仮想通貨税金計算サービスのクリプタクト、ジャフコ、マネーフォワードらから3.3億円を調達

仮想通貨投資家向けの税金計算および資産管理サービスを提供するクリプタクトが、3.3億円の資金調達を発表した。ジャフコ、マネーフォワード、D4V投資事業有限責任組合、ベンチャーラボ、SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合、スマートキャピタルらを引受先とする第三者割当増資を実施する。

同社は合わせてマネーフォワードとの業務提携を発表した。まず、セミナー開催など仮想通貨分野の情報提供に取り組む。将来的には、マネーフォワードのサービスから、クリプタクトの仮想通貨投資家向け機能を活用するなどの連携も考えているとのことだ。

調達した資金の使途として、(1) マーケット成長のための情報発信、(2) 新たな仮想通貨投資家向けサービスを含めたワンストップの投資家支援プラットフォームの提供、(3) 人材採用を挙げている。

クリプタクトは、ゴールドマン・サックス出身で金融分野のエンジニアおよび投資家の経歴を持つアズムデ・アミン氏が代表取締役となり設立。2017年12月に最初のサービスとして仮想通貨投資家向けの無償の税金計算サービス「tax@cryptact」を公開した。2018年2月には税理士向けの有償サービス「taxpro@cryptact」(関連記事)を、同3月には仮想通貨のポートフォリオ管理機能サービス 「portfolio@cryptact」(発表資料)をそれぞれ開始。これらを統合して仮想通貨投資家向けのプラットフォーム「grid@cryptact」を提供する。今後は、仮想通貨の情報収集、分析、投資実施までワンストップで行えるプラットフォームの構築を目指すとしている。

クリプタクトのサービスの利用者は、現在約3万人。一方、日本で仮想通貨投資を行っている利用者は350万人とみられている。「そのほぼすべてのユーザーが税金計算サービスtax@cryptactについてはターゲットになる」(クリプタクト)。その理由は、日本の仮想通貨の税制が煩雑なため、税金計算にはツールが必須となるためだ。

今の日本の税制では、仮想通貨の取引ごとに法定通貨建てで実現損益を計算して申告することが求められる。そのため仮想通貨投資家の税金計算の負担は非常に大きい。クリプタクトによれば、「単一の取引所で円建での売買しか取引せず、かつ取引件数が手計算で行えるほど少ない場合を除けば、税金計算ツールの利用は欠かせない」としている。事実上、仮想通貨取引を行っているほぼすべてのユーザーにとって税金計算ツールが欠かせないとの見解だ。

今回同時に発表したマネーフォワードとの提携は、短期的にはセミナーなど情報発信から始める形だが、将来的にはマネーフォワードのサービス内で、クリプタクトの仮想通貨の資産管理や税金計算ができる方向を目指しているとのことだ。

「マネーフォワードとの連携では、仮想通貨の業界をより成熟・健全化していくために協力してく。例えば納税に関するサポートは業界のさらなる健全化につながる」とクリプタクトは説明する。

今、日本の仮想通貨を取り巻く状況は厳しい。その背景には、仮想通貨の大量盗難事件、仮想通貨交換業者に対する相次ぐ行政処分、そして2017年末の価格のピーク時と比べて相場が大幅に下落していることなどがある。規制強化にともない仮想通貨交換業のライセンスのハードルは高くなり、ライセンスを前提としたビジネスを考えていたスタートアップ企業は計画の見直しを迫られている。このような状況のもとで、税金計算など仮想通貨投資家を支援するツールの整備が進むことは、仮想通貨市場の健全化という観点で見ても、また仮想通貨の税制の煩雑さに悩む個々の利用者にとっても良いニュースといえるだろう。