業務用ChromebookでMicrosoft Officeを含むWindowsアプリを今秋から利用可能に

macOS上でWindows環境を構築できるホスト型の仮想デスクトップアプリなどを開発するParallels(パラレルズ)は6月17日、Google(グーグル)との協力により、Chrome Enterprise上でMicrosoft Officeを含むWindows アプリケーションの利用が可能になると発表した。動作環境は、エンタープライズ向けのChromebook。

同社が提供しているParallels Remote Application Serverなどの技術を活用して、Windowsアプリの利用が可能になると考えられる。詳細は同社に現在問い合わせ中で、情報が入り次第記事をアップデートする。

Google Cloud VMware EngineはVMware環境をGoogle Cloudへ移行する第3のステップ

米国時間5月14日、Google(グーグル)は、VMwareとのパートナーシップの次のステップとしてGoogle Cloud VMware Engineを発表した。これは完全なマネージドサービスで、企業にGoogle Cloud上で完全なVMware Cloud Foundationスタックを提供し、彼らの既存のVMwareベースの環境をGoogleのインフラストラクチャへ容易に移行できるようにする。Cloud Foundationは、ハイブリッドとプライベートクラウドのためのVMwareスタックだ。

Google Cloudが企業顧客に焦点を当てていることを考えれば、同社がVMwareとのパートナーシップに強化し、これらの企業のワークロードをより多く引き付けることは当然のことだ。1年ほど前にGoogle CloudにVMware Cloud Foundationが登場し、VMwareのワークロードのサポートを開始すると発表した。そして昨年11月、Google CloudはVMware環境の運用に特化した企業でグーグルが独自のVMwareデプロイメントを行うために提携していたCloudSimpleを買収した。グーグルは本日の発表を、この流れの第3ステップだと説明している。

VMware Engineは、vSphere、vCenter、vSAN、NSX-T、HCXなどの標準的なCloud Foundationコンポーネントのすべてをユーザーに提供する。Google CloudのジェネラルマネージャーであるJune Yang(ジューン・ヤン)氏は本日の発表で「これにより企業は、Google Cloud内に独自のソフトウェア定義データセンターを迅速に立ち上げることができる」と指摘。

「Google Cloud VMware Engineは、顧客の運用負担を最小限に抑えるように設計されているため、顧客はビジネスに集中できる」と同氏。「VMwareソフトウェアスタックのライフサイクルを管理し、関連するすべてのインフラストラクチャとアップグレードを管理する。顧客は、オンプレミス環境と一貫してIT管理ツールやサードパーティのサービスを継続的に活用できる」と続ける。

グーグルは、NetAppやVeeam、Zerto、Cohesity、Dell Technologiesなどのサードパーティのプロバイダーとも協力して、各社のソリューションがGoogleのプラットホームでも確実に動くようにする。

クラウド移行支援サービスを展開するDeloitte ConsultingのDell Technologies担当Bob Black(ボブ・ブラック)氏は「顧客はクラウドへの移行を簡素化したいと考えている。その中で我々は、Google Cloud上でVMwareのワークロードを実行することによって、俊敏性と効率性の向上させ、顧客が恩恵を受けらるようにクラウドサービスの構築に取り組んでいる。Google CloudのテクノロジーとDeloitteのビジネス変革の経験を組み合わせることで、顧客がアプリケーションの近代化を目指す中、顧客のクラウド移行を加速させ、運用を一元化し、革新的なGoogle Cloudサービスの恩恵を受けられるようにする」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Androidアプリの公開用レビューもCOVID-19の影響で遅れがちに

Google(グーグル)は今週Androidのデベロッパーに、Playストアのアプリの公開用レビュー期間が通常よりずっと長くなる可能性があると警告した。これもCOVID-19危機の影響だ。デベロッパーはアプリのレビューに1週間、あるいはそれ以上かかることを覚悟しなければならないと、同社はGoogle Play Console上に表示するアラートで、コミュニティに通知している。

Google Playに影響を与えるのは、審査に時間がかかるようになることだけではない。

3月16日にYouTubeは、現状、自動化されたシステムに大きく依存することになると発表した。これは、人間のモデレーターによるレビューを受ける前に、機械学習システムによって、より多くのビデオが削除される可能性が高いことを意味している。

いずれの場合も、処理の遅延は社内の人員配置のレベルが低下していることによるものだ。これは、COVID-19パンデミックの結果であり、グーグルやその他の企業の従業員の配備計画が大きな影響を受けている。

これまでGoogle Playのアプリレビューのプロセスは、非常に速いという定評があった。

ここ数年、同社は長期間のレビューを待たずに、デベロッパーがアプリを公開できるようにすることで、Apple(アップル)のApp Storeに対して、Playストアを差別化してきた。もちろんこれにより、Playストアが品質の低いアプリで埋め尽くされ、時には悪意のあるアプリが野放しになるといった問題も引き起こした。しかしグーグルは2015年、社内のレビューチームを活用して、アプリを公開する前にそのポリシー違反を分析し始めたことを明らかにした

グーグルは当時、このようなプロセスの変更にも関わらず、数日ではなく数時間以内にアプリを承認できるとしていた。

しかし2019年になって同社は、より厳格なレビューを実施することにしたため、状況は変わった。その後アプリの提出から公開までに、少なくとも3日間のレビュー期間を見込んでおくようデベロッパーに通告するようになっていた。ただし定評があり、信頼関係が確立されたデベロッパーについては、より速いレビューが受けられて審査期間は短くなるとグーグルは明かしている。

1週間、あるいはそれ以上のレビュー期間というのは、COVID-19危機そのものと同様、前例がないものだ。

アプリのレビュー期間が長くなっているというニュースは、最初にAndroid Policeによって報告された

グーグルの広報担当者は、レビューが遅れていることをTechCrunchに認め、次のように述べている。「現時点では、勤務スケジュールの調整のため、レビュー期間は通常よりも長くなっています。また状況は悪化しつつあるため、アプリのレビュー期間も変動していますが、7日間からそれ以上かかる場合もあるでしょう」

この遅延については、Play Consoleのヘルプドキュメントでも確認できる

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleがインドの駅や僻地で提供してきた無料Wi-Fiプログラムを終了させる

Google(グーグル)は米国時間2月17日に、多くのパートナーたちと協力してインド国内の400以上の駅や多数の僻地の公共の場所に、無料Wi-Fiを提供してきたGoogle Stationプログラムを、この先縮小すると発表した。

グーグルのPayments and Next Billion Users(支払いならびに次の10億ユーザー)担当副社長のCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏は、2015年に開始されたこのプログラムは、何百万人ものユーザーがインターネットサーフィンするために役立ち、多くの人が消費するデータ量を気にしなくても良いようにした初めてのものだと語る。しかし、インドを含む多くの市場でモバイルデータ通信の価格が安くなったため、Google Stationはもはや必要ではなくなったのだと彼は言う。同社は2020年中にプログラムを中止する予定だ。

さらに、グーグルはプログラムを拡張するための持続可能なビジネスモデルを見つけることが困難になっていると述べている。最近ではStationプログラムはインドネシア、メキシコ、タイ、ナイジェリア、フィリピン、ブラジル、ベトナムへと拡大していた。同社が南アフリカで同プログラムを開始したのはわずか3カ月前だ。

長年にわたり、グーグルはGoogle Stationプログラムを収益化する方法も模索していた。たとえば同社は、ユーザーがインターネットサービスに接続するためにサインインする際の、広告表示を開始していた。

2019年初めのインタビューで、インドにおいてグーグルの接続性への取り組みを率いているGulzar Azad(ガルザー・アザド)氏は、同社はStationをより多くの市場に拡大する方法を考えていると語っていたが、インドの鉄道駅への展開に関しては、(400の鉄道駅にサービスを提供する)という目標を達成したと語っていた。

グーグルがインドで無料のWi-Fiを提供する取り組みを発表した1年後、同国で最も裕福な男性Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が、通信ネットワークReliance Jioを立ち上げた。Jioは、長期間にわたって無料で大量の4Gデータ通信を顧客に提供し、他の通信事業者たちが、請求額を下げざるをえないようにした。

この動きによって、膨大な数のインド人がインターネットにアクセスし始めた。多くの人にとって当初のアクセス料金が高すぎたからだ。別のインタビューで、私はアザド氏に対して、Reliance Jioの参入によってGoogle Stationの意義がいくらかでも低下したかと尋ねている。その時の彼の答えは、多くの人が今でもJioのプログラムにサインアップを続けている段階であり、さらに大量データを消費したいという大きな意欲も見せ続けているというものだった。

グーグルは多くの企業と協力して、公共の場所でユーザーたちが無料のWi-Fiを使えるようにしている。たとえばインドでは、グーグルがソフトウェアスタックを構築し、国有の通信インフラプロバイダーであるRailTel(レイルテル)が無料のインターネット回線を提供している。

RailTelは5600以上の鉄道駅でWi-Fiを提供し、長年にわたって独自のソフトウェアスタックを提供する能力を開発してきた。「私たちはパートナーと協力して既存のサイトへ移行し、コミュニティにとって有用なリソースを維持できるようにします」とセングプタ氏は述る。

TechCrunchはRailTelの広報担当者に連絡をとり、グーグルと連携してきた400余りの鉄道駅で、Wi-Fiを提供し続ける予定かどうかを確認した。RailTelからの回答によれば、すべての鉄道駅で無料Wi-Fiサービスは継続されるとのことだ。「この年月にグーグルから受けたサポートを心から評価しています」と、広報担当者は付け加えた。

「各国のパートナー間における、異なる技術的要件とインフラストラクチャは、パートナーたちにとってStationプログラムを拡大し持続可能にしておくことを困難にしました。そして、将来本当に影響を与えられるのはどこかを評価したとき、次なる10億人のユーザー市場に向けて、より役立つように調整された製品や機能を構築することに、さらに大きなニーズと大きな機会があると考えたのです」とセングプタ氏は語る。

開発途上市場のユーザーたちに、無料のインターネットを提供するために取り組んできた技術大手はグーグルだけではない。Facebookの後継組織Internet.org2017年に同国内で始められている(だが同プログラムはインド国内でのネット中立性規則に違反したために禁止されている)。

トップ画像クレジット: PUNIT PARANJPE / AFP / Getty Images

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(翻訳:sako)

インテルとグーグルはChromebookを皮切りに未来に向けた密接なコラボを計画

巨大なチップメーカーIntel(インテル)は、ここ数カ月で戦略の見直しに取り組んでいる。その一環として、モバイルチップ事業をApple(アップル)に売却し、コネクテッドホーム部門の買い手を探していると伝えられている。そして、長年同社のビジネスの中心となってきたPCに対して、これからどのように取り組むべきか検討するという、難しい課題にも取り組んでいる

後者に関する戦略の一部は、今回のCES 2020で大々的に発表された。インテルは米国時間の1月6日、Google(グーグル)とのより強固なパートナーシップによって、Project Athena上で実現するChromebook用のチップと仕様を設計することを発表した。Project Athenaは、昨年初めて発表されたフレームワークであり、設計仕様と技術仕様の両方をカバーするもの。将来の高性能ラップトップを開発することを目的としている。仕事だけでなく、メディアストリーミング、ゲーム、エンタープライズアプリケーションなど、出先でも使えるものを目指す。当然ながらインテルのチップを利用する。

その要求仕様に含まれるのは、指紋センサー、押しボタン、あるいはディスプレイを開くことで即座に起動する「高速ウェイク」、Intel Core i5、または同i7プロセッサー、Ice Lakeベースの設計、バッテリー寿命と充電機能の改善、WiFi 6、タッチディスプレイ、2イン1デザイン、幅の狭いベゼルなど、多岐にわたる。

今回のCESでは、こうしたAthena仕様に基づいて設計された最初のChromebookが、Samsung(サムスン)とAsus(エイスース)から、それぞれ発表された。インテルによれば、さらに多くの機種が登場するという。そしてインテルの基調講演のステージにはグーグルも登場し、このミッションに対する両社のコミットメントが確かなものであることを強調した。

「AthenaをChromebookに導入するために、グーグルとのパートナーシップを深め、さらに前進させようとしています」と、インテルのクライアントコンピューティンググループのEVPおよびGMであるGregory Bryant(グレゴリー・ブライアント)氏は、今日の発表に先立つTechCrunchとのインタビューで述べた。「これらの仕様をデバイスメーカーがうまく活用できるよう、グーグルとかなり密接に協力しています」。

インテルにとっては、Athenaを利用するChromebookのシリーズが登場することは重要だ。というのも、Chromebookは非常に人気が高く、そこにインテルのプロセッサーが喰い込めるようになるからだ。Chromebookを買おうというユーザーは、セキュリティの高さなどを求めてグーグルのサービスにアクセスしたい人や、アプリのエコシステムを利用したいと考えている人だ。

そしてインテルだけでなくグーグルにとっても、Chromebookの仕様を強化することは、収益とビジネスを成長させるという観点から重要なのだ。

「これはグーグルにとって大きな変化です」と、同社のChromeOS担当副社長であるJohn Solomon(ジョン・ソロモン)氏も、発表に先立つインタビューで語っている。「Chromebookは、最初は教育分野で成功しました。しかし、今後18か月から2年の間に、より広い市場を求めて、消費者や企業ユーザーに拡大することを計画しています。そうしたユーザーは、より高い期待を抱き、デバイスの使い方についても幅広いアイデアを持っています。それを考えれば、もっと高いパフォーマンスの提供が不可欠となるのです」。

今回の取り組みは、ちょうど難しい時期に向けてスタートを切ることになった。一般的に言って、最近のラップトップ市場は窮地に追いやられている。全体として、パーソナルコンピューター市場自体も衰退しつつあり、それが今後数年間続くと予測されているからだ。

しかし、インテルとグーグル、そしてその他のハードウェアパートナーによるコラボレーションから生まれてくるようなマシンに関しては明るい希望もないわけではない。IDCは、2イン1デバイスの繁栄を予想している。つまり、キーボードを取り外してタブレットとして使うことも可能なコンバーチブルなPCのことだ。また、超薄型のノートブックも「同期間で全体に5%成長すると予想される」としている。それに対して、2019年から2023年までの期間のPC全体の年間成長率はマイナス2.4%だ。仮に成長するとしても、それほど大きなものは見込めない。

それに比べれば、スマートフォン市場にはまだ強みがある。複数の市場がスマホとしての飽和状態に達し、消費者のアップグレードが遅いなど、あれこれ問題がないわけではないのは事実としてもだ。

こうした状況ををひっくるめて言えば課題があるということ。それゆえインテルは、Athenaのようなプロジェクトを大きく推進させる必要があるわけだ。というのもインテルは、パソコン用のプロセッサーを製造しているため、その命運はPCデバイスと一蓮托生の関係にあるからだ。

今月初めまでは、Athena仕様に適合して開発されたラップトップは、すべてWindows PCで、現在までに25機種を数えていた。しかしインテルは最初から、Chromebookもそのシリーズの視野に入れていることを明言していた。そして、今年の年末までに、Athena仕様のデバイスを75機種まで増やす、つまり2020年中に50機種を追加するつもりでいる。

Chromebookは、他の市場の成長を上回っているように見えるため、インテルにとって注力するのに適した領域と言える。OSとして、いくつかの明らかな欠点があるのも確かだ。Chrome OSは、ネイティブツールの数も少なく、アプリとの統合も弱い「貧弱」なOSと認識されてきた経緯がある。それでもIDCによれば、2019年の第4四半期の成長率は、前年比で19%だった。ホリデーシーズンを加えれば、伸び率はもっと高いと考えられている。そして米国でのChromebookの市場シェアは、NPD/Gfkによれば、昨年11月時点で約27%に達している。

ここで興味深いのは、インテルとグーグルが、ともに成長を目指して採用している協力的なアプローチだ。これはアップルスタイルのモデルで、同社のハードウェアビジネスに垂直的に統合されるもの。それにより、形状と機能に関して、統制のとれた統一的なアプローチを確保している。そこでは、ハードウェアの仕様は、特にアップルが同社のデバイスで動作することを想定する範囲のサービスに対応するように定められている。それは結局、アップル独自のネイティブなサービスやアプリではない範囲でデバイスに関わろうとするサードパーティに対しては、非常に具体的な要求を突き付けることになる。

グーグルは、ラップトップを製造したり、プロセッサーを開発するビジネスを(少なくとも今のところ)展開しているわけではない。またインテルも、プロセッサー以上のものを開発するにはほど遠い状況だ。そのような両社がここで策定したのは、アップルのような垂直統合されたビジネスから得られるものに似た、規律のある仕様だ。

「すべては、最高の製品を開発し、最高の体験を提供するためです」と、ブライアント氏は述べた。

「過去18か月にわたるインテルの支援と、緊密なエンジニアリング上のコラボレーションがなければ、私たちはこれを成し遂げることができませんでした」とソロモン氏は付け加えた。「これは、これまでには見られなかった革新であると同時に、この領域でさらに多くのものが得られるようになるきっかけを示すものなのです」。

そして興味深いことに、ブライアントとソロモン両氏は、Athenaの採用と彼らのコラボレーションが、ラップトップ以外の領域にも拡張する可能性を排除しなかった。

「私たちの仕事は、PCを素晴らしいものにすることです。PCを購入する価値と理由を消費者に提示することができれば、PCを生き永らえさせることができます」と、ブライアント氏は語った。そして、インテルとしては、仕様を進化させ続けていることを付け加えた。

「フォームファクターについて言えば、デュアルディスプレイを搭載したデバイスも可能ですし、さまざまな技術を搭載した、いろいろな形状のデバイスも考えられます」と同氏は言う。「私たちは、本日示したものを拡張し、さらにバリエーションを加えることを目指しています」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

トランプ大統領は何の証拠もなく何百万もの票を操作したとグーグルを非難

大統領は米国時間8月19日の朝、Twitter(ツイッター)でGoogle(グーグル)を激しく非難した。2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントン氏に票が傾くようにGoogleが操作したと訴えたのだ。この重大な告発の元になった情報の出所は、何カ月も前の議会証言を蒸し返した古い報告書の中で語られていた仮説に過ぎない。

今朝のトランプ大統領のツイートには、実際の報告書からの引用は一切ないが、保守系監視団体Judical Watchのタグが付けられている。恐らく同団体に調査を依頼しているのだろう。大統領が誰にGoogleを訴えろと言っているのかは、定かではない。

https://platform.twitter.com/widgets.js
ワオ、報告書が今出た!2016年の大統領選挙でGoogleは260万から1600万もの票をヒラリー・クリントンに流していた!これはトランプ支持者ではなくクリントン支持者からもたらされた情報だ!Googleは訴えられるべきだ。だが、私の勝利は実際はもっと大きかったということだ! @JudicalWatch

偶然にも、FOX Newsはそのような報告書が存在することを、5分ほど前に報道している。トランプはまた、先日、さまざまな中傷を受けたとしてGoogleとCEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏を批判した

実際のところ、この報告書は「今出た」ものではなく、大統領が指摘しているような内容も書かれていない。FOXとトランプが言っているのは、おそらく2017年に発表された報告書のことだ。そこでは、2016年の大統領選挙の前哨戦でGoogleや他の検索エンジンに偏りがあったことを執筆者たちが解説している。

なぜ、そのような調査があったことに気がつかなかったのかと不思議に思っている方のために、その理由をお教えしよう。でたらめな調査だからだ。その内容には得るものが何もなく、ある大企業が選挙に介入したと非難するに値する証拠すら示されていない。

執筆者たちは、選挙前の25日間に95人が行った検索の結果を見て、最初のページで偏向の有無を審査した。彼らはほとんどの検索結果で、特にGoogleの結果ではクリントン氏が有利になる傾向にあったとの「クラウドソーシング」による判定を基に偏向を認識したと主張している。ただしその判定方法は説明されていない。

この検索に関するデータ、つまり、サンプル検索とその結果や、なぜそれを偏向と判断したかの理由などは示されていない。ファクトの考察もない。例えば、Googleが日常的に、またはオープンに、その人の普段の検索の内容、報告されている嗜好、地域などに合わせて検索結果を提示していることなどは考慮されていない。

関連記事:トランプ大統領が朝のツイートでGoogleとサンダー・ピチャイ氏を攻撃(未訳)

実際、Epstein(エプスタイン)氏の報告書は、通常の調査報告書の体をまったく成していない。

要約や序論もない。統計上の計算方法の解説もない。用語説明、考察、出典の記載もない。こうした基本的な情報がなければ、同分野や他分野の専門家の査読も叶わないばかりか、まったくの捏造された仮説と判別がつかない。この報告書の真偽を判断できる材料が何ひとつないのだ。

しかしRobert Epstein(ロバート・エプスタイン)氏は、自身のたった1件の報告書を大いに参照している。それは、2015年にPNAS(米国科学アカデミー紀要)に掲載された、故意に操作を加えた検索結果が候補者の情報を探す有権者にどのような影響を与えるかを解説したものだ。この題材に関して、彼は非常に多くの意見記事を執筆している。Epoch TimesやDaily Callerといった最右翼のメディアに頻繁に登場しているが、USA TodayやBloomberg Businessweekなどの無党派メディアにも寄稿している。

この調査で提示された数値には、まったくなんの恩恵もない。計算方法が説明されていない数字の中には、「Google検索でのクリントン支持の偏向は、時を重ねることで、少なくとも260万票がクリントンに移動する結果を招く」とエプスタイン氏が話しているものがある。この主張の裏付けとなる仕組みも正当な根拠も示されていない。あるのは、今回の報告書との共通点がほとんど見られない、2015年の彼の報告所に示された非常に空論に近い見解と憶測のみだ。その数値は、実質的にでっち上げと言える。

つまり、この報告書と呼ばれているものは、じつに異質なのだ。その主張に科学的な正当性を持たない事実無根の文書であり、ほぼ毎月Google批判の論説を掲載している出版社の人間の手によるものだ。これは、雑誌などに掲載されたわけではない。American Institute for Behavioral Research and Technology(行動調査およびテクノロジーのためのアメリカの研究所、AIBRT)という非営利の私的調査機関がネット上で発表したものに過ぎない。エプスタイン氏はこの研究所のスタッフだが、ここは今回の報告書など、もっぱら彼の文章を発表するためだけに存在しているように見える(私の質問に対してAIBRTは、資金提供者の公開に法的義務はなく、公開しない方針だが、「研究所の調査に偏向をきたすような寄付」は受け付けないと話していた)。

報告書の巻末でエプスタイン氏は、この報告書のために収集していたデータをGoogleが操作していた可能性を推測している。Gmailユーザーとそれ以外のユーザーからのデータの差を引き合いに出して、Gmailユーザーのデータは、報告書作成中ではあったが、すべて破棄することにしたという。

おわかりのとおり、非Gmailユーザーが見た検索結果は、Gmailユーザーが見た結果よりもずっと大きく偏っている。おそらくGoogleは、Gmailシステムを通じて我々の協力者を特定し、偏向していない結果が彼らに示されるよう計らったのだ。現時点でそれを確認することはできないが、我々が発見したパターンの説明としては妥当だ。

この仮説を妥当と見るかどうかは、みなさんの判断にお任せする。

これだけでも十分に酷すぎる話だ。しかし、トランプ大統領がこの軽薄な報告書を引き合いに出したことで、さらにファクトが歪められてしまった。大統領は「2016年の大統領選挙でGoogleは260万から1600万もの票をヒラリー・クリントンに流していた」と主張したが、そのようなことはこの報告書にすら書かれていない。

関連記事;ケンブリッジ・アナリティカ、トンランプ、ブレグジット、そして民主主義の死を紐解くNetflixのドキュメンタリー「The Great Hack」(未訳)

この虚偽の主張の根源は、7月にエプスタイン氏が米上院司法委員会に出席したことにあるようだ。そこで彼は、テキサス州選出のTed Cruz(テッド・クルーズ)上院議員からスター扱いされ、投票における技術操作の可能性について専門家としての意見を求められた。それまでこの問題でクルーズ氏を支えていた専門家は、保守系ラジオのトーク番組のホスト、Dennis Prager(デニス・プレガー)氏だった。

またしても、データも調査方法も仕組みも示さず、エプスタイン氏は、Google、Facebook、Twitterなどが影響を与えたかも知れない260万票を「どん底の最低数」と説明している(影響を与えた、またはそれを試みたとは明言していない)。彼はまた、今後の、特に2020年の大統領選挙において「もしこれらすべての企業が同じ候補者を支持したなら、150万の浮動票が、人々が知らないうちに、当局が追跡できないよう紙の資料を残さず、流れる可能性がある」とも話している。

「彼らが用いている手法は目に見えない。潜在意識に働きかけるものであり、私が行動科学の世界で見てきたいかなる効果よりもずっと強力なものだ」とエプスタイン氏は言うが、その手法が何かは、はっきり説明していない。しかし彼は、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が民主党支持者だけに「投票に行こう」と呼びかける可能性があり、それは誰も知り得ないとも述べた。馬鹿げている。

すなわち、数値がでっち上げであるばかりでなく、2016年の選挙とは何の関係もなく、しかもGoogleだけの話ではなく、これはすべてのハイテク企業が関わることなのだ。たとえもし、エプスタイン氏の論にいくばくかの正当性があったとしても、トランプ大統領のツイートがそれをねじ曲げ、すべてを台無しにしてしまった。何もかもが、真実からは遠くかけ離れている。

Googleは、大統領の批判に対して声明を発表した。「この研究者の不正確な主張は、それが発表された2016年の時点で誤りが証明されています。当時私たちが主張したとおり、私たちが政治的信条を操る目的で検索結果の順位の操作や変更などは行ったことは一度もありません」。

下にその報告書の全文を掲載する。

EPSTEIN & ROBERTSON 2017-A Method for Detecting Bias in Search Rankings-AIBRT(エプスタイン、ロバートソン 2017年 検索結果順位の偏向を見抜く方法 – AIBRT)
TechCrunch on Scribd

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

GDPR発効後初となる中止命令を受けたグーグルの音声AIレビュー

ドイツのプライバシー監視機関は、音声AIによって録音されたオーディオクリップの人間によるレビューを停止するよう、Google(グーグル)に命じた。

これは先月、Googleアシスタントサービスから、かなりの数のオーディオクリップがリークしたことを受けたもの。オランダ語の評価を担当する契約社員が、1000点以上の録音をベルギーのニュースサイト、VRTに提供した。VRTではそこから何人かの個人を特定することができた。ユーザーの住所、病状に関する会話、打ちひしがれている女性の肉声、などを聞くことができたと報告している。

ハンブルグのDPA(データ保護当局)は、GDPR(一般データ保護規則)の第66条に基づく権限を行使し、同条項が定める「緊急手続き」を開始すると、先月グーグルに通達した。

第66条は、「データの対象者の権利と自由を保護するために行動を起こす緊急の必要性」があると確信できる場合には、DPAがデータの処理を停止するよう命令することを認めている。

昨年5月にGDPRが欧州圏全域で発効されて以来、この事例が同権限の最初の適用例と考えられる。

Googleによれば、7月26日にDPAに回答し、すでにヨーロッパ全域で、Googleアシスタントの人間による音声レビューを停止することを決定したという。データのリークが判明した後、7月10日には対応したとのことだ。

また先月には、ヨーロッパにおける主幹プライバシー規制機関であるアイルランドのデータ保護委員会(DPC)に、その違反について報告した。DPCは、ハンブルグのDPAによる命令によって明らかになった問題を現在「調査中」であるとしている。

アイルランドDPCの広報責任者、Graham Doyle(グラハム・ドイル)氏は、Googleアイルランドが「2、3週間前」に、Googleアシスタントのデータに関して第33条に違反していたという告知を提出したと述べた。「われわれの認識では、7月10日に、Googleアイルランドは、問題となっている処理を中止し、本日(8月1日)を起点として、少なくとも3ヶ月間は、処理の停止状態を維持すると約束しました。それはともかくとして、われわれは現在その問題について調査中です」と付け加えた。

Googleが、ヨーロッパで、現地のプライバシールールに準拠した方法で、人間による音声レビューを再開できるかどうかは不透明だ。ハンブルグのDPAは、GoogleアシスタントがEUのデータ保護法を遵守しているかどうか、「重大な疑念」を抱いていると、ウェブサイトに掲載した声明(ドイツ語)で述べている。

「ハンブルグのデータ保護当局とは連絡を取り合っています。音声レビューをどのように実施すればよいのか、データがどのように使われているかをユーザーに理解してもらうにはどうすればよいのか、検討中です」と、Googleの広報担当者は私たちに明かした。

リークが明らかになった後、先月掲載されたブログ記事の中で、Googleの検索担当のプロダクトマネージャー、David Monsees(デビッド・モンシーズ)氏は、Googleアシスタントのクエリの人間によるレビューは、「音声認識技術を開発するプロセスの中で非常に重要な要素」であると断言している。そうした製品の開発には「不可欠」だとも表現している。

「そうしたレビューは、音声認識システムが、さまざまな言語において、異なったアクセントや方言に対応できるようにするのに役立ちます。レビューの過程で、オーディオクリップをユーザーアカウントに関連付けるようなことはしていません。そしてレビューを実施するのは、すべてのクリップの0.2%程度に過ぎません」と、Googleの広報担当者は説明している。

しかし、現在市場に出回っている無数の常に稼働している音声AI製品、サービスによって録音された音声の人間によるレビューが、ヨーロッパ人の基本的なプライバシーに関する権利と両立できるものなのか、かなり疑わしい。

通常こうしたAIでは、録音を開始してクラウドに送信するためのトリガーとなる単語が決められている。しかし、現在の技術では、何かのはずみでトリガーがかかってしまうことも避けられない。そして、今回のリークによって明らかになったように、そうした機器の所有者だけでなく、その周囲にいる人も含めて、秘密の、あるいは私的な個人データが収集されてしまうことになる。しかも、機器の至近距離にまで近付かなくても、音声は記録されてしまう。

ハンブルグのDPAのウェブサイトには、Googleに対して行使された法的手続きは、ただちに影響を受ける可能性のあるユーザーのプライバシー権を保護することを目的としたものだ、と記されている。またGDPRは、EU加盟国の関係する当局に対して、最大3ヶ月間の効力を持つ命令の発効を許可していることも書いてある。

ハンブルグのデータ保護担当のコミッショナー、Johannes Caspar(ヨハネス・キャスパー)氏は、次のように述べている。「EUにおける言語アシスタントシステムの使用は、GDPRのデータ保護要件に準拠している必要があります。Googleアシスタントの場合、現状ではかなりの疑いがあります。言語によるアシスタントシステムの使用は、ユーザーに対するインフォームドコンセントが可能なよう、透明性の高い方法で実行されなければなりません。特に、ユーザーに十分な情報を提供し、音声コマンドの処理に関する懸念についても、はっきりと通知しなければならないのです。さらに、音声AIが誤動作によって起動してしまう頻度と、それによるリスクも説明する必要があります。最後に、録音の影響を受ける第三者を保護する必要性についても、十分に考慮しなければなりません。まず何より、音声分析システムの機能に関する、いろいろな疑問について明確にする必要があります。そうしてから、データ保護当局は、プライバシーを尊重した運用のために必要な、確固たる方策を決定する必要があるでしょう」。

またハンブルグのDPAは、他の地域のプライバシー監視機関に、言語によるアシスタントシステムを提供する他のプロバイダーに対するチェックも、優先的に実施すること、そして「適切な手段を実行に移す」ことを呼びかけている。そこに挙げらている音声APIのプロバイダーとは、Apple(アップル)とAmazon(アマゾン)だ。

今回、第66条による命令が下ったという事実は、ヨーロッパで音声AIを運営している他の大手IT企業にも、広く影響が及ぶ可能性があることを示唆している。

GDPRが繰り出した法的執行がもたらす本当の衝撃は、ニュースの見出しになるような罰金にあるのではない。もっとも、それはGoogleの世界規模の年間売上の4%に相当する金額にまで膨れ上がる可能性がある。しかし、それより重要なのは、ヨーロッパのDPAが、データの流れを止めさせるほどの力を持った命令を発行するという規制手段を手に入れたことなのだ。

「これはほんの始まりに過ぎません」と、ヨーロッパのデータ保護法に詳しい専門家が、匿名を条件に私たちに述べた。「第66条には、いろいろな引き出しがあり、いつでも開くことができるのです」。

音声AIのプライバシー問題が、だんだん深刻化してくる可能性を示すものかもしれないが、Appleも米国時間の8月2日、Siriの音声アシスタント機能のための人間による同様のレビュー、「品質管理プログラム」を一時停止中であると明らかにした。

この動きは、規制当局の指示によるものではなさそうだ。これは先週のGuardianの記事が、Appleの請負業者による内部告発を詳細に報じたことを受けたもの。それによると、その業者は「日常的に機密性の高い詳細な」Siriの録音を聞いていたという。たとえば、セックスをしている音、身元の特定につながる財務情報の詳細、などが含まれていた。Appleでは、録音を匿名化するプロセスを経たものだとしていたにもかかわらずだ。

AppleのSiriの録音の人間によるレビューの停止は、全世界規模のものとなっている。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

グーグルが検索結果アルゴリズムを変更、最新情報を優先

フィーチャードスニペットは、Google(グーグル)が近年になって検索エンジンに追加した機能の中で、最も便利なものの1つだろう。米国時間の8月1日、Googleは、スニペット表示を実現するためのアルゴリズムを最近になってアップデートし、より新しい情報を優先するようにしたと発表した。

Google自身が示した例を見ると、これまでの検索結果には、平然と期限切れの情報が表示されていた。そうなってしまうのは、ユーザーが本当は何を知りたいのか、検索エンジンが理解しきれていなかったから。検索欄に入力されたクエリの本当の意図を理解するのは、けっこう難しいのだ。

「検索の真髄は言語の理解にあります。私たちの検索エンジンは、人間と同じように言語を理解するわけではありません」と、Googleの検索担当副社長、Pandu Nayak(パンドゥー・ナヤック)氏は述べている。「だからこそ私たちは、ユーザーによる検索の意図をよりよく理解し、適切な結果を提供するための新しい方法を開発し続けているのです。とりわけ、情報の鮮度に大きな意味があることが暗に示されている場合には、それを汲み取ることが重要です」。

Googleの例では、「upcoming uk school holidays」(今後の英国の学校の休校日)を検索している。その結果のスニペットには、以前は2018〜2019年の休校日が表示されていたが、今では2019〜2020年のものが表示されるようになった。

同様に、例えば今後のイベントについて検索したとすれば、新しいアルゴリズムによって、より新しい、的を射た情報が表示されるはずだ。Googleが示したもう1つの例では、「when does stranger things season 3 start」(ストレンジャー・シングスのシーズン3はいつから始まる)を検索している。今回のアップデートの前は、この今ひとつぱっとしないシーズン3がNetflixで始まる前に検索したとしたら、以前のアルゴリズムは、2018年の古い記事で日時もはっきり示されていないものを表示していた。それがアップデート後には、より新しく、正確な日付が掲載された記事を表示するようになる。

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スマートディスプレイ「Google Nest Hub」は価格1万5120円で6月12日発売

Google(グーグル)は6月5日、スマートディスプレイ「Google Nest Hub」を6月12日に国内販売することを発表した。税込価格は1万5120円。本体色は、Chalk(チョーク)、Charcoal(チャコール)、Aqua(アクア)、Sand(サンド)の4色。実際の色みは順に、ホワイト、ブラック、グリーン、ピンクに近い。Google Storeのほか、大手家電量販店の実店舗やオンラインストアから購入できる。

Google Nest Hubは、Googleアシスタントを内蔵したスマートスピーカーの「Google Home」にディスプレイを追加したような製品。音声だけではわかりにくい情報を地図やテキストなどを表示してユーザーに提示してくれる。最大6人の声を聞き分けることもできる。

また、カメラを内蔵していないため、寝室などのプライベートな場所に置いても万が一の情報漏洩を避けられるのもポイントだ。環境光(アンビエントライト)センサーがディスプレイ上部に備わっているので、部屋の明るさに応じてディスプレイの輝度が自動調整される。つまり、深夜に眩しすぎる画面を見つめる必要はない。

Google Nest Hubを購入すると、YouTubeやYouTube Musicを広告なしで視聴・聴取できるYouTube Premiumを3カ月無料で利用できる。

グーグルの360度動画プロジェクト「Spotlight Stories」終了か

グーグルは360度動画プロジェクトの「Spotlight Stories」を終了するようだ。Varietyが報じた。

Spotlight Storiesのメンバーはグーグルの先端技術開発チームであるATAP(Advanced Technology & Projects)のグループに属し、6年ほどコンテンツを制作してきた。フェイスブックのOculus Story Studioと同様に、マネタイズは重視していなかった。

米TechCrunchではグーグルに事実関係の確認をしている。

Spotlight Storiesが制作した作品の中でも大きな話題となった「Pearl」は2017年、アカデミー賞にノミネートされ、エミー賞を受賞した。

TechCrunchのライター、Lucas Matneyは、グーグルは「市場をOculusに譲った」、「今度は独自のコンテンツ制作に関しても、“正しいアプローチでない”と結論づけるのかもしれない」と綴っている。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[米国版TechCrunchの記事はこちら]

アメリカでは成人の1/4以上がスマートスピーカーを所有、日本では?

スマートスピーカーやAIに特化したメディアのVoicebotは3月7日、「Voicebot Smart Speaker Consumer Adoption Report Jan 2019」と題された、アメリカにおけるスマートスピーカーの普及率などに関する調査の結果をリリースした。

VoicebotとVoicifyが共同で行なった同調査によると、アメリカの成人6640万人ほどがスマートスピーカーを所有している。成人における普及率は同国の成人人口の1/4強に値する26.2パーセントまで成長し、所有者数は前年同時期に発表された前回調査と比較すると約40パーセント増加した。

アマゾンとグーグルのシェア争い

そしてこの調査によるとアマゾンが市場をリードしていることは鮮明だ。アマゾンの「Amazon Echo」のシェアは61.1%、 グーグルの「Google Home」は23.9%となっている。だが昨年の調査結果ではアマゾン71.9%に対しグーグルは18.4%。グーグルが徐々に差を縮めてきているのがわかる。

アップルの「HomePod」や「Sonos One」を含む「その他」のブランドに関しても9.7%から15%に伸びたが、Sonos OneはAlexa搭載だ。

同調査はアメリカの成人1038人を対象に2019年1月に行われた。

なおStrategy Analyticsが2018年10月に発表したレポートによると、アメリカで使われているスマートスピーカーのブランド別シェアは、アマゾン63%、グーグル17%、アップル4%。その他の同類の調査においても、やはりアマゾンのブランド別シェアの高さが目立つ。

スマートスピーカーの普及率、日本では?

電通デジタルが2月に発表した調査によると、スマートスピーカーの認知率は約76%だが、普及率は約6%に止まっている。「スマートスピーカーの所有状況」はGoogle Homeが2.9%、Amazon Echoは2.4%、そして94.1%は所有していなかった。

所有者の約4割が「音楽スピーカーの代わりになる」ことをスマートスピーカーの購入理由として挙げており、実際に74.5%以上の所有者が音楽聴取のために利用している。あとは天気予報を聞いたり、アラームをセットしたり、といった使い方が多い。

電通デジタルは「音楽以外のさらなる機能の拡張や、サードパーティー・アプリケーションの拡大が普及のカギとなる」「サードパーティー・アプリケーションの利用者は一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることが伺える」と説明している。

同インターネット調査は2018年12月、全国の15から69歳の男女1万人を対象に実施された。

MMD研究所が2018年10月に発表した「スマートホーム関連製品に関する調査」においても、スマートスピーカーの利用経験者が4.2%と低いのが目立つ。利用したことがある製品の順は、AmazonEchoがトップで56.3%、Google Homeが47.2%、LINE Clovaが14.1%だった。

この調査は15歳から69歳の男女5000人を対象に、2018年7月31日から8月1日の期間、インターネット上で行われた。

Crowdsourceはユーザーが無償でグーグルサービスの向上に貢献できる新アプリ

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Crowdsourceという名の新しいアプリがグーグルプレイにひっそり登場した。ユーザーはこのアプリを使って、グーグルのサービスの質を向上させるためのちょっとした仕事をするが、それは地図や翻訳、画像中の文字を起こす作業などだ。驚いたことには、このアプリにはユーザーの仕事に対するちょっとした報酬・対価といったものが全くない。しかしながらこのことは、このアプリが、例えばアマゾンのMechanical Turkなどの、仕事をクラウドソーシングする為の既存のプラットフォームの脅威とはならないことを意味する。

また、このアプリの主眼はグーグルが自社のサービスを向上することにあり、Mechanical Turkのように第三者からの依頼に応える訳ではない。

この新しいアプリを最初に見つけたのはAndroid Policeというブログだ。グーグルはTechCrunchの質問に答え、これがテスト用プロジェクトで今朝公開になったものだということを確認した。

Crowdsourceはユーザーが翻訳のリクエストに取り組む前に、どの言語が流暢かを聞いてくる。それ以外にも、アプリではいくつもの大きなボタンがフィーチャーされ、それを選ぶことでどういった作業をしたいか選ぶことができる。それらは、画像から文字を起こしたり、手書き文字を認識したり、翻訳作業やすでに翻訳された文章をチェックしたり、地図の翻訳のチェックをしたりといった、ちょっとした作業だ。

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グーグルが実際にアプリを使って貢献してくれるユーザーに対して、その背中を押してくれるようなオファーのないアプリをローンチするというのはいささか奇妙な感じがする。結局のところ、同社はこの様なサービスモデルに関してはGoogle Opinion Awardsを通じて熟知しており、Google Opinion Awardsではアンケートに答えるとグーグルプレイのクレジットを貰うことができた。

しかしながら、グーグルによると、人々がCrowdsourceを使ってこのプロジェクトに貢献するのは、そのことでインターネットが自分たちのコミュニティーにとってより良い場所になったと実感できるからだ、という(それはどうだろうねえ、グーグルさん、インターネットに会ったことある?ワンちゃんが日向ぼっこしているような場所ばかりじゃないんだよ)。

なぜ人々はこのような、無報酬のアプリを使うのかという質問に対して、グーグルのスポークスマンは以下の様に答えた。「このアプリを使う人の中には、まだ多くの言語でTranslateやImage Recognitionなどのツールがうまく機能していないことが動機になっている人もいるでしょうね」

Crowdsourceのタスクは5〜10秒以下で出来るものばかりで、その中には普段ウェブサイトで、自分がボットではないことを証明するためによくやらされるような、ひどいものも含まれている。例えば、ぼやけた写真が何と読めるかといった感じのものだ。

Android Policeによるとユーザーが画像から翻訳するタスクのほとんどは道路標識で、手書き文字のサンプルはニワトリが爪で引っ掻いたような読みにくい文字だ。確かに、楽しそうだね。。

もちろんグーグルはこれまでも多くのプロジェクトでクラウドソーシングを行った。かつて、例えば2006年には、グーグルはGoogle Image Labelerというゲームをローンチし、ユーザーは画像のタグ付けを行った。実際の所、そのプロジェクトはcrowdscource.google.comで今でも存在する。

同社によるとこのアプリは最終形ではなく、現在インセンティブの導入も考えているらしい。

Crowdsourceはグーグルプレイで無料でダウンロードできる。iOS版はない(多分グーグルの方がよく知っているからだろう)。
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(翻訳:Tsubouchi)