NearMeが街中のタクシー相乗りサービス「ニアミー タウン」を中央区・千代田区・港区・江東区で2月24日15時スタート

NearMe(ニアミー)は2月23日、タクシーの相乗り(略称「シェアタク」)解禁を受け、街中でも行きたいところまでドアツードアで移動できる「nearMe.Town」(ニアミー タウン)を2月24日15時からサービススタートすると発表した。東京都中央区・千代田区・港区・江東区の4エリアで展開する。

利用希望者は、ニアミー タウンの登録サイトにおいて、NearMe公式LINEアカウントの友達追加を行い、アンケートに回答すると受け取れる招待メッセージから参加できる。

乗車前日の18時までに予約するシステムのため、24日から予約開始で25日から乗車が可能となる。運行時間は7~22時(降車時間)まで。1乗車あたりの可能人数は5名、1組あたりの最大人数は4名。発着点は展開する都内4区の全域。料金は国土交通省からの相乗り通達内容に沿って算出される。

nearMe.Town(ニアミー タウン)詳細

  • 予約開始日:2022年2月24日15時から
  • 乗車可能日:2月25日から(乗車前日の18時までに予約)
  • 利用方法登録サイトにおいてNearMe公式LINEアカウントを友だち追加し、簡単なアンケートに回答。その後、随時送られる招待メッセージから参加
  • 運行時間:朝7時(乗車)から夜22時(降車)まで
  • 1乗車あたりの乗車可能人数:5名
  • 1組あたりの最大人数:4名
  • 発着点:東京都内4区(中央区、千代田区、港区、江東区)の全域
  • 料金:相乗り通達内容に沿って料金を算出

同サービスは、国土交通省が発表した、2021年11月1日運用開始の一般乗用旅客自動車運送事業における相乗り旅客の運送を受けたもの(一般乗用旅客自動車運送事業における相乗り旅客の運送の取扱いについて)。これにより、配車アプリなどを介して、目的地の近い乗客・旅客同士を運送開始前にマッチングさせて運送するという、シェアタクが可能となっている。

同社は、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献する「瞬間マッチング」プラットフォーム作りを目指し、まずはMaaS領域において、主に空港と都市をドアツードアで結ぶオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)を2019年8月から展開。すでに全国11空港に拡大しており、その実績を基に独自開発のAIを発展させ、同乗者同士のルーティングの最適化を行ってきた。

NearMe代表取締役社長の髙原幸一郎氏は、今回の相乗り解禁を心待ちにしていたとして、「ニアミーはタクシーをシェアするドアツードア移動で電車・バス・単独のタクシー乗車に次ぐ『第4の公共交通機関』を目指しています」と述べている。

なお同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

電脳交通の配車システムをてだこモビリティサービスが採用、乗合機能でワクチン接種者の無料移動サービスを運行管理

てだこモビリティサービスは6月14日、電脳交通の配車システムを導入し、乗合機能を活用した医療機関へのワクチン接種者移動サービスの運行管理を開始したと発表した。

沖縄県浦添市では5月8日以降、デマンド型コミュニティバス「うらちゃんmini」を利用して新型コロナウイルスワクチンの接種会場まで接種者を無料で移送するサービスを提供していたが、準備期間の短さと従来の運行形態との違いから運行管理がアナログ管理となっていたという。業務負担が大きいだけでなく、現場ドライバーへの指示においてもヒューマンエラー発生確率の高さが課題となっていた。

また、ワクチン接種のための乗合サービスは別々の場所で接種者が乗車し、複数の医療機関へ移動する必要があるためルート設計が複雑になり、運行管理の観点においても課題があった。

今回採用された電脳交通のクラウド型タクシー配車システムは、乗車依頼を受けたオペレーターがシステム上でワクチン接種者の乗車位置と乗車順を設定するだけで、ドライバーの端末に順序およびルートが送られる。これで配車指示とサービス提供にかかる設定や手間が飛躍的に軽減され、業務効率および移動効率の大幅改善が見込まれるとしている。

電脳交通の近藤洋祐代表取締役社長は今回のサービス開始に関して、「これからも有事の際に地域交通が必要とするシステム・サービスを提供できる企業として、全国のタクシー事業者さまの要望を実現できるよう取り組んでまいります」と述べている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:新型コロナウイルス(用語)電脳交通(企業)配車サービス / ライドシェア(用語)タクシーワクチン(用語)日本(国・地域)

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通は、タクシー事業者向けのクラウド型タクシー配車システム「電脳交通」が、新たに奈良県、滋賀県、鳥取県のタクシー事業者に導入され、2021年6月時点で導入エリアが35都道府県を突破したと発表した。

これらのエリアで「電脳交通」を導入した業者は、滋賀エムケイ(滋賀県)、井村輸送(奈良県)、皆生タクシー(鳥取県)、港タクシー(鳥取県)ほか。

電脳交通は、「初期費用の安さ」「タクシー事業者目線で年間数100回の機能進化を行う拡張性」「シンプルで多機能な画面構成と操作性の高さ」「配車拠点の統合も可能な効率性」などを特色に掲げるサービス。「タクシーの配車ルール最適化や適切な経路を瞬時に表示できる機能」などにより業務の効率化と低コスト化が図られる。自動日報作成機能、配車データの解析から売上増減の要因を特定する機能なども提供する。また、月5回ペースでシステムがアップデートされるため、それらの機能が古くなることがないとのこと。

同社では、「毎年200〜300%のペースで成長し続けております」と話している。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:電脳交通(企業)配車サービス / ライドシェア(用語)日本(国・地域)

都内から成田空港まで一律4000円弱、NearMeの相乗りシャトルバスが運行開始

タクシー相乗りアプリ「nearMe.」(ニアミー)を提供するNearMeは8月27日、東京都区内から成田空港までの相乗りシャトルバスサービスを開始した。乗車地は、新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区にあるホテルに限られるが、料金は成田空港までの距離に関係なく一律3980円となる。

同社がiOSとAndoridに提供中のnearMe.は、目的地が同じ方向の利用者を専用のスマートフォンアプリでマッチングして相乗りを実現するサービス。nearMe.を使った場合、通常のタクシー料金よりも20〜40%安くなるのが特徴だ。

複数の利用者が降車時にタクシー料金をその都度支払う相乗りは法律では認めらていないが、nearMe.では最終目的地に向かう利用者のみがタクシー料金を払うため、タクシー会社側からは単一の運送契約となるため合法だ。途中下車の利用者はアプリ上で最終目的地に向かう利用者に対してタクシー料金を清算できる。

同社は、利用者同士をマッチングしたあとに、複数人をピックアップしてそれぞれの降車地までの最適ルートを算出する独自の技術を有しており、本日からスタートした成田空港までの相乗りシャトルバスにはこの技術が生かされている。

相乗りシャトルバスサービスは日本語、英語の2カ国語対応で、今後は5カ国対応を進めるとのこと。シャトルバスを頼むには、乗車地のホテルを指定後、成田空港から搭乗する飛行機の便名を入力すればいい。成田空港ではもちろん、第1、第2、第3ターミナルのいずれかの場所で降車できる。シャトルバスの定員は9名。

都内から成田空港までの定額タクシーは、1.6万〜2.3万円。成田空港に近い都区内東部からの乗車が安く、成田空港から遠く北西部からの乗車は高くなる。NearMeの相乗りシャトルは、乗車地が都内9区に限られるが、料金は一律3980円と定額タクシーの4分の1以下の料金で利用できるのが強みだ。

朝夕のラッシュの時間帯に空港へ電車で移動するのは非常に疲れる。荷物が多いとなおさらで、時間に余裕があればリムジンバスやタクシーを利用するのが快適だ。しかし、リムジンバスはかなりの余裕を持たせて運行するため、空港に到着するのが電車に比べてどうしても遅くなる。定時運行のため、搭乗する便によっては空港ロビーで長時間待つ必要も出てくる。前述のようにタクシーは料金が非常に高額になるため、経費精算できないと利用しづらい。相乗りシャトルバスは、電車とリムジンバスの間を埋める効率的な移動手段として注目のサービスだ。

カリフォルニア州がWaymoに自動運転タクシーによる乗客輸送を許可

Googleの社内ベンチャーとしてスタートしたWaymoだが、現在はAlphabet傘下の独立の企業に成長し、収益化を目指している。TechchCrunchは同社がこのほどカリフォルニア州当局から自動運転タクシーで実際に乗客を運ぶ許可を受けたというニュースをつかんだ。これはWaymoが商用サービスを実現する上で画期的な出来事だ。

米国時間7月2日にカリフォルニア州公共サービス委員会(CPUCは、州の実験的プログラムである自動運転車乗客サービスにWaymoが参加することを許可した。同社もこれを確認し、広報担当者はこの許可の意義と同社の目指すところについて次のようにコメントした。

CPUCの決定により、我々はこのパイロットプログラムに参加できることとなった。社員はサウスベイ地区内でWaymoの自動運転車によるタクシー業務を実施し、乗客を運ぶことができる。Waymoの自動運転テクノロジーへのアクセスをさらに多数のカリフォルニア住民に普及するという目標に向けての次のステップが実現した。当社はすでにアリゾナ州フェニックス地区でWaymo Oneによってこうしたサービスを提供している。

CPUCから得た許可は、すでにカリフォルニア州自動車局から受けている許可とは異なる。こちらは自動運転車を州内公道でテストすることを許可するもので、60社がこの許可を得ている。

今回得たのはWaymoが自社の自動運転車(現在はChrysler Pacificaハイブリッド、今後はJaguar I-PACE電動車)を用いて乗客を輸送する許可だ。ただしいくつかの制限が課せられる。料金を得ることはできないし、安全を確保するために人間のドライバーが運転席にいることを必要とする。また乗客を乗せて走行した距離や安全措置などの詳細をCPUCに報告しなければならない。

また安全ドライバーは自社の社員でなければならないという条項に関して、CPUCはWaymoが申請していた適用除外を承認した。これにより同社はサードパーティーに安全ドライバーの派遣を委託できる。この点についてWaymoは「安全ドライバーの一部は自社の正社員が加わるが、Waymoが計画しているような実験の規模の場合、非常に多数の安全ドライバーが必要となる。これは自動運転車の安全確保に専門化し高度なノウハウを持つサードパーティーと契約することによって効率的に実現できる」と申請書で述べている。

Waymoは安全ドライバーは全員が同社独自のトレーニングプログラムを受講すると述べた。

自動運転車によるタクシー業務の実験に参加する許可を得たのはWaymoが初めてではない。昨年12月にZooxが最初の許可を受けた後、Pony.ai、AutoXも参加が認められた。

Waymoはカリフォルニア州で長年自動運転車を実験してきた。ただしタクシー業務の実験を始めたのはアリゾナ州だった。これはカリフォルニアに比べて許可を受けなければらない規制の数が少なかったからだ。

Waymoは自動運転車に関する技術センターをアリゾナ州チャンドラーに設け、2016年以来テストを繰り返している。その後Waymoは自動運転タクシー業務の商用化に向けてテストを前進させ、2017年4月には実際に乗客を運ぶテストを開始した。これにより実験の幅が大きく広がった。

昨年12月にアリゾナ州フェニックス地区で開始されたWaymo Oneは商用タクシーサービスの実験で、乗客に料金を請求できる。ただし依然としてWaymoで訓練された安全ドライバーの乗務を必要とする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Audi, Italdesign, Airbusの三社が自動運転飛行タクシーを設計し実動プロトタイプをテスト

ドイツの自動車メーカーAudi, ヨーロッパの航空機メーカーAirbus, そして自動車専門のイタリアのデザイン企業Italdesignの三社が、火曜日(米国時間11/27)に、彼らの未来のビジョンの縮尺バージョンをプレゼンした。それは、タクシーを自動運転電気自動車から外して、目的地へ飛び去っていくドローンだ。

三社は、アムステルダムで行われたDrone Weekで火曜日に、その空飛ぶタクシーのコンセプトを披露した。

そのデモのさまざまな段階を、下のビデオで見ることができる。

正確に言うと、三社が見せた“Pop.Up Next”は実物の1/4サイズの実動プロトタイプで、小さすぎて人間は乗れない。

しかしそれでも、彼らは将来に関して楽観的で、10年後には実用供用される、という。

“空飛ぶタクシーはもうすぐ実用化される。Audiでわれわれはそれを確信している”、とAudiの部品調達とIT担当取締役で、Audiの子会社Italdesignの社長Dr. Bernd Martensが声明で言っている。“ますます多くの人びとが都市へ移り住み、そして自動化によってますます多くの人びとが都市内移動をするようになる。未来には、高齢者や子どもたち、そして運転免許証のない人たちが、便利なロボットタクシーを使おうとするだろう。それらのトラフィック(交通量)を、道路と空域の両方にスマートに割り当てることに成功したら、人間と都市の両方が大きな福利を得るだろう”。

AudiはYouTubeのビデオで、空飛ぶタクシーの供用開始は次の10年以内に十分可能、と言っている。

そのときに備えてAudiは、Airbusの子会社Voomの協力により、オンデマンドフライトサービスのあるべき形をテストしている。メキシコシティやサンパウロでは顧客がヘリコプターのフライトを予約できるが、そのときAudiがヘリポートと自宅などとの間の交通機関を担当する。

“このような実用サービスを実施することによって、顧客のニーズをよりよく理解できる。未来には空飛ぶタクシーがさまざまな都市住民にアピールしなければならない。われわれのPop.Up Nextでわれわれは、技術的に可能なことと、顧客のニーズの両方を探求している。次のステップは、フルサイズのプロトタイプの試験飛行と運用だ”、とMartensは言っている。

Audiは、インゴルシュタットの飛行タクシープロジェクトUrban Air Mobilityも支援している。これは、Audiの敷地で行なう飛行タクシーの運用試験の、準備のための企画だ。

画像クレジット: Audi

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

耳の可処分時間を獲りに行く図書館タクシーのチャレンジ

IMG_0342.JPGオトバンク日本交通は10月26日、タクシー内でオーディオブックを楽しめる「本のない図書館タクシー」の試験サービスを発表した。発表会には、オトバンクの久保田裕也社長(写真中央)と日本交通のメディア開発部でエグゼクティブプロデューサーを務める金 高恩氏(写真右)が登壇した。本日26日から専用ウェブサイトで乗車予約を受け付け、10月29日〜11月11日の期間限定で運行する。もちろん予約なしでの乗車も可能だ。

営業エリアは都内23区と三鷹市、武蔵野市。日本交通の金氏によると「試験サービス期間中は3台の図書館タクシーがこのエリアを走る。その内の1台はドライバーが書店員の衣装で出迎えてくれる特別仕様(ラッキータクシー仕様)になっている」とのこと(写真左)。

IMG_9179.JPGまた乗車すると「本のない図書館タクシー利用カード」がもれなくプレゼントされる。このカードには1000ポイント(1000円相当)のオーディオブックの利用クーポンが付いている。乗車時に気になったオーディオブックなどをあとで購入する際に利用できる。

専用ウェブサイトからは、乗車地と降車地、利用時刻などを入力して予約する仕組み。専用ウェブサイトから申し込んだ場合は抽選となるが、迎車料金やタクシー代は無料となる。予約なしでの乗車は通常のタクシー利用と同じで、タクシー代は自己負担だ。

オトバンクの久保田社長によると「タクシーの平均乗車時間は18分程度で、この時間に合わせたオーディオブックを30作品ほど用意した」とのこと。そのため各オーディオブックは最初から内容を読まれるものではなく、ダイジェスト版になっているものが多い。

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図書館タクシー内部には、オーディオブック専用タブレットが1台と特製クッションが2つ置かれている。乗客は、ドライバーからタブレットを受け取り、好きなオーディオブックを選んで再生すればいい。オーディオブックの音声は専用タブレットのスピーカーからの出力となる。

テレビやスマホなど視覚中心の可処分時間の奪い合いは激化しているが、「タクシー内のスキマ時間に耳の可処分時間を獲りにいきたい」と久保田氏。オーディオブックは2017年上期と比べると2018年上期には会員数が3倍に伸びており、年内に50万人を突破する勢いだという。「読書離れが叫ばれいる現在、オーディオブックをきっかけに読書を楽しむ人を増やしたい」とのことだ。

中国のDidi Chuxingが10社対象のタクシー呼び出しサービスを日本で展開

中国のDidi Chuxingは自分の国で火消しに追われているが、海外では新しい市場を開拓中で、今度日本ではタクシーの予約サービスを始めることになった。

すでに人口900万の都市大阪と関西国際空港などの周辺地区でサービスを開始しており、そのDidi Japanは乗客を地元のタクシー会社10社のドライバーとリンクする。Didiによるとそれは、AIを利用する配車と車両管理システムにより効率を上げている。

時価総額560億ドルのDidiは、SoftBankとのパートナーシップにより日本に進出した。SoftBankはもちろん、他の投資家たちと共に同社に投資もしている。Didiによると、今後は京都、福岡、東京などの大都市にサービスを拡張する計画だ。

同社のサービスはライセンスを持つタクシーに限定され、私有の車のライドシェアは日本では禁じられている。しかし日本では、従来型のタクシーがビッグビジネスである。売上(取引総額)は130億ドルで、世界第三位のタクシー市場だ。タクシー免許車両はおよそ24万台ある。

Uberも日本で似たようなタクシーサービスを試みているが、この分野はもっと大きな選手がいる。

JapanTaxiは、川鍋一朗が経営するライドシェアスタートアップで、彼は日本最大のタクシー会社日本交通のトップであり、タクシー企業の全国団体全タク連の会長でもある。JapanTaxi株式会社は、最近の6900万ドルの投資ラウンドでトヨタがリード投資家になるなど、ビッグネームの支援者がいる。

さらにまた、人気のメッセージングアプリLineがライドシェアを初めており、そしてアメリカ市場でUberのライバルであるLyftが、日本進出を検討している

Didiは、旅行者と地元民の両方に訴求することによって競合に抜きん出ることをねらっている。日本を訪れる観光客の関心を引くために、外国(中国、メキシコ、オーストラリア、香港、台湾など)のDidiアプリのユーザーが日本の通常のDidiアプリを使える“ローミングパスポート”という機能を作り出した。

SoftBankとDidiは2月に合弁事業を発表したから、日本進出はそのときから匂っていた。そしてこれは、Didiが今年行なう5つ目の拡張だ。同社は昨年末に40億ドルの資金を調達し、その資金をAIと同社のコアテクノロジー、および国際市場に投入した。

Didiのグローバル展開は、ブレーキを踏むことなく着実に行われている。メキシコオーストラリアには支社の形で進出し、またブラジルではユーザーのライバル99を10億ドルで買収、そして台湾はフランチャイズ方式で進出した。そのほか、投資や株式保有の形でのグローバル化もある。それらは、アメリカではUber、インドではOla、東南アジアではGrab、中東ではCareem、そしてヨーロッパとアフリカではTaxifyなどなどだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uberとは違う、日本らしいやり方でタクシーを変えるーー楽天子会社の元CEOが手がける相乗りアプリ

写真左よりNearMe代表取締役の高原幸一郎氏、同CTOの細田謙二氏

郊外の地域では、終電後のタクシー乗り場に長蛇の列ができることが多い。なんとか終電で最寄り駅まで辿り着いたのはよいものの、もうすでに最終バスもない。そんな人は自分だけじゃないから、タクシーを求めて長い列ができるのだ。

海外にはUberがあり、自分がどこにいてもUberドライバーを気軽に呼ぶことができる。向かう方角が同じ他のユーザーとライドシェアして、運賃を浮かすこともできる。でも、日本ではいわゆる「白タク」は違法行為であり、海外でUberを経験したTechCrunch Japan読者のみなさんは「日本はまだまだ」と悔しい思いをしたこともあるだろう。

そんななか、白タクとは違うやり方でこの課題を解決しようとするスタートアップがいる。ニッセイ・キャピタルのアクセラレーションプログラム「50M」の“特待生”として5000万円の資金調達を実施し、本日6月25日にタクシー相乗りアプリ「 nearMe.(ニアミー)」を東京エリアで先行リリースしたNearMeだ。

同じ方角に向かうユーザーをマッチング

先ほどUberの名前を挙げたばかりの僕が言うのもなんだけれど、Uberの仕組みを理解している人は、まず頭をまっさらにしてほしい。nearMeはUberとはまったくの別物だからだ。nearMeは自社でタクシードライバーを抱えていないし、指定されたポイントにタクシーを配車することもない。彼らがやるのは、同じ方角に向かうユーザー同士をマッチングすることだけだ。

ユーザーはまず、nearMeのアプリを開いて目的地を入力する。すると、自分の近くにいて、かつ同じ方角に向かう“相乗り候補”と、その人と相乗りする場合のルート、相乗り運賃がアプリに表示される。その条件にユーザーが納得した場合、アプリ内のチャット/音声通話機能でマッチングした相手とコミュニケーションをとり、相乗りするための待ち合わせをするという流れだ。待ち合わせと言っても、そこにタクシーが配車されるわけではなく、ユーザーは自分でタクシーをつかまえる必要がある。

ユーザー間の清算は以下のようになる。まず、タクシーを最後に降りる人(ライドリーダー)は通常通りタクシーの運転手に運賃を支払う。その一方、途中で降りる人(ライドメンバー)はアプリに登録したクレジットカードを通してマッチング時に表示された“相乗り運賃”をライドリーダーに支払う。その後、ライドリーダーの銀行口座に相乗り運賃が入金される仕組みだ。もちろん、相乗りなのでユーザーは1人で乗車したときよりもお得にタクシーを利用できる。

ただ、注意すべきなのは、この時にライドメンバーがライドリーダーに支払う金額は、実費ベースで計算したものではなく、相乗りする前に表示された想定運賃だということ。つまり、タクシーが実際に走ったルートによっては事前に想定した相乗り運賃と実際の運賃のあいだに多少のズレが生じてしまう。

Uberとは違う、日本らしいやり方

今お伝えしたように、ユーザーが自分自身でタクシーをつかまえなければならなかったり、想定金額と実際の運賃とのあいだに多少のズレが生じる可能性があるなど、nearMeにはスマートじゃない部分もたくさんある。でも、それは日本の規制をクリアして、かつスケーラブルにビジネスを拡大するために彼らがあえて採用した戦略でもある。

まず、日本では白タク行為は禁止されているから、Uberのように自社でドライバーを抱え込んでタクシーサービスを提供することはできない。では、既存のタクシー業界と組んで相乗りサービスを展開するのはどうか。そうすれば、ユーザーの位置情報をもとにタクシーを配車することもできるし、支払いシステムも現状よりスマートになるだろう。

しかし、それも将来的なスケーラビリティを考えると微妙な選択肢となってしまう。国土交通省の調べによれば、全国のタクシー車両台数の合計は約23万台(平成28年時点)。その一方、タクシー大手の第一産業交通が抱える車両台数は約8400台であることからも分かるように、日本では1つのタクシー会社が持つ市場シェアは極めて小さい。

このような背景もあり、ある特定のタクシー会社と手を組んでサービスを提供しようとすれば、マッチしても利用できるタクシーが限られるなど、ユーザーの利便性を損ねてしまう。かといって、スタートアップであるNearMeが群雄割拠のタクシー業界を1つに束ねるプラットフォームを構築するのは至難の業だ。だからこそ同社は、タクシー業界との正式なパートナーシップを必要とせず、最初からどんなタクシー会社にも対応する現在のビジネスモデルを選択したのだ。

楽天グループのケンコーコム執行役員、同じくグループ会社の仏Aquafadas CEOなどを歴任したNearMe代表取締役の高原幸一郎氏は、nearMeが既存のタクシーサービスを補完する存在になり得ると主張する。「相乗りという選択肢なければ、タクシーを利用することを諦めていた人がいるはず。タクシーの実車率(全体の走行距離のうち、乗客をのせて走行した距離)は40%代と言われるなか、そのようなユーザーをタクシー会社に送客できるという意味で、nearMeとタクシー会社は協力する関係になれるはずだ」(高原氏)

タクシーという日本の既存資産を利用し、ライドシェアとは異なる方法で新しい移動方法を実現することを目指すNearMeはまず、終電と終バスの時間に開きがあり、タクシー乗り場に列ができやすい地域などに的を絞って局地的にPR活動を展開。その後は随時利用地域を拡大していく構えだ。

DeNAがタクシー配車アプリ「タクベル」を横浜・川崎で提供開始、AI活用の需要予測システムも予定

DeNAは4月19日、神奈川県タクシー協会と共同でAI活用のタクシー配車アプリ「タクベル」の提供を横浜・川崎エリアにて開始した。

今後対象エリアを順次拡大する予定で、まずは今夏から神奈川県全域で展開を始める。タクベルは神奈川県タクシー協会の推奨アプリに採択。神奈川県内の約半数のタクシー事業者の導入が決定しているという。

タクベルは全車両でネット決済に対応したタクシー配車アプリ。予想到着時間を確認した上で配車依頼ができるほか、周辺を走る空車タクシーの情報をリアルタイムに把握したい際にも活用できる。乗務員とのメッセージ機能や、双方が現在地を確認できる機能も搭載。事前のカード決済にも対応し、スムーズな乗車体験を提供する。

事業者横断で配車依頼ができ、特定のタクシー会社を指定することも可能だ。

タクベルにはAIを活用した需要予測システムも導入する予定。このシステムでは走行位置や車速など「運行中のタクシー車両から収集するデータ」と、気象や公共交通機関の運行状況、イベントなど「タクシー需要に関連する各種データ」を解析。乗務員へリアルタイムかつ個別に走行ルートを推薦する。

以前TechCrunchでも紹介したように、2017年9月から10月まで横浜市の一部地域にて実証実験を実施。単に需要を予測するだけでなく、周囲の空車車両の状況なども加味した上で流し営業での走行ルートを提案するなど、実験の結果を踏まえた機能改善を行っていくという。

今後はこの「流し走行ルートの車両個別推薦」の実用実験を2018年に実施する予定。2019年には新人乗務員でもすぐに平均以上の収益があげられる状況の実現を目標に掲げる。機能面では駅からの乗車が中心となるエリアへの需要予測システム、供給最適化機能の追加を予定。

DeNAでは「『タクベル』は、2018年秋以降の全国展開を目指し、2020年には配車回数国内ナンバーワンを目指します。また、タクシー会社との連携を強化し、労働力不足などのタクシー会社が抱える課題の解決に貢献していきます」としている。

2018年は国内でもタクシー×テクノロジー領域のニュースが多い。AIを活用した需要予測についても、3月に「全国タクシー」を提供するJapanTaxiがトヨタ、KDDI、アクセンチュアと共同でシステムの開発、都内での試験導入を開始した。またソニーもタクシー会社6社とタッグを組み、配車サービスを展開する新会社を2018年春に設立する方針を発表。需要予測などにAI技術を活用するとしている。

JapanTaxiとフリークアウトが進める“新世代タクシー広告”「Tokyo Prime」が全国展開、決済機能付き新端末も

2018年に入ってから、国内タクシー業界の競争が激化している。

日本交通の子会社で、国内ではトップシェアを誇るタクシー配車アプリ「全国タクシー」運営元のJapanTaxiが2月にトヨタから75億円未来創生ファンドから10.5億円の資金調達を実施。タクシー向けのコネクティッド端末や配車支援システムの共同開発など、今後のチャレンジを明らかにした。

競合他社も黙ってはいない。中国を中心に配車アプリを展開する滴滴出行(DiDi)はソフトバンクとの協業を発表。Uberも第一交通と提携の協議を進めているし、ソニーがタクシー会社6社と組んでAIを使った配車サービスに取り組むことも明らかになった。

ユーザーにとってみれば、健全な競争によって少しでも日本のタクシーが使いやすくなることを期待したいところであろう。

利便性という観点では、配車だけではなく車内の設備やサービスも含めた「乗車中の体験」も重要だ。この「タクシーの乗車体験の向上」というチャレンジに、タブレット端末と広告という観点から取り組んでいる企業がある。JapanTaxiとフリークアウト・ホールディングスの合弁会社として2016年に設立されたIRISだ。

同社が展開するのはタクシー搭載のデジタルサイネージ「Tokyo Prime」。これまで都心を走る日本交通のタクシー4500台に端末を設置、動画広告を配信してきたが、2018年6月より日本交通以外の車両も対象に全国展開を開始する。

2020年までに5万台のネットワークを目指す

IRISが手がけるTokyo Primeについては、会社設立時にTechCrunch Japanでも詳しく紹介している。従来は「コンプレックス商材」が多かったタクシー広告。その概念を変え、都心でタクシーを利用する高所得者層をターゲットにした「プレミアム動画広告」を2016年にスタートした。

同社取締役COOの飽浦尚氏によると、立ち上げ当時は従来のイメージもあって顧客の開拓に苦労したそう。流れが変わったのは、トヨタが父の日キャンペーン(「Loving Eyes – Toyota Safety Sense」はSNSでも話題となった)の広告を出向したタイミングだ。これをきっかけに大手企業からの引き合いも増加。2017年9月以降は満稿状態が続き、10~12月の販売額は前年比で14.4倍に成長しているという。

「最初は(車内の広告について)邪魔くさいだけでは?という意見も周りからはあった。ただ実際にやってみると反響が大きく、ユーザーにもきちんと見てもらえるという手応えを感じている」(飽浦氏)

すでに述べたように、IRISでは6月から「日本交通のタクシー」「都内」という枠を超えて、Tokyo Primeの全国展開を始める。3月9日の時点で7都道府県、約1.5万台のタクシーへ端末の導入予定があり、2020年末までに合計5万台のネットワークを目指すという。

飽浦氏の話では、全国展開を通じて実現できることが大きく2つあるそうだ。1つは広告の観点で、(広告主にとって)リーチできる層が全国に広がるということ。もう1つは(ユーザーにとって)地方のタクシーの利便性向上だ。

Tokyo Primeでは主にナショナルクライアントの利用を見込んでいるため、全国規模で商品展開をしたい広告主にとってはより魅力的な広告商材になりえる。これはシンプルな話かもしれない。

一方で、地方のタクシーがより使いやすくなるという点についてはどういうことか。「(IRISの端末を導入することで)広告を流すだけではなく、アプリを通じた決済にも対応できる。決済端末として期待してもらっている側面も強い」(飽浦氏)

同社の端末を導入すると全国タクシーアプリ内の「JapanTaxi Wallet」機能だけでなく、スマホ決済サービス「Origami Pay」や「Alipay」からQRコードを用いてスムーズに代金を支払えるようになる。

開発中の新端末スクリーンの右側がカードリーダー

地方のタクシーに乗った際に、クレジットカードで支払いができなくて焦った経験のある人もいるかもしれない。対応できた方がいいことはわかっていても、決済端末の価格や決済手数料がネックとなって、地方にはカード決済を導入していないタクシー会社も多いという。

IRISの場合は端末の初期費用を抑えることに加えて、広告収益の一部をタクシー会社に分配(レベニューシェア)している点が特徴。まだ先の話にはなるかもしれないが、今後広告収益が増えれば「その収益で(端末導入費や決済手数料といった)コストを相殺できるようになるところまで目指したい」(飽浦氏)そうだ。

なお端末に関しては、これまで外部(レノボ)から調達していたものの、今後はオリジナルの新端末に変更。全国に展開していく予定だという。新端末はスクリーンの横にカードリーダーを搭載。クレジットカード決済やICカード決済にも対応する。また同時に、バッテリーを排除して車両から給電する。実はタクシーの車内というのは意外とハードな環境だ。毎日20時間ほど振動し、季節によっては温度上昇も大きい。これに耐えられる設計になっているという。

「決済機と戦うつもりはなく、新しい乗車体験を提供して、タクシーの全国の利用を変えていきたい。タクシー会社はこれまで決済費も通信費も手数料も、すべて『支払う側』だったが、広告での収入も得ることができる。さらに決済も、乗務員はタブレットで作業を見ているだけでいい。実は乗務員の高齢化は課題。日本交通では新卒を採用しているが、東京以外では厳しいところもある。機械に慣れていない乗務員が(新しい決済手段を)覚えるのも課題になっている」(IRIS代表取締役社長であり、JapanTaxiの取締役CMOでもある金高恩氏)

タクシー広告をデジタル広告に近づける

IRISでは全国展開に加えて、新たに2つの取り組みを始める。1つ目はGoogleが提供する「DoubleClick Bid Manager」から動画広告の買付をできるようにすること。つまり屋外・交通領域のタクシー広告をデジタル広告のようにオンライン上で買付、効果検証できるようにすることだ。

従来の屋外・交通広告では「表示回数やリーチ人数、購入人数などをログベースで計測できない」「データを活用した広告の出しわけや絞り込みができない」といった点が課題となってきた。

「たとえばFB広告と比べてどちらが良かったのかなど、デジタル広告と横並びで比較することができなかった。つまりROIがわかりづらく『(タクシー広告は)結局効果があったのか?』と言われる部分があった。(今回の取り組みにより)段階的にではあるが、デジタル広告のいいところを屋外広告にも取り入れられるようになる」(飽浦氏)

大手ブランドが最初の広告主としてすでに掲載を開始していて、今後本格的に拡大していく方針だ。

日経電子版の記事配信も

またもう1つの取り組みとして、4月2日よりTokyo Prime内で「日本経済新聞電子版」の新着記事をリアルタイムに近い状態で配信する。これは「タクシーの乗車体験を向上させたい」という同社の目的を考えると、もっともわかりやすい取り組みかもしれない。

現在Tokyo Primeではのべリーチ人数が月間で300万人を超えるが、その半数以上は都内勤務のビジネスパーソン。日経新聞を普段チェックしている人も多いだろうから相性はいいはずだ。

日経電子版がデジタル・サイネージに記事を提供するのは本件が初めてとのこと。Tokyo Prime内で配信される日経電子版の新着記事への広告掲載も4月2日週より開始するという。

全国展開、オンライン上での広告買付と効果測定、日経電子版記事の提供——。これらの取り組みを通じてIRISが目指すのは「タクシーの乗車体験を全国規模で変えていく」(金氏)こと。

加えて、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語への対応や、音声、パネルタップ操作による翻訳通訳機能なども予定中。こちらは都内を拠点にする日本交通のタクシー100〜200台でテストを行うという。

「タクシー業界としてもこれまで乗車体験の向上にはずっと取り組んできたが、もっと改善できる部分もある。毎回の決済を楽にしたり役に立つコンテンツを届けたり、タブレットは(ユーザーの)乗車体験を良くすることに活用できる。普段からタクシーを利用する国内のユーザーだけでなく、これから増えるインバウンドのユーザーにもいい体験を提供できるように取り組んでいきたい」(金氏)

DeNAからタクシー配車アプリが登場——横浜の限定エリアで実用実験、AI活用で需給予測も

自動運転バスや宅配便の自動運転プロジェクト「ロボネコヤマト」など、自動車関連テクノロジーの開発にも積極的に乗り出しているDeNA。2017年1月には「ロボットタクシー」をともに手がけていたZMPとの業務提携を解消したものの、同時に日産と自動運転車両の交通サービスのプラットフォーム開発を発表しており、自動車に関するサービスやソリューションを提供する事業を進めている。

そのDeNAが、今度はAIを活用したタクシーの配車アプリ「タクベル」の実用実験を開始する。この実験は横浜市と神奈川県タクシー協会との協力によるもので、横浜市の中区、西区およびJR横浜線沿線の東神奈川~長津田周辺の限定エリアを対象に、9月12日から10月31日まで実施される。実験中は、専用端末を搭載したタクシー約200台(1日に走行する車両は100台程度)が走行。DeNAは、神奈川県内では2018年1月以降での実用化を目指しており、神奈川県以外の地域へも順次導入を進めたい考えだ。

タクシーの配車アプリといえば、日本交通の子会社JapanTaxiが提供する「全国タクシー」が先行している分野だ。全国タクシーは6月の時点で、ダウンロード数が300万件を突破。エリアは47都道府県をカバーし、全国のタクシー台数の5分の1以上に対応している。また決済手段も増えていて、事前のネット決済のほかに、ウォレット機能による乗車中の支払いも可能だ。

後発となるタクベルでは、指定場所へのタクシーの配車依頼や、周辺を走行中のタクシーを表示する機能など、既存の配車アプリに搭載されている機能に加え、迎車地点で乗客と乗務員が効率よく出会えるよう、お互いの現在地を確認できる機能や、定型メッセージを送り合える機能が備わっている。決済は事前に登録したクレジットカードを利用するネット決済と車内決済を選択することが可能だ。

さらに、タクベルではAIを活用した「需給予測システム」が導入される予定だ。この需給予測システムは、運行中の車両から収集するビッグデータと、タクシー需要に関連する各種データを解析し、乗務員にリアルタイムに需給予測情報を提供するという。

タクベルは、iOSのみでの提供を予定。9月12日16時以降、こちらからアプリのダウンロードが可能になる。ダウンロードは無料。

DeNAでは、タクベルの提供により「将来的にはタクシーと乗客のマッチングを効率化し、乗りたい時により早くタクシーが見つかる環境を目指す」「タクシーの新たな需要を掘り起こすことにより、更なる深刻化が想定されるタクシー乗務員の労働力不足の課題解決に貢献したい」としている。

乗合いタクシーの最適ルートをAIで自動計算、NTTドコモと未来シェアが共同開発へ

タクシードライバーは、長年の経験と勘を頼りに乗客を探しているだろう。しかしそう遠くない未来には、人工知能が乗客のいる場所を予測し、最適な運行ルートを提案するようになるようだ。本日NTTドコモは未来シェアと「AI運行バス」の実現にむけた共同開発を行うと発表した。交通事業者が運行する「AI運行バス」では、AIが事前に移動需要、時間、乗車人数を予測し、それに応じて最適な走行ルートや配車数を決定するという。

未来シェアは公共交通や移動をスマート化するSAV(Smart Access Vehicle)技術の実用化を目指し、公立はこだて未来大学から2016年7月に発足した大学発ベンチャーだ。彼らが手がけるSAVは、同じ方角に向かう乗客をバスのように複数人乗せ、それぞれを目的地まで送り届けるためのシステムだ。乗客が専用アプリで乗車位置と降車位置を指定すると、ドライバーはアプリで迎車と行き先、運行ルートなどの指令を受け取る。この仕組みは、タクシー配車サービスUberが提供するuberPOOLのライドシェアと似ている。

一方、NTTドコモでは以前よりタクシーの移動需要予測技術の開発に着手している。2016年5月には、東京無線協同組合、富士通、富士通テンと協力して、リアルタイムでの「移動需要予測技術」の商用化を目指した実証実験を開始すると発表した。この技術では、ドコモの携帯電話ネットワークから得られるエリア毎、属性毎の集団の人数といった人口統計と東京無線が持つタクシーの運行データ、時間や季節での変動傾向、エリア特性を組み合わせて解析することで、30分後のタクシー需要を予測する。

今回NTTドコモと未来シェアが協力し、互いの持つノウハウを組み合わせることで、2018年度中にも「AI運行バス」によるモビリティサービスプラットフォームの実現を目指すという。2016年12月には、NTTドコモが主催したデマンド乗合い車両の実証実験に未来シェアも参加し、東京お台場での実証実験を行っている。

お台場での実証実験:SAVドライバーの走行ルート

NTTドコモは今回の共同開発について以下のようにリリースでコメントしている。

「AI運行バス」の提供を通じ、交通事業者利用者の更なる利便性の向上や交通サービス事業者の高効率な経営の一助となる「技術」「ノウハウ」を確立することにより、社会課題である「少子高齢化」「人口減少」から生じる交通課題の解決に貢献してまいります。

今のところ、この「AI運行バス」は人間のドライバーに対して最適な運行データを提供することを想定しているようだ。けれど、グーグルやテスラをはじめ、各自動車会社が研究を進めている自動運転車にも組み込まれる日が来るのもそう遠くないかもしれない。

ホンダが東南アジアのタクシー配車サービスGrabに投資

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東南アジアのGrabはライドシェアサービスUberの競合だ。Grabは今回、ホンダから戦略投資を受けたことを発表した。金額は非公開だ。

Grabは今年の9月、ソフトバンクが率いるラウンドで7億5000万ドルを調達している。評価額は30億ドルだった。それでもさらに投資家を追加したいようだ。今回の調達は巨額だったシリーズFラウンドに付随する2回目の追加調達だ。今月はすでに金融サービスの東京センチュリーから、金額は非公開だが追加調達を行っている。Grabの投資家リストの中でもホンダは有名どころだ。今のところ、両社がどのように協力し、事業を進めるかは示されていない。ただ、まず注力するのはバイク事業だという。

Grabについて少し説明すると、Grabは東南アジアの6カ国で個人の車や免許を持つタクシーと共にバイクタクシーも配車するサービスだ。そのため、世界で最もバイクを販売しているホンダは大きな役割を担うことができるだろう。ただ、Grabは現時点でバイクタクシー配車サービス「GrabBike」をGrabが展開するすべての地域で展開しているわけではない。

「ドライバーへのバイク販売も含め、協力できる複数の分野について話し合いをしています」とGrabのスポークスマンはTechCrunchに話す。ホンダとはまず情報通信技術や安全設備の拡充に注力するという。その後、Grabの4輪自動車事業でも協力することも検討するそうだ。

プレスリリースにはホンダとGrabは「GrabBikeのドライバーやライダーにとって有益となる施策に協力して取り組む」とあったが、それ以上の情報を得ることができた。

GrabにとってUberは明らかな競合だが、Grabはインドネシア市場に重点を置いている。インドネシアではGo-Jekという最近13億ドルの評価を得たスタートアップが成長するバイクタクシー市場をリードしている。1000万人の人口を抱え、渋滞の多いインドネシアの首都ジャカルタを訪れたことがあるなら、A地点からB地点まで行くにはタクシーよりバイクの方が断然早いというのが分かる。それを念頭に置くと、ホンダとの協力によりGrabは東南アジア最大の経済圏であり、世界で5番目に人口の多いインドネシアで先を進むGo-Jekからシェアを取る方法を考えているのだろう。

ホンダの投資も東京センチュリーとのアライアンスと同様に、以前ソフトバンクで役員を務めた経験を持ち、10月にGrabの社長に就任したMing Maaが決めた話のようだ。Maaは案件を決めるのと同時に、Grabを去るCFOの仕事を引き継ぎGrabの財務管理も担っている。彼のソフトバンクでの経歴とGrabには上場によるエグジットができるポテンシャルがあるのを考えると、彼の役回りは興味深い。Grabはこうした話をしてこなかったが、Grabは2017年に本拠地のシンガポール、あるいは他の市場で新規上場するダークホースとなるかもしれない。

Grabは東南アジアの6カ国、34都市でサービスを展開している。2400万アプリダウンロードがあり、50万人以上のドライバーの登録があるという。Uberはこの地域のデータは開示していない。またGo-Jekがサービスを展開している地域はインドネシアのみだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Lyftで経路指定が可能に

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Lyftは利用者にマルチストップの提供を始めた。これによって利用者は2点間の経路に目的地を追加することができる。理由は単純だ:より多くのユーザー、特に都市生活者たちが、車を所有する代わりに相乗りとオンデマンドサービスを選び始めているからだ。色々な場所を回って欲しい時に、どのような経路を使うかについての柔軟性が求められることは想像しやすい。

経路の追加は簡単だ:乗車をリクエストする際に最初の目的地を入力するが、そのあと目的地の横に表示されている新しい「+」アイコンをタップすることによって、最終的な立ち寄り場所を追加していく。運転手は途中の立ち寄り場所も参照することができる、これであなたは朝の11時に自宅に向かう前に酒屋に立ち寄りたい意向を「いまは5時くらいかねえ」などと、もごもご言いながら伝える必要はなくなる。もちろん他の使い方もできる。より社会的に大手を振って行なえるのは、相乗りの友人を降ろしたり、家へ帰る途中にちょっとした食料品を調達したいといった場合だ。

Lyftはまた、あなたがやろうとしていたことが何だったにせよ、心変わりをして寄り道を削除することも自由にさせてくれる。こうしたことは便利で素晴らしいことのように思える。しかしLyftは、最大の競合相手であるUberが提供していない、この機能の追加によって得られる実データを活用することによって、そのサービスを最適化することを狙っている。

Classic、PlusそしてPremierに属する会員の90%が予約時に1つの目的地を入力していることにLyftは気が付いた(訳注:目的地を入力せずに車の到着を待つこともできる)。そしてそれらのうちの5%は、乗車中に手動で変更されることになるのだが、それは実際には何十万というマルチストップ移動の結果なのである。これは紛れもなく重要な利用者のニーズなのだ。そして運賃を割り振るために、既存の割り勘機能ともうまく融合している。

しかし、これはまた運転手のためのサービスでもある。Lyftは乗車の終わりが近付くと、実際の乗車が終了する前に近隣の待機乗客とのマッチングを行う。これにより連続した乗車によって運転手がさらに収入を上げることを助けるのだ。このような仕様の場合、土壇場での目的地変更は、運転手と乗客の双方にとってフラストレーションとなり得る。しかし複数の目的地を指定できることができるようになったことで、運転手は計画を立てやすくなり、近隣の車両のキューイングに伴う欠点を回避することがやりやすくなる。

目的地を追加する機能は、ほどなくLyftのモバイルアプリに提供される。これは、ささやかながらも賢い追加機能である。そして、より自動化される将来の乗り合いモデルのためのコアコンポーネントへと転用することも容易なのだ。

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(翻訳:Sako)

タクシーで「コンプレックス商材NG」な動画広告、日本交通とフリークアウトが新会社設立で

フリークアウトの本田謙社長(左)と日本交通の川鍋一朗会長(右)

フリークアウトの本田謙社長(左)と日本交通の川鍋一朗会長(右)

タクシーの広告といえば、消費者のコンプレックスに訴求するリーフレットを思い浮かべる人は多そう。例えば、飲むだけで痩せたり薄毛が治ることを謳うチラシ。僕も「ハゲの99%が治るって本当?」といったコピーに釣られ、手に取ったことはある。

いわゆる「コンプレックス商材」ではなく、大手のブランド広告を獲得しようと、都内タクシー最大手の日本交通がデジタルサイネージ事業に乗り出した。東京都心のタクシー100台にタブレット端末を設置し、全国規模で商品やサービスを展開する「ナショナルクライアント」の動画広告を配信する。

翌年に日本交通のタクシー3500台、2020年までに全国のタクシー5万台への導入を見込む。全国のタクシー会社に対してはタブレットを無償配布し、広告収益を分配することで普及を図る。

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大手ブランド広告を取り込む

日本交通とフリークアウトが合弁会社「株式会社IRIS」を設立し、動画広告商品「Tokyo Prime」を開発。都心でタクシーを利用する高所得者向けの「プレミアムメディア」という位置づけで、フリークアウトの顧客である航空会社や飲料メーカー、トイレタリー企業などを中心に販売していく。

デジタルサイネージは前部座席背面にタッチパネル対応の10インチタブレットを設置。乗客が運転手に行き先を告げてメーターが稼働した時点(つまり、もっともアテンションが集まるタイミングらしい)で、最長3分の動画広告を流す。丸の内や六本木のタウン情報なども提供する。

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僕も試してみたが、座って一息ついたタイミングで動画が流れると目を奪われる。見たくない場合はタブレットを操作して動画を消すことも可能だ

日本交通によれば、都内のタクシー平均乗車時間は18分間。その間に動画広告を流すことで、企業のブランドを深く浸透させられるとアピールする。

日本交通の川鍋一朗会長は、「都心のタクシー利用者は可処分所得が高く、繰り返し乗車するのが特徴。これまではこうした高所得者層へのマーケティングに注力できていなかった」と語る。

合弁会社のIRISでは広告掲載基準を厳格化。「コンプレックス商材」「ギャンブル」「美容整形」などの広告を掲載不可とし、大手のブランド広告を取り込む狙いだ。

デジタルサイネージ参入を支えた格安MVNO

ビーコンを使った「Physical Web(フィジカルウェブ)」にも対応し、車内で視聴した動画に関連するURLをスマートフォンにプッシュ通知する。この機能はスマホのGoogle Chromeで「フィジカルウェブ」とBluetoothを有効にしている場合のみ有効だ。

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タブレットはインターネット常時接続で、データ通信にはIoT向けの格安MVNOサービス「SORACOM Air」を採用した。通信料金が安い深夜に動画をダウンロードしたり、昼間はAPI経由で帯域制限するなどして、通信料を1台につき月額1000円以下に抑える。

このように低コストで運用できるサービスがあったことが、デジタルサイネージに参入できた要因でもあるようだ。

タクシーならではのターゲティング

日本交通とフリークアウトは今年1月、位置情報と連動するマーケティング事業で提携。日本交通子会社のJapanTaxiが提供する配車アプリ「全国タクシー」の位置情報を、フリークアウトの広告配信に活用する取り組みを始めていた。

フリークアウトにとって、デジタルサイネージは初の事業領域となる。本田謙社長は「今から行く場所がわかれば、乗車中に目的地に関連する広告が配信しやすくなる」と、タクシーならではのターゲティングに期待を寄せる。

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「全国タクシー」の位置情報をもとに、特定エリアにいる訴求したいターゲット層のみに対して、即座にオンライン上で広告を配信できる

フリークアウトは、広告主が広告を配信したいユーザー層を定義し、必要な広告枠をリアルタイム入札で買えるDSP(デマンドサイドプラットフォーム)を手がける。広告主は購買データや性別年齢、興味などでユーザーを絞り込めるが、これらに「今から行く場所」が加われば、より効果的な広告が打てるというわけだ。

ただし、「乗車時に目的地がわかる」というのは、配車アプリで降車地点を指定した場合に限られる。今後は、乗車時に運転手に目的地を伝える際、タブレットの音声認識で目的地を推定することも視野に入れている。

2020年までに多言語化、売上高100億円へ

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富士キメラ総研の予測によれば、2020年の国内デジタルサイネージ交通広告の市場規模は800億円。IRISは2020年までに全国5万台に導入し、売上高100億円を見込んでいる。インバウンド需要に向けて、デジタルサイネージの多言語化や決済対応も進める。

IRISは日本交通子会社のJapanTaxiが51%、フリークアウトが49%を出資。代表取締役には、JapanTaxi CMOの金高恩氏とフリークアウト経営企画室長の溝口浩二氏が就任した。