AI活用の水泳コーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へ

AI活用の水泳コーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へソニーネットワークコミュニケーションズは3月29日、映像とAIを活用したスイミングスクール向けコーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」について、コナミスポーツが導入を決定したと発表した。4月1日より「運動塾デジタルノート」の名称で、コナミスポーツクラブの「運動塾スイミングスクール」で使われる。まずは東京の本店に導入し、2023年3月末までに全国約100店舗に順次導入してゆく。

スマートスイミングレッスンシステムは、撮影と動画編集、クラウドによる配信、コーチ用アプリケーションという技術で構成されている。撮影は、プールの水上と水中に設置した複数台のカメラで行われる。通常は、水面の揺れ、光の反射、屈折などにより難しいとされる泳ぐ人の画像認識と追従を独自開発のAIアルゴリズムで実現した。さらにAIは、複数の水面・水中映像から最適なものを選び出して自動編集を行い、動画コンテンツにまとめる。この映像は、プールサイドに設置したタブレットで自動再生されるため、プールから上がった生徒は、タブレットを操作することなく、すぐに見ることができる。コーチ用のアプリケーションは、レッスン中にも使いやすい画面デザインとなっていて、進級テストでは、動画とともに結果とコメントをまとめて個人用ページに配信できるようになっている。これは保護者の端末にも配信され、親子で共有できる。

ソニーのセンシング技術・AI活用の「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へこのシステムでは、レッスン前に個人ページに配信されるお手本動画での予習が可能であり、レッスン中はコーチがお手本動画を示しながら説明が行えるという特徴がある。自分の泳ぎの映像と合わせることで、生徒は自分の課題を視覚的に理解しやすく、自発的な行動が促されるという。また、上達を実感できるためモチベーションが向上し、積極的な学びにつながるとのことだ。

カメラは、防水対応を施したソニーの小型リモートカメラ(SRG-XP1)が使われている。水中カメラは約4kgという軽量の4Kカメラで、持ち運ぶことも可能。これまで特別な施設でなければ水中撮影は難しかったが、このシステムなら、どのスイミングスクールでも4Kの水中映像の撮影が可能になる。

スマートスイミングレッスンシステムは、2021年5月からルネサンスが運営するジュニアスイミングレッスンに導入され、現在約80店舗に展開されている。そこでは、生徒の意欲向上が見られるほか、コロナ禍で見学ができない保護者からはレッスンの様子が見られることが評価されている。スクール運営者やコーチにも支持されているそうだ。ソニーネットワークコミュニケーションズでは、指導ノウハウのデジタルコンテンツ化やレッスンの品質管理にも役に立つこのシステムを、スイミングスクールのDXを支援するソリューションとして広く展開してゆくと話している。

アップルとMLBが12週にわたり金曜ナイトゲームを無料ライブストリーミング配信、日本でも視聴可能

3月初め、Apple(アップル)はメジャーリーグベースボール(MLB)と初のライブスポーツ契約を締結し、2022年シーズンに向けて多くの試合やその他のMLBコンテンツをApple TV+サービスに提供することを発表した。米国時間3月29日、Appleは「Friday Night Baseball(フライデーナイト・ベースボール)」の最初の12週間のダブルヘッダースケジュールを公開し、インターネットにアクセスできる人なら誰でも、Apple TV+のサブスク契約なしで自由に視聴できるようにすると発表した。

以前Appleは、フライデーナイトゲームのいくつかを「期間限定」で無料提供することを示唆していたが、その数については詳しく述べていなかった。この提供により、より多くのユーザーが、Apple TV+サブスクリプションにコミットする前に試してみるようになる可能性がある。AppleはTechCrunchに対し、消費者が無料でゲームをストリーミングするために、TV+のサブスクリプションや無料トライアルにサインアップする必要がないことを確認した。

Appleによると「Friday Night Baseball」スケジュールの前半は、4月8日に配信開始される予定。最初の試合は、New York Mets(ニューヨーク・メッツ)とWashington Nationals(ワシントン・ナショナルズ)の対戦で、ワシントンD.C.のNationals Park(ナショナルズ・パーク)から米国東部夏時間午後7時に生中継される。その後、Apple TV+では米国東部夏時間午後9時30分から、Houston Astros(ヒューストン・アストロズ)対Los Angeles Angels(ロサンゼルス・エンゼルス)戦をAngel Stadium(エンゼル・スタジアム)から生中継する。

その後も「Friday Night Baseball」ダブルヘッダーは、レギュラーシーズン中、Apple TV+で8カ国の野球ファンに向けて配信され続ける予定だ。6月24日までの前半のスケジュールは、こちらでご覧いただける。シーズン後半に行われるフライデーナイトゲームもAppleが無料にする予定かどうかについては、まだ不明だ。

MLBのシーズン開幕は労働争議で延期されていたが、それも解消された。

米国のファンは、ハイライトや進行中の試合のチェックを中心とした新しいライブ番組「MLB Big Inning」も視聴できるようになり、そちらはレギュラーシーズン中は毎晩放送される予定だ。さらに、米国とカナダのファンは、MLBの試合のリプレイ、ニュース、分析、ハイライト、クラシックゲームなどを含む24時間365日の新しいライブストリームと、ハイライトやその他のMLBオリジナルコンテンツを含むオンデマンド番組にアクセスできるようになる。試合や番組は、Apple TV+サービス全体でストリーミング配信され、地方放送の制限を受けずに視聴できる。

Appleはまた、4月15日は殿堂入り選手Jackie Robinson(ジャッキー・ロビンソン)のメジャーリーグデビュー75周年となることから、MLBがジャッキー・ロビンソン・デーを記念することにも言及している。

その夜、Appleの「Friday Night Baseball」では、元アメリカンリーグのジャッキー・ロビンソン新人王Randy Arozarena(ランディ・アロザレーナ)選手、オールスターでショートを務めたTim Anderson(ティム・アンダーソン)選手とChicago White Sox(シカゴ・ホワイトソックス)を訪問する特別中継を実施する予定だ。さらに記念イベントの一環として、2020年のナショナルリーグMVPであるFreddie Freeman(フレディ・フリーマン)選手と彼の新しいDodgers(ドジャーズ)のチームメイトが、昨シーズンのナショナルリーグのジャッキー・ロビンソン新人王Jonathan India(ジョナサン・インディア)選手とCincinnati Reds(シンシナティ・レッズ)をホストとして迎える。

Appleによると、レギュラーシーズン中の追加試合日程、放送チーム、制作の強化、試合前後の中継など、その他のプレゼンテーションの詳細については後日発表されるとのこと。

同ストリーミングサービスの「Friday Night Baseball」では、試合前後の関連番組もライブ配信される。

試合は以下の国でストリーミング配信される予定だ。

  • 米国
  • カナダ
  • オーストラリア
  • ブラジル
  • 日本
  • メキシコ
  • プエルトリコ
  • 韓国
  • 英国

今回の「Friday Night Baseball」は、Appleにとって初のライブスポーツへの参入となるが、かなり以前から同社のストリーミングサービスに追加することを検討していたといわれるものだ。しかし、このローンチは、Appleがその市場地位と多額の資金を活用して、他のストリーミング配信業者がなかなかできないようなことを行えるという例でもある。つまり、潜在的な加入者に対するサービスのマーケティング手段として、無料でライブスポーツを提供するというようなことだ。

試合は、iPhone、iPad、Mac、Apple TV上のApple TVアプリをはじめ、一部のスマートテレビ、ゲーム機、ケーブルTVのセットトップボックスなど、Apple TV+が搭載されているすべてのデバイスで視聴することができる。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

Apple TV+が初のスポーツライブ配信契約でMLBの試合を毎週配信へ、日本でも視聴可能

Apple(アップル)が、Apple TV+のストリーミング・サービスのための新しいスポーツ契約を「積極的に探している」という報道が流れされていたが、米国時間3月8日、同社は多数のMLB(メジャーリーグベースボール)の試合をApple TV+で独占配信すると発表した。同社によると、レギュラーシーズン中の金曜日の夜に、ファンは2試合を視聴することが可能で、試合前と試合後の番組も放送される予定だという。

米国時間3月8日に行われたAppleとMLBの共同発表によれば、8カ国で試合と番組が視聴できるようになるとのことだ。8カ国に含まれるのは米国、カナダ、オーストラリア、ブラジル、日本、メキシコ、プエルトリコ、韓国、英国だが、Appleは後日、このサービスをより多くの国に拡大する予定だと述べている。

Appleが「Friday Night Baseball(フライデー・ナイト・ベースボール)」と名付けた番組に加え、米国のファンは、ハイライトやクリップを含む新しいライブ番組「MLB Big Inning(MLBビッグ・イニング)」を、レギュラーシーズン中に毎晩視聴できるようになる。また、米国とカナダのファンは、MLBの試合リプレイ、ニュース、分析、ハイライト、クラシックゲームなどを含む24時間365日の新しいライブストリームと、ハイライトやその他のMLBオリジナルコンテンツを含むオンデマンド番組にアクセスすることができるようになる。

試合や番組はApple TV+のサービスを通じて配信され、地域の放送規制の影響を受けない、とAppleは指摘している。Apple TV+は、AppleのiPhone、iPad、Mac、Apple TVなどのデバイス、ウェブサイトtv.apple.comに加え、パートナー契約を通じて他のゲーム機やスマートテレビ、一部のケーブルテレビのセットトップボックス(STB)など、あらゆるデバイスで視聴することが可能だ。

特にMLBの試合は、Apple TV+のストリーミングサービスにユーザーを惹きつける役割を果たすだろう。Appleによると、試合はサブスクリプションなしでも「期間限定」で視聴できるようになるという。

Appleのサービス担当副社長であるPeter Stern(ピーター・スターン)氏は「すべての野球ファンと同じように、私たちも開幕が待ち遠しいですね」と声明で述べている。「野球は、米国だけでなく、世界中の多くのAppleのお客様の心の中に特別な位置を占めています。Apple TV+が、シーズンを通して野球のすばらしい瞬間をお届けするホームとなることを誇りに思います」。

また今回の契約の一環として、AppleとMLBは、ファンのためにApple Newsアプリでのリーグやチームの話題を強化し、ハイライトを視聴する手段も提供する。

このニュースは、火曜日(米国時間3月8日)に行われたAppleのライブイベントで発表された(同イベントではiPhone、iPad、Macの最新アップデートも披露された)。

AppleがMLBとスポーツ中継について協議しているという報道は先月流されていた。他に名前が上がっていたのがNBC Sports(NBCスポーツ)だ。NBCは自社のストリーミングサービスであるPeacock(ピーコック)へのスポーツコンテンツへの追加に関心を持っていた。ニューヨーク・ポスト紙によれば、契約額は1億〜1億5千万ドル(約115億7000万〜約173億6000万円)の範囲になっていただろうという。

AppleとMLBは、これまでもARKitのようなAppleの新技術や、Apple PayビジネスチャットのようなサービスをMLBがいち早く採用することが多く、何年も密接に連携してきた。また、AppleはかつてMLBと提携し、ダッグアウトにiPadを設置したことがある。

MLBのチーフレベニューオフィサーであるNoah Garden(ノア・ガーデン)氏は「Appleは、『フライデー・ナイト・ベースボール』を世界中のファンのみなさまにお届けするための理想的なパートナーです」と発表のなかで語っている。さらに彼は「2008年のApp Store初日にAt Bat(アットバット)をローンチしたことや、全国の球場でAppleのテクノロジーが統合されたことなどのマイルストーンに続いて、この頼もしい新しい試合パッケージは、ファンのみなさまに質の高い革新的なコンテンツを提供してきた長い歴史の中でも、完璧な次世代コラボレーションです。全国で視聴可能で、国際的な広がりを持つMLB on Apple TV+は、より多くの視聴者が試合とつながることができる、エキサイティングな新しいプラットフォームをファンに提供できます」と述べている。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

ゲームエンジン「Unity」を用いた専用アプリで、骨格運動と筋活動の3次元データを可視化

東京大学は3月3日、複数のカメラで撮影したビデオ映像から人体のポーズをコンピューター上に3次元再構成し、運動解析、筋活動解析の後、ただちにデータベース化して可視化するまでを完全自動化するサービスを開発したと発表した。スポーツ、介護、医療など幅広い分野での運動データの利用が可能になるという。アバターやロボットの全身運動のデータ取得にも使えるとしている。

同研究は、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター 社会連携講座「ヒューマンモーション・データサイエンス」の中村仁彦上席研究員、東京大学大学院情報理工学系研究科 池上洋介助教、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター HERNANDEZ Cesar特任研究員、東京大学大学院情報理工学系研究科 櫻井彬光氏ら研究グループによるもの。人の体のデジタルツイン(コンピューター上に再現された「双子」)を作成しデータベース化するためのビデオ映像入力から筋活動出力までの工程を、完全自動化することに成功した。

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

カメラ4台を用いたモーションキャプチャーの様子

研究グループはこれまでに、モーションキャプチャーで得られた骨格の運動から関節に働く力や筋活動を推定する技術、骨格モデルを対象者の体型に合わせる骨格スケーリング、複数カメラで撮影した映像から骨格運動を3次元に再構成し筋活動解析を行う技術などを開発してきた。また、モーションキャプチャーにおいては、体にマーカーを装着することなく行える効率的な方法も編み出している。

今回の研究では、映像入力から筋活動の出力までを支える一連のアルゴリズムを統合し、全体の計算をパッケージ化してAmazon Web Services(AWS)上に実装することに成功した。また、計算を完了しデータベースに記録されたデータは直後から検索が可能になり、可視化システムによりグラフ表示も行えるようになる。さらに、ゲームエンジン「Unity」を用いた専用アプリで運動を3D表示することも可能となった。

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

グラフ化された運動解析データ

以前は、計算段階で人手による例外処理を必要とするなど、生産性に限界があったため、特定のアスリートに限った運動解析しか行えなかったが、この全自動化されたシステムを用いれば、多くの人の運動解析が可能となる。研究グループは、「青少年スポーツ選手、競技スポーツの選手からスポーツ愛好家、リハビリや健康ために運動を行う高齢者まで、広い世代の多くの方々に運動解析や筋活動解析を使ってもらえるようになった」と話す。今後は「チーム競技のデジタイズとチームプレイの解析、計算の効率化・高速化、スポーツ・データサイエンティストの養成」などの研究に取り組み、東大発スタートアップでの商用実施を目指すとのことだ。

Dapper LabsのFlowブロックチェーン活用、ミクシィとDAZNがスポーツ特化型NFTマーケットプレイスを今春提供開始

Dapper LabsのFlowブロックチェーン活用、ミクシィとDAZNがスポーツ特化型NFTマーケットプレイスDAZN MOMENTS発表

ミクシィは2月4日、スポーツ・チャンネル「DAZN」(ダゾーン)を運営するDAZN Japan Investmentと共同で様々なスポーツのスーパープレイやメモリアルシーンをコレクションできるスポーツ特化型NFTマーケットプレイス「DAZN MOMENTS」を開始することを発表した。開始時期は今年春頃を予定。

また開発においては、「Cryptokitties」(クリプトキティ)や「NBA Top Shot」(NBAトップショット)を手がけるDapper Labsのブロックチェーン「Flow」(フロー)を基盤にサービス構築を行う。

DAZN MOMENTSは、日本国内で展開するスポーツ特化型NFTマーケットプレイスで、スポーツ選手のスーパープレイやメモリアルシーンといった貴重な動画映像をNFTコンテンツ(すべて動画)として提供する。コンテンツにはそれぞれシリアルナンバーが記されており、Flowブロックチェーン上にデータが記録される。

サービス開始時は、NFTコンテンツの収集をメインとして提供。その後、段階的にユーザー同士でコンテンツを売買できるマーケットプレイス機能や、コミュニティとして集まれる場を作るなど、同じ興味・関心を持つユーザー同士がコミュニケーションを取りながら楽しめるサービスにアップデートする予定。正式な提供開始日やDAZN MOMENTSで実際に展開するNFTコンテンツについては、公式サイトで随時発表する。

SNS「mixi」やスマートフォンゲーム「モンスターストライク」などを展開するミクシィは、「エンタメ×テクノロジーの力で、世界のコミュニケーションを豊かに」を中期経営方針として掲げている。その中で、Dapper Labsと業務提携に関する基本合意書を締結するなど、最新テクノロジーを駆使したエンターテインメントやスポーツ領域での事業創出に注力している。また2020年12月には、DAZNの「商業施設利用契約サービス」提供開始に合わせて、セールスエージェントパートナーとしてDAZNと協業を開始した。

今回の取り組みでは、ミクシィの最新テクノロジーを活用したサービス開発のノウハウと、DAZNが持つ豊富なスポーツコンテンツを掛け合わせた新規事業を創出することで、多くのスポーツファンが楽しめるサービスを提供できると考え、両社の強みを活かしたDAZN MOMENTSを開発・提供を開始するという。

DAZN MOMENTSでは、DAZNがコンテンツマネジメントやマーケティングを行い、ミクシィはサービス開発・運用を担う。

史上最高のQBトム・ブレイディ氏のセレブNFTスタートアップ「Autograph」がトップ暗号資産投資家から193.5億円調達

著名アメフトプレイヤーのTom Brady(トム・ブレイディ)氏が共同創業に参加したNFT代理店のAutograph(オートグラフ)は、特にスターパワーの宝庫だ。同社はこのたび、このプラットフォームによって新世代のセレブリティとそのファンを、暗号資産コレクションの世界に引き込むことができると期待する暗号資産投資家たちから新たな資金を調達した。

スタートアップがクローズしたのはAndreessen Horowitz(a16z、アンドリーセン・ホロウィッツ)とKleiner Perkins (クライナー・パーキンス)が主導した1億7000万ドル(約193億5000万円)のシリーズBだ。ラウンドにはKatie Haun(ケイティ・ホーン)氏の新しいファンドとLightspeed(ライトスピード)のパートナーであるNicole Quinn(ニコル・クイン)氏も参加している。これは、01AとVelvet Sea Ventures(ベルベット・シー・ベンチャー)が共同で主導し、2021年7月にクローズしたシリーズAラウンドに続くものだ。今回の調達により、ホーン氏、a16zのArianna Simpson(アリアナ・シンプソン)氏、Kleiner PerkinsのIlya Fushman(イリヤ・フッシュマン)氏の3名が新たに取締役会に加わった。

彼らは、ブレイディ氏、Apple(アップル)のEddy Cue(エディー・キュー)氏、FTXのSam Bankman-Fried(サム・バンクマン=フライド)氏、The Weekndとして知られるアーティストのAbel Tesfaye(エイベル・テスファイ)氏などの有名人を擁する多彩な取締役会に加わることになる。

Autographは、恐ろしく騒がしいNFTの世界で、個人的な存在感を発揮したいと考えているセレブリティアスリートやエンターテイナーを仲介する代理店のような存在だ。有名人のNFTは、2021年初めに暗号化されたコレクターアイテムが人気を博して以来、さまざまな結果を見せている。ファンに報いるために考え抜かれたプロジェクトとともにこの世界に入ってきた人たちがいる一方で、多くの人に嘲笑されるような金儲けのためのプロジェクトも多数あったのだ。

これまで一般に暗号資産は、目の肥えた有名人が自身の評判(という資産)を失うことなく、世間に影響を与えたり利益を得るのは難しいとされていた。たとえばマット・デイモン氏は、2022年1月、つまらない暗号広告キャンペーンに出演したことで、かなりの嘲笑を浴びることとなった。今週初めには、キム・カーダシアン氏とフロイド・メイウェザー氏が、過去に2人が承認したトークンに対して投資した投資家から訴訟を起こされている。

他のNFTユニコーンであるDapper Labs(ダッパー・ラボ)は、NFL Players Association(NFL選手協会)やNBA Player Association(NBA選手協会)をはじめとする、米国の包括的なスポーツリーグの選手協会とパートナーシップを結んでいるが、これに対してAutographは、個々のアスリートと、彼らがプレーするチームや彼らが所属するリーグの文脈の外で、彼らをとりまく個人的な魅力に焦点を当てているようだ。Autographの初期のパートナーは主にスポーツ界だが、ブレイディ氏、タイガー・ウッズ氏、シモーネ・バイルズ氏、デレク・ジーター氏、大坂なおみ氏、ウサイン・ボルト氏、ウェイン・グレツキー氏、トニー・ホーク氏など、それぞれのスポーツ界で最も有名なアスリートたちが名を連ねている。

Autographの目的は、最高レベルの顧客が、より厳選された環境下で、暗号資産の世界へ関わることができる入口を用意することにあるようだ。

Autographは先の7月にDraftKings(ドラフトキングス)との提携を発表したが、同社はすでに多くのマーケットプレイスと提携してきたという。Autographは主に、Ethereum(イーサリアム)のインフラストラクチャを利用するPolygon(ポリゴン)ブロックチェーン上でNFTを提供してきたが、トランザクションあたりのエネルギー消費量はかなり少ない。これは、ブロックチェーン技術に対する環境批判に晒されることを警戒している有名人にとっては重要な要素だろう。

またスポーツ界以外では、The WeekndやSlam Magazine(スラム・マガジン)、ホラーシリーズのSaw(ソウ)の公式NFTなどを手がけている。

関連記事:NFTコレクターズマーケットプレイスの立ち上げ計画をDraftKingsが発表

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(文:Lucas Matney、翻訳:sako)

センサーを使わないスポーツコーチングMustardが野球以外のゴルフやサッカーなども対象に

ロサンゼルスのスポーツ訓練プラットフォームMustardが今週、375万ドル(約4億3000万円)の資金調達ラウンドを発表した。Lake Nona Sports & Health Tech Fundがリードしたこの最新の調達は、2020年後期の170万ドル(約1億9000万円)のラウンドに続くもので、同社の調達総額はこれで600万ドル(約6億9000万円)になった。

新たな投資家はMark Cuban(マーク・キューバン)氏、OneTeam Partners、Ronnie Lott(ロニー・ロット)氏、Justin Rose(ジャスティン・ローズ)氏、Major League Soccer Players Association、そしてUnited States Women’s National(Soccer)Team Players Associationで、彼らが、同社の既存の投資家たちのリストに加わることになる。すでにクォーターバックのDrew Brees(ドリュー・ブリーズ)氏や伝説のピッチャーNolan Ryan(ノーラン・ライアン)などの大物もいる。

ブリーズ氏は、特別にTechCrunchに対して次のように方ってくれた。「未来のオリンピック選手やMLBのピッチャー、あるいは、自分が情熱を注いでいるさまざまなスポーツで州の高校チャンピオンになれる若いアスリートはたくさんいる。私の場合、それはフットボールだった。しかしながら残念なことに、若いアスリートは私が受けてきたようなタイプの指導を受ける機会がない人がとても多い。Mustardなら現在のような不均衡状態を解消して、エリートのトレーニングを若くて向上心に富む意欲的なアスリートに提供できるはずです。同社のミッションをサポートできることを誇りに思っています」。

画像クレジット:Mustard

今回、投資家の顔ぶれが多様化したのは、指導を野球以外にも広げたいためだ。「Mustard」という奇妙な名前も、同社のルーツすなわち野球を示している(「put a little mustard」豪速球を投げる)。今後、ゴルフ、サッカー、フットボールといったスポーツを追加していく。野球と同じく、ゴルフは比較的静止した状態から動き始めるので、野球からのジャンプもやさしいだろう。同社によると、資金の一部は、対象スポーツを増やすための指導者の増員に充てたいという。

CEOのRocky Collis(ロッキー・コリス)氏はプレスリリースで次のように語っている。「新しい投資家は、米国の主要スポーツ界における経験と人脈を、大きくさせるものです。我々は野球以外のメジャースポーツに手を広げることで、アスリートはどこでも、そのリソースに関係なく、上達のための個人的なレシピで学ぶことができるようになります」。

Mustardは、センサーを使わずにデータを取得するアプローチをとっているため、他の製品との差別化を図ることができている。この技術は比較的参入障壁が低く、元Major League Baseball Advanced Media(MLBAM)の社員を含むチームを通じて、スマートフォンのカメラを使って与えられた動作の力学的な情報を収集する。そこから、アプリが「レポートカード」という形でフィードバックを行う。

画像クレジット:Mustard

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

有名アスリートと一緒にトレーニングできるアプリ「Masters」

Mastersアプリのアスリートたち(画像クレジット:Masters)

2022年の現在は、スマートフォンのアプリの中でレッスンを受けて有酸素運動をしたり、筋肉を鍛えたりするアプリが実にたくさんある。(IPOした)Peloton(ペロトン)のようなプラットフォームの成功はよく知られているが、もちろん、900万ポンド(約14億円)を調達したFiiT(フィット)や、990万ドル(約11億3000万円)を調達したFitplan(フィットプラン)などの新興企業もある。加えて、コーチが自分でコースを作成するMoxie(モクシー)もある。しかし、いまだにあまり開拓が進んでいないのが、セレブリティフィットネスのクラスだ。MasterClass(マスタークラス)は、ハイアートの分野ではほぼ市場を掌握しているが、セレブリティフィットネスは相対的に未踏の分野である。もちろん、有名人が自分のフィットネスアプリを作ることはあるが、その魅力は限られており、有名人にとっては副業に過ぎない。

しかし今、2021年にベータ版を公開した新しいスタートアップ企業が、エリートアスリートから筆者のような凡人がトレーニングを受けられるプラットフォームになることを目指している。

Masters(マスターズ)」は、ユーザーが世界で最も有名なアスリートたちと一緒にトレーニングを行い、4週間のガイド付きオンデマンド・トレーニング・プログラムを通じて、彼らの仕事の秘訣を学ぶことができるアプリだ。

このスタートアップ企業は先日、シードラウンドで270万ドル(約3億900万円)の資金を調達した。このラウンドはKing.com(キング・ドットコム)創業者のファンドであるSweet Capital(スイート・キャピタル)が主導し、Mucker Capital(ムッカー・キャピタル)、Goodwater Capital(グッドウォーター・キャピタル)、Luxor Capital(ラクサー・キャピタル)が参加した他、Shaun White(ショーン・ホワイト)選手、Bam Adebayo(バム・アデバヨ)選手、Kai Lenny(カイ・レニー)選手、A’ja Wilson(エイジャ・ウィルソン)選手などのアスリートや、Anton Gauffin(アントン・ガウフィン)氏、Jakob Joenck(ヤコブ・ヨーンク)氏、Henrik Kraft(ヘンリク・クラフト)氏、Greg Tseng(グレッグ・ツェン)氏、Prerna Gupta(プレーナ・グプタ)氏、Hank Vigil(ハンク・ヴィジル)氏、Janis Zech(ジャニス・ツェッヒ)氏、Andreas Mihalovits(アンドレアス・ミハロビッツ)氏などのプロフェッショナル技術系エンジェル投資家もエンジェルキャッシュを投じた。

同社はすでに何人もの世界的に有名なアスリートと契約を結んでいる。例えば、X GAMES(エックスゲームズ)と3度のオリンピックに出場したスノーボードチャンピオンのショーン・ホワイト選手、3000メートル障害の世界チャンピオンで9度の全米チャンピオンであるEmma Coburn(エマ・コバーン)選手、サーフィンの世界チャンピオンであるカイ・レニー選手、サッカー界のスーパースターでゴールデンボールを獲得したAda Hegerberg(エイダ・ヘガーバーグ)選手、ウィンブルドンで2度の優勝を果たしたテニスチャンピオンのPetra Kvitova(ペトラ・クビトバ)選手などだ。

MastersのCEO兼共同設立者であるGreg Drach(グレッグ・ドラック)氏は次のように述べている。「学習の将来性とは『最高の人から学ぶ』ことであり、同じようにトレーニングの将来性は『最高の人と一緒にトレーニングする』ことです。優秀なトレーナーが指導する対面式のグループエクササイズクラスに10人が参加できるなら、オリンピックメダリストやNBAレジェンドが指導するバーチャルクラスには1000人、1万人が参加できるはずです。私たちの目標は、そんな勝利の方法を、誰もが取り入れることができる実践的なプログラムに変換することです」。

Mastersアプリ 画像クレジット:Masters

Mastersは現在、iOSアプリとして配信されている。各コースはコホートベースで、同じ道のりを歩む同輩と一緒に参加することになる。レッスンは高品質の動画で提供される。

このスタートアップ企業は、都市型ランニングコミュニティ「Midnight Runners(ミッドナイト・ランナーズ)」創業者のグレッグ・ドラック氏とChristian Dorffer(クリスチャン・ドーファー)氏、そして2020年にReddit(レディット)に買収されて2021年廃止された動画共有アプリ「Dubsmash(ダブスマッシュ)」の元CTO / 共同創業者だったDaniel Taschik(ダニエル・タシク)によって2021年に設立された。

Sweet CapitalのRiccardo Zacconi(リカルド・ザッコーニ)氏は次のようにコメントしている。「私はいつも、最高のプロスポーツ選手がトップに立つためにどんなことをやっているのかを知りたいと思っていました。例えば、彼らは実際にジムに行って何をしているのか?Mastersは、彼らのルーティンを、誰にでもできる具体的なプログラムに落とし込むことに成功し、多くの人の心に強く訴えたのです」。

Mastersが今回のラウンドで調達した資金は、新たなアスリートとの契約、Androidアプリの立ち上げ、製品の改良のために使われる予定だ。

ドーファー氏は筆者にこう語った。「人々は、テレビやソーシャルメディア、印刷物、オーディオブックなどで、スポーツ界のアイドルを追いかけるのが好きです。Mastersはまったく新しい出版フォーマットであり、私たちはこれを『インタラクティブ・トレーニング・ドキュメンタリー』と呼んでいます。私たちは、このプレミアムな教育フォーマットこそが未来であり、従来の悠長に構えたビデオフォーマットは競争に苦戦することになると信じています」。

 

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スマートコンタクトレンズのMojo Visionがアディダスなどのスポーツブランドと提携、狙いはプロアスリート

ここ数年、Mojo VisionはCESで小規模ながらも存在感を示し、拡張現実(AR)コンタクトレンズの可能性を垣間見せてくれていた。年々、そのビジョンが少しずつ近づいてきているように思えるが、まだまだ遠くでもある。今回のCESでは、コロナ禍の影響でこのカリフォルニアの企業に直接話を聞くことはできなかったが、スマートコンタクトレンズの未来がどのようなものになるのかについて、同社はいくつかの洞察を提供してくれた。

2022年の展示会での大きなニュースは、以下のようなスポーツ分野のブランドとの数々のパートナーシップだ。adidas Running、Trailforks(サイクリング / ハイキング)、Wearable X(ヨガ)、Slopes(スキー)、18Birdies(ゴルフ)など。こうしたパートナーシップにもかかわらず、この技術はまだ市場に出回っていない。他の障害に加えて、FDAの承認を受ける必要があるからである。

しかし同社は、プロアスリートの生活の中で、効果的なアイマウントディスプレイが果たす役割の可能性を示している。

Mojoのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターのDavid Hobbs(デビッド・ホブ)氏は、リリースの中でこう述べている。「今日のウェアラブル機器は、アスリートにとって有用になり得ますが、活動の焦点から気をそらしてしまうこともあります。当社は、アスリートのパフォーマンスデータを提供するためのより良い方法があると考えています。既存のフォームファクターにおけるウェアラブルの革新は、限界に達し始めています。Mojoでは、何がまだ足りないのかをよりよく理解し、最も重要なトレーニング中の集中力と流れを妨げることなく、その情報にアクセスできるようにするにはどうすればよいかに興味を持っています」。

つまりMojoは、かさばるウェアラブル端末を持ったり、アスリートに端末を見下ろさせたりすることなく、データを提供できる世界を目指しているのだ。少なくとも今回の提携は、Mojoが視覚障がい者支援などの他の用途に加えて、自社技術の早期市場としてスポーツを狙っていることを明確に示している。

同社はまた、2020年4月の5100万ドル(約59億2000万円)の調達に続き、米国時間1月4日4500万ドル(約52億2000万円)のシリーズB-1を発表した。今回のラウンドには、Amazon Alexa Fund、PTC、Edge Investments、HiJoJo Partnersが参加しており、同社の累計資金調達額は2億500万ドル(約238億円)に達している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

電子トレカ事業ORICAL中心にスポーツ・エンタメ領域のファンビジネスを提供するventusが2.75億円調達

電子トレカを用いたファンシステム「ORICAL」(オリカル)などを展開するventusは12月20日、第三者割当増資による総額2億7500万円の資金調達を2021年9月に実施したと発表した。引受先は、既存株主のANOBAKA、サムライインキュベートと、新規投資家のユナイテッド、ソニー・ミュージックエンタテインメント、オー・エル・エム・ベンチャーズ、VOYAGE VENTURES、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、G-STARTUPファンド。

2017年11月設立のventusは、プロ野球チームなどの国内大型スポーツ・エンタメコンテンツと協業し電子トレカシステムORICALの運営を行っている。ORICALは、選手の魅力を最大限に引き出せるよう「動くデザイン」を実現したほか、ファンの熱量を逃がさない「リアルタイム発行」、来場限定トレカ、ファンクラブなどとの連動といった機能でファンエンゲージメントツールとして浸透しているという。今後は、トレカサービスにとどまることなく、スポーツ・エンタメ界に新しい「デジタルコンテンツ×ファンシステム」を構築していくため事業拡大を行う。

具体的には、2021年12月現在で3チーム・団体が導入しているORICALを、より多くの国内外のスポーツチームに提供していく。現在はスポーツチーム向けに最適化されているORICALシステムを、スポーツ以外のあらゆるコンテンツにも拡大する。加えて、電子トレカをきっかけに新たなデジタルコンテンツの作成、デジタルコンテンツを中心とした新たなファンシステムの仕組み作りを開発していく。

ファンに寄り添った企画・機能開発をベースに、デジタルコンテンツからファンシステムまで、ファンビジネスの上流から下流までをカバーする総合的なエンタメテック企業へ進化するとしている。

パ・リーグ6球団とメルカリが共同でNFT事業に参入、2022年めどにブロックチェーン活用サービス提供など検討

パ・リーグ6球団とメルカリが共同でNFT事業に参入、2022年めどにブロックチェーン活用サービス提供など検討

パ・リーグ6球団およびパシフィックリーグマーケティング(PLM)とメルカリは12月16日、2021年12月(予定)より、パ・リーグ6球団として初めてNFT事業で連携し、パ・リーグ6球団の名場面やメモリアルシーンをコレクションできる「パ・リーグ Exciting Moments β」の提供を開始すると発表した。試合映像を使ったNFT事業にスポーツリーグが参入するのは日本初の試み。まずは販売のみの機能提供となるが、2022年めどにブロックチェーンを活用したサービスの提供やコレクションの再販機能の提供など、ファン同士のコミュニティ活性化を目的としたマーケットプレイスの構築も検討する予定。パ・リーグ6球団とメルカリが共同でNFT事業に参入、2022年めどにブロックチェーン活用サービス提供など検討

パ・リーグ Exciting Moments βは、パ・リーグ6球団の記憶に残る名場面やメモリアルシーンを捉えた動画コンテンツを自分だけのコレクションとして保有できるパ・リーグ6球団公式のサービス。

初期ラインナップ「Series 1 – ’21 Season Best Players」は、2021シーズンで特に活躍した選手を中心に計18プレーを収録予定。シーンや選手に応じて、★の個数でレアリティが付いており、専用ウェブサイトで購入できる。通常の試合の公式映像は、ダウンロードなどは禁止されているが、購入したコンテンツの場合は、ダウンロードして購入者が自身で保有したり、サービス内機能を活用時のみSNSなどでシェアすることも可能。

パ・リーグ6球団とメルカリが共同でNFT事業に参入、2022年めどにブロックチェーン活用サービス提供など検討

初期ラインナップ「Series 1 – ’21 Season Best Players」の計18選手(予定)。かっこ内は初期限定販売数。初期販売においては、★1つの販売はない

昨今のコロナ災禍などにより、各球団は、主要な収益ポイントとなっているチケット販売・飲食販売・グッズ販売などの機会が大きく減少し、前年比半減近い売上となった球団があるなど、業界全体で厳しい事業環境が継続しているという。また、より中長期的な課題として、球場にファンが訪れることで生まれていた直接的なコミュニケーションの機会が失われることによるファンの減少などの可能性もある。

またメルカリは、2021年4月にメルコインを設立し、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行ってきた。

そこで今回、パ・リーグ6球団およびPLMとメルカリが連携することで、プロ野球ファンに対して、自分の好きなシーンを購入し、いつでも視聴でき、自分だけのコレクションとして保有できるサービスをスタートする。今後は、メルカリがフリマアプリ「メルカリ」で培ったマーケットプレイスの知見を活かし、2022年をめどにブロックチェーンを活用したサービスの提供やコレクションの再販機能の提供など、ファン同士のコミュニティ活性化を目的としたマーケットプレイスの構築も検討する予定。

パ・リーグ6球団およびPLMが持つ豊富で貴重なコンテンツとメルカリが持つマーケットプレイスの知見と技術力を融合し、新たなスポーツビジネス、ファンコミュニケーションの形を構築する。パ・リーグ6球団とメルカリが共同でNFT事業に参入、2022年めどにブロックチェーン活用サービス提供など検討

ナイキのアスリート革新方法「ナイキスポーツリサーチラボ」とは

アマチュアスポーツ向け映像分析ツールのSPLYZAが約2.5億円調達、SPLYZA Teamsの機能追加や新製品開発・マーケ強化

8年前、Nike(ナイキ)はナイキスポーツリサーチラボ(NSRL)を拡張することを決意した。その当時、NSRLは本社の向かいにあるミアハムビルディングに入っていた。

現在NSRLは当時の5倍の規模となり、新設のレブロン・ジェームズ・イノベーションセンターの最上階で研究を行っている。このセンターは非常に広く、そのためアスリート、研究者、イノベーターたちが私たちの日々着用する製品の開発を共同で行うことを可能にしている。

研究者は、サッカーのスター選手であるMegan Rapinoe(ミーガン・ラピノー)氏や、世界最速のマラソンランナーであるEliud Kipchoge(エリウド・キプチョゲ)氏について、両足のミリ単位の違いから足が地面につくたびにどれくらいの力が地面に伝えられているかまで、あらゆることを研究しガイドラインを作成する。そしてクリエーターがそれを元にパフォーマンスを強化することの可能なアパレルや靴をデザインする。アスリートはナイキの科学者のサポートを受けながらトレーニングし、自分自身や自分の身体についてより深く知ることで、パファーマンスの向上に役立てている。

しかし、NSRLはただ単に世界のエリートアスリートのためだけに研究を行っているのではない。NSRLは、街の公園のコンクリートコートでバスケットボールをしている人や、一般のランナー、ナイキの「最もタフなアスリート」フィルムで強調されているような、妊婦や新しく親になった人向けの研究も行っているのだ。

ナイキのエクスプロア・チームスポーツ・リサーチラボ副所長のMatt Nurse(マット・ナース)氏は、ナイキが他社に先駆けてより深い理解をより速く追求しようとすることはたびたびあるという。

「ビックデータといった科学や、機械学習およびAIを使用した観察を通し、よいパフォーマンスを引き出すためのさまざまな新案を見出そうとしています」。

ナース氏によると、ラボを訪れる人の80%から85%はさまざまな体の特徴を持つ、多様なバックグラウンドの一般アスリートだという。ナイキは、この新しい環境で何千人もの人をラボに迎え入れる計画で、これを通し新しい知見を得、開発の速度を高めようとしている。

ナイキは最近、メディアの人々を招待し、ナイキ製品の開発のためにアスリート、研究者、イノベータが一丸となって取り組んでいる様子を取材者自身に体験してもらう取り組みを行った。

レブロン・ジェームズ・イノベーションセンターの入り口(画像クレジット:Rae Witte )

75万平方フィートのレブロン・ジェームス・イノベーションセンターの入り口は、データとデザインを活用してイノベーションを生み出そうという、ナイキが約10年に渡って行ってきた取り組みの方向性を伝えるものとなっている。

レブロン・ジェームズはプロとして通算3万ポイントを達成したわけだが、彼が打ったすべてのシュートがどの位置からのものだったのかを示すマークが、ゴール前のつややかなコンクリートフロアの上に記されている。シュートが決まった場合には金色の点、はずれた場合にはただの円になっている。特別なシュートにはやや大きめの文字入りのマーカーがついているが、そこには彼の最初のシュートと、2万ポイント目のシュートも含まれている。

メインフロアの上は、アパレル、シューズのプロトタイプが置かれていて、デザイナーやクリエイターがロボットや3Dプリンターを使って仕事をするスペースになっており、ニット、ファブリック、刺繍セクションもある。また、ナイキの共同創設者であるPhil Knight(フィル・ナイト)氏が陸上競技会場へ出向くのに使用したトラベルトレーラーであるウィネベーゴの複製すらある。ナイト氏は、アスリートからフィードバックを得ようと競技会場でナイキの最も初期の靴を配ったのだ。

8万4000平方フィートのNSRLは建物の最上階を占め、そこで研究者とアスリートがともにナイキの靴や服を開発する。NSRLには、フルサイズのNBA企画のバスケットボールコート、200メートルの陸上トラック、人工気候室、人工芝のフィールドが設けられている。これらのエリアには、フォースプレート92個、モーションキャプチャカメラ400台、プロトタイピングマシン80台が置かれている。

ナース氏が豪華な体重計と表現するフォースプレートが、トラックや人工芝やバスケットボールコートの下に配置されている。通常の体重計は乗ると1つの数値を示すだけだが、フォースプレートは、垂直の動きだけでなく、横や前後の3次元の力のかかり方を1秒間に数万回測定可能という。

例えば、ランナーがトラック上にいる場合、足が地面に着地しそして蹴り出す力を測定することができる。

NSRLには余剰スペースがあり、そのため流動的で制限の少ないゲームプレイと動きの測定が可能である。

「ここでの目標の1つは、アスリートがフルスピード、フルモーションで持続的にプレイできるようにすることです。規模の小さな施設だと決められた動きしかできず、それ以上の研究ができないことがあります。私たちの施設では、アスリートに自由に動いてプレイしてもらうことができます」とナース氏はいう。

ラボでのテスト

ここにあるすべてのツールをどのように使用して制御された実験を行い、観察のためのビックデータを収集するかを研究者に知らせるためには「量、行動、反応」の三角形の3つの柱を理解する必要があるとナース氏はいう。「私たちが量、行動、反応を把握することができれば、プロトタイプから情報を得ることができます。これが問題解決のいとぐちになると思います」。

ラボの見学ツアーで、私たちはナイキがアスリートのためにデザインしたのと同じ、バスケットボールコート、陸上トラック、人工芝、そしてトレッドミルなどでのテストを体験した。

まず全身スキャンを行って、どのナイキアパレルが最適かを決定し、形態学的な身体サイズの追跡と骨格筋および筋肉の非対称性の調査、足と足首の3次元スキャン、裸足歩行圧テスト、といったベースラインデータの収集を行ったあと、応用パフォーマンスイノベーショントレッドミルの上を走った。私は快適に感じるジョギングスピードを選び2、3分走るように指示をされたのだが、その間、研究者は分析のためにそれを記録した。

研究者は、アスリートの走り方が跳ねすぎてはいないか、つま先で走っているか、前傾姿勢になりすぎていないかなど、フォームについての観察結果を知らせてくれる。

また、研究者は機能的なアドバイスもしてくれる。例えば、前傾姿勢になりすぎているランナーはより効率よく走るために、臀筋またはハムストリングスを強化する必要がある、といった具合である。

研究者は、生体力学的な知識と、製品やアスリートを理解するためのアルゴリズム開発を通じて、このテストをベースラインデータと組み合わせ、より速く走ることができるか、より長時間走ることができるか、そして体へのストレスのかかり具合が少ないかどうかなど、最も効率のよいパフォーマンスをするための靴についてアドバイスをしてくれる。

トラック

トラックは、人工芝のフィールドとバスケットボールコートを囲む形で配置されている。トラックには長時間のランニングや、スタートといったより個別化したテストに使用することのできるフォースプレートやモーションキャプチャカメラが装備されている。ledラビットまたはペーサーにより実験にさらにもう1つの制御がかけられ、また屋外を走るシュミレーションのために100メートルのコンクリートストリップが設けられている。

トラックでは、二足の靴をテストすることができた。そのうちの1足、Infinity Reactsは足の保護と身体へのストレスの軽減、安定性を重視した靴である。私はこの靴を履き、ナイキランクラブの平均ランナーのマイルペースである11分37秒より速く、そしてマラソンを2時間未満で走るエリウド・キプチョゲ氏よりだいぶ遅いのだが、自分が快適に感じられる速度で(1日中トラックを回転している緑に光るLEDペーサーがペースを知らせてくれる)トラックを周回することができた。

しかし、エリートランナー用の紐靴、ZoomX Invincibleを履いて1周しようとした時、私たちはそのクッションシステム(誇張されたフォームとエアシステムソール内にカーボンプレートを備えた超軽量のシステム)が私の足に合わないことを発見した。

私の足の幅は狭く、足首は以前怪我をしたことがある上フレキシブル(あるいはゆるいまたは弱いと私は考えている)である。ランニングフォームは適切であることがわかったものの、私がランナー向きではないことは認める。クッションシステム構造は一部のランナーには最高に効率がよいのだろうが、私には合わず、走りが非常に不安定になってしまった。

ナイキスポーツリサーチラボのトラックを走るアスリート(画像クレジット:Nike)

これが幅広くアスリートを調査する必要がある理由である。キプチョゲ氏のようなランナーを研究することは信じられないほど貴重なことである。というのも彼は非常に効率のよい体をしていてマラソンを完走するのに5時間も必要としないため、それほど長時間走ったことがないのだ。しかし、世界の平均マラソンランナーの所要時間は4時間20分から4時間40分の間である。

この広範囲に渡るデータ収集により、複数の靴を通じて靴の革新を行うことができ、それによってナイキが、エリートマラソンランナーか一般のジョガーかに関わらず、どのランナーにも合う靴を開発することが可能になっている。

人工芝

人工芝の研究を行うターフラボはNSRLで最大のデータキャプチャ量を誇り、ナイキによると、そのデータ量は世界最大かもしれないとのことだ。人工芝の下にはフォースプレートが装備され、ゲームでの動きやより制御された実験のモニターが行われている。研究者は異なるスピードで異なる方向へ動きながら、他のプレイヤー、人工芝、クリーツ、ボールに関与している最大22人のプレイヤー(実際にサッカーのゲームをした場合にフィールドにいる人数である)のデータを集めることができる。また人工芝はターゲットを投影することのできるスクリーンを備えており、シュートやパスの正確性を記録することができるようになっている。

ナイキはサッカーシューズでは2つの部分に特に力を入れているのが、それらは機能的に非常に異なっている。ソール部分は移動のための推力が必要であり、一方上部はドリブル、パス、キックのための動きが重要になってくる。

ナイキスポーツリサーチラボでのゴールのシュートのシミュレーション(画像クレジット:Nike)

フィールドの周囲には200台のカメラが設置され、サブミリメーターの動きをキャプチャしており、ターフの下には15台のフォースプレートが配置されている。制御された環境でアスリートの動きを計測することで、研究者はパフォーマンスのための、そして保護のための極めて小さな変化を突き止める事ができ、そうした発見の多くは野球、フットボール、ラグビーなどの他のフィールドスポーツに適用される。

サッカーのテスト中、私はゴールを狙う動きのシミュレーションを行った。これにはあたかもディフェンダーをタックルしているかのようなシャトルランや、ディフェンダーの周りを走ること、ゴール内にあるスクリーンに投影されたターゲットにシュートをする、といったことが含まれていた。

このシミュレーションでは、私がカットバックした際の力、定められたルート全体でのタイミングや俊敏性、ターゲットが投影された瞬間の私の意思決定のタイミング、ボールがターゲットに対してどれだけ正確にあたっているかがキャプチャされた。

このテストの結果はアスリートの体格、彼らにどれほどの爆発力があるか、そして彼らがフォースプレートをどれだけ速く押し出すことができるかを物語る。シューズの推力に加え、力が彼らの動きのスピードに変換される。推力が不十分な場合、同じレベルの力では速度は遅くなる。

推力に優れてはいるが、靴の上部の作りのために、足を包み込む性能に乏しい靴の場合、靴の中で足が滑ってしまう。靴が地面と効率よく作用している一方、足そのものは効率よく作用していないからである。

対照的に、上部が足を包み込む性能に優れていても推力に乏しい場合は、靴は足にはフィットするものの、地面の上で滑ってしまう。こうしたデータにより靴に修正を加えることができるようになっている。

バスケットボールコート

近くのバスケットボールコートの下にもフォースプレートが設置されていて、バスケットボールプレイヤーのために、同様のデータをキャプチャしている。

プレイヤーはモーションキャプチャカメラに取り囲まれ、心拍数やコートでの動きの速度を追跡するセンサーを身につけている。センサーで追跡された数値は、壁にある大きなスクリーンにリアルタイムで投影されている。これらに加え、フープの下に4Kカメラを備えたフォースプレートがあり、スニーカーのソールがフロアとどのように相互作用するかを記録することができる。

スニーカーの剛性あるいはソールの厚みに応じ、靴によってスピードがどの程度影響を受けるのかを、データを追跡するモーションセンサーと組み合わせて追跡し、センサーが動き全体を通してアスリートの心拍数を追跡している間、ソールが床とどのように接触しているかをすべて観察および確認することができる仕組みだ。

フープ内に設置されている別のカメラは、フープ内を通過するボールの位置を記録する。これらのシュートから収集されたデータは、フープを通過するより一貫した効率的なシュートを生み出すにはどういった機能調整が必要かを示してくれる。

  1. Basketball-at-the-Nike-Sport-Research-Lab1

    (画像クレジット:Nike)
  2. Basketball-2

    (画像クレジット:Nike)
  3. Basketball-at-the-Nike-Sport-Research-Lab3

    (画像クレジット:Nike)
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    (画像クレジット:Nike)
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    (画像クレジット:Nike)
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    (画像クレジット:Nike)
  7. Basketball

    (画像クレジット:Nike)

 

人工気候室

着用者による水分管理のニーズの違いを理解することで、デザイナーは、より機能的な服を作るガイドラインを得ることができる。私たちは暑い気候室と寒い気候室の2つの気候室を見学した。この気候室は、気温を-20度から50度以上に、湿度を10%から90%まで、そして風速を調節できる。また、太陽光線の出方と一致する2種類の電球を使用して、太陽の放射熱をシミュレートすることができるようになっている。

気候室はこうした精度で設定できるため、私たちが訪れた日は、ホットタンクが摂氏34度、湿度70%と、この夏にオリンピックが開催された8月6日の東京とまったく同じ気候に設定されていた。この温度と湿度のために、スタッフやアスリートの中には、熱性疲労で手当を受けなければならない人々もいた。

気候室を活用することで、ナイキは、アパレルデザインまたは機能のゾーニングのどういった違いが衣服の通気性に最大の影響を与えるのかを評価することができる。

人は汗をかくことで体温の調節をすることができるので、高温の気候室はアスリートの発汗反応とそれらが性、年齢、体の大きさでどう異なるのかを研究するのに使用されている。

スタッフは、私たちにヴェイパーマッチメンズサッカージャージを示し、ニットを変化させ最も発汗が多い部分へゾーニングしたことを示した。その様子はここの三枚目の画像で確認することができる。

逆に、ナイキNSRLトランスフォームジャケットは、屋外でのランニングに必要なさまざまな温度管理に対応したものになっている。袖は取り外してジャケットの裏にある収納場所に収めることができる他、ダウンの中綿を取り外すことが可能。このため、外へ出た直後から体が温まるまでの体温の変化に対応できるようになっている。研究により、ランナーの一日の走行距離の平均は5キロで、体温調節が最も必要になるのは、スタートから2.5〜3キロのあたりであることがわかった。そこを超えると体温は一定になり、それは5キロ以上走るランナーにも当てはまる。

最後になるが、なんとここには汗をかくサーマルマネキンがあり、人体にストレスをかけることなくゾーニング機能をテストすることができる。気候を調節できる部屋と決して疲労しないサーマルマネキンがあるため、デザインチームは多くの仕事をこなすことができるのだ。

クールダウン

私たちは、スポーツの世界において「精神的強さ」という言葉をよく耳にする。それらがパフォーマンスに影響を及ぼすとあって、ナイキがアスリートの心理を理解しようとしているのは理に適っている。

NSRLのラボでは、マッサージや鍼の他、身体が休養と維持のために必要とするものを利用できるが、彼らの研究はそういった身体的ニーズをはるかに超えたもので、被験者の精神状態をも研究対象としている。

メンタルヘルスは、メディアにおいてエリートアスリートについてのディスカッションのトピックになっている。Naomi Osaka(大阪なおみ)氏が記者会見を回避したり、 Simone Biles(シモーネ・ヴァイルス)氏が2020年の夏のオリンピックの体操女子総合決勝に欠場する必要性について公にするなどがその例である。

ベースライン測定を行う前に、私は認知評価を受けたのだが、これをもとに、一日の最後に学んだことを振り返った。驚くべきことに(おそらくそのように意図されているのだろうが)、その評価は、スポーツにおけるアスリートにも、人間として日々の行動にも簡単に変換して考えることができるものだった。

チームは、確実性よりも不確実性がずっと大きい場合がある、ということを指摘しつつ、意思決定についてや、アスリートが、失点を防ぐ、またはリスクを回避するという立場から意思決定を行いやすい傾向があるのかどうかを、さまざまな結果をもとに議論した。

これらの知見は、他のテストがフォームや機能の推奨事項を提供するのと同様に、認知の推奨事項にも適用できる。彼らはより良いアパレルや靴を作ろうとしているだけでなく、アスリートの能力のあらゆる側面を促進することに取り組んでいる。

例えば、コントロールの必要に悩んでいるアスリートは、結果そのものよりも、その結果を将来の成功やさらには成功へのプロセスに役立てる事ができる、という事実にもっと目を向ければよい。同様に、スポーツ心理学者は、ある一瞬やシュートの失敗といったことにいつまでもとらわれるのではなく、将来に向けたポジティブな結果を想像したり視覚化することを推奨している。

最終的に、この新しいレブロンジェームズイノベーションセンターは、ナイキのアパレルや靴のイノベーションを促進するとともに、アスリートの心身の健全性やパフォーマンスの向上といったことをサポートしていくだろう。

ここでは、問題解決に向け一面的なアプローチを取るのではなく、すべてに対しチームが一丸となってより大きなチャンスという側面からアプローチしている。このセンターの持つ可能性はすばらしいものがあり、今後ここからどのような製品が生み出されるのかが大変楽しみである。

レブロンジェームズイノベーションセンター(画像クレジット:Nike)

画像クレジット:Nike

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(文:Rae Witte、翻訳:Dragonfly)

OKIが東京ドームでの「声を出さない応援」の測定・分析に成功

沖電気工業(OKI)は10月28日、東京ドームでのプロ野球の試合中に、観客がどれだけ歓声をあげているかを測定し分析する実証実験を実施したと発表した。コロナ禍で声を出す応援が禁止される中、観客の歓声だけを抽出し、声を出さない応援がどれだけ守られているかを確認するためのものだ。

実験が行われたのは、東京ドームで行われた東京読売ジャイアンツの試合のうち、4月と7月の2回。特別に指向性を高めたマイク装置を観客席に3基設置して試合中の会場内の音を収録。その音響データから、野球の打球音や場内アナウンス、BGMなど歓声以外の音声をおよそ15dB(デシベル)低減することで、観客の歓声の音量を測定した。これにより、歓声が発せられたタイミングから、音量の推移が定量的に評価できるようになった。OKIが東京ドームでの「声を出さない応援」の測定・分析に成功

このことから、試合中に声を出さない応援が、どれほど守られているかがわかる。これは、イベントにおいて声を出さない応援の実効性を示す指標のひとつとして活用できるとのことだ。この実験結果を踏まえ、音声分析技術をさらに発展させて「コロナ下での社会経済活動の再開」に貢献したいと、OKIは話している。

アマチュアスポーツ向け映像分析ツールのSPLYZAが約2.5億円調達、SPLYZA Teamsの機能追加や新製品開発・マーケ強化

アマチュアスポーツ向け映像分析ツールのSPLYZAが約2.5億円調達、SPLYZA Teamsの機能追加や新製品開発・マーケ強化

アマチュアスポーツにおける分析・改善の支援サービスを提供するSPLYZA(スプライザ)は10月4日、約2億5000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先はジャフコグループおよび栖峰投資ワークスがそれぞれ運営するファンド。

SPLYZAの主力製品である「SPLYZA Teams」(Android版iOS版)は、撮影したスポーツの映像をチーム内で共有することでメンバーの共通理解や分析力を向上させ、チーム内のコミュニケーションを活性化させるツール。ユーザーは学生からアマチュアチーム、プロのクラブまでと幅広く、サッカーやラグビー、バスケットボールなど20種類以上のスポーツ・600以上のチームに導入されている。ユーザー数は3万人を超えるという。

今回調達した資金は、SPLYZA Teamsの機能追加、新製品の開発、研究開発の強化といった開発体制をはじめ、営業およびマーケティング、カスタマーサクセスなどの販売促進活動と顧客フォロー体制の強化に充当。多様化するユーザーのニーズに応えるため企業としての総合力の向上を目指すという。アマチュアスポーツ向け映像分析ツールのSPLYZAが約2.5億円調達、SPLYZA Teamsの機能追加や新製品開発・マーケ強化

日米11以上のプロ球団が採用のシーン映像分析プラットフォームを手がけるRUN.EDGEが資金調達、累計調達額15億円に

日米11以上のプロ球団が採用のシーン映像分析プラットフォームを手がけるRUN.EDGEが資金調達、累計調達額15億円に

スポーツや教育分野で映像分析プラットフォームを提供するRUN.EDGE(ラン.エッジ)は10月4日、プレシリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資および日本政策金融公庫からの特別貸付(資本性劣後ローン)による資金調達を発表した。引受先は、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII2号投資事業有限責任組合)、Sony Innovation Fund、三菱UFJキャピタル(三菱UFJキャピタル8号投資事業有限責任組合)、日本リビング保証。シードラウンドからの累計調達額は約15億円となった。

調達した資金により、プロユースで培った技術をアマチュア向けに展開し、選手の競技力向上に貢献する。また、オンライン教育向け・メディア向け・産業向けなど積極的に技術展開し、生活やあらゆる社会活動の中で、映像を「シーン」で使えるよう価値提供を進める。

RUN.EDGEは、富士通の事業から独立・カーブアウトし、スカイライトコンサルティングと共同で活動を開始。映像分析のSaaS型サービス・プラットフォームを提供している。野球向けサービス「PITCHBASE」(ピッチベース)は、日本と米国において11以上のプロ球団が採用。サッカー・バスケ・ラグビー他フィールドスポーツ向けアプリケーション「FL-UX」(フラックス)は、Jリーグクラブ、Bリーグクラブ、欧州リーグクラブをはじめとした国内外の50以上のトッププロ・アマチュアクラブに利用されているという。

日米11以上のプロ球団が採用のシーン映像分析プラットフォームを手がけるRUN.EDGEが資金調達、累計調達額15億円に

野球向けサービス「PITCHBASE」(ピッチベース)

日米11以上のプロ球団が採用のシーン映像分析プラットフォームを手がけるRUN.EDGEが資金調達、累計調達額15億円に

サッカー・バスケ・ラグビー他フィールドスポーツ向けアプリケーション「FL-UX」(フラックス)

また、プロスポーツで培った映像技術をオンライン教育向けに展開した「TAGURU」(タグる)は、コロナ禍の中で新しい教育を促進するために大学や塾で導入・実証が進められているそうだ。

日米11以上のプロ球団が採用のシーン映像分析プラットフォームを手がけるRUN.EDGEが資金調達、累計調達額15億円に

オンライン教育向けに展開したTAGURU」(タグる)

スポーツ×地域マーケで地域活性化を目指す北海道発「スポーツネーション」が9000万円のシード調達

スポーツ×地域マーケで地域活性化を目指す北海道発「スポーツネーション」が9000万円のシード調達

「応援する力を経済に還元しよう」をミッションに掲げる北海道発のスポーツ領域スタートアップ「スポーツネーション」は10月1日、シードラウンドにおいて、総額9000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、banker、INCLUSIVE、個人投資家。調達した資金は、スポーツチーム支援のための現地人材採用、サブスクスポンサーへの提供サービスに向けたシステム開発、幹部人材の採用にあてる。

これまでスポーツネーションは、同社代表取締役の三木智弘氏が同時に経営する札幌市の男子プロバレーボールチーム「サフィルヴァ北海道」において、スポーツチームの新しいビジネスモデルの検証を行ってきたという。現在同氏は、東京大学を休学しサフィルヴァ北海道を経営をしており、その中で「知名度」「資金力」「人材」がないスポーツチームがいかに世の中に価値を提供し、ひいてはスポーツ界全体の課題を解決していけるのかを考える中で、スポーツネーションが生まれたとしている。

また、コロナ禍でスポーツビジネスのスポンサーモデルの脆弱性が露呈し、興行中止などで業界全体が苦しんでいることを当事者として感じる中で、全国各地のスポーツチームをサポートしたいという思いから、全国展開に向けたプロダクト開発チームと営業人材の強化の必要性を感じ、今回の調達にいたったという。

チームとステークホルダーのデジタルでのつながりを創出するとともに、スポーツを応援する力を地域経済の活性化につなげ、次世代の社会を創っていくことを全国各地で挑戦するという。

児童向けオンラインスポーツ事業「へやすぽ」を展開するPAPAMOが5600万円調達、コンテンツやマーケティング強化

児童向けオンラインスポーツ事業「へやすぽ」を展開するPAPAMOが5600万円調達、コンテンツやマーケティング強化し事業展開加速

児童向けのオンラインスポーツ事業「へやすぽ」を展開するPAPAMOは9月27日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資および金融機関からの融資による総額5600万円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のW ventures、また三井住友海上キャピタル(MSIVC2020V投資事業有限責任組合)、個人投資家複数名。

調達した資金は、コンテンツ強化やマーケティング強化、「youtube時間を運動時間に」をコンセプトとする運動動画見放題の新サービス「へやすぽTV」(月額980円)の開発にあてる。今後は、年齢・ステップに応じたクラスの新設や、種目特化ニーズに応じたコースの拡充を行うとともに、児童たちがよりのめり込んで参加できるサービスに仕立てるという。

2021年4月設立のPAPAMOは、「運動との出会いを最高にする」をミッションに、へやすぽを提供している。へやすぽは、週に1回30分の児童向けオンライン運動教室という。鉄棒や球技など児童がつまずきやすい種目の基礎力や運動感覚を、おうちにいながらゲーム感覚で育めるとしている。

へやすぽでは、「運動神経」を分解し、誰でも「できた!」を味わえる300種類以上の豊富なメニューと、キャラクターからのミッションをクリアするとストーリーが前に進むゲーミフィケーションが組み込まれたレッスンで、成功体験を積みながら、運動能力を育むという。また、親子で参加することで、親子関係の構築騒音にも配慮しており、マンションの方も安心して参加できるとしている。児童向けオンラインスポーツ事業「へやすぽ」を展開するPAPAMOが5600万円調達、コンテンツやマーケティング強化し事業展開加速

幼少期の運動体験は、生涯の運動習慣・健康に影響することから、へやすぽとへやすぽTVは、どんな児童も運動習慣をつけられ、運動が好きになれる、そんな運動との出会いを届けるという。

アスリートの知見を活かしたスポーツウェルネスD2CのTENTIALが5億円調達、ECモール事業に新たに参入

アスリートの知見を活かしたスポーツウェルネスD2CのTENTIALが5億円調達、ECモール事業に新たに参入

TENTIALは9月15日、第三者割当増資と複数金融機関からの融資による総額5億円の資金調達を発表した。引受先は、既存投資家のアカツキ、MTG Ventures、セゾン・ベンチャーズ、マネーフォワードベンチャーパートナーズ、また新規投資家の豊島CVC、ナントCVC2号投資事業有限責任組合、個人投資家ら。2018年2月の設立以降、金融機関からの借入を含む累計資金調達額は11億円となった。

調達した資金により、ウェルネスD2Cブランド「TENTIAL」からの新商品の開発・販売に加え、スポーツ・ウェルネスに特化したECモール事業に新たに参入する。

現在の国内EC市場において、総合モール型のECが勢いがあるものの、複数のブランド・商品が集結しているため、商品数が多く利便性に優れる一方で、専門性の高い商品の中から本当にいい商品を選択するのが困難であるとテンシャルは考えているという。

そこで、同社がこれまでD2C・メディア事業で培ってきた、ウェルネス・マーケティング・商品選定・物流のノウハウを活用することで、消費者がより良い商品を自然に選択できるようにすることに加え、メーカーの良い商品を出しても売れないという課題も解決するとしている。

TENTIALは、「スポーツと健康を循環させ、世界を代表するウェルネスカンパニーを創る」をビジョンに掲げ、スポーツ情報メディア「SPOSHIRU」の運営と、生活シーンにおける体のケアやコンディショニングに特化したウェルネスブランド「TENTIAL」をD2Cモデルで開発・提供している。

SPOSHIRUは、アスリートが取り入れている身体のケア方法、運動の効率、健康のための工夫などの情報を掲載しており、月間利用ユーザー数150万人を突破。TENTIALは、スポーツを通じた健康増進をテーマに、医療費高騰や健康課題の解決を目指しており、インソールをはじめ、身体のコンディショニングをコンセプトとしたリカバリーウェア、マスク、プロテインや入浴剤などを展開している。

プロアスリート向けのウェアラブルトラッカーのWhoopが220億円調達

2012年創業のWhoop(ウープ)はフィットネストラッカーの世界では馴染みのないブランドだ。しかしここ数年、同社はかなりの乗り換えユーザーをひきつけてきた。同様に、ベンチャーキャピタルをひき寄せるのにも苦労はしなかった。ボストン拠点の同社にTechCunchが最後に話を聞いたのは、同社が5500万ドル(約60億円)を調達した2019年後半だった。そしていま、Whoopはさらに2億ドル(約220億円)という巨大な資金調達を行った。

今回のシリーズFラウンドでWhoopの累計調達額は4億500万ドル(約446億円)近くになった。この規模の企業にしてはかなりの額だ。ソフトバンクのVision Fund 2がリードしたFラウンドでのバリュエーションはなんと36億ドル(約3965億円)だ。

その他の投資家にはIVP、Cavu Venture Partners、Thursday Ventures、GP Bullhound、Accomplice、NextView Ventures、Animal Capitalが名を連ねている。既存投資家は全国フットボールリーグ選手協会、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏、その他数多くのプロアスリートだ。

Whoopがアスリートをターゲットとしているのは、Apple WatchやFitbitなど主要な消費者向けウェアラブルとはかなり対照的だ。事実、Whoopはスポーツチーム、企業やヘルスケア、政府 / 防衛向けソリューションのための特別販売を行っている。

Whoopは、このほどFitbitが新製品Charge 5のための「Daily Readiness Score(体の準備ができているかを示すスコア)」を発表したときに社名を響かせた。このスコアについては、多くの人がより高度なWhoopの分析を引き合いに出した。

Whoopは追加の資金調達を模索するモチベーションとして、2020年の会員数の「大幅な成長」を挙げている。それはおそらく部分的に、18カ月のサービスが月18ドル(約2000円)〜というサブスク(サービス利用期間が短いほど月額料金は高くなる)に注力する一方で、500ドル(約5万5000円)のウェアラブルを無料にするという2019年の決断によるものだった。

Whoopは米国以外のマーケットへの進出もにらんでいて、膨大な額の調達資金をハードウェアのR&D、ソフトウェア、分析ソリューションに注ぐ。また、現在500人超の従業員数の増加にも使う(従業員の半分近くは2020年加わった)。

「当社は国際的に成長していて、ソフトバンクとの提携をさらに深化させることに胸躍らせています」と創業者でCEOのWill Ahmed(ウィル・アーメッド)氏はリリースで述べた。「2020年驚くほどの成長を経験しましたが、当社のテクノロジーの潜在性ならびに健康モニタリングの広大なマーケットの大部分は未開拓のままです」。

画像クレジット:Whoop

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi