Glassdoorが調査した、2018年に働きたい米国のハイテク企業ベスト10

Glassdoorが来年働きたい米国拠点の企業ベスト100を発表した。テクノロジーに特化している私たちTechCrunchは、その中からテクノロジー企業ベスト10を抽出した。

このランキングは、従業員数が1000人を超える企業の、従業員たちからのフィードバックに基づいている。Glassdoorを通して、従業員たちは、各企業をそのCEO、キャリアチャンス、報酬と福利厚生、文化と価値観、ワークライフバランスといったものに基づいて評価した。このリストのために、各従業員は、職場の属性の少なくとも75項目について評価する必要があった。

まあ勿体ぶるのはこれくらいにしておこう。以下に示すのが調査対象者たちが回答した、働きたい米国のテクノロジー企業ベスト10だ。

第10位:NVIDIA(総合24位、評点4.4)

CEO: Jensen Huang

同社従業員の言葉: 「Nvidiaで働くのは楽しいです!作業環境は素晴らしいし、同僚は非常に協力的で、とても賢い人たちです。何もかもが光速で進んでいきます。業界でも最高の、素晴らしい体験を得ることができますよ!」――NVIDIAシニアネットワークエンジニア(カリフォルニア州サンタクララ)。

第9位:DocuSign (総合22位、評点4.4)

CEO: Dan Springer

同社従業員の言葉: 「言い古された表現だが、はたらく者たち皆がDocuSignをすばらしい場所にしています。私がDocuSignで働きながら出会ってきた人たちは、皆親切で、思慮深く、前向きな人たちばかりでした、そのため毎日会社に来るのが楽しみなのです」――DocuSignソフトウェア・エンジニア (カリフォルニア州サンフランシスコ)

第8位:LinkedIn(総合21位、評点4.5)

CEO: Jeff Weiner

同社従業員の言葉:「従業員向けの福利厚生が素晴らしいですね(無料の食べ物、スターバックスに負けない無料のコーヒー、無料のジュースバー、無料のアイスクリーム、無料のバー…いくらでも挙げられます)。物事をやり遂げようとする素晴らしい熱気にも溢れています(人びとの生活を収入という意味で向上させたり、次のレベルに引き上げるお手伝いをする製品に関わっていることで、大いに動機付けられます)。ここで働いていることを誇りに思います」――LinkedIn Senior Technical Program Manager(カリフォリニア州サニーベール)

第7位:Salesforce(総合15位、評点4.5)

CEO: Marc Benioff

同社従業員の言葉: 「素晴らしい職場です。経営陣たちは皆、オープンで従業員たちのアイデアに興味を持ってくれます――たとえ、どんなレベルからでもです。透明度の高さは驚くほどです。Marcは年間の目標を全社向けのテレビで発表しますし(従業員「全員」が見て参加することができる)、従業員一人一人の年間目標も皆が閲覧することが可能です。素晴らしいことに、誰かにとって重要な事項を知っているときには、相手とミーティングをすぐに開催することができますし、協力することで自分のゴールを加速することもできるのです」――Salesforceシニアディレクター(カリフォルニア州サンフランシスコ)

第6位:SAP(総合11位、評点4.5)

CEO: Bill McDermott

同社従業員の言葉: 「SAPの文化はチームワークと共感です。私はいつも、同僚やメンターたちが私を助け、あらゆる質問に答え、私のキャリア通じて私を支えてくれていることを感じています。また、上級管理職は語るべきことを語り、行うべきことをきっちり行う人びとです。彼らの振る舞いの中にSAPのコアバリューが現れているのです」――SAPソリューションエンジニア(ワシントンDC)

第5位:Ultimate Software(総合10位、評点4.5)

CEO: Scott Scherr

同社従業員の言葉: 「文化と価値が、この職場の真の基礎となっています。人間第一の気遣いを行う文化は、私たちのCEOから発信され、ほぼ全員でその気持が共有されていることが感じられます。誰もが尊重され、女性も同等に扱われ、マイノリティに対しても区別はありません。ハードワークは評価され、報われます」――Ultimate Softwareサポートスペシャリスト(フロリダ州ウェストン)

第4位:World Wide Technology (総合8位、評点4.5)

CEO: James P. Kavanaugh

同社従業員の言葉:「我が社のように、従業員たちに他の部門での研修を奨励している会社はあまりないと思いますね。他にも将来のリーダー養成クラスを開催したり、会社自身の投資に合わせて従業員たちにも手厚い投資を行っています。エグゼクティブチームは、コンタクトしたい従業員に対して常にオープンです。彼らはとても分別があり、個人の前に会社の事を考える、地に足の着いた人たちです」。――World Wide Technologyビジネス開発アナリスト(ミズーリ州メリーランドハイツ)

第3位:HubSpot(総合7位、評点4.6)

CEO: Brian Halligan

同社従業員の言葉: 「ここには、役割に関係なく、何か言いたいことがあれば、聞いて貰える文化が根付いています。ここで働く人びとは、皆とても知的で、ハードワーカーで、楽しい雰囲気をまとった人たちです。素晴らしい環境を楽しみ、素晴らしいキャリアを過ごしましょう」。――HubSpotカスタマーサクセスマネージャー(マサチューセッツ州ケンブリッジ)

第2位:Google(総合5位、評点4.6)

CEO: Sundar Pichai

同社従業員の言葉:「非常に知的で有能な同僚、エキサイティングな製品、優れた管理、素晴らしい福利厚生(保険のオプション、食事、ほとんどすべてに適用される割引)、旅行する機会」――Googleソフトウェアエンジニア(カリフォルニア州マウンテンビュー)

第1位:Facebook(総合1位、評点4.6)

CEO: Mark Zuckerberg

同社従業員の言葉: 「世界中の何十億という人々が使用する製品を作る機会がある。素晴らしい福利厚生(健康管理、食事、環境、通勤、ボーナス)。世界をつなぐことに焦点を当てた、素晴らしい文化――Facebookソフトウェアエンジニア(カリフォルニア州メンローパーク)

ところでAppleはどこに落ちているのだろう…?と思った人へ

Appleはテクノロジーリストで26位、全体では84位で、昨年から48個順位が下がった。

同社従業員の言葉:

「魅力的な課題に取り組めること、知的でプロフェッショナルな同僚たちがいること、最高のテクニカルリソースが使えること。ここに居る人たちは皆、喜んで人の話に耳を傾け学ぼうとしています。例えそれがチームの新人であろうと、聞かせるべきアイデアがあるのなら」――Appleソフトウェアエンジニア(カリフォルニア州サニーベール)

[原文へ]

(翻訳:sako)

フェイクニュースの次の10年に関する18の悲観的意見(と5つの楽観的意見)

フェイクニュースのような話題、もしくはより広いインターネット上の信頼と検証の問題は、複雑なものだ――対立意見の源である。場合によっては、いかなる結論を出す前にも、聞き取り調査を行って、人びとが何を考えているのかを感じとる必要がある。これが今回Pew Internetが行ったことだ、テクノロジー、インターネット、社会政策の何千人もの専門家に質問を送り、今後10年間に物事がどのように進むと考えているかを尋ねた。彼らは決して楽観的ではなかった

正確には49%の人が今後10年で情報環境は改善するという側に印をつけて、51%がその反対の立場だった。というわけで、結果としてはほぼ半々だ。しかし、彼らが送り返してきた何百ものコメントは、悲観的な方に強く傾いているように見える。ここで語られている楽観主義は、むしろ淡い希望と表現される方がふさわしい。

参考までに、調査実行者によって引き出された結論の1つは「人間は本質的に、利己的であり、同族の絆に拘り、慣れ親しんだものに信頼を置く、騙されやすい利便性の追求者である」ということだ。素晴らしい!

この92ページのレポート(PDF)には多数の興味深い意見が見られるが、そのなかを見渡して一番良いものたちを選び出してみた。正直なところ、私は意図的に「楽観的」なものを除外したわけではないが、楽観的なものの多くはあまりきちんとした意見ではなかった。さて御託はもう十分だろう。さっそくこの陰気な成果物のエッセンスを味わうことにしよう。(とはいえこの報告書は本当に読む価値がある)。

悲観主義者たち

(著者たちの肩書は報告書に記載されているとおり)

研究所所長ならびに大学教授

インターネットは21世紀版「核の冬」に匹敵する脅威だ。にもかかわらず核拡散防止や核軍縮に相当する国際的枠組みは存在しない。人びとに対して、何が真で何が偽りかを判別できるように整理してくれる、信頼できるメカニズムがないために、大衆はその核兵器(インターネット)の破壊力を、最終的には文明社会を腐食させるものとしては把握していない。

