サムスンの社内インキュベーターC-Labに今年もおもしろい作品揃う

Samsung(サムスン)の社内インキュベーターC-Labで最近作られたハードウェアが、なかなかおもしろい。これまでの卒業生はスマートベルトや拡張現実など、いろいろなものを制作してきた。プロジェクトは常に実用的でないではないが、なかなか興味深い。

このインキュベーターは2020年で誕生から9年半になる。最新の卒業生グループの作品も、例によって多種多様で、最も印象に残るのはHylerとSunnyFiveだ。前者は「スマートハイライター」で、手書きのテキストをデジタル化する。その情報をインターネットに接続されたモバイルデバイスに送るとHylerアプリに保存され、簡単に検索で探せるようになる。

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SunnyFiveは、ちょっとデストピア的な作品だ。「窓の形をしたデバイス」は人工の日光を生み出し、地下室といった窓のない環境でビタミンDを作れるようになるなど、本物の日光の利点をもたらすことができる。要するに窓型の日光浴療法器具で、本物の日光にように日焼けや皮膚への害がないことが売りだ。

さらにワークブックの間違った答えを指摘する学習サービス「Haxby」や紫外線露光センサー「RootSenso」、3D効果を作り出す「Blockbuster」などもリストアップされている。サムスンは向こう5年間、彼らの支援を行う。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スマートウォッチの出荷は2020年の1Qまでは増加、Apple Watchが1位を堅守

全世界を襲う新型コロナウイルスによる打撃にもかかわらず、スマートウォッチの世界的な出荷台数は、今年の最初の3か月間成長し続けている。オンライン販売に牽引されたもの。調査会社Strategy Analyticsの新しいレポートが明らかにした。

画像クレジット:d3sign/Getty Images

2020年第1四半期の出荷台数は前年比で20%増加した。昨年の第四半期と比べても、1140万ユニットから1370万ユニットに増加している。Apple Watchのグローバル市場でのシェアは55%で、トップの座に留まっている。それに続く2位はSamsung(サムスン)で、3位には順位を上げたGarmin(ガーミン)が入っている。

「スマートウォッチはオンラインの小売チャンネルを通してよく売れています。多くの消費者は、新型コロナによるロックダウンの中、スマートウォッチを使って自分の健康とフィットネスをモニターしているのでしょう」と、Strategy Analyticsのシニアアナリストを務めるSteven Waltzer(スティーブン・ウォルツァー)氏は書いている。

2020年の第1四半期に出荷されたApple Watchは760万台で、1年前の同時期に出荷された620万台から23%増加している。Apple Watchの市場シェアも54%から55%に増加した。

サムスンは昨年の170万台に対して、190万台のスマートウォッチを出荷した。ただし、市場シェアは15%から14%に減少している。ウォルツァー氏によれば、韓国での新型コロナウイルスによるロックダウンによって、サムスンのスマートウォッチの成長が鈍化したことと、ガーミンのような新たなライバルとの競争の結果だとしている。

ガーミンは2年ぶりに3位の座を奪い返した。第1四半期のスマートウォッチの出荷台数は110万だ。これは、1年前の80万台と比較して38%の増加となっている。この結果、同社のグローバルなスマートウォッチ市場におけるシェアも7%から8%に増加した。OLEDのカラータッチスクリーンを装備したVenuのような新モデルの貢献が大きい。

Strategy Analyticsでは、世界的なスマートウォッチの出荷は、2020年の第2四半期には鈍化すると予測している。新型コロナのパンデミックの影響だ。しかし今年の下期には、実店舗が再開し、自分の健康状態をモニターするためにスマートウォッチを使うようになる消費者のおかげで、売り上げも回復するとしている。

「スマートウォッチの長期的な見通しには、非常に明るいものがあります。新型コロナ後の世界では、若者も高齢者も、より健康志向が高まると考えられるからです」と、アナリストのWoody Oh(ウッディ・オー)氏は書いている。「スマートウォッチを使えば、酸素レベルなど、重要な健康指標をモニターすることができます。消費者も、手首に仮想ヘルスアシスタントを装着しておくことで、安心が得られるでしょう」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サムスンが新型コロナ禍でもメモリ需要は増加と予想、スマホとテレビの売上は減少か

Samsung(サムスン)は、米国時間4月28日に発表した第1四半期の決算報告の中で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが今後1年間は引き続きビジネスに影響を与え、スマートフォンやテレビの売上は減少するものの、在宅での勤務や学習が継続することからパソコンやサーバー、メモリチップの需要が増加すると予想している。

発表された2020年第1四半期のサムスンの業績は、2020年4月初めに発表された予想と一致している。営業利益は6兆4500億ウォン(約5650億円)だった。ディスプレイや家電などの季節的な需要の落ち込みやパンデミックの影響で、売上高は前四半期に比べて約7.6%減の55兆3300億ウォン(約4兆9000億円)となった。

新型コロナウイルスパンデミックは、世界中で300万人以上の確定患者と21万7000人以上の死者を出し、世界各国での外出禁止要請と不況をもたらした。

サムスンは、2020年後半までのパンデミックの影響は不透明なままなため、柔軟な投資を行い、製品ラインを調整して適応していく計画だと述べている。弱い上半期からの回復を目指す中で、メーカー間の競争が激化することが予想されるため、同社は今後も新型の折りたたみ式端末やノート端末のようなプレミアム製品の投入を続け、5Gをより多くの大衆向けスマートフォンに拡大していくと語っている。

サムスンのディスプレイパネル事業は、季節性の弱さや新型コロナウイルスによる封鎖が行われていた中国での販売減の影響で、第1四半期は減益となった。そして、パンデミックや夏季五輪などの大型スポーツイベントの延期の影響はこの先も続くと予想されている。

その一方でサムスンはリモートワークやオンライン教育、オンラインショッピング、ストリーミングエンターテイメントサービスなどが、クラウドプロバイダーやデータセンターへの需要を高め続けていることから、メモリ事業の業績は堅調に推移すると予想している。そうした予想から、同社は1Z-nm DRAMと第6世代V-NANDフラッシュメモリへの移行を加速する。

サムスンはまた、柔軟な供給ネットワーク、オンライン販売能力の向上、異なる市場に合わせたプロモーションや物流のカスタマイズなどを通じて、世界中の店舗や工場の閉鎖の影響を相殺していく計画だという。

画像クレジット: Future Publishing / Contributor / Getty Images

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(翻訳:sako)

サムスンのGalaxy S20 Ultraはその超高価格を正当化できているのか

まずお金の話から始めよう。もう少し言えば、物の値段についての話だ。数年前、スマートフォンのフラグシップモデルの価格は1000ドル(約10万8000円)の壁を超えた。その主な要因はディスプレイのコストにあった。その価値の判断は難しいが、それがイノベーションの代償というものだ。

スマホのコスト上昇が、売り上げ鈍化の主な原因とされている。デバイスの性能はすでにかなり良くなっていて、長期間使えるようになった。しかしその価格が1000ドル(約10万8000円)を超えるようでは、ユーザーは2年やそこらで、黙ってアップグレードしてくれるはずがない。

関連記事:Samsung skips nine numbers, announces the Galaxy S20

サムスンは、誰よりもそのことを理解している。手頃な価格帯のシリーズに加えて、同社は「手頃なフラグシップ」モデルの販売にもかなり力を入れてきた。ハイエンドの機種と、一般的なモデルの間にあるスイートスポットを突こうという、比較的新しいカテゴリーだ。最初はS10eとして登場し、現在ではLiteシリーズに受け継がれている。

もちろんGalaxy S20 Ultraは、そのカテゴリーには含まれない。スマホの販売数が減少する時代にあって、あえて思い切り豪華なスマホを思い描いて作られたものだ。モバイルテクノロジーの最先端におけるサムスンの地位を再確立するために設計された、同社として最高峰であるフラグシップの新たなカテゴリーを切り開くものなのだ。時代遅れにならないためなら、少しくらい余計なお金を払うことを何とも思わないような人たちをターゲットにしている。

ここで言う「少しくらい」は、1399ドル(約15万1000円)のことだ。もし、年末調整や確定申告で、期待以上に税金が戻って気が大きくなっているなら、1599ドル(約17万3000円)出して、標準の128GBではなく、512GBモデルを入手してもいい。何が最高峰かという定義も、最近では揺らいでいる。2019年サムスンは、複数の5Gスマホを導入することで時代を先取りした。当時は、ハードウェアのコストが高く、カバーエリアも一部だけに限られていたため、5Gのサポートはまだ最上位機種だけに限られていた。

ところが2020年には、すべてのS20モデルで5Gを全面的にサポートすることになった。そのため機能てんこ盛りのUltraとしても、S20+に対して差別化する方法を見つけなければならなかった。Ultraが際立っている重要な領域はいくつかある。最も目立つ直接的な違いはサイズだ。価格が上がるにつれて、ディスプレイのサイズも当然のように大きくなる。ただし、サムスンの先進的なハードウェアによって、本体サイズは、ほぼ前世代のデバイスと同程度に抑えられている。

特にその点で、サムスンはすばらしい仕事をした。大きな6.9インチのディスプレイを、166.9×76.0×8.8mmのボディに押し込むことに成功したのだ。6.7インチディスプレイのS10 5Gのサイズが162.6×77.1×7.9mmであること考えると、これはなかなか印象的だ。厚みが増えたのは、ほぼ間違いなくバッテリー容量が大きくなっているからだ。2019年までのデバイスでは4500mAhだったものが、2020年のUltraでは、さらに大容量の5000mAhのバッテリーにアップグレードされている。

サムスンが公表した仕様では、バッテリー寿命は控えめな数字になっている。それも、電力消費量が多いAMOLEDを120Hzのリフレッシュレートで使い、5Gの無線機能を追加したためだろう。同社では、これを「終日使えるバッテリー」としている。あれこれ考慮した上での曖昧な表現だ。5Gの装備がバッテリー寿命に与える影響については、まだ研究の余地がありそうだ。すべてデフォルトの設定で、なんらかのネットワークの問題によって、ほとんど、あるいはまったく5Gの使えない環境で試したところ、1回の充電で約28時間使用できた。

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これなら確かに「終日使える」ことにはなるが、巨大なバッテリーを内蔵していることを考えれば、もう少し使えても良さそうな気はする。とはいえ、1日とちょっとの間、充電せずに使えることは間違いないだろう。そして何よりうれしいのは、付属の電源アダプターによる超高速充電だ。空の状態から完全に充電するまで、1時間もかからなかった。

デザイン言語については、3種類すべてのS20でほとんど共通している。正直に言って、2019年のモデルと比べても、代わり映えがしない。サムスンはフロントの自撮り用カメラ(Ultraでは贅沢にも40MP)は、すでにホールパンチ方式に変更済だった。ただし裏面を見ると、大きな違いに嫌でも気づかされる。Ultraのカメラモジュールは、文字通りウルトラ級だ。デバイス裏面の表面積の1/6ほども占める段差のついた領域に、4台のカメラが仕込まれている。

S20+では12MP、64MPの望遠、12MPの超広角それにToFセンサーという十分過ぎる組み合わせだが、Ultraではさらにメインが108MP、10倍ズームの望遠が48MP、12MPの超広角、そしてToFセンサーとなっている。距離(深度)を計測するToFセンサーによって、ボケ効果や3Dスキャンといった楽しい付加機能が使えるようになる。ただしノーマルのS20は、ToFセンサーを装備していない。サムスンはARの世界でより重要な役割を果たすため、しっかりと基礎固めをしているという印象がある。それはAR絵文字のような機能に限った話ではない。ただし、他のメーカーと同様、メインのAR機能の実装については進展が遅いようだ。

このカメラシステムの最大のウリは、なんといっても望遠レンズだ。このカメラは屈曲系の望遠レンズを、横向きにして薄い本体に収納している。このカメラでは、10倍までは堅実なハイブリッドズームが可能となっている。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせた同社独自の「スペースズーム」によって、Ultraでは最大100倍のズーム機能を実現している。他のモデルでは30倍までだ。この倍率は印象的なものだが、「ロスレス」で撮れるのは10倍までだということは、頭に入れておく必要がある。

それを超えると、画質の劣化が始まる。そして正直にいって、100倍に達する頃にはモネの絵画をデジタル化したような画像になってしまう。何が写っているのかを判別することはできたとしても、ほとんどの場合、Instagramでぜひ共有したいと思うようなものにはならないだろう。とはいえ、コンサートやスポーツ観戦で、スタジアムの最上段の席から撮るような場合には、それなりに役立つこともあるかもしれない。

ToFセンサーもそうだが、正直なところサムスンは将来のアップデートへの布石として、このようなズーム機能を装備したのだろう。将来の画像処理AIと100倍ズームを組み合わせれば、外付けのレンズなどを使わなくても、かなり良好な望遠撮影ができるようになる可能性が高い。ただし現状では、人目を引くためのおまけ以上のものではないだろう。正直にいって、S20+のスペックを超える部分についてはちょっとやり過ぎの感が強い。そでもUltraを選ぶのは、よほど熱心な愛好者だけではないだろうか。

Ultraの下位モデルを勧めるのを、ちょっとためらってしまう唯一の理由は、5000mAhに届かないバッテリーを搭載する両モデルのバッテリー寿命について心配があるからからだ(それぞれ4000と4500mAh)。リフレッシュレートが120Hzのディスプレイは、ゲームをプレイするには最適だが、ほとんどのユーザーに対しては、基本的にオフにしておくことを勧める。必要なときだけ120Hzに切り替え、それ以外は60Hzに設定しておくことで、バッテリー寿命を2、3時間は延長できるだろう。

108MPのカメラにも、同じことがいえる。ほとんどの写真では、ピクセルのビニングを利用するのが理にかなっている。これにより、サイズの小さな12MPのショットとなり、1ピクセルあたりの実質的な光量が増す。その結果、写真はより明るく、よりシャープなものになり、暗い場所での撮影にも強くなる。しかも、画像ファイルサイズをかなり抑えることもできる。時々、設定の変更を忘れたまま撮影したが、その巨大なファイルサイズには、写真を送信する段になるまで気づかなかった。

新しい写真機能の中で最高のものは、ハードウェアにあるわけではない。私は長い間、優れたイメージング機能の鍵はシンプルさにあると考えてきた。カメラの性能は向上し続け、モバイルデバイスを使ってプロフェッショナルな写真を撮影したいという人のために、多くの機能を提供してきた。それはすばらしいことだ。Google(グーグル)の新製品発表イベントには、伝説的な写真家であるAnnie Leibovitz(アニー・リーボヴィッツ)氏が登場して、デバイスのカメラを賞賛するまでになっている。

ただしそうした機能も、簡単に利用できるようになっていなければ、大半の消費者にとっては宝の持ち腐れだ。その点「シングルテイク」は、デフォルトのカメラ設定に加えられた有効な機能だ。異なるタイプの写真を、まとめて1回の操作で撮影できる。ただし、その場合は10秒間カメラを構えたまま待つ必要がある。それによってライブフォーカス、タイムラプス、超広角の写真を同時に撮影できる。写真はまとめてロールに保存されるので、後から最適なものを選択できる。ファイルサイズは大きくなるが、スマホ全体からすれば大したサイズではない。何でもかんでも溜め込みたくはないという人は、手動で削除すればいい。

S20シリーズに加えられた大きなアップデートは、将来を保証するもののように感じられる。この原稿を書いている時点では5G、100倍ズーム、8Kビデオ撮影といった機能は、必ずしも大きな意味を持つものではないだろう。サムスンは、とにかく他社に先駆けることに注力しているように見える。たとえば5Gもまだ利用可能なエリアが限られている。しかし、ユーザーがこのデバイスを長く使っていれば、やがて次世代の通信環境はどこでも利用可能となり、デバイスを買い替える前に有効活用できるようになるのは間違いないだろう。

しかし、現在を考えると、Ultraの1399ドル(約15万1000円)からという価格は、かなり高く感じられる。ただし幸いにも、サムスンはもう少し安価に手に入るモデルを数多く用意している。たとえば、S10 Liteもあるし、標準的なS10も今なら割引価格で入手できるはずだ。100倍ズームのような機能は、最新鋭には違いないが、その価格を正当化できるほどのものではないだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Samsung Galaxy Z Flipが示すフォルダブルの進むべき方向

買い物は自己責任で、というのは、新しもの好きの人のためにあるような原則だ。しかし、Galaxy Foldが市場に受け入れられるのを難しくしていたのは、単純に価格だった。なんども延期された後、ようやく一般向けに発売されたとき、そのデバイスは警戒心に包まれていた。そうなった要因は数多く、実績のないデバイスに2000ドル(約22万円)を支払ったからと言って、それを信任したと言えるような単純なものではなかった。

とはいえ、そんなデバイスを衝動買いする気持ちも理解できるものだった。何年もの間、フレキシブルなディスプレイに期待を抱かせた後、Samsung(サムスン)は、ほぼ10年続いた板状のスマホの後に何が来るのか見せてくれたのだから。

関連記事:サムスンが縦折りスマホ「Galaxy Z Flip」を発表

そんなGalaxy Foldの、ほぼ1年後に発表されたGalaxy Z Flipは、同じカテゴリーの中でも、洗練された外観をまとっている。発表の後、午後にわずかながら製品に触れられる時間があった。まだ、フォルダブルなスマホのあるべき姿だと自信を持って言える段階ではないが、間違いなく正しい方向への重要なステップのように感じられる。

改善点は大きく次の3点に集約できる。

  • 価格(機能は別として)
  • フォームファクター
  • 耐久性

後ろから見ていこう。

ある意味Z Flipは、サムスンの罪滅ぼしとも考えられる。ディスプレイは、なんと、ガラスで覆われている。同社はその詳細について詳しいことを明らかにしていないが、折り畳み機構も含めて、Z Flipは前任機よりもかっしりとしたものに感じられる。作りも頑丈そうだ。実際、さまざまな角度で開いたままにしておくことができる。閉じるには、開くときよりも大きな力が必要で、そのあたりは良くできている。

そして閉じるときにも、きしむような音はしない。ただし、まだ折り目ははっきりと見える。

6.7インチのディスプレイは、一般的なスマホの中でも表示面積が広い方に属する。しかし、いったん閉じれば、かなり快適にポケットに収まる。以前に2つ折りの携帯電話を使ったことのある人(つまり、だいたい30歳以上の人)なら、その魅力もわかるだろう。Foldの場合、もともと長いフォームファクターで、閉じてもまだ長いままだった。

ただし、閉じた際にはかなりの機能が失われる。Flipの画面は、かなり小さなものだけとなる。むちゃくちゃ便利というわけではないが、必要最小限のものが表示できる。完全なディスプレイの代わり、Flipの画面底部角には、小さな窓のようなディスプレイがある。時計やバッテリー残量のようなものに限って言えば、こには最適な表示場所だ。他の情報を表示することも可能だが、それには若干無理があるのは否めない。

指紋センサー付きの電源ボタンをダブルタップすると、そこは自撮り用の画面になる。自撮り用としては、あまりよくできていない。写真のフレーミングがうまくできているかどうかは判断できるものの、それ以上のことは分からないからだ。

1380ドル(約15万円)という価格は、Razrの1499ドル(約16万5000円)よりも、ちょっとだけ安い。もし私がモトローラの社員だったら、競合できる価格まで下げるだろう。Razrは、どことなく懐かしさを感じさせるものだったが、サムスンの製品は、そこから1世代リードしている。またかなり堅牢なデバイスとして登場してきた。

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相対的なものとはいえ、価格を下げたのは、もちろん手を抜いた製品を意味するわけではない。ただし、最高にハイエンドなスペックを誇るGalaxy S20 Ultraと比べれば、だいぶ見劣りする。いちばん目立つのは、5Gに対応していないこと。すでにフラグシップモデルに5Gを搭載している企業の、未来志向のデバイスとしては、ちょっと不釣り合いにも感じられる。何よりもサムスンとしては、Foldから派生した製品を、低価格にすることで差別化しようとしているのだろう。

まだ、普通の消費者にフォルダブルの購入を実際に薦めようという気にはならないものの、Flipは、このようなフォームファクターを主流にするための、力強い一歩を踏み出した製品のように感じられる。もしかすると、今から1世代か2世代後には、もうこれが普通になっている、ということもあるかもしれない。

今回は延期はなさそうだ。Flipは2月14日に発売される予定だ。フリップ式にとって幸せなバレンタインデーになりそうだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サムスンがARグラスを披露し、その開発を示唆

Samsung(サムスン)の記者会見は奇妙だった。Galaxyや洗濯機といったおなじみの製品はほとんど採り上げられなかった。代わりに中心となったのは、ワークアウトに使用する外骨格と親しみやすいロボットのコールアシスタントだった。

そしてARの発表があった。しかしそれは、ARについてのはっきりした説明ではなく、示唆だった。ARが登場したのは、ワークアウトに利用された外骨格、GEMS(Gait Enhancing and Motivation System)のデモだった。外骨格の着用者は「サムスンARグラス」を取り出した。このデモには、かなり気味の悪いARアシスタントが登場ている。

ARはいったんその出番を終えたが、少し後にまた登場した。視覚に障がいがあるユーザーが、大切な人に会う際のサポートとしてGear VRが利用されるという(涙を誘う)映像が流れた後、フレームの中央にカメラを備えたARグラスによる別テイクと思われる映像が続いた。

もちろん、このステージで披露された不思議なものはすべてプロトタイプであることに注意しなくてはならない。良くて可能性のあるロードマップ、悪ければ不確かなフィクションだ。いずれにしても、私は2020年にサムスンがGear VRからARサングラスに乗り換えるとは思わない。

とはいえ、業界の大きな流れを考えると、サムスンがこうした可能性を探っている理由は十分理解できる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Galaxyの最新フラッグシップと折り畳みFold後継機は2月11日発表か

Samsung(サムスン)は、今後リリース予定の携帯電話に関する情報をCES直前の週末には明らかにしない、というのが大方の予想だ。だが正直なところ、現時点では誰にもわからない。少し早く宣伝しても決して害はない。この投稿は、公式のVimeoチャンネルで予定された公表よりも少し早く小出しにされた動画のおかげだ。リーク情報は個人によってTwitterで発見され、XDA Developers(開発者向けコミュニティの1つ)に投稿された。

動画はサムスンの新製品発表会である「Unpacked」のプロモーション用のようだ。Unpackedでサムスンはフラッグシップモデルを発表する。機種名はGalaxy S11かGalaxy S20か、あなたがそうだと思うほうだ。2月11日の日付に関してはいくつかの噂があるが(11を重ねたことは言うまでもない)、そのうちの1つによれば、デバイスの発表はきっかり1週間後だ。

過去の例からすると、このイベントはMWC(モバイル・ワールド・コングレス)のニュースであふれる数週間前にサンフランシスコで開催されるのが近年の傾向だ。

ビデオのアニメーションは2つのデバイスを示唆しているようだ。フラッグシップデバイスを表しているスタンダードな長方形と、昨年発売された問題のあった折り畳みスマホであるGalaxy Foldの後継機である正方形のフォルダブルだ。前者についてはここにたくさんの噂がある。後者についての初期の推測では、より安いものになり、最近発表されたMotorola Razr似のクラシックな折り畳み携帯電話のようなメカニズムになるとされていた。

サムスンは最近、主力のS10およびNote 10デバイスの「Lite」バージョンのペアも発表したことも記しておく。

CES 2020 coverage - TechCrunch

[原文へ]

(文・Mizoguchi

8Kビデオや1億画素超えカメラ、そして5G、Galaxy S11はどうなる?

12月半ばのハードウェア停滞期に本格的に突入した。当然のことながら、主要なハードウェアメーカーたちは、ホリデーセールでの買い控えを恐れて、今後数週間は重要なものを発表する予定はない。そして来年初頭のCESが始まるやいなや、競争が一気に過熱するのだ。そしてそのあと1カ月ほどで、世界最大のモバイル見本市であるMobile World Congress(MWC)が開催される。

サムスンの次のフラッグシップの発表は、この両者の間のどこかで行われるはずだ。これは、1年全体を通した会社のトーンを決定するデバイスとなる。サムスンは、6か月ごとのフラッグシップ機リリースサイクル(Noteに続くSシリーズ)によって、より頻繁にアップデートを行うことができるが、それでもこの最初のリリースは、同社と業界の標準を大枠で決定付けるものだ。

次のフラッグシップ発表日は、2月18日が有力だと噂されている。もちろんこのタイミングは、納得できるものだ。サムスンは、最大の発表を行う場としては、MWC(および大規模な技術ショー全般)からは距離を置くようになっている。そうすることで、自社のデバイスにスポットライトが当てられ、数週間にわたってMWCのニュースがあふれることになる。デバイスは翌月には入手可能になると思われる。

名前について言えば、同社がこの機会に、Galaxy S11/S11+といった命名スキームから脱却すると考える理由はない。それで、他に信頼できる情報が得られるまで、私たちはこの名称を使うことにする。

最近発表されたSnapdragon 865は、多くの市場でデバイスに組み込まれることになるだろうが、その中でもGalaxy S11は、このフラッグシップSoCを組み込んだ最初のデバイスになるだろう。また、最近のレポートによれば、この構成が韓国本国を含む、さらに多くの市場で利用可能になることを予想していている。標準化された5Gの搭載も全面的に可能になるように思えるが、それは当初価格が、より法外に高価になることを意味するだろう。これは多くの市場でまだまだ展開にムラがある状況を考えると大きな飛躍だ。

スクリーンの内側に埋没した正面カメラの搭載がうわさされていいるが、今回はよりなじみの深いホール式のものが搭載されそうだ。OnLeaks提供のデバイスの予想モデルは、最新のNoteに似たデザインを採用している。ただしそれに加えて最新のiPhoneやGoogle Pixelよりもさらに集合体恐怖症(トライポフォビア)を誘発するデザインとなっている。カメラの隆起は実に巨大で、後部の印象を独り占めしている。

また8Kビデオとともに、あり得ない1億800万画素の超高画質カメラも噂されている。いずれにせよ、想像することが、再びこの製品ラインの主要な焦点になることは間違いない。また、バッテリーの順当な増強もある。

一方EVLeaksは、6.2インチまたは6.4インチのGalaxy S11e、6.7インチのGalaxy S11、そして巨大な6.9インチのGalaxy S11といった、さらに巨大なスクリーンの登場も予想している。もちろん、これから2月中旬にかけて、さらに多くのリークが登場する筈だ。乞うご期待。

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(翻訳:sako)

サムスンがB2Bパートナーや開発者との連携を強化

おそらくサムスン(Samsung)は消費者中心のエレクトロニクス企業だと考えられているだろうが、実際には非常に大規模なB2Bビジネスも展開していて、1万5000社以上の大企業と数十万の中小起業家に、パートナーを通じてサービスを提供している。

LONDON, UNITED KINGDOM – JUNE 4: Detail of the Samsung logo outside the Samsung Experience Store on Oxford Street in London, taken on June 4, 2019. (Photo by Olly Curtis/Future Publishing via Getty Images)

今週に開催された開発者カンファレンスは、関連するハードウェアの発売も含めて、こちら側のビジネスにスポットライトを当てている。しかし本日(米国時間10月30日)のニュースの焦点は、Knox、Samsungのモバイルセキュリティプラットフォーム、およびProject AppStackである。AppStackはまもなく名称が変わる予定だが、B2B顧客に対してSaaSツールと従業員用デバイスにネイティブアプリを配信する新しいメカニズムを提供し、同時に開発者たちがこうしたサービスをより探しやすくする新しいツールも提供する。

少なくとも米国では、サムスンはこれまでB2Bビジネスをそれほど売り込んでは来なかった。だが、このイベントで、明らかに同社はそれを変えようと考えている。

サムスンのコアは、もちろんハードウェア企業である。米国のモバイルB2B部門の責任者であるタヘル・ベベハニ(Taher Behbehani)氏が私に語ったところでは、実際サムスンのタブレットの売り上げは昨年2倍になったが、その用途の大部分が、商用開発とビジネス向けソリューションだったという。この市場により良いサービスを提供するため、同社は本日、堅牢なタブレットTab Active Proを米国市場に導入することを発表した。これまで同機種は、ヨーロッパでのみ提供されていた。

Active Proは10.1インチのディスプレイを搭載し、サムスンのS Penと、デスクトップで使用するためのDexをサポートしている。堅牢なデバイスに期待される、防塵と防水性を備えており、約4フィート(約1.2メートル)からの落下に余裕で耐え、最長15時間の連続使用が約束されている。また、LTE接続が可能で、背面にNFCリーダーを備えセキュリティアプリに利用したり、非接触型支払い(これは世界中の多くの場所で一般的になっているが、米国ではゆっくりとしか普及が進んでいない)に利用したりすることができる。また同時に、ビジネスユーザーや現場の作業者が選んだ任意のアプリケーション(例えばバーコードスキャナーなど)を起動できるプログラム可能なボタンも備えている。

「従来の堅牢なデバイスは比較的高価で、勤務時間中ずっと持ち歩くには比較的重いものでした」とサムスンのクリス・ブリグリン(Chris Briglin)氏は私に語った。「サムスンは、従来は堅牢なデバイスを購入する余裕がなかったユーザーや、最大4人の同僚とデバイスを共有する必要があったユーザーに提供を行うことで、この市場を成長させます」。

しかし、本日のイベントでは、ソフトウェアやパートナーシップの話題に比べると、ハードウェアに関する話題は控え目だ。発表の核となるのは、新しいKnoxパートナープログラムだ。これは、パートナーがサムスンデバイスでアプリケーションを開発および販売を行うための新しい方法である。「約10万人の開発者と協力しています」とベベハニ氏は述べている。「こうした開発者の一部は社内にいますし、また外部の独立した開発者やISVもいます。これらの開発者コミュニティから私たちが聞かされているのは、彼らがソリューションやアプリを開発したときに、それをどのように顧客に届ければ良いのか、それをどのように効率的に配布すればよいのか?という声です」。

この新しいパートナープログラムは、その課題に対するサムスンからのソリューションだ。これは、既存のSamsung Enterprise Allianceプログラムを進化させた3層のパートナープログラムである。最も基本的なレベルでは、パートナーはサポートおよびマーケティング資産にアクセスすることができる。すべての層で、パートナーはアプリケーションに対するKnox認証を取得して、すべてのKnox APIを適切に実装していることを証明することも可能だ。

無料のBronzeレベルには、ライセンスキーと共に、Knox SDKおよびAPIへのアクセスが含まれる。Silverレベルでは、パートナーはそれぞれの地域でサポートを受け、ゴールドレベルのメンバーはSamsung Solutions Catalogにアクセスできるだけでなく、Samsungの販売チームが世界中で使用している内部のカタログに掲載されることが可能となる。「このプログラムは、サムスンのチームが顧客のニーズを満たす適切なソリューションを見つけ、これらのソリューションを顧客に促進できるようにするためのものです」と同社は本日の発表で述べている。またゴールドレベルのパートナーは、テストデバイスにもアクセスすることができる。

開発者がより多くの企業や中小ビジネスにリーチできるようにする、もう1つの新しいサービスがProject AppStackだ。

「新しい顧客の方がサムスンのデバイスを購入すると、それが中小ビジネスであろうと大企業であろうと、ご提供いただいた情報に応じて、そのビジネスと規模に合った様々なアプリケーションを検索し選択することを行っていただけるようになります」とベベハニ氏は説明した。「そして、一度携帯電話がアクティベートされると、そうしたアプリは、現在私たちが開発中のバックエンド配信メカニズムを通じて、ISVまたはSaaSプレーヤーを経由してダウンロードされます」。

大企業の場合、サムスンは特定のアプリケーション群を推奨するために、ビジネスの規模と対象となる業種を調べるアルゴリズムも実行する。

サムスンは、開発者とその顧客がこのサービスをどのように使用したいかを正確に把握するために、今後数か月にわたって一連のハッカソンを開催する予定だ。「これは機能モジュールですし、技術的バックエンドです。さまざまなコンポーネントが用意されています」とベベハニ氏は述べている。「私たちは微調整を待つ多くのツールを既に揃えています。そして正直に言えば、私たちは市場の要求と、市場で要求される創造性を正確に反映した、概念実証実験を市場で行えることも望んでいるのです」。

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(翻訳:sako)

サムスンはGalaxy S10の指紋リーダーの重大な欠陥を認め修正へ

Galaxy S10のユーザーは、画面内指紋センサーに代わるセキュリティ機能を使う必要がある。Samsung(サムスン)は、この重大な欠陥を確認したことを明らかにし、対策に取り組んでいる。英国のユーザーが、登録していない指紋でデバイスのロックを解除できてしまうことを報告したのを受けたもの。

この欠陥は、3.5ドル(約380円)の画面保護シートをデバイスに貼り付けたことで発見された。それによってできた画面とシートの間の気泡が、超音波スキャナーの動作を阻害することを、初期のレポートは確認している。同社は声明でこの問題に触れ、報道機関に対して「Galaxy S10の指紋認識機能の誤動作を認識しており、まもなくソフトウェアパッチを発行する予定です」と伝えた。

韓国の銀行KaKaoBank(カカオバンク)をはじめとするサードパーティ企業は、この問題が解決されるまで指紋リーダーをオフにすることをユーザーに提案している。確かに次のソフトウェアアップデートがあるまでは、それが最も合理的な措置だろう。

サムスンは、この3月にデバイスを市場に投入するにあたって、この技術を業界で最も堅牢な生体認証機能の1つだと吹聴していた。それによると「従来の2D光学スキャナーよりも堅牢なものとして開発されました。業界初となるUltrasonic Fingerprint ID(超音波指紋ID)は、ディスプレイ内に埋め込まれたセンサーによって物理的な指紋の輪郭を3Dで読み取ります。それによりデバイスとデータを安全に保ちます。この先進的な生体認証セキュリティ技術により、Galaxy S10は、世界初のFIDO Alliance Biometric Component(FIDO生体認証コンポーネント)認定を取得しました」。

サムスンは、以前から画面保護シートの使用に対して警告していたものの、安価な市販のモバイルアクセサリーで指紋認証機能をだませるというのは、Galaxy S10のユーザーにとって予想もしなかったセキュリティ上の大問題だ。私たちは、より詳しいコメントを求めてサムスンに連絡した。

サムスンはTechCrunchに対して、次のようなコメントを返した。「私たちはこの問題を調査中で、まもなくソフトウェアパッチを展開するつもりです。これに関するご質問あるお客様、最新のソフトウェアをダウンロードするためのサポートが必要な方は、1-800-SAMSUNG(米国内の場合)まで直接お電話くださるよう、お願いします」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

PCゲームがGalaxy Note 10でストリーミングプレイ可能に

先日のSamsung(サムスン)のUnpackedイベントで発表されたものの中には、その騒ぎに紛れてしまいそうになりながらも、光るものがあった。

サムスンは、1時間ちょっとのイベントに、かなり多くの内容を詰め込んでいたので、それもうなずける話。ゲーム関係の話題については、ほとんど駆け足で通り過ぎてしまった。

下のビデオは、PlayGalaxy Linkのわかりやすいデモになっている。この新機能は、PCからGalaxy Note 10に直接ゲームをストリーミングすることを可能にする。なぜサムスンは、この機能をもっと大々的に扱わなかったのか、というのは私の知るところではないが、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)が、かなり熱心にゲームに取り組み始めた今、サムスンもこの新機能にもっと強い光を当てるべきだったのではないという気がする。

この機能は、Microsoft(マイクロソフト)がXbox向けに取り組んでいる機能に似ているように感じられるだろう。同じWi-Fiネットワーク上にあるかどうかに関わらず、PCゲームをモバイルデバイスにストリーミングできるようにするというもの。

このビデオでは、接続を開始する部分が中心となっている。ユーザーはゲーム用ラップトップ、Samsung Odysseyと、専用のゲームパッドコントローラーに装着されたGalaxy Noteをリンクさせるのだ。まずユーザーは、デスクトップでゲームを始める。それからGalaxy NoteでPlayGalaxy Linkアプリを起動し、「Start」ボタンをクリックするだけ。少なくともビデオを見る限り、PCとNoteの両方で同時にゲーム画面が進行している。

PlayGalaxyの発表は、サムスンがモバイルゲームにもっと力を入れていくことを示す最新の動き。Apple ArcadeやGoogle Stadiaの発表の流れに続くものだ。新しいGalaxy Noteは、ゲーム用に最適化されたハードウェア機能をいくつか実装しているものの、MicrosoftやGoogleの方式と同じように、PC側の負荷もかなり重くなっているように見える。

このような機能の実現は、サムスンが最近発表したMicrosoftとのパートナーシップにも関連しているようだ。この動きは、Appleが計画しているゲームのエコシステムに対する明らかな威嚇射撃となるものだ。このPlayGalaxyのシステムについては、どれくらいの遅延があるのかなど、まだまだ疑問な点も多い。より確かな情報は追って明らかになるに違いない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Galaxy Note 10+でだけ使える3Dスキャン機能の用途は限定的

新しいGalaxy Noteの3Dスキャン機能は、米国時間8月7日に開催されたサムスンの大規模なイベントの中でも、最も大きな拍手で讃えられた。確かに印象的な機能だが、現時点では現実的な価値はほとんどない。しかもこの機能は、より高額なGalaxy Note 10+のみがサポートする。まあ、それもうなずける話だろう。

つまるところサムスンも、より高額なモデルを差別化するための方法を、何とおりか必要としているということ。サイズと価格設定は別として、Galaxy Note 10+は、Galaxy Note 10にはないToF(Time of Flight=3次元測距)センサーを備えている。これにより、カメラの深度計測のレベルが向上する。今のところ、この機能の用途はかなり限られている。AR Doodle(仮想現実による空間への落書き機能)については、Galaxy Note 10/10+の両モデルが備えている。

3Dスキャン機能は、差別化するための機能としては印象的なもの。デモでは、サムスンの従業員が「Billy」(ビリー)という名前らしいビーバーのぬいぐるみの周りを一周しながら撮影するだけで歓声が起こった。するとGalaxy Note 10+は、そのキャラクターを3Dデータとしてキャプチャし、背景から抜き出してみせた。そこからユーザーは、キャラクターの動きを自らの動作に同期させ、アニメのように動かすことができる。ARのアニ文字だ。

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これはデモとしてはよくできたものだが、普通のユーザーにとって、実際の用途はかなり限られている。まあ、こうした機能にはよくあることだ。またこの機能は、サムスンがARをどのようなものと捉えているかを示していて、とりあえずそれを実現するためのハードウェアを提供してみた、といったところのものだろう。これを本当に有用なものとすることは、サードパーティのデベロッパーの手に委ねられている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サムスンの新Galaxy Noteの画面は6.3と6.8、出荷8月23日で価格950ドルから

新しいGalaxy Note、Note+はすごいプロダクトだった。スタイラスが復活したが、それだけではない。2011年には5.3インチのスマートフォンというのは突拍子もない考えに思えた。当時4インチのiPhoneをプッシュするのに忙しかったスティーブ・ジョブズ氏はプレスカンファレンスで「そんなもの誰も買うわけがない」とGalaxyの大型モデルを批判したのは有名だ。

しかし現在のスマートフォンのディスプレイの平均的サイズは5.5インチ前後。サイズに関してサムスンが勝ったのは明らかだ。もちろんスクリーン対ボディの比率が年々改善されたことも大きい。ジョブズはスクリーンが大型化するとボディが平均的なユーザーの手に収まらなくなると考えたのだが、この心配は無用だった。

サムスンは米国時間8月7日、米国ニューヨークのブルックリンで開催した大掛かりなプレスカンファレンスで大型化のトレンドをさらに進めた。新しいGalaxy Note(写真左)とNote+(写真右)はどちらも優秀なプロダクトだったが、サイズは特に注目の部分だ。

Note 10+は6.8インチのデバイスで、いくつもの面で他のフラグシップモデルとの差別化が図られている(しばらく前に発表されたNote S Plusはその名前のとおり、スマートスタイラスを復活させたのが最も大きな特徴だった)。

Note 10、Note 10+の両モデルを少し使ってみて、まずサムスンのデザイン能力に強い印象を受けたことを認めざるをえない。10+は6.4インチのNote 9と筐体サイズはほとんど同一だ。つまりスマートフォンとしては6.8インチという大きなデバイスでありながら持ち歩きに邪魔にならない。

また別の注目すべき点は、サムスンが標準タイプのNoteのディスプレイを6.4インチから6.3インチに縮小したことだ。いや、そのとおり。小さくなったのだ。これは最近のマートフォンでは非常に珍しい。

このデザイン変更の背景には、「スクリーンの小型化は最初のユーザーの購入バリアを下げる」という考え方があったに違いない。0.1インチの違いにそんな効果があるかどうかは別として、スクリーン対ボディ比率の改善によってNote 10は現行Note 9よりはるかに小型に感じられる。

以下、プレスカンファレンスで発表された両モデルのスペックを比較しておこう。両モデルとも出荷は8月23日だ。米国向けには5Gモデルも用意される。

Galaxy Note 10

  • ディスプレイ:6.3インチ、FHD+ AMOLED、 解像度2280×1080(401ppi)
  • バッテリー:3500mAh
  • メモリー:8GB
  • ストレージ:256GB
  • 価格:949ドルから

Galaxy Note 10+

  • ディスプレイ:6.8インチ、Quad HD+ AMOLED、解像度3040×1440(498ppi)
  • バッテリー:4300mAh
  • メモリー:12GB
  • ストレージ:256GB、512GB
  • カメラ:5GモデルではメインカメラにTOF(タイムオブフライト)検知センサーを装備。奥行きを検知しAR環境で必須となる周囲の3次元モデル化に役立てる
  • 価格:1100ドルから

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Galaxy Noteイベントで何が発表されるのか予測してみた

これまでもサムスンの情報ガードはあまり固いとは言えなかった。もっともこれはわざとそうしていた疑いが強い。サムスンは実際の製品発表に先立ってネット界隈が噂で盛り上がるのを期待しているようだ。

米国時間8月7日にブルックリンで開催されるGalax Noteイベントも例外ではない。われれはすでに大量のリーク情報を得ているが、わかっていることを振り返ってみよう。

先週、サムスンはGalaxy Tab S6を発表した。これはiPad Proに対抗するサムスンのタブレットのフラグシップだが、発表方法が比較的地味だったのは、来るべきイベントに対する配慮だったかもしれない。またApple(アップル)とGoogle(サムスン)はハイエンドタブレットをすでに発表しており、タイミングが少しばかり遅かったきらいはある。いずれにせよGalaxyイベンドでは多数の製品が発表されそうだという期待は大きくなった。

Galaxy Note 10

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サムスンが「ひとつのデバイス」より好きなものがあるとすれば「たくさんのデバイス」だ。 Galaxy Sにたくさんのモデルを投入したなに続いて、さらに2、3のデバイスが発表される予定だ。

Galaxy Noteについては、Plus、Proが追加されることは確実だ。現行のGalaxy Noteのスクリーンのサイズが小さ過ぎると考えて買い控えている人間がどのくらいいたかはともかく、新モデルは現在の6.3インチよりわずかに大きい6.8インチディスプレイをサポートする(どちらもAMOLED)。このサイズは普通に考えればタブレットだが、サムスンはボディーに対するスクリーンのサイズを拡大することで注力しているのでマンホールの葢のような大きく重いデバイスにはなっていないかもしれない。

こちらは大型Noteほど確実ではないが、 5Gモデルが発表されるかどうかが注目されている。戦略的観点からいえば、ここで5Gを出すことには意味がある。サムスンは先月発表したS10では全モデルを5Gにした。キャリヤの対応は遅れぎみとはいえ、デバイスの5G化のトレンドの先端を走っていることにサムスンは大きなプライドを持っているはずだ。

噂ではメインカメラは3基となるという。うち1基は1600万画素の超広角レンズとなり、Pro/Plusモデルには奥行きを検知できる反射時間測定センサーが装備される。プロセッサーはSnapdragon 855 PlusというQualcomm(クアルコム)のトップエンド製品になる。このチップは数週間前に発表されたばかりでNoteは初めての商用プロダクトの一つだ。

バッテリーも強化され、3600mAhまたは4300mAhが搭載される。メモリーは標準が8GB、Plusが12GBとなる。おっと、それからUSB-Cをヘッドフォンジャックに変換するドングルが出るはずだ。

Galaxy Watch Active 2

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ウェアラブル方面ではGalaxy Watchに新モデルが投入されるだろう。Galaxy Watch Activeが発表されてからまだ半年経っていないが、早くも新バージョンが出ると噂されている。サイズは直径40mmと44mm、最新のApple Watchに対抗してECG(心電図)、転倒モニター機能も追加されているはずだ。またタッチセンサーが採用され回転式の物理的ベゼルは廃止されるという情報もある。

その他

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折り畳み式ディスプレイを採用するGalaxy Foldに関してさらに何か情報が出てくることは間違いない。今のところプロダクトの発表は9月ごろという大まかなスケジュールはわかっているが、もうすこしはっきりしたスケジュールの発表を期待している。鳴り物入りで期待を持たせたあげくテスト用に配布された初期製品がトラブルに見舞われ、実機の発表が大きく延期されたいわくつきのプロダクトだ。

同様に行方不明になっているのがGalaxy Homeだ。HomePodのライバルとなるべき製品でほぼ1年前にアナウンスされた。正確にいってどんなプロダクトが用意されているのか、発表はいつか、後続の情報がまったくない。

日本時間では、すべは8月8日明け方に始まるイベントで明らかになる。我々はイベントを現地でカバーする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

世界的なスマホ不況の中でiPhoneの落ち込みが激しい

スマートフォン業界にとって厳しい状況となっている。Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、「逆風」という言葉を使って、Pixel 3の売上を伸ばすことの難しさを語った。しかし、最新のCanalysのレポートは、もっと率直に、この状況は「急降下」だと表現している。

スマートフォンの出荷台数は、すでに6四半期連続で減少していたが、この第1四半期の報告も、やはりかなりひどい状況となった。Canalysによれば、全世界の総計では3億1390万台を達成したものの、それでも約5年ぶりに低い数字だった。

スマホ大手の中では、特にApple(アップル」の落ち込みが激しく、前年比で23.2%減となっている。やはりここでも、中国市場の影響が大きい。ただし、全体的な状況はそれほど単純なものでもない。

「これはiPhoneの歴史上、四半期間の減少として最大のものです」と、アナリストのBen Stanton氏は、今回のニュースについて述べている。「Appleにとって2番目に大きな市場である中国は、やはり厳しい状況だったというわけです。

しかし、問題はそれだけというわけではまったくないのです。下取りという手法を使っても、長くなっている消費者の買い替え期間を短縮させることができなかっため、米国でも出荷が落ち込みました。

ヨーロッパなどの市場では、Appleは需要を刺激するために値引きすることが多くなっています。しかし販売業者にとっては、これがある種のジレンマとなっています。というのも、消費者の目から見たiPhoneという高額なデバイスのプレミア感がぼやけてしまうことになるからです」。

理由はいくらでも挙げることができるが、結局行き着くのは、この業界がかかえる大きな問題ということになる。つまり世界的な経済の停滞と、長くなるユーザーの買い替えサイクルだ。iPhone XSは、前任機と比べても、かなり控えめなアップグレードだった。とはいえ、Stanton氏によれば、iPhoneは「第1四半期の終盤に回復の兆しを見せている」ということで、第2四半期には期待が持てる。

iPhoneのアップグレードに関しては、今年中に何が起こるのか、まだまだ予断を許さない状況にある。ただ、いろいろな状況から判断して、Appleが5Gに舵を切るのは2020年になると見られている。ティム・クック氏は、米国時間月30日の業績発表の際にも、これについては何も言及しなかった。明らかにしたのは、iPadの業績が好調であることと、Appleとしては今後もサービスに力を入れていくということだけだった。

アナリストたちは、5Gのようなイノベーションが切り開く可能性や、折り畳み式のスマホが低迷する市場を活気づけるのではないかという期待を強調しがちだ。しかし、業界最大手のAppleは、そうした面では明らかに消極的に見える。ハードウェアの急降下は、まだ続くのだろうか。

一方、Huawei(ファーウエイ)の業績は相変わらず頼もしい。同社によれば、前年比50.2%の伸びで、世界市場でのシェアは18.8%に達したという。しかし今後もその勢いが続くかどうかは分からない。Samsung(サムスン)や、Xiaomi(シャオミ)やOppo(オッポ)といった他の中国勢の携帯電話メーカーとの競争が激化しているからだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サムスンの折り畳みスマホGalaxy Foldの実物をようやく触った

本物のGalaxy Foldだ。本当に手にした。実際には1つではなくいくつか手にした。サムスンの今朝のイベントは、異なる色や状態のFoldで賑やかだった。1カ月ほど前は触れもできなかった。

折りたたみデバイスをチラつかせて8年、サムスンはようやく昨年あったデベロッパー会議で引き金をひいた。しかしデバイスは見せないままだった。そして2月、Galaxy Foldとしてお披露目した。それでも取材陣向けの端末は用意されていなかった。その1週間後にあったMWCでも状況は同じで、Galaxy Foldはカーボナイトのハン・ソロのようにガラスディスプレイの向こうに閉じ込められていた。

4月26日に予定されている発売を前に今日からプレオーダーの受付が始まり、サムスンはいよいよ本格的に動き始めた。そして今朝、ニューヨークで開かれたイベントでは、スペックを確かめられるようGalaxy Foldがフルに展示された。もちろん我々は喜んで1時間かそこら手にしてあれこれチェックした。

現実のものであり、間もなく出荷が始まるという驚きが収まると、次はサムスンが成し遂げたことにかなり感銘を受けている自分に気づく。2011年に初めて折り畳みディスプレイを見せびらかし、以来サムスンのプロダクトのチラ見せは不満の対象ではあるが、かなり斬新なフォームというのは初代製品にとっては武器になる。その一方で、Foldの開発はかなりの困難を伴った。

サムスンはすでにFoldのテストの様子を、数週間前に公開したプロモーションビデオで明らかにしている。Foldはマシーンによって20万回も折り畳みを試された。この回数はこのプロダクトが実生活で使われる場合よりも多い。そして尋ねられる前に言うが、落下のテストも行われた。サムスンが他のガジェットでも実施している「ガジェット虐待」のようなテストで、開いた状態、折り畳んだ状態どちらでも行われた。

Galaxy Note 7以来、サムスンの全デバイスに影響を及ぼしてきた8ポイントバッテリーテストも同様だ。Galaxy Foldがバッテリーを2つ搭載している事実を考えれば、そのテストの重要性は倍になる。計4380mAhの容量があり、Foldの両面に分けられている。サムスンによると、この容量は「1日もつだけのもの」なのだという。もっともこれは、こうしたデバイスの発売前によくある売り文句と同じ。ひとたびこの端末が消費者の手にわたってしまったときに、消費者がどのようにこの端末を使用するのかをサムスンが完全に把握できない点を踏まえると、実際に使ってみないとわからない。

折り畳みのメカニズムは上々で、エッジ近くに隠されたマグネットのおかげでパチンと音を立てて閉まる。実際、スクリーンを下にしてFoldを置くと周辺にある金属のものを引き寄せようとする。私はぼんやりとしながらFoldを開け閉めしていることに気づいた。使っていないときはFoldはかなり高価なフィジェットスピナーのようだ。

サムスンは、他のGalaxy製品のデザインランゲージを維持するという素晴らしい仕事をやってのけた。しかし奇妙な形状にもかかわらず、FoldはS10やその類とそっくりだ。丸くメタリックなコーナー、カメラの配置。そう、BixbyボタンなどすべてFoldにも見られる。

エッジは2つに分かれ、それぞれがスクリーンの半分を担う。Foldを開くとそれぞれの面が隣同士になり、その間には小さなギャップがある。そして端末を畳むときは、それぞれの面がつがい部分で90度動き一緒になる。使い続ける限り畳んだり開いたりを可能にするこの連結ギアは優雅なソリューションだ。

驚くことではないが、サムスンはあらゆるフォームを試したが、このような初代製品にとってはこれが最も直感的だった、とのことだ。もちろん、多くの競合製品が異なるアプローチをすでにとっている。なので、この手の製品が世に出回った時、この業界がどのフォームに落ち着くのかを見るのは楽しみだ。

開いた状態ではFoldはかなり薄い。iPhone XSをほんの少し下回るくらいだ。折り畳むと、ディスプレイ間にあるギャップのためにiPhone2台より少しかさばる。閉じるとデバイスのエッジがくっつき、開くにつれてギャップが大きくなり、細長い二等辺三角形を形成する。

完全に開くと、ディスプレイ真ん中に来る継ぎ目が目につく。わずかなものではあるが。おそらく、指でドラッグしながらまたぐ時、あるいは開けてスクリーンのライトがパッとついた時にだけその継ぎ目に気づく。これは折り畳みスマホの一部であり、慣れるしかない。

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内側のディスプレイは7.3インチだ。たとえばiPad miniの7.9インチに比べると、タブレットとしては小さく、しかし畳まないでポケットに滑り込ませるには大きすぎる。この内側ディスプレイのサイズでは、ノッチに議論の余地を残している。実際、上部右側のコーナーには自撮り用カメラのために相当の切り抜きがある。

サムスンは、この端末を最初に使うユーザーの体験がきちんとしたものになるよう、グーグル、そしてWhatsAppやSpotifyなど一握りのデベロッパーと共に開発を進めてきた。この共同開発では2つの重要な点がある。アプリの連続性と、複数のアプリのウィンドウだ。連続性では、小さなスクリーンでアプリを開き、端末を開いたときにそれを大きなスクリーンでも使えるようにする。2つめに関しては、一度に最大3つのアプリを表示する。これは近年タブレットではスタンダードになったものだ。

どちらもシームレスに作動したが、この機能はこの共同開発にたずさわった企業のアプリに限定されている。このように機能するようにするのは簡単だとサムスンは言うが、デッベロッパーがそれを受け入れるスピードはこのデバイスが成功するかによるところが大きいだろう。しかしながら、この機能についてサムスンがグーグル/アンドロイドと手を携えてやってきたということはサムスンが競争に手を貸したことになる。

結論としては、私はこの初代製品にかなり感心している。この手のものは、つくるのに長い時間を要する。そして明らかにサムスンはきちんとしたものを作りたかった。サムスンは、発表から数日後にファーウェイが自前の折り畳みデバイスを発表したとき、向かい風を受けたのは間違いない。

ファーウェイのプロダクトは、小さなフロントスクリーンといくらかかさばるデザインをふくめ、Foldの欠点を浮き彫りにした。Foldは完璧ではない。しかし新たなスマホのパラダイムという意味では極めて確かなものだ。値段は1980ドル〜で、見合うだけの価格設定だ。本質的には、2つのスクリーンに倍の金を払う。

この分野で開発を進める、サムスンやファーウェイ、そして他の企業は、この価格設定では最初の需要時にだけ多く売れるということを知っている。人々はまだ、折り畳みメカニズムのようなアスペクトを探索中で、最初の購入者は実験台となる。

しかし、Foldは最終形にたどり着いた端末のようには思えない一方で、驚くほど良く製品化された初代端末だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

韓国検察、サムスンの折り曲げディスプレー技術を中国企業に流出させたグループを起訴

韓国の検察は、サムスンのフレキシブルOLEDディスプレーに関する情報を中国企業に売り渡したとして、韓国企業Toptecの最高責任者と社員8人を起訴した。情報提供によりToptecは1380万ドル超を受け取ったとBloombergは報じている。

ディスプレイ関連の装置を製造するサムスンのサプライヤーであるToptecは声明で容疑を否認した。「我々の会社は決してサムスンディスプレーのテクノロジーまたは企業秘密を中国のクライアントに提供していない。法廷で真実を証明するために、あらゆる法的手続きをとる」。Toptecの株価はこの記事執筆時点で20%下落している。

サムスンのフレキシブルディスプレーと聞くと、今月初めに披露されたばかりのサムスンのまだ発売されていない奇妙な折りたたみスマホをおそらく思い浮かべるだろう。その折りたたみ角度が、かなり前の端末Galaxy S6 Edgeほど鋭角でなくても、サムスンはここしばらくフレキシブルディスプレーの開発に注力してきた。

かなりの中国企業がフレキシブルディスプレースマホの開発に取り組んでいるが、今回の起訴には中国企業は含まれていない。

韓国の国家的関心はサムスンの商取引と深く絡み合っていて、知的財産の中国への流出という脅威を、韓国は深刻に受け止めているようだ。我々はサムスンにコメントを求めている。

イメージクレジット: Justin Sullivan

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(翻訳:Mizoguchi)

サムスン、チップ好調で第3四半期の営業利益は過去最高の155億ドルを予想

サムスンの前四半期の決算は、旗艦スマホGalaxy S9の販売不調で年間の中で最も低い成長率となった。しかし、この会社はスマホばかりを扱っているわけではない。そのおかげで、きたる第3四半期の決算では営業利益が155億ドルと過去最高となる予想だ。

この韓国の企業はニュースリリースで、第3四半期は売上が前年同期比5%増の65兆ウォン(575億ドル)で営業利益は17兆5000億ウォン(155億ドル)を予想していることを発表した。この営業利益は前年同期比20%増、前四半期比18%増だ。

サムスンが今回発表した暫定集計は簡素なもので、部門別の業績など詳細は含まれない。なので、Appleが最新iPhoneを発表したこの四半期においてハイエンドなスマホーNote 9を含むーの需要がどれくらいあるのか評価はできない。しかし、これまでの手がかりから、繰り返しになるが、この力強い決算予想には実際のところ、より退屈な(より信頼のおける)部門が貢献している。

サムスンの収益の80%はチップによるもので、クラウドのような分野で重要なDRAMの需要が第3四半期中に価格を押し上げた。しかし専門家はこの成長は長くは続かないと予想している。

「利益はピークに達した」とMirae Asset Daewoo SecuritiesのアナリストWilliam Parkはロイターに対しこう語っている。「DRAMの価格は急激ではないものの下落する。これによりサムスンの収益にも影響が出る」と指摘する。

今月サムスンが正式決算を発表するので、そのときに詳細がわかる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

アップルとサムスンの訴訟再び。両社のデザイン哲学や「いくら払うか」に焦点

eng-logo-2015一度は決着を見たはずのアップルとサムスンの特許侵害訴訟がカリフォルニア州サンノゼの地方裁判所に差し戻され、再審理が始まりました。2011年に訴訟が提起されて以来、実に8年目の争いとなります。

すでに「サムスンがアップルの特許を侵害している」という事実そのものは決着済みではあるものの、その後サムスンが支払う賠償額をめぐって訴訟は続いており、今回の審理も「いくら払うのが妥当か」に焦点が絞られています。

両社の訴訟合戦は、2011年にアップルがサムスンのGalaxyシリーズにつき提訴したことが始まり。2012年8月にはサムスンに約10億5千万ドルの支払いを命じる判決が下されたのち、2015年12月にサムスンは5億4800万ドルを支払うことで合意に達しました

しかし、サムスンはそのうち3億9900万ドルについては不当の訴えを提起。2016年12月に米最高裁判所は以前の判決が不公平であったと判断して地裁に差し戻しを命じ、さらに2017年10月に地裁はアップルとサムスンに対して、再審の日程を提案するよう求めていました

議論の焦点となっているのは3件のデザイン特許と、2件の実用特許。前者はiPhoneの丸みを帯びた角など外見に関わるもので、後者はページの最下部までスクロールしたときの跳ね返る演出(ラバーバンド効果)や「タッチしてズーム」する機能を指しています。

冒頭陳述では、同社デザインチームのシニアディレクターであり「ジョナサン・アイブの次に偉い人」であるリチャード・ハワース氏が初代iPhoneを設計するまでに、何百ものプロトタイプをボツにしたことを振り返り。八角形のベゼルや左右の端だけに丸みがあるものや、正面から大きな正方形に見えるものもあったとか。

ハワース氏は、アップルの設計がスケッチや模型から始まり、3Dモデルのプロトタイプに移行する……といった過程とともに「我々は顧客に届くまでに製品を導くから、自分達の考えをそのまま伝えられるのです」と述べています。

