人の代わりにAIが採用面接してくれるサービス「SHaiN」の運営が3000万円を資金調達

人間の代わりにAIが採用面接をする、と聞くと、あなたはどう感じるだろう。ちゃんと人間性まで見てくれるのか不安に感じる人も、中にはいるかもしれない。一方で、一定の基準に従って公平に見てくれそう、と期待を持つ人もいるだろうか。

AI面接サービス「SHaiN」を提供するタレントアンドアセスメントは4月16日、三菱UFJキャピタルが運営するファンドを引受先とした第三者割当増資を実施し、3000万円を調達したことを明らかにした。

タレントアンドアセスメントは2014年10月の設立。2017年10月に正式リリースされたSHaiNは、同社が独自開発した「戦略採用メソッド」をもとに、スマートフォンアプリなどを介してAIが面接を行うというサービスだ。

SHaiNを利用することで、候補者一人ひとりが面接で話す時間は従来より長く取れて、24時間いつでも、世界中のどこからでも面接に参加することができる。また、企業が求める人物像や採用基準に沿って、AIが応募者の資質を分析して診断結果データを出してくれるので、採用担当者のほうは一次選考に使っていた時間や労力を削減でき、本来行うべき採用業務に充てる時間を確保することができるようになる。

また人による評価のばらつきが改善されるほか、候補者が他社選考とバッティングして参加できない、といった機会損失を減らすことができる。

SHaiNはリリースから半年で、大手から中小まで20社以上の企業で導入され、検討の引き合いも増えているという。大学でのキャリア教育への活用や、地方行政での導入も始まっているそうだ。利用価格は標準プランで面接評価レポート料金1件当たり1万円となっている。

タレントアンドアセスメントでは調達資金について、SHaiNの機能増強や管理システムの充実化、評価判定AIの開発などに充てるとしている。

売り手市場の拡大で応募が特定の企業に集中し、かえって面接の機会が得られない学生が増えている状況に対し、同社はAI面接によって、全ての学生が公平に面接を受けられる機会を提供したいという。今後、面接のビッグデータ活用、中途採用や企業内面談などでの活用も検討。海外展開も視野に入れ、多言語対応などのサービス拡大も図っていく考えだ。