世界に通用する女性エンジニアを育成するオンラインブートキャンプ「Ms. Engineer」が7500万円のシード調達

世界に通用する女性エンジニアを育成するオンラインブートキャンプ「Ms. Engineer」が7500万円のシード調達女性エンジニアを育成するオンラインプログラミングブートキャンプ「Ms.Engineer」(ミズエンジニア)を運営するMs.Engineerは1月20日、シードラウンドとして総額7500万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、NOW、iSGSインベストメントワークス、ほか個人投資家数名。

調達した資金は、「Ms.Engineer事業を運営する人材の採用」「戦略的パートナーシップ提携」にあてる。これにより、スクールカリキュラムの質を向上させながら、さらに多くの女性ハイクラスエンジニアを輩出する。

  • Ms.Engineer事業を運営する人材の採用:Ms.Engineer事業を通じ「リスキリングの力で世界を押し上げる」というビジョンの実現に向け、人材を募集する
  • 戦略的パートナーシップ提携:日本のIT業界のジェンダーギャップに課題解決に賛同する、国内トップIT企業とのパートナーシップの提携を進める。Ms.Engineer受講者に限った、実践的な就業機会や特別採用選考フローなどを提供

Ms.Engineerは、未経験から最短6カ月で世界に通用するクラスのエンジニアを育成する、女性のためのオンラインプログラミングブートキャンプ。プログラミングブートキャンプ「Code Chrysalis」(コードクリサリス)ととカリキュラム提携を行い、エンジニアに必要なプログラミングや応用技術、世界的なハイクラスエンジニアを目指す際に必須となるコンピューターサイエンス、アジャイルの概念、ソフトスキルなどを組み込んだ高度なカリキュラムを通じ、一般的なプログラミングスクールでは学びにくい最高峰のテクノロジーを短期間で身に付けられるとしている。

また、あえて女性のみの学習環境を用意することで、女性ならではのライフスタイルに寄り添った学びやすさやサポート体制を提供している。

Ms.Engineer代表取締役社長のやまざきひとみ氏は、「ジェンダーギャップ解消の速度を、女性の雇用環境を改善するという手段でさらにブーストする存在になります。エスカレーターに乗りたいという意志のある女性が報われる社会を創る側にまわります」とコメント。

「女性がエンジニアになるというのは、今最もそれに近い手段であり、切符です。1人でも多くの女性がその切符を手に人生を変えられるように、今回いただいたチャンスを最大限生かし、Ms.Engineerのチームとして誠心誠意で挑んでいきたいと思います」と話している。

学生に無償でプログラミングを教えるLABOTの「CODEGYM Academy」に渋谷区も後援を表明

学生に無償でプログラミングを教えるLABOTの「CODEGYM Academy」に渋谷区も後援を表明

プログラミング学習サービスCODEGYM(コードジム)を運営するLABOT(ラボット)とNPO法人CLACKは9月28日、2021年5月より福岡市などの後援で実施してきた学生向け無償プログラミング教育支援プロジェクト「CODEGYM Academy」(コードジムアカデミー)に、新たに渋谷区が後援を表明したことを発表した。また、現在第2次募集を行っている。

LABOTは、日本で初めてISA(学資ローンに代わる所得分配契約。在学中は授業料の支払いが免除され、就職後に所得に応じた支払いを行う制度)を採り入れたコンピューターサイエンスとプログラミングのオンラインスクール。2021年5月からはNPO法人CLACKと共同で、コロナ禍で勉学や就職に苦悩する高校生、大学生を対象に「CODEGYM Academy 2021年コロナ学生緊急支援」を実施。同社によると、無償のプログラミング教育を提供し、現在503名の学生が受講しているという。

教材には、ハーバード大学が提供するコンピュータ・サイエンス科目「CS50’s Introduction to Computer Science」を使用している(LABOTは、翻訳コントリビューターとしてハーバード大学CS50の日本語版翻訳プロジェクトをCC BY-NC-SA 4.0ライセンスのもと日本語化・無償公開)。またこのプロジェクトには、GMOインターネットグループやスマレジをはじめ、アクセンチュア、HR Brain、Googleなど17社ほど企業の協賛がある。

第2次募集の概要は以下のとおり。

  • 募集人数:最大1000名(最少催行人数150名)
  • 受講料:スポンサー企業による支援により無償。PC、インターネット接続環境、副教材などの実費は受講者が負担。入校にあたり1万円の保証金の支払いが必要だが、退校・卒業時に全額返金する。また修了確定者は199ドル(約2万2200円)を支払うことで「CS50」履修証明書が取得できる
  • 応募期間:2021年9月1日〜9月30日午後11時59分59秒
  • 適正検査:2021年10月2日実施。高校数Ⅰ/ 数A相当の知識水準の論理思考問題を含むウェブテスト
  • 内定通知:2021年10月9日予定

開催期間は2021年11月6日から2022年3月末。毎週土曜日の9時から19時にオンライン授業が行われる。

応募対象は、家庭環境、学歴、性別、人種、国籍に関わらず、プログラミング学習と新たなキャリア習得に強い意欲のある日本全国の学生。ただし外国人は日本国内での就労資格を持つ人。コロナ禍で学業、進路、キャリアに影響を受けている、また家庭環境などの経済的事情を抱えている2023年卒、2024年卒予定の大学生、短大生、高専生、専門学校生、高校生など。2020年3月以降2021年9月末までに新型コロナによる経済的理由で退学した、または進学を諦めた人も含まれる。また10月2日のテスト、10月16日の入学オリエンテーションも参加必須となっている。

締め切りまであと1日。詳しくはこちらをどうぞ(ページ下部にまとめられている)。

アマゾンがコンピュータサイエンス教育プログラム「Future Engineer」をインドで開始

Amazon(アマゾン)は、コンピュータサイエンスプログラム「Future Engineer(フューチャー・エンジニア)」をインドに拡大する。これにより、世界第2位のインターネット市場であるインドは、同社が「子どもからキャリアまでのコミュニティプログラム」を提供する5番目の市場となる。

Amazonは、現地時間9月28日に開催されたバーチャルカンファレンスで、インドの学生にコンピュータサイエンスのコース(ロボット工学、人工知能、機械学習など)を教えるための教材、奨学金、インターンシップ、メンターを提供するとともに、教師にもリソースを提供すると発表した。

同社はこのフューチャーエンジニアプログラムを通じて、Code.org(コード.org)などのプレイヤーと提携し、十分な教育を受けられていない、あるいは過小評価されている子どもたちや若者にCS(コンピュータサイエンス)教育の機会を提供する。Amazonによると、このプログラムは主に6年生から12年生までの生徒を対象としている。

「インドでは年間100万人の学生がCSエンジニアリングコースに登録していますが、十分な教育を受けていない、過小評価されているコミュニティの学生の貢献度は比較的低いです。その理由としては、CS関連の仕事に触れる機会が少ないこと、コミュニティ内に刺激的なロールモデルがいないこと、興味深いカリキュラムにアクセスするための言語の障壁などが挙げられます。また、政府系の学校では、CS教育を行うためのリソースが限られています」と同社は述べている。

Amazonは、インドの教師や学生のコミュニティに合わせて調整し、複数の地域言語で提供しているというこのフューチャーエンジニアを、1年以内に7つの州の900以上の公立学校で10万人以上の学生に提供することを期待している。

TechCrunchは12月に、Amazonが世界第2位のインターネット市場でこのプログラムを開始する予定であると報じた。

関連記事:アマゾンがインドでコンピュータサイエンス教育プログラムの開始を計画

「インドでは、十分な教育を受けていないコミュニティの学生は、特にコンピュータサイエンスの分野の教育を受けることにおいて、不公平な障壁に直面しています。すべての若者が、そのバックグラウンドにかかわらず、質の高いコンピュータサイエンス教育を受けられる環境にあるべきだと考えているため、アマゾン・フューチャー・エンジニアの構想をインドで実施できることを大変うれしく思います」。と、Amazon India(アマゾン・インディア)のグローバルシニアバイスプレジデント兼カントリーヘッドであるAmit Agarwal(アミット・アガルヴァル)氏は述べている。

「私たちは、コンピュータサイエンスのカリキュラムを、生徒が使いやすい言語で身近に感じられるようにし、適切なスキルとツールを身につけてもらうことで、生徒のキャリアの可能性を広げることを目指しています。学生たちが自信とスキルを身につけて、テクノロジーソリューションの責任ある創造者となり、自分自身と周囲のコミュニティのために、より良い未来を築いてくれることを願っています」と述べている。

これまでに65億ドル(約7200億円)以上をインドに投資してきた米国の大手eコマース企業Amazonは、数年前からインドの教育分野を開拓してきた。2年前には、インドの名門技術系教育機関への入学を目指す学生の支援を目的としたアプリ「JEE Ready(JEEレディ)」を発表した。JEE Readyは、現在は「Amazon Academy(アマゾンアカデミー)」に改称されているが、無料のオンライン授業を提供し、模擬テストで生徒の成績を分析している。

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画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)