Clubhouseに話すのが苦手な人にも参加を促すテキストチャット機能が登場

音声ファーストのソーシャルネットワークがついに、ずっと黙って聴いていた人に参加してもらう手段を導入した。Clubhouse(クラブハウス)は米国時間2月24日、ルームチャット機能を公開した。YouTubeやTwitchにあるように、ボイスルームにテキストチャット機能を追加するものだ。

ルームチャットはオプションで、Clubhouseでルームを始める際にこのオプションを会話中に有効にするかどうかを設定できる。有効にするとアプリの左下にチャット画面を開くボタンが表示される。「Share」(共有)ボタンの横にある、吹き出しのアイコンが付いたボタンだ。

画像クレジット:Clubhouse

Clubhouseはテキストチャットのオプションを、このプラットフォーム上にいるクリエイターとオーディエンスをつなぐ「もう1つのタッチポイント」と呼んでいる。2021年に追加されたダイレクトメッセージ機能と同様に、オーディオにピンポイントに特化したこのアプリの幅を広げる機能であることは間違いない。そしてもっと多くの人にとってClubhouseを利用しやすくする機能でもある。他の多くのソーシャルプラットフォームではコンテンツと同時にテキストチャットを利用できるので、成熟したプラットフォームに備わっていて欲しいと利用者が期待する機能とも言える。

コンテンツのモデレーションに関しては、誰でもユーザー名を長く押して報告、またはチャットからブロックすることができる。ルームを始めたユーザーがモデレーターを指名し、モデレーターにメッセージの削除や妨害する参加者の退室を担当してもらう方法もある。ルームを終了するときにオーディオコンテンツとともにテキストチャットもアーカイブされるが、ユーザーがルームの終了後もチャットに参加し続けることはできない。

Clubhouseによれば、この機能はiOSとAndroidの両方で公開されている。ひっそりと聴いている人に一歩踏み出してもらいたいと思っているなら、アプリを起動して試してみよう。

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Kaori Koyama)

Discord、一部のサーバーでフォーラム、新MODツール、ホットな話題を表示するホームページをテスト中

Discord(ディスコード)は先週、最大規模のコミュニティでいくつかの新機能のテストを開始した。この音声ソーシャル / チャットのプラットフォームは、ゲーマー同士をオンラインプレイ上で結びつけることから始まったが、現在はカスタム絵文字、ライブイベント、トピックチャンネル、その他あらゆることが可能になる多数のサードパーティ製プラグインなどを備え、活況あるオンラインコミュニティを構築するための主要な手段の1つに成長している。

関連記事:Discordが新機能を発表、音声イベントのポータルとなる「Stage Discovery」機能や有料チケット制の導入など

サーバーが成長すると物事が扱いにくくなることを、同社は認識している。Discordで最も人気のあるコミュニティの中には、常に数十万人が同時に接続しているものもある(大ヒットした中国のRPG「原神」の公式サーバーは、記事執筆時点で30万人以上が利用しているが、これはほんの一例だ)。

Discordサーバーは、リアルタイムの掲示板フォーラムのようなものだが、人々が会話に参加したり離れたりするのではなく、大量の人々が一度にライブでチャットしている。小規模なコミュニティでは、これは非常にうまく機能しており、容易に会話を把握していられるが、サーバーの規模が大きくなると(時には非常に大きくなり過ぎる)、多くが混乱の中に失われてしまう。

大規模なDiscordサーバーに初めて参加する場合や、会話から一度離れてしまった場合、どのようにして追いつけばいいのかと考えて途方に暮れることがある。ほとんどの大規模サーバーでは、新たに参加するメンバーのための入門チャンネルや、関連する各々の会話に人々を導くためのトピック別チャンネルを用意しているが、大規模で完璧なソリューションはない。そこで、Discordはすべてをスムーズに進めるために、先週から一部の大規模サーバーで、3つの実験的な機能を試している

1つ目の新機能は「より整理された会話」のためのハブとして、サーバーにフォーラムのようなチャンネルを提供する。これは、Reddit(レディット)と同じように、この特別なチャンネルに非同期的に出入りして、会話の内容を見逃さないようにできるというものだ。また、古いコンテンツであっても、今でも関連性のあるものは表面化させ、進行中のスレッドに人々をループさせることで、時間の経過とともに会話のトピックを発展させることができる。

Discordがテストしているフォーラムのような新機能(画像クレジット:Discord)

フォーラムとは別に、Discordでは新しいホームページスタイルの機能もテストされている。この2つ目の新機能は、ホットなトピックを集めて、その時々のサーバーに関連するタイムリーなコンテンツを、TL;DR型の要約として提供する。今でも、多くのサーバーでは専用のニュースチャンネルを使用して似たような機能を達成しているが、それらのスペースはあまり活動的ではなく、重大な発表を強調する以上のことを提供していない場合が多い。

そして3つ目。Discordはモデレーションの面において、新しい自動化ツールをテストしている。これは、コミュニティがサードパーティのモデレーションツールで得ている機能の一部を、自社で提供するというものになる。具体的な内容はまだ明らかにされていないが、Discordで最も人気の高いモデレーションボットには、新しいユーザーを歓迎するプロセスを自動化したり、不品行をスキャンしたり、さらにはルールを破った人を追い出したりするものもある。ちなみに、プレミアムサードパーティ製Discordボットの中でも最も人気のあるMee6(ミーシックス)は、11月にDiscordが足を踏み入れたNFT(非代替性トークン)に対する反発を、現在自ら味わっているところだ。

Discordは2021年7月、オンライン上における暴言や嫌がらせを検知するAIソフトウェアを作っているSentropy(セントロフィ)という会社を買収した。この買収は、自社の自動モデレーション機能を強化すると思われていたが、今回テストされる新機能がこの買収から生まれたものかどうかは、確認されていない。

これらの実験的な機能は、今のところクローズドベータでしか利用できず、Discordはいくつかの大規模なサーバーを使ってテストを行っている。テストに参加したコミュニティは、必ずしも即座にすべての実験的な機能が有効になるわけではない。Discordは、新しいツールがさまざまなサーバーで、どのようにニーズを満たすことができるかを見ているからだ。

今回の実験的な機能の導入は、今後の展開のほんの一例に過ぎないかもしれない。とはいえ、Discordは他に何をしようとしているのか、ヒントを見せていない。同社は最大級のアクティブなオンラインコミュニティを擁しており、それらのサーバーの成長に合わせて、より便利な機能を提供するように、賢明に進化している。

Discordのグループ・プロダクト・マネージャーを務めるRick Ling(リック・リン)氏は、TechCrunchに次のように語っている。「私たちはDiscordを成長する地域のように考えています。小さな友人グループから、数千から数十万人のメンバーがいる音楽、ゲーム、教育のコミュニティまで、Discordをホームとするコミュニティのすべての形と規模に合わせて、設計しなければなりません」。

「私たちは、管理者やモデレーター、そしてコミュニティのメンバーたちが、自分たちのスペースを自分たちだけのものにできるようにすることを、非常に大事に思っています。彼らが集まり、居場所を見つけられるようなツールや機能への投資を続けていきます」。

画像クレジット:Tiffany Hagler-Geard/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フロントラインワーカーのためのチャット&人事アプリFlipがユーザー数100万人突破で約34.5億円を調達

共同創業者兼製品責任者のGiacomo Kenner(ジャコモ・ケナー)氏、CMOのAnn Kathrin Stärkel(アン・カトリン・スターケル)氏、創業者兼CEOのBenedikt Ilg(ベネディクトイ・ルグ)氏、CFOのGeorg Renz氏(画像クレジット:Flip)

世界の労働人口の8割以上約27億人はコンピューターの前で日々を過ごしていないため、テクノロジーに関しても格差が激しく、彼らをユーザーとして対象としたIT投資は1%程度と言われている。それが、スマートフォンやアプリの台頭で急速に変化しており、米国時間2月2日、その流れを受けてビジネスが好調なスタートアップの1社が、このチャンスに飛びつくべく、資金調達を発表している。

フロントラインで働く人々が互いにチャットしたり、マネジメントチームから連絡を受けたり、シフトの入れ替えなどの人事活動を行うためのコミュニケーションアプリを作っているFlip(フリップ)は、3000万ドル(約34億5200万円)を調達したそうだ。ドイツのシュトゥットガルトに拠点を置き、主にドイツ語圏のDACH地域(ドイツ・オーストリア・スイス)で利用されているこのスタートアップは、この資金を利用して、まずは英国をはじめとする新しい市場に進出する予定だと、CEO兼創業者のBenedikt Ilg(ベネディクト・イルグ)氏は述べている。

Notion Ventures(ノーション・ベンチャーズ)とベルリンのファンドHV Capital(HVキャピタル)が共同でこのラウンドをリードし、これまでの出資者であるCavalry Ventures(キャバルリー・ベンチャーズ)とLEA Partners(LEAパートナーズ)、そしてVolkswagen(フォルクスワーゲン)会長Matthias Müller(マティアス・ミューラー)氏をはじめとする多くの個人出資者が参加している。

Meta(メタ)のWorkplace、Microsoft(マイクロソフト)のTeamsCrew(現在はSquareが所有)、Blink(ブリンク)Yoobic(ヨービック)When I Work(ウェン・アイ・ワーク)Workstream(ワークストリーム)など、世界の労働者の同じ分野、そしてコミュニケーションに関する同じユースケースを対象としたアプリが市場に多数存在している。実際、2月2日、Snapshift(スナップシフト)という、主に人事側に焦点を当てたフロントラインの仕事アプリも資金調達を発表したばかりだ。

しかし、混戦のように見えるこの分野には、3つのことがいえる。第一に、この市場は十分に大きく、断片的であるため、長期的にいくつかの強力なプレイヤーが混在する可能性があるということ。第二に、この市場はまだかなり新しいので、各プレイヤーが進化や革新を遂げる可能性はまだたくさんあるということ(イルグ氏は、FlipのアプリがGDPRの規則に厳格に準拠していることが、他の企業がGDPRに準拠していると主張するも、実際には準拠していない際に、同社がビジネスを獲得するのに役立っていると述べている)。また、かなり基本的な部分でも、同社はユーザーインターフェースや操作性だけでなく、アプリのサイズ、携帯電話上で占有する容量、使用するために必要な帯域幅など、アプリを使いやすくしている。

「私はFlipを始める前にPorsche(ポルシェ)で製造の仕事をしていたので、マネジメントとのコミュニケーション不足など、その気持ちはよくわかります」とイルグ氏はいう。「私たちは、画面数も少なく、ダウンロードして使用することに関して、この分野で最もシンプルなアプリケーションです。これが、エンドユーザーのために私たちが作って提供したい製品の精神です」。と語る。

そして三つ目は、成功のためにはクリティカルマスが重要だとすれば、Flipは実際に前面に躍り出ているということだ。

McDonald’s(マクドナルド)、Rossmann(ロスマン)、Edeka(エデカ)、Magna(マグナ)、Mahle(マーレ)など、現在までに200社、約100万人のユーザーを獲得している。パンデミックにより、最前線で働く人たちが突然、人々の意識の中心に現れた瞬間、Flipの収益は急上昇し、2021年は6倍になったとイルグ氏は語った(このスタートアップは、実際の収益や評価額を公表していない)。

この分野を追っている人は、先々週、WorkplaceがMcDonald’sを顧客として発表することを望んでいたものの、それを控えていたという話を書いたことに気づいたかもしれない。FlipのMcDonald’sとの契約人数は、現在約6万人。McDonald’sはすでにFlipと公の場で協働していることを考えると、Workplaceとの契約がどうなるかは興味深いところだ。いずれにせよ、この案件がいかに大きな意味を持つかは明白である。

今日のアプリは、主に雇用主が、日中動き回っている、通常は1つの場所で働くことのない、より広範囲の従業員とコミュニケーションをとるために使用されている。また、従業員同士も、主に生産性向上のために、シフト交換や給与明細の確認など、コミュニケーションをとるためにアプリを使うが、仕事に直接関連する機能を実行するために使うわけではない。この分野は、Yoobicのようなライバルが機能を構築している分野であり、イルグ氏は、Flipもその可能性を検討し始めていると述べた。

Notion VenturesのJos White(ヨス・ホワイト)氏は「Flipは、デスクを持たない社員1人ひとりが、自社のコミュニケーションプロセスに真に参加する機会を提供します。このような社員を積極的に取り込むことには、大きな可能性があります。Flipが英語圏の市場で拡大する際に、我々の専門知識と経験でサポートできることを楽しみにしています」と声明で述べている。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Akihito Mizukoshi)

FB Messengerがエンド・ツー・エンド暗号化チャット体験をアップグレード

Facebook Messengerにデフォルトのエンド・ツー・エンド暗号化機能が全面展開されるのは2023年中とのことだが、Meta(メタ)は米国時間1月27日、Messengerでエンド・ツー・エンド暗号化されたグループチャットや通話を提供する機能が完全にロールアウトされたと発表した。さらにMessengerでは、エンド・ツー・エンド暗号化されたチャットでのスクリーンショット通知が開始され、ライバルのSnapchat(スナップチャット)と同様に、消えていくMessengerメッセージのスクリーンショットを誰かが撮った場合には警告するという、あらたなセキュリティ機能が追加されている。また、ユーザーは暗号化されたチャットにGIF、ステッカー、リアクションを追加することもできるようになった。

エンド・ツー・エンド暗号化(E2EE)されたグループチャットや通話のサポートは、2021年8月に初めて発表され、Messengerユーザーに、個人的な会話を犯罪者や国家の監視から安全に守る方法を約束した。だが多くの政府は、Messengerが暗号化の取り組みを拡大する計画は、法執行機関の犯罪調査を複雑にするとし、このアイデアに必ずしも賛成していない。それに対してMetaは、E2EEはすでにWhatsApp(ワッツアップ)などのアプリで広く使われており、業界標準になりつつあると指摘して反発してきた。

とはいえ、2021年の発表時には、グループ通話やチャットのためのE2EEは完全にはローンチされていなかった。その代わり、Metaはまず、既存のチャットスレッドがあり、すでに接続されている友人や家族を対象に、機能のテストを開始するとしていた。また、E2EEチャットで動作する配信コントロールのテストを開始し、ユーザーが不要なやり取りを防ぐことができるようにして、誰が自分のチャットリストに入るのか、メッセージリクエストフォルダに入るのか、誰が自分にまったくメッセージを送れないのか決められるようにするとしていた。

数カ月を経て、この機能は世界中のMessengerユーザーに完全に展開され、ユーザーはプライベートな会話でE2EEをオンにすることができる。

近いうちに、E2EEチャットで消えるメッセージをスクリーンショットされた場合、Messengerはユーザーに警告するようになる。これは、Messengerのバニッシュモードですでに提供されている機能と同じだ。バニッシュモードはSnapchatによく似た機能で、メッセージが全員に閲覧されると消えてしまうというもの。誰かがバニッシュモードのチャット(これからはE2EEチャットで消えるメッセージも)のスクリーンショットを撮った場合、通知が送られてくるので、相手に連絡して対処したり、必要に応じて会話をブロックしたり報告したりできる。これらの通知は「今後数週間にわたって」提供される予定だ。

画像クレジット:Meta

さらに、E2EEチャットでは、GIF、ステッカー、リアクションなど、これまでE2EE以外のチャットで使えていた機能も利用できるようになり、そのほかにも特定のスレッドへの返信、キーストロークの表示、転送オプションなどもサポートされる。また、E2EEチャットでも認証済みバッジが利用できるようになり、チャットをする際に、本人アカウントかどうか識別するのに役立つ。また、長押しでメディアを保存したり、送信前に写真や動画を編集したりすることが可能になる。これらの機能は新しいものではないが、エンド・ツー・エンド暗号化されたチャットには新しい機能だ。

画像クレジット:Meta

Metaによると、これらの機能はウェブとモバイルを含む全プラットフォームで、すべてのユーザーに提供されるとのこと。しかし、ロールアウトは進行中なので、すぐにすべての機能を利用できないユーザーもいる。

画像クレジット:Meta

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Tableauが自然言語で質問してSlack内でデータのクエリができる統合機能を発表

組織全体にわたって多くの人がデータをもっと利用しやすくすることを目指すTableauが、米国時間11月9日の#Data21カスタマーカンファレンスで、自然言語で質問するとSlack内でデータのクエリができる機能を発表する。これは、Slackとのこれまでの統合をさらに発展させるものだ。

最高製品責任者のFrancois Ajenstat(フランソワ・アジェンスタッド)氏は米国時間11月8日、カンファレンスに先立って開催されたプレス対象のイベントで、この新たな統合によりTableauのデータのフルパワーをSlackで利用し、さまざまな方法で共同作業ができると述べた。注目しているデータが変化したときにアラートを受信し、しかもアプリを切り替えることなくSlack内でデータを扱える。

同氏は「Slackがデータについて問い合わせをする場にもなるので、1つのインターフェイス上ですべてのコンテンツが見つかります。Slackを離れる必要はありません。Tableauのリポジトリ全体を検索できます。すべてのダッシュボード、すべてのデータソースをSlackで利用できるのです」と説明した。

重要なのはデータのクエリができることだ。同氏は「見たいものを見つけたらすぐに質問(の入力)を開始できます。この場合、Tableauの自然言語クエリインターフェイスである『Ask Data』を用いて、自然言語で質問します。本当に簡単で誰にとっても使いやすいものです」と述べた。

Amalgam InsightsのCEOでチーフアナリストのHyoun Park(パク・ヒョウン)氏は、実はこの統合は以前にTableauが発表したAsk DataやExplain Dataなどの機能をベースにしていると述べている。同氏は、こうした機能、特にクエリの機能によって、これまではデータを深く扱うことがなかった人々にもデータ分析の扉が開かれると考えている。

パク氏は筆者に対し「自然言語を使う分析ソリューションとSlackの統合にはThoughtSpotなどがありました。しかしSlackとTableauを簡単に連動し、自然言語で幅広い分析ツールを利用できる機能はこれまでで最大級のニュースで、データのスキルを身につけているわけではない多くの人々がTableauの分析結果を深く検討できるようになります」と語った。

同氏は、Tableauのこのようなアプローチはデータを広く活用できるようにするだけでなく、本質的にはSlackをTableauのコアプロダクトのユーザーインターフェイスにするものだと述べ、この機能はTableauでSalaeforceのAIエンジンを活用するためのEinstein Discovery for Tableauもベースになっていると指摘した。

TableauはEinsteinの機能について「仕事の流れの中で予測をするものです。ビジネスパーソンは重要度の高いデータに対してAI予測を実行し、主な要因を特定して次のアクションを提案するインテリジェントな予測を得ることができます」としている。

Salesforceは2019年に157億ドル(約1兆7700億円)でTableauを買収し、2020年末には270億ドル(約3兆480億円)でSlackを買収した。このような巨額な買収をしたとあってSalesforceが高価な買い物をうまく組み合わせようとするのは当然で、今回の発表はSalesforceプラットフォーム全体のさまざまなところでSlackをインターフェイスにしようとする取り組みの1つだ。

Salesforceは2021年8月にSalesforce製品ファミリーとSlackの初の統合を発表し、Slackは同年9月にさらに別の統合を発表していた。

画像クレジット:Tableau

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

ツイッターがグループチャットアプリSphereを買収、さらに進む同社のプロダクト拡充

Twitter(ツイッター)は、その社名を冠したグループチャットアプリを運営するロンドン拠点のSphere(スフィア)を買収した。Twitterはこのところプロダクトを積極的に拡充しており、今回の買収はその最新の動きとなる。

Sphereは、Tomas Halgas(トマス・ハルガス)氏とNick D’Aloisio(ニック・ダロイシオ)氏によって設立された。ダロイシオ氏は、ニュース要約アプリSummlyを創設し、報道されたところによると17歳のときに3000万ドル(約34億円)でYahooにSummlyを売却したことで知られる。Summlyは、TechCrunchが最初に報じた最初の2回のラウンドでの1180万ドル(約13億円)を含め、少なくとも3000万ドルを調達したとされている。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対してSphereの買収を認めた。

Sphereはブログで「他の人と同じように、我々はコミュニティやSpace、そして安全性を促進する機能をリリースするなど、Twitterがコミュニティ構築への投資を増やしていることに注目し、賞賛してきました」と述べた

「Twitterのチームに会ったとき、彼らがどれほど真剣に関心事ベースのコミュニティを追求しているか、そしてその潜在的な影響力をどれほど信じているかに一層感銘を受けました」。

Sphereによると、この動きの一環として、2021年11月にはスタンドアロンのアプリを終了する予定だ。同社はこれまでに獲得したユーザー数や顧客数を公表していない。

「ここまでの道のりは長く、エキサイティングなものでした。多くのスタートアップがそうであるように、Sphereもまったく異なるミッションでスタートしました。『グローバルブレイン』の構築を通じて、誰もが即座に知識を見つけ、共有できるようにするというものです。我々は当初、世界中の有償の専門家を集めたマーケットプレイスを構築し、グループチャットでつなげていました」とブログ投稿に書いた。

「我々が気づいたのは、最も有益で知識豊富な会話は、メンバーがお互いに強い帰属意識を感じているグループから生まれるということです。言い換えれば、私たちの挑戦の核心は、すべての人が自分のコミュニティを見つけられるようにすることでした。この機会は巨大です」と述べた。

今回の買収は、Twitterがここ数四半期、提供するプロダクトを拡大するためにこれまでよりも積極的になっている中でのものだ。Clubhouse(クラブハウス)の買収を試みたTwitterは2021年、同様の機能を導入し、最近ではプラットフォーム上の無秩序な言論を抑制するためにいくつかの措置を講じた。

願わくば、Sphereが傘下に入ることで、Twitterのプラットフォーム上での個人やグループのメッセージで何らかの動きがあることを期待したい。

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画像クレジット:Sphere

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

WhatsAppがグループチャットに通話の途中参加機能を直接統合することを発表

WhatsApp(ワッツアップ)は米国時間10月18日に、通話参加機能をグループチャットに拡大することを発表した。2021年7月に初めて紹介されたこの通話参加機能は、ユーザーが進行中のグループ通話に途中参加できるという機能だ。今回の拡張により、ユーザーはWhatsAppグループに電話ができ、グループチャットのウィンドウから直接通話に参加できるようになった。

また、通話通知には、参加者の名前ではなくグループ名が表示されるようになったとのことだ。進行中の通話はチャットリストに表示されるため、ユーザーはアプリを開くとすぐにどのグループがライブ通話をしているかを確認することができる。

「我々はユーザーがグループメンバーと自発的につながれることをより簡単にしています。グループとの進行中の通話には、いつでも簡単に、ワンクリックでチャットビューから直接参加することが可能です。グループ通話の人気が高まっている中、通話参加機能を統合することで、WhatsAppユーザーは家族や友人のグループと自発的につながる新しい方法を得ることができます」とWhatsAppは声明で述べている。

さらに、WhatsAppによると、さりげなくも独特の着信音がつき「メッセージを送受信するのと同じくらい軽い感覚で通話ができる 」とのことだ。

Facebook(フェイスブック)傘下のWhatsAppは、新規ユーザーの維持と獲得のために、ここ数カ月の間にいくつかの新機能を展開してきた。直近では、WhatsAppは、iCloudやGoogle Driveにバックアップしたチャット履歴を暗号化できる新機能の展開を開始すると発表していた。WhatsAppは、ユーザー間の暗号化されたチャットをプラットフォーム上で提供しているが、これまでユーザーはクラウド上に保存されたチャットのバックアップを保護する手段を持っていなかった。

関連記事:WhatsAppはチャットのバックアップをクラウド上で暗号化する新機能をついに展開

暗号化されたチャットのバックアップを追加することで、政府がユーザー間の私的な会話を入手するために利用してきた大きな抜け道に対応することができる。WhatsAppは、この新機能を、アプリが稼働しているすべての市場のユーザーに提供するとしている。

画像クレジット:WhatsApp

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(文:Aisha Malik、翻訳:Akihito Mizukoshi)

非同期コミュニケーションに特化したSlack対抗アプリ「Twist」をDoistが全面改訂

Todoist(トゥードゥーイスト)とTwist(ツイスト)を販売するDoist(ドゥイスト)は、社内コミュニケーションツールのTwistを改訂した。筆者が初めてTwistを取り上げた時、それは気を散らされないSlack(スラック)のようだった。そして米国時間10月12日の改訂で、同社はそのアイデアをさらに強化した。その結果、組織内の会話のための、集中を高めチームの軌道を正しく保つ頑固なツールになった。

DoistがTwistに取り組み始めたのは新型コロナのパンデミックよりずっと前のことだが、今はTwistがこれまでになく重要に感じられる。この数年、多くの人々が初めてリモートワークを始めた。Microsoft 365のサブスクリプションがある会社はMicrosoft Teamsを使い始め、他の会社は「多くの」時間をZoom会議で過ごしている。

Doistの創業者であるAmir Salihefendic(アミール・サリへフェンディック)氏は、今あるツールではうまくいかないと思った。彼は非同期コミュニケーションを何年も前から推奨してきた。SlackやMicrosoft Teamsは、通知やチャットメッセージで頻繁に割り込んでくる。ついていくのは大変で、他のメンバーと違う時間帯で働いている場合は特にそうだ。同じチャンネルで同じ時間に2つの会話をすることもできない。

TwistのSlackに対する最大の差別化要因は今もそこにある。Twistではあらゆる会話がスレッドだ。会話を始めたい人は、#design、#ios、#support などのチャンネルをクリックして、タイトルと何か本文を書いてスレッドを開始する。新しいスレッドを投稿したあとは、他のユーザーがコメントしたり絵文字で反応することができて、人をタグ付けすることもできる。

画像クレジット:Twist

すぐにフィードバックを返したり、特定の相手に質問したり、プライベートな会話をしたい時は、ダイレクトメッセージを送ることもできる。ただし、これはテキストメッセージを送るのと同じなので、重要な仕事の会話をするためではない。

インターフェースは全面的に刷新された。見た目がすっきりして、現在、見ていることに集中しやすい。3つのカラムのレイアウトで左にチャンネル、何中にスレッドのリスト、右に今開いているスレッドを見せる代わりに、Doistは2カラムのレイアウトを採用して現在のスレッドに集中させる。

スレッドを開くと、ほぼ画面いっぱいに広がるので会話をフォローしやすくなる。他のスレッドのリストは見えないので、別スレッドのコメントに邪魔されることがない。

画像クレジット:Twist

Inboxビューはデザイン変更され、Twistを見なかったために見逃したものを見つけやすくなった。このビューから、自分がフォローしているスレッドの新しいコンテンツを見ることができる。それらのスレッドは読んだり、コメントを付けたりできる。1つのスレッドでやり取りが終わったと思ったら、完了マークをつけることができる。TwistはそのスレッドをInboxから「Done」ビューへと移動する。

本日、リリースされた他の新機能には、スレッドからスレッドへ移動するための新しいショートカットキーやよくなった検索機能がある。アプリの使用料金は年間契約を結んだ場合1人1カ月当たり5ドル(約570円)。無料で試してみることもできるが、コメントとメッセージは1カ月分しか見ることができない。

画像クレジット:Twist

画像クレジット:Jason Leung / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

小売業の未来「会話型コマース」を構築するWizardが正式な立ち上げに先立ち約55.8億円調達

2021年初めにWalmart(ウォールマート)の米国eコマース部門の責任者を退任したMarc Lore(マーク・ローレ)氏は、eコマース分野の新しいスタートアップ企業である「Wizard(ウィザード)」を支援している。ローレ氏は「会話型コマース」分野のB2BスタートアップであるWizardの共同設立者、取締役会会長、投資家としての役割を担っている。Wizardは、将来のモバイルコマースはテキストで行われると信じている。同社の正式な立ち上げに先立ち、米国時間10月6日、同社はNEAのTony Florence(トニー・フローレンス)氏が主導する5000万ドル(約55億7600万円)のシリーズAを発表した。

関連記事:EC界の寵児マーク・ローリー氏がJet.comを3115億円で売却し4年余りでWalmart退社

このラウンドには、ローレ氏とAccel(アクセル)も参加している。フローレンス氏、ローレ氏、AccelのSameer Gandhi(サミアー・ガンジー)氏は、Wizardの共同創業者兼CEOであるMelissa Bridgeford(メリッサ・ブリッジフォード)氏とともに役員を務めている。

このスタートアップは、興味深い創業ストーリーを持っている。というのも、多くの人が思っているほど新しい企業ではないからだ。

かつてニューヨークで金融のキャリアを捨てたブリッジフォード氏は、オースティンを拠点とするStylust(スタイラスト)を設立・運営し、消費者が買い物をする際のアシスタントを提供することを目的としたテキストベースのショッピングプラットフォームを提供していた。ユーザーは、スクリーンショットや写真をテキストで送信すると、ウェブサイトにアクセスすることなく、テキスト上で購入可能な商品のオススメを受けることができる。Stylustは、AIと画像認識機能を活用して、消費者に購入すべき商品の選択肢を提供した。また、StylustにはB2Bの要素もあり、ブランドに「ワンテキストチェックアウト」の体験を約束している。キャッシュとして残っていた同社のウェブサイトによると、同社は35%のコンバージョン率、もしくはウェブベースの商取引の10倍のパフォーマンスを謳っていた。

WizardはStylustを「買収した」と言っているが、チーム全体(9月に最高責任者として新たに採用された数名を除く)はStylustで働いていた社員で構成されている。買収当時、Wizard は市場に製品を出していなかった。

厳密にいうとまったく新しい会社ではあり、現在はローレ氏のeコマースにおける経験に頼ることができ、一流の投資家の支援を受けることができる。

ブリッジフォード氏は、Wizardを「我々のビジョンをより大きなスケールで構築し、リテールテックの分野で非常に優れたビジョンを持ち、実績のある創業者であり、実績のある経営者であるマーク氏とパートナーを組むことができる」機会だと表現している。

「会話型コマースが小売業の未来であるというビジョンを、私たちは共有しています」とブリッジフォード氏は付け加えている。

しかし、同社はまだ製品の詳細については語っていない。その代わり、このB2Bサービスについて、ブランドや小売業者が消費者とテキストで取引できるようにするものだと説明している。このサービスは、加入から検索、支払い、配送、さらには再注文までカバーした、モバイルでの「エンド・ツー・エンドのショッピング体験」と位置づけられている。

これらのテキストベースのチャットは、これまでのメッセージングアプリのチャットボットとの煩わしいやりとりとは違うと、ブリッジフォード氏は主張している。

「私たちは、自動化と人間味の組み合わせによって、最適なユーザー体験を提供すると同時に、バックエンドには拡張性のある強力なテクノロジーを構築することができました。それこそが『聖杯』なのです」と彼女は説明している。「これこそが、会話型コマースの未来像なのです。私たちは、チャット機能や自然言語処理を組み込んでいます。これらの技術はどれも急速に進歩しているものです」。

言い換えれば、1、2年前にチャットボットで経験したイライラするような体験は、今日の体験ではないかもしれないということだ。

「このテクノロジーの最終目標は、実際にはテクノロジーによって実現されているにもかかわらず、人間と話しているように感じさせることです」とブリッジフォード氏は付け加えた。

Stylustは、今回の買収により、Wizardとのブランド提携をもたらした。

以前の Stylust のウェブサイトには、Laughing Glass Cocktails(ラフィング・グラス・カクテル)Desolas Mezcal(デソラス・メスカル)Pinhook Bourbon(ピンフック・バーボン)Marsh House Rum(マーシュ・ハウス・ラム)Neft Vodkas (ネフト・ウォッカ)などの顧客情報が掲載されていた。また、Austin Biz Journalの特集では、ワインやスピリッツの小売に力を入れていることが紹介されていた。しかし、Florida Funders(フロリダ・ファンダーズ)が2020年にStylustを支援するという記事では、Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)、Walmart、Sephora(セフォラ)、Allbirds(オールバーズ)などの一流小売店との関係が記されていた。

Wizardとどことの関係が継続されるのか、また、アルコールブランドや他の小売業者に焦点を当てていくのかは、同社が資金調達以降の事業に関する詳細について言及を避けているため、不明だ。

同社は、今回の資金をAI、機械学習、自然言語処理などの分野や、営業、財務、業務などの非技術系の職務における採用に充てる予定だ。その中でも特に注目しているのが、チーフピープルオフィサー(最高人事責任者)の採用だ。現在のチームは、ニューヨークとオースティンにあるオフィスで働いているが、Wizardはリモートの技術チームのポジションの空きを埋めるために全国で採用活動を行っているとのことだ。

Wizardには、特にテキストマーケティングの分野で、同社のビジネスの特定の側面に対応するサービスを提供する競合他社がすでに存在する。しかし、もっと広く言えば、消費者がメッセージを介してブランドと交流する方法は他にもあり、それらが時間の経過とともにより完全な形の製品へと進化する可能性もある。現在、消費者はFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)などのソーシャルメディアで商品を見つけ、商品に関する質問をMessengerやダイレクトメッセージで行うことが多い。WhatsApp(ワッツアップ)は、消費者がアプリ内で直接製品やサービスを発見できるよう、企業向けの製品カタログを構築している。Apple(アップル)もBusiness Chatでこの市場に参入し、すでにiMessageのチャットで購入できるようになっている。

Wizardは、専用のメッセージングアプリや、例えばiMessageを搭載したiPhoneを必要とせず、SMSに注力することで、競合他社との差別化を図ることができる。しかし、テキストベースのスパム詐欺増加しているSMSに賭けることは、よりリスクの高い賭けでもある。しかし、ローレ氏はそれをいとわない。

「これまでのキャリアのほとんどをeコマースで過ごしてきた私にとって、会話型コマースが小売業の未来であることは明らかでした」とローレ氏はいう。「ディープラーニングが普及していく中で、極度にパーソナライズされた会話型のショッピング体験を実現する能力は、人々の買い物の仕方を変えていくでしょう。メリッサ氏とWizardのチームが構築しているものは、その変革をリードするものだと確信しています」と述べている。

画像クレジット:racorn Shutterstock

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

普及が遅れる仕事の最前線、現場やサービス業向けチャット&コミュニケーションアプリでYoobicが約55億円調達

ナレッジワーカーが職場のコラボレーションアプリに求めているものの基準を、さまざまな意味で打ち立ててきたのがSlack(スラック)だが、現場の作業員に関してはこれまであらゆるものが見過ごされてきた。このような最前線で働く人々が会話に参加できるような人気アプリを開発したソフトウェア企業の1つが今日、より多くの機能を提供するための資金調達ラウンドを発表した。

最前線で働く人やサービス業に従事する人たちがタスクを管理したり、お互いや経営陣とコミュニケーションをとったり、さらにはトレーニングや育成などのeラーニングを行うためのアプリを提供するYoobic(ユービック)が5000万ドル(約55億円)を調達した。

Highland Europe(ハイランド・ヨーロッパ)がリードした、シリーズCとなる同ラウンドには、以前からの投資家であるFelix Capital(フェリックス・キャピタル)、Insight Partners(インサイト・パートナー)や、BNF Capital Limited(BNFキャピタル・リミテッド)がアドバイザーを務めるファミリーオフィスも参加(FelixはYoobicのシリーズAを主導し、Insight Partnersは2019年のシリーズBを主導した)。Yoobicは評価額について公開していないものの、信頼できる情報源から聞いたところによると、現在は3億ドル(約330億円)から4億ドル(約441億円)の間だそうだ。

今回の資金調達は、同社が飛躍的な成長を遂げる最中に実現した。

世界80か国の大手ブランド約300社と取引のあるYoobic。小売業、接客業、流通業、製造業などの分野で33万5000もの拠点をカバーしている。顧客には薬局チェーンBoots(ブーツ)、スーパーマーケットのCarrefour(カルフール)の他、Lancôme(ランコム)、Lacoste(ラコステ)、Logitech(ロジテック)、Peloton(ペロトン)、Puma(プーマ)、Vans(ヴァンズ )、VF Corp(VFコーポレーション)、Sanofi(サノフィ)、Untuckit(アンタックイット)、Roots(ルーツ)、Canada Goose(カナダグース)、Longchamp(ロンシャン)、Lidl(リドル)、Zadig & Voltaire(ザディグ・エ・ヴォルテール)、Athletico(アスレチコ)などが名を連ねている。

しかしこれは氷山の一角にすぎない。世界には27億人の「デスクレス」(現場およびサービス)ワーカーがいると言われており、世界の労働力の80%以上を占めている。しかし驚くべきことに、IT予算のうちデスクレスワーカーのために使われているのは、わずか1%にすぎないというのだ。これはスタートアップにとって、この分野に進出する大きなチャンスがあることを意味している。ただし、スタートアップ(またはデスクレスワーカー自身)が、財布の紐を握っている人々にその投資価値を納得させることができればの話である。

そのため今回の資金調達は、人材の採用、地理的な拡大(同社はロンドンで設立され、現在はニューヨークに本社を置く)、製品の拡大に充てられる予定だ。具体的にはより高い予測分析機能を構築して応答性を向上させ、企業の使用状況についてより多くの情報を提供し、また製造業、物流、輸送など、最前線での仕事の世界における特定の分野に対応するツールをさらに構築しようと計画していると、YoobicのCEOで共同創業者のFabrice Haiat(ファブリス・ハイアット)氏はTechCrunchのインタビューで話している。

Yoobicは数年前、小売業に特化する事業として開始した。この分野は前回の2019年のラウンドの時点でも集中的に取り組んでおり、マーチャンダイジングや店舗間の在庫に関するコミュニケーションなどを支援するツールを提供していた。今でも小売業は同社のビジネスの大部分を占めているが、小売業と同じようなニーズを持つ、フロントラインやサービス関連の従業員を抱えるより幅広い業種に進出するきっかけを同社は見出したのだ。

これはパンデミック渦にはなんとも幸運な方向転換となった。

「新型コロナウイルス(COVID-19)は我々に多大な影響を与えました」と、兄弟のAviとGillesと共同で会社を設立したハイアット氏は振り返る。「最初の2カ月間はパニック状態でした。しかし、現場の従業員が業務の成功に不可欠であることに企業が気づいたのです」。

新型コロナウイルスが到来して以来、プラットフォーム上のアクティビティは200%増加し、2021年初めにはプラットフォーム上での月間アクティビティ数が100万を超えたという。「狂ったように成長している」とはハイアット氏の言葉である。

フロントラインワーカーのためのソフトウェア開発が重要である理由はいくらでもある。最前線で働く人々は固定デスクを持たずに動き回り、スクリーンを睨んだり会議に出る代わりに顧客と長時間接し、また全般的に優先事項や慣習が異なるため、デスクワーカー向けに作られたソフトウェアが必ずしも彼らにフィットしないというのは当然のことである。

実際、この隙間を埋めるためのサービスを構築しようと試みる企業は何年も前から存在する。そして現場の人々のための優れたツールを開発している企業の中には、市場を統合しようとする興味深い動きが複数ある。Crew(クルー)最近Square(スクエア)に買収されServiceMax(サービスマックス)はZinc(ジンク)を買収。また、Facebook(フェイスブック)のWorkplace(ワークプレイス)は現場で働く人々のための強力なコミュニケーションプラットフォームとして、世界の大企業を顧客として獲得しようと性を出している

これらはいずれもすばらしい動きではあるものの、現場が本当に必要としているツールの全容を理解しているとは言えないとハイアット氏は主張する。そのツールとは、実用的な機能(在庫管理など)から、従業員に簡単に提供することができるなら欲しいと企業が思うような機能(専門的な育成やトレーニングなど)までさまざまだ。そういった意味では、現在のフロントラインワーカー向けアプリが提供する基本的なコミュニケーションツールは、ほんの駆け出しのようなものである。

市場のギャップとそれを解決するために何が必要かをよく理解することができたため、同社は投資家の関心を集め、大きな成長へとつなげることができたのだろう。

Highland EuropeのパートナーであるJean Tardy-Joubert(ジャン・タルディ=ジュベール)氏は次のように話している。「Fabrice、Avi、Gillesが率いるすばらしいチームのおかげで、Yoobicはデジタルワークプレイス分野のリーダーとしての地位を確立し、市場けん引力を発揮して目覚ましい成長を遂げています。そのため彼らと提携できることを非常にうれしく思っています。企業はこれまで、デスクワークをする従業員のためのデジタル投資に注力してきましたが、世界は今、分散化、非集中化にシフトしつつあります。私たちは巨大なリソース、テクノロジー、資本が現場チームに向けてシフトするような、劇的な変化が起こると予測しています」。タルディ=ジュベール氏は今回のラウンドでYoobicの取締役に就任する予定である。

画像クレジット:Thomas Barwick

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

Salesforceが約3兆円で買収したSlackとの初の統合を発表

2020年12月にSalesforceSlackを277億ドル(約3兆300億円)で買収したとき、Salesforceには大きな計画があるはずだと思わずにはいられなかった。米国時間8月17日、Salesforceは同社顧客の利便性を向上させる統合の第一歩を発表した。

SalesforceのSlack担当シニアバイスプレジデントであるRob Seaman(ロブ・シーマン)氏は、Slackは同社を前進させるコミュニケーションプラットフォームであると考えている。シーマン氏は「Slackを、Salesforceユーザーとそのコミュニケーション、業務、ワークフロー、プロセスとアプリにおけるメインのエンゲージメントの場にしたいと真剣に考えています」と語る。

同氏は「我々が今回発表するのは、セールス、サービス、マーケティング、分析に適したSlackのビジョンに対応する新しい機能です。こうした分野のために我々が取り組んでいるのは、この新しい世界においてセールス、サービス、マーケティングの組織をどのような形にできるか、どのような形にすべきかをベストプラクティスと体系化の両方に関して明確に示すことです」と述べた。

外部のエンタープライズアプリを統合できるSlackの優位性を活かすことで、連携してSalesforceのさまざまなタスクの高速化と自動化を図り、状況に応じて切り替えをしなくてもすばやく簡単に使えるようにすることを目指している。

手始めとして、Sales Cloudに専用のディールルームが設けられる。これは財務などの社内部門や製造チーム、外部パートナーなど、コンプレックスセールスに携わるあらゆる人がセールスサイクル全体を通してSlack内に集まり、販売活動全体の動きに関して常に最新情報を把握できる場だ。

シーマン氏は次のように説明する。「ディールルームは、SalesforceからSlack内で顧客やパートナーも含めて誰もがつながって効果的に業務ができる、とてもシンプルな方法を表したものと考えています。このような場面でSlack Connectは(外部パートナーを接続することができ)極めてパワフルです。結果としてセールスサイクルを劇的に短くできると思います」。Slack Connectは2020年に発表されたサービスで、これを利用するとSlackユーザーが社外の人とつながることができる。

統合すれば、複雑な取引に関わっているセールスチームのメンバーが日々最新情報を得ることができる。情報は自動でSlackに集められ、これには各人の日々のタスクリスト、ミーティング、取引の優先度などが含まれる。

サービスチームは、Salesforceがスウォーム(「群れ」の意)と呼ぶ部屋に集まり、具体的な質問や問題についてお互いに助け合うことができる。取扱製品が多い企業では、回答をすばやく得ることができて特に役に立つだろう。SalesforceのAIプラットフォームであるEinsteinで関連するコンテンツを推奨することはできるが、もっと具体的な質問があってそれに関する知識を持つ人がいるならスウォームが有用だろう。サービスチームのメンバーは、すばやく質問に答えたり問題を解決したりすることのできる専門家を検索してスウォームに招待することも可能だ。

マーケティング部門にも恩恵があり、Salesforceが2018年に買収したDatoramaを活用してインテリジェントなインサイトを得られる。マーケティングキャンペーンに変更があれば、マーケッターはSlack内で定期的に最新情報を把握できる。

そして、Salesforceが2019年に157億ドル(約1兆7200億円)で買収したTableauとの統合もある。こうして改めて見るとSalesforceは買収に貪欲な企業だ。マーケッターがキャンペーンの最新情報を把握するのと同様に、Tableauで重要と思われるデータがアップデートされるとすぐにSlackがアップデートされる他、重視している指標に関するその日のまとめもSlackで見ることができる。

シーマン氏は、今回の発表は第一歩でSlackとのさらなる統合は2021年9月に開催される顧客向けカンファレンスのDreamforceで、そして今後数カ月間で公表すると約束した。同氏は「これはほんの始まりで、今回発表したセールス、サービス、マーケティング、分析の4つの分野に関するSalesforceとSlackの統合は今後広がり続けます。そしてさらにSalesforceの(製品ファミリーである)あらゆるクラウドや業界向けソリューションも統合に取り組んでいます」と述べた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SalesforceSlack買収チャットツール

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

RobloxがDiscordと競合するゲーマー向けチャットプラットフォームのGuildedを買収

Roblox(ロブロックス)は、M&Aを利用してそのソーシャル・インフラストラクチャを強化しようとしている。同社は米国時間8月16日朝、対戦型ゲーマー向けチャットプラットフォームを構築しているGuilded(ギルデッド)のチームを買収したことを発表した。

Guildedのサービスは、ゲームチャット大手のDiscord(ディスコード)と競合するものだ。過去に同チームの創設者は、Discordの野望がゲームの世界を超えて成長したため、その中核となる製品は、多くの対戦ゲームのニーズを満たすものではなくなっていると、TechCrunchに語っていた。Discordと同様に、ユーザーはGuildedのプラットフォームで、テキストや音声による会話が可能だが、さらにGuildedでは、イベントやカレンダーを軸にしたコミュニティを組織することができ、トーナメントをシームレスに開催するための機能が豊富に用意されている。

同社の製品は数百ものゲームに対応しており「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」「Fortnite(フォートナイト)」「CS:GO(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)」、そして「Roblox」など、いくつかのタイトルに特化した機能も備えている。2021年初めには、技術者ではないユーザーがゲームコミュニティを盛り上げるためのボットを構築できるように、ボットAPIの提供も開始された。

Guildedは2017年半ばにY Combinator(Yコンビネータ)から起業したスタートアップで、これまでにベンチャーキャピタルから1020万ドル(約11億1500万円)の資金を調達している。その中には2020年初めにMatrix Partners(マトリクス・パートナーズ)が主導した700万ドル(約7億6500万円)のシリーズAも含まれる。

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今回の買収条件については公表されていない。Robloxはこの発表を伝える記事の中で、Guildedチームが今後も独立した製品グループとして運営を続けていくことを明らかにしている。GuildedのEli Brown(エリ・ブラウン)CEOは別のブログ記事で、既存のユーザーはこれまで通り、Guildedを利用できると書いている。

「コミュニティ、パートナー、ボット開発者を含むすべての人が、これまでと同じようにGuildedを使い続けることができます」と、ブラウン氏は書いている。「Robloxは我々のチームとミッションを信用しており、私たちはそのミッションを成し遂げるために独立した製品として運営を続けていきます」。

近年、大きな成功を収めたRobloxは、投資家の注目を集めている。新型コロナウイルスの影響で、以前より多くのゲーマーがオンラインに接続し、より多くのユーザーを獲得しているが、同社の成功は競合他社の注目も集めている。2021年6月には、Facebook(フェイスブック)がCrayta(クレイタ)という小さなRobloxの競合企業を買収した。Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、つい数週間前に、Facebookを「メタバース」企業に変える計画を発表したが、この言葉は多くの人が、Robloxが構築してきたものと結びつけて連想するものだ。Guildedの買収はRobloxにとって、自社の製品群の中でユーザーベースをさらに深め、ユーザーを惹きつけるためのソーシャル・インフラストラクチャを作り上げる好機をもたらすことになるはずだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:RobloxGuilded買収チャットツール

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Discordのモバイルアプリでもユーザープロフィールのカスタマイズが可能に

Discord(ディスコード)は、モバイルユーザーのために、一般的なソーシャルアプリで見られるような機能を新たに追加する。同社は米国時間8月3日、iOSとAndroid向けのアプリで、ユーザーが自分のプロフィールをカスタマイズできるオプションの提供を開始した。デスクトップ版のDiscordでは、6月下旬に同様の機能がすでに導入されている。

この新オプションは、Discordのユーザー設定メニューに追加された「ユーザープロフィール」にある。ここでは、リンクや絵文字を含めて、190文字以内で自分の紹介文を書き込むことができる。また、Discordが割り当てた新しいデフォルトのプロフィールカラーが自分のイメージに合わないと思ったら、好みのプロフィールカラーを選択することもできる。まだこのオプションが見当たらない場合は、この機能が広く導入されるのを待ってからもう一度チェックしてみよう。

カスタムプロファイルの追加に合わせ、月額有料版「Nitro(ナイトロ)」の加入者には、プロフィールバナーとして画像またはアニメーションGIFを選択できるオプションも提供された。このオプションはデスクトップ版では以前から提供されていたものだが、今回のカスタマイズ機能の追加により、主にiOSやAndroidでDiscordを使用している人も、ちょっとしたスパイスを効かせることができるようになった。

今回の機能追加は小規模なものではあるが、このチャットアプリが、よりプロフィールを重視するソーシャルネットワークに近いものになるための一歩と言えるだろう。これまでDiscordは長い間、サーバーと呼ばれるチャットルームにのみ力を注いできたが、この数カ月でQuality of Life(生活の質)を向上させる機能を次々と導入している。

2021年4月にはClubhouse(クラブハウス)のような音声イベントスペースを展開できる機能や、最近ではスレッド化された会話を作成して自動的にアーカイブする機能が追加された他、AIを利用してネット上の嫌がらせや攻撃的な発言からユーザーを守るソフトウェアを開発したSentropy(セントロピー)という企業を7月に買収している。

Discordはすでに、コミュニティ主導の音声・テキストチャットでキラーサービスとなっているが、今回の機能追加により、ゲームをルーツとする当初の小さな枠をはるかに超えて、より多くのユーザーを惹きつけることができるようになるだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Discordソーシャルメディアチャットツールアプリ音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:Discord

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

音声SNSのClubhouseにテキストベースのメッセージ機能「Backchannel」登場

Clubhouse(クラブハウス)にダイレクト・メッセージ(DM)が導入されることはわかっていたが、米国時間7月14日、ついにその新機能が実装された。この音声に特化したアプリに、テキストベースのチャット機能が追加されたのだ。Clubhouseの新しいDMシステムは「Backchannel(バックチャンネル)」と呼ばれ、ユーザーから要望の多かった、音声ソーシャルメディアの舞台裏で会話を始める方法を提供する。

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Backchannelは、1対1のメッセージのやり取りの他、グループチャットも可能であり、声のみによるソーシャルネットワークにかなりの実用性をもたらす。Speaker(スピーカー)たちは事前に打ち合わせしたり、ルームを運営しながらメッセージングでライブを調整することができる。また、リスナーからテキストによる質問を受け付けることも可能になる。リスナーの中には、その方が気が楽だという人も多いだろう。

帽子は?被っている。
マイクは?入っている。
メッセージは?ダイレクトに。

意図せずに5回もリークしてしまいましたが、ここで私たちの愛するエンジニアリングチームが新しいClubhouse Backchannelを紹介します

現時点では、Backchannelを通じてリンクを送ることはできるが、画像や動画を送ることはできない。しかし、他にも新機能がもうすぐ追加になるようだ。また、このメッセージシステムには、知らない人からのメッセージを承認するまで保留しておくメッセージリクエストのエリアもある。今のところ、ClubhouseのDMは、知り合いや知り合いになりたい人とのチャットに焦点を当てたものになっている。ルーム全体のチャット機能はないので、あくまでも主となる活動は、依然として音声ベースのルームに集中することになる。

このメッセージングシステムは、ClubhouseのiOSおよびAndroidアプリですでに利用可能となっている。DM……ではなくBackchannelを始めるには、プロフィールページにある小さな紙飛行機のアイコンを探すか、あるいはメインメニューから右にスワイプしてBackchannelのページを表示させる。ただし、1つだけ注意すべきことがある。まだメッセージを削除することはできないようなので(コピーや報告はできる)、Backchannelする際には必ず、本当にこのメッセージを送信しても良いかどうかを確認しよう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:音声ソーシャルネットワークチャットClubhouseアプリ

画像クレジット:AP Photo/Mark Schiefelbein

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Discordがネット上の有害コンテンツとハラスメントに真剣に取り組むためAIソフトウェアSentropyを買収

オンラインチャットプラットフォームのDiscord(ディスコード)はSentropy(セントロピー)を買収する。AIを利用してオンラインハラスメントやヘイト発言を検出、削除するソフトウェアを開発している会社だ。

現在Discordは、発言の管理に「マルチレベル」のアプローチをとっており、社内の人力監視チームと有志のモデレーターと管理者の力で個々のサーバーの基本ルールを作っている。ユーザーを守り、コンテンツ管理ポリシーを整備することに特化したTrust and Safety(信用と安全)チームは、2020年5月時点でDiscordの労働力の15%を占めている。

Discordは、Sentropyの独自製品を既存のツールキットに組み込むとともに、同社の経営陣も迎え入れる。契約条件は明らかにされていないが、この買収は有害なコンテンツとハラスメントに真剣に取り組むことが正しい行動であるばかりでなく、ビジネスにもなることを示す証だ。

「Trust and Safetyチームの技術とプロセスは競争優位性のために使うべきものではありません」とSentropy CEOのJohn Redgrave(ジョン・レッドグレイブ)氏が合併を発表するプログ記事で述べた。「誰もがデジタルでもリアルでも安全でいる権利があります。モデレーターたちはこのオンラインで最も困難な仕事を、効率よくかつ悪影響なくこなすためのツールを与えられるべきです」。

Discordは危険なコンテンツに真剣に向き合うことに関して、必ずしも良い評判を得ていない。リアル世界の暴力と結びついた極右グループが、同プラットフォームに居着いていたこともある。Discordがヘイトや過激思想を厳しく取り締まるようになったのは、バージニア州シャーロッツビルで開かれた極右集会「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」で反人種差別運動家のHeather Heyer(ヘザー・ハイヤー)氏が亡くなった後のことだった。

2018年2月、Discordは白人至上主義者とネオナチ・グループを追放してプラットフォームを浄化し、ルーツであるゲーミング事業から主流ソーシャルネットワークへと成長するための道を歩み始めた。現在Discrodは1億5000万人の月間アクティブユーザーを擁し、あらゆるコミュニティにとって居心地の良い場所という地位を確保しつつ、コアユーザーであるゲーマーたちを掴み続けている。

レッドグレイブ氏が自社とDiscordの自然なつながりについてブログで詳しく述べている。

Discrodはソーシャルネットワークの次世代を担う会社です。そこは、ユーザーが販売される商品ではなく、コネクティビティーとクリエイティビティーと成長のエンジンである世代です。このモデルでは、ユーザープライバシーとユーザーの安全はプロダクトの主要な要素であり、後付けではありません。このモデルの成功は、次世代のTrust and Safetyをあらゆるプロダクトのために開発することにかかっています。私たちはこの責任を重く考え、Discordの規模でDiscordの資源と人材とともに働くことで私たちの影響力を高められることを謙虚に受け止めています。

