Alexa機器に不正コマンドをしゃべらせてドア解錠や不正注文させる攻撃「Alexa vs Alexa」が報告される―すでに対応済み

Alexa機器に不正コマンドをしゃべらせてドア解錠や不正注文させる攻撃「Alexa vs Alexa」が報告される―すでに対応済み

Engadget

Amazon Echo製品自らに音声コマンドをしゃべらせることで、ハッカーがドアの解錠や電話を掛けさせたり、意に沿わない発注や電子レンジなどスマート家電を乗っ取れる新たな攻撃方法が発見されたと報告されています。

この攻撃を報告したのは、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校とイタリア・カタニーナ大学の研究者らです。ざっくり言えば、Alexaの音声コマンドを含む音声ファイルをEcho機器のスピーカーで再生させるというもの。それにより近くに不審なスピーカーを置かなくとも、長時間にわたってEcho機器の制御を奪えるわけです。「Alexa vs Alexa」(AlexaによりAlexaを攻撃)ということで、「AVA」と名付けられています。

「AvA」は、攻撃者のデバイスが脆弱なEchoデバイスと接続されるところから始まります。それ以降、攻撃者は音声合成アプリなどを使ってEcho製品側のスピーカーにしゃべらせることで、任意の音声コマンドを実行できるとのこと。音声にウェイクワード(「アレクサ」など)が含まれ、その後に実行可能なコマンドが続くと実行され、口頭での確認を要求する場合でも、コマンドを発行してから約6秒後に「はい」という言葉を追加すれば、この措置をかんたんに回避できるそうです。Alexa機器に不正コマンドをしゃべらせてドア解錠や不正注文させる攻撃「Alexa vs Alexa」が報告される―すでに対応済み

次にあるのは、AvAが実際に動作している動画です。1:40~2:14の間にあるものを除き、あらゆるコマンドが実行できていることが確認できます。

また「FVV」(フルボイス脆弱性)と呼ばれる脆弱性を使うことで、自己発行コマンドの認識率を倍にして、追加のコマンドも実行しやすくなるとのこと。これはEcho機器がコマンドを聴き取るときの「デバイスの音量を一時的に下げる」動作をなくすと説明されています。

もっとも、この研究を受けてアマゾン側がセキュリティパッチを公開したため、論文で示された攻撃はできなくなっているそうです。研究者らは、この攻撃が第3世代および第4世代のEcho Dotデバイスに対して有効だったことを確認しています。

不正な買い物であればメールが送られてきますが、パスワードや個人情報を抜き取ったり、被害者が発言した内容をすべて傍受してデータベースに保存できる「マスク攻撃」という手口は気づくのが困難と思われます。

スマートライトは93%の成功率で制御でき、アマゾンへの不正注文は100%、リンクされたカレンダーは88%の確率で改ざんできたとのことです。実際に被害があったのかどうかは不明ですが、アマゾンが速やかに対応したのは不幸中の幸いと言えそうです。

(Source:Cornell University。Via Ars TechnicaEngadget日本版より転載)

小さなスタートアップMayhtは新コンセプトの小型スピーカーで業界の巨人たちに挑む

スタートアップを立ち上げる方法はいろいろあるが、少数の既存企業が深く根を下ろし市場を独占している業界に挑戦するには、ひときわ勇敢な創業者チームが必要だ。例えば、トップ企業の名前が文字通り「インターネットで検索する」という動詞になっているようなネット検索市場には、余程の勇気がなければ挑戦しようとは思わないだろう。スピーカーの世界も似たようなもので、過去100年の間、テクノロジーはほとんど進歩しておらず、Shania Twain(シャナイア・トゥエイン)の甘く心地良い歌声を気中に放つスピーカーのコンポーネントは、ほとんどすべてひと握りのメーカーが作っている。

この世界に風穴を開けようと考えるスタートアップは多く、毎年、さまざまな方法で「スピーカーをより良くする」と謳う企業のプレゼンを何度も目にするが、いつもそれは不発に終わっている。確かにイノベーションは起きているが、スピーカーのコアテクノロジーでは、真に革新的といえるような動きがほとんどない。しかし、2022年のCESでは、その例外ともいえるMayht(メイト)のチームと話をすることができた。

同社は、お互いに反対方向を向いたスピーカーを作り、モーターでスピーカーの振動板を同時に動かすことで、手を叩くのと同じような動きを実現した。つまり、2つのスピーカーは完全に同調するということだ。同社によると、この小型化されたスピーカーは使用時のエネルギー効率を高め、出荷や保管の際のサイズも小さくでき、業界に与えるインパクトはこれまでの投資に見合うものだとしている。スピーカーの技術も興味深いが、筆者が興味をそそられたのは、オランダの小さな寄せ集めのイノベーター集団が、どのようにしてこの業界の状況を変えようとしているのかということだ。

Mayhtはテクノロジー企業だ。同社は開発の早い段階で、スピーカー技術の世界においては、巨大企業と真っ向勝負してもあまり意味がないことに気づいた。そのため、いくつかの特許とクールなリファレンススピーカー(パートナー候補にデモをするプロトタイプ)を武器に、同社は実質的に外部から委託を受ける研究開発部門を構築したいと考えている。つまり、新しくて興味を引くテクノロジーを生み出し、それを有名なスピーカーブランドにライセンス供与するスカンクワークス(極秘開発チーム)だ。筆者は、このオランダの小さなスタートアップに注目し、コンシューマーエレクトロニクスの中でも最も強固な守りを敷く業界にどのように挑んでいるのか詳しく見てみることにした。

このインタビューでは、Mayhtチームとその投資家らに話を聞き、ゴリアテの世界の中で好戦的なダビデになるための秘訣は何かを考えてみた。

「当社は、2016年からこのスピーカー技術に取り組んできた。最初の2、3年はプロトタイプを作っていたが、今では量産に近いもの、あるいは量産中のものが数多くある。当社はスピーカーユニットのメーカーではなく、その技術を守り、それをライセンスしているだけだ」と、MayhtのCEOであるMattias Scheek(マティアス・シーク)氏は説明する。そして「サウンドバーから小型サブウーファー、小型音声アシスタントスピーカーまで、さまざまな用途で当社の技術をようやく紹介できるようになった。特に小型音声アシスタントスピーカーは、市場に旋風を巻き起こすと確信している。例えば、Echo Dot(エコードット)がSonos One(ソノス・ワン)やサウンドバーと同じ音を出せるようになるということだ。また、サブウーファーのないスピーカーでも、サブウーファーのあるものと同じ音が出せるようになれば、市場は大きく変わる。当社はようやくそれらを公開することができた」と同氏は述べる。

同社は、新世代のスピーカーユニットを発明したという。一般的なスピーカーユニットは振動板を備えているが、駆動機構全体が振動板の後ろにあるため、限られた動きしかできない。Mayhtのイノベーションは、駆動機構を振動板の横に配置することだ。これにより、振動板はより大きく動くことが可能となる。自動車のエンジンでも似たようなことがある。エンジンのパワーを大きくするには、2つの方法がある。1つはシリンダーを大きくして、より多くのガスと空気の混合物を爆発させてパワーを生み出す方法、もう1つは、ストローク長を大きくする方法だ。Mayhtは、この考え方をスピーカーにも応用している。Google Mini(グーグルミニ)やAlexa(アレクサ)のスピーカーのようなスマートスピーカーだけでなく、スペースが限られている車載用など、さまざまな用途でスピーカーの小型化が求められていると同社は考えている。また、同社のスピーカー技術は、ビリつきを抑えることもできるという。

Mayhtのスピーカー技術では、駆動機構を振動板の横に配置している。これにより、2つのスピーカーを同調させ、従来のデザインによる同等サイズのスピーカーに比べて、より多くの空気を動かすことができるという理論だ(画像クレジット:Mayht)

同社は、現世代のスマートスピーカーに対してあまり高い評価はしていない。音声コントロール機能、メッシュWi-Fi、優れたデザイン、電源管理、優れたユーザーエクスペリエンスなど、いずれも意味のあるイノベーションだったが、スピーカーの技術自体は代わり映えしないものだ。

「Bang&Olufsen(バング&オルフセン)、Bose(ボーズ)、Sony(ソニー)など、どのメーカーも似たようなものだ。どのメーカーも同じ技術を使い、同じスピーカーユニットを使っている。同じ工場で作られたユニットなのだから仕方がない。主要メーカーは3~4社で、さまざまなスピーカーブランドはそれらのメーカーからスピーカーユニットを調達しているのだ。この分野でイノベーションが起こらないのは不思議なことではない」とシーク氏は嘆く。「メーカー自身がスピーカーユニットを開発しているわけではないので、より高品質なテクノロジーを追求しようとは思わないのだ。1~2%程度の改善はあっても、スピーカーユニットの全体的なアーキテクチャを変えることはない。そのようなことをすれば、メーカー全体の製造体制を変えることになり、メーカーにとっては大きなリスクとなる」と同氏は続ける。

Sonos Oneを分解してみると、凝ったテクノロジーの下には平凡なスピーカーユニットがあることがわかる(画像クレジット:Haje Kamps for a Bolt teardown

「スピーカーメーカーは、真のイノベーションを達成するのに見合う報酬が得られない。というのも、最低レベルのコストで最高の品質を実現する必要があるため、既存のテクノロジーにとらわれず、本当に新しくて革新的なものを生み出すインセンティブがスピーカーメーカーには与えられないからだ」と、MayhtのチーフコマーシャルオフィサーであるMax van den Berg(マックス・ファン・デン・バーグ)氏は説明する。そして「そういったことを踏まえて、当社は創業以来、世界中の45社ほどのスピーカーメーカーと話をしてきた。その中で、このような製品を見たことがある会社はなかった。これはまさに破壊的なイノベーションだ」と同氏は語る。

Mayhtは、今回のラウンドで、オランダのベンチャーキャピタルForward One(フォワード・ワン)を中心に総額400万ユーロ(約5億2000万円)を調達した。筆者は、この投資を先導した同VCのパートナーにインタビューを行い、はたから見ると困難な戦いに挑もうとしているように見える会社に、なぜ自信を持って資金を投入できたのかを探った。

「私は、このチームがMayhtを特別なものにしていると思う。創業者の兄弟2人は、7歳の頃からスピーカーに携わっており、とても感銘を受けた」とハードウェアのスタートアップに投資をしているフォワード・ワンのパートナー、Frederik Gerner(フレデリック・ゲルナー)氏は述べる。「両氏がスピーカー業界の枠組みを破壊しようとしていることは、非常に有意義なことだ。同じテクノロジーで何十年も成り立っていた巨大かつ成長中の市場は、今まさに革命の時を迎えている。ハードウェアは、多くの業界を一歩前進させる真の手段であり、当社はこのハイテクハードウェアのイノベーションの必要性を、これまで以上に達成可能で重要なものと考えている」と同氏は続ける。

既存のスピーカーユニットメーカーを蹴落とすために工場を建設するのは無駄なことだ。代わりに賢明な同社は、ライセンス方式を採用し、非常にスリムでエンジニアリングに特化したチームを構築し、比較的少額の資金を調達することを進めている。現在、Mayhtの従業員は20名で、そのうちの70%ほどがエンジニアリング部門の担当者だ。また、戦略的に非常に強い影響力を持つ人材を顧問として迎え入れたのも賢い選択だ。このことは、今後この種の企業を構築する上での鍵となるかもしれない。

「顧問には、非常に経験豊富なメンバーがいて、チームで活躍している。Philips(フィリップス)のライセンス部門で働いていたメンバーが2人いるが、そのうちの1人は、実際にライセンス部門を率い、フィリップスにおいてライセンシングを巨大なビジネスにした。彼は、ライセンシングの仕組みだけでなく[特許]訴訟の処理についても大いに助けてくれているし、非常に優れた交渉役でもある」とシーク氏は説明する。

Mayhtのスピーカーのプロトタイプと、Sonosの(より大きな)スピーカー。Mayhtによると、この2つのスピーカーの音量や音質は同じだという。画像クレジット:Mayht

Mayhtでは、起業する場合、自分たちによく合うタイプの会社を作ることを重視している。例えば、同社は、Sonosでマネージングディレクター兼グローバルオペレーション担当副社長を5年間務めたPiet Coelewij(ピート・コエレウィジ)氏も顧問として招き入れている。また、同社のチーフコマーシャルオフィサーであるマックス・ファン・デン・バーグ氏も注目の人物だ。同氏は、1990年代半ばにソニーのパーソナルオーディオ部門のマーケティングマネージャーを務め、その後も長年にわたってソニーの上級幹部として活躍してきた。「適切な人材が部屋にいることで、ドアを開けて進むことができる」と、シーク氏は控えめな表現ながらも両氏の功績に言及する。

同社はブランドを築き上げ、それを他社との共同ブランドとして活用したいと考えている。これはブランディング上の大きな問題を解決する賢明な方法だ。ほとんどの人は、自分が持っているスピーカーの内部で使われているスピーカーユニットのメーカーは知らないし、知る必要もないだろう。しかし、他の業界では前例がある。余程のマニアでもない限り、ほとんどの人は自分のパソコンのプロセッサーが誰によって作られているかなどは気にしていない。少なくとも、AMD(エイ・エム・ディー)がIntel(インテル)のしっぽを捉えた時、IntelがAMDに対抗して「Intel inside(インテル入ってる)」キャンペーンを展開するまでは、そうだったはずだ。Mayhtはそのシナリオを参考にして、Heartmotion(ハートモーション)ブランドを商標登録した。そして、同社のスピーカーをライセンシーと共同ブランド化することの合意を取りたいと考えている。例えば「Sonos powered by Heartmotion(Heartmotion搭載Sonos)」といったようなものだ。

「『Heartmotion』というのは、当社がライセンス供与するテクノロジーブランドだ。スピーカーの動きが心臓の動きに似ていることから、そう呼んでいる。目標は、すべてのスピーカーが当社の技術を搭載し、当社の技術を使用するパートナーが製品の箱にマーケティングの一環としてHeartmotionのロゴを使用することだ」とシーク氏はいう。

スピーカーのサイズと重量を最小限に抑える技術を基に、同社はいくつかの巧妙なセールスポイントを用意している。自動車やRVのメーカーにとっては、ドアパネルやダッシュボードなどの小さなスペースに、音の出力を落とすことなく、より多くのスピーカーを配置できるということだ。これは当然のことなのだが、筆者が特に感心したのは、より環境に配慮した技術に人々が(ようやく!)興味を示し始めている現在の状況において、Mayhtがいくつかのマーケティングメッセージを活用していることだ。低消費電力でありながら大きな出力が得られる小型スピーカーをパッケージ化することで、思いがけない効果が生まれることがある。その一例として、同社が試作したスピーカーには、太陽光発電技術の「Powerfoyle(パワーフォイル)」で覆われたものがある。これは、鳴り続けるBluetoothスピーカーを作ることが可能ということだ。エネルギー消費量に加え、フォームファクターが小さくなれば、重量や輸送量が削減され、結果的に環境面でも大きなメリットがある。

関連記事:太陽電池を搭載し自ら電力を供給し続けるMayhtの小型高音質スピーカー

Mayhtの「Heartmotion」スピーカーのプロトタイプ(画像クレジット:Mayht)

Mayhtは、特許ポートフォリオ戦略に裏打ちされたライセンシングファーストのビジネスモデル、優れた創業者のストーリー、ライセンシングやオーディオの専門家が名を連ねる顧問チーム、そして初めから適切にものごとに対処するために落ち着いて行動しようとする姿勢によって、注目の2022年に向けて着実に体制を整えている。そして、チームは、長年の研究と土台作りを経て、実行の年に向けたシフトアップを狙っているため、十分なリソースを確保したいと考えている。

「2022年は、当社の製品が消費者の手に渡る年だ。その瞬間を目にすることをとても楽しみにしている。当社は、かなり長い間、目立たないように製品作りに取り組んできた。これは本当に奇妙なことだが、業界ではそのすばらしさが知られていても、消費者はまだそれを体験していないのだ。当社にとって、2022年は大々的に公開する年になる。パートナーと協力してこの製品を消費者に届けるだけでなく、当社自身もやることを考えている……」といいながら、シーク氏は途中から声をひそめた。詳細を話しかけていたのだが、録音されていることを思い出したのだ。しかし「もうすぐ、2022年の第2四半期には発表できるだろう。まだ詳しいことはいえないが、現在、消費者が当社から直接購入できるリファレンス製品を開発中だ。消費者にも体験してもらいたいので、試用のために限定版のスピーカーを作っている」と話してくれた。

同社によると、自社製品での収益はあまり考えておらず、これはブランドの認知度を高めるために、大量に生産するサンプルだという。

「自分たちで(3インチ[7.62cm]の)T3スピーカーユニットを搭載した製品を作っているのは、実績を上げれば業界全体が動き出すからだ。この数年間でたくさんのプロトタイプを作った」とファン・デン・バーグ氏は説明する。問題は、新製品の設計には時間がかかり、大手スピーカーブランドにもその時間が必要だということだ。そのため同社は、ペースを上げるべく、リスクを冒して自分たちの手で問題を解決しようとしている。「当社は(サードパーティがデザインしたスピーカーは)少し長いプロセスを必要とすると感じている、サードパーティには決定する時間が必要なのだ。おそらく、彼らの製品が市場に出回るのは、2022年末から2023年初頭になるだろう。それまでの間、当社がこのテクノロジーを消費者に発表することが非常に重要だと考えている。当社は誰かと競争をしたいわけではないが、当社がてがけていることはクールだと思うし、Heartmotionを搭載したすばらしいBluetoothスピーカーの限定サンプルを提供できることをとても楽しみにしている」とファン・デン・バーグ氏は語った。

画像クレジット:Mayht

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Dragonfly)

米規制当局、グーグルがSonosのスピーカー特許を侵害と判決

米国際貿易委員会(US International Trade Commission、ITC)は、Googleがスピーカーと製造法に関する特許を侵害したとするSonosの訴え同意した。最初の決定は8月に出されていたが、今回判決が終結し、Googleは、Sonosの知的財産を侵害していると認められる製品を輸入できなくなる。Googleはその製品を中国で製造しているため、60日後に輸入禁止が適用されると、それらを米国へ送ることができなくなる。

Sonosは2020年に5つの特許に関してGoogleを訴え、その中にはワイヤレススピーカーをお互いに同期する技術もある。The New York Timesによると、侵害に該当する製品にはGoogleのHomeスマートスピーカー、Pixelとコンピューター、そしてChromecastデバイスが含まれる。輸入禁止となったGoogleの広報担当者は、この判決でデバイスの輸入と販売が中断することはないと述べている。

「私たちは本日の判決には同意しないが、ITCが弊社修正設計を承認したことには感謝する。私たちはさらなる見直しを求め、パートナーシップと知的財産に関するSonosの根拠のない主張に対して私たち自身を護っていく」と広報担当者はProtocolに語る。委員会は、最終判決でその新しい設計を否定しなかったため、Googleはそれらを実装することができる。

Nestのチームは最近、スピーカーグループの部分的変更を発表し、それを「最近の法的決定によるもの」と述べている。最も顕著な変更は、今後ユーザーは、グループ内のすべてのスピーカーのボリュームを一度に調節できなくなることだ。各スピーカーを、個々に調節しなければならない。

Sonosの法務担当最高責任者(CLO)であるEddie Lazarus(エディ・ラザロ)氏は声明の中で次のように述べている。「Googleは製品の機能を劣化または排除することで、ITCに科せられた輸入禁止を回避することもできるが、それでもなおかつGoogleはSonosの数十ダースもの特許を侵害している」。すなわち、Sonosにロイヤリティを払わないかぎり特許権侵害になるのだ。

以下は、その声明の全文となる。

ITCが本件で争点となっているSonosの5件の特許を明確に検証し、Googleが5件すべてを侵害していることを明確に裁定したことに感謝している。これは、特許訴訟では極めて稀な全面的勝利であり、Sonosの広範な特許ポートフォリオの強さとGoogleのコピー拒否の空虚さを浮き彫りにしている。これらのSonosの特許は、家庭用オーディオシステムを制御するためのセットアップ、複数のスピーカーの同期、異なるスピーカーの独立した音量制御、スピーカーのステレオペアリングなど、非常に人気の高い家庭用オーディオ機能に関するSonosの画期的な発明をカバーしています。

ITCが課した輸入禁止を回避する方法で、Googleは製品の機能を低下させたり削除したりできる可能性がある。しかし、Googleはこの輸入禁止措置を回避するために消費者の体験を犠牲にするかもしれないが、同社の製品は依然としてSonosの特許数十件を侵害し、同社の不正行為は続くだろうし、Sonosに対する損害賠償は今後も発生し続けるだろう。あるいは、他の企業がすでに行っているように、Googleは不正流用した技術に対して公正な使用料を支払うこともできる。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米アマゾンが月額約2200円の家族向け高齢者介護サブスク「Alexa Together」を提供開始

Amazonは米国時間12月7日、まだ自立した生活をしているものの、さらなるサポートを必要とする高齢者を介護する家族を対象としたサブスクリプションサービスAlexa Togetherの正式な開始を発表した。この機能は、同社の2021年秋のイベントで初めて紹介されたもので、Amazonの既存製品Alexa Care Hubを拡張し、月額19.99ドル(約2200円)または年額199ドル(約2万2000円)のサブスクリプションサービスとしてパッケージ化したものだ。

関連記事:アマゾンが高齢者介護のサブスクサービス「Alexa Together」を開始

Alexa Care Hubは、家庭内のAlexaデバイスを高齢の家族を介護するためのツールにするという、同社の最初の試みだった。そのサービスには、家族が年老いた両親やその他の大切な人を(本人の許可を得て)見守り、例えば家族が助けを求めた場合などに、特定の行動に反応するような機能が含まれていた。

Alexa Togetherは、Care Hubの機能を拡張したもので、緊急時のヘルプラインへのアクセス、転倒検知対応機能、家族が高齢者のデバイスの設定を管理できるリモートアシストオプション、愛する人がAlexaや他のスマートホームデバイスを使っているときに通知したり、普段の活動が滞っているときに通知したりすることができる家族向けのアクティビティフィードなどを備えている。

これらの機能は、有効にするには、双方が一緒にサインアッププロセスを完了する必要があるオプトイン・コンセント型の環境で使用されるように設計されている。

一度設定すれば、高齢者の方が緊急時の助けが必要な時に「Alexa、助けを呼んで」と声をかけることができる。すると訓練を受けたエージェントが、警察や消防、救急車などを、他のホームセキュリティシステムと同じように、その場所に派遣することができる。しかし、Alexa Togetherシステムは、カスタマーが緊急支援を必要としているかどうかを検知するために、Assistive Technology Service(アシスタント・テクノロジー・サービス)やVayyar(ヴァイヤ)のサードパーティ製デバイスと連携することができる。

Vayyar Care(ヴァイヤ・ケア)は、転倒を検知することができる壁に取りつけるセンサーで、ATSのSkyAngelCare(スカイ・エンジェル・ケア)は、高齢のカスタマーが首から下げる転倒検知ペンダントだ。SkyAngelCareはペンダントのボタンを押すと検知できるように、どちらも転倒を検知する。Amazonによると、Alexa Togetherには今後さらに多くのデバイスメーカーが追加される予定だ。

リモートアシスト機能は、家族が高齢者のデヴァイスのさまざまな設定を管理できる機能だ。これには、リマインダーの設定、電話やメッセージの連絡先の追加、買い物リストの追加とチェック、音楽サービスのリンクなどが含まれる。これにより、高齢者の方がAmazonに助けを求める電話をしなくても、家族がITのサポートを行うことができる。

画像クレジット:Amazon

アクティビティフィードは、高齢の家族が1日を過ごし、Alexaやその他の接続されたスマートホームデバイスと初めて対話したことを知らせるために、家族にアラートを送信する。これは、家族が定期的にAlexaと関わることを前提としているため、家族が問題なく過ごしているかどうかを知るための代理として機能するという点では、不完全なシステムだ。しかし、何のアクティビティもない場合にアラートが送信されることは、家族が愛する人に連絡を取り、問題がないかどうかを確認することを思い出させることができる。

このサブスクリプションサービスは、このソリューションが適しているかどうかを判断するために、6カ月間の無料トライアルを提供している。また、Alexa Care Hubの既存顧客は、本日から2022年12月7日まで、Alexa Togetherを1年間無料で利用できるようになる。

将来的には、Alexa Togetherが家族や友人、さらには隣人など複数の介護者をサポートする機能などを展開していくと、Amazonは述べている。

Amazonは、Alexaを使った高齢者や病弱な人々の介護への投資を増やしている。Care HubやAlexa Togetherに加えて、2021年の秋には、Atria(アトリア)やEskaton(エスカトン)のリビングセンターや、Cedars-Sinai(シダーズサイナイ)、BayCare(ベイケア)、Houston Methodist(ヒューストン・メソジスト)などの病院にAlexaを導入することを発表した。また、K4Connect(K4コネクト)、Lifeline Senior Living(ライフライン・シニア・リビング)、Aiva(アイヴァ)、Vocera(ヴォケラ)など、高齢者介護市場に特化したソリューションを開発できるAlexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティ)のツールやAPIを活用できるパートナーと協力していくとしています。これらのソリューションを実現するために、AmazonはAlexaの医療スキルをHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)に準拠させることに取り組み、その他のHIPAA規制をナビゲートするヘルスケアチームを構築した。

関連記事:アマゾンがAlexaを病院や高齢者施設に導入、Alexaで家族の呼び出しやニュースの確認などが可能に

しかし、これらの既存の高齢者ケアソリューションの多くは、企業間取引(B2B)での販売を想定しているが、Alexa Care Hubと今回のAlexa Togetherのサービスは、消費者市場を対象としたサブスクリプション型のサービスとなっている。

Alexa Togetherは、Echo、Echo Dot、Echo Showなどの対応するAlexaデバイスで動作し、アドオンサービスまたはデバイスバンドルのいずれかで利用できる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

アマゾンがAlexaを病院や高齢者施設に導入、Alexaで家族の呼び出しやニュースの確認などが可能に

Amazon(アマゾン)はすでにホテル集合住宅などの分野をターゲットに含めていたが、米国時間10月25日、医療機関や高齢者施設向けに新しいソリューションを展開すると発表した。このソリューションは、Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティーズ)の一部だ。Alexaデバイスを大規模に導入するニーズに応えるために特別に設計されており、施設の管理者は、患者や入居者のためにカスタマイズされた体験を作り出すことができる。

高齢者施設の入居者は、Alexaデバイスを使って家族など大切な人を呼び出したり、コミュニティでの出来事などのニュースを把握したりすることができる。Alexaデバイスは、お知らせ、音声メッセージによる入居者同士のコミュニケーション、音声通話やビデオ通話、チェックインやメンテナンスの依頼、さまざまな管理業務など、施設での活動の効率化にも利用できる。Amazonは、これが施設の効率化と生産性の向上に資すると考えている。

Amazonによると、Atria(アトリア)やEskaton(エスカトン)などの高齢者施設が、この新しいソリューションを導入するという。

高齢者施設でAlexaを利用する市場は、K4Connectのようなサードパーティプロバイダーがすでに開拓している。K4Connectは2020年、Alexaの音声アシストを含む新しいテクノロジーを高齢者や障害者に提供するため、シリーズBで2100万ドル(約24億円)を調達した。K4Connectをはじめ、Lifeline Senior Living、Aiva、Voceraなどの企業も、Alexa Smart PropertiesのツールやAPIを利用し、独自にカスタマイズしたソリューションやソフトウェアを展開しようとしている。

画像クレジット:Amazon

一方、AmazonはすでにCedars-Sinai(シダーズ・サイナイ)と共同で、試験的にAlexaを病室に置いている。患者は音声コマンドを使って、テレビのチャンネル変更などの基本的なタスクを実行したり、介護スタッフとコミュニケーションを取ったりすることができる。日常的な作業の一部をAlexaに任せ、看護師を医療に専念させる構想だ。

Amazonの病院向け新ソリューションにより、患者はAlexaを使って介護スタッフとコミュニケーションをとったり、自室の機器を操作したり、ニュースや音楽を楽しんだりすることができる。また、医療従事者は、Alexaの通話やDrop-In(ドロップイン)などの機能を使い、病室に入らなくても患者とコミュニケーションをとることができる。これが病院の生産性を向上させ、医療用品や手袋、マスク、ガウンなどの保護具を節約することもできるとAmazonは指摘する。パンデミックで新型コロナウイルスの症例が急増し、個人防護具の不足が複数の現場で継続的に問題となっていた。

Amazonによると、Cedars-SinaiはAlexa Smart Propertiesソリューションを正式に展開する企業の1つであり、上記のパイロットプログラムに続き、BayCareやHouston Methodistもその動きに名を連ねている。

「音声は、年齢や技術的な知識に関係なく、患者にとって直感的に使えるものです」とCedars-Sinaiの医療・外科サービス部門のエグゼクティブ・ディレクターであるPeachy Hain(ピーチー・ヘイン)氏は声明で述べた。「患者は、部屋に入ってすぐに、Alexaを使ってケアチームと連絡を取り合い、いろいろ楽しむことができます。ケア提供者は作業を効率化して患者さんのケアに時間を割くことができます。これは、私たちの病院での体験を向上させる完全なゲームチェンジャーです」と同氏は付け加えた。

Amazonはこれまで、音声の録音や書き起こしに関連したプライバシーの問題に悩まされてきた。医療機関や高齢者施設向けのソリューションでは、音声の録音は保存されず、ユーザーがデバイスを使用する際にAlexaと個人情報を共有する必要もないと説明する。また、ユーザーは上部のボタンでいつでもEchoのマイクをミュートすることができる。加えて、Amazonは、HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)適格のAlexaの技術に基づく通信により、保護の対象となる健康情報を守るとしている。

Amazonは以前から、Alexaを医療機関に導入しようと取り組んできた。CNBCの2018年の報道では、音声アシスタントを医療の分野で役立てるために、Alexaを使ったヘルスケアチームを構築中だと伝えていた。そのために必要となる複雑なHIPAA規制をクリアすることも目指していた。翌年、HIPAAに準拠した最初の医療用技術を発表し、デバイスの病院での試験運用を開始した。Amazonは、他にもヘルスケアソリューションに投資しており、医師の診断書や患者の健康記録などから情報を収集する機械学習ツール「Amazon Comprehend Medical」のようなソリューションや、オンライン薬局PillPackのような買収などが投資の対象だ。

新しいAlexa Smart Propertiesソリューションは、いずれも11月から米国で展開されるとAmazonは話している。

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルのHomePod miniに新色イエロー、オレンジ、ブルー登場

おそらく誰もHomePodの登場は、期待していなかっただろう。現在、Appleの主要なスマートホームデバイスとなったこのminiに新色が登場する。

今回イベントで、Appleはこの小型スマートスピーカーにイエロー、オレンジ、ブルーのバージョンを追加。この新色は、従来のブラックとホワイトに加えて、それぞれのバージョンと同様に99ドルで販売される。miniの新バージョンは、ホリデーシーズンに間に合うよう、11月に発売される予定だ。

もちろん、Apple MusicのSiriに特化した月額5ドルのボイスプランとの連携も可能だ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

米GM傘下のOnStarがアマゾンとコラボ、Alexaデバイスを使い家庭に緊急サービスを提供へ

Alexaデバイスの所有者は、OnStar(オンスター)の親会社であるGeneral Motors(ゼネラルモーターズ、GM)とAmazon(アマゾン)とのパートナーシップの拡大により、近々自宅からOnStarの緊急サービスを利用できるようになる。

OnStarは、2021年初めに「Guardian(ガーディアン)」アプリを導入してOnStar Guardianを拡張しており、顧客は携帯端末からサービスにアクセスできるようになっていた。今回の拡張により、顧客の音声対応ホームデバイスもこのエコシステムに加わることになる。

GMのプロダクト担当責任者であるJeff Wajer(ジェフ・ワジャー)氏は、最近のTechCrunchのインタビューで「携帯電話を(そのとき)持っていなくても、緊急時に助けを求めたい場合が多々ある」と語った。また、電話を使うことができない様々なアクセシビリティレベルの人々でも、OnStar-Alexaの統合機能を使えば助けを呼ぶことができる、とも。

この統合機能は、まず既存のOnStarの顧客を対象に段階的に導入され、2022年にはより広範囲に導入される予定だ。対応するAlexaデバイスは、Echo、Echo Dot、Echo Show。GMは、何人の顧客が当初このサービスにアクセスできるのか、また料金がどのくらいなのかについての詳細は明らかにしなかったが、ワジャー氏は、最初のコホートに含まれるOnStarの顧客には初期無料トライアルがあると述べた。

OnStar Guardianは、GMの車両に乗っているかどうかにかかわらず利用できる。だがGM車においては、GMとAmazonのコラボレーションはこれが初めてではない。GMはすでに一部の車両のインフォテインメントシステムにAmazon Alexaを導入しており、今回の提携は両社の結びつきを強化するものだ。

これは、GMが自動車以外のソフトウェアやサブスクリプションビジネスを強化しようとしていることの表れでもある。GMのグローバルイノベーション担当副社長であるPam Fletcher(パム・フレッチャー)氏は、声明でこう述べた。「この新しいサービスは、GMの成長戦略へのコミットメントと、ソフトウェアを活用したサービスの革新を示すものです」。

画像クレジット:Emmanuele Contini / NurPhoto / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

アマゾンはデベロッパー向けツールと機能のリリースでAlexaの復活を狙う

Amazon(アマゾン)は、過去1年間にスキル数がさらに減少し、サードパーティの音声アプリデベロッパーが関心を失いつつあることを受けて、Alexa音声プラットフォームを活性化しようとしている。現地時間7月21日に開催されたデベロッパー向けイベント「Alexa Live」では、デベロッパーコミュニティに向けて多数の新機能とツールが発表され、新ツールのリリースとしては最大規模のものになった。新機能の中には、すでにAlexaデバイスを所有しているユーザーに向けてAlexaスキルの発見・利用を促すものや、デベロッパーがスキルを利用して収益を得られる新ツール、再びユーザーの日常生活にAlexaを取り入れてもらうことを後押しするアップデートなどがある。

当初小売業者が期待していた、音声ショッピングプラットフォームとしてのAlexaは、期待外れだったかもしれない実際にスマートスピーカーを使ってAmazon.comの商品を購入したAlexaのユーザーはほんのわずかだった。しかし、Amazonは当日「数千万台」のAlexaデバイスが毎週「数十億回」使用されていて、90万人以上の登録デベロッパーが13万以上のAlexaスキルを公開していると言及し、今でもAlexaの普及状況とデベロッパーコミュニティはかなりの規模を維持していると発表している。

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それでも、Amazonは、ユーザーが使いたいスキルを見つけやすいようにするという、音声のみのデバイスでは難しいとされる課題をまだ克服していない(Alexa Showのようなスクリーン付きのAlexaデバイスが発売されたことで、多少改善されたが)。

Alexaユーザーの大部分は、スマートホームのコントロール、音楽の再生、アラームやリマインダーの設定、リストの作成など、最も基本的な機能しか使っていない。つまり、Amazonはまだ大ヒットといえるような音声アプリを生み出していないのだ。

画像クレジット:Amazon

Amazonによると、同社はこの問題を解決するために、デベロッパーが自分が開発したスキルのウィジェットを作成する方法を導入する。ユーザーはこのウィジェットを使ってEcho Showなどのスクリーン付きAlexaデバイスにスキルを追加することができる。さらに、デベロッパーは「Featured Skill Cards(注目のスキルカード)」を構築できるようになる。Featured Skill Cardsはホーム画面上でスキルをローテーションで表示し、宣伝する機能だ。

Amazonのソリューションは、アプリを発見してもらうという点だけを見れば、Alexaをよりモバイルデバイスに近いものにするものだ。スクリーン付きのAlexaデバイスを持っているユーザーには便利かもしれないが、音声のみで操作できるプラットフォームであるはずのAlexaの将来にとっては良い兆候ではない。

スクリーンが付いていないAlexaデバイスでは「アレクサ、お話を聞かせて」「アレクサ、ゲームをしよう」「アレクサ、ワークアウトをしたい」などの一般的なリクエストにAlexaが応答する際、デベロッパーが開発したスキルを提案するようになる。また、スキルの利用履歴に基づくユーザーごとのおすすめスキルの提案の他にも、新たに導入される「コンテクスチュアル・ディスカバリー(コンテキストに基づく発見)」では、自然言語やフレーズを使って、スキルを探せるようになる。もちろん、Amazonはこれまでもスキルの提案方法の開発に取り組んでいたが、大きなスキルエコシステムに影響を及ぼせるものではなかった(中にはユーザーを困らせるような試みもあった)。

Amazonによると、デベロッパーが自分が開発したスキルで収益を上げる方法も拡大しているという。

すでにAmazonは、消耗品有料サブスクリプションスキル内購入などのツールを提供しているが、今回、新たにスキル内購入の一環として「Paid Skills(有料スキル)」に対応する。Paid Skillsでは、ユーザーはスキルが提供するコンテンツを利用するために1回のみ料金を支払う。さらに、スキル内購入の対象地域にインドとカナダが追加される。

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デベロッパーの収益源になるAlexaのスキル内購入機能が日本を含む国際展開へ

これまでのところ、スキル内購入はまだ大きな収益を上げるには至っていない。2019年のレポートによると、最初の10カ月間におけるAlexaスキルの収益は140万ドル(約1億5000万円)にとどまり、アマゾンの目標である550万ドル(約6億6000万円)には遠く及ばなかった。購入方法が1つ増えたからといって、どのぐらいの変化があるかは不透明だ。

Amazonは、デベロッパーの収益額については言及せず、デベロッパーのスキル内購入での収益が前年比で「2倍以上」になったと語るだけにとどめた。

Amazonは今後、デベロッパーコミュニティを活用して、小売サイトでの販売を促進しようとしている。

新しい「ショッピングアクション」機能では、デベロッパーは自分のスキルの中でAmazonの商品を販売することができる。例えばSFゲーム「Starfinder」では、ロールプレイングゲーム内でテーブルトップ版の購入をユーザーに提案している。デベロッパーは商品を紹介してアフィリエイト収入を得ることもできる。

音楽やメディアに関連するスキルのデベロッパーは、新しいツールを利用してユーザーにより楽しい体験を届けることができるようになる。iHeartRadioが開発した、DJがAlexa経由で曲のリクエストを受け付ける「Song Request Skill」はその一例だ。ラジオやポッドキャスト、音楽プロバイダー向けの、ユーザーにインタラクティブな体験を提供するスキルの開発期間を短縮できるツールもある。

スキルをより実用的で便利なものにするための新機能もある。

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例えばレストランはFood Skill APIを利用して、ピックアップやデリバリーのスムーズな注文を実現することができる。新しい「Send to Phone(スマホに送信)」機能では、デベロッパーは自分のスキルをモバイルデバイスと連携させて、外出する際に家の鍵をかけるように促すスキルのような、イベントベースのトリガーやプロアクティブな提案を実現できるようになる。Amazon傘下のWhole Foods(ホールフーズ)は、2021年後半に登場する店頭受け取りサービスに、これらの機能を利用する予定だという。

また、洗剤や電池といった一般的な日用品を再注文できるAlexaの補充サービスが、交換部品にも拡大され、他の家庭用機器やスマートホーム機器との連携が強化される。サーモスタットメーカーのCarrier(キャリア)やResideo(レシデオ)はエアフィルターの補充に、Bissell(ビッセル)は掃除機にこの機能を利用する。

一方、煙探知機、一酸化炭素探知機、水漏れ探知機などの安全機器メーカーは、Alexaのセキュリティシステム「Alexa Guard」と連携して、モバイル機器に通知を送ることができるようになる。

デベロッパーのスキル開発をサポートするための新しいツールも導入される。また、デベロッパーはAlexa Entities(アマゾンが独自に開発した、ウィキペディアのような一般的な知識をまとめたもの)を利用できるようになる。独自の発音をサポートする新しいツールや、これまで米国のみで提供されていた「Alexa Conversations」の自然言語機能も利用できるようになった(現在、英語圏ではライブ版、ドイツではベータ版、日本ではデベロッパープレビュー版が利用可能)。さらに、既存のツールキット(Alexa Voice Service、Alexa Connect Kitなど)の地域的拡大に焦点を当てたツールや、ユーザーごとのウェイクワードを可能にしてスマートホーム機器との相互運用性を向上させるツールなど、大量のツールが導入されている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AmazonAlexa音声アシスタントスマートスピーカースマートディスプレイスマートホームeコマース開発者

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

ダイアン・フォン・ファステンバーグデザインのEcho Dotだって?もちろん、いいんじゃない?

2021年初めに、Amazon(アマゾン)はBuild It(ビルドイット)プログラムを開始した。これは、顧客がコンセプトデバイスを予約注文できる、楽しくささやかなプログラムだ。これはIndiegogo(インディゴーゴー)やKickstarter(キックスターター)のようなものと考えると良いだろう。つまりプレオーダーで十分な数の人々が購入予約した場合にのみ、Amazonが実際に製品を作ることになるのだ。もちろんAmazonは、初めてハードウェアを作る平均的なスタートアップ企業よりも、間違った方向に行かないようにする能力ははるかに高いが、私は脱線した話をしたい。

今回のラウンドは、この手のものとしては特に実験的なものではない。Amazonは、ファッション界の巨匠であるダイアン・フォン・ファステンバーグ氏と提携し、人気がある入門レベルスマートスピーカーのために新しいカバーを制作した。この「Echo Dot × Diane von Furstenberg」は、3つのラインナップで展開する。Midnight Kiss(ミッドナイト・キス)、Ikat(イカット)、そしてTwigs(トゥイグス)の3種類だ。これは、付箋紙プリンター、スマート体重計、Alexa(アレクサ)鳩時計などの、初めて目にしたような新製品のエントリーとは異なる。

画像クレジット:Amazon

それぞれの価格は59ドル(約6500円)だ。これは時計付きのEcho Dot(エコー・ドット)の価格と同じで、標準のDot(ドット)よりも10ドル(約1100円)高い。その他の点は、最新のEcho Dotと同じように見える。同社によると、デザイナーが選んだ慈善団体Vital Voices(バイタル・ボイス)に寄付が行われるとのことだが、その金額については明らかにされていない。

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プレオーダーの期間は本日から米国時間8月13日までだ。デザインが注文数目標を達成できなかった場合、顧客には課金されない。Amazonによれば「キャンペーン終了後、目標達成した一部のプリント柄のものは、在庫がある限り正規の価格で販売される可能性があります」とのことだ。

  1. Midnight-Kiss-2

  2. Midnight-Kiss

  3. Ikat-2

  4. Ikat-3

  5. Ikat

  6. Twigs-2

  7. Twigs-3

  8. Twigs

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonAmazon AlexaスマートスピーカーAmazon Echo

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

アップルが「Apple TV+HomePodのハイブリッド製品」と「iPad風スマートディスプレイ」を開発か

Bloomberg(ブルームバーグ)によると、Apple(アップル)はApple TVとスマートスピーカーの融合や、ビデオチャット用に統合されたカメラなど、スマートホーム分野への新たな参入に向けたいくつかの新しいオプションに取り組んでいるという。また同社は、HomePodとiPadを組み合わせ、Amazon(アマゾン)のEcho ShowやGoogle(グーグル)のNest Hubに似た機能を提供するスマートスピーカーにも取り組んでいるという。

Apple TVとHomePodのハイブリッド製品はテレビに接続して映像を出力し、現在のApple TVと同様に動画配信やゲームサービスが利用でき、スピーカーは音声出力、音楽再生、Siriとの統合に利用される。また、テレビでビデオ会議アプリを利用するためのカメラも内蔵されるという。

第2のデバイスは市販されているスマートディスプレイに似ており、iPadのようなスクリーンで統合されたビジュアルを提供する。ブルームバーグによると、このプロジェクトではiPadをロボットアームに接続し、動き回るユーザーに合わせてiPadを移動させ、ビデオチャット中もフレーム内に収めることができるという。

ブルームバーグはこれらの製品のリリース時期を明示しておらず、まだ開発段階のようだ。つまりアップルの決断次第では、これらの計画が簡単に断念されるかもしれない。アップルは最近、2018年に発売した300ドル(約3万3000円)のスマートスピーカーHomePodの販売を終了した。

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Apple TVが2021年中に刷新されるという噂が飛び交っており、これではプロセッサーが高速化されリモコンもアップデートされるはずだ。最新のテレビで利用可能な120Hzの高速なリフレッシュレートのサポートなど、他のハードウェアの改善の可能性もある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple TViPadスマートディスプレイスマートスピーカーHomePod

画像クレジット:Apple

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

【レビュー】Sonos Roamはほぼ完璧なポータブルスピーカー

Sonos(ソノス)が2021年3月に発表した新型スピーカーは、さまざまな点において同社のこれまでの製品とは大きく異なる。米国では4月20に発売される(日本では2021年夏に発売予定)この「Sonos Roam(ソノス・ローム)」は、内蔵バッテリーとBluetooth接続を備えたコンパクトなポータブルスピーカーだが、無線LANストリーミング、マルチルーム機能、音声アシスタントのサポート、そして驚くほど優れた音質を備え、Sonosシステムの一員であることに変わりはない。

基本仕様

価格169ドル(約1万8500円、日本での価格は未定)のSonos Roamは、高さ168mm×幅62mm×奥行き60mmと小さなサイズで、重量は430グラム。カラーはマットホワイトとブラックの2色から選べる。また、IP67規格に準拠しており、水深1mまでの場所で30分以内の耐水性を備えている。

スピーカーの操作系は本体の側面片側に配置されており、マイクボタン、ボリュームコントロール、再生 / 一時停止ボタンが備わる。これらはすべて物理ボタンが採用されており、他のSonosのスピーカーに見られるようなタッチセンサー式ではない。外へ持ち出すことを想定したスピーカーとしては、雨や水に濡れてタッチ操作が効かなくなる場合も考慮した、理に適った設計と言えるだろう。

背面には電源ボタンがあり、その隣に充電用のUSB-Cポートも備えている。スピーカーの底面に組み込まれたレシーバーを介して、ワイヤレス充電も可能だ。専用にデザインされたマグネット式充電アダプター(別売り)の他、一般的なQi対応のワイヤレス充電器と組み合わせて使用できる。

Sonos Roamは、Wi-Fiストリーミングに加えて、Bluetooth 5.0であらゆるデバイスと接続することができる。Apple(アップル)製デバイスとWi-Fi接続するためのAirPlay 2にも対応しており、箱から取り出して電源を入れればSpotify Connectにもすぐにつながる。内蔵のバッテリーは、フル充電で最大10時間の再生が可能で、スリープ状態のスタンバイモードでは最大10日間保持される。

デザインと性能

本機はSonosからこれまでに発売されたスピーカーの中で最も小型の製品だが、このカテゴリーのデバイスとしては、その小ささは間違いなく大きなプラス要素だ。全体のサイズはレッドブルの缶を少し高くしたような感じといえば、携行性の高さがおわかりいただけると思う。Sonos初のバッテリー内蔵ポータブルスピーカーだったSonos Move(ソノス・ムーブ)と違って、Roamはバッグに入れて本当にどこにでも持ち運べるように設計されていることが感じられる。

小さなサイズにもかかわらず、Sonos Roamは迫力のあるサウンドを発する。おそらく、このサイズのポータブルスピーカーとしては、筆者がこれまで聞いた中でベストだ。その内部にはデュアルアンプ、ツイーター、そしてSonosが独自開発した楕円形ミッドウーファーが詰め込まれており、通常の小型スピーカーでは得られない低音と中音を忠実に再現する。Roamはそのサイズから予想するよりかなり大きな音を出すことができるが、それと同時に音質はクリアで歪みのない状態を維持する。

Roamの優れた音質を生み出す鍵の1つとなっているのが、Sonosの自動チューニング技術「Trueplay」だ。これは周囲の環境に合わせて音質を積極的かつ継続的に調整する機能で、これを作動させるにはマイクを有効にする必要があるが、ほとんどの設定でオンにしておく価値がある。Wi-FiだけでなくBluetoothでストリーミングする際にも利用でき、サウンドに大きな違いをもたらす。この機能は、スピーカーの向きが水平から垂直に変わったときの調整にも役立つため、このサイズと価格帯の他のスピーカーと比較して、Roamが優れている理由の1つとなっている。

この価格であれば、Roamは音質だけでも勝負できるが、Sonosシステムに特化した機能を追加することで、真のカテゴリーリーダーになることができた。例えばRoamは、自宅システムに接続してSonosアプリ経由のWi-Fiストリーミングに備えた状態のまま、バッテリーを保持するスタンバイモードに移行できる(これは便利だ。電源ボタンを5秒間押し続けると、本当の意味での電源オフになり、さらに長くバッテリー残量を維持できるので、旅行の際などスピーカーを使用しない時にはそうした方がいい)。

Roamの驚くべき機能の1つに、再生 / 一時停止ボタンを長押しすると、聴いていた音楽をシステム内の最寄りのSonosスピーカーに受け渡すハンドオフ機能がある。まるで魔法のようなこの機能は、Roamをポケットに入れて家の中を歩き回ったり、庭で雑用をするときに優れた能力を発揮する。

結論

Sonosは、旅行に適したポータブルスピーカーを初めて発売するまでに長い時間を費やした。しかし、その長い時間を賢く使ったことは明らかだ。Sonos Roamは、200ドル(約2万2000円)以下で購入できるポータブルスピーカーの中で、最も考え抜かれたデザインと豊富な機能、そして最高のサウンドを備えている(さらに、多くのもっと高価な製品と比べても優れている)。たとえ自宅にSonosシステムを持っていなくても、ポータブルで頑丈なBluetoothスピーカーを探しているのであれば、この製品は選ぶ価値がある。もし、あなたがすでにSonosユーザーであるのなら、さらにその価値は増すだろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカースピーカーオーディオSonosAirPlayレビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スマートリモコン「LS Mini Next」のLive Smartが中国電力からの資金調達、資本提携発表

スマートリモコン「LS Mini Next」のLive Smartが中国電力からの資金調達、資本提携発表

スマートリモコン「LS Mini Next」などを手がけるLive Smartは1月14日、中国電力を引受先とする第三者割当増資による資本提携契約を締結したと発表した。

Live Smartは、AI・IoTを活用した生活空間におけるサービスプラットフォーム事業を展開。人々に豊かな生活を届けるとともに、暮らしの中の様々な課題を解決する社会インフラとなることを目指している。

また中国電力は、生活や産業を支えるライフラインを担う電気事業者として、低廉で安定した電気を届けることをベースに、エネルギー事業の高度化や顧客サービスの向上を目指している。

Live Smartは、法人事業者向けにハードウェアとソフトウェアの両方を提供する「LiveSmart for Business」を展開しており、電力事業を展開する中国電力とLive Smartの「生活空間におけるサービスプラットフォーム事業」は親和性が高いと考え、第三者割当増資による資本提携契約を締結した。

また今後、電気の有効利用などを含めた中国電力グループとの協業についても検討していく。

スマートリモコン「LS Mini Next」のLive Smartが中国電力からの資金調達、資本提携発表

LiveSmart for Businessは、新築、分譲、賃貸、客室、すべての生活空間をスマートホーム化し、事業者とその顧客に新たな価値を提供する法人向けサービス。賃貸・管理会社、不動産デベロッパー、不動産オーナー、住宅販売会社、リノベーション会社、ホテル、民泊など生活空間に関わるすべての事業者にサービスを提供するという。

導入する事業者は、IoTスマートホーム化による物件価値・客室価値の向上、ブランディングに加え、スマートホーム利用者との関係強化ツールにより、問い合わせ対応や連絡業務の効率化、さらに新たなビジネス機会の獲得も可能となるとしている。

LiveSmart for Businessにより、事業者とその顧客の双方にスマートライフによる価値を提供するという。

スマートリモコン「LS Mini Next」のLive Smartが中国電力からの資金調達、資本提携発表

2016年12月設立のLive Smartは、「世界中の人々をもっと自由にする」をミッションに掲げ、AI・IoTを活用した生活空間におけるサービスプラットフォーム事業を展開。人々が時間や空間の制約や日々の不安ごとから解放され、より快適で質の高い生活を送ることができることを実現するという。

「人々が抱える課題を解決する次の社会インフラになる」をビジョンとし、高齢化社会における不安の解消、家事や子育てにおける負担軽減、日常生活で抱えるストレス軽減など、世界が日々直面している多くの社会課題を解決するために、生活空間におけるサービスプラットフォームを提供することで、新しい社会インフラとなることを目指している。

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カテゴリー:IoT
タグ:スマートスピーカー(用語)スマートメータースマートリモコン(用語)中国電力Live Smart日本(国・地域)

Apple HomePod Miniレビュー、もっと早く登場していたら、小さな躯体で驚くサウンドを楽しめる

HomePod Miniが数年前に登場していたらスマートスピーカーマーケットはかなり違うものになっていたかもしれない、という気がしてならない。見たところこのデバイスはさほど革新的ではないが、Apple(アップル)が約3年前のオリジナルモデルの立ち上げ時とかなり異なるアプローチをとっていることを否定するのは不可能だ。

アップルは、ハードウェアのコストに敏感な企業ではない。「アップル税」というような言葉は何もないところから湧き出しはしない。しかしここ数年で同社は、クリエイティブ系のプロという同社が従来得意としてきた顧客以外のユーザーにアピールしようと、そのアプローチを軟化させてきた。iPhoneやApple Watchでは、エントリーレベルのユーザーに積極的にアピールしてきた。そしてスマートスピーカーでもその路線を踏襲したまでのことだ。

Echo DotとGoogle / Nest  Home miniが、それらを展開している各社にとってよく売れているスマートスピーカーであるという事実を踏まえ、HomePod Miniの発売はほとんど不可避のものだった。そしていま、アップルは世界のスマートスピーカーマーケットの一角を取り込もうとしている。現在はAmazon(アマゾン)とGoogle(グーグル)がそれぞれ40%のシェアを持っている。HomePodにとっては苦戦となるが、Miniはこれまでで最も強いプッシュとなる製品だ。

2018年初めに(遅れて)発売されたHomePodは多機能だった。しかし安いという人は皆無だ。349ドル(約3万6500円)という価格はアマゾンとグーグルの最も高いモデルよりも数百ドル高かった(日本では現在、税別3万2800円)。HomePodはプレミアムデバイスで、まさしくそれが売りだった。音楽は常にアップルの哲学の基礎であり、そしてHomePodはそれを表現する、同社の手抜きなしの製品だった。

画像クレジット:Brian Heater

Matthew(マシュー)は David Foster Wallacesqueの「4行」レビューに「アップルのHomePodは明らかにこれまでで最高のサウンドのスマートスピーカーだ。このクラスのどのスピーカーより、セパレーションやベースのレスポンスが改善され、7年間におよぶアップルの努力に報いるニュアンスと繊細さを備えている」と書いた。

マシューは限定的なSiriの機能を嘆く一方で、「驚くほど多機能で、徹底して感動的だ」とした。概して、HomePodはそうあるべきという点で素晴らしいものに仕上がった。しかし世界で最も売れているスマートスピーカーになる、ということは決してなかった。この価格では無理だ。その代わり、単にスマートアシスタントを利用できるようにするデバイスではなく、全体としてスマートスピーカーはどうあるべきかを業界に示すことになった。したがって、アマゾンとグーグルの直近のプロダクトにおける最大の関心事はサウンドだ。

主にアマゾンとグーグルはよりサウンドにフォーカスするようになり、アップルは価格を気にするようになった。しかし企業がどこかで妥協したといっているのではない。単純に「Apple Echo Dot」という話でもない。HomePod Miniはそれでも多くの点でユニークなアップル製品だ。その価格にしては比較的プレミアムな体験を提供するのにフォーカスしている。

99ドル(日本では税別1万800円)という価格もポイントだ。どちらかというと懐に優しいタイプより、スタンダードのAmazon EchoとGoogle Nestと競合する。Amazon EchoとGoogle Nestはおおよそ半分の値段で、いずれも頻繁に、そしてかなり割引される。実際、それらデバイスのカテゴリーはリーダー不在に近い状態となりそうだ。スマートスピーカーは、スマートアシスタントをユーザーの家庭に送り込むすごく安い方法だ。アップルはそうしたアプローチにさほど関心はないようだ。少なくとも当面はそうだ。アップルはいいスピーカーを売りたいのだ。

HomePod Miniは驚くほどいいスピーカーだ。価格においてだけではなく、サイズ的にもそうなのだ。Miniは新しいEcho Dotとほぼ同じ大きさで、おおよそソフトボール大だ。ただし、この2つのスピーカーのデザインにはいくつかの鍵となる違いがある。まず最初に、アマゾンは完全円球デザインを邪魔しないように、Echoのステータスリングをデバイスの底に移した。一方、アップルは単純にトップ部分を切り落とした。このデザインが何を連想させるか考え、浮かんだのがネットを被せられたリンゴだ。

画像クレジット:Brian Heater

このMiniのデザインは、オリジナルHomePodの流れを汲んでいる。Siriが起動しているときは上部のライトがオーロラの光を放つ。また、タッチ操作できる音量ボタンがあり、表面をタップして音楽の再生・一時停止操作もできる。グーグルやアマゾンのここ数世代のプロダクトで主流だったファブリックスタイルの表面ではなく、MiniはフルサイズのHomePodと同様、オーディオ伝導性のあるメッシュ状の素材で覆われている。

他のスマートスピーカーと異なり、Miniのカラーは白とグレーで、目立たせるというより調和する感じだ。もちろんHomePodよりずいぶん小さいことで、用途をかなり広げている。筆者はアップルが送ってきた2つのMiniの1つを自宅の机に置いて使ってきたが、理想的なサイズだ。硬いプラスティックでできている底にはアップルのロゴが入っている。

Miniには取り外し不可の長いファブリックケーブルがついている。ユーザーがコードを取り外すことができ、必要に応じて交換できればよかったのだが。しかしケーブルの端子はUSB-Cで、かなり便利だ。また20W電源アダプターも付いてくる。AUX端子が搭載されていないのは残念だが、驚くことではない。スタンダードのHomePodにもない。

画像クレジット:Brian Heater

アマゾンは新しいEchoを前向きスピーカーに変更した一方で、アップルは360度サウンドを継続している。どちらを好むかはスピーカーをどこに置くかにもよるが、このモデルはより万能型だ。特に1日中、スピーカーの前に座っているわけではない場合はそうだろう。筆者はこれまでさまざまなスマートスピーカーを使ってきたが、アップルが3.3インチのデバイスで可能にしたサウンドに本当に感激している。

このサイズにしては完全でクリア、そして驚くほどパワフルだ。もちろんステレオペアを作れば、その性能は倍になる。箱から出して、ペアリングするのは簡単だ。2台のデバイスを家の中の同じ部屋でセットアップすると、ペアリングしたいか聞いてくる。その後は、どちらが右チャンネル、あるいは左チャンネルを担当するのかを決める。もし音楽を広範に流したいのなら、それぞれのスピーカーを異なる部屋に配置することでマルチルームオーディオになる。そしてあなたは「Hey SIri、キッチンで音楽を流して」「Hey SIri、あらゆるところで音楽を」などというだけでいい。想像できただろうか。

実際、iPhoneを使ってのセットアップ作業はかなりシンプルだ。AirPodsのペアリングとよく似ている。スピーカーの近くにスマホを置くと、セットアップ作業の間、お馴染みの白いポップアップが部屋の選択や音声認識をオンにするなどの操作を案内する。

Miniは結構大きな音を出す。しかしクリアサウンドと本当に大きな音量を求めているなら、オリジナルのHomePodのような大型の(そして値段の高い)ものを検討することを強くすお勧めする。ただ、クイーンズにある筆者のワンベッドルームの家のリビングにはMiniはバッチリで、部屋のどの角度からも素晴らしい音が聴ける。

スマートアシスタントに関しては、Siriはベーシックなタスクをこなす。アップル独自のエコシステムを使えるようにするいくつかの仕掛けもある。例えばSiriに画像をiPhoneに送るよう頼むと、SiriはBingの結果を使って対応する。ただし、実際のところ、スマートホームアシスタントに関してはアマゾンとグーグルがかなり先に進んでいて、アップルはまだ遅れをとっている。

画像クレジット:Brian Heater

しかしながら、最新の重要な進歩もいくつかある。特に Home / HomeKitに関してだ。直近のiOSアップデートではいくつかのスマートホーム更新があった。14.1ではHomePods用のインターコム機が加わり、14.2では同機能が他のデバイスでも使えるようになった。なので、「Hey SIri、みんなにインターコム。夕食の用意ができた」というと、その言葉がさまざまなデバイスに送られる。この機能はアマゾンとグーグルが提供しているものと似ているが、事前録音されたユーザーの声のスニペットをデバイスに送ることで幅広いアップル製品で使えるようになっている。

このシステムはHomeKit対応のデバイスで使える。AlexaとGoogleアシスタント対応のものに比べるとその数は少ないが、増えつつある。対応するスマートホームデバイスのリストはここでチェックできる。

画像クレジット:Brian Heater

音楽が大音量で流れていても音声認識の音声への反応はかなりいい。Siri以外にもデバイスとやりとりする方法はいくつかある。音楽を再生・一時停止するにはトップ部分を1回タップする。トラックを進めるにはダブルタップ、前のトラックに戻るにはトリプルタップだ。しばらくタッチすることでSiriを起動できる。他のスマートスピーカーと異なり、マイクをオフにする物理的ボタンはない。オフにするようSiriに頼むこともできない。デバイスは「Hey SIri」というトリガーだけを聞いていて、オーディオは保存されない。しかし、さらなる安心感を得るのにスピーカーオフの機能があればいい。

またAirPlay 2を使ってiPhoneから音楽を操作することもできる。これは筆者の好きな方法だ。というのも、筆者は音楽のことになるとややうるさい。音楽操作のためにはAirPlayボタンを押す必要がある。それか、U1チップ(iPhone11以降)を使っているハンドオフ機能を最大限活かすために単にHomePod Miniの近くでiOSデバイスを持つこともできる。これはすてきな小技だ。

しかし、Apple MusicよりもSpotifyに慣れている人間として筆者が少しつまずいたのは、HomePodに音楽を流すように命令すると、1つのストリームとしてすべてのApple Musicリスニングセッションを扱うのではなく、最後に声で再生をリクエストしたものを選ぶようになっていることだ。筆者はこの点では、Spotifyの統一されたクロスデバイスアプローチを好む。

画像クレジット:Brian Heater

とはいえ、iOS 14.2の追加でユーザーの集められたリスリング履歴(アップルのポッドキャストと音楽)を、HomeアプリにあるHomePodを長押ししてアクセスできる1つのストリームに持ってこれる。すると、アルバムやポッドキャストを自動的にスマートスピーカーに送るためにタップできるようになる。

結局、筆者はこの小さなスマートスピーカーとの時間をかなり楽しんだ。前述したように、もしアップルが最初のHomePodとともにMiniを立ち上げていたらどうなっていただろうと考えずにはいられない。アップルがマーケットシェアを独占するには至っていなかっただろうが、Miniはアマゾンとグーグルのリード分を取り込んでいたかもしれない。アップルは、おそらく正しい製品にするために、時間をかけた。それはもちろん理解できることだ。同社はこれまで、急いで商品化に走るタイプの企業では決してなかった。だからこそHomePod Miniは素晴らしいものになっている。

関連記事:2021年のスマートスピーカー市場は21%成長の予想、安価なHomePod miniがアップルの市場拡大に貢献か

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleHomePod miniスマートスピーカーレビュー

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(翻訳:Mizoguchi

2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコスパに優れた選択肢

Amazonは10月22日、スマートスピーカーの第4世代モデル「New Echo」(第4世代Echo)を発売した。価格は税込1万1980円。現在Echoシリーズには多くのラインナップが用意されているが、価格的にも、サイズ的にもNew Echoは主力製品といえるだろう。

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

Amazon「New Echo」(第4世代)。税込1万1980円

「ラジカセ」世代の筆者だが、最近は基本的にサブスクリプションの音楽配信サービスを利用しており、オーディオコンポではなくスマートスピーカーで音楽を聴いている。Echoシリーズも複数機種を利用中なので、他モデルとも比較しつつレビューしていこう。

球体デザインに変更してDolbyステレオサウンドに対応

New Echoのサイズは144×144×133mm、重量は940g。第3世代までは円筒形だったが、底面を少し切り落としたような球体デザインに変更された。

上部には3.0インチのウーファー、前面やや左右の位置には0.8インチのツイーターがふたつ内蔵されており、Dolbyステレオサウンドに対応している。

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

本体前面。本体カラーは、グレーシャーホワイト、チャコール、トワイライトブルーの3色が用意されている

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

上部の本体奥にアクションボタン、手前にマイクオフボタン、左右にボリュームボタンが配置

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

本体背面下部には電源端子と3.5mmオーディオ入出力端子を用意。3.5mmオーディオ入出力端子の入出力は「Alexa」アプリから切り替える

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

同梱品は本体、電源アダプタ(30W)、クイックスタートガイドのみ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

電源アダプター(30W)の仕様は、入力100-240V~1.0A、出力18.0V/1.67A。電源ケーブルの長さは実測150cm。設置の自由度を考えると200cmはほしいところだ

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

第3世代Echoは、3.0インチのウーファーと0.8インチのツイーターを内蔵した360度全方向スピーカー(※製品公式サイトから引用)

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

New Echoは「マグネットビューア」で黒く模様が浮かび上がっている部分に、0.8インチのツイーターが2基内蔵されている

底面にはネジ穴(M4)、背面には3.5mmオーディオ入出力端子が用意され、温度センサーを内蔵している点は第3世代と同様。天井やポールなどに取り付けたり、CD/レコード/カセットプレーヤーなどを接続してスピーカーとして利用したりできる以外にも、温度に合わせた定型アクションを設定できる。

またスマートフォンなどからBluetooth経由で接続してNew Echoから音楽を流したり、逆にNew EchoからBluetooth対応スピーカーに接続して音楽を鳴らすことも可能だ。

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

本体底面中央にはネジ穴(M4)が用意

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

スチールラックに三脚用アクセサリーを使ってNew Echoを取り付けてみた。音が高い位置から聞こえてくると、商業施設にいるような新鮮な感覚だ。「ダクトレール」(ライティングレール)などがあればもっとスマートに取り付けられる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

CDプレーヤーなどを直結してNew Echoから再生可能。オーディオケーブルの準備などの手間はかかるが、ノスタルジックな気分を味わえる

New Echoの大きな進化点としては、Amazonが開発した、機械学習の高速化に向けた新型シリコンモジュール「第1世代AZ1ニューラル・エッジ・プロセッサ」を採用している点が挙げられる。Amazonの推論エンジンがこのプロセッサー上で動作し音声認識機能の高速化が図られているが、現時点で対応しているのは米国のみ。日本での早期対応を楽しみに待ちたい。

また、第3世代Echoには搭載されていなかったZigbee対応スマートホームハブ機能も内蔵。第1世代/第2世代「Echo Plus」や「Echo Studio」などと同様に、「アレクサ、デバイスを探して」と話しかけるだけで、Zigbee対応デバイスを簡単に接続できる。

音質はハイレベルだがステレオ感は弱い

New Echoの音質は高いレベルだ。Echo Dotより大きいとはいっても、それでも144×144×133mmと15cmにも満たない直径なのに、高音、中音、低音がバランスよく再生される。また音の解像感も高く、ひとつひとつの音がしっかりと分離して聞き取れる。

残念なのがステレオ感の弱さ。Dolbyステレオサウンドに対応しているのが今回の売りだが、結構近くで、真正面に座らないとステレオ感は感じられない。そして、イヤフォン、ヘッドフォンで音楽を聴き慣れていると、New Echoのベストポジションに座ったとしてもステレオ感に満足できないと思う。明確なステレオ感を味わいたいのであれば、2台購入してステレオスピーカーとして運用することを強くお勧めする。

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

「デバイス→「+」→オーディオシステムをセットアップ→ステレオペア」と進むと、2台のEchoをステレオスピーカーとして利用できる

1台のEcho Studioよりも2台のNew Echoのほうがトータルバランスはいい

Amazonは多くのEchoデバイスをラインナップしているが、2台のNew Echoをステレオスピーカーとして運用するのがコストパフォーマンスに優れた選択肢だと思う。もちろん最上位のEcho Studioを2台でステレオスピーカー化するという組み合わせも存在するが、1台のEcho Studioの費用で2台のNew Echoを購入できるのだ。

音に対する要求は人によって異なる。しかし、1台のEcho Studioよりも、2台のNew Echoのほうが、オーディオシステムとしてのトータルバランスがいいというのが、両方を試した筆者の率直な感想だ。

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

音質自体はもちろんEcho Studioのほうが上だが、ステレオ感を重視するなら2台のNew Echoのサウンドを好ましく思う方も多いはずだ

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: Amazon / アマゾン(企業)Amazon Alexa(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)スマートスピーカー(用語)ガジェット(用語)レビュー(用語)

Josh.aiが「ほとんど見えない」硬貨サイズのAmazon Echo対抗製品を発表

この数週間、スマートホーム用バーチャルアシスタントの世界では、ほぼすべてのメーカーから製品のリニューアルや拡大が発表されている。Apple(アップル)はHomePod Mini(ホームポッドミニ)を、Google(グーグル)は待ちに待ったGoogle Home(グーグルホーム)の最新モデルを発表し、Amazon(アマゾン)は、Alexa(アレクサ)を住まわせるスピーカーの種類をさらに増やしてきた。

そして米国時間11月10日、この分野で競合するスタートアップから新たな製品が追加された。Josh.ai(ジョシュ・エーアイ)は、専門業者が取り付けを行い、さまざまなスマートホーム製品を管理できるようにするスマートアシスタントというニッチな製品を開発しているが、11月10日午後に新製品を発表した。

このデバイスの名前はJosh Nano(ジョシュ・ナノ)。高級住宅向けというニッチ市場を狙ったもので、50セント硬貨よりわずかに大きい(直径3cmほど)、目立たない製品だ。本体はほとんどが壁の中に埋め込まれ、PoEにより電気配線を通じて中央ユニットに有線接続される。このデバイスにはマイクが4基付属している。スピーカーは内蔵されておらず、家庭のホームサウンドシステムに直接統合できるようになっている。Joshでは、Sonos(ソノズ)などの企業と提携しているが、その他にも主要なAVレシーバーのメーカーとの互換性を誇っている。その他は、光による視覚的なフィードバック、多目的タッチセンサー、心の落ち着きが欲しいときにマイクをオフにする物理スイッチといった程度で、多くの機能を持たない。

画像クレジット:Josh.ai

この新型ハードウェアの狙いは、業界標準の時代遅れなタッチスクーンから脱却して、家庭用のスマート機能を目立たなくすることにある。Josh.aiは、スマートホーム製品を基本機能だけに絞り込むことで、より多くのユーザーが、新製品が出ても現在使っている製品が古臭いつまらないものにはならないと安心して購入できるようにしたいと考えている。同スタートアップは、このデバイスの予約受付を行っている(色は黒と白の2種類)。出荷は2021年初頭を計画している。

このデバイスは、同社がJosh Core(ジョシュ・コア)と呼ぶ製品を必要とする。基本的に、ユーザーの住宅内でJoshが対話するあらゆるデバイスのハブとなる小型サーバーだ。これにより、スマートホーム製品同士が、外部への要求を最小限に抑えつつ確実にローカルで対話できるようなる。同スタートアップは、壁に埋め込まれたハードウェアに専用のスピーカーを統合する従来製品Josh Micro(ジョシュ・マイクロ)も引き続き販売する。

Josh.aiは、ハードウェアの取り付け事業者と直接提携するかたちを取っているが、ソフトウェア事業としての拡大も行ってきた。顧客に同社のテクノロジーを1年、5年、永久の各期間ごとにライセンスするというものだ。料金は、取り扱う住宅の規模に応じて異なる。「スモール」は、15部屋以下の住宅が対象となる。ハードウェアに関しては、費用はまちまちだとJosh.aiは話すが、最も多い事例で、平均的なコストは1部屋あたり500ドル(約5万3000円)前後だという。

大手テック企業は、当然のことながら大衆向けの製品を開発する。Josh.aiなどのスタートアップから見れば、この現実は、10億人のユーザー共通の需要に応える以外の製品を開発する道を示している。実際、同社のセールスポイントは、顧客の多くがグーグルやアマゾンやアップルのデバイスは購入せず、家の中のフィードバック用マイクを有線接続しているという事実から導かれたものだ。

同スタートアップの現在の事業は95%が住宅向けだが、商業的なシナリオでそのテクノロジーを活かす方向での拡大にも彼らは興味を示している。会議室や、エレベーターなども考えられると同社は話していた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカースマートアシスタントスマートホームJosh.ai

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(翻訳:金井哲夫)

AmazonのFireタブレットがスマートホームのコントロールセンターになるダッシュボード機能を追加

この数週間は、スマートホーム業界にとって忙しい数週間だった。Amazon(アマゾン)とGoogle(グーグル)とApple(アップル)のいずれも、ネットに接続された家の主役を狙ったスマートスピーカーを発表した。

Echoデバイスの新製品を数多く発表したアマゾンは、人気で安価なFireタブレットができることを増やした。米国時間10月27日、同社は一部のタブレットを対象に無料のソフトウェアアップデートを提供し、スマートホームデバイスのためのダッシュボードを導入した。このシステムは基本的に、Alexaと連携する接続されたデバイスのワンストップショップとして機能する。

それはグーグルやアップルのHomeアプリが提供するコントロールセンターに似ており、スマートライトやコンセント、カメラ、サーモスタットなどにアクセスする。同様の機能はEcho Showデバイスにもあるが、Fireタブレットがあればその機能をかなり安価で利用できるようになる。いずれFire TVも対応するかもしれない。もちろんアマゾンは、デバイスのAlexaの機能改善も行っており、基本的には安価なスマートディスプレイとしても利用できるようになっている。

このパズルにおける最大のピースは、新しいEchoにスマートホームハブ機能を追加したことだろう。この事実は、あまり報道されていない。結局のところアマゾンは、この機能の追加をEcho Plusの以前のモデルで始めた。ZigBee機能を99ドル(約1万300円)のデバイスに追加することで、参入障壁を下げることができるはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonAmazon Echoスマートスピーカー

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2021年のスマートスピーカー市場は21%成長の予想、安価なHomePod miniがアップルの市場拡大に貢献か

Canalysの最新データによると、2020年の中国本土におけるスマートスピーカーの出荷台数は大きく伸びている。今年の市場は成長軌道に乗っており、ここ数カ月の間に新型コロナウイルスの大流行をほぼコントロールすることができた。一方で、ウイルスとの闘いを続けている世界のその他の地域では、今年の成長率は3%にとどまると予想されている。

同社によれば、スマートスピーカー市場は再び大きな成長に転じ、2021年には1億6300万台に達し、全体では21%の成長を記録するという。必需品以外の購入が減速しているにもかかわらず、多くの地域での長期のロックダウンは、より多くの消費者に新しいデバイスを自分の家に導入する可能性、あるいは古くて時代遅れの機器を交換する可能性を検討させるはずだ。

この2、3カ月は新製品の発表が相次いだ。Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Apple(アップル)はいずれも、スマートスピーカー製品の刷新や追加を発表した。グーグルは最近、Homeデバイスのブランドを刷新し、新しいハードウェアとNest Audioという新しい製品名を採用した。Echoデバイスもアップデートされ、アップルはついに待望のHomePod miniを発表した。

画像クレジット:Canalys

Canalysによるとアップルは米国の大手3社のうち、中国本土でスマートスピーカーを販売している唯一の企業であり、新しい価格設定は同社が市場でより多くのシェアを確保するのに役立つ可能性がある。

「99ドル(約1万1000円)という価格帯は中国では競争激しい市場だが、アップルのユーザー層にアピールするには十分な価格帯だ」と、アナリストのCynthia Chen(シンシア・チェン)氏はリリースで述べている。「アップルはこの機会を利用して、家庭で視聴される音楽やその他のサービスの普及を促進すべきだ」。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Amazon Echo Dot with Clockはベットサイドでの音声操作に最適、360度スピーカーでない点に注意

スマートスピーカーにとっては慌ただしい数週間だった。Amazon(アマゾン)は9月下旬、EchoとEcho Dotの両方で、新しい丸みを帯びた新バージョンをリリースした。1週間もしないうちに、Google(グーグル)が4年ぶりにGoogle Homeを刷新してNest Audioにリブランド。そして先週にはApple(アップル)は待望の税別1万800円という低価格のHomePod Miniを発表した。

アマゾンは、この3社の中でスマートスピーカーに対して最も定期的なリフレッシュを提供している。EchoとEcho Dotは現在4回目の更新中だ。今回紹介する製品はEcho Dot with Clockとしては2代目だが、本質的には4代目Echo Dotのグループに属する。

最新のアップデートでは、同社はスマートスピーカーのデザインを統一している。Echo Dotは標準的なEchoの小型版のように見える。2つの製品の間にどれほどの機能の違いがあるのか完全にはわからないが、明らかな違いはある。Echoは大きなグレープフルーツほど、Echo Dotはソフトボールほどの大きさだ。

Echo Dotのサイズは、そのコンパクトさから配置に関してはかなり柔軟性がある。私なら、自宅の隅々に設置して間に合わせの音響システムを作っているだろう。ただし、内蔵ケーブルは短い側にあるためコンセントから離れている場合は延長ケーブルが必要かもしれない。

スピーカーの大部分は布で覆われているが、固いプラスチック製の底面はデバイスの背面に向けて上向きに弧を描いており、背面の大部分を占めている。このデザインによって、電源とAUXオーディオ出力の2つのポートを搭載可能にしているが、そのぶんデバイス上のスピーカーの表面積が減っている。従来のホッケーパックのデザインとは異なり、デバイス上のスピーカーの表面積と完全な360度アプローチが制限される。このため、スピーカーは丸型であるにもかかわらず正面を意識して設置しなければならない。

新しいEchoデバイスで注目に値するのは、気候変動への意識を高める取り組みの一環として、デバイスに再生可能素材が含まれることだ。アマゾンの全体的な二酸化炭素排出量の増加についてはここでは触れないが、取り組みの一部がこれらの製品に浸透しているのを見るのは楽しい。同社によると、プラスチックは50%が、対応アダプターを含む織物とアルミニウムはともに100%再生利用だという

セットアッププロセスは、これまでと同様で簡単。接続したEchoアプリでいくつかのボタンをタップすれば、すぐにセットアップが完了するはずだ。ステータスライトリングはデバイスの下部に移動している。これは何よりも現実的なチョイスだった。結局のところ、標準的なライトリングは丸くて布で覆われたデバイスの上部ではあまり目立たない。

Echoは置く場所によって使い勝手が異なる。目の高さくらいが最もいいが、それより下にある場合はリングが見えなくなり、そのリングの表面にどのように光っているか確認する必要がある。個人的には、これは間違った方向に進んでいるように感じる。多くの空白部分が上にできてしまい、デジタル時計搭載というEcho dotとの大きな差別化要因すら薄らいでしまう。

繰り返しになるが、アマゾンは人々がこの製品を目の高さあたりに置くことを想定していると思われる。主にベッドで横になりながら時計を使う場合に適しており、時計自体は十分に明るい。正直なところ、フルスクリーンのスマートスクリーンではなく、シンプルなデジタルディスプレイを搭載している点は歓迎だ。ベッドの近くに置く場合は特にそうだろう。つまり、スクリーンからの一種の避難所となる。最近では、目の前にいない人はいないように見えても、ビデオチャットなどでつながっていることもあるので。

フェイスの用途は限られている。起動時に「Hello」と表示されるほか、当然時刻と天気、音量が表示される。音量は上部にある物理ボタンで調整できる。また、これも上部にあるAlexaボタンを押すと、アシスタントとマイクがオフになるほか、デバイスの下部に赤いリングが表示され、スピーカーがユーザーの会話の聞くのを止めたことが視覚的にわかる。

音質は基本的には従来と同じで、5000〜6000円程度のスマートスピーカーに期待する程度だ。必要なすべての音声機能に対応しているが、デフォルトのホームスピーカーとしては、たとえステレオ構成にできるペアがそろっていても頼りにはならない。しかし、目覚まし時計としては、ぜひ試してみるべきだ。スマートフォンのスピーカーよりは明らかに優れている。

5980円のEcho Dotと、6980円のEcho Dot with Clockの1000円の価格差は少々奇妙だ。将来の世代では、アマゾンはオリジナルのEcho Dotをなくして、Echo Dot with Clock統一するのではないかと予想している。しかしいまのところは、ユーザーに少し余分な費用がかかることになる。

新しいEcho Dotは10月22日に発売される。Echo Dot with Clockは11月5日の発売となる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Amazon、Echo dot、スマートスピーカー、Alexa

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

最新スマートスピーカーGoogle Nest Audioは手ごろだが十分な音質、専用アプリで複数台のステレオ化も可能

最初に言っておくと、Google Nest Audioは見た目より驚くほどの重量感がある。コンパクトなのだが高密度で、iPhoneよりもはるかに背が高くないフットプリントに多くのものを詰め込んでいる。重さは約1.2kgで、オリジナルのGoogle Homeの2.5倍の重さだ。いずれにせよ、グーグルが1万1550円というかなり手ごろな価格にもかかわらず、何かプレミアムなものを提供することに興味を持っていたことは明らかである。

Google Nest Audioにたどり付くまでかなりの時間がかかった。最初のデバイスが登場してから4年がたったが、これはスマートホームデバイスの世界では寿命のようなものだ。同社は一連の新製品を発表し小型版である 「Google Mini」 に重要なアップデートを提供したが、同社の主力スマートスピーカーである 「Google Home」 は芳香剤のようなデザインのまま放置されていた。

この4年間、グーグルはAmazon(アマゾン)ほどハードウェアのアップグレードに興味を示さなかった。これは、ハードウェアではなくソフトウェアが製品進化の中心にあると長い間主張してきた企業にとっては、それほど驚くべきことではない。しかし、グーグルでさえプレミアムオーディオのようなものに関しては、ソフトウェアでは限界があることを知っている。そこで、新しいデバイスが登場したわけだ。

Nest Audioの名前は、2つの重要なことを表している。第一に、同社のスマートスピーカー、スマートスクリーンラインの中で最後にNestの名称を採用し、2014年のNest買収をスマートホームブランドとして確固たるものにしたことだ。とはいえ、Nestブランドがグーグルのホーム製品のすべてを網羅しているわけではない。 新しいChromecastはグーグルブランドで今週発売されるなど一貫性がないが、特に誰も気にかけないようだ。

スピーカーとしての品質では、グーグルもアマゾンも同じような道をたどっている。第1世代のスマートスピーカーは、スピーカーよりもスマートさに焦点を当てていた。これらのデバイスは、スマートアシスタントを家庭に届けるための手段と考えられていたからだ。そのため、誰のホームステレオにも取って代わる代物ではなかった。

一方でApple(アップル)は、HomePodを同社の音声アシスタント機能であるSiriとともに家庭環境に持ち込み、同社が優れたオーディオ機器を提供できる限り、ユーザーがプレミアム製品に投資する意思があることを証明した。それに続いてアマゾンは、まず標準のEchoの音を強化し、さらに最近ではEcho Studioを発表した。なおサムスンもスマートスピーカーとしてSamsung Galaxy Homeがリリースするという噂もあるが、未発表のスピーカーでサムスンの対話型音声アシスタントのBixbyについてもあまり語られていない。

グーグルはNest Audioで、高音質をハイエンドスピーカーに限定すべきではないことを証明しようとしているようだ。Nest Audioは、元のGoogle Homeよりも30ドル安いが、Echoの現行価格と同じだ。内部はかなりアップグレードされており、Nest Miniで40mmだったフルレンジドライバは50mmになり、ウーファーが75mmはアップグレードされ、より強い低音を出せるようになっている。一方で2台のパッシブ・ラジエーターは、19mmのトゥイーターに交換されている。

私のアパートでは大きすぎるが、このスピーカーは大音量で楽しむことも可能で、グーグルによると初代Homeよりも75%も大きいとのこと。ただ、1台のスピーカーで大きなスペースをカバーするのは避けたほうがいいだろう。この手のスピーカーはほかのスピーカーと組み合わせるのが最適だ。ありがたいことにグーグルは、そのあたりの連携はうまくやってくれる。

いまのところ、Nest Audioは価格とサイズを考えると非常にクリアでフル機能なスマートスピーカーと言える。ニューヨークの1ベッドルームのアパートのリビングルームのようなスペースとしてはかなり良い音がするし、新しいEchoのようにどの方向からもかなり良い音が得られる。もちろん本棚の奥深くに置いておくこともできるが、濁った残響に悩まされるかもしれない。いずれにせよ、Googleアシスタントを採用したソニーのような優れたオーディオメーカーに対抗するには、グーグルがもっと努力しなければならないと考えていたことは明らかだ。

実は私は、デスクのパソコンの横に置かれているGoogle Home Maxのほうがずっと大きくて重いので好きだ。スピーカーの世界では、音を出すために空気をどう動かすかなど、いくつかの実用的な理由からサイズが本当に重要だ。とはいえ、現在Google Maxの価格でNest Audioを3台購入できるので、セットアップや家のレイアウトによっては検討に値するかもしれない。

グループとペアリングの機能は、これらのデバイスの購入を検討するための強力な理由の1つだ。「Googleホーム」アプリのセットアップはその点で非常にシンプルで、ホームオーディオシステムを手軽に構築できる。2つの同じスピーカーをペアにして、例えばコンピューターの画面の両側にステレオを作成することも可能だし、複数のスピーカーをグループにして空間を埋めることもできる。

とはいえ、まだかなりバグがある。その多くはWi-Fiと接続性の問題に起因しているが、すこしイライラすることもあった。ワイヤレスシステムは有線でシステムを配線するよりもはるかに簡単だがやはり信頼性は劣る。もちろん、ワイヤレスデバイスをインストールするほど、ホームネットワークにかかる負荷が大きくなる。

システムはいくつか微調整できる。アンビエントIQは、背景に音があるときにアシスタントの声を実際に上げる設定だ。メディアEQは、音楽であれポッドキャストであれ、聴いているものに応じてバランスを動的に調整し、後者の場合はボーカル出力を上げてくれる。

スピーカーのデザインは劇的に改善されている。オリジナルのGoogle Homeは、ジョンソンエンドジョンソンのグラード芳香剤のように見え、批判や嘲笑を受けたが、Nest Audioははるかに控えめだ。全体がファブリックで覆われており、その装飾と調和するようにデザインされている。率直に言って、これこそがスマートスピーカーがなすべきことだ。

本体色は5色が用意されており、ホワイト(チョーク)、ブラック、セージ、サンド、スカイとパステルカラーで、自宅のインテリアに合うものを見つけることができるだろう(日本のGoogleストアではホワイトとチョークのみ)。私はグーグルからブラックを借りたが、おそらく自分でもこの色を選んでいただろう。さらに、素材にはNest Miniのようにペッドボトルをリサイクルして作られている。

Nest Audioは長らく待ち望まれていた同社のスマートホームデバイスへのアップグレードであり、音に焦点を当てている製品だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:GoogleGoogle NestGoogle Nest Audioスマートスピーカー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

グーグルの研究者がビデオ通話で手話を認識して画面を切り替える技術を披露

私たちの多くが当たり前のように利用しているビデオ通話は、話している人をハイライトするために画面を切り替えることができる。話すことがコミュニケーションの手段であれば便利な機能だ。しかし、残念ながら手話のような無声音声は、これらのアルゴリズムが機能しない。この状況をGoogle(グーグル)の研究が変えるかもしれない。

同社はリアルタイムの手話検出エンジンをは研究中で、誰かが動き回るだけではなく、いつ手話をしているのか、いつ手話が終わったかを検知できる。人間がこの種のことを伝えるのはもちろん些細なことだが、画像と音声を映し出すことが目的のビデオ通話システムにとっては難しい。

ECCV(European Conference on Computer Vision)で発表されたグーグルの研究者の新しい論文では、効率的で非常に少ないレイテンシーで手話を検出する方法を示している。手話検出が機能したとしても、映像が遅延や劣化してしまうと実用的ではない。グーグルの研究者の目標は、軽量かつ信頼性の高いものであることを確認することだった。

手話検出システムはまず、PoseNet(ポーズネット)と呼ばれるモデルを使ってビデオを再生し、フレームごとに体と手足の位置を推定する。この基本的に棒形に単純化された視覚情報は、ドイツ手話を使用する人々のビデオからのポーズデータに基づいて訓練されたモデルで、ライブ映像で手話のように見える動きと比較する。

手話をしている人を自動検出する(画像クレジット:Google)

この単純なプロセスでは、相手がサインをしているかどうかを予測する精度はすでに80%で、さらに最適化を加えると91.5%の精度になる。ほとんどの通話の「アクティブスピーカー」検出は、相手が話しているのか咳をしているのかを伝えることができる程度であることを考えると、この数字はかなりの精度と言えるだろう。

既存の通話に新たに「人がサインしている」という信号を追加せずに動作させられるので、システムは巧妙なちょっとしたトリックを使っている。具体的には、人間の聴覚の範囲外であるが、コンピュータのオーディオシステムによって検出できる20kHzのトーンを生成しているのだ。この信号は、人がサインをしているときに毎回生成され、音声検出アルゴリズムに人が大声で話していると認識させられる。

既存のビデオ通話システムや、それを利用したアプリに組み込むことができない理由はないだろう。論文全文はGoogle Reserchのサイトで読める。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカーGoogleGoogleアシスタント手話

画像クレジット:Imgorthand / Getty / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)