Pixel 5とPixel 4a 5gは背面の超広角レンズ、夜景ポートレートなど改善されたカメラ機能を多数搭載

Google(グーグル)は米国時間9月30日、事前にリークされた内容とほぼ変わらなかったが、最新のスマートフォンとしてPixel 4a 5GとPixel 5を発表した。両モデルは、価格差が200ドル(約2万1000円)にもかかわらず、同様に進化したカメラを内蔵している。これは特にグーグルの優れたモバイルカメラ技術を期待しているユーザーにとって素晴らしいニュースだ。ここでは、ハードウェアとソフトウェアの両方の面で、新しく改良されたPixelのカメラ機能の概要を紹介する。

超広角レンズ

新しいPixelの最大の新しい物理的な変更は、背面のカメラアレイに新たに超広角レンズを追加したことだ。これは、大人数のグループショットや風景写真に最適で、かなり大きなパースペクティブ(遠近感)の写真を撮影できる。グーグルファンがPixel端末に求めていた機能の1つで、アップルがiPhone 11 Proに追加していた機能だ。

追加されたカバー率の例は以下のとおりです。最初のショットはおそらく実際にPixelで撮影されたものではないと思われるので厳密ではないが。

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ブラケット付きHDR+

Google PixelのHDR+は、ユーザーにも非常に人気がある機能だ。写真の露出を調整するために撮影後に画像を合成する手間を省いて、写真の照明を明るくすることができるという点が支持を得ている。同社はこのHDR+機能を、機械学習による独自技術と、昔ながらのブラケティング技術を組み合わせて改良強化した。

夜景撮影時のポートレートモード

ポートレートモードはスマートフォンに導入されて以来人気があり、人工的な背景ボケでより正確な奥行き効果を得ることができるように改良されてきた。グーグルは、この世代のデバイスでその夜景撮影機能にポートレートモードを追加した。つまり下のショットでは、Googleのソフトウェア技術を駆使することで暗いシーンの照明を明るくして奥行き効果を得ている。

ポートレートライト

もう1つのポートレートモードの機能は、ポートレートライトと呼ばれるものだ。カスタマイズ可能な照明効果を適用することで、イメージの深い影や色あせた部分を目立たなくすることができる。これはiOSの縦向きモードのスタジオ照明の効果と似ているが、かなりカスタマイズしやすく、PixelデバイスのGoogle AI技術のおかげで強力な機能になるかもしれない。

シネマティックパンを含むビデオ用の新しい手ぶれ補正機能

最後に、新しいPixelでビデオを撮影する際に、複数の新手ぶれ補正モードを利用できる。ロック、アクティブ、シネマティックパンの3種類だ。これらはYouTubeのチュートリアルを使って作られたもので、グーグルは「イベントの中でハリウッドの撮影技師を研究した」と説明している。Cinematic Pan(シネマティックパン)は、シルキーで滑らかなスローダウン効果(実際の速度の半分)が得られるので、YouTuberにとって最も楽しい機能になる可能性がある。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google Pixel 5は5G搭載でワイヤレス逆充電に対応し、約7.4万円で10月15日発売

これが紛れもない本命だ。米国時間9月30日朝に始まった「Launch Night In」という紛らわしいタイトルの居イベントの目玉プロダクトはGoogle Pixel 5。グーグルの最新のモバイルラッグシップで、廉価版のPixel 4aの発表の数カ月後に登場したこの新しいスマートフォンは、100%リサイクルのアルミニウムボディを採用しており、ほかの製品と一線を画している。さらに、8GBのメモリーを搭載し、ワイヤレス逆充電機能が加わっている。

ワイヤレス逆充電はおそらくここで最も興味深いハードウェアの追加だろう。狂気のリーク合戦にも登場しなかった機能だ。逆ワイヤレス充電はサムスンのフラッグシップ機などAndroid端末には搭載されているもので、ユーザーはスマートフォンに内蔵されたバッテリーを使って、Pixel Budsのような無線充電に対応したイヤフォンやその他デバイスを充電できる。

Google Pixel 5のスペックは製品ページに公開されており、米国ではデバイスの事前注文も可能だ(日本では準備中)。グーグルのモバイル端末ではいつものことだが、リーク情報は基本的にすべて真実だった。1080 x 2340ドットの6インチのOLEDディスプレイ上には、自撮り用カメラのパンチホールが開いている。

本体サイズは幅70.4×高さ144.7×厚さ8.0mmで、重さは151gだ。バッテリ容量は4000mAh〜4080mAh。SocはクアルコムのSnapdrago 765G(2.4GHz+2.2GHz+1.8 GHz、64 ビット8コア、GPUのAdreno 620内蔵)を採用する。

背面カメラは、1220万画素のデュアルピクセルカメラと1660万画素の超広角レンズカメラを搭載。光学式および電子式手ぶれ補正機能を搭載する。前面カメラは800万画素の固定フォーカスだ。これらのカメラの進歩はソフトウェアによってもたらされる。新しい画像機能としては、ポートレートモードの夜景、被写体を照らすポートレート照明、Googleフォトの改善された編集ツールなどがある。

充電機能としては、USB-PD 2.0対応と18W急速充電に対応するUSB-C 18 Wアダプターが付属するほか、Qi認証ワイヤレス充電、リバースワイヤレス充電が可能だ。SIMスロットは1基でnanoSIM対応、そのほかeSIMも同時に使える。OSはもちろん最新のAndroid 11で、最低3年間のOS アップデートとセキュリティアップデートが保証されている。

Googleは最近、低迷する端末の販売促進を目的とした部門再編を実施しており、今回の製品がそのトレンドを維持する最後の端末になる確率が高い。

Google Pixel 5は、ジャストブラックとソルタセージ(かすかな緑)のカラバリが用意されており、10月15日に米国や日本を始めとする9カ国で入手可能になる。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Google Pixel 5のお披露目イベントは日本時間10月1日午前3時開始、このページで視聴可能

Google(グーグル)は新型スマートフォン「Google Pixel 5」のお披露目イベントを開催する。今回はバーチャルイベントで、ライブで視聴可能だ。イベントは日本時間10月1日午前3時(米国太平洋初時感9月30日午前11時)にスタートする。

噂では1台だけではなく、複数のデバイスが登場するという。Pixel 5に加えて、いくつかのアップデートされたコネクテッドスピーカー、新しいChromecastも登場するかもしれない。Google HomeとGoogle Home Maxはしばらくアップデートされていないので、こちらのアップデートにも期待だ。

グーグルはすでに5G端末のリリースに高い関心を示している。つまり、Pixel 5の5G版が登場すると予想されるが、同社は最新のチップセットを採用しない可能性がある。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

モトローラの第2世代折り畳みスマホRazrは10月2日に米国発売決定、価格は約12.6万円

折り畳み式のスマートフォンは、ここ数年でかなりの進歩を遂げた。初代よりもはるかに堅牢なデザインを採用したサムスンの第2世代Galaxy Fold 2は魅力的だ。そして今回、Motorola(モトローラ)はRazrの改良版で同様の評価を期待している。

レノボ傘下のモトローラは米国時間9月29日、スマートフォンの最新機種を正式に発表した。10月2日に北米で販売が始まる、期間限定で特定の小売業者からの販売となり、Amazon(アマゾン)、Best Buy(ベストバイ), B&Hとモトローラの自社サイトなどで購入可能で、価格は1200ドル(約12万6000円)。アーリーアダプターに向けて200ドル(約2万1000円)の割引もある。

昨年発売された折り畳み式Razrの第1世代(未訳記事)は、モトローラ端末の象徴的な名を冠しながら、折り畳みスマートフォンの波にも乗れず失敗作に終わった。今回の最新モデルについて、モトローラの広報担当者は以下のようにコメントしている。

我々はRazrの折り畳み式のシステムに自信を持っています。5Gに対応しつつRazrのデザインを進化させながら、我々は消費者からの直接のフィードバックに基づいて機械的な改良に焦点を当てました。

3週間前に発表されたこの新デバイスは5G対応で、米国では数日後に発売される、価格は前述の期間限定割引を加えると初代よりも安価だ。なお、AT&TとT-Mobileも新モデルを投入する予定だ。

画像クレジット: Motorola

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国Royoleが5G対応の第2世代折り畳みスマホ「Flexpai 2」を発表、ヒンジの堅牢性を独自技術で実現か

私は2018年に中国で開催されたTechCrunchのイベントで、初めてRoyole Flexpai(ロヨル・フレックスパイ)を手にした。このデバイスは刺激的で、Samsung(サムスン)とHuawei(ファーウェイ)が一般販売した折り畳み式スマートフォンよりも早期に市場に投入された製品だった。中国・深センに拠点を置くハードウェアメーカーの挑戦だったが、完成度はいまひとつでコンセプトを証明するレベルの出来栄えだった。

この2年間は、折り畳みスマートフォンのカテゴリーは「混乱」と言ってもいい状況だ。2000ドル(約21万円)の折り畳み式スマートフォンが業界を混乱させるとは誰も予想していなかったはずだ。特に多くの人がモバイル機器にあまり投資しない時代に。しかし、折り畳み式スマートフォンが困難なスタートを切ったと言うのは控えめな表現で、Royoleはその後もいくつかの製品を発表していた。とはいえ消費者の視点から見ると、折り畳みスマートフォンのFlexpaiは依然として同社の最も魅力的な製品であることに変わりない。

Royoleは9月22日、北京で開催されたイベントでFlexpai 2を発表した。このデバイスは最初のモデルとデザインが似ており、画面を外側に向けて折り畳むスタイルを採用している。このデザインは端末を閉じたままで通知などを受けられるというメリットがあるが、ポケットに収納するときなどに破損する懸念もある。

記者会見では、デバイスに画面が表示されていたがごく短い時間だった。残念ながら、我々が頼りにできるのは現在にところプレスショットのみだ。これは新型コロナウイルスの感染拡大時における、ハードウェア発表会の悩みのタネであり続けるだろう。さて同社は、Flexpai 2のヒンジについての説明に多くの時間を割いた。結局のところ、サムスンの第1世代折り畳みスマートフォンの大失敗の原因はその部分だったようだ。

Royoleがプレス資料で以下のように説明している。

ヒンジの構造は安定しており、衝撃に強く、スクリーンを保護します。200以上の精密部品を搭載し、加工精度は0.01 mm。このヒンジ技術は約200件の特許を保有し、他の折り畳み式スマートフォンに見られる多くの問題を解決しました。

Flexpaiに触れた時間は限られていたが、第1世代で問題になった堅牢性について問題ないと感じた。デザインは初代より40%ほど薄くなっている。ディスプレイは7.8インチと大きいが、ガラスの強化が今後使用上の問題になるかどうかはわからない。

5Gをサポートし、4450mAhのバッテリーとSnapdragon 865プロセッサーを搭載。同社はAndroid 10上に構築された独自OSのwaterOSをアップデートし、よりシームレスな折り畳み体験を提供している。中国では1427ドル(約15万円)前後で発売される予定だ。米国での販売については現在のところ不明だ。

画像クレジット:Royole

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国でGalaxy S20 FEが廉価版フラッグシップとして7.4万円で登場

サムスンは確かに、ある1つのことを知っている。それは予算対するフラグシップモデルについてだ。ユーザーはますます新しい携帯電話に1000ドルの壁を越えて費やすことを望んでいない。今回登場したカテゴリは、そういったユーザーの理にかなっているだろう。新型コロナウイルスの感染蔓延による、経済の減速と広範な失業の最中、同時に2つの実態が発生している。人々はこれまでよりもはるか外出が少なくなったし、かつてと同額の可処分所得を単に持っていない人も増えた。

不確実なのは、そういったユーザーに対して新デバイスをどのようにアピールしていくがだ。サムスンは、さまざまな名前の生み出してユーザーに製品を訴求してきた、最も最近の「Lite」ラインは普及モデルという観点から意味があったが、Galaxy S10 Liteは単に似た名前のフラグシップの低スペックバージョンだった。最終的にサムスンは、低スペックというS10 Liteの欠点を指摘することは、ブランド化の観点からは理想的ではないと判断したのではないかと私は考えている。そして現在我々は、699.99ドル(約7万4000円)で販売される、Samsung Galaxy S 20 FEを検討する必要がある。なお、FEはファンを意味するネーミングだ。

その名のとおり、Galaxy S 20 FEはサムスンのファン向けのS20のアップデートであることを示している。ここでは、サムスンでモバイルヘッドを務めるTM Roh(TM・ロー)氏がこの新デバイスについて語っている。「我々は常にファンと話し、フィードバックを取っており、彼らが我々のGalaxy S20シリーズについてどこを愛しているのか、彼らが最もよく使っている機能は何か、新しいスマートフォンが欲しいと思うものは何かを聞きました。S20 FEはGalaxy S20ファミリーの延長線上にあり、Galaxyのベスト体験を使ってファンが好きなことをできるようにするための、より多くの人に意味のあるイノベーションをもたらすための新しい方法の始まりです」と説明した。

この意見は、ある視点から見るとそのとおりだろう。サムスンはS20 FEに適した組み合わせを思いつくためにいくつかのフォーカスグルーピングを行ったと言っているが、それはそのとおりなのだろう。また、ここ数年多くの人がスマートフォンに求めていた「低価格」という大きな要素があったことも事実だろう。その観点から見ると、サムスンのファン数の意見はここにある。フラッグシップ機に近いものに699ドル(約7万4000円)を払うのは、最近ではそれほど悪くない出費だ。

サムスンは、それがここで価格を抑えるという名の下に作られた構成の心に留めておくことをポイントにしました。S20シリーズからの最大の変更は。材料やパーツのダウングレードだ。S20シリーズのガラスと金属から、プラスチックとポリカーボネートのデザインに変わっている。ディスプレイ、カメラもスペックが堕ちている。6.5インチの画面サイズはS 20とS 20+の中間の大きさだが、解像度はQuadHD+(2880×1620ピクセル)からFHD+(2160×1080ドット)に変更された。この解像度はGalaxy A 71と同じだ。リフレッシュレートは120Hzのままだが、カーブした画面は消えている。

S20 FEでは8GBのメモリーが6GBに削減されたが、128GBの標準ストレージは変わらない。ボード上には同じS20と同じSnapdragon 865が搭載されいる。しかも興味深いことに、デバイスのフットプリントが大きくなったために、バッテリー容量は4000mAhから4500mAhにアップグレードされている。背面カメラに3つのカメラを備えるが、望遠は640万画素から800万画素に変更されている。一方で、正面のセルフィーカムは1000万画素から3200万画素にアップグレードされている。

S20 FEは、最新かつ最高ではないが、すべてにおいてかなり合理的なスペックに仕上がっている。サムスン下取りプログラムを通じて下取りデバイスを送れば、デバイスの開始価格の699.99ドル(約7万4000円)を249.99ドル(約2万7000円)にするという条件付きのプレオーダーも本日から米国でから始まっている。デバイスは10月2日に出荷開始予定だ。

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:TechCrunch Japan)

HMDが7万円台のノキアブランド5Gスマホと150時間駆動のワイヤレスイヤフォンを米国で発表

フィンランド拠点の携帯電話会社であるHMD Globalは過去4年間あまりで、Nokia(ノキア)ブランドの携帯電話で自分自身のための素敵な小さなニッチ市場を切り開いてきた。過密な市場で足場を築くために、ユーザーの認知度が高いレガシーブランドを利用する手法は、うまくいっているようだ。

価格も同社の魅力のカギで、初の5G対応スマートフォン「Nokia 8.5 5G」の登場でそれがより鮮明になった。価格は699ドル(約7万4000円)で、米国では9月23日より予約受付が開始される。同社の基準からすると安くはないが、競争力のある価格の5G携帯電話の1つであることは間違いない。

同社の端末は、次のジェームス・ボンド映画「007/NO TIME TO DIE」に登場することも決まっている。640万画素のレンズとマクロを含む4つの背面カメラを備えるなど、スペック的には最近のスマートフォンでは人気が高まっている方向性だ。 画面は6.81インチと大画面で心臓部はQualcomm(クアルコム)のミッドレンジSoCのSnapdragon 765 Gを採用する。

本日の発表でノキアは、完全にワイヤレスイヤフォン「PowerEarbud」を米国で発表した。具体的な発売時期は明らかにされていないものの、価格は99ドル(約1万円)と安価だ。最近のワイヤレスイヤフォン市場、特にローエンドの市場では激しい競争が起きているが、PowerEarbudはデザインと巨大な充電ケースによる150時間という途方もないバッテリー寿命のおかげで、価格に対してかなり高評価を得ている。

画像クレジット:HMD

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(翻訳:TechCrunch Japan)

再生品デバイス市場を開拓するBack Marketが約128億円を調達

フランスのスタートアップであるBack Marketは、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)、Aglaé Ventures(アグラベンチャーズ)、Eurazeo Growth(エウラゼオグロース)から、新規に1億2000万ドル(約128億円)の資金を調達した。同社はスマホや他の電子機器のリファービッシュ(再生)品の市場を運営している。

Back Marketは、自社でデバイスを再生しているわけではない。その代わりに認定販売者と提携して、同社が運営するサイトに商品を掲載してもらう。売り手を安心させ、このプラットフォームで販売してもらうために12カ月の保証も用意した。

現状で、Back Marketを利用して再生品を販売する認定販売者は1000を数える。言い換えれば、以前の再生品業界は分断化されたものだったが、Back Marketはその供給と需要を集約して単一のオンラインプラットフォームにまとめた。現在、米国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ベルギー、英国、オーストリアで事業を展開している。

今回の資金調達ラウンドの後でも、同社は多くの新しい国に事業を拡大しようとは考えていない。その代わり、米国、英国、ドイツといったコアな市場により力を入れていくつもりだ。

同社としては、品質管理チームを拡充させ、リファービッシュに関する新たなサービスを導入することにしている。それによって、この業界のより多くの部分をコントロールしたいと考えている。例えば販売者向けのスペアパーツの調達や、共通のテストプロトコルの導入などが考えられる。

スマホやガジェットの再生品は、今後数年に渡って大きなチャンスをもたらすだろう。まず第1にここしばらくの間、新しいスマホに対する需要は着実に減少している。既に持っているスマホが、かなり高速で、機能的にも十分なのに、新製品のスマホを購入することを正当化するのは難しい。

第2に、環境への負担を低減する方法について真剣に考えている消費者は多い。スマホメーカーはリサイクルプロセスを非常に重視しているものの、その点では、常に中古のデバイスの方が新品のデバイスよりも有利だ。

第3に、Samsung(サムスン)、Apple(アップル)、その他のスマホメーカー、ほとんどひと財産と思えるような価格で、超プレミアムなモデルを販売している。多くの人は、1000ドル(約10万7000円)を超えるようなデバイスを購入する余裕はない。そして、そうしたデバイスも、数年のうちにはBack Marketで安価に入手できるようになる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

中国のQ1スマホ出荷台数は前年同期比18%減、新型コロナが直撃

さらに厳しい数字がCanalys(カナリス)から発表された。同社は2020年第1四半期の世界のスマートフォン出荷台数が前年同期比13%減となったと発表したばかりだが、中国に関してさらに悪い数字を明らかにした。世界最大のスマホマーケットである中国でのQ1スマホ出荷台数は前年同期比18%減だった。やはり新型コロナウイルス(COVID-19)が原因だ。

中国は新型コロナ流行に最初に苦しんだ国であり、第1四半期に打撃を受けたことが示されている。最初の感染例は2019年11月中旬にさかのぼり、その後の感染拡大は中国国内の購買行動と、多くが中国を拠点とするグローバルサプライチェーンに大きな影響を及ぼした。7260万台という出荷台数は2013年以来最低だ。

もちろん、この数字はもっと悪いものになっていた可能性もある。新型コロナが問題となる前に伸び悩んでいた業界にとって18%減というのはかなりのものだが、スマホは「必要不可欠なプロダクト」というこのところの位置付けによってさらなる落ち込みから救われた、とCanalysは話す。

「『重要な』アイテムというスマホのステータスにより、パンデミック禍でのマーケットのさらなる落ち込みに歯止めをかけた」とCanalys副社長のNocole Peng(ニコール・ペン)氏は声明で述べた。「Q1のパフォーマンスはまた、スマホ流通のためにしっかりと確立された中国のeコマースチャンネル、さらには2週間の中国全土移動禁止後に中国企業が素早く事業を再開できたという事実にも支えられた。残念ながら、世界の他の主要マーケットでは同じようにいっていない」。

それでもアナリストは、スマホマーケットが中国でリバウンドできるかについては「慎重」になっている。多くの国がまだ新型コロナ渦中にある世界のマーケットについてはなおさらだ。

画像クレジット:Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナの打撃で世界のスマートフォン出荷数は13%ダウン

悪くなることはわかっていたが、「2013年以来最低レベル」とまでは思っていなかった。Apple(アップル)が決算報告で忙しくしている中、調査会社のCanalys(カナリス)が独自の数字を発表したが、内容は芳しくない。待望の成長を四半期続けた後、世界のスマートフォン市場は大打撃を受けた。もちろん誰が犯人かはみんなわかっている。

モバイル業界は他の無数の業界と同様、COVID-19(新型コロナウイルス)パンデミックの大打撃に見舞われ、昨年同時期より出荷数が13%減少した。ビジュアルに学ぶ人のためにグラフを下に貼った。

アナリストのBen Stanton(ベン・スタントン)氏は新型コロナがモバイル市場に与えた衝撃を「粉砕」と表現した。「2月に新型コロナが中国で流行していたとき、メーカーは全世界の需要に答えるだけのスマートフォンをどうやって作るかを心配していた」とStanton氏は言う。「しかし3月になると状況は逆転した。スマートフォンの生産は復活したが、世界の半分が閉鎖され、売上は急落した」

最初に影響を受けたのがアジアを中心とする世界のサプライチェーンで、そこに中国国内の需要減少が伴った。ヨーロッパ、米国、その他の地域で自宅待機命令が続く中、こうした市場の需要は著しく後退した。人々は家にこもり、多くの人々が職を失った。未だに多くの人が贅沢品と考えるものに1000ドル以上を支払うには、今は理想的な時ではない。

Samsung(サムスン)はトップの座に返り咲いたが、大きく数字を下げた。この四半期、同社と2位のHuawei(ファーウェイ)は共に売上を17%落とした。3位のAppleは8%減だった。一方中国メーカーのXiaomi(シャオミ)は9%、Vivo(ヴィヴォ)は、3%、それぞれ上昇した。

次に厳しい時期が控えていることは間違いない。Stanton氏によると、「ほとんどのスマートフォンメーカーはQ2が新型コロナによる影響のピークになると予測している」。Appleは次の四半期ガイダンスを公表しなかったことで、将来の不確実さを示唆した。

画像クレジット:Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インドの第1四半期スマホ出荷は4%増、年間見通しは10%減の予想

グローバルのスマホ出荷台数が停滞あるいは落ち込むなかで、インドは四半期ごとに成長し、この10年間で最も成長著しいスマホマーケットの1つとなっている。しかし世界第2位となったインドのスマホ市場でも、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が出始めている。

調査会社Counterpointが米国時間4月24日に明らかにしたところによると、インドのスマホマーケットは3月31日までの四半期で前年同期比4%増と控えめな成長となった。例年、スマホメーカー数社が新製品を投入し、アグレッシブな販促計画を発表する1月と2月にスマホの出荷は増える。

しかしCounterpointによると、3月の出荷は前年比で19%減となった。同社はインドのスマホ出荷台数は2020年には10%減となるとみている。2019年は前年比8.9%増、2018年は同10%増だった。

Counterpointはまた、2020年3月に発令されたインドのロックダウンが国内のスマホ産業をかなり低迷させていて、元に戻るには7、8カ月かかるかもしれないと指摘している。現在のところ、インド国内で販売が許されているのはグローサリー製品に限られている。

Counterpoint Researchでシニアリサーチアナリストを務めるPrachir Sing(プラチア・シン)氏は、インドにおいて新型コロナイスルによる影響は3月中旬まで比較的軽微だったと指摘した。「しかし、人々が今後の不透明性や完全なロックダウンを予想して貯蓄に走るようになってから経済活動が落ち込んだ。そして、ほぼすべてのスマホ製造が一時停止となった。その上、ソーシャルディスタンシング(社会的距離の維持)の影響で、例えロックダウンが解除されても工場の生産能力は低いだろう」と述べている。

2020年第1四半期はインド国内で3100万台のスマホが出荷された。マーケットシェアをみると、中国スマホメーカーのXiaomi(シャオミ)がトップで30%を占めた。同社にとってもインド市場は過去2年以上にわたって最大のマーケットだ。

Vivo(ビボ)のシェアは2019年同期の12%から17%に増えた。かつてインドマーケットを席巻していたSamsung(サムスン)はマーケットシェア16%で今や第3位だ。Apple(アップル)はこのところの勢いを維持し、前年同期比78%増と力強い成長をみせた。価格が600ドル(約6万4000円)以上の高級スマホ部門の55%を占めている。

インド国内にある100カ所以上のプラントが1日に70〜80万台のスマホを組み立て・製造し、そうしたスマホの一部は海外に輸出される。しかしロックダウンにより製造は中止されており、2020年に業界は30〜40億ドル(約3200〜4300億円)超の損失を被る可能性がある。

「我々はよくインドと中国を見比べる。しかし中国の工場はあらゆるレベルでオートメーション化されているが、インドはそうではない」とCounterpointのシニアアナリストTarun Pathak(タラン・パサク)氏は今週初めに述べた。

スマホの売上が2月に38%減となった中国では既に回復がみられる。Xiaomiは2020年3月に、同社のスマホ工場が既に稼働率80%になっていることを明らかにした。Counterpointによると、2月の世界のスマホ出荷台数は14%減だった。

画像クレジット: Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

アップルやサムスンが低価格モデルを模索する中、モトローラはプレミアム路線に足を踏み入れる

ここ数年、スマートフォンの売り上げは頭打ちとなり伸び悩む中、多くのメーカーが同じ結論に達した。それは「みんな安いスマホを欲しがってる」というものだ。Apple(アップル)やSamsung(サムスン)もそのメッセージをまともに受け取った。スマートフォン市場の低迷と1000ドル級のプレミアムな機種の定番化とが同期を見せている点が理由であることは明らかだ。

Motorola(モトローラ)は、近年、お買い得なスマートフォンのメーカーとして定着しているが、まったく別の方向に打開策を見いだそうとしている。同社初の1000ドル級スマートフォンとなるEdge+(エッジプラス)の投入によって、同社は本物の高級機種の領域へ足を踏み入れた。これは、OnePlusシリーズに899ドルの8 Proを加えた先日の作戦よりもドラスティックな一手だ。

安価な中間層向け製品をメインに据えるモトローラには、どうしても高級スマートフォンのイメージが浮かばない。Lenovo(レノボ)傘下のこのスマホメーカーが高額なモデルに手を出すときは、ギミックに走る傾向があった。言い換えれば、非常にニッチな製品だ。たとえば、暖かく迎え入れられたMoto Zや、折り畳み式で復活して酷評されたRazrのようにだ。

だがEdge+の場合は、素直な高級路線を歩んでいる。セールスポイントはカメラ、ディスプレイ、5G。今どきの高級スマートフォンの世界では、まったくもって標準的だ。記憶している限りでは初めてモトローラは、世界中で使われているアップルやサムスンの製品と真っ向勝負に出たわけだ。

ではスペックを見てみよう。リフレッシュレート90Hz、縦横比21:9の6.7インチディスプレイが採用されている。左右は縁を巻き込んでいる。サムスンが少し前から採用している形に近い。さらにサムスンと同じく、そのごく狭い表示スペースを、通知、電話の着信通知、アラーム、バッテリーの状態などの情報の表示に使っている。基本的に、本体を手に取らなくても素早く情報が確認できる仕組みだ。

内部には、旗艦レベルのSoCであるSnapdragon 865が搭載され、たっぷり12GBのメモリー容量がある。そうそう、5Gにも対応している。mmWaveにもsub-6GHzにもつながる。モトローラはスピーカーにもこだわった。スピーカーは、スマートフォンではもっとも見落とされがちな部分だ。だが私はまだ実際に試していないし実際に触ってもいない。社会的距離とかあれこれの影響だ。

背面のカメラは3つ。メインは1億800万画素のカメラ。大量の光を採り込むことができる。それに800万画素の望遠と、1600万画素の超広角だ。最近のモトローラのモデルにはあったのだが、これにはマクロは付属していない。だが、1600万画素のカメラは、ある程度の接写ができる。

Edge+の発売は5月14日から。米国内ではVerison(ベライゾン)が独占販売する(以前にも、残念なことに、何度かモトローラはその形で製品を発売している)。カナダでは多くのキャリアから発売される。ヨーロッパでも5月に発売されるが、インドや中南米などの他の地域はその後になる。

プロセッサーとカメラのランクを落として価格を抑えたEdgeも登場する。だがディスプレイは変わらない。ヨーロッパ、中南米、アジア太平洋地区、米国で少し遅れて発売される予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

4眼カメラ+TOFセンサー搭載のHuawei P40 Pro+登場、Googleなしでやっていく覚悟か

Huawei(ファーウェイ)は米国時間3月26日、新型の旗艦スマートフォンHuawei P40、同P40 Pro、同P40 Pro+を発表した。高い性能を誇る美しいスマホだ。しかし、ほんの数分間使ってみただけで、どこか変だと気づくだろう。GmailもGoogleマップもGoogle Playストアもないのだ。

昨年に米政府は、米企業にファーウェイとの業務関係の継続を禁じた。そのためファーウェイは、Google抜きのスマートフォンしか発売できなくなったわけだが、みすみす黙っていたわけではなかった。同社は、いつものペースで最高性能の機種を発表し続けている。もちろん、いつかまたファーウェイにGoogleのサービスが戻ってくる日が来るかもしれない。

ファーウェイでは現在、Androidのオープンソース版を使っている。これにはGoogleのサービスにつながるコア機能は一切含まれていない。ファーウェイは独自のアプリストアを持っているので、Googleアプリの穴をファーウェイ製アプリで埋めようと考えだ。

いずれにせよ中国では、Googleのサービスは「万里のファイアーウォール」に阻まれて使えない。しかし、中国に住んでいないかぎり、P40の購入は個人的にはお勧めしない。AndroidもiOSも使えないスマートフォンなんて制約が大きすぎるからだ。

とはいうものの、ファーウェイはこれまで面白いスマートフォンを出してきたことでもあるし、一応、この新機種の紹介をしておこう。これまでのPシリーズと同様、ファーウェイは驚くべきカメラセンサーをこのデバイスに組み込んだ。

P40 ProとP40 Pro+は、ディスプレイが4つすべての側面に回り込んでいる。上側も下側もだ。去年発売されたP30には、上部中央に涙型のノッチがあった。今年は新しいホールノッチ・デザインに切り替えられた。左上の隅にそれは配置されている。どことなく、最近のSamsung(サムスン)のスマホを連想させる。

関連記事:HUAWEI P30 Proはやっぱりカメラがスゴイ

発表されたのは、P40とP40 ProとP40 Pro+の3機種だ。価格や発売時期は、まだファーウェイからは公表されていない。P40のディスプレイは6.1インチ、2つのProは6.58インチとなっている。リフレッシュレートは90Hz。

いつものとおり、ファーウェイは背面の仕上げにたくさんのオプションを用意している。iPhone 11 Proのようなマットなものもある。P40 Pro+では、白または黒のマットなセラミック素材も選べる。

チップは従来どおり、Kirin 990というファーウェイ独自のものが使われている。もちろん5G対応だ。昨年のモデルと比較すると、このチップに搭載された新システムではCPU速度は23%、GPUは39%アップした。

カメラはと言うと、P40 Pro+には4つのカメラモジュール(18mm超広角レンズ、23mm標準レンズ、80mmの3倍レンズ、10倍光学ズーム付きスーパーペリスコープレンズ)とTOFセンサーが搭載されている。このスーパー・ペリスコープレンズは、240mmレンズに相当する。

ファーウェイP40 Proには、超広角と標準に加えて、5倍ズームレンズ(125mm相当)という3つのカメラモジュールとTOFセンサーが搭載されている。

ファーウェイP40には、超広角(17mm)、標準(23mm)、3倍ズーム(80mm相当)の3つのカメラモジュールが搭載されている。

スマートフォンのカメラでは、いい画像を作るために大量のソフトウェア処理が施されるのが常だ。欧州の外出禁止令のため、私はまだP40を触っていないのだが、ファーウェイにはポスト処理が強すぎる傾向がある。カメラをマスターAIに設定すると、彩度がきつ目になるのだ。

だがファーウェイは、画像処理に関しては、HDR処理、ナイトモード、ハードウェアとソフトウェア両面の手ぶれ防止、ポートレート機能など、全体的に改善されると話している。P40では、ガラスの反射を取り除くポスト処理機能も備える。

また、AI Best Moment(AIベストモーメント)と呼ばれる新機能も搭載された。いつ写真を撮るか、スマホが自動的に判断してくれるのだ。例えば、全員が同時にジャンプしたときとか、バスケ選手がスラムダンクを決めたときなどを狙って撮ってくれる。

欧州では、P40は4月7日発売。メモリー8GB、ストレージ128GBで価格は799ユーロ(約9万6000円)。P40 Poは、メモリー8GBト、ストレージ256GBで価格は999ユーロ(約12万円)。こちらも4月7日発売。P40 Pro+は、メモリー8GBト、ストレージ512GBで価格は1399ユーロ(約16万7000円)。発売は6月が予定されている。

見ておわかりのとおり、P40 Pro+には、P30 Proよりも高速で高性能であることを示す要件がずらりと揃っている。サムスンのGalaxy S20 Ultraのように、ちょっとやり過ぎという感もある。もちろん、スマートフォンのメーカーが、毎年、パワフルな機能を詰め込んでくれるのは嬉しいのだけど。

だが、スマートフォン市場は転換点を迎えている。もう、高性能を競い合う時期は過ぎた。各メーカーは、新機種を買う動機となる新しい使用事例を示す必要がある。そこにハッキリとした目標とビジョンを持つメーカーが、他に抜きん出るようになるのだろう。

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(翻訳:金井哲夫)

AndroidのGoogleアシスタントにページ全体の読み上げ、翻訳機能が加わる

数週間前にCESでGoogleは、Androidでウェブページ全体を読み上げられるようにする機能をデモしてみせた。指定した記事を全部を読み上げてくれるので読みたいが手がふさがっていてスクロールできないときやスマホの画面をずっと見ていたくないとき、運転中などに理想的だ。Androidデバイスに 「OK, Google, read this page」(このページを読んで)と命ずると、Googleアシスタントのニューラルネットワークが起動し、即座に読み上げてくれる。

ページまるごと読み上げ機能は米国時間3月4日、Androidの全ユーザーに公開された。

注目点

  • 読み上げているテキストが強調表示され、ページが自動スクロールされる。記事のどこを読み上げているのかがひと目で分かる。以前Googleはこういう機能を追加する可能性があると言っていたが一般公開の時期などは不明だった。さいわい準備が整ったようだ。
  • 読み上げ速度を調整できる。ポッドキャストを3倍速で聴きたいといったせっかちな人間には便利な機能だろう。
  • 翻訳機能もある。Googleアシスタントのデフォルト以外の言語を読み上げさせようとする場合、ユーザーが選択した40以上の言語に翻訳が可能。
  • ページの管理者はGoogleアシスタントが読み上げないよう設定できる。なんらかの理由でGoogleアシスタントに音声でページを読み上げられたくない場合(個人情報などが含まれていて、読み上げ機能が誤って起動されると困るような場合)、HTMLメタタグで無効化できる。これはページ単位で設定しておく必要がある。

Googleによれば近年公開されたAndroid(Android 5、Lollipop以降)が作動するほとんどのスマートフォンで利用可能だという。

【Japan編集部追記】速度調整は読み上げ画面の下部をタップする。0.5倍から3倍まで調整できる。現在の訳者の環境(Android 10)では「OK, Google, read this page」でTechCrunch Japanの記事を日本語で読み上げたが、日本語で「OK Google、このページを読んで」では読み上げは実行されなかった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

サムスンのGalaxy S20 Ultraはその超高価格を正当化できているのか

まずお金の話から始めよう。もう少し言えば、物の値段についての話だ。数年前、スマートフォンのフラグシップモデルの価格は1000ドル(約10万8000円)の壁を超えた。その主な要因はディスプレイのコストにあった。その価値の判断は難しいが、それがイノベーションの代償というものだ。

スマホのコスト上昇が、売り上げ鈍化の主な原因とされている。デバイスの性能はすでにかなり良くなっていて、長期間使えるようになった。しかしその価格が1000ドル(約10万8000円)を超えるようでは、ユーザーは2年やそこらで、黙ってアップグレードしてくれるはずがない。

関連記事:Samsung skips nine numbers, announces the Galaxy S20

サムスンは、誰よりもそのことを理解している。手頃な価格帯のシリーズに加えて、同社は「手頃なフラグシップ」モデルの販売にもかなり力を入れてきた。ハイエンドの機種と、一般的なモデルの間にあるスイートスポットを突こうという、比較的新しいカテゴリーだ。最初はS10eとして登場し、現在ではLiteシリーズに受け継がれている。

もちろんGalaxy S20 Ultraは、そのカテゴリーには含まれない。スマホの販売数が減少する時代にあって、あえて思い切り豪華なスマホを思い描いて作られたものだ。モバイルテクノロジーの最先端におけるサムスンの地位を再確立するために設計された、同社として最高峰であるフラグシップの新たなカテゴリーを切り開くものなのだ。時代遅れにならないためなら、少しくらい余計なお金を払うことを何とも思わないような人たちをターゲットにしている。

ここで言う「少しくらい」は、1399ドル(約15万1000円)のことだ。もし、年末調整や確定申告で、期待以上に税金が戻って気が大きくなっているなら、1599ドル(約17万3000円)出して、標準の128GBではなく、512GBモデルを入手してもいい。何が最高峰かという定義も、最近では揺らいでいる。2019年サムスンは、複数の5Gスマホを導入することで時代を先取りした。当時は、ハードウェアのコストが高く、カバーエリアも一部だけに限られていたため、5Gのサポートはまだ最上位機種だけに限られていた。

ところが2020年には、すべてのS20モデルで5Gを全面的にサポートすることになった。そのため機能てんこ盛りのUltraとしても、S20+に対して差別化する方法を見つけなければならなかった。Ultraが際立っている重要な領域はいくつかある。最も目立つ直接的な違いはサイズだ。価格が上がるにつれて、ディスプレイのサイズも当然のように大きくなる。ただし、サムスンの先進的なハードウェアによって、本体サイズは、ほぼ前世代のデバイスと同程度に抑えられている。

特にその点で、サムスンはすばらしい仕事をした。大きな6.9インチのディスプレイを、166.9×76.0×8.8mmのボディに押し込むことに成功したのだ。6.7インチディスプレイのS10 5Gのサイズが162.6×77.1×7.9mmであること考えると、これはなかなか印象的だ。厚みが増えたのは、ほぼ間違いなくバッテリー容量が大きくなっているからだ。2019年までのデバイスでは4500mAhだったものが、2020年のUltraでは、さらに大容量の5000mAhのバッテリーにアップグレードされている。

サムスンが公表した仕様では、バッテリー寿命は控えめな数字になっている。それも、電力消費量が多いAMOLEDを120Hzのリフレッシュレートで使い、5Gの無線機能を追加したためだろう。同社では、これを「終日使えるバッテリー」としている。あれこれ考慮した上での曖昧な表現だ。5Gの装備がバッテリー寿命に与える影響については、まだ研究の余地がありそうだ。すべてデフォルトの設定で、なんらかのネットワークの問題によって、ほとんど、あるいはまったく5Gの使えない環境で試したところ、1回の充電で約28時間使用できた。

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これなら確かに「終日使える」ことにはなるが、巨大なバッテリーを内蔵していることを考えれば、もう少し使えても良さそうな気はする。とはいえ、1日とちょっとの間、充電せずに使えることは間違いないだろう。そして何よりうれしいのは、付属の電源アダプターによる超高速充電だ。空の状態から完全に充電するまで、1時間もかからなかった。

デザイン言語については、3種類すべてのS20でほとんど共通している。正直に言って、2019年のモデルと比べても、代わり映えがしない。サムスンはフロントの自撮り用カメラ(Ultraでは贅沢にも40MP)は、すでにホールパンチ方式に変更済だった。ただし裏面を見ると、大きな違いに嫌でも気づかされる。Ultraのカメラモジュールは、文字通りウルトラ級だ。デバイス裏面の表面積の1/6ほども占める段差のついた領域に、4台のカメラが仕込まれている。

S20+では12MP、64MPの望遠、12MPの超広角それにToFセンサーという十分過ぎる組み合わせだが、Ultraではさらにメインが108MP、10倍ズームの望遠が48MP、12MPの超広角、そしてToFセンサーとなっている。距離(深度)を計測するToFセンサーによって、ボケ効果や3Dスキャンといった楽しい付加機能が使えるようになる。ただしノーマルのS20は、ToFセンサーを装備していない。サムスンはARの世界でより重要な役割を果たすため、しっかりと基礎固めをしているという印象がある。それはAR絵文字のような機能に限った話ではない。ただし、他のメーカーと同様、メインのAR機能の実装については進展が遅いようだ。

このカメラシステムの最大のウリは、なんといっても望遠レンズだ。このカメラは屈曲系の望遠レンズを、横向きにして薄い本体に収納している。このカメラでは、10倍までは堅実なハイブリッドズームが可能となっている。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせた同社独自の「スペースズーム」によって、Ultraでは最大100倍のズーム機能を実現している。他のモデルでは30倍までだ。この倍率は印象的なものだが、「ロスレス」で撮れるのは10倍までだということは、頭に入れておく必要がある。

それを超えると、画質の劣化が始まる。そして正直にいって、100倍に達する頃にはモネの絵画をデジタル化したような画像になってしまう。何が写っているのかを判別することはできたとしても、ほとんどの場合、Instagramでぜひ共有したいと思うようなものにはならないだろう。とはいえ、コンサートやスポーツ観戦で、スタジアムの最上段の席から撮るような場合には、それなりに役立つこともあるかもしれない。

ToFセンサーもそうだが、正直なところサムスンは将来のアップデートへの布石として、このようなズーム機能を装備したのだろう。将来の画像処理AIと100倍ズームを組み合わせれば、外付けのレンズなどを使わなくても、かなり良好な望遠撮影ができるようになる可能性が高い。ただし現状では、人目を引くためのおまけ以上のものではないだろう。正直にいって、S20+のスペックを超える部分についてはちょっとやり過ぎの感が強い。そでもUltraを選ぶのは、よほど熱心な愛好者だけではないだろうか。

Ultraの下位モデルを勧めるのを、ちょっとためらってしまう唯一の理由は、5000mAhに届かないバッテリーを搭載する両モデルのバッテリー寿命について心配があるからからだ(それぞれ4000と4500mAh)。リフレッシュレートが120Hzのディスプレイは、ゲームをプレイするには最適だが、ほとんどのユーザーに対しては、基本的にオフにしておくことを勧める。必要なときだけ120Hzに切り替え、それ以外は60Hzに設定しておくことで、バッテリー寿命を2、3時間は延長できるだろう。

108MPのカメラにも、同じことがいえる。ほとんどの写真では、ピクセルのビニングを利用するのが理にかなっている。これにより、サイズの小さな12MPのショットとなり、1ピクセルあたりの実質的な光量が増す。その結果、写真はより明るく、よりシャープなものになり、暗い場所での撮影にも強くなる。しかも、画像ファイルサイズをかなり抑えることもできる。時々、設定の変更を忘れたまま撮影したが、その巨大なファイルサイズには、写真を送信する段になるまで気づかなかった。

新しい写真機能の中で最高のものは、ハードウェアにあるわけではない。私は長い間、優れたイメージング機能の鍵はシンプルさにあると考えてきた。カメラの性能は向上し続け、モバイルデバイスを使ってプロフェッショナルな写真を撮影したいという人のために、多くの機能を提供してきた。それはすばらしいことだ。Google(グーグル)の新製品発表イベントには、伝説的な写真家であるAnnie Leibovitz(アニー・リーボヴィッツ)氏が登場して、デバイスのカメラを賞賛するまでになっている。

ただしそうした機能も、簡単に利用できるようになっていなければ、大半の消費者にとっては宝の持ち腐れだ。その点「シングルテイク」は、デフォルトのカメラ設定に加えられた有効な機能だ。異なるタイプの写真を、まとめて1回の操作で撮影できる。ただし、その場合は10秒間カメラを構えたまま待つ必要がある。それによってライブフォーカス、タイムラプス、超広角の写真を同時に撮影できる。写真はまとめてロールに保存されるので、後から最適なものを選択できる。ファイルサイズは大きくなるが、スマホ全体からすれば大したサイズではない。何でもかんでも溜め込みたくはないという人は、手動で削除すればいい。

S20シリーズに加えられた大きなアップデートは、将来を保証するもののように感じられる。この原稿を書いている時点では5G、100倍ズーム、8Kビデオ撮影といった機能は、必ずしも大きな意味を持つものではないだろう。サムスンは、とにかく他社に先駆けることに注力しているように見える。たとえば5Gもまだ利用可能なエリアが限られている。しかし、ユーザーがこのデバイスを長く使っていれば、やがて次世代の通信環境はどこでも利用可能となり、デバイスを買い替える前に有効活用できるようになるのは間違いないだろう。

しかし、現在を考えると、Ultraの1399ドル(約15万1000円)からという価格は、かなり高く感じられる。ただし幸いにも、サムスンはもう少し安価に手に入るモデルを数多く用意している。たとえば、S10 Liteもあるし、標準的なS10も今なら割引価格で入手できるはずだ。100倍ズームのような機能は、最新鋭には違いないが、その価格を正当化できるほどのものではないだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

2020年のスマートフォン売上は5G効果で微増の期待

2019年、世界のスマートフォン売上は調査会社が集計を始めて以来初の減少を記録した。11年間追跡を続けているGartner(ガートナー)の場合、2019年の数値は2%減だった。しかし先週の世界デバイス予測の発表に続き、同社がスマートフォンの数値を掘り下げた結果、やや明るい未来が見えてきた。

Garterの最新データでは、世界のスマートフォン売上傾向は2020年に逆転し、全世界売上は3%上昇すると予測した。ささやかな成功だが、数年続いた停滞と減少のあとだけに、小さくても勝利は勝利だ。

最近は数値が減少した理由の詳細には触れないが、2020年は5Gへの移行がようやく、本格的にかたちある見返りをメーカーにもたらす年になると期待されている。もちろんAppleも、年末までにこのゲームに参加することが予想されており、一連のQualcommチップは低価格5Gデバイスを現実のものにする後押しになるだろう。

5G携帯の発売が最大の影響を与えると予想されているのは、中東および北アフリカ地域(対前年比総売上5.9%)、周辺アジア太平洋地域(同5.7%)および大中国圏(同5.1%)だ。

しかしながら5Gは、結局のところ減少するスマートフォン売上の一時的解決にしかならない可能性がある。フォームファクターや機能に大きな革新が起きない限り、スマートフォン売上の傾向に大きな変化が見られることは想像しにくい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファーウェイが折り畳み型Mate Xの改良版の発売を計画中

今年初めに深センのHuawei(ファーウェイ)本社を訪ねた際には、Mate Xの詳細は、良く言ってもぼんやりとしたものだった。昼休みに、この将来発売予定のスマホに触る機会もあったが、そのユニットは、それ以前に今年初めのMWCで見たのと、ほとんど変わらないものだった。発売計画も明らかにされなかった。

この製品に関しては、舞台裏で何らかの戦略的な動きがあったに違いない。ファーウェイも、Galaxy Fold登場後の市場への取り組み方を、正確に把握したのだろう。今週、フランスの記者向けに中国国内であったイベントで、コンシューマー部門のCEOであるRichard Yu)(リチャード・ユー)氏は、11月の中国での発売に続き、来年第1四半期には、ヨーロッパでも発売予定であることを明らかにしたようだ。

詳細についてはまだ明確ではないが、その際に発売されるデバイスはすでに発売済みのバージョンのようだ。そして、進化した新バージョンのデバイスも2020年中には発表されるという。新モデルは、ヒンジとディスプレイが強化され、チップセットも最新のものを採用するはずだ。どうやら2月に開催されるMobile World Congressでデビューするらしい。

この情報は、新モデルの登場まで、この非常に高価なデバイスの購入を控える理由として十分なものだろう。ただし、2月に登場したファーウェイの最初の折り畳み型が、すでにSamsung(サムスン)のものより進化した製品になっていたことは、ほとんど万人が認めるものだったのも確かだ。それはそうとしても、ファーウェイがもう一度設計を見直したのは、サムスンが折り畳み型で経験した苦境を見てのことだと考えられている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

スマートフォンに10万円超を払うのは米国消費者の10%以下

スマートフォン戦争におけるプライシングはハイエンド製品で急激なカーブを描いている。iPhone Xの発売以来、各社のフラグシップ機は1000ドル(10万円超)が当たり前になり、競争力を保つために次々と高価な機能を投入している。

一方、誰も驚かないだろうが、消費者の大半はスマートフォンにそこまでお金を使っていない。NPDの最新「携帯電話追跡」調査によると、米国消費者で高額な機種を買っているのは10%以下だった。これは、1200ドル前後になると言われている5G機の売上も殺風景なものになることを予感させる数字だ。

次の柱として5Gに期待している多くのメーカーにとって芳しい兆候ではない。1つ考えるべきなのは、現時点でほとんどのスマートフォンがよくできていることだ。中級機種であっも十分使える。日常用品となった携帯電話に、それほどの金額を使う人はほとんどいない。Samsung(サムスン)やGoogle、Appleでさえ、低価格商品に力を入れているのには理由があるのだ。

しかし、メーカーが期待を抱く理由もある。たとえば、5Gの到来は売上が低調な理由の1つだとよく言われている。高級志向ユーザーの多くは、次の機種を買うのに通信環境が充実するのを待っている。NPDによると、消費者の75%が少なくとも5Gというものがあることを知っていた。

もうひとつ、最近Qualcomm(クアルコム)がSnapdragon 765を発表したことも、5G機を低価格で提供できる要因として注目されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマホ市場が2年ぶり息を吹き返す中、アップルの苦境は続く

スマートフォンメーカーは、すべてを失ってしまったわけではない。2年間の全世界的な停滞の後、このカテゴリもついに息を吹き返す兆しを見せ始めた。メーカーが鈍くなった消費者の関心を取り戻そうと努力した結果、回復傾向に乗ったと考えられる。

画像クレジット:Neil Godwin/Future Publishing/Getty Images

現状では数字はあまり重要だとは考えていない。実際、全体的に見れば、まだそれほど大きく上昇しているわけでもない。Canalysが示した数字は、2018年の第3四半期と2019年の第3四半期との比較で、全体としての出荷の伸びは1%に留まっている。普通に考えても、ほとんどわずかなプラスに過ぎないが、こうした数字が良い方向に向かい始めたのは実に2年ぶりのことなのだ。

中でも最も大きなシェアを獲得しているのはSamsung(サムスン)だ。同社は、部分的に利益を切り詰めてでもシェアを伸ばす戦略に転換したとCanalysでは見ている。この動きは、この四半期には確かに成果を上げていて、デバイスの出荷台数は11%増加して7890万台となった。この結果サムスンは、全世界の市場で最大のシェア22.4%を獲得している。

Huawei(ファーウェイ)も、前年比で目覚しい成長を示し、6680万台を出荷して、2位となっている。その成長の大部分は中国本土からのもの。同社が海外で規制当局の監視にさらされたことを受け、中国政府が同社の製品への支出を増やしたためだ。また、販売が再開された国際市場もあって、活気を取り戻したという面もある。シェアの上位3社の中でApple(アップル)は、2018年から出荷台数が7%減少し、苦難が続いている。

少なくとも今のところ、こうした数字は、いずれも停滞していたカテゴリの完全な好転とはみなされていない。ただし来年には、5Gのサービスエリアも拡張されるので、数字もさらにいい方向に向かうことが期待できるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleのPixel 4は進化したカメラで勝負する

Google(グーグル)の純正スマホのシェアは、世界規模で見れば、これまでずっと取るに足らないものに過ぎなかった。Pixelシリーズは、米国および西ヨーロッパではトップ5に割り込んだものの、市場全体で見れば、シェアは1%に満たない。もちろんGoogleは、スマホのハードウェアメーカーとしては後発だ。だいぶ長いこと、Samsung(サムスン)やHuawei(ファーウェイ)といった企業が、何百万台ものAndroidデバイスを出荷するのを、横目で眺めていただけだった。

今年の初めにGoogleは、減速しつつあるスマホ市場のさらなる縮小を認識していることを認めた。もちろん、それは業界全体の問題だ。Alphabet(アルファベット)の第1四半期の決算報告で、CEOのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は、ハードウェアの売上が落ち込んでいるのは「高級スマホ業界の苦悩」を反映したものだと説明していた。

Google I/Oで発表されたPixel 3aは、比較的低価格帯のデバイスを導入することで、期待はずれが続いていた販売台数を増大させる試みだった。販売価格は399ドル(日本では4万8600円)からに設定され、狙い通りの売れ行きを示した。より多くのキャリアパートナーも獲得でき、Pixelシリーズの前年比の売上を実質的に2倍にすることに成功した。これらを考え合わせると、新しいPixelと、その数字に「a」を付けたモデルを、半年ごとに出していくという戦略が、今後も継続するのはほぼ確実と見ていいだろう。

もちろん、ミッドレンジのモデルを追加したことで、フラグシップのモデルを差別化するためのメーカーとしての負担は増えた。Pixel 4の799ドル(日本では8万9980円)から、という価格は、現在のフラグシップとしては、けっして高い方ではない。しかしGoogleとしては、両者の間の400ドル(日本では4万1380円)という価格差を正当化するのに十分な機能の違いを明示する必要があった。特に同社は、フラグシップモデルに導入したソフトウェアのアップグレードを、安価なモデルにも順次適用するという方針を明らかにしているのだから、なおさらだ。

事前の噂も多く、頻繁に情報がリークされてきたPixel 4には、当然ながらこれまでとは一線を画する特徴が盛り込まれている。Googleは、Pixel 4にも同XLにも、ついにデュアルカメラ構成を採用してきた。またディスプレイのリフレッシュレートは、最大90Hzとなり、顔認識によるロック解除、レーダーチップを利用したジェスチャー認識、その他ソフトウェアによって実現可能なさまざまな機能を実現している。

実のところ、これまでのPixelは、スマホ業界では常にちょっと特殊な位置を占めてきた。Googleが色々なハードウェアメーカーと提携した作っていたNexusの後継シリーズとして、Pixelは、Androidデバイスの最も魅力的な機能のショーケースと見なすことができる。ただし、OSの最新バージョンを優先的に搭載して、他をリードするという役割は過去のものとなった。すでに、OnePlusのデバイスにAndroid 10が搭載されているという事実は、手頃な価格で高品質なデバイスを実現している他のメーカーとGoogleが、正面からやり合う状況となっていることを意味する。

Pixelシリーズは、「a」の付くモデルと付かないモデルを区別するために、デザインでも差別化を図っている。これまでのGoogleのスマホは、SamsungやApple(アップル)の製品とは異なり、それほどデザインに凝ったものではなかった。それは今回のモデルでもそうなのだが、新たに採用した両面がガラス(両面ともGorilla Glass 5)で金属製のバンドを挟むような構成は、じゃっかんのプレミアム感を醸し出している。また4は、3よりも実際にやや重く、厚みもあるため、デバイスにある種の貫禄も感じられるようになった。

現状では3色が用意されている。黒、白、そして「Oh So Orange」と呼ばれるポップなオレンジだ。オレンジは「限定エディション」となっていて、数量が限られている。色の付いた電源ボタンは、相変わらず優れた操作感で、そのままでは地味な黒や白のモデルにもアクセントを与えている。ディスプレイは、素晴らしい90HzのOLEDにアップグレードされた。Googleは、相変わらずノッチやパンチホールは取り入れていない。そのため、それなりの幅のベゼルが上端と下端にある。

Pixel 4では、画面サイズも同3の5.5インチから5.7インチに増加している。解像度は443ppiから444ppiへと、わずか1ppiだけ増加した。一方、Pixel 4 XLの画面サイズは6.3インチで、同3 XLと変わっていない。ただし、解像度は523ppiから537ppiに増加し、より繊細な表示が可能となっている。Pixel 3に特徴的だったデュアルフロントカメラは、Pixel 4では廃止された。代わりに同3aのものと同様の、シングルの8メガピクセルカメラを装備する。

ストレージについては変更されておらず、Pixel 4および同XLの両方とも、64GBまたはと128GBが選択できる。RAMは、同3の4GBから6GBに増強された。プロセッサもアップグレードされ、Qualcomm製のSnapdragon 845から、最新かつ最高のバージョン、同855になった。面白いことに、バッテリー容量はPixel 4ではダウングレードしているのに対し、同XLでは増加している。

Pixel 3および同XLでは、それぞれ2915、3430mAhだったものが、同4および同4 XLでは、それぞれ2800、3700mAhとなっているのだ。バッテリーの持続時間は、Android 10から導入された新しいバッテリー節約機能によって、多少は延長されるはずだが、それでもPixel 4のバッテリー容量が減っているのには納得できないという人もいるだろう。

カメラは、素晴らしいの一言に尽きる。実を言えば、先週このスマホを手に入れてから、私はそれを使って、TechCrunchの記事のための写真を撮影してきた。Google Nest MiniのレビューAmazon Echoのレビュー、それにVirgin Galacticの宇宙服のニュースの写真は、すべてPixel 4で撮影したもの。もちろん、このスマホのカメラは、まだ「デジイチを家に置いて行こう」と提案できるレベルのものではないが、必ずしも理想的ではない状況で、専用の照明を用意したりせず、設定をあれこれいじったりすることもなく、間違いなく素晴らしい写真を撮ることができる。

これが、Googleの哲学において、小さいながら重要な変化を反映したものであるのは間違いない。画像処理に関して、もっとも重要なのは、ソフトウェアによるソリューションだということを、Googleは何世代ものモデルを通して主張してきた。しかし結局は、苦渋の決断によって2つめのカメラを採用するに至った。前に進むために、過去の姿勢を破棄しなければならないことは、珍しいことではない。以前にもGoogleは、ヘッドフォンジャックを装備することに固執しているように見えながら、その翌年にはあっさりと廃止したのを憶えているだろう。

セカンドカメラを追加するのも、小さな変化ではなかった。当然、それに気付かない人はいないだろう。Googleは、デバイスの背面に、見慣れた正方形の枠を配置する方法を採用した。これは、現在のスマホのトレンドの1つのようだ。正方形の中には、2つのレンズが水平に並び、上にセンサー、下にフラッシュが配置されている。真面目な話、集合体恐怖症の人でも、これならすぐに慣れるので大丈夫だろう。製品の発表会では、説明者が半分冗談で、「フラッシュは懐中電灯として使っていただきたいと考えています」と言っていた。

もちろん、それはPixelの低照度での定評ある撮影能力を踏まえた上での発言だ。ほとんどのスマホユーザーが、むやみにフラッシュを使うことで、写真をダメなものにしてしまう状況を考えると、これは歓迎すべき機能だ。低照度の撮影能力がさらに向上すれば、フラッシュを使いたい衝動に駆られる人も、やがてはいなくなるかもしれないが、そこまで行くのはなかなか難しいような気もする。身についた習慣は断ち切り難いのだ。

Pixel 4と同4 XLのカメラ構成は同じ。前任機から引き継いだ12.2Mピクセルの広角レンズ(ただしF値は異なる)カメラに加えて、16Mピクセルの望遠カメラを装備した。こうした構成について、私はすでにこれまでに、ある種の感慨を表現してきた。もちろん、2台のカメラという構成自体が、特筆に値するからではない。なにしろ、周囲を見渡せば、すでに、3台、4台、さらには5台のカメラを備えたフラッグシップモデルがごろごろしている世界なのだ。その感慨とは、これらの新モデルに至るまで、数世代に渡ってGoogleが築き上げてきた基盤についてのものだ。

つまり、こういうことだ。まず、Googleがソフトウェアと機械学習によって、シングルカメラという構成で成し遂げたことに注目しよう。そこに、2つ目のカメラとして、望遠を追加した。これまでも言われてきたとおり、「超解像ズーム」機能は非常に印象的なものだ。とはいえ、その処理によって画像を劣化させることなく、さらにシャープなピントの写真が撮れるようにしたいのなら、光学ズームを採用するしかないだろう。

Pixel 4のカメラは、このクラスで最高のもの、という強い意見があるのもうなずける。写真の品質は、それ自体が物語る。すでに述べたTechCrunchの記事のショットは、手動の調整や後処理を、ほぼまったく加えていないもの。Googleは、デュアル露出コントロールのような、画面上での調整機能を新たに実現している。これにより、全体の明るさと、シャドウ部の明るさを、それぞれその場で手動で調整できる。しかし、正直に言って、スマホのカメラをテストする最良の方法は、ほとんどのユーザーがそうしているように、ただ被写体に向けてシャッターを押すだけだと、私も信じている。

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実際問題として、このようなスマホを購入した人の大部分は、あまり設定をいじったりはしないものだ。そこでメーカーとしては、たとえどんな条件でも、デフォルトの設定で最高の写真を確実に撮影できるようにしなければならない。そのため、やはりソフトウェアの働きが重要になってくる。超解像ズームは、新しいレンズとの組み合わせでうまく動作する。また「ライブHDR+」は、画像が最終的に完全に処理されたらどう見えるかを、その場で近似的に見せてくれる。ポートレートモードの撮影では、素晴らしい結果が得られる。しかも、深度はあまり気にする必要がない。つまり、被写体からの距離には関係なく、素晴らしい人工的なボケ味が得られるのだ。

編集部のビデオプロデューサー、Veanne(ビアン)は、私などとてもかなわない優れた写真家だ。週末にカメラをテストしてもらった。

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Veanneは、Pixel 4のカメラと写真編集機能には、大いに感心したというが、以下のような大きな不満も3つほど指摘した。

「デジタルズームはゴミだ」。

「暗い環境では、雰囲気が失われる。土曜の夜の、くつろいだ、温かみのある明かりで照らされた夕食が、カフェテリアの食事のように見えてしまう」。

「暗い環境でも明るく写るので、動いている物体にも焦点が合っているという印象を受けるが、本当はそうではない」。

その他の機能としては、頻繁に撮影する被写体の顔を学習する「よく撮影する人」といった機能もある。これについてもGoogleがはっきりと示しているのは、この機能はデフォルトではオフになっていて、オンにした場合も、すべての処理がデバイス内で実行されるということ。この機能をオフにすると、それまでに保存した学習情報も、すべて削除される。その一方で、SNS関連の機能は強化され、SnapchatやInstagramといったサードパーティのプラットフォームにも、簡単にアクセスできるようになった。

Googleは「レンズ」も進化させ続けている。最近では、言語の翻訳、ドキュメントのスキャン、テキストのコピー&ペーストといった処理が、簡単なタップで操作できるようになった。現状では、言語の翻訳にはまだ少し制約があり、英語、スペイン語、ドイツ語、ヒンディ語、日本語のみをサポートしている。同社によれば、他の言語についても「近いうちに実現します」という。

ジェスチャーは、ちょっと異色な機能だ。私も、このような機能をGoogleが早い段階で試してくると、まったく考えていなかったわけではない。最近では、LGのG8 ThinQが、ジェスチャーを実現して差別化しようとしている目立った例となっている。これまで、私はこの技術がうまく実装された例を見たことがない。私自身が、日常的に使えるような実装に出会ったことがないのだ。

実際、どんなに興味深く、革新的な機能でも、それが能書き通りに動作しなければ、使う人はいない。LGの実装は、かなり大きな失望だった。

ひとことで言えば、Pixelのジェスチャーは、それとは違う。とにかく、ほぼ能書き通りに動くのだ。その点では優れている。採用している技術が異なるからだ。他のシステムのようにカメラを利用するではなく、PixelではProject Soliを採用した。だいぶ以前から定評のあるシステムで、小型のレーダーチップを利用して、動きをかなり正確に検出できるもの。

Soliは実用になるが、ユーザーごとに検出精度がかなり異なる可能性がある。それに、単に動きを検出するだけでは不十分なのだ。Soliによって、ユーザーの意図を理解する必要がある。このシステムは、ユーザーがスマホの周りで絶えず動いていることによる偶発的なジェスチャーを排除するように設計しなければならない。そのため、よりはっきりした、意図的な動きを念頭に調整されることになる。

たとえば、再生トラックを進めるような動作を検出するのは、ちょっとやっかいだろう。実際、オビワン・ケノービのようにデバイスの周りで手を動かす方が、画面に触れて操作するよりも大幅に時間と労力を節約できるような例が、それほど多くあるとは考えにくい。ただしGoogleが、やがて機械学習を利用して、個人ごとに検出動作をカスタマイズできるようになれば、ジェスチャーも本当に便利な機能になるはずだ。

その上で、ようやく次の重要なポイント、機能性について議論できる段階となる。とりあえず、スマホの中に貼り付けられた、小さくて巧妙な新しい小型レーダーが手に入った。それが低消費電力で、プライバシーの点でもカメラより優れている。素晴らしい! さて、これを使って何ができるのだろうか?

現状では、主な用途として、次の3つが考えられる。

  • 音楽再生
  • アラームの停止
  • ポケモンに手を振る

最初の2つが便利なのは分かるだろう。私が思いつく主なユースケースは、たとえば、ユーザーが机の前に座っていて、その机の上にスマホが乗っているような場合に有効だ。実際に今、私はそういう状況にある。ここで、デバイスの10センチほど上を、左から右にスワイプすれば、再生トラックが次に進む。逆に右から左にスワイプすれば、前のトラックに戻る。手の移動は、デバイスの端から端まで、確実に動かす必要がある。

そしてもう1つは、「Pokémon Wave Hello」の登場だ。Google Playからダウンロードできるアプリだが、ゲームではない。これは、Pixel 4のモーションセンス機能を試用するようなものに過ぎないが、それにしては非常に楽しいアプリだ。

先日の基調講演で、見た人もいるかもしれない。ほんのわずかな時間だけ登場していた。突然、まるで野生のカビゴンのように、ピカチュウがどこからともなく登場して、聴衆に手を振る。そして、あっという間にいなくなってしまう。

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このアプリは、ジェスチャー機能を見せびらかすため以外の何ものでもない。ピカチュウから始まって、順に登場する5種類のポケモンは、ユーザーが手を動かしてコミュニケーションできるようになっている。シンプルでくだらないものだし、3分もあればすべて終わってしまう。しかし、そんなことは問題ではない。Pokémon Wave Helloの存在意義は、以下のようなところにある。

  1. ユーザーをジェスチャーに慣れさせる
  2. 標準的なもの以外の機能をデモする。ゲームやARといったものは、最終的にSoliを活用する楽しく革新的な方法を開拓することになる

今のところ、残念ながら用途はかなり限られている。手の動きに反応する動的な壁紙など、ちょっとした楽しい機能は考えられる。ジェスチャーを検出すると、画面は微妙に光る。アシスタントの反応にも見られるような、気の利いた工夫だ。

最も実用的なのは、たぶんユーザーがスマホに近づいたときに、それを検出しアンロックのプロセスを開始するというものだろう。それにより、すでに高速な新しい「フェイスアンロック」を、さらに高速にできるはずだ。今回Googleは、指紋センサーを廃止し、身体センサーも画面内指紋リーダーも採用しなかった。特に画面内指紋リーダーについては、先週英国の女性が、たまたま数百円の画面保護フィルムをデバイスに貼ったところ、他人の指紋でもアンロックできてしまったという、目立つセキュリティ上の災難がSamsungを襲ったばかりだ。それを考えると採用しなくて正解だった。

Pixel 4のロック機能には、いくつか優れたセキュリティ上の配慮が盛り込まれている。中でももっとも重要なのは、アンロックが、完全にデバイス上で実行されること。アンロックに必要な情報は、すべて内蔵のTitan Mチップに保存され、処理される。つまり、クラウドに送信されることはない。それにより、高速な処理が可能になるのはもちろん、Googleがユーザーの顔のデータを、他のサービスと共有したりしない、というメリットも生まれる。この事実は、Googleが声高に主張したいと考えるのも当然だ。

少なくとも私たちの中には、Recorderアプリが正真正銘のゲームチェンジャーだと感じている人もいる。その使いやすさと実用性を見れば、Otter.aiのようなスタートアップを震え上がらせるのに十分なポテンシャルを備えていることがわかる。もしGoogleが、この機能を一般のAndroidやiOSデバイスにも提供するようなことになれば、なおさらだ。

最初に先週の発表会で試してみたときは、それほど大したものだとは感じなかった。ノイズの多い環境では、音声を抽出するのがうまくいかないことがある。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアによる制約もあるのだろう。自分一人で直接話しかけるようにすれば、はるかにうまく動く。また、コンピュータからオーディオを入力するような場合には、もう少し改善の余地があるようだ。

アプリを開いて録音ボタンを押すと、波形がポップアップ表示される。人の声を検出すると波形の線は青になり、その他の音の場合は灰色になる。Transcript(文字起こし)ボタンをタップすると、聞き取ったテキストがリアルタイムでページに表示される。それにタイトルを付けて保存する際には、位置情報も付加される。

このアプリでは、自動的にキーワードを抽出してタグを付け、簡単に検索できるようにしてくれる。すでに最初のバージョンで、完全にAppleのボイスメモなどのはるか上を行っている。実際、比べるべくもない。まったくジャンルの異なるアプリだ。私が長年愛用してきた「Voice Record」などのアプリも、もはや蚊帳の外だ。

製品として評価すれば、まだ認識は運任せといった部分もある。まだ完璧ではないが、現状のAIはそんなものだ。とはいえ、かなり使える。もちろん、生成されたテキストを何かに利用する前には、もう一度確認した方がいいだろう。Otterや、その他の音声入力アプリと同様に、音声の再生中には単語がハイライトされる。カラオケスのタイルだ。

テキストはGoogleドライブに保存できるものの、まだこのアプリ自体では編集できない。オーディオだけをエクスポートすることは可能だが、テキストと結合したファイルとしてはできない。句読点の付加についても、課題として残っている。またRecorderは、まだ個人の声を区別してくれない。こうした機能は、すでにウェブベースのサービスでも、スタンドアロンのアプリでも実現されている。というわけで、そうした企業が、今すぐに廃業を余儀なくされるわけではない。しかし、もし私がそうした会社の経営者なら、もはや危機感を抱かざるを得ないだろう。

インタビューを1つの仕事にしている人間として、このアプリの持つ潜在能力には大きな期待を持っている。Recorderが、私が仕事で最もよく使うアプリの1つになることは間違いない。上で述べたような、いくつかの不備が、次のバージョンで解消されれば、もう文句はない。仕事でインタビューをすることのない人の場合、このアプリが便利だと感じられる場面は限られているかもしれない。しかし、たとえば学校の授業の記録など、インタビュー以外の用途も、いろいろ考えられるだろう。

Pixelシリーズは、ソフトウェアの進化とカメラ機能の向上によって、差別化を実現し続けてきた。6か月前の3aと比べても、より洗練されたデザインや、90Hzのディスプレイなど、全体的に大きく進化した部分がある。フラグシップとしてのスペックを実現しながら799ドル(日本では8万9980円)という価格は、SamsungやAppleのような競合に比べて、大きなメリットと言える。

Pixel 4は、Googleが将来的にPixelをこうしたい、という方向に必ずしも沿ったものではない。Pixel 3aは、ユーザーがもっとずっと安価な製品を欲しているということを確認するためのものだった。それに対してPixel 4は、OnePlusなどの素晴らしいデバイスを上回る価格に設定された。それでも、この製品は、デザイン的に見ても、本当にプレミアムなものとは言えない。

Googleは変化し続けるスマホ環境に対応するよう取り組んでいるため、将来がどのようになるのかは不透明だ。ただ当面の間は、カメラのイメージング技術についての未来は明るいと思われる。Googleは、その分野の推進力であり続けている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)