アップルの調達担当バイスプレジデントのトニー・ブレビンズ氏も、アップルの設計哲学について陳述。他社が最高の部品を見つけて製品に組み立てる「ビルディングブロック哲学」を用いているのに対して、同社は設計が先にありきで正反対であると語り、自身がiPhoneの振動モーターを縮小するために工場で2週間半を過ごした経験を振り返っています。

さらにブレビンズ氏は、サムスン製品に対するいらだちを感情的な言葉で説明。

「私達の小グループは、何年もこの製品に飽き飽きしていました。家族の時間を犠牲にし、誕生日に間に合わなかったこともある。特許を申請し、正しい手順を踏んで、労働の成果を楽しむことができたんです」

ところがサムスンの携帯電話が届けられると「あらゆる否定的な感情が湧き上がりました」としています。

総じてアップル側が「デザイン特許は製品全体に及ぶ」(だからアップルの損害額=サムスン製品の売上額)に対してサムスン側が「デザインは製品の構成要素の一つにすぎない」(よって賠償額も限定的)とする、これまでの主張が繰り返されたかたち。

アップル側が感情的でエモい表現を持ち出してきたのが興味深いところですが、それもアメリカでの法廷闘争戦術の一つかもしれません。両社の泥仕合はしばらく続く見込みですが、訴訟の中で両社のスマホ哲学が今後も語られるといった見どころはありそうです。

Engadget 日本版からの転載。

Galaxy Note 8発表、歴代最大&最高性能のペン対応フラグシップ

eng-logo-2015米国ニューヨークのイベント Unpacked 2017で、サムスンがペン対応スマートフォン Galaxy Note シリーズの最新作 Galaxy Note 8 を発表しました。

先代 Note 7の全数リコール騒ぎは未発売の日本でさえ話題になりましたが、Galaxy Note 8は汚名の返上とブランドの復活を賭けた機種であり、これまで以上に注目される責任重大な製品です。

Gallery: サムスンGalaxy Note 8 公式製品写真 | 24 Photos

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春のGalaxy S8 / S8+ から継承した『インフィニティ・ディスプレイ』は、歴代最大の6.3インチに大型化。またGalaxyで初めてデュアルカメラを採用しました。無二の個性であるS-Pen も筆圧感知4096段階、ペン先0.7mm径に進化。

中身についても、歴代最大の6GB RAMを搭載するなどスペック番長ぶりは健在。縦長の大画面と細かい操作がしやすいペン、高い処理能力から、快適なマルチタスクを売りにしたプロフェッショナル向け、一番でかくて高性能なやつが欲しいパワーユーザー向けの大型スマホです。

Galaxy S8+, Galaxy Note 8, Galaxy S8を並べて比較画像

Galaxy Note 8の主な仕様と特徴は、

・6.3インチQuad HD+ 有機ELディスプレイ

縦横比はS8 / S8+ と同じ縦長の18.5:9。6.3インチと聞くと片手端末には収まらない大きさに思えますが、これは最近のハイエンドスマホのトレンドに則って上下の余白を細く、画面を縦に伸ばしたため。画面は歴代ノートと同等の幅を確保しつつ、本体幅は細くなりました。

大画面で重量級のスマホではありますが、たとえば大型スマホとしてイメージしやすい iPhone 7 Plus (16:9で5.5インチ液晶)より、本体幅は細くなっています。(Note8は74.8mm、iPhone 7 Plusは77.9mm)。

同じ『インフィニティ・ディスプレイ』の Galaxy S8 / S8+ は画面も側面もなだらかなカーブで「磨かれた小石」のようなホールド感を売りにしていましたが、Note 8はペンを使いやすいよう画面はエッジ近くまで平らで側面の丸みも急。全体にスクエアな印象になりました。

前面の多くが画面なのでぱっと見ではS8+とそっくりですが、よりカクカクしたほうがNote 8です。実際に持って比べると、側面フレームのソリッドな手触りと貫禄の重さ(195g!)で違いが分かります。

Gallery: Galaxy Note 8 ファーストインプレッション

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・Galaxy 初のデュアルカメラ搭載

背面が広角+望遠2倍構成のデュアルカメラに。春のS8 / S8+ はディスプレイとスタイルについてはハイエンドスマホの最先端でしたが、デュアルカメラだけは流行に乗り遅れていた感がありました。

デュアルカメラは両方ともRGBの通常カメラで画角が違い、両方を使って奥行き推測から一眼レフのようなボケ味を得られる Live Focus に対応します。iPhone でいうところのポートレートモード。

Live Focus は撮影時から背景のボケ具合を確認してスライダーで調整できるほか、撮影後にも再フォーカスできることが売り。

広角側はF1.7レンズ、デュアルピクセルAF、12MP。明るいレンズとデュアルピクセルの高速な位相差オートフォーカスはS7から引き継ぎ。S7 / S8 のメインカメラはレンズと撮像素子の明るさから特に暗所に強かったため、Note 8でようやくデュアルの芸と画質の良いとこどりが実現しました。

望遠側は広角側の2倍。レンズF値は2.4、こちらも12MP。サムスンはデュアルカメラで先行するiPhone を引き合いに出して、Note 8 では両方のカメラとも光学手ブレ補正に対応することをアピールしています。

Gallery: Galaxy Note 8 カメラ作例(Live Focusモード他)

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・スタイラスS Pen は筆圧検出4096段階、ペン先0.7mm、ペンも防水

NoteのアイデンティティであるS Pen も、(主にNote 7段階で) 大きく進化。ペン先は0.7mmと細くなり、紙のノートと比較すれば小さな画面でもより書きやすくなりました。筆圧感知は4096段階。

ペンを使った飛び道具的な機能としては、画面オフの状態からペンを抜けばそのまま画面にさっとメモできるスクリーンオフメモが最大100画面分に進化。頻繁にメモを取る職業はもとより、何か書くもの書くもの……とおろおろすることがなくなります。

2in1 PCなどではペン対応の機種も増えていますが、S Pen は本体に収納できること、ペンを持ったままタッチ操作への持ち替えも容易(短く細い副作用)なども特徴。

ウェブやアプリのスクリーンショットにささっと手書きを加えて保存共有したり、ペン先で正確にテキストを選択して翻訳したり、といった独自のペン機能も進歩しており、手書きをアニメGIFに保存して送れる Live Message などが加わりました。

手書きメモや本格的な絵が書けることが本来の売りですが、ペン先で正確に操作できることも、タブレットやPCに比べれば画面が狭いスマホでは意外と重宝します。

特に Note 8 は高性能を活かしたマルチタスクをアピールしていますが、画面分割やポップアップでは各アプリの面積が狭くなるため、指よりペン先で操作したほうが快適です。

・マルチタスク推し

Android 7.0でOS機能に追加される前から、Noteシリーズは大画面とマルチタスクを独自の売りとしてきました。Note 8 では画面分割に加えて、サブアプリの必要部分だけ切り取って並べる、メインアプリを全画面にしてサブをポップアップする、などさまざまな方法でマルチタスクが可能。

さらに新たな機能として、アプリのペアを記録して同時にマルチタスク状態で起動できる App Pair なる小ネタが加わりました。

Androidの画面分割マルチタスクは使いようによってPCライクで便利な一方、アプリを切り替えるうちに必要な組合せが崩れてしまうことが多く、並べるのが面倒で結局切り替えるようなこともありました。

App Pair は細かなマルチタスク時のレイアウトまでは記録してくれませんが、ユーザーで独自に設定もでき、ホームに戻らずエッジパネルから一発で切り替えられる便利機能です。

そのほか、

・IP68防水防塵
・10nmプロセスの Exynos プロセッサまたは Snapdragon 835 (地域により異なる)
・6GB RAM
・64GB~地域により128GB / 256GBストレージ
・マイクロSD拡張対応
・3300mAhバッテリー(S8+の3500mAhより、ペンを本体収納できるぶん少ない)
・本体サイズ 162.5 x 74.8 x 8.6mm
・重さ195g
・Bluetooth 5.0
・ ギガビットLTE対応
・USB Type-C
・3.5mmヘッドホン端子あり
・無線充電対応
・出荷時OSはAndroid 7.1

など。

本体色はブラック、ブルー、ゴールド、S8から加わったオーキッドグレー(やや紫ががった灰色)の4色が基本。地域により異なります。

発売は米国で明日24日から予約受付開始、9月15日から発売予定です。価格は地域やキャリアにより異なり未詳ながら、S8 / S8+ 以上のハイエンドなお値段になることはほぼ確実。

価格もサイズも重さもどう考えても万人向けではありませんが、デカくてもいい、むしろ一番画面の大きいやつが欲しいパワーユーザー向けの端末です。

Engadget 日本版からの転載。