AIで選手の動きを解析し指導を行うスポーツコーチアプリのMustardが1.8億円を調達、ノーラン・ライアン氏が協力

スポーツのコーチ業は、何十億ドル(数千億円)という大きな産業だ。一部の上位選手が得ている巨額な収入を見れば、それも不思議ではない。 Mustardは、その高価なコーチ業の一部を、アスリートの技術を分析して修正方法を提供するモバイルアプリで代替もしくは補強しようとしている。

同社の共同創業者であるTom House(トム・ハウス)氏は元リリーフピッチャーで、コーチになってからの彼は「現代投球術の父」と讃えられている。

「力を無駄遣いしている子どもがとても多い。それによって彼らは、スポーツの肉体的および精神的な恩恵を失っている。いくつかの研究によると、70%の子どもが費用のためや、良質なコーチに恵まれないために13歳でスポーツを止めている。Mustardは、すべての子どもに同じコーチングプログラムと、世界のトップアスリートが使っている広範囲な生体力学的分析、および私が殿堂入りした選手たちに行ってきた個人化されたトレーニンプロトコルへのアクセスを与える。私たちは、エリート選手のための個人化されたコーチングをすべての人に提供したい」とハウス氏はニュースリリースで述べている。

Mustardは今週、そのツールを改善するために170万ドル(約1億8000万円)の資金を調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはShasta Venturesで、これにIntersect VCとDavid Novak(デビッド・ノバック)氏、Mike Dixon(マイク・ディクソン)、そして元メジャーリーガーのNolan Ryan(ノーラン・ライアン)と元アメリカンフットボール選手のDrew Brees(ドリュー・ブリーズ)といった多くのエンジェル投資家が参加した。ライアン氏は同社の顔としてホームページを飾っている。ページの色は、ライアンが全盛期を過ごしたヒューストン・アストロズのチームカラーのようだ。

Mustardという名前は「もっとキレのある球を投げろ」という意味の「put some mustard on it(ちょっと辛子をつけろ)」に由来している。

近く始まる招待制の公開ベータ版のアプリは野球に限定される。CEOのRocky Collis(ロッキー・コリス)氏はTechCrunchに対して 「最初は完全に無料にする。そのあと、安い月額料金で有料の機能も加えていく。しかし今後も無料バージョンは継続するので、ユーザーに大きな価値を提供できるだろう」と語る。

このシステムはスマートフォンのカメラと独自のAIアルゴリズムを使って選手の動きをモニターし、人間のコーチを真似る。野球に関しては、Major League Baseball Advanced Media(MLBAM)の技術者たちを起用している。今後徐々に、他のスポーツも加えていくという。

画像クレジット:Mustard

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

野球データ分析・チーム強化の「キューステ!」がミズノMA-Q連携の投球データ・映像分析機能を開発

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

ライブリッツは7月15日、野球の試合スコア・映像を管理・分析しチーム強化に活用できるサービス「キューステ!スポーツチーム向けサービス」において、ミズノ製の野球ボール回転解析システム「MA-Q」(マキュー)のデータを取り込み投球解析を行える機能を開発したと発表した。

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

キューステ!ユーザーは、オプション機能として、専用スマホアプリの投球解析機能を利用可能。MA-Qで取得できる投球の回転数・回転軸・速度などのデータと、ビデオカメラやスマホで撮影した投球の映像を組み合わせ、映像を重ね合わせた状態での比較や取得データのグラフ化を基にした管理・分析を行える。これにより、選手のスキルアップや監督・コーチのアドバイスに役立てられるとしている。

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

ライブリッツ キューステ ミズノ MA-Q

キューステ!は、ライブリッツのプロ野球球団向けデータ分析システムで採用しているAI・IoTなどを活用した、スポーツチーム向けチーム強化クラウドサービス。2019年にサービスを開始し、これまで社会人野球チーム「ENEOS野球部」や日本男子ソフトボールリーグ所属の「日本エコシステム」、台湾のプロ野球チーム「楽天モンキーズ」など複数の競技・チームが利用している。

ライブリッツは、複数のプロ野球球団に対しIT戦略的パートナーとしてチーム強化システムの構築・運用を手がけており、導入した球団はリーグ優勝や日本シリーズ制覇という実績を挙げているという。2018年4月にはAI・IoTを活用した選手トラッキングシステム「Fastmotion」を構築し、日本球界で初めて守備や走塁動作などのデータ化に成功した。

今後キューステ!は、アプリの機能拡張を進めるとともに、野球やソフトボール以外の他競技への提供など、サービスの進化と拡充を進めるとしている。

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ComcastはNASCARなどと共同でSportsTechアクセラレーターを発足

米国メディア企業のComcast(コムキャスト)とNBCUniversal(NBCユニバーサル)は、未来のオリンピックのゴールドメダリストを支援する革新的なスタートアップ企業の育成に自信を見せている。この米国のメディア大手は、一部その勢いに乗って米国時間1月13日にSportsTech(スポーツテック)アクセラレーターを発足した。

TechCrunchは、ニューヨークの30ロックフェラー・プラザにあるGEビルディングで開かれたComcastの幹部による説明会に参加し、詳しい話を聞いた。なおComcastとNBCUniversalは、NBC Sports、Sky Sports、Golf Channelの各スポーツ放送ブランドと提携している。さらに、NASCAR米国スキー・スノーボード協会、米国水泳連盟といった業界パートナーとも手を結んでいる。これらはみな、ComcastのNBCチャンネルで競技が放映されている。

本日より、プレシリーズA(シリーズA投資を受ける前の段階)のスポーツ技術スタートアップの申し込みを受け付ける。参加できるのは10社だ。参加が認められたベンチャー企業には株式ベースで5万ドル(約550万円)が出資され、SportsTechの3カ月にわたり、スポーツ業界からの支援や指導が受けられるアクセラレーター・ブートキャンプを受講することになる。キャンプは、Comcastのアトランタのオフィスで2020年8月から始まる。

SportsTechプログラムの運営にBoomtown Accelerators(ブームタウン・アクセラレーターズ)が加わるが、Boomtown AcceleratorsとComcastの両方が、選ばれたスタートアップ企業の株式を少なくとも6%を取得し分け合う。NASCARと米国スキー・スノーボード協会といった業界パートナーは、スタートアップ企業の選択の際に相談役として参加するが資金提供は行わない。

SportsTechの全体的な目標は、経営幹部と、この新しいアクセラレーターを率いることになるComcastのスタートアップ・パートナー開発部門副社長であるJenna Kurath(ジェナ・クラス)氏との会話から生まれた。Comcastとそのパートナーたちは、それぞれの事業を発展させ競争力を高めるためのイノベーションを手に入れようとしている。

マクドナルドのMcD Tech LabsやマスターカードのStart Pathなどなど、企業が主催するインキュベーターやアクセラレーターが米国の企業価値100億ドルを超える、いわゆるラージキャップ企業の間で一般的になりつつあるが、主催企業はそこで、スタートアップの新しい発想やディールフローを吸収し、デジタル・ディスラプションを受け入れ囲い込もうと目論んでいる。

SportsTechのカテゴリーは、メディアとエンターテインメント、ファンとプレイヤーの触れ合い、アスリートとプレイヤーのパフォーマンス向上、チームとコーチの成功、会場とイベントの改革、ファンタシースポーツとスポーツくじ、eスポーツ、スポーツビジネスに分けられる

その目標のために、SportsTechは、スポーツビジネス、チームとコーチの成功、アスリートとプレイヤーのパフォーマンス向上など、いくつかの望ましいスタートアップのカテゴリーを定めた。

SportsTechのパートナーであるNASCARは、より多くの観客の参加を促す革新的なアイデアを求めている。この自動車レースシリーズは(広告形態も含め)、デバイス配信への依存度が増している。NASCARのストリーム配信では、ピットやドライバーの様子など、ますます多くのレースのデータをリアルタイムで伝えるようになっている。

「スポーツの競争面で、ファンのエクスペリエンスで、そして事業の運営で、より多くのテクノロジーを取り込むには何をしたらいいのかが焦点になっています」とNASCARの最高イノベーション責任者Craig Neeb(クレイグ・ニーブ)氏は言う。「驚くほど強力でイノベーティブな企業を探し出せると、私たちは自信を持っています」とNASCARのSportsTechへの参加に彼は期待を寄せていた。

スノースポーツの米国代表チームを管理する非営利団体である米国スキー・スノーボード協会は、所属アスリートのパフォーマンスと医療技術に注目している。

「ウェアラブル技術(パフォーマンスを測定する)は興味深い分野です、また、技術的要素の理解を深めてくれるコンピュータービジョンや人工知能には大変に興味があります」と、米国スキー・スノーボード協会のハイパフォーマンス部長Troy Taylor(トロイ・テイラー)氏は話していた。

写真提供:U.S. Ski & Snowboard

こうしたテクノロジーは、2022年の北京冬季オリンピックに出場するアルペンスキーヤーのTommy Ford(トミー・フォード)とMikaela Shiffrin(ミカエラ・シフリン)のような米国のアスリートへの可能性を高めてくれる。

2014年、ComcastとNBCUniversalは、2032年までの夏と冬のオリンピックの放映権を77億5000千万ドル(約8520億円)で獲得した。「私たちは自問しました。もっとできないかと。オリンピックの前、最中、後に動き続けるイノベーションエンジンという考え方です。それが我らのチームUSAを、金メダル争奪の最前線に送り込んでくれるのか?」とジェナ・クラス氏は話していた。

その答はイエスだった。そうして、SportsTechアクセラレーターが発足した。オリンピックの成功を支援するだけでない。Comcastとこの新組織には戦略的なビジネス上の動機がある。「参加企業から早い段階で見識が得られたなら、新しい商業的な関係に発展する可能性があります。ライセンシングや買収もあり得ます」と、NBC Sportsのデジタルおよび消費者ビジネス上級副社長Will McIntosh(ウィル・マッキントッシュ)氏はTechCrunchに語った。

SportsTechは、Comcastの3つ目のアクセラレータープログラムだ。この組織には、サンフランシスコを拠点とするベンチャー投資会社Comcast Ventures(コムキャスト・ベンチャーズ)がついている。Crunchbaseのデータによれば、この投資会社はLyft、Vimeo、Slackなどを支援し、67件のイグジットを実現している。

SportsTechを卒業したスタートアップ企業は、Comcast、そのベンチャー投資会社、またはNASCARなどの業界パートナーからの投資を受けるか、買収に応じることができる。「今のところ、私たちの自然課題は当然ながら、成果物を早期に手に入れることです。しかし長期的には、今のパートナーたちと共に、このエコシステムに論理的な付加価値をもたらす者は他にいないかを話し合う予定です」と、Comcastのセントラル部門社長Bill Connors(ビル・コナーズ)氏は話していた。

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(翻訳:金井哲夫)

Apple Business Chatでスタジアムの座席からドリンク注文

NBAクリーブランド・キャバリアーズのファンたちは、スーパースター、レブロン・ジェームズが今や数百マイル西のロサンゼルス・レイカーズでプレイする中、今シーズンは楽しいことが多くはなかった。しかしAramark(スタジアムの食品飲料販売会社)とキャブスはApple Business Chatと組んで、ファンが座席にいながら飲み物を注文出来るようにする。

これはなかなか気の利いたシステムで、昨年夏にフィラデルフィア・フィリーズのファンたちに提供されたのが最初だった。そしてこのたびクリーブランドのファンはメニューを見てドリンクを注文し、直接座席に届けてもらうまでのすべてをiPhoneのiMessageで行える。

まずカメラアプリを開いて前の座席の背中にあるQRコードを読み取る。すると “Hit send to start your order”というプロンプトがメッセージアプリに表示される。あとは、注文ボットと会話しながら好きな飲物を頼めばよい。メニューから商品を選ぶこともできる。

選び終わるとボットが座席番号を尋ねる。支払いはApple Payで行い、飲み物は座席に直接届けられるのでゲームの進行を一瞬たりとも見逃す心配はない

届くまでどのくらい待たなくてはいけないのかはわからないが、行列に並ぶより早いだろうし、完全デジタル注文が可能になる。Aramarkのスポーツ&エンターテイメント地区マネジャー、Kevin Kearneyは、モバイル体験を使いやすいファン体験に統合する方法だと考えている。

「Apple Business Chatと注文プロセスの統合は、ファンにとって使いやすくて便利なだけでなく、ファンの変わりゆく期待と行動に答えるものなので、キャブスやモンスターズ(クリーブランドのアイスホッケーチーム)のファンにはぜひ試してもらいたい」とKearneyが声明で語った。

パイロットプログラムはシーズン終了まで継続され、チームとAramrkはシステムの具合とファンの反応を分析する。これはレブロン・ジェームズの穴を埋めるものではないかもしれないが、ゲーム見物中に飲み物を手に入れる便利な方法に違いない。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電子トレカでスポーツチームを支援できる「whooop!」が正式公開、7種目12チームから展開

スポーツチームやアスリートがオンライン上で電子トレーディングカードを発行することで、ファンと関係性を深めたり資金を集められる「whooop!」。TechCrunchでも5月に紹介した同サービスが、ベータ版を経て10月10日に正式リリースとなった。

ベータ版では3チームだったスポーツチーム数も7種目12チームまで拡大。まずは2018年末に50チーム以上での展開を目指していくという(後日トレカを販売することが決まっているチームも含めると15チーム。具体的なチーム名は記事末尾にて紹介)。

whooop!は各ユーザーがチームの発行した“電子トレカ”を購入・売買することで、そのチームを応援できるプラットフォームだ。

ユーザーがトレカを購入する方法は2パターン。チームのカードパックを直接購入するか(カードは1枚から購入でき、どのカードが当たるかはランダム)、オークション機能を使ってユーザー同士で特定のカードを売買する。

直接購入した場合にはカード代金の90%が、ユーザー間で売買した際にも取引額の2.5%がチームの収益となるので、カード集めを楽しみながら好きなチームを応援できるのが特徴だ。

チームは保有するカードの種類や量に応じた「特典」をつけることが可能。たとえばチームの運営方針に関する投票権を付与したり、e-sportsなどであれば「実際に好きな選手と1対1で対戦できるイベント」を設けるのもありだ。今後はファンクラブのような形でチーム側から情報を発信し、カードを持っているユーザーだけがその情報をチェックできるような仕組みも入れていくという。

運営元であるventus代表取締役CEOの小林泰氏と取締役COOの梅澤優太氏に近況を聞いてみたところ、実際に3チームで運用してみた中で「(好きなチームを応援できるような場所を求めているファンがいて)whooop!のようなプロダクトに対するニーズがあること、お金を払ってトレカを買ってくれる人が一定数いることは検証できた」(梅澤氏)という。

たとえば9月からカードを販売しているサッカー東海リーグ1部の鈴鹿アンリミテッドの場合、ホーム開催の試合に合わせて販売をスタートしたところ、3〜4時間で数百枚のカードが売れたそう。チームを応援したいと思っているコアなファンは試合会場に足を運んでいるケースが多いので、ホームゲームというリアルイベントに紐づけて会場でビラ配りなどをすると、関心を持つ人も多いようだ。

「現地でファンに話を聞いてみても『カードを集めること自体も楽しいけれど、それ以上に使ったお金がチームにしっかりと還元されるのがいい』という反応が多い。当初から、クラウドファンディングのようにモノの対価としてではなく、純粋な支援としてチームにお金が還元される仕組みを作りたいという思いがある。トレカを買うというよりも、好きなチームを支援した結果、それを証明するものとしてトレカがついてきたというような世界観を目指している」(梅澤氏)

スポーツチーム側にとっては、在庫がなく原価もかからないのが特徴。大きなリスクやコストなどの負担なく続けられ、トレカを軸にファンとの関係性も深められるような場所を意識しているという。

「チームが新しいチャレンジをするための“道具”になれそうな手応えはある。より深く掘り下げられるようなポイントにも気づけたので、今後は機能面をさらに拡充し、より面白い場所にしていきたい」(小林氏)

whooop!ではトレカを買った結果、どのくらいのお金がチームに還元されているかがわかるようなデザインになっている

冒頭でも触れた通り、正式リリースに合わせてチーム数も12チームまで拡大。種目数が広がったことに加え、筑波大学蹴球部(サッカー部)のように大学スポーツのチームもトレカの販売が決まっている。

2018年内に50チーム以上、2019年初頭には100チーム前後への展開を見込んでいて、すでにサッカーJリーグのクラブやラグビーチームとも話が進んでいるそう。国内だけなく欧州有名サッカーチームとの協業も予定しているという。今後もさまざまな種目・規模のチームを加えることで、「いろいろなチームやファンが集ったスポーツ横断型のコミュニティ」の形成を目指していく。

本日TechCrunchではスポーツチームに投げ銭をできる「Engate」も紹介しているけれど、スポーツチームやアスリートが収益源を確保したり、ファンとの関係性を築いたりする方法はもっとアップデートできる余地がありそうだ。

なお本日時点でwhooop!に参加することが決まっている15チームは以下の通り(鈴鹿アンリミテッド、宇都宮ブリッツェン、名古屋OJAはベータ版から参加)。

  • 東京武蔵野シティFC(サッカー/JFL)
  • コバルトーレ女川(サッカー/JFL、トレカ販売開始は後日)
  • 鈴鹿アンリミテッド(サッカー/東海リーグ1部)
  • 筑波大学蹴球部(サッカー/大学サッカー、トレカ販売開始は後日)
  • 琉球アスティーダ(卓球/Tリーグ)
  • 宇都宮ブリッツェン(サイクルロードレース)
  • 那須ブラーゼン(サイクルロードレース)
  • キナンサイクリング(サイクルロードレース)
  • ヴィクトワール広島(サイクルロードレース)
  • 名古屋OJA(e-sports)
  • CYCLOPS athlete gaming(e-sports)
  • 広島ドラゴンフライズ(バスケ/B2)
  • TOKYO DIME(バスケ3×3)
  • スタープラチナ(女子ゴルファーサポートチーム)
  • 埼玉アストライア(女子プロ野球、トレカ販売開始は後日)

Adidasのスニーカーのサプライチェーンが3Dプリントで劇的に変わりオンデマンド化へ

AdidasのFuturecraft 4Dはクールなルックスのスニーカーだが、この靴の背後にあるストーリーはさらに一層おもしろい。このスポーツウェアメーカーは、工業用3Dプリント技術のCarbonとパートナーして、新種のスニーカーを設計している。

Futurecraft 4Dの背後には、今やそれほど新しくはない技術、3Dプリントがある。アメリカやヨーロッパなど、サービス産業が支配する国々に工場が戻ってくる、そんな産業革命を唱える企業は多いが、AdidasとCarbonのパートナーシップは、その突飛な夢を現実にする。

Carbonの協同ファウンダーでCEOのJoseph DeSimoneは、こう説明する: “ここにあるものは要するに、ハードウェアとソフトウェアと化学の統合であり、それらが一体となってデジタルモデルを作り、それを部品など最終製品の特性〔硬度など〕を持つ素材できわめて高速にプリントする”。


Carbonのプロセスを、クラウドベースのソフトウェアツールが支える。初歩的なCADを使用し、機械的な特性を定義すれば、目の前でそれが製造される。

Futurecraft 4Dは今、生産量が少ないのでなかなか買えない。でもAdidasのCMO Eric Liedtkeは、品不足は数年後には解消する、と言う。

“今の私たちは、イノベーションの坂道の途中にいる。今後はさらに速くなり、いろんな素材を使えるようになるだろう。理想は、オンデマンドで製造しプリントすることだ。今はまだアジアで作っている製品が多くて、それらを船や飛行機に乗せて五番街まで運んでるんだ”。

倉庫に在庫のないAdidasを想像できる。“ニュージャージーに小さな流通センターを置くのではなくて、ニュージャージーに小さな工場があればよいのだ”、とLiedtkeは語る。この製造工程では、部分的にコーンなどから作るバイオプラスチックを使えるだろう。

そして、靴をオンデマンドで買えるようになると、デザインだけでなく、スポーツの種類や体質体調に合わせることも可能になる。

“脚への衝撃とか、ランナーの脚や体の動き、どこにインパクトゾーンがあるか、など靴の設計の科学化にこれまでの10年か20年を要している。今後はそれらの科学と技術をデータ化する必要がある。その基盤ができてやっと、クリエイティブに支配権を譲れる”、とLiedtkeは語る。

Carbonは、Adidasとの協働以外にも、歯科市場やレジンの研究開発など多くの分野で活躍している。“世界で初めての、FDA承認の、3Dプリントで作られた義歯もある”、とDeSimoneは述べている。

靴のような単純な製品が、研究、開発、工学、デザインという多様なプロセスの集積であることは、とてもおもしろい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

テレビでも現地でもない“新しいスポーツ観戦”の形を——「Player!」が数億円を調達

スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を運営するookamiは6月20日、NTTドコモ・ベンチャーズ、みずほキャピタル、朝日メディアラボベンチャーズ、アシックス・ベンチャーズ、グリーベンチャーズ、スパイラル・ベンチャーズらを引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。具体的な調達額は非公開だが、数億円規模になるという。

今回のラウンドは2017年3月にIMJ Investment Partners、グリーベンチャーズ、朝日新聞社、個人投資家から数億円を調達した時に続くもの。ookamiでは調達した資金をもとに組織体制を強化し、事業の拡大と新しい広告商品の開発を進める。

大学スポーツを中心にアマチュアスポーツが拡大

Player!はさまざまなスポーツのリアルタイム速報を軸に、ファン同士でライブチャットを通じてコミュニケーションが取れる機能や、各競技のニュース記事を閲覧できる機能を持つサービスだ。好きなチームや気になる大会をフォローすることで、関連する情報を逃さずチェックできる。

現在はiPhone版とWeb版を提供。各機能は無料で楽しめる。

先日から開催されているサッカーのワールドカップをはじめとしたプロスポーツはもちろん、大学や高校といったアマチュアスポーツや、マイナースポーツにも対応しているのが大きな特徴。

メジャーなスポーツについてはテレビを見ながらPlayer!で他のユーザーと交流を楽しむ、という使い方もされているそう。この点はTwitterに近い感覚で使っている人も多いようだ。一方のマイナースポーツについては、今まで地方紙などでしか試合の情報を扱っていなかったようなものでも、Player!ならデジタル上で気軽にアクセスできる点がウリだ。

ookami代表取締役の尾形太陽氏の話では、2017年3月の調達時と比べてユーザー数は年次で約8〜9倍になっているそう。その要因のひとつが、大学スポーツを中心としたアマチュアスポーツのコンテンツの拡大だという。

「直近1年間では高校や大学、地域リーグといったマス向けというよりはロングテールよりの領域を強化してきた。数百万人のファンがいるわけではないけれど、数万人、数十万人の根強いファンがいるコミュニティにアプローチできてきている。実際にこのような競技でも1試合あたり数千人ほど集客できるようにもなった」(尾形氏)

たとえば大学スポーツはビジネスの観点からもポテンシャルがあるというが、どうしてもプロスポーツに比べるとその規模に限りがあるため、これまではあまり手付かずだった領域だ。Player!においても現時点では「まだコンテンツの供給量も十分ではない」(尾形氏)というが、それでも現役の学生やOB、保護者といった関係者を中心に利用が増加。大学側からも問い合わせが来るようになった。

今回の資金調達も踏まえ、Player!では大学スポーツを中心としたアマチュアスポーツ領域のコンテンツをさらに強化する方針。調達先であるアシックスやドコモとは事業面でも連携をとりながら、「まずは大学スポーツといえばPlayer!だよね、というレベルまで持っていきたい」(尾形氏)という。

ブランド・コンテンツ・ファンが一体になった新しいビジネスモデルを

ookamiのメンバー。写真左から3番目が代表取締役の尾形太陽氏

アマチュアスポーツの拡大と合わせて、尾形氏が今後注力していきたいと話すのが新しいビジネスモデルの構築だ。

スポーツマーケティングの軸となるのはスポンサーとなるブランド、各種チームや大会などのコンテンツ、それぞれのチームを応援するファンの3つ。ブランドがチームや大会をスポンサードすることを通じて、ファンに自社や自社の製品をアピールするというのが一般的な仕組みだろう。

ただ尾形氏によると「この仕組みではブランドからファンまでが一直線」である一方で、「近年はブランドがファン側によってきているのがトレンド。ブランドとコンテンツとファンが一体になってコミュニティを形成するようなモデル」が生まれ始めているのだという。

その一例として尾形氏があげるのが、今シーズンからJ1リーグに昇格したサッカーチームのV・ファーレン長崎。同クラブは2017年より「ジャパネットたかた」でおなじみのジャパネットホールディングスのグループ会社となり、代表取締役社長に髙田明氏が就任している。

「社長がサポーターと同じ席でチームを応援したり、J1昇格を一緒に喜んだりといったようにブランドがファンと同じ目線になっている良い事例だと思う。従来はファンから見えづらかったブランドの顔がよく見えることで、一体感が生まれる。結果的にブランド側としてもテレビCMなどに多額の予算を投じるよりも、高い広告価値を生み出す可能性があると考えている」(尾形氏)

これはあくまでデジタルではなくリアルの場の例だが、Player!ではこのような共感を得られるブランドの見せ方をデジタル上で模索しているそう。すでにこの1年間ほど個別でクライアントとテストマーケティングを実践していて、新しいビジネスモデルの実現を目指すという。

「目指しているのは新しいスポーツエンタメの形を提供すること。テレビでも現地でもできない『スマホだからこそ、デジタルだからこそできる観戦体験』を作っていきたい。同様にスポーツマーケティングのあり方も変わってきているので、新しいスポーツビジネスにも挑戦していく」(尾形氏)

サッカーのゲームをテーブルの上の拡張現実の3D映像で見る

ワールドカップのシーズンなので、機械学習の記事もフットボールを取り上げないわけにはいかない。その見事なゲームへの今日のオマージュは、試合の2Dビデオから3Dのコンテンツを作り、すでに拡張現実のセットアップのある人ならそれをコーヒーテーブルの上でも観戦できるシステムだ。まだそれほど‘リアル’ではないが、テレビよりはおもしろいだろう。

その“Soccer On Your Tabletop”(卓上サッカー)システムは、試合のビデオを入力とし、それを注意深く見ながら各選手の動きを追い、そして選手たちの像を3Dモデルへマップする。それらのモデルは、複数のサッカービデオゲームから抽出された動きを、フィールド上の3D表現に変換したものだ。基本的にそれは、PS4のFIFA 18と現実の映像を組み合わせたもので、一種のミニチュアの現実/人工ハイブリッドを作り出している。

[入力フレーム][選手分析][奥行きの推計]

ソースデータは二次元で解像度が低く、たえず動いているから、そんなものからリアルでほぼ正確な各選手の3D像を再構成するのは、たいへんな作業だ。

目下それは、完全にはほど遠い。これはまだ実用レベルではない、と感じる人もいるだろう。キャラクターの位置は推計だから、ちょっとジャンプするし、ボールはよく見えない。だから全員がフィールドで踊っているように見える。いや、フィールド上の歓喜のダンスも、今後の実装課題に含まれている。

でもそのアイデアはすごいし、まだ制約は大きいけどすでに実動システムだ。今後、複数のアングルから撮ったゲームを入力にすることができたら、それをテレビ放送のライブ中継から得るなどして、試合終了数分後には3Dのリプレイを提供できるだろう。

さらにもっと高度な技術を想像すれば、一箇所の中心的な位置からゲームを複数アングルで撮る/見ることも可能だろう。テレビのスポーツ放送でいちばんつまんないのは、必ず、ワンシーン==ワンアングルであることだ。ひとつのシーンを同時に複数のアングルから自由に見れたら、最高だろうな。

そのためには、完全なホログラムディスプレイが安く入手できるようになり、全アングルバージョンの実況中継が放送されるようになることが、必要だ。

この研究はソルトレイクシティで行われたComputer Vision and Pattern Recognitionカンファレンスでプレゼンされた、FacebookとGoogleとワシントン大学のコラボレーションだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

“電子トレカ”がスポーツチームの収益源になる「whooop!」発表、1500万円の資金調達も

ここ数ヶ月の間に、個人や団体(企業)が資金やファンを集めることのできるプラットフォームが急速に増えてきている。

たとえば先日TechCrunchでも紹介した「SPOTSALE(スポットセール)」や「BASE」の取り組みは、店舗がサービス上で“独自のコイン”を発行し、初期のファンや資金を調達できるというもの。ほかにもコミュニティが“コミュニティコイン”を発行して支援者を募る「fever」や、少し方向性は違えど、設定した特典と交換可能な“ポイント”を無料配布しファンと交流できる「MINT」のようなサービスもある。

もちろんクラウドファンディングもそうだし、プラットフォームではないけどICOも同じような目的で活用される仕組みだ。

そして今回紹介する「whooop!」もこれらに近く、スポーツチームやアスリートがファンから資金を調達できるプラットフォーム。ただしwhooop!の場合は独自のコインでも、ポイントでもなく“電子トレーディングカード”を用いている点が最大の特徴だ。

開発しているのは現役東大生を中心とした若いメンバーが集まるventus。同社は5月23日よりwhooop!の事前登録を開始するとともに、谷家衛氏や高野真氏を含む個人投資家などから、総額1500万円を調達したことを明かした。

電子トレカが変える、チームとファンの関係性

whooop!はスポーツチームやアスリートがオンライン上でトレーディングカード(以下トレカ)を発行することで、ファンとの関係性を深めたり資金を集めたりできるサービスだ。

トレカにハマったことがある人にはイメージがつきやすいと思うが、スポーツチームは複数枚の選手カードをランダムに集めてパックにしたものをファンに販売。ファンはチームから直接購入するほか、オークションやトレード機能を使ってファン同士で取引することもでき、カードを集めながらお気に入りのチームを支援する。

各チームごとに「ファンランキング」が導入されているほか、チームの運営方針に関する投票など、カード保有量に応じた「特典」も設定が可能。ランキングによって自らの“ファン度”をアピールでき、特典を使うことでより一層深くチームに携わることができる。

一方で収入に悩むスポーツチームにとっては、電子トレカが新たな収益源にもなりうる。whooop!ではカードを販売した際に販売額の90%がチームの収益となるほか(10%がwhooop!の取り分となる)、ファンの間でカードを売買した際にも取引手数料として2.5%がチームに支払われる仕組みだ(同じくwhooop!にも2.5%が支払われる)。

ここまで読んで「カードを売買できる以外はクラウドファンディングとあまり違わないのでは」と思う人もいるかもしれない。

この点についてventus代表取締役CEOの小林泰氏に聞いてみたところ、「(単発的になりやすいクラウドファンディングとは異なり)カードはシーズンやイベントごとに発行できるので、継続的な支援を受けやすいのが特徴。グッズなど物のリターンだけではなくチームに関わる体験をファンに提供でき、ファンの視点ではカードを保持しておけば支援したことを証明することもできる」のがウリだという。

各カードのサンプル画面。

whooop!では琉球アスティーダ(卓球)、宇都宮ブリッツェン(自転車)のほかプロサッカーチームや個人アスリートと連携し、βテストを行っていく計画。6月中を目処にこれらのチームに関してカードの購入、特典の獲得ができるようになる予定だという。

また連携チームを増やしながら、2018年夏頃にwhooop!の正式版をリリースする方針だ。

スポーツチームが継続的に収益をあげられる仕組みを

ventusは2017年11月の設立。代表の小林氏と取締役COOの梅澤優太氏を中心としたチームで、2人は現役の東大生だ。

ventusのメンバー。写真左から1人目が取締役COOの梅澤優太氏、3人目が代表取締役CEOの小林泰氏

小林氏は学部生時代にアイスホッケー部に所属。その傍ら、アイスホッケーを広めるために大学リーグの全試合を生中継するメディア「Tokyo IceHockey Channel」を立ち上げ、3年以上運営してきた。

「生中継をしていて感じたのが、本質的な価値は現場体験にあるということ。その価値をあげるためにはどうすればいいか、その体験に参加してお金を払ってくれる人を増やすにはどうすればいいかを考えたのがひとつのきっかけ。またメディアを運営する過程で自分たちでクラウドファンディングをやるなど、多くの人から支援してもらった。その支援を何らかの形で可視化して、蓄積できると面白いと思っていた」(小林氏)

一方の梅澤氏も3歳の頃からサッカーに打ち込んできたスポーツ好き。スポーツベンチャーでのインターンも経験し、スポーツ業界で事業をやることを考えていたところ小林氏と会ったという。

「スポーツだけに限った話ではないが、ただ1つのことに打ち込み勝負をしている人たちと、その人たちを支えたいと思う人が繋がれる場所を作りたいと考えていた」(梅澤氏)

もともと2人が考えていたのは、ちょっとしたベッティング要素やゲーム性を取り入れること。たとえばwhooop!でとあるチームのカードを購入する。そのチームを応援し続けた結果、チームの価値が上がれば自分の保有するカードの価値も高まるといった具合だ。

これによって何となくカードを購入したことをきっかけにそのチームを熱狂的に応援する人がでてくるかもしれないし、その結果チームにきちんと資金が入る仕組みになっていればファンもチームもハッピーだろう。「もともとスポーツにはトレカという文化があるため、ファンだけでなくスポーツチーム側にとってもわかりやすい」(梅澤氏)こともあり、電子トレカを活用したwhooop!のアイデアに固まったそうだ。

今後whooop!では中長期的に様々な種目、レベルのチームをプラットフォーム上に展開することで、スポーツファンが集まる「スポーツ横断型のコミュニティ」を形成を目指す。収入源をチケット代やスポンサー料、放映権料に依存しがちなプロスポーツチームやアスリートにとって「電子トレカが継続的に資金を得られる収入源のひとつになること」を目標に事業を成長させていきたいという。

Googleが三月の狂気(march madness)でリアルタイムの試合展開予想をCMで提供

Googleは、同社のデータサイエンスの技術をリアルタイムで試してみたいようだ。今週末(米国時間3/30〜)同社は、サンアントニオで行われるファイナルフォー(Final Four, 全米男子大学バスケ選手権)で、データ分析と機械学習の技術を駆使して、試合中にさまざまな予測を行う。そしてハーフタイムに放映されるテレビコマーシャルでは、そのゲームの後半戦について予言する。

その詳しい計画は同社の今朝(米国時間3/30)のブログ記事に載っていて、そこでは、Googleのクラウド技術を使ったスポーツデータの統計分析などで同社とNCAA(全米大学体育協会)はすでに関係があり、今回の企画もそのご縁から生まれた、と言っている。そしてGoogleはこの機会を、NCAAのデータのより高度な活用の機会と捉えている。

チームはデータサイエンティストと技術者とバスケットボールのファンたちで構成され、GoogleはGoogle Cloud PlatformとBigQuery、Cloud Datalabなどの技術を利用するデータ処理のワークフローを構築した。データは非常に細かくて、各人の毎分のショットブロック数、動物をマスコットにしているチームの逆転負け率、などもある。Googleはそれらのデータを総動員して、今行われているゲームの経過や結果を予想する。そのためには、ゲームの前半から得られたデータをリアルタイムで分析し、それに基づく予想を数分後にコマーシャルで発表する。

Google Cloudのチームが試合中の会場にいて、前半のデータをワークフローに放り込み、NCAAの過去のデータも利用して分析する。ハーフタイムになったら、データをさらに分析して予想を作りだす。その技術的な詳しい説明は、Google Cloud Big Data and Machine Learningのブログで共有されている。

ハーフタイムが終わる前にGoogleは、出来立てほやほやのテレビコマーシャルをCBSとTurnerに渡し、後半が始まる直前にそれが放映される。

“スポーツイベントの実況中に自社のリアルタイム予測分析技術を利用してコマーシャルを作る企業は、うちが世界で初めてだろう”、とGoogleは言っている。

この実験はGoogle Cloudなどの技術を宣伝する方法としても巧妙だが、ファイナルフォーの予想をするテクノロジー企業はGoogleだけではない。

すべてのバーチャルアシスタント(スマートアシスタント、音声アシスタント)が、独自の予想をしている。GoogleのGoogle Assistantだけでなく、AmazonのAlexaも、MicrosoftのCortanaも、AppleのSiriも。でもそれらの一部は、本物のデータサイエンスを利用した予測というより、人が書いた意見のようだ。

このGoogleとNCAAのデータサイエンス/機械学習の実験には、そのためのWebサイトもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ロボットのスキーヤーたちが見事にスロープを滑降、優勝者はゲートを一本も倒さず

先月行われたSki Robot Challenge(スキーロボット競技大会)には多くのロボット研究者たちが参加した。そのビデオを見ると、スキージャケットを着たロボットたちが一斉にゲートを跳び出し、粉雪の中を転がっていく。Korea Institute for Robot Industry Advancement(韓国ロボット産業振興研究所)が主催したこの競技大会は、同じ時期に同じ国で行われた冬季オリンピック、パラリンピックと並んで、さしずめロボリンピックだった。

IEEE Spectrumによると、そのルールはかなり厳しい:

参加ロボットは必ずヒューマノイド(人型ロボット)で、肘と膝の自由度が15度以上あること。身長(足から肩まで)は50センチメートル以上。必ずスキーとストックの両方を使用し、ロボットが肘を曲げて立っているときはストックが着地していること。競技が行われるスロープは長さ80メートル、幅20メートルで、各チームは赤と青のゲートをスラロームしながら3分以内にゴールすること。ロボットは、ゲートを通過するたびに1点を得る。同点のときは速度を比較する。それでもなお同着なら、身長の高いロボットの勝ちとする。

参加選手の中から、ここではTaekwon Vと、ずんぐりしたSkiroをご覧いただこう。Skiroのモットーは、“ぼくはスキーロボット競技大会のヒーローだ!”、だ:

ルールとして全員がジャケットを着なければならないから、全員とてもかわいい。優勝したTaekwon Vは、風や雪面の条件が悪い中、ゲートに一回も接触せずにゴールした。全員に、ごほうびとして温かいオイルをあげたいね。

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Apple Watchのさまざまなスキーアプリで楽しさと実力をアップ

スキーヤーよ、喜べ!

あなたが雪山で何をどうしたか、これからは正確に分かるようになる。

Apple Watchがアップデートされ、GPSと高度計を組み合わせて利用できるようになり、これからのスキーアプリはパフォーマンスを定量化できる。消費カロリーや滑降速度が分かるだけでなく、ほかにもいろんなデータを知ることができる。

その新しい機能は今日から使える。そこで、Ski Tracks, Slopes, Snocru, Snoww, そしてSquaw Valleyなどのスキー関連アプリがどれもアップデートされた。それらの多くは、Apple Watch Series 3およびOSのアップデートwatchOS 4.2と互換性がある。

本誌TechCrunchは、いくつかのアプリを試す機会があった:

Slopes

Slopesは私たちのお気に入りのひとつだ。高度差、距離、心拍を教え、また列に並んだりリフトに乗ったりの時間を除いた正味のスキーした時間も分かる。スキーだけでなく、スノーボードでもよい。トップスピードと平均スピードも教える。行程の地図も表示する。アイドル状態を自動的に検出するので、毎回停止/リスタートする必要がない。アプリは無料だが、年会費19ドル99セントを払って“Season Pass”にアップグレードすると、地形図や衛星地図などをもらえる。

Snoww

Snowwは、パフォーマンスを計るのによい。友だちと接続して競争する機能もある。最新のアップデートで、友だちのいる場所を見つけたり、ハンズフリー状態でSiriからアプリにアクセスする機能が加わった。後者は、凍(こご)えるほど寒いときに便利だろう。各回の滑走距離、成績などを一覧する表も作る。それらのデータを友だちなどと比較することもできる。そして優勝者は、仮想トロフィーをもらう。自己ベストなら、いつも自分が勝者気分かもね。

Squaw

スキーならタホ湖、という人は、今度行くときSquaw Valley(スクォーヴァリー)のアプリを持って行こう。あの山は1960年の冬季オリンピックの会場で、現代的なスキー体験の提供を心がけている。そしてこのアプリは、待ち時間やリフトの閉鎖情報などがリアルタイムでアップデートされる。友だちが今チェアリフトのどのへんにいるかも分かる。アプリからリフトのチケットを買ったり、グループにメッセージを送れる。平均スピードや高度差など、練習時のデータや成績も分かる。

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だんきちが東京ドームとエイベックスから8000万円を調達、「スポーツのオンラインレッスン文化」浸透へ

野球やゴルフなどのレッスンを、オンライン上で受けられるサービスを提供するだんきち。同社は1月23日、東京ドームとエイベックス・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、約8000万円を調達したことを明らかにした。

だんきちは2013年の設立。2014年にディー・エヌ・エー、NTTドコモ・ベンチャーズおよび個人投資家から3000万円、 2015年末から2016年にかけてiSGSインベストメントワークス、朝日放送グループのベンチャーキャピタルであるABCドリームベンチャーズから約4500万を調達。今回が3度目の資金調達となる。

スマホさえあれば、いつでもどこでもレッスンが受けられる

だんきちが取り組むのは、ITを活用した新たな「スポーツレッスン」の仕組みづくりだ。従来であればレッスンを受けるには毎回スクールに足を運ぶのが一般的。開始時刻や日程が決まっているため時間の制約があることに加えて、住んでいる地域によっては自宅から通える場所にスクールがないなど、地理的な制約もある。

一方だんきちが展開するのは、スマホさえあれば好きな場所で、いつでもレッスンを受講できるオンラインレッスンサービス。自分のフォームやプレー動画をアップすると、プロのコーチによるフィードバックや動画を使ったフォーム指導、練習メニューのアドバイスなどをもらえるのが特徴だ。

現在は元プロ野球選手やプロゴルファーがレッスンを行う「スポとも」「スポともGC」を自社で開発し提供。またテニスに関しては開発や運営をだんきち、プロモーションをWOWOWが担当する形で「WOWOW パーソナルコーチ」を共同展開している。

東京ドーム、エイベックスとも新サービスを開発

だんきちの代表取締役CEOである与島大樹氏によると「今後は各スポーツでブランド力がある企業とアライアンスを組みながら、オンラインレッスンの文化を広げていく」方針。今回の出資元である東京ドームやエイベックスとも資金の提供を受けるだけでなく、WOWOW パーソナルコーチのように、野球とダンスに関する新サービスを一緒に開発するという。

もともと東京ドームでは元読売ジャイアンツの選手から指導を受けられる野球塾を運営しているため、そこで培ったナレッジやコーチ陣のリソースをサービスに活用する予定。各地でダンススクールを展開するエイベックスとの取り組みについても同様だ。

サービスの軸となるのは、「スポとも」と同じくユーザーが投稿した動画をもとにしたフォーム指導だが、生徒とコーチがコミュニケーションをとりやすい設計など、細かい機能やデザイン面で新たな取り組みも行っていくという。

現在だんきちが手がけるオンラインレッスンサービスは単月で約3500人が使用。年内にこの数値を8000人まで増やすのが直近の目標だ。まずはフォームが重要視されるスポーツとして「野球」「ダンス」「テニス」「ゴルフ」「陸上」の5種目に注力する。

「オンラインレッスンの文化を作りたいというが自分たちのビジョン。東京五輪も近いので、それまでにもっと普及させられるように事業を加速させたい」(与島氏)

グラフェンを使ったランニングシューズは早々と来年市販される、奇跡のように

ランニングシューズとグラフェンは相性抜群だ。いつも最新の技術に飢えている前者に、後者は最近の記憶にあるかぎり最高の結果をもたらした。この、原子一個ぶんの厚さしかない素材を長年世界のリーダーとして研究してきたマンチェスター大学が、イギリスのスポーツウェアブランドinov-8とパートナーして、グラフェンのフットウェアを作ったのだ。

‘奇跡の素材’と呼ばれるものがときどき、派手な報道とともに登場するが、それらと違ってこのグラフェンのランニングシューズは、今の世代中に製品化される。これぞまさに、奇跡かもね。発売予定は来年で、お値段は高いが140〜150ポンド、最高級製品で200ポンドだから、それほど高嶺の花でもない。

靴への実装に奇跡らしきものは見当たらないが、グラフェンによって蹴りの柔軟性が増し、強度も従来の靴より大幅にアップする。グラフェンは、世界でいちばん薄い素材でありながら鋼鉄の200倍強い。研究者たちは、靴底部分にグラフェンを加熱して小さな粒子にしたものを加えている。

“inov-8’s G-Seriesのシューズに使われているゴムにグラフェンを加えると、強度をはじめ、グラフェンの特徴のすべてを持つようになる”、と同大のDr. Aravind Vijayaraghavanは言っている。“われわれ独自の配合により、これらの本底は、グラフェンのない業界標準のゴムの50%強く、伸展性が50%増す”。

ものすごく小さめに見積もれば、グラフェンのの採用は、イノベーションが重要な競争材料になっている衣料雑貨の世界で目立つための良策、と言えないこともない。Adidasの3Dプリントで作ったスニーカーや、Nikeの自力で紐を結ぶシューズのように。

でもマンチェスター大学の研究者たちはかなり前から、人間の着用物におけるグラフェンの可能性を語ってきた。上述の超能力のほかにも、透明でしかも銅などより伝導性が良い、という特性がある。これは、未来の電子製品にも向いてる特長だ。同大は、センサーの素材としての適性を最近デモしたし、また今度のスニーカーは、もっと大きなことの始まりにすぎないかもしれない。

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MLBのチームがiOS 11のNFC機能で非接触チケットによる入場をテスト、来年は全チームが本番採用

この春AppleがiOS 11を発表したとき、とても目立ったのは、iPhoneのNFCチップにデベロッパーがアクセスできるようになったことだ。Apple自身はNFCの非接触技術を使って、数年前から、iPhoneやApple WatchでApple Payを提供している。でもデベロッパーがそれを自分のアプリから利用することは、それまでできなかった。

今日MLBは、彼らが作ったNFC利用のチケットアプリをOakland Athleticsで試験的に使用している、と発表した。このアプリがあれば、ファンは自分のiPhoneやApple Watchを球場入り口のスキャナーにタップするだけで入場できる。Apple Payで決済するときと、同じやり方だ。

試験は、iOS 11がローンチしたあとの9月22日からのホームゲーム6試合で行われている。プロのスポーツイベントがApple Walletの非接触チケットをサポートするのは、これが初めてだった。実は、テキストメッセージングによるモバイルチケットの利用も、2007年のOakland Athleticsが初めてなのだ。

もちろん非接触の入場とモバイルのバーコードチケットを使う入場に大差はないし、後者は多くの球場が利用している。でもNFCはバーコードと違って複製を作れないから安全だ。スキャンの精度も、バーコードより高い。バーコードで入場できなくてあたまにきた経験は、どなたにもおありだろう。だからスマートフォンを使ってチケット確認を頻繁にする方にとっては、NFCによる非接触チケットが、大歓迎だろう。

MLBのアプリを実際に開発したのは、MLBAMの子会社Tickets.comだ。同社はMLBの23の全チームのチケットアプリを提供しており、今年はもうゲームがないけど、来年2018年には全チームのチケットのNFC化を行う。同社の顧客には、MLBの野球チーム以外もいる。

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ボストン・レッドソックスがApple Watchを使ってニューヨーク・ヤンキースからサインを盗んでいた

[↑次は直球]

Appleは次のApple Watchを発表するとき、絶対このネタを使うだろう。Boston Red Soxが相手チームのバッテリーのサインを盗むとき、このスマートウォッチが重要な役割を演じていたらしいのだ。

The New York Timesによると、MLBは、現在一位(アメリカン・リーグ東部地区)のRed Soxが、最近のヤンキース戦と、もしかして他チームとの試合でも、対戦相手のキャッチャーのからサインを盗んでいた、と裁定した

実際にどうやったのか:

Red Soxのビデオ担当者は撮影中の映像からハンドサイン(手信号)を入手し、iMessageやSMSを使って、ダッグアウトにいるトレーナーが着用しているApple Watchにその情報をメッセージした。そしてそのトレーナーは、情報を試合中の選手に伝えた。

野球のファンでない方のために簡単に説明すると、キャッチャーはピッチャーに、次に投げるべき球種をハンドサインで指示する。しかし相手チームの打者などは、この情報が分かればものすごくありがたい。次がカーブか直球か事前に分かっていたら、打者はその球をヒットにできる確率がとても高くなる。

それまでの方法では、二塁にいる走者がキャッチャーの手元を覗き込み、球種を打者にジェスチャーで教えていた。しかしライブのビデオと、Apple Watchのようなリアルタイムの通信デバイスをを使える今では、サイン盗みはずっと容易になった。

そしてもちろん、その‘犯行’の現場をとらえたのは、Red Soxと今地区リーグの首位を争っているYankeesだった。彼らは、Red Soxのトレーナーが自分のApple Watchを見て、その情報を選手に伝えている様子をとらえたビデオを、リーグに提出した。そして両チームは伝統のライバル同士〔日本の巨人/阪神のように〕だから、Red Soxも、Yankeesがテレビ放送用のカメラを使って試合中にサインを盗んだ、と提訴した。

実は、サインを盗むことは野球ではかなり一般的に行われていて、目と何らかの信号と声で自分が見たものを伝えることは許されている。しかし今回のような、ビデオによるリプレイ技術やApple Watchを使って伝達を電子的にスピードアップすることは、許されていない。リーグは、Red Soxやその他の累犯チームに、罰金を課すことになるだろう。

残された唯一の疑問は、Apple Watchのこんな使い方を誰が一体Red Soxに教えたのか?だ。ここに、その手がかりらしきものがある:

[Tim Cook: Red Soxとファンのみなさん、ボストンでの楽しい一日をさらに楽しくしてくれてありがとう。]

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Drone Racing Leagueのレース用プロトタイプドローンがドローンの速度のギネス世界記録を達成

総重量わずか800グラム足らずのドローンが、無茶馬鹿モード(Ludicrous Mode)のTeslaの最高速度よりも速く飛ぶ。

昨日(米国時間7/13)は、Drone Racing Leagueがドローンの飛行速度のギネス世界記録に挑戦した。その正式のカテゴリーは、「電池を動力とする遠隔操縦クァッドコプターの最速対地速度」だ。

そのDRL RacerXと呼ばれるドローンの、最高設計速度は179.6 MPH(時速289キロメートル)だ。

測定はニューヨーク郊外の原っぱで行われ、ギネス世界記録の公式判定員まで招(よ)んできた。測定はドローンを長さ100メートルのコースの往復飛行数回で行われ、その平均を公式記録とした。そしてその公式世界記録は、163.5 MPH(時速263キロメートル)となった。

世界記録とは言っても、まだこのカテゴリーは先行記録がない。でもギネスの本部は、記録として載るためには128 MPH(時速206キロメートル)以上、と定めている。

記録を取得するために使われたドローンは、レースに使われるのと同じではない。レース用はRacer3と呼ばれ、最高速が85 MPH(時速137キロメートル)だ。でもこのプロトタイプのRacerXはRacer3と同じコアプラットホームだから、今後RacerXと同じ速度の、公式レースに使えるぐらい安定の良いドローンを、量産することも可能だ。

今回のプロトタイプドローンは(プロペラの回転速度46000RPM)あくまでも記録のため、そしてDRLのドローンの将来性を示すことが目的だった。今回の測定のための飛行では、一度だけ、加速を最大にしたときバッテリーの過熱でドローンが炎上したが、もちろん本物のレースではあってはならないことだ。

Drone Racing Leagueは最近シリーズBで2000万ドルの資金を、テレビ放送ネットワークSkyとLiberty Media Corporation(Formula 1のオーナー)から調達した。次のシーズンは7月20日に始まる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Twitter、ウィンブルドンやコミコンのライブ配信に関し新たなパートナーシップを締結

Twitterは引き続きストリーミングビジネスに精力的に取り組んでおり、ここ数週間に複数の企業と新たなパートナーシップを締結した。これにより、ユーザーは7月にサンディエゴで行われるコミコンの様子や、ウィンブルドンのニュース、舞台裏の様子などもTwitter上で視聴できるようになる。

皆さんの中には、Twitter初のスポーツ中継として昨年ウィンブルドンの様子が放映され、それ以前には、同社がNFLから1000万ドルで『Thursday Night Football』の放映権を獲得したのを覚えている人がいるかもしれない。なお、ウィンブルドンの中継は大々的に宣伝されなかったため、当時は本格的なサービスというよりは、むしろTwitter上でのライブ配信のテストのように考えられていた。

しかし時は流れ、その後Twitterはさまざまなスポーツの試合やスポーツ関連の番組、ニュースコンサートをはじめとするイベントなどのライブ配信を行い、NFLやMLBNBANHL(ホッケー)、NLL(ラクロス)、大学スポーツeスポーツなど多彩なコンテンツが扱われるようになった。

同社が今回ウィンブルドンに関するパートナーシップを結んだのは、ESPNではなくAll England Clubで、大会開催中には「Wimbledon Channel」がTwitter上でライブ配信される。具体的な内容としては、その日のまとめやニュース、インタビュー、舞台裏の様子、”好プレー集”が含まれる予定だ(つまり、試合の様子が丸々配信されるわけではない)。

ウィンブルドン以外にも、Twitterは過去2、3週間で新たな契約をいくつか結んでいる。その中でもエンターテイメント系メディアのIGNとは、サンディエゴで行われるコミコン2017(comiccon.twitter.com)の様子を中継することになった。IGNは7月19〜22日に行われる同イベントの様子を最長13時間ライブ配信する予定だとTwitterは語った。

内容としては、ABC、AMC、DC、Lionsgate、Marvel、Netflix、Startz、TBZといった制作・配給会社とのインタビューのほか、IGNのホストやスペシャルゲストによるイベント前後の解説がメインになる。そのほかにも、予告編や舞台裏の様子、俳優やプロデューサーとのインタビュー、コスプレイヤーの映像などが含まれる予定だ。

TwitterとIGNの新しいパートナーシップは、これまでの両社の協力関係を発展させたもので、最近ではロサンゼルスで行われたeスポーツイベント、2017 Electronic Entertainment Expo(E3)の中継でも彼らはコラボしていた。

また、最近はカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)、UAFAクラブカップ、女子プロアイスホッケーリーグ(NWHL)などニッチなプログラムにも手を伸ばしており、Twitterのスポーツコンテンツは今後さらに増えていくだろう。

今年の春以降は、スポーツ以外にも元FBI長官ジェームズ・コミーの議会証言(協力:Bloomberg)や、アリアナ・グランデの慈善コンサート『One Love Manchester』など注目が集まっていたイベントの中継を行った。

ライブ配信に注力することで、「今何が起きているかがわかるプラットフォーム」というTwitterの目指す姿に近づくことはできるかもしれないが、消費者が見たいと思うようなコンテンツ(残念ながらカナディアン・フットボール・リーグはここには含まれない)の獲得に関しては、ストリーミング企業や大手テック企業の壁が立ちはだかっている。

例えば、Twitterは今年に入ってからNFLとの契約をAmazonに奪われてしまった。AmazonとNFLの契約料は5000万ドルにのぼると言われており、これは去年Twitterが支払った金額の5倍だ。これを受けて、Twitterのライブ配信事業は批判を浴びることになり、専門家の中には主要なプレイヤーについていくだけの資金力がTwitterにはない(つまり、同社は放映権の獲得競争に敗れる可能性が高く、人気があまりないコンテンツしか扱えない)と言う人もいる。

しかし、TwitterはAmazonへの対抗策としてNFLと新たな契約を結び、ニュースやハイライトといった試合以外のコンテンツをライブ配信することになった。コンテンツの魅力という点では実際の試合の放映権を獲得したAmazonに劣るものの、ニュース性が評価されているTwitterと新しいコンテンツの相性は良さそうだ。結局のところ、Twitterはニュースが集まるプラットフォームであり、多くのジャーナリストが情報収集する場なのだ。

とはいっても、Twitterの最近の動きを見る限り、彼らはファンの数が限られているロングテールスポーツや規模の小さなイベントを重点的に攻めているように見える。さらに同社は5月の時点で200件のパートナーシップを結んでいると発表しており、Twitterが質より量を優先しているのではないかという憶測が強まる。

ただ、個々のパートナーシップを取るに足らないものだと無視することもできる一方で、小さな努力が積み重なれば、人々は何か面白いライブ動画が配信されていないかとTwitterをチェックするようになるかもしれない(少なくともTwitterはそう願っている)。そして、例えNFLの試合のような話題性の高いコンテンツを扱えなくとも、Twitterのライブ配信の認知度が高まれば、長期的には他の指標(登録ユーザー数、広告収益など)に良い影響を及ぼす可能性がある。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

LiveLikeで、Facebookの友人たちと一緒にスポーツのVR観戦が可能に

スポーツ放送事業者と提携して、VR視聴体験を作成し提供するサービスLiveLikeが、ソーシャル機能を備えることになった。

念のため言っておくと、LiveLikeのVR体験とは「仮想スイートルーム」を提供するもので、その中では様々なカメラアングルを選択したり、スイートルームの中を見回したり、事前制作されたコンテンツを視聴したりすることなどが可能なものだ。以前体験した時には、単に視聴者たちにゲームを見るための空中に浮かんだスクリーンを提供するだけのものよりも、遥かにリッチなVRソリューションが提供されていると思った。

そして今度は友人と一緒にこの体験をすることができるのだ。来週のCONCACAFサッカーゴールドカップを手始めに、(LiveLike製の)Fox Sports VR Appのユーザーたちは、友人たちと一緒にゲームを見ることができるようになる。

アプリを開くと、ユーザーはFacebookに接続し、アプリを既にダウンロード済みのFacebookの友人たちや、ランダムオプションによって、さらに3人の他の視聴者たちと同じ部屋に入ることができる。

アプリ内では、あなたは頭上に名前が表示されたアバター(基本的なものだが、少しカスタマイズ可能)として登場し、ゲームを見ながらあなたの友人の方を向いて話しかけるこが可能だ。LiveLikeは3Dオーディオを使用していると説明している。つまりあなたが友人の方を見れば友人の声は大きくなり、前に向き直ればまた小さくなると言った具合だ。このことで多少ともリアルな感じが出ることになる。

そして誰でもアクセスしやすくするために、アプリを使用するためにヘッドセットを用意する必要さえない。ユーザーは携帯電話やタブレットにアプリをダウンロードして、ヘッドセット不要のスリムダウン版を体験することができる。基本的には実際にVRに入れば見えるものをすべてを、スクロールやパンをして見ることができるようになっている。

LiveLikeはこの先、全ての展開にこのソーシャル機能を組み込む予定だが、一部のパートナーは、ブロードキャストではその機能を取り込まない可能性があるという注意を促している。しかしそれ以外では、LiveLikeはこれらのソーシャル機能をプラットフォームの未来と見なしている。

結局のところLiveLikeは、例えばあなたが贔屓しているチーム以外のファンたちとも、同じ仮想ルームの中で試合を見ることができるような、コミュニティに焦点を当てた機能を組み込みたいと思っているのだ。そして、このコミュニティの側面は、ファンたちにVR内で費やす時間を増やすことを促すことができるかもしれない。特にテレビを一人で見ている人に対しては、単に物珍しいものではなく、従来のテレビよりも好ましい体験だと思わせるように、意識を変えて行くことが可能かも知れないからだ。

下に示したビデオは現在LiveLike体験がどのようなものかを伝えるものだ(なお新しいソーシャル機能は入っていない)。

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(翻訳:Sako)

ナイキのBreaking2は驚異的な身体の勝利であり、見事なマーケティングキャンペーンでもあった

ナイキのBreaking2イニシアチブは、2時間でマラソンを完走するという目標には達することができなかったが、それでもその結果を同社は大いに誇っている。

ナイキは2時間の壁を破るべく、3人のランナー、Eliud Kipchoge、Lelisa Desisa、そしてZersenay Tadeseと協力してきた。単にZoom Vaporfly Eliteシューズの特別バージョンを提供しただけでなく、様々なテストを通して彼らが最高のスピードを出すことのできるレース条件(正しいコースや日時の選択も含む)を探り出したのだ。

その結果は?Kipchogeが3人の中で最速だった。その2:00:25という記録は、彼自身のベストであった2:03:05を打ち破っただけではなく、もう少しで2時間の壁を破れるところまでに迫ったのだ。そしてそれは、Dennis Kimettoの持つ世界記録2:02:57を、2分も縮めるものだった。

Kipchogeは2時間を切るというゴールには至らなかったものの、このイベントによりナイキは十分な見返りを獲得した。ナイキはFacebookTwitterYouTubeにレースのライブビデオを配信した。そしてこの記事を書いている土曜日(米国時間6日)夜の時点で、Facebookのライブストリームは490万回視聴され、さらにKipchogeのフィニッシュをハイライトしたショートクリップは420万回も見られている(あなたは、そのクリップをフィーチャーした沢山の広告を見ることになるだろう)。

これがまるで単なるマーケティングキャンペーンであるかのように、このイベントについて眉をひそめる向きもあるかもしれない。しかしナイキの観点から見れば、それは当然の話だ。1日中伊達や酔狂で#Breaking2タグを使った広告をTwitterに流し続けたわけではない。

またナイキが3人のランナーたちに報酬を支払って今年のロンドンとベルリンのマラソンをスキップしてもらったことや、Kipchogeの記録は公式世界記録にはならない(何故ならBreaking2マラソンではペースを決め抵抗を減らすペースメーカーの配置が基準を満たすものではないからだ)ことを知れば、さらにがっかりするかもしれない。

しかし、だからと言って、全てがマーケティングのためだけに行われたわけではない。例えば、もしなるべく多くの視聴者の目をレースに引き付けたいのなら、金曜日の深夜、東部標準時で午後11時45分を選んだりはしないだろうし、会場の一般公開をやめたりはしないだろう。第一にそして最も重要な点として、ナイキは可能な限り速い記録を達成することに集中していたように見える。プロモーションはその結果に過ぎない。

少なくとも私にとって、Breaking2は、これまでナイキが到達しようとしてできなかったマーケティング涅槃(marketing nirvana)の境地に達したかのように思えるものだ。これはたまたま広告キャンペーンの一部でもあった、偉大な物語だ。

実際それは、少なくとも1つのシューズブランドが賞賛の声をTwitterでシェアしたほど刺激的なものだった(2017年は奇妙な年だ)。それにもし、他のマーケティング担当者がナイキの成功を再現したいと考えるなら、スポーツ研究者のチーム、何ヶ月にも及ぶトレーニングタイム、そして世界のトップアスリートたちを揃えなければならない。

以前Mayo ClinicのMichael Joynerが、人類に達成可能なマラソン記録の限界は1:57:58であると予測していた事実が、私のお気に入りだ。今日Kipchogeは、その「生理学的限界」から3分以内のところまで来たのだ。もしその偉業でNikeの靴が沢山売れるとしても、私は全く気にしない。

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(翻訳:Sako)