Sentropyは、オンラインハラスメントと虐待を発見、追跡、駆逐するためのAIシステムを擁して2020年夏静かに開業した。その後同社は1300万ドル(約14億4000万円)の資金を調達し、Reddit(レディット)の共同ファウンダーであるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏と彼のVC会社であるInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)、King River Capital(キング・リバー・キャピタル)、Horizons Ventures(ホライゾンズ・ベンチャーズ)、Playground Global(プレイグラウンド・グローバル)らの著名な投資家が出資した。

Sentropyは、同社のソフトウェア製品であるDetect and Defend(ディフェクト・アンド・ディフェンド)を使用している既存の企業ユーザーに9月末までサービスを提供する。同社の消費者向け無料ダッシュボードのSentropy Protectは7月初めに閉鎖された。

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Sentropyの製品はソーシャルネットワークに依存しておらず、特定のプラットフォームに特化したソリューションではないと考えられている。Discord傘下に入った後も、安全なオンライン空間を作るための知見を広くインターネットで共有していくつもりのようだ。

「私たち自身のコミュニティを守るために開発したベストプラクティスとテクノロジーとツールをインターネット全体で共有する最善の方法を、Discordとともに考えていくことをとても楽しみにしています」とレッドグレイブ氏は言った。

Discordの未来は明るい。同社は2021年4月、評価額100億ドル(約1兆1050億円)といわれたMicrosoft(マイクロソフト)による買収提案を固辞した。現在Discordは自立に満足しているようで、そう遠くない将来のIPOも計画している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:DiscordチャットツールビデオチャットSentropy買収

画像クレジット:Discord/Eric Szwanek

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックが自動モデレーション機能などのグループ管理者向け新ツール発表

Facebook(フェイスブック)は米国時間6月17日、プラットフォーム上のコミュニティを適切に管理し、意見が対立して荒れるなどの状況を防ぐことを目的としたグループ管理者向けの新しいツールを発表した。特に興味深いツールは、機械学習を利用して、グループ内で不健全な会話が発生している可能性を管理者に警告する機能である。管理者がグループメンバーの投稿の頻度を制限して、白熱した会話のペースを落とす機能もある。

Facebookグループを利用するためにFacebookのアカウントを持ち続けるユーザーも多い。同社によると、現在、数千万のグループが存在し、世界中で7000万人以上のアクティブな管理者とモデレーターによって管理されているという。

Facebookは長年にわたり、グループオーナーのためのより優れたツールの導入に取り組んできた。大規模なオンラインコミュニティの運営には大き過ぎる管理責任がともなう。それに疲弊した管理者が仕事を放棄し、グループが管理されないまま放置され、誤った情報やスパム、不正行為の温床となってしまうことも多い。

2020年秋、Facebookはこのような問題に対処するために新しいグループポリシーを導入し、アクティブな管理者のいないグループを取り締まるなどの対策を講じた。同社はもちろん、グループの運営を簡単にできるようにして、グループが存続し、成長し続けることを維持したいと考えている。

米国時間6月17日、満を持して新機能が登場した。

新しいダッシュボード「管理者ホーム」には、管理者ツール、設定、機能が集約され、グループのニーズに合わせて役に立つツールを提案するヒントが表示される。

画像クレジット:Facebook

もう1つの新機能「管理者アシスト」では、グループ内のコメントを自動的に調整することができる。グループ内で議論が白熱した際に、事後的にコメントや投稿を削除すると、問題が生じる可能性がある。「管理者アシスト」機能を使うと、管理者は(事後的ではなく)より積極的にコメントや投稿を制限することができる。

管理者は「管理者アシスト」機能を使って、Facebookアカウントを取得してから間もないユーザーや、最近グループのルールに違反したユーザーの投稿を制限することができる。特定の内容の宣伝(マルチ商法へのリンクなど)を含む投稿を自動的に拒否し、その投稿が拒否された理由を投稿者に自動的にフィードバックすることも可能だ。

管理者は、Facebookが推奨する条件を利用して、スパムを制限したり、対立を管理したりすることもできる。

画像クレジット:Facebook

注目すべきアップデートは「対立の可能性のアラート」という、新しいタイプのモデレーションアラートだ。Facebookによると、この機能は現在テスト中で、グループ内で論争や不健全な会話が行われている可能性がある場合に管理者に通知する機能である。管理者はこのアラートを見て、コメントを消す、コメントできるユーザーを制限する、投稿を削除するなど、状況に応じて迅速に対応することができる。

「対立の可能性のアラート」は機械学習を利用している、とFacebookは説明する。機械学習モデルは、返信時間やコメントのサイズなどの複数のシグナルを見て、ユーザー間の相互作用がマイナスな方向に進行していないか、あるいは進行する可能性があるかどうかを判断するという。

これは、現在多くの管理者が使用しているキーワードアラート機能を自動化、拡張した機能で、言い争いになりそうなトピックを探すことができる。

画像クレジット:Facebook

これに関連した新機能では、管理者は、特定のメンバーによるコメントの頻度を制限したり、指定した投稿へのコメントの頻度を制限したりすることもできるようになる。

この機能を有効にすると、メンバーのコメントは5分に1回に制限される。根底にあるのは、議論が白熱する中、ユーザーにいったん立ち止まって自分の発言を考えてもらうことで、より文化的な会話につなげるというアイデアである。この考え方は、他のソーシャルネットワークでも採用されている。例えばTwitterは、リツイートする前に記事を読むように促したり有害である可能性のある返信にプロンプトを表示して、投稿を再確認するように呼びかけたりしている。

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画像クレジット:Facebook

その一方で、Facebookは、たとえそれがポジティブなやり取りや体験につながらない場合でも、プラットフォーム上でのコミュニケーションを幅広く受け入れてきた。今回の機能は大掛かりなものではないが、健全なオンラインコミュニティを構築するためには、頭に浮かんだことをすぐに書き込んだりコメントしたりできないようにする必要もある、とFacebookが認めたことを意味する。

Facebookは、管理者が特定のグループメンバーの活動を一時的に制限できるようにするツールもテスト中である。

管理者はこのツールを使って、特定のメンバーが1日に共有できる投稿数(1~9件)と、制限を有効にする期間(12時間、24時間、3日、7日、14日、28日)を設定したり、特定のメンバーが1時間あたりに共有できるコメント数(1~30件、5件単位)と、制限期間(12時間、24時間、3日、7日、14日、28日)を設定したりすることができる。

また、より健全なコミュニティの構築に向けて「メンバーの概要」という新機能で各メンバーのグループでの活動状況を把握したり、投稿数やコメント数、投稿の削除やミュートの回数などを確認したりすることも可能になる。

画像クレジット:Facebook

Facebookは、これらの新しいツールの活用法については言及していないが、管理者が詳細な「メンバーの概要」を利用して散発的にメンバーベースのクリーンアップを行い、議論を妨害してばかりいる悪質なユーザーを排除する、といったユースケースなどが考えられる。このツールで、グループの活動に貢献している無違反のユーザーを見つけてモデレーターに昇格させることもできるだろう。

さらに、管理者は、コメントと投稿にグループルールをタグ付けしたり、特定の投稿タイプ(アンケートやイベントなど)を禁止したり、グループの違反に関連する決定を再調査するようFacebookに「異議申し立て」したりすることができるようになる。

画像クレジット:Facebook

ここまでのニュースに埋もれてしまった感があるが、以前発表された「チャット」の復活も興味深い。

2019年、Facebookは突然チャット機能を削除した。(Facebookは製品インフラの問題であるとしたものの、)おそらくスパムが原因ではないかと一部で推測されている。以前と同様、チャットには、アクティブメンバーと、チャットからの通知をオプトインしたユーザーを含めて、最大250人が参加できる。上限に達すると、チャットのアクティブメンバーが退出するか、誰かが通知を停止するまで、他のメンバーはそのチャットルームに参加することができない。

Facebookグループのメンバーは、Messengerを使用するのではなく、Facebookグループ内で他のメンバーとのチャットを開始したり、チャットを検索して参加したりすることができる。管理者やモデレーターも同様だ。

今回の変更が、評価額が11億7000万ドル(約1290億円)の新しいユニコーン企業であるIRL(アイアールエル)のようなメッセージングベースのソーシャルネットワークの他、Telegram(テレグラム)やSignal(シグナル)などのメッセージングアプリ、さらに非主流のソーシャルネットワークの成長を後追いしている、という点は注目すべきだろう。

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画像クレジット:Facebook

以上のようなたくさんの新機能の他にも、Facebookは管理者からのフィードバックに基づいて、いくつかの機能に変更を加えている。

現在、固定されたコメントと、重要なニュースをグループの(グループの通知を受信する設定になっている)メンバーに通知する「管理者からのお知らせ」という新しい投稿タイプがテスト中である。

また、管理者がグループメンバーを除外する際、フィードバックを共有できるようになる予定だ。

画像クレジット:Facebook

これらの変更は、今後数週間のうちに、全世界でFacebookグループ全体に展開される。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNSチャット機械学習

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

リモートワーカー同士の「つながり・信頼・共感」を支援するGatheround

在宅勤務(リモートワーク)はもはや新しい話題ではない。新型コロナウイルスのパンデミックを受け、世界の多くの地域で1年以上前から実施されている。

大企業も小規模企業も、多様な対策を講じなければならなかった。初期の課題の多くは、ワークフローや生産性などに集中していた。しかし、それほど注目されてこなかったリモートワークシフトの要素がある。それは文化的側面だ。

新型コロナウイルスが猛威を振るい始めるかなり前からリモートワークの課題に取り組んでいた100%リモートのスタートアップが、今度は企業がリモートワークにおける「人」の課題に取り組むのを支援するサービスの需要の拡大を目の当たりにしている。同社はIcebreakerという名前でスタートしているが、これは一緒に仕事をする人たちとの間の「breaking the ice(雰囲気を和ませる)」という事業目的を反映したものだ。

「初対面の人同士をつなぐ手段として、いわばバーチャルスピードデートのようなものを、私たちは製品の初期バージョンとして設計しました」と共同創業者でCEOのPerry Rosenstein(ペリー・ローゼンスタイン)氏は説明する。「ですが、私たちは人々がそれ以上のことを行っていることに気づきました」。

同社のサービスは時間の経過とともに、最初の出会いを超えて人々が集う(「together」)のを支援するという大きな目標を盛り込んだものに進化を遂げてきた。それが新しい企業名「Gatheround」の由来だ。

「リモート企業が直面している重要な課題や問題は、物理的な空間を共有していない人々の間で、つながりや信頼、共感をどのように構築するかということです」と、共同創業者兼COOのLisa Conn(リサ・コン)氏は語る。「ミーティングの後に5分間の会話をすることも、食事を共有することも、カフェテリアを利用することもありません。そうした空間ではつながりが有機的に構築されます」。

リモート化が進むにつれて、業務のトランザクションが増え、従業員が孤立していくことを組織は懸念すべきだとGatheroundは主張する。人は主としてソーシャルな存在であることを無視することはできない、とコン氏はいう。

同スタートアップは、さまざまなチャット、ビデオ、1対1やグループ会話などのリアルタイムイベントを通じて人々をオンラインで結びつけることを目指している。さらに、文化的儀式の他、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(受容)に関する全員参加のミーティングやワークショップのような学習と開発(L&D)活動を促進するためのテンプレートも提供している。

Gatheroundのビデオ会話は、Slackの会話を新鮮な形で補完することを目的としている。Slackはコミュニケーション機能を提供しているものの、ユーザー同士が直接会って会話するようなものではない。

画像クレジット:Gatheround

Gatheroundはその設立以来「Fortune 500」の28社、米国テック企業大手15社のうち11社、大学トップ30に名を連ねる26校、700以上の教育機関など、目覚ましい顧客基盤を地道に築いてきた。具体的には、Asana、Coinbase、Fiverr、Westfield、DigitalOcean、そして大学を始め、ジョージタウンのInstitute of Politics and Public Service(政治公共サービス研究所)、Chan Zuckerberg Initiative(CZI、チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ)などの学術センター、非営利団体などが挙げられる。現時点でGatheroundは約26万人のユーザーを擁し、同社のSaaSベースのビデオプラットフォーム上で57万件もの会話が交わされている。

これまでの成長はすべて有機的なもので、そのほとんどが紹介と口コミによるものだった。そしてこのほど、前回の50万ドル(約5445万円)の調達に続く350万ドル(約3億8113万円)のシード資金を得て、Gatheroundは市場に積極的に進出し、その勢いを加速させようとしている。

今回の資金調達は、ベンチャーファームのHomebrewとBloomberg Betaが共同で主導し、StripeのCOOであるClaire Hughes Johnson(クレア・ヒューズ・ジョンソン)氏、Meetupの共同創業者Scott Heiferman(スコット・ハイファーマン)氏、Li Jin(リー・ジン)氏、Lenny Rachitsky(レニー・ラシツキー)氏などのエンジェル投資家が参加した。

共同創業者のローゼンスタイン氏、コン氏、そしてAlexander McCormach(アレクサンダー・マコーマック)氏は、自らを「経験豊富なコミュニティビルダー」と表現する。過去にはオバマ大統領のキャンペーンや、Facebook、Change.org、Hustleなどの企業で働いた実績がある。

3氏は、GatheroundがZoomやビデオ会議アプリと大きく異なる点として、同社のプラットフォームでは互いを知り、学び合うためのプロンプトや体系化された方法が提供され、イベントをカスタマイズする柔軟性もあることを強調している。

「基本的に当社はコネクションプラットフォームであり、単に楽しいというだけではない、有意義なリアルタイムイベントを通じて、組織が従業員を結びつけられるよう支援しています」とコン氏は語る。

Homebrewでパートナーを務めるHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏によると、HomebrewはGatheroundの創業者の市場適合性に魅力を感じたという。

「政治的な行動主義の面で構築された経験に基づくコミュニティを持ち、優れたプロダクト、デザイン、運用スキルを兼ね備えた、実に興味深い創業者の組み合わせだと言えるでしょう」と同氏はTechCrunchに語った。「彼らがエンタープライズ製品や純粋な社会的バックグラウンドの出身ではないことは、ある意味特徴的な存在感を放っていました」。

同氏はまた、Gatheroundのプラットフォームがパーソナライズされていることにも惹かれたという。過去1年間で、仕事の未来を支えるソフトウェアには「感情的知性が必要」であることが明白になってきたからだ。

「2020年には多くの企業がリモートワークの生産性向上に注力するようになりました。しかし、人々がこれまで以上に求めているのは、同僚と深く有意義なつながりを築く方法です」とウォーク氏。「Gatheroundはどのプラットフォームよりも優れています。Gatheroundで行われている、質問をしたり、ストーリーを共有したり、グループとして学習したりするような人々のバーチャル上の集まりは、これまでなかったものです」。

Bloomberg BetaのパートナーJames Cham(ジェームズ・チャム)氏もウォーク氏の意見に同意し、創業チームの行動心理学、グループ力学、コミュニティ構築に関する知識が彼らに強みを与えているという見解を示した。

同氏は声明で「しかし何より重要なことは、彼らは世界が結束し、つながりを感じるのを助けることに関心があり、それを実現するための組織作りにキャリア全体を費やしてきたことです」と述べている。「ですから、Gatheroundを支援することはごく自然な決断でした。彼らが社会に大きな貢献をもたらすことを期待しています」。

14名で構成される同社のチームは、今回調達した資金で規模を拡大し、Gatheround製品の機能や細部の追加を支援していく予定だ。

「パンデミックが起きる前から、リモートワークは他の仕事形態に比べて速いスピードで加速していました」とコーン氏はいう。「今、それがさらに勢いを増しています」。

この分野への参入を試みている企業はGatheroundだけではない。アイルランドに拠点を置くWorkvivoは2020年1600万ドル(約14億4226万円)を調達し、2021年初めにMicrosoftは新しい「従業員体験プラットフォーム」であるVivaをローンチしている。

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タグ:リモートワークGatheroundビデオ会議チャット資金調達

画像クレジット:Gatheround

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

Clubhouseがユーザー同士が深くつながれるDMテキストチャット機能を構築中

一部のClubhouse(クラブハウス)のユーザーはお気に入りのアプリであるClubhouse内で驚きの機能が与えられてきたが、それは間もなく全世界で提供される。「backchannel(バックチャンネル)」と呼ばれる新しいUI要素が先週後半に消えるまでのわずかな間登場した。これはClubhouseがアプリの新しいエリア開拓に従事しており、よりつながる方法を受け入れる用意ができているユーザーの間で話題になった。

バックチャンネルのスクリーンはテキスト入力ボックスがなく完全に空白だったが、ClubhouseのCEOであるPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏が以前同社のタウンホールで語っていたテキストチャット機能の構築に取り組んでいるようだ。

「……常にDMバックチャンネルを利用する人は多く、また人々と友情や関係を深めたり、その他にもあらゆる種のことをしたいと考えている人は多いと思います。これは我々が持つべきものだと考えます」とデイヴィソン氏は話した。

Clubhouseの共同創業者である同氏は、アプリのユースケースに合う機能の構築は些細なことではなく、すぐには実現しないと続けた。同氏はまた、アプリが従来の1対1のDM、あるいはよりオープンなテキストチャット機能を追加するかどうかについて詳細を語るのは却下した。

Clubhouseにコメントを求めると、同社はメッセージ機能がもうすぐ導入されるというTechCrunchの憶測を止めはしなかったが、控えめな声明文を出した。

「プロダクト構築プロセスの一環として、Clubhouseは定期的に可能性のある機能を模索し、テストします」とClubhouseの広報担当はTechCrunchに語った。「これらの機能がアプリの一部になることもあれば、そうならないこともあります」。

Clubhouseを真似たSpotify(スポティファイ)のアプリGreenroomは、ユーザーがアプリ内で右にスワイプしてアクセスできるライブのテキストチャットルームを提供しており、Clubhouseがまだ提供していないちょっとしたフレキシビリティを持たせている。Clubhouseのバックチャンネル機能は外観からしてスワイプでアクセスできるようだが、もちろん変更される可能性はある。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Clubhouseチャット

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi