新型コロナ対策で米国・カナダのスタバ全店舗で一時的に「持ち帰り」販売のみに

米国時間3月15日よりスターバックスは、米国とカナダの全店舗で一時的に「持ち帰り」方式への シフトを実施する。これは主要飲食チェーンの中でも徹底した取組みであり、コーヒーの巨人は新型コロナウイルス(COVID-19)が急速に蔓延する中で「社会距離戦略」(Social Distancing Measure)の推進に協力しようとしている。

「店舗内およびテラスの座席を閉鎖する措置を最低でも2週間続ける」と同社は説明する。スターバックスはアプリによる事前注文、一部店舗でのドライブスルー、カウンター注文の持ち帰り、および配達による販売に専念する。

学校、ショッピングモールのような「社会的密集地帯」の店舗は一時休業する。新型コロナウイルスの大型クラスターが発生した場所も同様だ。

「ご承知のとおり、新型コロナウイルスの状況変化は著しく、今後も事実と科学に基づき、当社の社員、顧客、そしてコミュニティーを守るために先を見越した判断を心がけていく」と同社のRossan Williams(ロッサン・ウイリアムズ)執行副社長が声明で語った。「コミュニティーによってニーズは驚くほど異なる。当社は責任ある行動をとり、CDC(疾病対策センター)や地域の公共衛生当局と協力することで、社員や顧客にとって正しい行動をとり続けていく」。

先週、CEOのKevin Jonson(ケヴィン・ジョンソン)氏は、「顧客と社員の健康と安全を最優先しつつ、地域の公衆衛生当局や政府指導者によるウィルス対策推進を支援する建設的役割を担っていく所存だ」と語った。

画像クレジット:Starbucks.comの許可を得て掲載

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スターバックスがUber Eatsのデリバリーサービスを全米に拡大へ

スターバックスは、Uber Eatsと組んだオンデマンドデリバリーサービスを拡大し、来年始めから全米で展開する。同社は2018年に初めてUber Eatsと提携し、マイアミでパイロットテストを行ったあと11都市に市場を拡大した。

「我々は新しくてユニークなデジタル体験を価値ある便利な形で顧客に届けなければならない」とスターバックスのグループプレジデントであるCEOのRoz Brewer氏が声明で語った。「Uber Eatsとの提携によって、スターバックスをあらゆる場所で顧客に届けるための一歩を進めることができる」。

現在スターバックスは、Uber Eatsを使った配達をマイアミ、シアトル、ボストン、シカゴ、ニュヨーク、ワシントンDC、サンフランシスコ、ロサンゼルス、オレンジカウンティー、ヒューストン、ダラスの各都市で提供している。今回の提携によって、利用者はUber Eatsアプリを使って注文し、配達状況をリアルタイムで追跡できるようになる。

「当社の顧客はスターバックスの大ファンで、お気に入りの商品がUber Eatsのスピードで届けられることを大いに喜んでいる」とUberEverythingのVPであるJason Droege氏が声明で語った。「両者の提携を全米に拡大し、顧客がお気に入りのコーヒーや朝食のサンドイッチを、車を呼ぶのと同じく簡単に注文できるようになることを楽しみにしている」。

Uber Eatsと提携する以前、スターバックスはPostmatesと組んで2015年に同じ目標に取り組んだ。しかし、シアトルで行った比較的小規模のテストは、長期の提携に至らなかった。

Uberが月間パスポートをテスト中、Eatsや自転車、スクーターも利用可能

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スタバの後を追う中国Luckin Coffeeが米国でのIPOで660億円超の調達を目論む

Luckin Coffeeは、スターバックスの後を追う野心的な中国のスタートアップ。間近に迫った米国でのIPOで6億ドル(約660億円)近くを調達する可能性がある。この金額は、Luckin Coffeeが公表した株式公開時の価格帯から算出したもの。

Luckinの申請によれば、3000万株を15〜17ドルの価格帯で売り出す計画だという。これにより、4億5000万ドル(約495億円)から5億500万ドル(約605億円)の資金調達が可能になる計算だ。ただし、引受会社が450万株の追加割当を受けた場合には、この金額はさらに膨れ上がることになる。全株が提示された価格帯の最高値で買われたとすると、総計は5億8650万ドル(約645億円)に達する可能性もある。

Luckin Coffeeは、ナスダックに「LK」として登録されることになっている。

Luckinは、先月に株式公開を申請したばかり。ニューヨークの未公開株式投資会社Blackrockが率いる1億5000万ドル(約165億円)のシリーズB+の資金調達ラウンドを完了してからわずか数週間後のことだった。この取引ではLuckinの市場価値が29億ドル(約3190億円)と評価された。またその結果、Lukinは創業から3年で、投資家から合計5億5000万ドル(約605億円)を調達したことになる。

