GoogleがスマートスクリーンのNest Hub Maxでグループビデオ通話をサポート

ビデオチャットは、Amazon Echo ShowやGoogle Nest Hub Maxなどのスマートスクリーンの大きなセールスポイントだ(MaxでないNest Hubには今だにカメラがない)。しかしMaxもこれまでビデオ通話は1対1でしかサポートされていなかった。 たいていの場合これで構わなかったが、パンデミックでソーシャルディスタンスが義務化され、多くの人が友人や家族から離れて過ごしているため、グループビデオチャットは生活に必須なサービスとなっている。

これが企業がZoomのようなビデオ会議アプリに殺到した理由だ。Zoomなどはこれまでビジネス専用だったが、そうした事情で一般ユーザーにも人気が高まっている。Googleももちろんここに可能性があることに気づいており、Nest Hub MaxのDuoにグループビデオを導入することを発表した。

今回、ビデオチャットは最大32人までサポートされた。スマートスクリーンの自動フレーミング機能(Facebookの同種のディスプレイにあるものと似ている)を利用して通話相手全員を表示することが可能だ。グループ機能はLG、JBL、LenovoなどサードパーティのGoogle対応スマートスクリーンにも搭載される予定だ。グループチャット機能を利用するにはモバイルアプリを介してDuoでグループを作成する必要がある。グループを作成した後は音声で起動できる。

グループのサポートはビジネス利用にも有利となる要素だ。スマートスクリーンのビジネスユースはこれまで可能性に留まっていた。しかし自宅が多くの人々のオフィスとなってきた現在、スマートスクリーンで会議やミーティングができれば大いに役立つ。G SuiteでGoogleアシスタントのベータに登録しているユーザーはGoogle Meetからビジネス会議に参加できる。

グループビデオは今後数週間かけて順次利用可能となる。

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滑川海彦@Facebook

Zoomが暗号技術開発のKeybaseを買収、セキュリティ強化で教育・公的機関の信頼を取り戻せるか

米国時間5月7日朝、Zoomは暗号技術を専門とするスタートアップであるKeybaseを買収したことを発表した。買収金額は明らかにされていない。

Keybaseはすでに数年前から安全な情報共有や共同作業のための暗号化プロダクトを開発・提供している。 この買収はパンデミックによるZoomの急激な成長にともなうセキュリティ上の欠陥を修正し、信頼性を向上させるのに寄与するかもしれない。

Zoomはニーズの急増にともない、プラットフォームの多数のセキュリティ上の弱点が露呈し、公的機関での使用禁止訴訟に直面してきた。同社はこの問題に全力で取り組んでいるが、社内に暗号専門家チームを置けるならプロダクトのセキュリティを高めるはずだ。

5月7日朝のZoomブログでCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は「Keybaseを買収した目的はユーザーにさらに高いレベルのセキュリティを提供するためだ」と述べている。新型コロナ危機により多くの業務がリモートワークで自宅から処理されるようになるにつれ、企業ユーザーにとってセキュリティは従来以上に重要性を増している。

ユアン氏はブログに次のように書いている。「この買収はZoomにとって非常に重要なステップだ。われわれは十分にプライバシーが確保された本物のビデオコミュニケーションのプラットフォーム実現しようと努力している。多様なユースケースに対応する柔軟性を維持しつつ、数億人規模にスケールアップできるようにすることが目標だ」。

ユアン氏は「Keybaseの暗号化機能が製品に組み込まれ次第、有料ユーザー全員が利用できるようになる。Zoomは、すべての有料アカウントにエンドツーエンドで暗号化されたミーティング・モードを提供する。ログインしたユーザーはZoomのリポジトリに保存した公開暗号鍵によるIDを利用してミーティング参加者間のコミュニケーションのセキュリティを確保することができる」と書いている。

この買収ではKeybaseはZoomの子会社となり、Keybase共同創業者のMax Krohn(マックス・クローン)氏はZoomのセキュリティチームに責任者となる。クローン氏はユアン氏の直属としてセキュリティ機能全般の開発の指揮を取る。Keybaseの24人ほどの社員はZoomに移籍する。社員の大部分はセキュリティを専門とするエンジニアだ。

現在提供されているKeybaseのプロダクトががどうなるかはまだ明らかではない。Keybaseでは「Zoomはこの問題を理解しておりKeybaseと共同で解決の方法を探っている」と述べた。

Keybaseは2014年に設立されたスタートアップでCrunchbaseのデータによれば1100万ドル(11億7000万円)弱のベンチャー資金を調達している。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

WhatsAppで最大4人のグループ音声通話とビデオ通話が可能に

WhatsAppが、とても要求の多かった新機能を追加し、ユーザーがグループでの音声およびビデオ通話を行うことを可能にした。

Facebookによって所有されている同社が、音声通話を導入してから3年以上が経過した(音声通話の1年後にはビデオ会話機能を追加している)。現在WhatsAppは、毎月15億人を超えるユーザーを抱えていて、毎日そのサービスを通じて20億分の通話が行われていると言う。

今週から通話参加者は、スクリーン上の右上にある「参加者を追加」を意味するボタンを押すことで、他の友人たちを通話に追加することができるようになった。参加の最大数は4人であり、素晴らしいことにWhatsAppは通話がエンドツーエンドで暗号化されていると述べている。

それは簡単なことではない。自らをセキュアなメッセージアプリだと呼ぶTelegramでも、グループメッセージは暗号化されていない、ましてグループ通話はなおさらだ。

暗号化の面では、WhatsAppはWhisperSystemsと長年協力を行い、プラットフォーム上の全てのメッセージや通話を、盗聴から守ってきた。とは言え、WhatAppの共同創業者であるBrian Actonが彼の資産のうちの5000万ドルこの資産は2014年にFacebookによって買収されたときに手に入ったものだ)をWhisperSystemsに関係するSignal Foundationに寄付したことで、事情は少々複雑になった。

Actonは昨年Facebookを退職した。今年彼は、人びとにソーシャルネットワークを辞めるように呼びかけたが、それはデータとプライバシーの問題によるものだった。一方彼の仲間であるWhatsApp共同創業者のJan Koumも、今年の5月の時点で彼の後を追うように辞職した

Acton同様に、Koumもケンブリッジ・アナリティッティカのようなスキャンダルに悩まされていたようだが、彼の公式の辞職理由は「テクノロジーを離れて楽しみたい。例えば珍しい空冷ポルシェを集めたり、車の整備をしたり、究極のフリスピーでプレイしたりね」ということだ。それぞれが自分の道を…。

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(翻訳:sako)

写真: Chris Ratcliffe/Bloomberg、Getty Images (画像編集済)