カレンダーアプリ「Fantastical」がプライバシーファーストのミーティングスケジュールのリンク共有を可能に

人気のカレンダーアプリ、Fantastical(ファンタスティカル)の開発元であるFlexibits(フレクシビッツ)は、スケジューリングを便利にする新機能をいくつか追加した。この分野は、Calendly(カレンドリー)が支配しているようだが、Flaxbitsはアプリの「Opening(オープニング)」機能を、プライバシーファーストのスケジューリング機能だと強調している。そして、もちろん新機能はFantasticalに直接組み込まれ、別のツールやサービス、サブスクリプションなどは不要だ。

Fantasticalアプリをバージョン3.6にアップデートすると、設定パネルにいくつか新しいオプションが追加されている。これらの新機能はmacOS、iOS、およびiPadOSで利用できる。標準設定では、Openingは有効になっていない。使用するためには自分で設定する必要がある。

「オプトインするのはあなた自身であるべきです、データはあなたがコントロールします」とFlexbitsの共同ファウンダーであるMichael Simmons(マイケル・シモンズ)氏が私に話した。

Opening機能を有効にすると、Fantasticalに設定済みのカレンダーアカウントに直接つながる。自分の予定が空いているかいないかを決める真の情報源として使うカレンダーを選ぶことができる。

「アプリはあなたのFantasticalデータベースを調べて、日付と時刻だけを取ってきます」とシモンズ氏は言った。Flexibitsはイベントの名前や招待客のリストには触れない、なぜなら機能を果たすために必要のない情報だからだ。

その後、ユーザーはさまざまなイベントのタイプを設定する。例えば、月曜日と水曜日の午前に営業電話の予定を入れたければ、その日の午前9時から午前11時までの間に営業電話をかけるイベントテンプレートを作る。

イベントタイプには、タイトル、説明、所要時間、リンクなどいくつかのオプションがある。また、Fantasticalのミーティングリクエストを自動的に承認するか手動で承認するかも設定できる。

ご想像のどおり、イベントのリンクを取得してメールやWhatsAppメッセージ、ウェブサイトでもシェアすることができる。そのリンクをクリックした人は、いつあなたの予定が空いているかを見て、時刻を選んでミーティングをリクエストできる。

画像クレジット:Flexibits

自動承認を有効にしておくと、ミーティングをリクエストした人のカレンダーに招待状が届く。ミーティングをリクエストするためにFantasticalを使う必要はなく、アカウントを作る必要もない。

スケジュール調整はウェブではなくアプリ内で行われる。誰かがあなたとのミーティングをリクエストすると、Fantasticalアプリがミーティング(のイベント)を作成し、他の出席者を招待する。

もし、あなたがCalndlyなどの類似ツールをすでに使っていたら、今まで通りのワークフローを続けたいに違いない。しかし、もしあなたがFantasticalユーザーで、Calendlyライクなリンクを使いたいなら、FantasticalのOpeningを使うほうがずっと簡単だろう。

その他の改善点

Fantasticalは「Proposals(プロポーザル、提案)」と呼ばれるスケジューリング機能も提供している。アプリ内で複数回数、複数日時のイベントを作れる機能だ。会社はこの機能を密かに改善し、Doodle(ドゥードゥル)の対抗品へと作り変えた。

これからはイベントプロポーザルを複数の招待者に送ることができる。招待者はウェブページで投票できる。あなたはアプリを使って最適な日付と時刻を確認し、コメントを読んでプロポーザルをカレンダー・イベントに転換できる。スクリーンショットを見てもらうほうがずっと簡単だろう。

画像クレジット:Flexibits

スケジューリング機能に加え、Fantastical 3.6には新たに四半期ビューができた。四半期ビューは、好みによって四半期の最初の日から始めることも、現在の週から始めることもできる。

数年前、Flexibitsはフリーミアムモデルに切り替え、全機能のロックを解除する有料サブスクリプションを提供した。OpeningsやProposalsなど高度な機能のほとんどは、利用にサブスクリプションが必要だ。現行の料金は年額39.99ドル(約4600円)、月額4.99ドル(約576円)。

Flexibitsは、App Storeで多くのネガティブコメントをつけられたことがあるが、プロダクトとビジネスの転換はうまく行っているようだ。

チームは6人から18人へと3倍に増えた。これまでに同社は、かなりの数のアップデートを発行しており、サブスクリプションにはCardhop(カードホップ)アプリが加わった。

マイケル・シモンズ氏は売上数値を明らかにしなかったが「数百万の人たち」がFlexibitsアカウントを作って無料トライアルを始めたと語った。もちろん、この中でサブスクリプションのアクティブ利用者はこのユーザーベースのごく一部だけだ。

Flexibitsは、さまざまなタイプのマーケットに対応する方法についても考えている。たとえば同社はチーム向けのFlexibitsを開発している。第一に、多人数のグループや従業員向けにライセンスを購入できるチーム・アカウントが導入される。アプリにはチーム向け機能のための場所も用意されているが、まだ完成していない。

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画像クレジット:Flexibits

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「デスクを持たない労働力」管理HRプラットフォームのSnapshift、市場拡大に向け約51.9億円調達

このいわゆる「大量自主退職時代」には、多くの現場作業員(看護師、トラック運転手など)が新型コロナウイルス感染流行をきっかけに自分の生活を見直しており、その一方で旧来の企業はこの新しい世界秩序に苦心している。従業員はまた、より良いコミュニケーションも求めているため、このようなコミュニケーションをアプリ化することは理に適っている。

フランスを拠点とするSnapshift(スナップシフト)は、レストラン向けのスタッフ管理ウェブソリューションとしてスタートし、Bpifrance(ビーピーアイフランス、フランスの政府系投資銀行)とFemmes Business Angels(フェム・ビジネス・エンジェルズ)から390万ユーロ(約5億1000万円)の資金を調達した。しかし、この会社は明らかに賢いアイデアを思い付いていた。そしてそれは、私たちが今、生きている時代に合わせて作られたようなものだ。

今やこのHR(人的資源)プラットフォームは、いわゆる「デスクレスワークフォース(デスクを持たない労働力)」を管理するためのプラットフォームとして生まれ変わった。これは、かつてブルーカラーやフロントラインワーカーと呼ばれていた人々のことを指す今風の言葉である。

Snapshiftは今回、4500万ドル(約51億9000万円)のシリーズAグロースエクイティ資金を調達した。このラウンドはHighland Europe(ハイランド・ヨーロッパ)が主導し、既存投資家であるBpifranceとUL Invest(ULインベスト)も参加した。

Snapshiftは、2021年に同社のサービスに対する「大きな需要」があったことを受け、現在はSubway(サブウェイ)、Pizza Hut(ピザハット)、Spar(スパー)、Amorino(アモリーノ)、Biocoop(ビオコープ)、Fitness Park(フィットネスパーク)、Columbus Cafe(コロンブス・カフェ)、Carrefour(カルフール)など、6000社以上の顧客を抱えているという。

今回の資金調達は、欧州のレストラン、ホテル、小売業など、すべての中小企業にサービスを拡大するために使用される予定で、スペインが最初の国際ターゲット市場となる。

Snapshiftのオリジナル製品は、スタートアップ企業やレストランの起業家であるOlivier Severyns(オリヴィエ・セヴェリンス)氏が、自身のスタッフ当番表を管理するために作ったものだった。その後、同氏は他の企業向けにSnapshiftを起ち上げることを決めた。現在では70名以上の従業員を抱えているが、2022年には150名に増員することを目指している。

セヴェリンス氏は、次のように述べている。「私たちの使命は、中小企業が人事関連のあらゆる事柄を理解し、最適化するための支援をすることです。給与管理やスタッフのスケジュール管理を簡素化し、刻々と変化する社会法や雇用法などの複雑な問題についてガイダンスを提供します。Snapshiftの顧客の多くは、新型コロナウイルスが招いた持続的な人材確保の問題から影響を受けています。Snapshiftの製品によって、顧客は管理システムを近代化し、信頼と透明性を促進することで、従業員にとって『働きがいのある会社』にすることができるのです」。

Highland EuropeのパートナーであるJean Tardy-Joubert(ジャン・タルディ・ジュベール)氏は、次のように述べている。「私たちは、広範なホスピタリティおよびサービス業界で、Snapshiftが解決しているまさにそのようなペインポイントに悩む無数の企業と話をしました。多くの業界が、ますます深刻さを増している人材不足の問題に直面している今、Snapshiftのミッションクリティカルなプラットフォームを他の業界に導入する大きなチャンスがあると、私たちは確信しています。オリヴィエと彼のチームが、このような短期間で成し遂げたことに非常に感銘を受けています」。

セヴェリンス氏は「当社の最大のライバルはExcel(エクセル)です。当社の顧客の80~90%は、Excelから初めてのデジタルスケジューリングソリューションに移行しています」と付け加えた。

しかし、SnapshiftにはSkello(スケロ)とPlanday(プランデイ)というSaaSの競合企業が存在する。

同じくフランスを拠点とするSkelloは、これまでに5440万ドル(約62億7000万円)を調達しており、デンマークのPlandayは、7310万ドル(約84億2000万円)を調達している。このように、HR機能をシンプルなアプリにするための競争が繰り広げられているのだ……。

画像クレジット:Snapshift founder Olivier Severyns

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

全メンバーにとってベストな会議日時を教えてくれるチーム向けカレンダーアプリ「Rise」

チームワークに特化したカレンダーアプリに取り組む新しいスタートアップ、Rise(ライズ)を紹介する。Riseは、あなたが計画していることを確認、あなたのチームが今何をしているかをチェックし、さらに重要なこととして、チーム全体にとってできるだけ都合のよいミーティングをスケジュールするのを助ける。

現在プライベートベータ版であるRiseは、Lachy Groom(レイチーグルーム)、Stewart Buttlefield(スチュワート・バトルフィールド)、Adriaan Mol(アドリアン・モル)、そしてビジネスエンジェルたちの長いリストから300万ドル(約3億4500万円)を調達した。

上のスクリーンショットを見る限り、Riseは多くのカレンダーアプリと同じように見える。しかし、主な差別化機能は、スケジュール管理エンジンで、そのおかげで次の会議の最適な開始時間について考える必要がない。Calendly(カレンダリー)のリンクは必要ないのだ

アカウントを作成すると、Riseはあなたにとっての完璧な1週間を設定するよう求める。つまり、あなたの1週間の青写真のようなものだ。例えば、午前中のミーティングは苦手という人もいるだろう。逆に、ミーティングに適した時間帯を設定することもできる。Riseは、1週間をミーティングタイムとフォーカスタイムに分ける。

チームがRiseに登録したら、コマンドバーを開いて「来週、サムとサラとミーティング」などと入力すれば、新しいミーティングを作成することができる。アプリは自動的に情報を解析し、あなたが他の2人のチームメンバーと新しいミーティングを予定したいことを理解する。

Riseは、すべての参加者の空き時間、タイムブロック、およびプリファレンスをチェックする。裏側では、各時間帯のランキングアルゴリズムがあり、Riseは最も良いランキングの結果を選ぶ。その結果、チームメンバー全員が集中するための時間を取り戻すことができる。

このスタートアップは、SaaS(Software-as-a-Service)方式で、毎月のサブスクリプションを提供したいと考えている。チームはRiseを使い始める前に、自分のアカウントをRiseに接続し、Riseをずっと使っていたらどれだけ時間を節約できたかを見ることができる。

もしRiseが多くの企業にカレンダーを使うように説得できれば、社外の人とのミーティングにおもしろいネットワーク効果が期待できるかもしれない。例えば、Riseを使っている2つの会社の間で、関係者全員にとって適切なタイミングで、Riseが自動的にミーティングをスケジュールしてくれるかもしれない。

Riseを使用していない人とのミーティングのスケジュールに関しては、明白な解決策はない。Calendlyは、忙しい人が空き時間のリンクを共有するための一般的なオプションであり、Riseはこの面でいくつかの既存の競合があることを認識している。

「空室状況をすばやくコピー&ペーストしたり、カレンダーのランディングページを作成したりと、類似の製品にあるような、明らかに追加できることがいくつかあります。しかし、そのような機能を提供するすばらしい製品もすでにあり、本当に10倍の飛躍を遂げるのは難しいでしょう」と、Riseの共同設立者であるRick Pastoor(リック・パストーア)氏は私に語ってくれた。

パストーア氏は「GRIP(グリップ)」というプロダクティヴィティについての本も書いており、オランダで好評を得ている。その著書は75000 部以上も売れている。Riseは、最近出現しているカレンダーのスタートアップの新しい波の一部で、Cron(クロン)、Hera(ヘラ)、Amie(アミー)などと競合することになる。

Riseは、時間管理に関する意見を述べることで、競合他社に差をつけられると考えている。「私たちは、ノブやオプションでいっぱいのコックピットを作りたいとは思いません。私たちは、ユーザーやチームが最も重要なことに到達するのを助けたいのです。そのためには、最初のインプットが必要ですが、実は、スケジュールを指定しなくても、時間管理を確実に把握できるようになれば、すぐにでも、それらを移動させたいと思っています」とパストーア氏は述べている。

画像クレジット:Rise

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(文:Romain Dillet、翻訳:Yuta Kaminishi)

時間給労働者向けのオールインワンの労働力管理ツールを提供するNowstaが新たな資本を獲得

Nowsta(ノースタ)は、ハイブリッド化が進む労働環境において、雇用主が時間給労働者とより密接に関わることを支援するアプローチでベンチャーキャピタルを魅了した。

同社は米国時間1月19日、GreatPoint Ventures(グレートポイント・ベンチャーズ)が主導するシリーズBで4100万ドル(約46億8500万円)の資金調達を発表し、これまでの資金調達額は5900万ドル(約67億4200万円)に達した。今回の資金調達には、GreatPointの他、VMG Catalyst(VMGキャタリスト)、Rally Ventures(ラリー・ベンチャーズ)、Tribe Capital(トライブ・キャピタル)、既存投資家のGreen Visor Capital(グリーン・バイザー・キャピタル)、Compound Ventures(コンパウンド・ベンチャーズ)、Clocktower Technology Ventures(クロックタワー・テクノロジー・ベンチャーズ)が参加している。

CEOのNick Lillios(ニック・リリオス)氏は2015年にNowstaを設立し、その後1年半をかけて、ニューヨークのフードサービス業者との自身の仕事経験から生まれたこの技術を構築した。時間給労働者の運用の複雑さが同社の技術の着想の源であり、時間給労働の変化についていけない現在の労働力管理ソリューションに対する答えであった、と彼はいう。

Nowstaのウェブとモバイルアプリは、自動スケジュール管理、タイムトラッキング、給与計算、コミュニケーションなどの労働力管理ツールをオールインワンのリソースに統合したもので、信頼できる第三者人材派遣業者が調達した熟練労働者と雇用主をつなぐオンデマンド型労働マーケットプレイスも含まれている。また、ウォレット機能もあり、ユーザーはシフトごとに支払いを受け、将来の稼ぎを確認することができる。

「どの雇用主も臨時労働力を活用し、その隙間を埋めるために1099型労働者(米国における個人事業主)を使おうとしている」とリリオス氏はTechCrunchに語っている。「我々の市場は、必要としている雇用者と従業員をマッチングし、彼らがどのように訓練され、審査されたかを見ることができるので、雇用者は迅速な決定を下すことができます」。

同社は2019年4月に810万ドル(約9億2500万円)のシリーズAを調達し、マーケットプレイスを作るための後押しとなった。世界的なパンデミックが発生したとき、Nowstaは従業員を一時解雇しなければならない顧客と協働を開始し、このリソースによって同社は顧客が従業員を他の仕事に移行させる手助けをすることができたのだ。

リリオス氏は、時間給の仕事が元に戻るとは思っていない。むしろ、より多くの従業員が柔軟性を求め、より多くの雇用主が適応するためのツールやリソースにアクセスできるようになるため、過去2年間に見られたシフトは永続的に続くだろう。

かつてテクノロジーに乏しかったこの市場には、現在、このように十分なサービスを受けていない人々に注目するスタートアップがひしめいている。直近では、従業員の能力を引き出すアプリで3200万ドル(約36億5500万円)のシリーズB資金を調達したAskNicely(アスクナイスリー)について報じた。

その他にも、フロントワーカーが組織で使われているさまざまなITサービスを利用したり、お互いに交流したりするためのアプリ、Blink(ブリンク)などがある。シフトワーカーと雇用主をマッチングするマーケットプレイスのShiftsmart(シフトスマート)は9500万ドル(約108億円)を調達し、メッセージングアプリのWhen I Work(ウェン・アイ・ワーク)は2億ドル(約228億円)という巨額のラウンドに至った。一方、Fountain(ファウンテン)は8500万ドル(約97億1000万円)、Seasoned(シーズンド)は1870万ドル(約21億3600万円)を調達し、レストラン従業員のためのツールを開発した。2022年の初めには、Homebase(ホームベース)が7100万ドル(約81億1100万円)を調達し、ホームサービスのプロに焦点を当てたWorkiz(ワークイズ)が1300万ドル(約14億8500万円)を調達した。

現在、Nowstaの技術は、スポーツスタジアム、ホテル、フードサービス業者、倉庫など600の雇用主で、毎月30万人以上の労働者を管理している。パンデミックの間、より多くのスタジアムやホテルがオンラインに戻り、約1000人の従業員を雇用する必要があったため、Nowstaは最初に数百人の労働者を調達することができた。リリオス氏は「ビジネスに革命を起こし、フレックスワークの新しいモデルを切り開いた」と述べている。

今回の資金調達により、新たに米国内の25の市場に事業を拡大し、年末までに68人の人員を倍増(2021年は25人)し、製品開発や営業・マーケティングに投資することが可能となる。2021年に収益を大きく伸ばした後、リリオス氏は、それを繰り返すことは考えていないものの、2022年の収益は少なくとも3倍から5倍に成長すると予測している。

GreatPoint VenturesのマネージングパートナーであるAshok Krishnamurthi(アショク・クリシュナムルティ)氏は、文書で次のように述べている。「この2年間で、労働市場にパラダイムシフトが起き、時間給やフレックスタイム制がますます普及しています。あらゆる種類の企業が、オンデマンドの労働力に簡単に繋がり、効率的に管理しなければならなくなりました。そのための最も効果的な方法がNowstaであり、ニックとそのチームと提携してこのビジョンの達成を支援できることを、これ以上ないほどうれしく思っています」。

画像クレジット:Marko Novkov/EyeEm / Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

スマートカレンダーツールのClockwiseはAIを活用してリモートワークでの「燃え尽き」をなくす

時間管理とスマートカレンダーツールのClockwiseがシリーズCで4500万ドル(約51億6000万円)を調達した。このラウンドを主導したのはCoatueで、他にAtlassian Venturesとこれまでに投資していたAccel、Greylock Partners、Bain Capital Venturesも参加した。今回のラウンドでClockwiseの調達金額合計は7600万ドル(約87億1700万円)となった。ClockwiseはAIを活用して勤務中の時間の制約をなくし「燃え尽き」などリモートワークやハイブリッドワークに関連する問題の解決を目指す。

2016年にGary Lerhaupt(ゲイリー・ラーハウプト)氏、Matt Martin(マット・マーティン)氏、Mike Grinolds(マイク・グリノルズ)氏がClockwiseを創業した。この3人はRelateIQで働いているときに出会った。RelateIQは2014年にSalesforceに3億9000万ドル(約447億3000万円)で買収された。3人には共通のゴールがあった。それは人々が作業に集中する時間をもっと作れるようにしたいということだ。

ClockwiseのCEOであるマーティン氏はTechCrunchに対してメールで次のように述べた。「Clockwiseは現代の勤務時間のためのソリューションです。チームのスケジュールを最適化して、みんなの毎日にもっと時間を作ります。一緒に働いているときには存在感を得られ、1人で働いているときには集中できます。我々は、人々の時間を心から尊重し健康で持続可能な仕事の未来を作る、新しい働き方を実現します」。

Clockwiseのプラットフォームは2018年に公開され、これまでに400万件の会議を柔軟にリスケジュールしてきた。また邪魔されずに集中する「フォーカスタイム」を200万時間以上生み出してきた。フォーカスタイムはカレンダーを自動でブロックすることで作業に集中する時間の長さを可視化する機能だ。ClockwiseはNetflix、Twitter、Coinbase、Atlassian、Asana、Airtableなど1万以上の組織でカレンダーの最適化に使われている。

画像クレジット:Clockwise

現在、ClockwiseはCalendlyDoodleReclaimなどのスマートカレンダーやスケジューリングのツールと競合している。マーティン氏によれば、Clockwiseは同社が「タイムオーケストレーション」と呼んでいる新しいカテゴリーを作っている点が他のスマートカレンダープラットフォームとは違うという。タイムオーケストレーションとは、組織レベルでスケジュールをまとめる最新のやり方だ。

マーティン氏はこう説明する。「このカテゴリーは始まったばかりです。したがって我々の主な競合は、自分の時間を最適化しようとすると同僚の生産性にマイナスの影響を与えることがあると認識していない人々です。Clockwiseの優れている点は企業の勤務時間を調整することです。最大100万のカレンダーを並べ替えて、どんなチームでも全員にとってできるだけ最適なスケジュールを立てることができます」。

Clockwiseは今回の資金でAIテクノロジーを進化させ、同社プラットフォームを世界中のチームに導入することを目指す。全部門で人材採用を進め、現在は25のポジションを募集中で2022年中にさらに100のポジションを募集する予定だ。

マーティン氏は今後について、Clockwiseは勤務中の時間に関する制約をなくせるように引き続き成長し拡張していくと述べた。同氏は、Clockwiseは現在のところ社内会議の管理のみを対象に設計しているが将来的にはスケジュール機能が劇的に向上するだろうと説明した。

「我々は高度なAIと機械学習のモデルに投資して、フォーカスタイムの創出と質の高いミーティングの実施の両方に取り組んでいます。Clockwiseには、例えばMicrosoft 365を使っている何億人もの人たちに新しい働き方をもたらすような、魅力的な新しいプロダクトと機能拡張が今後たくさん予定されています」とマーティン氏はいう。

Clockwiseは2020年6月にBain Capital Venturesが主導するシリーズBで1800万ドル(約20億6500万円)を調達しており、今回はそれに続くシリーズCとなった。2019年6月にはGreylockとAccelが共同で主導した1100万ドル(約12億6000万円)のシリーズAを発表していた。

画像クレジット:Clockwise

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

5万ユーザー超の日程調整自動化ツールTimeRexがSlackと連携開始、打ち合わせ相手の調整完了やキャンセルを通知

5万ユーザー超の日程調整自動化ツールTimeRexがSlackと連携開始、打ち合わせ相手の調整完了やキャンセルを通知

ミクステンドは12月9日、5万ユーザー超(2021年10月現在)の日程調整自動化ツール「TimeRex」(タイムレックス)と、コミュニケーションツール「Slack」(スラック)との連携開始を発表した。今回の連携により日程調整結果をSlackに通知できるようになり、予定についてのコミュニケーションをSlack上でシームレスに展開可能となった。同機能は、TimeRexの全プランで利用可能。またSlack側アカウントについても、無料プランからTimeRexと連携できる。

TimeRexは、GoogleカレンダーやOutlook予定表とリアルタイムに連携し、日程候補のリストアップから予定登録まで、面倒な日程調整タスクを自動化するサービス。ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetとも連携可能だ。

今回のSlack連携機能は、打ち合わせ相手がTimeRexで日程調整を完了した時やキャンセルした時の通知に関して、Slackの任意のチャンネルで受け取れるというもの。Slackメッセージ上には予定の日時やカレンダー名、参加者が表示されるほか、予定に関するすべての情報を確認できる予定詳細ページのURLも記載される。連携方法の詳細は、「TimeRexサポート」内の「Slack連携」で紹介されている。

TimeRexでは、日程調整後の業務効率化ニーズに応える機能として、日程調整結果をチームのメーリングリストなどに送信できる機能を提供している。ただSlack利用企業の場合、予定詳細を改めてSlackで共有する手間や、通知メールがメールボックスに埋もれてしまい共有が漏れてしまう課題があったという。

そこで、チームでの円滑な情報共有を実現するため日程調整結果をSlackに通知するSlack連携機能をリリースした。この連携によりSlackでの情報共有が自動化され、予定についてのコミュニケーションをSlack上でシームレスに展開可能になった。

ますます活躍する時間給労働者のシフト調整などを行うメッセージアプリ「When I Work」が約226億円調達

時間給労働者は全労働人口の約55%を占めているが、仕事の世界のために構築されたテクノロジーに関しては、いわゆる知識労働者がその空間を支配している。米国時間11月1日、前者のニーズに特化して作られたアプリを提供する企業が大規模な資金調達ラウンドを発表した。ビジネスソフトウェアの進化する展望、そして時間給労働者とシフト制労働者がますます活躍していることを示すものだ。

When I Work(ウェン・アイ・ワーク)は、企業に雇用されている時間給労働者のシフトへのサインアップ、同僚とのシフト交換、シフトに入れないときの経営者や他者への通知などを可能にする、広く利用されているメッセージングプラットフォームだ。同社はこのほど2億ドル(約226億円)の資金調達ラウンドを完了した。この資金は事業開発とプロダクトの拡充に充てられる。

今回の資金は単一の投資家であるBain Capital(ベイン・キャピタル)、具体的にはそのTech Opportunities Fund(テック・オポチュニティーズ・ファンド)によるもので、両者は評価額を明らかにしていないが「過半数の成長投資」と説明しており、約4億ドル(約451億円)を示唆している。When I Workの収益性は好調で、2020年の6月から続いている、とCEOのMartin Hartshorne(マーティン・ハートショーン)氏はインタビューで語っている。パンデミック渦中の生活と経済の不確実性の深刻さを考えると注目に値するものだ。11年前に2400万ドル(約25億円)ほどの資金を調達後、同社が確保した堅調な伸びが、今回の資金調達の理由につながった。

「当社は新たなフェーズに入りました」と同氏は述べ、現在の成長率は「35%を超えて」おり、利益を生み出していることを明らかにした。「顧客はプロダクトを気に入り、企業文化は実に優れています。すばらしいものを手に入れて、新しい段階に挑戦する時を迎えました」。

これまでの投資家にはArthur Ventures(アーサー・ベンチャーズ)、Drive Capital(ドライブ・キャピタル)、Greycroft(グレイクロフト)、High Alpha(ハイ・アルファ)などが名を連ねている。

2010年にミネアポリスで創業したWhen I Workが提供するアプリは、小規模ビジネスや有名どころのフランチャイズ(Dunkin’[ダンキン]、Ace Hardware[エース・ハードウェア]、Ben&Jerry’s[ベン&ジェリーズ]、Kenneth Cole[ケネス・コール]など)を中心に、全米の約20万のビジネスで約1000万人の時間給労働者に利用されている。その成長の一部は、特に市場のニーズの変化に起因している。一部の小売業者は事業を閉鎖せざるを得なくなり、完全に閉鎖したところもある一方で、ヘルスケアなどの他のセクターは勢いを増してきた。

2021年の第2四半期に同社が「ワクチン接種オペレーションのスピンアップ」としてシフトベースのシステムを構築し、50社を超える顧客を獲得したことにハートショーン氏は言及した。同社は計画として、米国におけるオポチュニティの強化を継続し、国際的な展開で他の市場への進出を開始することを視野に入れている。

アプリ自体に関しては、主にシフト制や時間給のスタッフとのコミュニケーションを容易にするためのツールの提供において、その存在を認められてきた。こうした人々の勤務時間の特徴として、会議時間に合わせて全員が同時に仕事をしている可能性は低く、仕事中のスケジュールも変動する可能性があり、顧客のトラフィックや従業員自身の状況に応じてシフトする必要のあるスケジュールも存在する、という側面がある。

その名が示すように、When I Workの最も使用されている機能はシフト管理とチームとのコミュニケーションであり、このセグメントの労働者にとって最大かつ最も一般的な生産性の課題に対処している。しかし、時間の経過とともに、同社はオーディエンスとエンゲージメントを活用して他のサービス、例えば給与管理の促進(より特化した給与管理ソフトウェアとの相互接続)、労働レポートやアナリティクスを追加してきている。この部分は、自律的な成長としても、そしておそらく買収という形での成長としても継続していく要素として見込まれている。

仕事の世界に対応するソフトウェアは、この10〜20年の間、いわゆる知識労働者に主に焦点を当ててきた。コンピュータやスマートフォンを装備し、ソフトウェアやアプリに依存する仕事に縛られているこのセグメントは、より多くのソフトウェアツールに自然に適合してきたものの、どちらかといえば時が経つにつれて専門化されるだけであり、特定の業界やユースケースに対応するものとなっている。

しかし、デジタル変革および一般の人々の間のスマートフォン利用の増加は、職場におけるソフトウェア向けのプロダクトやユースケースの幅を広げ、より広い範囲の労働者の利用につながる新たなオポチュニティを数多く提供している。全体として、人々は日々の仕事以外の生活の中でアプリやその他のデジタルプロダクトを使用する方向にシフトしており、そうした人々はまた、自分たちの仕事をより簡単にするためのツールを求めていて、それを受け入れる準備もできている。

When I Workの場合、従業員は自分のスマートフォンにアプリをインストールする。これは、このカテゴリーの労働者の間で個人所有デバイスの持ち込みが知識労働者よりもさらに強い傾向にあることを示している(ログイン方法は他の仕事用アプリと同様で、自分が働いている会社と自分の携帯電話番号やメールの情報に基づいている)。ハートショーン氏によると、成長の大部分は口コミによるもので、以前の仕事で同社のアプリを使ったことがある従業員が、新しい雇用主にその導入を勧めているという。

しかしそのより広範なトレンドを考えると、競合他社が存在することは驚くに値しない。またそこまでの存在にはまだ至っていないものの、同じセグメントの労働者に対応していて、競合相手となるポテンシャルがある企業も存在する。その中には次のような企業が含まれている。2021年初めに7100万ドル(約80億円)を調達したHomebase(ホームベース)、ホームサービスのプロに特化したWorkiz(ワークイズ)、現在は採用およびフルタイム以下の従業員のシフトへの登録を主な目的としているFountain(ファウンテン)とWonolo(ウォノロ)、WorkWhile(ワークホワイル)、現在はフロントラインの労働者のための生産性プラットフォームとして機能しているYoobic(ヨービック)、Squareが2021年初めに買収したCrew(クルー)、現在700万の有料ユーザーを擁するWorkplace(ワークプレイス)、そして9月に上場申請を行ったJustworks(ジャストワークス)。これらの中には同じユーザー層を対象としながらも機能が異なるものもあるという事実は、When I Workのロードマップのようなものを提示しており、それがどのように拡張され得るかも示している。

Bain Capital Tech Opportunities(ベイン・キャピタル・テック・オポチュニティーズ)でマネージングディレクターを務めるPhil Meicler(フィル・メイクラー)氏は、 When I Workのエンゲージメントが、この大きなフィールドで同社のアプリをより魅力あるものにしていると語っている。When I Workは、ユーザーの85%が少なくとも週に1回ログインし、利用するアプリとなっている。

「今日の現代的なワークフォースにおいて、これほどあきらかな生産性向上と強い従業員エンゲージメントをもたらすソリューションは他に類を見ないものです」。時間給労働セクターの労働力不足が最近ますます深刻になっていることを指摘しながら、メイクラー氏は続けた。「それを大規模かつ効率的に行うことは、実行に困難をともないます。成長と収益性の組み合わせは、When I Workに私たちが大きな期待を寄せた理由の中核部分でした」。

同氏はまた、BainはHRスイートの拡大継続を目指して「マーティン(・ハートショーン)氏のビジョンを共有している」と付け加えた。「その目的は、従業員が他に何を使うのか、彼らの生活をより楽にするために私たちはどのように拡張できるのかという、従業員の目を通してプロダクトを構築することに置かれています。そしてWhen I Workにはスケジューリングのすばらしい基盤があります。自律的に、またM&Aを通じて成長していくための独自のオポチュニティを同社は有しています」。

画像クレジット:Dunkin’

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

人気だった「Sunrise」の流れを汲むデザイン性の高いMac用カレンダーアプリ「Cron」

Cron(クロン)はMac用の新しいカレンダーアプリで、この分野に革新をもたらそうとしている。このスタートアップは、インスピレーションの源としてSunrise(サンライズ)に直接言及している(Sunriseはかつて人気のあったカレンダープロダクトで、Microsoftに買収された)。

Cronは2020年のY Combinatorの冬のセッションに参加し、2020年3月に350万ドル(約4億円)のシード資金を調達した。Initialized CapitalのGarry Tan(ガリー・タン)氏がこのラウンドをリードし、さまざまなエンジェル投資家も参加した。その中には、Elad Gil(エラッド・ギル)氏、Figmaの創業者Dylan Field(ディラン・フィールド)氏、LinkedInの元CEO、Jeff Weiner(ジェフ・ウェイナー)氏、Sunriseの共同創業者Jeremy Le Van(ジェレミー・ル・バン)氏などが含まれる。

Cronのウェブサイトを見ると、特集ページもダウンロードリンクもない。「我々はまだ会社やプロダクトを発表していません。セミステルス状態です」とCronの創業者、Raphael Schaad(ラファエル・シャード)氏は話した。

筆者はまだこのアプリを使っていないが、シャード氏が通話中に自分の画面を見せてくれ、アプリを自分の目で見ることができた。このアプリは、まだプライムタイムの準備はできていないが、いくつかの気の利いた機能を備えた、デザイン性の高いカレンダーアプリに仕上がっている。

重要なのは、他のカレンダーアプリとの差別化を図るための追加機能を実現するための強力な基盤を備えていることだ。

シャード氏は次のように語った。「私は、自分自身とのミーティングを予定するようになりました。カレンダーの上にレイヤーを作るべきだと考えていました」。しかしその前に、複数のタイムゾーン、他の人とのミーティング、通知などを処理する適切なカレンダーアプリがなければ、カレンダーの上にレイヤーを構築することはできないと気づいた。

画像クレジット:Cron

Cronのメインウィンドウは、中央に週表示、隅に小さな月表示、左にアクティブなカレンダーのリストがあるカレンダーアプリだ。Apple(アップル)のカレンダーを使ったことがある人なら、違和感なく使えるだろう。

Cronでは、メインウィンドウの右側にもカラムが用意されている。イベントをクリックすると、そのカラムにイベントの詳細が表示される。そこから、日時の変更、参加者の追加、会議リンクの追加などができる。

イベントの長さを変更したり、別の日に移動させたりすると、週表示がリアルタイムで更新されるので、Enterキーを押す前にその変更状態を確認することができる。

イベントを選択していない場合は、次のイベントが表示され、そのイベントにビデオ会議のURLが添付されている場合は、会議に参加するためのボタンが表示される。Cronは、Google Meet、Zoom、Microsoft Teams、Whereby、BlueJeans、Around、Skype、Google Duoに対応している。Fantasticalのユーザーであれば、すでに毎日のようにこの機能を使っているはずだ。

Cronでは、コマンドメニューを使ってすばやくイベントを作成することができる。キーボードのショートカットを押すと、自然言語でイベントのスケジューリングを開始できる。また、このメニューからイベントや人を検索することも可能だ。

筆者が特に興味を持った機能がいくつかある。まず、電子メールやWhatsAppでの会話中で、簡単に予定を共有することができるだ。

カレンダーのスケジュール機能では、多くの場合、空き時間をまとめたリンクを生成する。これでは、リンクをクリックしないと誰かの空き時間をすぐに確認することができないため、うまく機能しない。

Cronでは、キーボードのショートカットを押すと「空き時間を共有」という別のモードになる。その後、カレンダーの時間ブロックを直接選択することができる。テキストブロックが生成されるので、これをコピーしてGmailやメッセージなどに貼り付ければ、誰かと会話するときに便利だ。

それは以下のような感じだ。

以下の時間帯(いずれも中央ヨーロッパ時間)のうち、30分ならどうでしょうか?

・11月8日(月)午前11時~午後12時30分、または午後1時30分~4時
・11月9日(火)午前8時30分~10時、または午前11時~午後12時

また、Cronは、同僚がいつ空いているかをCronから直接見ることができるので、チームでの作業がしやすくなる。サイドバーでは、一緒に仕事をしている人を追加することができる。その後は、他のカレンダーと同じように使える。

メンバーのカレンダーを表示したり、隠したりすることで、その人の空いている時間を確認することができる。また、相手の名前をクリックすると、自分のカレンダーに相手の名前をドラッグ&ドロップして、相手とのイベントを作成することができる。

シャード氏は、自分のスタートアップに大きなビジョンを持っている。「インターネットのタイムレイヤーを構築したいのです」と同氏は話す。現在、Cronは一部のユーザーに早期アクセスで提供されており、アプリはGoogleアカウントのみに対応している。しかし、MicrosoftとiCloudのアカウントに対応して、すぐに誰でも利用できるようになるはずだ。

まだ初期段階だが、Cronがどのように進化していくのか、アップデートを追いかけていくのもおもしろそうだ。Appleプラットフォーム用の洗練されたネイティブアプリであるFantasticalを好む人もいるだろう。しかし、主張のある代替案があるのは良いことだ。

画像クレジット:Cron

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

バーチャル会議が多い人のための新しいカレンダーアプリ「Hera」、自然言語処理でスケジューリングを簡単に

カレンダーを仕事のメインのインターフェイスにすることを目指すアプリ、Heraを紹介しよう。Heraは自然言語処理で会議のスケジューリングを簡単にし、あなたの空いている時間をメールやメッセージングアプリで共有する。それ以外の業務用ツールとの統合も進められているので、会議前に重要な情報を確認し、会議後に情報を取り出すこともできる。

Heraは、Eurazeo(当時のブランド名はIdinvest)と数人のビジネスエンジェルによるプレシードラウンドで46万5000ドル(約5300万円)を調達した。その後、YコンビネーターのS21期に参加し、Eurazeoが主導するシードラウンドで170万ドル(約1億9000万円)を調達した。

Heraに投資したビジネスエンジェルには、Alexis Bonillo(アレクシス・ボニーロ)氏、Thibaud Elzière(ティボー・エルジエール)氏、Kyle Parrish(カイル・パリッシュ)氏、Calvin French-Owen(カルヴァン・フレンチ・オーウェン)氏、John Gabaix(ジョン・ガベックス)氏、Karthik Puvvada(カールティック・プバダ)氏がいる。他にNotion CapitalとKima Venturesも投資した。

もともとHeraは会議中にメモをとることを主眼としたカレンダーアプリとしてスタートした。Yコンビネーターに参加した後、プロダクトは大幅に進歩した。現在は、たくさんの(バーチャル)会議に関わる多忙な人がイベントのライフサイクル全体を管理するアプリになっている。

まず、Heraは会議の予定を立て、準備をするのに役立つ。わずか数クリックで複数の時間帯を選択できる。その後、わかりやすいテキストが自動で生成され、このテキストをコピーして、メールやWhatsAppの会話など次の会議について話している場のどこへでもペーストできる。

これはメッセージを受け取る人にとって、これまでの会議スケジューリングツールよりもずっと親しみやすいインターフェイスだ。発信元の人はリンクを生成する必要がなく、相手はリンクをクリックして会議の日時を確認する必要がない。

画像クレジット:Hera

次に、Heraは今後の会議の関連情報を取り出す。会議をする相手に関する情報はすでにたくさんあるはずだ。メールを送受信したりする他、CRMを使っているかも知れないし年に数回会っているかも知れない。

共同創業者でCEOのBruno Vegreville(ブルーノ・ベグレビル)氏は筆者に対し「我々はプロジェクト管理プラットフォームになるつもりはありません。ユーザーがすでに使っているツールと統合しようとしています」と述べた。

Heraを使って会議の前に大切なことを忘れないようにメモを作成することができる。会議中にメモを追加し、その後はこのデータをNotionなどメモを記録するアプリに書き出せる。

画像クレジット:Hera

現時点ではHeraはGoogleカレンダーをレベルアップしたい人に最も向いている。今後は複数人数で使えるコンポーネントが追加される予定だ。例えば自分と相手の両方がHeraを使っていればスケジューリングがもっと楽になるだろう。自分のカレンダーから直接、他のHeraユーザーに言及して会議のフィードバックをもらうことも想像できる。

ここ数カ月間、Heraはプライベートベータだった。同社のビジョンは明確だ。Superhumanなどの生産性ツールはスレッドを整理して受信メールに対応する際の効率を上げてきた。会議をスレッドと考えれば、HeraはカレンダーのSuperhumanになる可能性がある。

画像クレジット:Hera

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

メンバーの出社、在宅勤務がひと目でわかるハイブリッド型スケジューリングアプリ「Café」

当初2人の兄弟によって創業されたフランスの新しいスタートアップCafé(カフェ)は、リモートとオフィスのハイブリッド就労モデルへの、企業の切り替えを支援する。Caféは、これまでみられたようなデスク予約ツールではない。その代わりに、チームのメンバーがいつオフィスに来るのかを確認して、自分がいつオフィスに行くべきかを計画できるようにしてくれる。

Caféは、作業場所を重視するのではなく、まず人を重視する。共同創業者でCTOのArthur Lorotte de Banes(アスチュー・ルーホー・ド・バネス)氏は「私たちは、ユーザーに直接デスクを予約させないことを決めました」と語る。

アプリを開くと、シンプルなカレンダービューが表示される。それぞれの日ごとに、オフィスに来ている人、自宅で仕事をしている人などのグループごとに分けられたチームメンバーを見ることができる。

数回タップするだけで、他の同僚に自分の予定を伝えることができる。そうすることで、ミーティングの予定を立てたり、直接会って話をしたり、単に出社のタイミングを合わせたりすることが簡単になる。また、同じプロジェクトに取り組んでいる場合、特定の同僚と予定が合う日を見つけやすくなる。

「150社にインタビューをしたのですが、最初の5社にインタビューした時点で、各社が同じ問題を抱えていることがわかりました。みんながスプレッドシートを使っているのです」というのは共同創業者で現CEOのTom Nguyen(トム・ニュイゲン)氏だ。

画像クレジット:Café

Caféのようなツールを使うことで、自分のオフィスについての洞察を得ることもできる。例えば、曜日や日付ごとに、オフィスの平均出勤人数を確認することができる。管理者は、全員に情報を確実に記入してもらえるように、毎週発行するリマインダーを設定することができる。

モバイルアプリとウェブアプリに加えて、Caféは既存のツールとの統合が可能だ。例えば、CaféのアカウントとSlackを連携させることで、SlackでのステータスをCaféでのステータスに反映させることができる。チームメンバーは、他のメンバーの名前にカーソルを合わせことで、相手がオフィスにいるのか、在宅勤務中なのかを知ることができる。

また同社は、PayFit(ペイフィット)などの人事情報システムとの統合も進めており、休暇がCaféと自動的に同期されるようになる。

画像クレジット:Café

各企業が、オフィスへ戻るための計画を立て始めた絶好のタイミングで、Caféは市場に登場した。企業は、それぞれのニーズに合わせてカスタムステータスを作成することができる。例えばあるCaféユーザーはオフィスが開いていることを確実にするために、誰がオフィスの鍵を持っているかがわかるステータスを作成した。

今回同社は、100万ドル(約1億1000万円)のシードラウンドを行った。出資者は122West、Kima Ventures、Jonathan Widawski、Guillaume Lestrade、Jacques-Edouard Sabatier、そしてWeWork(ウィーワーク)、Dropbox(ドロップボックス)、Github(ギットハブ)、Snapchat(スナップチャット)、Intercom(インターコム)、Stripe(ストライプ)、Alan(アラン)、PayFitに勤務する、または勤務した経験のあるさまざまなビジネスエンジェルたちだ。

Typeform(タイプフォーム)、Doodle(ドゥードゥル)、Slido(スライド)と同様に、Caféはフリーミアム戦略を選択している。チームは無料でサインアップし、身近な同僚たちと一緒に製品を使い始めることができる。登録に際してカード情報の入力は不要だ。

ユーザー数を増やして組織全体に展開したい場合には、支払いを始める必要がある。スタートアップは、そうした従業員たちが全社のための製品支持者になってくれると考えている。また、職場の従業員の幸福度向上を目的とした製品には、適切な戦略だと思える。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Caféスケジュール管理オフィスリモートワーク資金調達フランス

画像クレジット:Café

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)