーザーが、DropboxやGoogle Driveを解約してiCloudだけを利用するのに踏み切れるほど良いiCloudベースのストレージサービスを構築することができたのかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter