時価27万円以上の北米版「クロノトリガー」も―スーファミやメガドラ用ゲーム未開封数百本が倉庫から28年ぶりに発掘

時価27万円以上の北米版「クロノトリガー」も―未開封スーファミやメガドラ用ゲーム数百本が倉庫から28年ぶりに発掘

あるゲーム販売業者の倉庫から80年代~90年代の任天堂およびセガ製ハードウェア用のゲームを何百本も手つかずで発見され、時価にして数万ドル(数百万円)もの価値が見積もられると報じられています。

このコレクションは、米ネブラスカ州を拠点とするGameRoom社の倉庫から見つかったものです。スーパーファミコンやSega CD(日本のメガCDに相当)、Genesis(メガドライブ)やセガサターン、3DOなどのゲームが工場出荷状態で封印されていたそうです。これらは1994年に地元の店舗が閉鎖された後に保管されており、いままで忘れられていた模様です。

公開された動画のなかでスタッフは「あまり価値のないNBAやMadden(「Madden NFL」シリーズ)がたくさんあるけど、信じられないほどレアなゲームが数箱あって、それを補って余りあるよ」と冗談めかして述べています。

その中でも飛び抜けて高額と思われるのは、スーファミ用の『クロノトリガー』です。レトロゲーム価格情報サイト「Pirce Charting」によれば2400ドル(約27万6000円)以上の価値があるとのことです。

ほかスーファミ用の『T.M.N.T タートルズインタイム』は1400ドル(約16万円)以上、『ファイナルファンタジーIII」は1200ドル(約13万8000円)以上、「サンセットライダーズ」は750ドル(約8万6000円)以上と伝えられています。もっとも、いずれも北米版であり、日本とはレア度が違うかもしれません(たとえば『クロノトリガー』は使用済みでも600ドル以上の価値があるとのこと)。

ほかスーファミの『アラジン』やメガドライブの『Contra Hard Corps(日本名は『魂斗羅ザ・ハードコア』)、スーファミの『Musya(豪槍神雷伝説 武者)』等もそれぞれ数百ドルの価値が見積もられています。Gameroom社はすべての保存と記録が終わるまで詳細を発表しないとしていますが、おそらく数万ドルの価値があると推測されています。

あくまで上記のゲーム価格は概算にすぎず、その道のプロが本格的に鑑定すれば、価値はさらに数倍に跳ね上がる可能性もあります。以前も超レアな『スーパーマリオブラザーズ』が約7300万円で落札されたこともありましたが、今後の続報を待ちたいところです。

(Source:IGN(US)。Via Nintendo LifeEngadget日本版より転載)

ファミコンおよびスーファミの開発責任者、元任天堂の上村雅之氏が逝去

ファミコンおよびスーファミの開発責任者、元任天堂の上村雅之氏が逝去

ANA Global

任天堂でファミリーコンピュータ、同ディスクシステム、スーパーファミコンを開発し、後に立命館大学ゲーム研究センター長を務められた技術者、上村雅之氏が12月6日に死去されていたことがわかりました。78歳。すでに葬儀等はご家族のみで行われ、偲ぶ会等の開催については未定とのことです。

上村氏は1967年に早川電機(現シャープ)に入社、その後1971年に任天堂に移り、米国で市場を形成しつつあったビデオゲームの開発に取り組みました。任天堂ではテーブル形筐体の『任天堂レジャーシステム』のゲーム機開発や『カラーテレビゲーム15』の開発に携わった後、任天堂製造本部開発第二部部長として、1981年からは『ファミリーコンピュータ』の開発を率いました。

『ファミリーコンピュータ』は1983年に発売されて大ヒットを記録しました。 世界累計販売数は6191万台、1990年発売の後継機『スーパーファミコン』を足し合わせると1億台以上にのぼり、いずれも日本のみならず世界のゲーム史に燦然と輝く名機になりました。

上村氏は2015年の日本デジタルゲーム学会の年次大会で、NES(北米版ファミコン)のゲームを息子と楽しんでいるという外国人に出会ったエピソードを紹介し、ファミコン世代のゲームが30年の月日を過ぎてもなお親しまれる理由として、作り手側がそれまで現実にはできなかった、つまり夢に描いていた遊びを、ファミコンを通じて実現するのに夢中になったに違いなく、だからこそ長い年月を経ても面白いのかもしれないといった旨を述べられていました

いまもビデオゲームはたくさん作られていますが、その多くが、基本的にはファミコン時代に作り出されたゲームたちの類型とも言え、テレビ / ディスプレイの中で繰り広げられるゲームの世界は当時から大きな夢の上に成り立っていました。そして処理能力や映像表現力が格段に進化した現在のゲーム機も、その基本構成は上村氏が作ったファミコンの頃から大きく変わってはいません。

(Source:立命館大学ゲーム研究センターEngadget日本版より転載)