PayPayがファミレス進出に足がかり、ガストやバーミヤンの宅配で利用可能に

コード決済サービスを提供中のPayPayは5月28日、すかいらーくグループとの提携を発表した。同グループのガスト、バーミヤン、ジョナサン、夢庵、藍屋、魚屋路の宅配サービスを実施している全国1030店舗で、6月6日からPayPay決済が利用可能になる。

今回対応するのはあくまでも宅配時の決済のみで、店舗での飲食については使えない。

決済方法は、利用者のPayPayアプリで宅配スタッフが提示したQRコードを読み取り、利用者自らが金額を入力して決済する、いわゆるユーザースキャン方式。この方式は、既存のPOSレジなどに改良を加えることなく導入できるため、主に中小の飲食店などで利用されている方式だ。

宅配可能な店舗はすかいらーくグループの宅配ポータルサイト「RAKURU」で検索できる

すかいらーくグループなどのファミレスチェーンは、クレジットカートや各種電子マネーでのキャッシュレス決済に対応している店舗がほとんどだが、コード決済が利用できる店舗は限られていた。つまり、コード決済サービスを提供する各社がいまだ本格進出できていない業界だった。ちなみに、コード決済以外に電子マネーのiDを使えるメルペイについては、すかいらーくグループで使える20%還元クーポンを配布していた(現在は終了)。

メルペイでは5月26日まで20%還元のクーポンを配布していた(現在は終了)

宅配のみとはいえ、PayPayがファミレス業界への進出の足がかりを作ったことで、今後の各社の動きに注目だ。なおPayPayは、対応時期は未定ながらすかいらーくグループのファミレスの店舗での決済についてもPayPay対応を表明している。

一方ファミレス業界では、7月1日に導入されるセブン&アイ・ホールディングスの独自コード決済である7payが始まると、同ホールディングス系のファミレスであるデニーズが7payをはじめとするとコード決済に順次対応すると思われる。こちらの業界でも、どこが真っ先にコード決済への対応を果たすのか気になるところだ。

ファミレスを攻めるメルペイ、ガストやバーミヤンで20%オフ

メルペイは、ガスト、バーミヤン、夢庵、ジョナサンのすかいらーくグループ4業態で使えるクーポン券の配布を開始した。配布期限は5月26日23時59分まで。宅配やテイクアウトを除く、店内飲食の合計代金が20%オフとなる。

予約や宴会コースは対象外、他のクーポンとは併用できない、6人までの飲食に限るという制限があるものの、合計金額からの20%割引は侮れない魅力だ。クーポンは各業態1枚ずつ、合計4枚がユーザーごとに支給されるので、メルペイユーザー同士でランチやちょい飲みにフル活用できそうだ。

特定のコンビニをターゲットにしたクーポンもある

すかいらーくグループでは、クレジットカードのほか、Suicaなどの交通系、iD、QUICPayなどの電子マネーが使えるが、現時点ではコード決済には非対応。そのため、PayPayやOrigami Payなどのコード決済のみのキャッシュレスサービスが攻められない業態だった。LINE Payやau PAY、d払いなどは連携するプリペイドカードやクレジットカードがあるものの、事前申し込みが必要というハードルがある。メルペイはコード決済のほか、AndroidでもiPhoneでもバーチャールカードによるiD決済が可能であることから、今回のクーポンが実現したといえる。

「オトクーポン」で取得できるクーポンよりもメルペイのほうが還元率が高い

メルペイでは、ローソンのコーヒーやからあげクンなどの半額キャンペーンを実施中で、過去にはセブン-イレブンでおにぎりが11円というキャンペーンもあった。今回のファミリーレストランでの合計金額から20%オフとなるクーポンは、それ以上のかなり攻めたキャンペーンだ。もちろん、すかいらーくグループが自社運営する「オトクーポン」サイトで手に入る各種クーポンの還元率をも上回る。