Luckinは、これまでに膨大な額の現金を費やして、スターバックスに匹敵するブランドを短期間で構築することを企て、スターバックスが過去20年間に中国で確立してきた存在感にも対抗しようとした。攻撃的なプロモーションとクーポン発行の費用がかさみ、Luckinは2018年に4億7500万ドル(約523億円)の損失を計上した。1年間フルに営業したのはまだ2018年だけだが、その1年の売上は1億2500万ドル(約138億円)となっている。2019年第1四半期について見れば、7100万ドル(約78億円)の売上に対して、損失は8500万ドル(約94億円)だった。

スターバックスのCEOであるKevin Johnson氏は、こうしたLuckinの戦略を「非常な大安売り」であるとして、その現実性を声高に否定している。

「私たちは資本を投資して、年間600店舗を新たに展開しています。投資した資本に対して、それに見合う利益を生み出しており、今後何年もこのペースで新たな店舗を追加し続けていくことが持続可能であると信じています」と、最近のCNBCのインタビューに答えて語っている。

スターバックスは全世界で3万店もの店舗を構えるとしている。中国でもすでに20年間営業していて、2022年までに中国内で6000店の開設を目指している。一方のLuckinは、ベンチャーキャピタルからの資金で活動していて、2年に満たない期間で急速に2370店舗を展開した。さらに今年中に2500店を追加する計画だ。そうなれば、スターバックスを追い抜くことにもなる。スターバックスは現状で中国の150都市で計3600店舗を持っている。ただし、こうした数字の比較は、偏った印象を与えることになる。というのも、Luckinはオンラインで注文を受けて、オンデマンドで配達することに注力しているのに対し、スターバックスはあくまで店頭で注文、販売するモデルを採用しているからだ。

画像クレジット:FRED DUFOUR/AFP/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スタバがUber Eats導入、LINEとのタッグもーーデリバリーや事前注文・決済を強化へ

スターバックスコーヒージャパンは11月8日、顧客体験の価値向上のための戦略的な取り組みを発表した。

そこでは年間100店にのぼる新規出店を継続して日本市場をより強化させることなどに加え、Uber Eatsの導入やLINEとの提携、モバイル・オーダー・アンド・ペイ(事前注文・決済)についての計画などデジタル領域の動きについても明かされている。

まずは9日よりUber Eatsを導入し、ビバレッジやフードなどを直接届けるデリバリーサービスをスタートする。新宿2店舗と六本木1店舗の合計3店舗においてトライアルを実施し、2年間で拡大を目指す方針。「日本におけるデリバリー市場の急速な成長を捉えることで、お客様がどこにいても、スターバックスの本格的な商品体験をお届けします」としている。

合わせてLINEと2019年上半期に包括的な戦略的提携を進めることも発表。こちらはスターバックス店舗とLINEのモバイルテクノロジーを融合することで、モバイル決済を含めた様々なイノベーションに取り組むという。日本全国で7800万人以上のユーザーを抱えるLINEと繋がることで、リアル店舗×デジタルの可能性がさらに広がっていきそうだ。

その他、2019年中にはアメリカを含む数か国で導入済みのモバイル・オーダー・アンド・ペイのテストも開始する予定。ユーザーはモバイルデバイスから事前に注文・決済することで、列に並ぶことなく商品を受け取れるようになる仕組みだ。

モバイル・オーダー・アンド・ペイについては5月に紹介したDIRIGIOの「PICKS」や、先日JR東日本スタートアップとの資本業務提携を発表しているShowcase Gigの「O:der」など、日本でもこの領域に特化したサービスが生まれてきている。

特にスタバの人気店では、時間帯によって結構な時間待たされることもあるので、事前の注文・決済の仕組みが広がればストレスも軽減されそうだ。

Blue Bottle Coffeeが新たな大型投資ラウンドを計画中か

LOS ANGELES, CA. - MARCH 12, 2014:  Blue Bottle Coffee shot in the Los Angeles Times Studio an item from the Natural Products show in Ananheim that Mary will talk about on March 12, 2014.  (Photo by Anne Cusack/Los Angeles Times via Getty Images)

サンフランシスコのコーヒー戦争が再燃している!

情報筋によれば、昨年の7500万ドルにおよぶ大型資金調達から、1年わずかしか経っていないにも関わらず、Blue Bottleが新たな大型ラウンドを計画しているようだ。調達額については分かっていないが、コーヒーに対するシリコンバレーの投資家の大きな(そしてときに不思議な)興味を考慮すると、前回に近いか、同等レベルの金額に達しても驚きではない。シリコンバレー、そしてサンフランシスコのコーヒー愛には際限がなく、その熱は投資家にも飛び火しているようで、何千万ドルという資金がBlue Bottle CoffeeやPhilzといった会社に流れ込んでいる。

ということで、ここは何よりもコーヒーを優先させよう!コーヒー!コーヒー!コーヒー!

シリコンバレーは、数々の一風変わった投資で知られている。投資先のビジネスは、オルタナティブフードの生産から宇宙探査までさまざまで、コーヒーも決してその例外ではない。しかし、そこにはちゃんとした裏付けがある。コーヒー市場の規模は巨大かつ、800億ドルのバリュエーションを誇るスターバックスという、ほぼ完璧な比較対象が存在するのだ。どんなコーヒー関連企業も、市場のほんの一部を獲得できれば、ユニコーン企業の仲間入りを果たすことができる。そしてもちろん、そのような企業を買収しようと考える企業も同時に存在する。

それでは、ここでコーヒービジネス関連の最近行われた大型ラウンドを見てみよう。

私たちの理解では、上記にSightglass Coffeeがこれまでに調達した資金は含まれていない。(同社には、Square CEOのJack Dorseyが投資しており、ベイエリア界隈では、このことがよく知られている)

また、Blue Bottleは、アメリカ中で精力的に店舗の数を増やしている。店舗の様子も、ブルックリンから近く(以前)流行っていたWilliamsburgのエリアにあるロースター兼コーヒー店から、サンフランシスコのダウンタウンにあるアップルストア風のもの(ここのワッフルはとても美味しい)までさまざまだ。スターバックスが営業している場所では、競合するコーヒー店がうまくやっていける余地が当然ある。特に、スターバックスよりも良いコーヒーや、少なくともより良いエクスペリエンスが提供できるならばなおさらだ。

スターバックスも一般消費者の視点から見るとユニークな立場にある。というのもスターバックスは、会社として大きく成長した結果、一般投資家からその動向をいちいちチェックされてしまうようになったのだ。そしてそんな中でも結果を残すことを求められている。そのため、もしかしたら原料となるコーヒー豆にそのしわ寄せが来ている可能性がある。一方で、Blue Bottleはその高単価を背景に、良質なコーヒー豆を使用できるほか、より良いサプライチェーンを(今無いとすれば)構築しているというイメージを与えることができる。

しかし、Blue Bottleも新たな収入源の発掘を行っており、コーヒー豆のほかにも、ニューオリンズスタイルのアイスコーヒー(小学校の頃の給食に出てきたような可愛らしい牛乳パックに入っている)やコールドブリューコーヒーを販売している。Sightglassも、Ritualのような新興コーヒー企業と同様にコーヒー豆の販売を行っている。このような動きを背景に、コーヒー市場(少なくともサンフランシスコ・ベイエリアのコーヒー市場)は驚くほど競争が激化しており、広く知られるようになるまでには、強く後押ししてくれる、流行に敏感な人が何人かいなければいけない。

(もしかしたら、読者の方には流行に敏感ではないものの、一押しのコーヒー店があるかもしれないが…)

Blue Bottleのケースで言えば、店舗の数を増やすうちに、最終的には海外市場に目を向けざるをえなくなるだろう。これまでにBlue Bottleは、コーヒー好きの間では確固たるブランドを築いてきたものの、今後はカフェイン狂の都市部の消費者以外にも、自分たちがスターバックスより優れていると説得していかなければならない。海外市場の中でも特に、コーヒーが日常的な飲み物と捉えられ、良いワインや食べ物のような職人の手によって作られたものだとは思われていないような地域では、そのプロセスはより困難を極める。

結局のところ、コーヒー市場は、企業が新たに参入するにはなかなか悪くない市場のようだ。実際、スターバックスのサイズだけを考えてみても、世界中にコーヒー豆や関連製品を販売する、こだわりのコーヒー店やロースターを複数社支えるくらいの市場規模である。課題となるのは、どのように店舗・物流網を拡大していくかということで、そのためにはもちろん多大な資本が必要となる。

最終的にコーヒー戦争は、私たち消費者にとってはもちろん良いことだ。コーヒー自体素晴らしいものだし、競争激化でより良いコーヒーを楽しめるようになる。

Blue BottleとSightglassの担当者に、本件に関してコメントを求めたが、回答は得られていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter