YouTubeが中国の多数のアカウントを「政治的スパム」として削除

YouTubeは中国のアカウント多数を組織的な政治的影響力の行使に従事していたとして削除した。この4月から6月の四半期における中国アカウントの削除は2596件と急増している。2020年の最初の四半期の削除は227件(Googleブログ記事)だった。

Googleは脅威分析の速報である「TAG Bulletin: Q2 2020」(Googleブログ記事)で、第2四半期の状況を「削除されたチャンネルがアップロードしていたのは主として非政治的コンテンツだったが、一部のコンテンツが中国の政治に関連していた。内容はGraphikaが最近レポートしているものに似ており、新型コロナウイルスが中国で発生したものでないなど、中国側主張に対する米国の反論に関連したものも含まれていた」と述べている。

Graphikaの「スパモフラージュ・ドラゴンの復活:中国擁護スパムネットワーク再び仕掛ける」と題したレポートはこちらで読める。それによれば中国の世界的なプロパガンダ攻勢の一環として今年の初め頃から多数のスパムアカウントがYouTube、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディア上で活動を始めていたという。

スパムネットワークは中国政府を擁護するチャンネルでビデオ画像を大量に使っていた。また中国語、英語の双方で長文の非政治的記事を掲載していた。バスケットの試合や風景、モデル画像、TikTok動画など無害な非政治的コンテンツの間に政治的記事が埋め込まれていた。つまり政治的スパムをカモフラージュしようと意図した行動と考えられる。そこで「スパモフラージュ」と名付けた。

このスパムドラゴンの活動が「復活」と名付けられた理由は昨年の秋にも同様のスパム行為があったからだ。黒幕が誰であるにせよ、発見されても気にする様子はないようだ。利用されたアカウントは新規のものもあれば休眠アカウントを乗っ取ったり盗んだりしたものもあった。今回もこうしたアカウントを大量に使って前回によく似た手法のスパム活動に利用している。ただしグーグルが指摘するとおり今回はこれに新型コロナウイルス関連のスパムが加わっているのが新しい。

6月になると、スパムコンテンツにはGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏とBreonna Taylor(ブリオナ・テイラー)氏の殺害に端を発した人種的不公正に対する抗議活動が米全土で盛んになったことが含まれるようになった。

中国のキャンペーンはロシアやイランのものと同様マルチプラットフォームだとグーグルは指摘している。これはFacebook Twitter、サイバーセキュリティ企業のFireEyeも報告していた。

チャンネルの削除は4月に186件だったのに対し、5月に1098件、6月に1312件と急増してきた。これからすると夏には大量のスパムの発生がありそうだ。注意して観察したい。

画像:Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTubeが「閉鎖アカウント削除で登録者数減少する」とクリエーターに注意喚起

YouTubeはコンテンツのクリエーターに「チャンネル登録者の数が減少しているかもしれない」と注意喚起した。これは現在YouTubeから閉鎖アカウントを削除しているためだという。

閉鎖アカウント(Closed Account)とは、ユーザーが自発的に返上したアカウントやスパム、虐待など利用約款違反によってYouTubeが停止したアカウントなどだ。

YouTubeはこうした閉鎖アカウントの削除により登録者数が減少するかもしれないとYouTubeヘルプのコミュニティページで通告した。Twitterのニュースフィードやクリエーターツールのダッシュボードにも同様のメッセージがアップされている。

このようなアカウント削除はシステムのメンテナンスの一環として行われるもので、今後もスパムや違法、不当な動画のアップロードを防ぐために実施していくという。ただしこうしたアカウント削除は登録者を減少させ、結果としてクリエーターの収入に影響する可能性がある。

注意:本日、閉鎖アカウントを削除しているので一部のチャンネルでは登録者数が減少するかもしれない。YouTubeのスパムアカウント、閉鎖アカウントの削除の詳細についてはリンク先を参照。

チャンネルのダッシュボードのアナリティクスに「12月3日、4日」の減少として表示された場合、アカウント削除の影響を受けた可能性が高い。削除された閉鎖アカウント数を正確に知りたい場合、クリエーターはアナリティクスの「詳細」メニューから「閉鎖アカウント」(Closed Accounts) に進む。

アカウント削除はクリエーターにとってありがたくない。チャンネルメンバーシップグッズの販売といった重要なマネタイズの仕組にアクセスする資格が登録者数にかかっているからだ。またYPP(YouTube Partner Program)と呼ばれるパートナープログラムに参加するにも登録者数は要因となってくる。登録者数1000人以上というYPPの参加資格ぎりぎりのクリエーターはほんのわずかの登録者減少でも経済的に大打撃を受ける可能性がある。

こうした理由があるため、クリエーターはチャンネル登録者に対してサブスクリプションが有効であるかもう一度確認するよう呼びかけている。つまりこの種のアルゴリズムによる大規模なアカウント削除ではアカウントが削除されることがあると考えているからだ。

クリエーターのソーシャルメディアへの投稿を見ると、削除の影響はチャンネルごとに大きく違うようだ。数人が減少しただけと報告しているクリエーターもいるが、数千の登録者を失ったチャンネルもある。

YouTubeが登録者を削除するのはこれが初めてではない。昨年の12月にもYouTubeは相当数のスパムアカウントを削除中だとクリエーターに警告している。これにより登録者数の大幅ダウンに見舞われたチャンネルも多数出た。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleカレンダーに勝手に入るスパム、現状では「招待を自動的に追加」を無効に

最近Googleカレンダーを開いたとき、「無料のiPHONEが当る!」とか「レイバンのサングラスが安い」などの広告で埋め尽くされていたことはないだろうか。もしそうなら、決してあなただけではない。

スパム業者たちはGoogleカレンダーを騙して、ユーザーの知らない間にこの手の広告を忍び込ませる方法を発見した。Googleは、問題を認識しており修正中であると言っている。

いったい何が起きているのか?

ある時からGoogleカレンダーは、何かのイベントに招待されるとそれをスケジュールに追加するようになった。招待メールが受信箱で迷子になったときのためだろうか。問題はフィルターがまともに働いていないことだ。もしスパムロボットがあなたのメールアドレスを知り、送った招待状がGoogleのアンチスパムシステムをくぐり抜けると、カレンダーに本人が操作したかのように追加される。

Googleが問題を認識したことを最初に見つけたのはEngadgetで、Googleカレンダーのサポートフォーラムのピン止めされた投稿に書かれていた。内容は以下のとおりシンプルなものだ。

カレンダーにスパムが発生していることを認識しており、問題を解決するべく真摯に取り組んでおります。準備ができたらこのスレッドで報告いたします。スパムを削除して報告する方法はこちら。ご辛抱に感謝します。

一方、、現在カレンダーがスパムイベントで埋め尽くされている人は、Googleカレンダーで問題のイベントをクリックし、右上のドットが3つ並んだポップアップボタンから「スパムを報告」をクリックすれば削除されるはずだ。

Goolgeがスパムを排除する方法を見つけるまでの間、招待が自動的に追加される機能自体を無効にすることもできる。

「招待を自動的に追加」機能を無効にするには、

  • パソコンでGoogleカレンダーを開く
  • 右上の歯車アイコンをクリックして「設定」を開く
  • 左カラムのリストで「予定の設定」をクリック
  • 「招待状を自動的に追加」を探して「いいえ、返信した招待状だけを表示します」に変更

google calendar spam

【Japan編集部追記】もちろん、Googleが対策を講じた後も無効にしたままでもいい。

セキュリティー研究者のBrian Krebs(ブライアン・クレブス)氏が指摘しているように、この手の招待状の多くはURLが添付されている。数え切れない理由(悪質なページやフィッシングサイトなど)によりこの類のURLはクリックしないほうがいいだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterはスパムといじめに対抗するDMのフィルター機能をテスト中

Twitter(ツイッター)は、望まないメッセージをフィルタリングして、DM(ダイレクトメッセージ)の受信トレイから取り除く新しい方法をテスト中だ。

現在Twitterでは、誰からのメッセージでも受信するよう、DMの受信トレイを設定できる。しかしそうすると、嫌がらせなどの望まないメッセージを大量に受信してしまうことにつながる。1つの解決策は、自分がフォローしている人からのメッセージだけを受信するように設定することだが、それでは都合が悪いという人もいる。例えば、記者のような人は、プライベートな対話や、情報提供を受け取るために、受信トレーをオープンにしておきたいものだ。

今回の実験では、攻撃的な内容のものやスパムなど、望まないメッセージを別のタブに移動するフィルターをテストする。

すべてのメッセージを1つのビューにまとめてしまうのではなく、フォローしていない人からのメッセージは「メッセージリクエスト」セクションに分類する。その中には、フィルターされたメッセージにアクセスする方法が用意されている。

そうしたメッセージを読むためには、ユーザーは「表示」ボタンをクリックしなければならない。それにより、受信トレーをオープンに設定していることによって流れ込んでくる大量の望まないメッセージを、そのまま目にしてしまうことから、ユーザーを保護することができるのだ。

また、こうしてフィルタリングされたメッセージのリストを開いても、それらの中身がすべて自動的に表示されるわけではない。

Twitterは、読む人を不快にさせる可能性のあるコンテンツを認識すると、メッセージのプレビューには、不快な内容を含む可能性があるため、そのメッセージの内容は表示していないという通知を出す。ここでユーザーは、そのメッセージをあえて開くか、削除ボタンをクリックして消してしまうかを選べるというわけだ。

こうした変更により、DMは、オープンな受信トレイを好む人にとっては、より便利なツールになる一方で、ネット上の嫌がらせを撲滅する有効な手段を提供することもできそうだ。

これは、FacebookのMessenger(メッセンジャー)がリクエストを扱う方法に似ている。友達ではない人からのリクエストは、自動的に「メッセージリクエスト」という別の場所に移動される。そして、スパムっぽいものや、いかがわしい感じのものは、さらにその中の「フィルター済みメッセージ」に分類されて、目に触れにくくなる。

ところで、なぜこのような機能が事前のテストを必要とするのか、よくわからない。ほとんどの人は、迷惑メールや嫌がらせのメッセージを除外したいと思っていると考えて、ほぼ間違いないだろう。そして、何らかの理由によって、そうしたくない人は、単に設定によってフィルターをオフにすればいいだけの話だ。

これは、ネット上の嫌がらせに対抗するための変更を加えることに対して、いつものようにTwitterが消極的に見える例の1つとしか思えない。FacebookMessengerは、2017年の末あたりから、同じような方法でメッセージをフィルタリングしてきた。Twitterは、こうした変更をテストするのではなく、今すぐ導入すべきだろう。

それはそうと、このように疑わしいコンテンツをいきなり削除してしまうのではなく、非表示にするというアイデアを、Twitterは他の領域でもテストしている。たとえば先月にはカナダで、「返信を隠す」という新機能の試験的な運用を開始した。それによってユーザーは、自分のツイートに対する望まない返信を非表示にすることができ、他の誰からも見えなくすることができる。この場合も、ツイート自体は削除されないが、今回のDMのフィルターと同様に、明示的にクリックしないと読めなくなるのだ。

またTwitterは、他の点についても、DMのアップデートを検討している。

今回の記者会見では、Twitterのプラットフォームに今後導入されることになる変更が、いくつか発表された。たとえば、トピックをフォローする機能DMの受信トレイの中を検索するツール、iOSのLive Photos(ライブフォト)をGIFでサポートする機能、さらに写真の並び順を変更する機能などだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スパム防止にTwitterが1日の新規フォロー数を400件に制限、セキュリティー強化の一環

Twitterはスパマーをエコシステムから追い出すためにさらに大きな一歩を踏み出した。 ユーザーが1日に新しくフォローできるTwitterアカウント数の上限がこれまでの1000件から400件に大きく減らされた。スパマーはネットワークの規模を急激に拡大するために新しいアカウントを大量にフォローし、すぐにアンフォローするというテクニックを用いてきた。これは往々にしてTwitterの利用約款に違反する「不当ないし犯罪的方法」となっていた。

フォロー、アンフォロー、フォロー、アンフォロー。こういうことを繰り返すのはスパマーだ。そこでわれわれは1日にフォローできるアカウント数を1000から400に減らす。一般ユーザーには影響ないはず。ご安心あれ。.

こういうことをしていた多数のサービスがTwitterAPIの利用を禁止されている。簡単に大量のアカウントをフォローできるアプリが売られていた。こうしたツールがネットワークの規模拡大のツールとして便利だったのはフォローされると深く考えずにフォローバックしてしまうユーザーがいるためだ。実はフォローしてくるのは人間ではなくボットなのだが。

こうしたボットを売る会社は、すぐにフォローバックしてこないユーザーを自動的にアンフォローするツールも提供している。また不愉快なDMツイートをばらまくツールも多数販売されている。

今年に入ってTwitterはこうした「フォロー即アンフォロー」 ツールのTwitterへのアクセスを排除した。しかしローカルで作動するツールを排除してもスパムの自動化を提供するサービスを儲けさせるだけに終わっていた。

この種のスパム防止にはTwitterのAPIレベルでの本質的な対策が必要だった。しかし今回の対策ではまだ不十分だ、そもそも1日で400アカウントもフォローできるというのは手ぬるい、と考えると考えるセキュリティー専門家も多い。

言わせてもらうが、私の場合400人もフォローするのに7年かかっている。

中小ビジネスは一般の関心を惹くために「フォロー即アンフォロー」テクニックを使い続けるかもしれないが、規模は小さくなるだろう。

Twitterの広報担当者はTechCrunchの取材に対して、400件という数字の根拠をこう説明した。

われわれはしきい値をどこに設定するか各種検討した。その結果、大部分のスパムを防止できると同時に正当な利用に影響を及ぼさない値として1日あたり400件と決定した。

Twitterはまた報告ツールをアップデートし、Twitterアプリ内からユーザーがスマムやフェイクアカウントを通報できるようにした。またアカウントの本人確認やログイン認証にも新しいセキュリティー対策を導入している。昨年夏、Twitterはスパムアカウントを大量に削除したため、ユーザーのフォロワー数に大きな変動が生じたことがあった。(略)

こうした対策はスパマーにとってTwitterが住みにくいエコシステムとなることを狙っている。ただし短期的にはTwitterのユーザー数の伸びを低下させるかもしれない(Twitterは最近、この数字の公表を中止している)が、中長期的にはプラットフォームの健全性を維持するのに役立つだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Instagramは禁止したはずのフォロワー販売サービスの広告をいまだに掲載

Instagramは以前、そのソーシャルネットワークにスパム広告を溢れさせるというビジネスで収益を得てきた。しかし同社は、今でも猫をかぶり、金を取って偽のフォロワーを増やしたり、顧客にフォローバックさせるために自動的に他人のフォローやフォローの取り消しを行うサービスに広告スペースを販売している。11月にはそうしたサービスを禁止する処置を何度も繰り返し、そのような活動を行うアカウントに警告を送ってきたにも関わらずだ。

TechCrunchが調査したところ、Instagramの規約に公然と違反して、偽のフォロワーの販売やフォロワーをおびき寄せるためのスパム広告の自動投稿をInstagram上で行うサービスが、まずは17件見つかった。これは明らかに、Instagramが自身のアプリやプラットフォームの監視を適切に行っていないことの証拠だ。そのような怠慢のおかげで利用者は、ボットや偽のアカウントが作り出すフォローや「いいね」に惑わされている。そうしたサービスから金を掻き集めてきたInstagramは、Instagramの通知の質を貶め、利用者の貴重な時間を奪っている。

我々の調査に反応してInstagramは、すべての広告を排除し、我々が報告した規約違反サービスのFacebookページとInstagramアカウントもすべて無効にしたと私に話した。ページもアカウントも、それ自体は違反ではないが、そこが流している広告が、FacebookとInstagramから追放されたということだ。しかしその翌日、TechCrunchは、同様のサービスの広告を2件、Instagramに発見した。また、フォロワー数を増やす規約違反のサービスに金を払っている企業5社も新たに発見した。

ここで大きな疑問がわく。Instagramは果たして、スパム業者から真剣にコミュニティーを守る気があるのかということだ。技術的にも人材的にも投稿内容をチェックする機能が備わっているだろうに、なぜ自社の規約に堂々と違反している広告や業者の存在を、一介のジャーナリストの調査から教えられなければいけないのか。Facebook傘下にあるInstagramというアプリの、ユーザー基盤とビジネスを拡大するために「迅速に動く」という信条は、どうやら自らの監視の目が届かないところまで走って行ってしまったようだ。

スパム業者を追え

私はこの調査を、GramGorillaというサービスのInstagramストーリー広告に悩まされたことをきっかけに、1カ月前に開始している。オールバックの格好をつけたセールスマンが、このサービスでどれほどのフォロワーを得たかをまくし立て、同じだけ金を払えば私も同じ数のフォロワーが付くと宣伝している。この広告は、Krends Marketingのウェブサイトにリンクされている。月に46ドルから126ドルを支払えば、1000から2500のInstagramのフォロワーを保証するというのだ。

このような広告の中には、フォロワーを直接販売しているところもあるが、大抵は偽アカウントだ。それでフォロワー数は増えるかも知れないが(その業者が摘発されて追放されなければの話)、そのフォロワーは自分が見せたいものに興味を示すわけでもなく、ビジネスの足しになるわけでもない。結果としてフォロワーの質は薄められ、投稿を実際に見てくれる人の数は減ってしまう。しかし、GramGorillaつまりKrendsなどのInstagramのフォロワーを販売するアプリには、もっと困った点があることを私は知った。

これらのいかがわしい業者に、自分のユーザー名とパスワードを与えてしまうということだ。しかも、関連する話題や個人情報も彼らに渡り、自動的に誰かをフォローしたり、フォローを解除したり、「いいね」を付けたり、知らない人のInstagramプロフィールに勝手にコメントを書き込んだりといった行為を許すことになる。その目的は、知らない人たちがそれを見て、好奇心を抱いたり、仲良しになりたいと思うようになり、フォロワーになってくれることを期待して通知を送ることにある。このようなスパム通知を大量に発信することで、大勢の知らない人たちが引っかかりフォローしてくれる。それで月額に見合うだけの体裁を保つというわけだ。

そこに私は腹が立った。FacebookもInstagramも、その他のソーシャルネットワークも、アクション、広告のビュー、毎日のユーザー数を増やすための裏技を教える通知を大量に送ってくる。しかし、彼らはそれが利用者の気分を損ね、ユーザーがすべての通知を非表示にしてしまうリスクを考えた方がいい。フォロワーを販売する業者は、Instagramが汚れようと、ユーザーが不快な思いをしようと、どうでもいいのだ。金が儲かりさえすればいい。彼らは、私たちの大切な共有資源における「コモンズの悲劇」の典型的な悪役だ。

そこから私は、スパム広告を記録するようになり、どれだけ多く存在することかと驚くことになった。間もなく、Instagramの広告ターゲティングと再ターゲティングのアルゴリズムが暴発し始め、Instagramの規約に違反している同類の企業からの広告が、私に意図的に送られてくるようになった。

私が最初に記録した、フォロワー販売とスパムの17のサービスは、Krends Marketing / GramGorillaSocialUpgradeMagicSocialmEZ-GrowXplod SocialMacurex、GoGrowthlyInstashop / IG ShopsTrendBee、 JW Social Media MarketingYR CharismaInstagrocerySocial SensationalSocialFuseWe Grow SocialIG WildfireGramflareだ。TrendBeeとGramflareは、Instagramがその活動を禁止したと発表した後も、ずっとInstagramで広告を出し続けていることがわかった。Instagramが取り締まりを行ったとされた後でも、これまでの調査では、禁止されているフォロワーの販売を行なっているサービスが見つかった。それは、FireSocialInstaMason/IWentMissingNexStore2019InstaGrowServantifyの5つだ。

悪いと知って井戸に毒を投げ入れる

私は、それらの企業はInstagramの規約に違反していることを知っているのか、スパムを配信することをどう正当化するのかを知りたいと思った。大抵のサービスは連絡先を伏せていて、顧客サポート用のメールアドレスだけが掲載されている。しかし私は、何人かの創設者に直接電話をかけることに成功した。

「私たちが行っていることは、明らかにサービス規約に違反しています」と、GoGrowthlyの共同創設者は、氏名の公表は拒否しながらも話してくれた。「私たちは彼らの無料のプラットフォームに便乗しているだけなので、彼らには何ひとつ利益はありません。Instagramは私たちを嫌っています。私たちは、顧客の位置情報に基づくプライベートなプロキシを利用しています。それが、あらゆる負担を軽減するための私たちの秘策です」というわけで、顧客のアカウントが停止されることはないのだそうだ。「Instagramとは慎重に足並みを揃えています。これは、SEO業者とGoogleとの関係に似ています。Googleは顧客に最大の結果を与えたいと考え、顧客は彼らに最大の結果をもたらしたいと考えている。じつに繊細なダンスなのです」と、Macurexの創設者Gun Hudsonは話していた。

EZ-Growの共同創設者Elonは、姓の公開を拒んだが、こう話してくれた。「(顧客は)いつも新しいものを求めています。最初はフォローといいねでした。今は、ストーリーに注目しています。Instagramが新しい機能を導入するごとに、私たちには、それを顧客にわかりやすく見せるという点で常に優位性があります」。EZ-Growは、広告費として1日500ドルをInstagramに支払っていて、それが、新しい顧客を開拓するための中核的な戦略なのだと彼は言う。SocialFuseの創設者Aleksandr(姓は非公表)は、InstagramとFacebookの広告費として1日数百ドルを使っていて、11月に彼の会社が行っているサービスの停止をInstagramが繰り返し訴えたときは、心配になったと言う。しかし、こうも話している。「もう停止は避けられないと覚悟したのですが、結局、何も起こりませんでした」

何人かの創設者は、スパム通知のサービスを擁護して、自分たちは少なくとも偽フォロワーを販売しているわけではないと抗弁している。自分のことは棚に上げて、MacurexのHudsonはこう言った。「やり方を間違えれば、利用者の楽しみを台無しにしてしまいます。そこには、下劣でスパム的な手法をとるマーケティング業者が群がっています。Instagramは、そうした業者の監視を続ける必要があります」。GoGrowthlyの創設者は私にこう明言した。「ターゲットを絞った交流によって、私たちは実際にコミュニティーにとって良いことをしています」と。またやはり姓の公表を拒んでいるWeGrowSocialの共同創設者Brandonなどは、競合他社であるSocialSensationalがフォロワーを売っていると告げ口したい風だった。

ただ、EZ-GrowのElonだけは正直だった。「ターゲティングは、適切な人を選ぶものなので……受け取った人は嬉しいはずです。スパムではありません」と話した後に、彼はあることに気がついた。「まあ、スパムと言えないこともないですが」

Instagramはついにスパム業者を追放

私たちの調査に応えて、Instagramの広報担当者は、私たちが発見した規約違反の広告やアカウントを停止する旨を正式に伝える長々とした声明文を発表した。その中で、Instagramは懸命に努力していると主張しているが、努力が足りないことも認めている。

スパム的なフォローや「いいね」やコメントを受け取って喜ぶ人はいません。Instagramでは、みなさまに本物の交流をしていただくことを何よりも重視しているため、このコミュニティーからスパム的な行いを締め出すよう懸命に努力しています。不正な「いいね」やコメントやフォロワーによってアカウントの人気を高めるサービス、およびそうしたサービスを宣伝する広告は、Instagramでは禁止しています。ここに示したサービスに対して私たちは、違反広告の削除、ページおよびアカウントの停止、ページへのさらなる広告掲載の禁止といった対策をとってきました。このうよな広告が、みなさまの目に触れる前に発見し、排除するためのシステムを私たちは複数導入していますが、私たちのプラットフォームに日々アップロードされる広告の数が膨大であるため、ときして、いくつかが網の目をくぐり抜けてしまことは避けられません。この件に関して、さらなる努力し、責任を持って改善を進める必要があることを、私たちは認識しています。

Instagramは、人気を高めるためのサードパーティーのアプリを利用しているアカウントを機械学習ツールを使って特定していると私に話してくれた。また、ユーザーが通知を受け取る前に、そのような不正な介入を排除していると主張している。そうしたサービスの効果をなくすことで、その魅力を失わせることができるとInstagramでは考えている。彼らは、公開される前に、画像、文章、そしてそれらすべての広告のリンク先のページを評価し、一部を人間の審査担当者に送るという自動化されたシステムを採用している。これにより、規約違反の広告のほぼすべてを捕まえることでき、そこをかいくぐったものは、ユーザーが通報できるようにしていると言う。

しかし、そうした広告や、それに関連するアカウントは、「フォロワーを集めよう」「Instagramのフォロワーを増やそう」「本物のフォロワー」「交流を拡大しよう」「承認を得よう」「交流の自動化」などといった、規約違反のサービスに強く結びついた言葉で満ち溢れている。そのことから、Instagramのこの問題に対する本気度が疑われる。彼らは最初から、スパムのボットや偽アカウントを見抜く、安価で、柔軟に規模の変化に対応できる技術的アプローチに頼ればよかっただけの話だ。行儀よく広告をスクリーニングしたり、人間の審査担当者を大勢雇い入れてネットワークを監視させる必要などなかったのだ。

そうした的外れなAIや技術的ソリューションに依存したがるのは、この業界の傾向のようだ。私が先日報告したように、子どもの性的虐待の画像はWhatsAppMicrosoft Bingで簡単に探すことができる。この2つの検索エンジンはどちらも、複雑なアルゴリズムでは見つけられない違法コンテンツを、常識で判断できる人間の審査チームが足りていないように思える。Instagramと同様、それらの検索エンジンも大変に儲かっている親会社の下にあり、規約を守らせるための予算はもっと使えるはずなのだ。

不正なサービスをInstagramから追放することは重要な一歩だが、もっと積極的にならなければいけない。ソーシャルネットワークとセルフサービス型の広告ネットワークは、あまりにも長い間、効率のいい金の成る木だとされてきた。そこから得られた利益は、今度はそれを取り締まるために振り向けられるべきだ。そうしなければ、我々の金や関心を盗み取る悪党どもを喜ばせるだけだ。

Instagramの未来に興味のある方は、この記事の著者Josh ConstineによるSXSW 2019の基調講演をご覧ください。Instagramの共同創設者Kevin SystromとMike Kriegerも、彼らが同社を去ってから初めて、ここで顔を合わせています。

 

Microsoft Bingは小児ポルノを見せるだけでなく、お薦めもしている(英語)

 

WhatsaAppが抱える暗号化された小児ポルノの問題(英語)

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Duo Securityが高度に組織化されたツイッターのボットネットを発見

インターネットのセキュリティー関連商品とサービスを提供するDuo Securityの研究チームは、ツイッターで暗躍し暗号通貨の詐欺を働く高度なボットネットの存在を突き止めた。

このボットネットは、ツイッターのアカウントを自動的に識別する方法を開発し公開するための、さらにはボットやその活動について研究を掘り下げるための、大規模な研究プロジェクトの中で発見された。

研究チームは、Twitter APIと標準的なデータエンリッチ化技術を用いて、5億件以上のつぶやきを含む、一般のツイッター・アカウント8800万件分の大きなデータセットを作成した(ただし、研究のために焦点を当てたのは、アカウントごとの最後の200件のつぶやきだとのこと)。

そして彼らは、古典的な機械学習の手法を使って、ボット分類システムをトレーニングし、その後、十分な試行を重ねたさまざまなデータ科学技術を用いて、発見したボットネットの構造のマッピングと解析を行った。

他の研究者がバトンを引き継いで、研究を発展させられるよう、この研究資料とデータ収集システムはオープンソース化されている。たとえて言うなら、いいIDと悪いIDを自動的に見分ける研究などだ。

彼らが開発した分類システムの対象は、自動化と人の介在とを意図的に混合してボットであることを発見されにくくするハイブリット・アカウントではなく、純粋なボットだ。

この研究では、感情は問題にされていない。むしろ、ツイッター・アカウントがボットなのか人なのかという核心的な問題にフォーカスされている。

データセットには、たとえばカスタマーサービスのための、自動処理と人の対応との両方で運用されるツイッター・アカウントのような「サイボーグ」ハイブリッドが、わずかに混入している可能性は高いと彼らは話している。しかしそれでも、政治的な偽情報を排除するための国の施策で使われているような、さらにわかりづらいボットと人のハイブリッド・アカウントの特定には、とくに力を入れていなかった。

この研究によって、ボットネットの構造に関して、いくつか面白い分析結果が示された。論文によれば、彼らが発見した、少なくとも1万5000(「もっとずっと多いはず」)のボットで構成される暗号通貨詐欺ボットネットに関するケーススタディーも含まれているが、そのボットネットは、悪意ある「プレゼント」広告を使って、何も知らないユーザーから金を吸い上げようと試みるという。

「試みる」というのは正しい時制だ。なぜなら、ボットネットの発見をツイッター社に報告したにも関わらず、それはいまだにツイッター上で活動をしているからだ。合法的なツイッター・アカウントを装って報道機関を捲き込み(下の写真)、また、ずっと小さなスケールでは、認証されたアカウントを乗っ取っている。

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さらに彼らは、ツイッターのサイドバーにある「おすすめユーザー」で、他のスパムボットが推薦されているのことも発見している。これは痛い。

ツイッターの広報担当者は、プラットフォーム上でのボットやボットネットによる被害と現状認識に関する私たちの質問には答えようとしていない。そのため、こうした暗号通貨詐欺ボットネットをいまだに完全に駆除できない理由は、明らかになっていない。しかし、この研究に対する声明で、ツイッター社は、この種の自動化されたスパムは、同社のスパム対策によって自動的に検知され、隠されるようになっていると主張している(Duo Securityの研究者がTwitter APIを通じてアクセスが許されたデータには、それは反映されていない)。

ツイッター社はこう話している。

私たちは、こうした形の操作を認識しており、それらのアカウントが詐欺の目的でユーザーに関わろうとすることを予防するための、数々の検知システムを積極的に導入しています。スパムやある種の自動化システムは、ツイッターの規則に反します。多くの場合、スパム的なコンテンツは、自動検知によってツイッターには表示されないようになっています。しかし、ツイッターの検索や会話のエリアから、スパム的なコンテンツが非表示にされたとしても、APIを通したときの有効性には影響しません。つまり、ツイッター上では見えなくなっていても、APIを使えばスパムは見えてしまいます。スパム関連のアカウントは、ツイッター・アカウントの5パーセント以下に過ぎません。

ツイッター社の広報担当者はまた、すべてのボットや自動化システムが悪ではないと(当然ながら)強調している。彼女が示した最近の同社のブログ記事には、そのことが繰り返し語られていた。そこでは、たとえばPentametronのような一部のボットは「愉快で楽しい体験」をもたらすと紹介している。Pentametronは、たまたま弱強五歩格の形式に書かれた韻を踏むつぶやきの組みを見つけ出して詩を作るという、古くからある自動システムだ。

普通の神経の持ち主なら、シェークスピアが愛した韻文のオマージュを作る自動システムを悪く思うことはないだろう。しかし同時に、普通の神経の持ち主なのに、ツイッター上で続けられる暗号通貨詐欺という害悪を悪く思っていないのか……。

ひとつだけ、はっきりしている。「ボットか否か」という質問に答えるという難しい仕事は重要であり、オンライン詐欺の武器化を考えると、これからますます大切になるということだ。これは非常に政治色が強く、必要不可欠な戦いになる可能性があるため、あらゆるアカウントに「ボット度」を示す必要が出てくるかも知れない(これを行うかどうかについては、ツイッター社の広報担当者は答えてくれなかった)。

ツイッターの自動化システムを特定する方法や技術の研究はすでに行われていても、Duo Securityの研究チームは、それを支援するデータが周囲にないことに不満を感じると言う。しかし、それが彼らに研究を続けさせる推進力にもなっている。

「不完全なケースもありました」とデータ科学者のOlabode Aniseは話す。「彼らが使用したと主張しているデータを、どこで入手したかを明らかにできないのです。彼らはおそらく、結論からスタートしたのでしょう。結論から入る研究は少なくありません。私たちは、この研究を自分たちのものにして引き継いで欲しいと考えています。だから、私たちの手法やツールをオープンソースにしているのです。そうすれば、みんな一から始めることができる。まずはデータを集め、モデルをトレーニングして、それからツイッター上のボットを局所的に発見できるようになるのです」

「私たちは特別なことも、大発明もしたわけではありません」と彼は言う。「私たちは、公的なツイッター・アカウントに関連する最大クラスのデータセットを作り上げたという確信があったので、飛び抜けて大規模な研究ができたのです」

Aniseによると、彼らの分類モデルのトレーニングには、サザンカリフォルニア大学の研究室から提供された2016件のデータと、彼らが作った公的なつぶやきのデータセットを探っている間に発見した暗号通貨詐欺ボットネットのデータの一部も、使われているという(なぜなら、彼によるとこのボットネットは「折り紙付きの自動化システム」だからだ。暗号通貨詐欺も、良いことをしたわけだ)。

分類モデルの精度に関して、ツイッター上にどれだけのボットが存在するかを示すデータが常に足りない部分が「難点」だとAniseは言う。

ツイッター社は知ってると想像する(あるいは期待する)人もいるだろう。少なくとも見積もることはできるのではないか。しかし、どちらにせよ、ツイッター社はその情報を公開していない。つまり、公的なつぶやきデータに対して、「ボットか否か」モデルの精度を確かめることは、研究者にとって困難だということだ。そのため彼らは、ラベリングしたボットアカウントによる(小さな)データセットを使った分類モデルの照合に頼らざるを得ない。それゆえ、その精度がどれほどの精度でわかるかは、ボット発見とはまた別の問題となる。

Aniseは、「他のタイプのアカウントを正確に特定する」場合、彼らの最良のモデルは、照合による検査で98パーセント止まりだったと話してる(つまり、8800万件の完全なデータセットを使用した検査ではないので「そのアカウントがボットなのか違うのかを、誰でも簡単にわかる方法というものがないのです」と彼は言う)。

それでも研究チームは、「現実的なデータ科学技術」と彼らが名付けた方法を使った彼らのやり方が、いつか実を結び、ツイッターのボットを検知する効果的な分類モデルが実現すると、自信を持っているようだ。

「基本的に私たちが示したものは、実際これが私たちの本当の目的だったのですが、誰でもチュートリアルを見て、そのとおりにやれば機械学習を使ってボットを確実に特定できる、シンプルな機械学習の手法があるというです」と彼は言う。

もうひとつ、小さな問題がある。モデルがトレーニングに使っているボットが、ツイッター上にあるすべての自動化システムではないということだ。それが精度にも影響すると彼は認めている(「自分が作ったモデルの性能は、自分が持っているデータの内容を超えることができない」というやつだ。ここでまた、最良のツイッターのデータを持っている人は、みなツイッター社にいるという問題に突き当たる)。

彼らの論文に記されている暗号通貨詐欺ボットのケーススタディーは、注目を集めるためだけのものではない。それには、他の研究者たちが、彼らが説明するツールと技術を使って、最初のボットを見つけ出すところから、元をたどって正体を暴き、ボットネット全体を消滅させるところまで研究を発展させられるようにする狙いがあった。

そこで彼らは、ツイッターのボットネット探しのための「ハウツー」ガイドを製作した。

彼らが研究のためにソーシャル・ネットワーク・マッピングを使用して分析した暗号通貨詐欺ボットネットは、論文では「ユニークな三段の階層構造」を持つと記されている。

「これまで発見されたツイッターのボットネットは、大抵がフラットな構造をしており、各ボットは、ボットネットの中で同じ仕事をしていました。それらはみな、特定のタイプのつぶやきを広めるか、特定のタイプのスパムをばら撒きます。通常、仕事を分担したり、部署に分かれたボットネットは希です」とセキュリティー・エンジニア主任のJordan Wrightは説明している。

「このボットネットは、誰をフォローしたか、誰がフォローしているかを知るために、別のボットとのソーシャル・コネクションのマッピングを始めると、ボットはある特定の方法でつながり、ひとつのクラスターはまた別の方法でつながっているという、非常に明確な構造を示すのです」

「これは、ボットを組織化させてゆく戦略を、ボットの持ち主がどのように変更しているかを知るために重要なことです」

彼らはまた、そのボットネットから発せられるつぶやきのスパムが、互いにボットネットの中で拡散されて、全体的な暗号通貨詐欺が増幅される仕組みになっていることも発見した。Wrightによると、これは「人工膨張」のプロセスだと説明している。そしてこれは、ボットネットの持ち主が、「いいね」をしたり、後に詐欺スパムをつぶやくという単独の機能を持つ新しいボットを作るときに役立つとのことだ。

「目的は、それらに人工的な人気を与えることです。もし私が被害者で、ツイッターをスクロールして見ていたとします。そしてそのボットのつぶやきに出会ったとき、リツイートやいいねの数の多さから、これは合法的なアカウントだと判断してしまうといういう仕組みです」と彼は言う。

「いいね同士のつながりや、私たちが集めたソーシャル・ネットワークをマッピングしてみると、そこに現れるのは多層構造のボットネットです。非常に独創的で、非常に洗練されていて、非常に組織的です。各ボットには、より大きな目的の達成を支えるための、たったひとつだけの仕事が与えられています。それがこのボットネットのユニークな点です」

ツイッターは、このところ大量の変更を行っている。プラットフォーム上での、より高い信ぴょう性や権威をボットに持たせるためにスパム犯が仕掛ける不正な活動を閉め出すためだ。

しかし、ツイッター社には、まだまだやるべきことがあることは確かだ。

「それが洗練されていると思うのには、非常に現実的な理由があります」と、チームがケーススタディーで紹介した暗号通貨詐欺ボットネットについて、Wrightは話す。「それは動いているからです。時間を追うごとに進化し、構造を変化させています。その構造には階層があり、組織化されています」

 

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(翻訳:金井哲夫)

偽再生ボタン表示するとFacebookの表示ランクが下がる――クリックベイト対策、また一歩前進

Facebookのニュースフィードを見ていて偽の再生ボタンをクリックしてしまったことはないだろうか? このボタンはビデオを再生せず、別のサイトを開くリンクが隠されている。私は何度も引っかかった。そこで2014年にFacebookは、偽再生ボタン付きリンク画像を禁止せよという記事を書いたぐらいだ。

今になってやっとFacebook手を打ち始めたようだ。今日(米国時間8/17)、Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムを変更し、プレビューに偽のプレイボタンを表示したり、静止画であるのにビデオのように見せかけてファイルをアップロードするサイトのランクを大幅に下げることとした。こうした手口でトラフィックを稼いでいたパブリッシャーは大打撃を受けることになるだろう。ただしFacebookはこうした投稿を完全に削除することはしない(他の重大な約款違反がないかぎり)。

以下はスパマーがクリックベイトのためによく使う偽再生ボタンの例だ。

Facebookは広告で偽のプレイボタンを表示することを禁止している。ニュースフィードのプロダクト・マネージャー、Greg Marraは私のインタビューに対して「これは存在しない機能を表示することを禁止した広告約款の違反を理由とするもので、数年前に制定された」と話した。しかし広告以外のニュースフィードには偽プレイボタンがはびこるままだった。

「その後ユーザーから偽のプレイボタンに対する苦情が寄せられた」とMarraは付け加えた。 そこで今日のアップデートとなったわけだ。スパマーがクリック稼ぎに使うこうした偽プレイボタンや偽ビデオを発見、分類するために.Facebookでは人工知能による機械視覚を訓練しているという。【略】

Facebookによれば、パブリッシャーがリンク先にビデオが存在することを正規に示したい場合は、Open Graphメタタグを利用すべきだとしている。またパブリッシャーはタイトルやキャプションにWatchないしVideoと表示してもよい。

ニュースフィードにおけるフェイク再生ボタンを表示したプレビューの例(左)。ユーザーがビデオを再生するつもりでクリックすると広告満載のページに飛ばされる(右)。

Facebookはこれまでも。CGで秒数を表示するなどの細工をして録画ビデオを繰り返し再生しているのにライブ中継と偽ったりするような悪質な広告主に悩まされてきた。TechCrunchではこの1月にFacebookに対して、こうした連中を退治するよう勧めたところ、5月になって取り締まりが実施された。

その後Facebookではパブリッシャーがページビューを稼ぐために静止画をビデオに見せかけて投稿する新たな手口に対応を迫られていた。 今回のアップデートでこうした投稿の表示ランクは大きく下げられる。Facebookでは人工知能による「モーション・スコアリング」でクリップ画面内の動きを検知し、ランク付けするとしている。

今日のアップデートはページビュー稼ぎのクリックベイトに対する大掛かりな取り締まりの一環をなす。 Facebookでは偽ビデオの他に、誤解を招くタイトルや重要な情報を隠した投稿の規制をさらに多数の言語に拡大している。またスパマーが好んで拡散する中身のないリンクフェイクニュース も表示ランクを下げられる。またFacebookでは疑わしいニュースについては別の立場からのニュースにリンクしてユーザーがクリックベイトに釣られることを防ごうとしている。【略】

こうした不愉快で苛立たしい投稿をニュースフィードから追放すればユーザーは正常なコンテンツに集中することが可能になる。これにより滞在時間やビデオの再生回数などのエンゲージメントが増大することが期待される。つまりはFacebookのビジネスにとって有益となるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iCalカレンダーにスパムが大量発生、Appleは問題解決に向けて対応中とのこと

spam

先週頃から突然、iCalのカレンダー宛にブランド偽造品セールといった謎のイベント招待を受け取っていないだろうか。君だけではないよ

ブラック・フライデーの少し前、スパマーたちは新しいスパムを思いついたようだ。iCouldのメールアドレスに通常のEメールではなく、イベント招待のスパムを送りつける手法だ。iCouldはデフォルトでこれを処理し、カレンダーに追加しようとする。これはスパムフィルターをかいくぐり、ユーザーの画面に通知を表示してしまう。特に悪質なものではないが、やっかいなことには変わりない。

数日間の沈黙を経てAppleは問題を認識し、スパマーによりスパムが送られてしまったことについて謝罪した。現在対応している最中という。Appleからの声明は以下の通りだ。

ユーザーのカレンダーにイベント招待スパムが送られてしまっていることに謝罪いたします。現在、問題解決に向けて鋭意取り組んでいます。疑わしい送信者とイベント招待のスパムを特定、ブロックいたします。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Eメール認証サービスのVailMailがシリーズAで1200万ドルを調達

Turquoise color closed padlock with turquoise color binary code background. Safety concept. Illustration.

DMARCという認証技術とそれに関連するオープンプロトコルを利用したVailMailのサービスを利用することで、Eメール認証のプロセスを簡略化し、企業用メールの受信ボックスをスパムやフィッシングメールから保護することができる。これにより、独自ドメインネームを使ったフィッシングメールによって企業が攻撃されるのを防ぐことができるだけでなく、自社内外のEメールサービスがどのように利用されているかということを監視できるようにもなる。

本日、VailmailはシリーズAで1200万ドルを調達したことを発表した。リード投資家はShasta Venturesで、Flybridge CapitalとBloomberg Betaも本ラウンドに参加している。これにより、同社がこれまでに調達した合計金額は1350万ドルとなる。

このタイミングでの調達に踏み切った理由として(同社にはまだ18か月分の運転資金が残っている)、CEOのAlexander Garcia-Tobarは「私たちのテクノロジー・プラットフォームに新しい機能を追加し、Eメール認証を市場に浸透させる良いタイミングでした。また、創業後まもない企業が次々にEメール認証を導入しており、それにより生まれた大きな需要を取り込むにも良いタイミングだったのです」と話す。その理由を踏まえれば、新しく調達資金はプラットフォームのさらなる開発と、新しく獲得したクライアントへの対応するために使われると同社が話したことには納得がいく。それに加え、Vailmailは独自のエコシステムを構築するために、APIの開発にも着手している。現在、チームの人数は20人以下であるが、今後16ヶ月でその数字を3倍に伸ばす予定だ。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformanceの略)は、Eメール認証の標準的なプロトコルだ。実質ほとんどのEメールサービスがこのプロトコルをサポートしているものの、その導入はまだ比較的難しいとVailMailは話す。同社のサービスを利用すればEメール認証の管理・自動化ができ、シンプルなインターフェイスでサービスの管理やスレッドの監視をすることもできる。

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複雑なスピアフィッシング攻撃による被害が増えつつあるなか(しかも、そのような攻撃には内部ドメインや、信頼性の高いドメインが利用される)、企業をその攻撃から守るというビジネスはVCに魅力的な投資対象として映ったようだ。

2016年に黒字化を達成したと話すVailMailは、UberやYelp、Twillio、Fenwick&Westなどの企業を顧客として獲得した。VailMailは「世界中で27億通も存在するEメールの認証を自動化することが可能だ」という表現を好んで使う。もちろん、これはサービスの規模を実際より大きく見せるための大げさな表現だ。現在、世界中の受信ボックスに入ってくるEメールは1日あたり27億通である。つまり、プレスリリースに使われているこの数字がどれだけ見栄えが良くても、それは単にVailMailが標準的なプロトコルを利用しているということを表しているに過ぎない。私がVailMailに確認したところ、同社のプラットフォームで認証されるEメールの数は一ヶ月あたり15億通で、顧客の数は現在24社だという。同社はこれまでに4000万通のフィッシング・メールからクライアントを守ってきたと話している。

[原文]

(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Facebookのニュースフィードは、どのように選ばれているのか

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この記事は、Facebookがあなたのニュースフィード(タイムライン)に表示するものをどのように選択しているかを説明し、どうすればあなたのコンテンツがより多くの人々によって見てもらえるようになるかに関しての究極のガイドである。

アルゴリズムは常に変化しているので、ニュースフィードがどのように機能するかを理解することは難しい。そこでTechCrunchは、ニュースフィード10周年を記念してこのリサーチプロジェクトを立ち上げ、Facebookのチームメンバーにインタビューを行い、同社の発表を編集し、これまでの10年分の私たちの報道を見直した。その結果がこの役に立つ解説だ。いつでも正確であるように、私たちは新しい変更が行われるたびに更新していくつもりだ【訳注:日本語版の更新は未定】。

ニュースフィードの目標

Facebookの目標は、ニュースフィードに表示するための、最も関連性が高く魅力的なストーリーを選択することだ。それは、毎日あなたのニュースフィードに表示される可能性がある数千ものストーリーの中から最高のコンテンツを選択して、あなたが実際に拾い読む最初の数十の場所の中にそれらを置くことを狙っている。

これらのストーリーはランク付けされ、重要さの順に表示される。あなたの兄弟姉妹が結婚したとか、10人以上の友人がシェアしたような大きなニュースから、ウェブサイトへの平凡なリンクや、あまり親しくない知人によるイベントへの招待まで。

Facebookはあなたがストーリーに対して優先度をつける。それらに対してあなたが「いいね!」をし、コメントをし、シェアし、クリックし、読むのに時間を費やすように(こうしたユーザーの反応を、私たちはここでは「エンゲージメント」と呼ぶことにする)。Facebookはまた、人々がどんなストーリーが表示されるべきと考えているのかのフィードバックを集めるために、オンラインサーベイや、オフラインの特別グループを運営している。

魅力的なコンテンツが増えれば増えるほど、ユーザーは頻繁にFacebookへ戻って来るようになり、そうすれば、(ニュースフィードに現れる広告から収入も得ながら)人々をつなげるというFacebookの使命をよりよく達成できるのだ。

Facebookのニュースフィード方程式

リーチの自然減少

時間が経つにつれて、より多くの人々とページがFacebookに参加して、それぞれがより多くのコンテンツをシェアすると、ニュースフィード中の限られたスペースの中でより多くの競争が起きることになる。過去10年の間に、人々がニュースフィードに費やす時間は増えたものの、視聴率はシェアされるストーリーの増える量には追いついていない。

これは、ニュースフィードに投稿されたものに対するリーチの、自然減少を引き起こす。そのストーリーを見せるのに相応しい全ての相手の中で実際に見る人の比率が減少するという意味だ。これが、Facebookページのフォロワーがページの内容を読む比率が徐々に減少していく理由だ。これは広告を見せようと躍起なFacebookの陰謀というよりも、より大量に人々がシェアを行うことによる避けられない結果なのだ。

あなた自身のコンテンツに対する、このリーチの減少に対処する最良の方法は、Facebookのアルゴリズムの好むものを学ぶことだ。

あなたの目の前に並ぶものの決定に影響を与える主要因

それでは、Facebookのアルゴリズムは、何をどの順番で表示するかを、一体どのように選んでいるのだろう?アルゴリズムは各ストーリーに個人別の関連性スコアを割り当てる、これはその記事をみる個々人に対して異なる値となる、そして見る個人に対してもっとも関連性の高いストーリーを最初に表示するのだ。このアルゴリズムは、何千もの異なる入力を考慮にいれて動作する。しかし、ここではストーリーのパーソナライズされた関連性スコアを決定するための(すなわちユーザーの見え方に影響する)4つの主な要因を示そう。

Facebookのニュースフィードアルゴリズム

誰がそれを投稿したか – ある投稿の著者と過去沢山「やりとり」をしているほど、その著者の投稿にこれからも興味があるだろうとFacebookは判断する。この「やりとり」と解釈されるものは、いいね!やコメントといったエンゲージメントだけでなく、クリックし時間をかけて著者の投稿を読んだり、著者のFacebookページやプロファイルを見たり、投稿や写真に一緒にタグ付けしたりされたり、その沢山のFacebook上でのアクションも「やりとり」に含まれる。これが、数年やりとりのない、古い友人やFacebookページの投稿を目にしない理由だ。

他の人たちがその投稿にどれくらい惹きつけられているか – ある投稿に惹きつけられている人の数が多いほど、Facebookがその投稿をあなたの前に差し出す可能性は高くなる。時には、あまりやりとりの発生しない退屈なものが投稿されることもある。そうしたときにはFacebookはそれらを目立たないように沈めてしまうのだ。しかし、最初に投稿をみた人たちのうちの高い割合が反応した(エンゲージした)場合には、Facebookはそれが面白いものであると判断して、より多くの人に見せようとする。

それはどのようなタイプの投稿か – あるタイプ(状況報告、リンク、写真、ビデオ、イベント、転職、他のアプリからのコンテンツ)の投稿により多く反応すればするほど、Facebookはあなたにそのタイプの記事を表示するようになる。それぞれの人が好むポストのタイプは、ひとそれぞれである。私はニュース記事を読むことが大好きかもしれないし、あなたはビデオを観るのが好きかもしれない。Facebookは投稿のタイプによって人をマッチングするので、もしあなたがビデオを決して見ないなら、多くは表示されないことになる。

それはいつ投稿されたものか – 最近投稿されたストーリーであるほど、あなたがそれを目にする可能性は高くなる。しかし、Facebookはまた、あなたが最後にニュースフィードをチェックした時間を知っていて、あなたが最後にログインした時間以降に投稿されて見逃された、古くても良い投稿に高いランクをつけてくる。数分ごと、数時間ごとにチェックをして、Facebookは直近の投稿の優先度を決めていくのだ。1週間のオフラインのあとでアクセスした際には、Facebookはあなたの親友に子供が生まれたというビッグなストーリーを、たとえそれが5日前に投稿されたものだとしても提示してくる可能性がある。

Facebookのニュースフィードスコア

これらの要因を組み合わせることが、ある投稿がニュースフィードの中でどのように上がってくるかに大きな影響力を持っている。あなたがニュースフィードでのやりとりに時間をかけている間、Facebookはあなたが何を気にしているかを学習し、あなたの行動が変化した場合にはその理解を進化させていく。

その他にも、ニュースフィードであなたが目にするものを決定するための、いくつかの大事な要因があるが、上記のものほどは重要なものではない。

どれほど多くの人が同じことについて投稿を行っているか – 多くの友人やFacebookページが同じことを投稿しているとき、Facebookは投稿の高ランクアグリゲーション(まとめ)を作成する。もし沢山の友人が同じニュース記事やビデオを投稿している場合には、Facebookはそれを重大事と仮定し「Josh Constine、他2人がリンクをシェアしました」といったストーリーをニュースフィードに優先的に表示する。

Facebookの新しいプロダクト – Facebookがライブ動画配信や、スライドショーなどの新しいプロダクトをリリースした際には、どれくらい多くの人がそれを使いたがるかを試してみなければならない。適切な見せ方のレベルを学習できるだけの十分なフィードバックを受け取るまでは、プロダクトに関するストーリーの初期段階での現れ方は、多すぎたり少なすぎたりする。

Facebookのニュースフィードアルゴリズム

広告はどのように挿入されるのか

Facebookはまた、ニュースフィードに広告を挿入する。これらは、自然に流れてくる投稿を置き換えてしまうことはしないが、その代わりそれらの間に挿入される。次に表示されるものを1つ押し下げて割り込むのだ。

FacebookはあなたがFavebookページに興味があるのか、ビジネスの広告に興味がある可能性が高いのかを決定するために、類似のしかし別個のランキングアルゴリズムを使用している。Facebookは、あなたが見る広告の数を制限している、したがって、見せるものをあなたがクリックする可能性を最大化したいと思っている、なぜならクリックが収益につながるからだ。

あなたについてFacebookが知れば知るほど、より関連性の高い広告が提示されるようになる。プロフィールを記入して、気になる物のFacebookページをクリックすれば、Facebookの広告はよりパーソナライズされ関連性が高くなり、プロダクト、アプリ、イベント、その他の、あなたが本当に興味を持っている事について教えてくれる。

ニュースフィードを制御する

Facebookはあなたが見たいものをニュースフィードを教えるための、暗黙的および明示的な方法を提供している。

暗黙的な入力は、Facebook上での普段の操作から取り込まれる。もし特定の友人のストーリーに、または特定のトピックについていいね!をし続けた場合、それらをより多く目にするようになる、あなたがいつも誰かの投稿を読み飛ばしていたり、Facebookページにシェアされるストーリーをクリックしなかった場合には、それらを目にする頻度は低いものとなる。そして、これこそが本当に好きなものだけを「いいね!」することが大事であり、単に親切心を示そうと全く関心の無いものに対して同情「いいね!」をするべきではない理由である。

Facebookのニュースフィード・コントロール

Facebookはまた、あなたが直接ニュースフィードに対して、指示をしたり見たくないものを伝えるための明示的なツールを提供している。全てのストーリーの右上には小さなドロップダウン矢印があって、そこから以下のような操作を行うことができる:

  • 投稿を保存:後で読み返すために投稿を保存する、このことでFacebookにより似通った投稿を提示するように指示する。
  • 投稿を非表示:その投稿が表示されないようにして、似たようなストーリーの表示も減らす。
  • フォローをやめる;その著者の投稿を二度と見ないようにする。
  • 投稿を報告:投稿に問題があることを運営側に報告する。
  • この投稿に関するお知らせをオンにする:この投稿にコメントなどがつくと通知されるようにする。

ニュースフィードの設定には、「トップに表示」というオプションもある。これは、あなたがいつもニュースフィードのトップでその投稿を見たい人やFacebookページを選ばせる。これは愛する人、親友、好きなブランドまたは自分のビジネスなどについて、情報をいつでも知っておきたいときに便利な機能だ。

ニュースフィードのアルゴリズム変更に関する最新リスト

Facebookは、常にニュースフィードを微調整している。それはシステムに対する悪用や不正への対処や、新しいメディアタイプの取り込み、そしてユーザーが関心のないものを見せられてしまう欠陥の修正などである。FacebookはNews Feed FYI(ニュースフィードに関するお知らせ)ブログの投稿で、変更についての透明性を確保している。

フィードの好み設定

この記事も同じように適応する。Facebookがより多くのFYI(For Your Information:お知らせ)を投稿するにしたがって、私たちはそれらをこのリストに、それぞれどのような意味を持っているかの短いまとめと共に追加していく。この記事を参照し続けて、ニュースフィードがどのように機能するかを理解していない友人や同僚たちと共有することができる【訳注:以上の追加更新は日本版記事では未定】。以下に、これまで行われたすべてのニュースフィード変更のお知らせを示す。

Facebookページの高品質な投稿 – タイムリーなもの、関連性が高いもの、あなたが信頼するソースからの投稿、シェアしたりお勧めしたくなるもの、純粋に興味深くニュースフィードを悪用していないもの、低品質だったりスパムだったりしないもの、愚痴ではないもの、隠された部分のない完全なページプロファイル、他の高品質なFacebookページとファンが重なっているもの。

より関連性の高い広告 – 他の人たちが非表示にした広告を少なく、他の人たちが既に非表示にしたものと類似の広告も少なく。

品質の高いニュース – 高品質の記事へのより多いリンク、スパム写真へのより少ないリンク、あなたがクリックしたものに関連した記事、新しいコメントのついたストーリーを強調。

友人からの状況更新をより多く – 友人からのより多くのテキストによる状況更新、Facebookページからのテキスト状況更新はより少なく、ページからのシェアされたストーリーへのリンクはより多く、ページに埋め込まれたリンクに付随するテキストの更新は少なめに。

あなたが好きなトピックスについて、より多くのストーリーを – 他のページをタグつけているページでの投稿は、そのタグつけられたページのフォロワーにも表示される。

ニュースフィードスパムを撃退 – あからさまに、いいね!、コメント、シェアを要求するページの投稿をより少なく。すでに、そのページによってシェアされているページ投稿をより少なく、不正確な言葉や人のミスクリックを誘うようなトリックの書かれたスパム的リンクをより少なく。

明示的にシェアされたストーリーに焦点を当てる – サードパーティアプリケーションからの明示的にシェアされたストーリーをより多く、非明示的もしくは自動的にシェアされたストーリーはより少なく。

より良いビデオを表示 – より多くの人たちが観て、長時間視聴していた動画を多めに、ビデオを見るひとへより多くのビデオを、ビデオをスキップするひとにはビデオを少な目に。

クリックベイトとの戦い – 何をクリックしようとしているかをあまり伝えてくれないリンクを少なく、移動してもあまり時間を使わずすぐにFacebookへ戻ってくるひとが多いウェブページへのリンクを少なく、移動して長い時間を過ごすウェブページへのリンクを多く、訪問した後にが話題にしているウェブページへのリンクを多く、訪問した後話題にするひとがいないウェブページへのリンクは少なく、リンク形式でシェアされているストーリーをより多く、写真や動画の説明やキャプションと共にリンクが張られているストーリーをより少なく。

広告についてのフィードバックを取り込む – 人々が広告を非表示にした理由を調査し、自分にとって関連性が薄いので隠したと答えたひとには類似のリンクを少なく、人々が失礼だという理由で非表示にした広告は誰に対しても少なく、日頃広告を非表示にしないひとのフィードバックを重く取り扱う。

よりタイムリーなストーリー – 現在のトレンドトピックを参照しているストーリーをより多く、投稿した直後にいいね!がつけられている投稿を、投稿後あまり時間が経過していないうちにより多く表示。

あなたが見るものをより詳細に制御 – もし誰かのストーリーを非表示にした場合、そのひとを完全にアンフォローしなくても将来の投稿を見る機会を減らすことができる。

プロモーションページの投稿を削減 – ただ人々にプロダクトの購入やアプリのインストール、クジの購入を迫ったり、あるいは広告の内容を単に繰り返しただけの投稿を少なく。

デマの最小化 -人々が通報したり、あるいは詐欺または故意の虚偽ニュースとして投稿後に非表示にしたものをより少なく。

友達からのコンテンツをより多く表示 – ページではなく友達の投稿をより多く、ある投稿に友達がいいね!やコメントをしたというストーリーはより少なく、まだニュースフィードにあまりコンテンツのない新しいユーザーには同じソースからの投稿をより多く。

長い時間読まれているストーリーを多く – 他の人たちが他のストーリーに比べて、ニュースフィード内でかなり多くの時間を費やしているストーリーより多く。

「トップに表示」機能 – 新機能を使用すると、そのストーリーを最初に見たい友人やページのストーリーをニュースフィードのトップに表示する。

人々がストーリーを非表示にする方法の違いを考慮する ‐ 自分がいいね!をしたりコメントをしたストーリーも含んで、あまりにも多くのストーリーを非表示にしたユーザーに対しては、その非表示を軽く取り扱う。

ビデオに対してとられたアクションを考慮する -人々が音声をオンにした、フルスクリーンで観た、あるいは高解像度で観たビデオをより多く。

低速接続のためのニュースフィード改善 ‐ インターネットに低速で接続している場合には、ビデオをより少なく、そして状況やリンクをより多く表示する。もしインターネット接続がない場合には既にロードされているストーリーをもう一度表示する。

リアクションを考慮する – あなたが(いいね!などで)反応したものに類似したストーリーをより多く。

低品質のバイラルストーリーを減らすために調査を行う – サーベイを通して人々があまり見たくないと言っているものをより少なく。

オフラインニュースフィード – 接続速度が遅い場合、Facebookはそれまでにダウンロードされたストーリーを関連性で再ランクを行い、ローディング表示の代わりにそれらのストーリーを表示する。

定性的フィードバックを考慮する ‐ サーベイと定性的調査によって、人々が高く評価しエンゲージする可能性が高いとされたものをより多く。

リアクションとストーリーをマッチング – Facebookは人々が何らかの形でリアクション(最近増えた「いいね!」以外のリアクションも含む)したものに類似したものを、長期的には人々に見せたいと思っている、したがって頻繁に「うけるね」リアクションを使うひとは、面白いストーリーをより多く目にすることになる。

ライブ配信をライブのうちに – 現在ライブ配信されているライブビデオをより多く。

時間をかけて読まれているサイトを考慮する ‐人々がより時間をかけて読んでいる「インスタント記事」やFacebookに取り込まれたモバイルウェブページをより多く、同じページからの連続した記事はより少なく。

友人や家族に対してFacebookページ以上の優先順位を付ける ‐ あなたが大切にしている人間のストーリーをより多く、ビジネスやニュースサイトからのストーリーはより少なく。

誤解させるあるいは何の情報もないクリックベイトの扱いを低く – 意図的に記事の核心の詳細を省略したり、誇張したりして人々をだましクリックに誘うニュースストーリーをより少なく。

個人的に有益なストーリーの有精度を高く

News Feed FYIが更新されるたびに、このリストを最新にするための更新を行うつもりだ【訳注:日本語版では未定】。

ニュースフィード戦略

ニュースフィードの中で目立つように表示されるための最良な戦術は、結局とてもストレートなやり方だ、すなわち、面白くて、本物で、読み手の興味と共鳴するものを共有することだ。それは一般的に、視覚的に説得力のあるメディア、面白いまたは感情に訴えるコンテンツ、幅広い視聴者を惹きつける重要なニュース、であることを意味する。

過度に自己宣伝の強いスパム、無味乾燥で長ったらしいコンテンツ、そして一部読み手だけにアピールする見かけの退屈なメディアは避けるべきだ。

だから、投稿する前には、自問して欲しい。これは本当に興味深くて他の人たちを楽しませるものなのか?それとも、ただ無駄にあなたの生活自慢をしたり、貪欲なビジネスマーケティングを行ったりしているだけなのか?

Facebookのニュースフィードのアルゴリズムは複雑だが、それが奉仕する人間側はまだかなり単純だ。私たちは皆ただ刺激を求めている。だからそうすれば、あとはFacebookがあなたが言わなければならないことをシェアしてくれる。

ニュースフィードのストーリー

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(翻訳:Sako)