Clay Shirky、ニューヨーク大学教育技術担当副所長

「ニュース」は安定したカテゴリーではなく、社会的な取引だ。オバマがイスラム教徒であると主張するのを妨げるシステムをデザインできるような、技術的解決策は存在しないが、人びとがイエス様はあなたを愛しています、と主張することはできる。

ハーバード大学のバークマンセンター for Internet&Society所属の回答者

ネットワーク空間が生み出した出版と消費の民主化は、情報のコントロールもしくはラベリングという意味での意味の有る改善を行なうには、あまりにも広がり過ぎてしまった。人びとは各自の偏見を、そのまま甘やかし続けることだろう。

Mike DeVito、ノースウェスタン大学の大学院研究員

これらは技術的な問題ではない。これらは人間の問題であり技術は単にそれをスケールアップすることに役立ったに過ぎない。にもかかわらず私たちは単なる技術的ソリューションを試み続けている。貧弱な市民の知識と貧弱な情報リテラシーの嵐であるこの災厄を逃れるために、機械学習を使うことはできない。

Tom Rosenstiel、米国出版協会のディレクター兼ブルッキングス研究所のシニアフェロー

プラットフォーム企業がどのような変更を行ったとしても、そしてファクトチェッカーやその他のジャーナリストがどのようなイノベーションを起こしたとしても、騙したい輩はそれらを出し抜いて行くだろう。誤った情報は、自分で修理できる配管問題のようなものではない。それは犯罪のような社会的案件であり、常に監視し調整する必要がある。

Philip J. Nickel、オランダのアイントホーフェン工科大学講師

伝統的なニュースメディアの没落と、閉鎖的なソーシャルネットワークの存続は、今後10年間の間には変わらないだろう。これらが、対話と政治的議論の基礎となる、公開された事実共有の場が劣化した主要因である。

Zbigniew Łukasiak、ヨーロッパに拠点を置くビジネスリーダー

力のある政治家たちが、このゲームをやり方を学んだばかりだ。私は彼らがそれを取り除くために、多大な努力をするとは思えない。

インターネットのパイオニアであり、ICANNの長年のリーダーの1人

インターネット上の情報の「真実性」を向上させるような、強制的な要因が出てくる可能性はほとんどない。

Willie Currie、グローバルコミュニケーション普及の長年の専門家

Facebookのようなプラットフォーム上でのフェイクニュースの明らかな流行は、外部の規制によって処理されるべきだ。技術者たちは技術的な修正に興味があるだけで、問題を真剣に見ようという熱意に欠けている。なので自主規制は成功しないだろう。

Dean Willis、Softarmor Systemsコンサルタント

政府や政治的グループたちは、対象の個人に対する理解を左右する、意図的な誤情報の力を発見したところだ。メッセージは今や壊滅的な精度で調整できるようになった。私たちは、調整された情報の泡の中に沈むことになる。

退職した大学教授

増加した検閲と大規模な監視は、世界各地で公式な「真理」を作り出す傾向がある。米国では、企業による情報フィルタリングが、経済エリートの見方を強要することになるだろう。

Bill Woodcock、Packet Clearing Houseのエグゼクティブディレクター

匿名性と、パブリックスピーチのコントロールの間には、基本的な矛盾がある。そして匿名の発言に重きを置かない国々は、まだそれを国際的な武器とできる自由がある。その一方で匿名の発言に価値を認める国々はそれを全員が知ることができるようにしなければならない、さもなくば自身の原則を維持することができない。

世界有数のエンターテインメントおよびメディア企業の公共政策担当バイスプレジデント

少数の支配的なオンラインプラットフォームは、技術的にも手続き的にも、責任あるシステムを構築するためのスキルまたは倫理センターを持っていない。彼らは、発明が社会に及ぼす影響についての説明責任を避け、複雑な問題に対処できる原則や技術を開発してきてはいない。彼らは、倫理規定や倫理訓練、あるいは哲学を欠いた生物医学または核技術企業のようなものだ。さらに悪いことに、彼らの積極的な哲学は、その発明がもたらし得る潜在的な悪影響を評価し反応することは、彼らのやるべきことではなく、下手をすれば、やってはいけないことですらあるということだ。

北米に本拠を置くエグゼクティブコンサルタント

結局動機付けの問題だ:真実を求める市場は存在しない。大衆には、検証され、審査された情報を求める動機はない。彼らはみな、自分の意見を追認する意見を聞いて嬉しいのだ。そして人びとは、フェイク情報を生み出すほうが、そうしないように努力するよりも、より多く「稼ぐ」(金銭的にも悪名的にも)ことができるのだ。

ステークホルダーエンゲージメント担当バイスプレジデント

信頼のネットワークは、物理的かつ非構造的な対話、議論、および観察を通したときに、最もよく生み出されるものだ。テクノロジーは、そのような直接的な相互作用の機会を減らし、人間の対話を崩壊させているが、その一方で私たちにこれまで以上にコミュニケーションしているという「気分」を与えている。

Karen Mossberger、アリゾナ州立大学公文学部教授

フェイクニュースの広がりは単なるボットの問題ではなく、人びとが批判的思考や情報リテラシースキルを発揮するかどうかという、大きな問題の一部だ。おそらく、最近のフェイクニュースの急増は、メディアに対するオンラインスキルへの対処と、私たちの教育システムの中の基本的な教育力に対する対処への、目覚めを促すものとなるだろう。一般にオンライン情報は、様々な信頼性の、ほぼ無限に多様な情報源を持っている。テクノロジーがこの問題に対処しようとしているが、この修正はテクノロジーだけの問題ではない。

Sally Wentworth、Internet Societyのグローバル政策開発担当VP

いくつかの大型プラットフォームが、オンラインの過激派、暴力、そしてフェイクニュースに関する問題のいくつかに対する、インターネットソリューションを提供し始めていることは心強いことだ。しかし、結局私たちはこうした機能を、利益を求め、社会的な便益のためには必ずしも行動しない民間企業たちに委託している。私たちの社会的対話を支配する、どれほどの力を彼らに委託してしまっているのだろうか?そしてそれが最終的には、どこにつながっているのかを私たちは意識しているのだろうか?一方では、大きなプレイヤーたちが、ここに来てついに腰を上げて責任を取ろうとしていることは良いことだ。しかし、政府やユーザーや、そして社会が、すべての責任をインターネットプラットフォームに還元するのは性急だ。彼らが私たちのために下した決定に、誰が責任を持つのだろうか?私たちはそうした決定が何かを知っているのだろうか?

MITのコンピュータサイエンスならびに人工知能研究所の研究員

各種の問題は解決策たちが対処できる速度よりも速く悪化する、しかしそれが意味することは、より多くの解決策がこれまで以上に必要とされるということだ。

楽観主義者たち

Adam Lella、comScore Inc.のマーケティング上級アナリスト

過去には、解決不可能に思えた多くの問題もあった(例えば可視性、無効なトラフィック検出、クロスプラットフォーム測定など)が、ここ数年で大きく進歩した。問題を解決せよという大きな圧力が業界からかかっている場合には、方法論が開発され、長期的には問題を緩和するための進歩が達成される。言い換えれば、意志のあるところに、道は開けるということだ。

Irene Wu、ジョージタウン大学のコミュニケーション、文化、テクノロジーの非常勤講師

情報は改善されて行く。なぜなら人びとが大量のデジタルデータを扱う方法に習熟して行くからだ。現在は、多くの人びとがソーシャルメディアで読んだことを素朴に信じている。テレビが普及し始めたときも、人びとはテレビに映るもののすべてが真実だと信じていた。これが人びとが重要な情報やニュースに反応しアクセスする方法だ。それを配布するメカニズムには依存しない。

Googleに長年勤めるディレクター

GoogleやFacebookなどの企業は、利用可能なソリューションの開発に多額の投資を行っている。電子メールスパムと同様に、この問題は完全に排除することは出来ないが、管理することはできる。

MITでテクノロジーと市民参加に関する研究を行っている社会学者

改善に向かう前には悪化しやすいものだが、2016から2017年にかけての情報生態系の問題は多きな変革点となった。そして誤った情報問題に共に取り組まなければならない市民、政策立案者、ジャーナリスト、デザイナー、そして慈善団体たちの行動の契機になった。

Frank Kaufmann、平和活動とメディアと情報に関するいくつかの国際プロジェクトの創設者兼ディレクター

物事はいつでも改善するのだから、ニュースの質も改善する。

真の楽観主義者として数えることができるのは、最後の1つだけかもしれない。

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(翻訳:Sako)