ユーザーをだます「ダークパターン」デザインを集めて企業の恥を晒す通報窓口ができた

「dark pattern(ダークパターン)」という言葉は聞き慣れないかもしれない。しかし、この操作的デザイン現象は我々が日常的に使っているアプリやサービスに蔓延している。

ダークパターンは、消費者が企業を儲けさせる選択をするよう誘導し、多くの場合出費がともなう。個人データをうっかり渡してしまう誤解を招く表現や、おそらくキャンセルしたいサブスクリプションを更新する結果になる隠しボタンなどだ。

これからは、不審なダークパターンデザインを見つけた時には、Darkpatternstipline.orgに通報できる。Consumer Reports(コンシューマー・レポート)が主催する専用サイトだ。この新しい通報窓口は、EFF(電子フロンティア財団)、PEN America(ペン・アメリカ)、Consumer Reports、Access Now(アクセス・ナウ)をはじめとするデジタル権利保護団体による共同プロジェクトだ。

ダークパターン報告を集めるこの取り組みは、操作的デザインを標的とする新しい法律のおかげで、実効力をともなうものになった。

2021年3月、カリフォルニア州は画期的なプライバシー法であるカリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)を改定し、 テック企業によるダークパターンを禁止した。「この改定は、データプライバシー権を行使する上で混乱したり欺かれたりすることがないよう消費者を保護するものです」とカリフォルニア州司法長官のXavier Becerra(ザビエル・べセラ)氏が新たな規則について語った。

議会もダークパターンに懸念を示している。2019年、DETOUR Actと呼ばれる超党派法案が提出され、1億人以上のユーザーを持つ大企業による「曖昧、破壊的、あるいはユーザーの自律を損なう」ユーザーインターフェイスを禁止しようと試みた。同法案はその後進展しなかったが、威圧的なデザイン選択は、大手テクノロジー企業に対する連邦規制を実施しようとしている立法府にとって、数多い懸念材料の1つとなっている。

どこかのメールリストに騙して登録させようとする、矛盾したチェックボックスを見たことがありませんか?それがダークパターンです。

(訳注:画像のチェックボックスは、オプトインする / オプトアウトしない/ オプトインしなくない。最後に薄く小さく「すべてオプトアウトする」が見える)

通報窓口を作った人たちにとって、テクノロジー政策を具現化する規制当局に対する懸念は優先順位だ。「インターネットやその先でダークパターンを止めさせるためには、まず、今起きていることを分析し、その結果を使って政策立案者と立法者に働きかける必要があります」とEFFのデザイナーであるShirin Mori(シリン・モリ)氏はいう。

「このダークパターン通報窓口が、テクノロジー製品やサービスを全員にとってより公正かつ公平で利用しやすくしようとする私たちの活動を後押ししてくれることを願っています」。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ダークパターン個人情報プライバシー

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook