人の顔を入れ替えた映画で使える高解像動画が作れるディスニー・リサーチのニューラルフェイススワッピング技術

ディズニー・リサーチがチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)と共同で発表した新しい論文で、写真やビデオの顔を入れ替えるための完全に自動化されたニューラルネットワークベースの方法について述べられている。研究者たちによれば、それはメガピクセルレベルの高解像度で最終結果を生み出す初の手法だという。現実世界の出来事だと視聴者を納得させるのに高解像度であることが鍵となる映画やテレビでの使用に、最終結果は適している可能性がある。

研究者はこの技術を使って、既存の俳優が演技している顔を置き換えることを考えている。例えば若返らせたり老化させたり、あるいは亡くなった俳優を描写したりするといった用途だ。彼らはまた、シーンによってはスタントマンの顔を置き換えることにも利用できると示唆している。

この新しい方法は、様々な点で既存の手法とは異なっている。例えば記録されたパフォーマンス中の顔を自由に入れ替えることで、必要に応じて比較的簡単に俳優のイメージを入れ替えることができる。また、俳優が実際にシーンと同じ条件の場所にいたように、合成ステップでコントラストと光の条件を調整することができる。

以下のビデオで成果を確認することができる(研究者が指摘しているように、静止画よりも動画の中の方が、はるかに優れた結果を得られている)。まだ「不気味な谷」の雰囲気が残っているものの、研究者たちはそれを認めた上で、これを「不気味の谷にうまく橋をかけてくれるフォトリアルフェイススワッピングへの大きな1歩」だという。基本的に、これまでの手法よりも「悪夢度」ははるかに少ない。特に他の手法で生成された動画と並べて比較してみると、それははっきりする。最も注目すべき点は、それがはるかに高い解像度で動作するということだ。これは実際のエンターテインメント業界採用されるための鍵である。

提示されている例は非常に小さなサンプルに過ぎないので、これがどれだけ広く適用できるかはまだ不明だ。例えば使用されている被写体は主に白いように見える。また特にビデオの場合、フェイススワッピング技術の使用は倫理的影響があるという懸念が常につきまとう。これは、実際には起こらなかった何かに対する、ビデオまたは写真の「証拠」を捏造するために使用できるからだ。

とはいえ、こうした技術が今や多方面から開発されていることを考えると、技術の研究と探究の倫理に対して議論する段階は基本的に過ぎている。その代わりに、ディズニー・リサーチのような組織が学術的な道筋をたどり、彼らの仕事の結果を共有することは歓迎される。そうすることで、悪意のある使用の可能性を懸念している他の人たちが、悪意のある利用者にフラグを立て、特定し、対抗する方法を決定できるからだ。

画像クレジット:Disney Research

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(翻訳:sako)

この3Dプリントされたキャンプ用コンロは、とても効率が良く風にも強い

私はキャンプが大好きだ。だがテントから起き出して来たのにまだコーヒーができていないあの瞬間は大嫌いだ。沸かないポットから目を離すわけにもいかず、テントを開けたら暖かい空気が逃げてしまって意味がないので単に寝に戻るわけにもいかない。ああまったく!だがスイス人たちがお湯をより速く沸かす素晴らしい方法を発見してくれた。この素敵なコンロが今すぐ欲しい。

PeakBoilコンロを生み出したチューリッヒ工科大学のデザイン学生たちは、明らかに私と同じ問題を抱えていたに違いない。そして彼らは実際に悪天候の中でキャンプを行っているので、通常のガスバーナーの弱い火を吹き飛ばす風にも対処しなければならない。

デザインを改良しようとする彼らの試みの要点は、コンロのパイプを容器の中に通して底からではなく、内側から加熱を行うという、議論も多い手段を採用したことだ。このやり方は水を加熱するためには他の多くの状況で使われているものの、私がキャンプコンロでそれを見たのは初めてだ。

ガスノズルを注意深く配置し、ヒートパイプの壁に波の模様を加えることで、PeakBoilは「炎とジャグ(水差し)の接触面積を増加させます」と、チューリッヒ工科大学のニュースリリースの中で、博士課程の学生でありプロジェクトリーダーのJulian Ferchowは説明している。

「これに加えて、壁をとても薄くしたことで、ジャグの中にある物質への熱伝導が理想的なものになりました」と彼の仲間のPatrick Beutlerが付け加えた。

煙突の中に炎を閉じ込めることで風の影響を最低限に抑えるため、炎が消えないように余計なガスを使うこともなくなる。

このデザインは、選択的なレーザー溶融と焼結プロセスを使用して作成された。このプロセスでは、3Dプリンターが熱せられたプラスチックを置いていくように、溶融した金属粉がパターンに沿って置かれていく。これは付加製造(additive manufacturing)の1手法であり、Ferchowの説明によれば「非常に大きなデザインの自由度を金属成形に対して与えてくれました、例えば、今回ガスバーナーの内側に実現したような筒の薄い壁はこれまでは実現不可能でした」ということだ。

もちろん、このデザインはお湯を沸かすことだけのために利用可能だ(こいつの上でフライパンを振りたくはないだろう)、だがこれは多くのキャンパーが既にその目的専用のコンロを持っているような一般的な特定の利用状況なのだ。

チームはデザインをさらに改善し、市場に出すための業界パートナーを探している。MSR、GSI、REI(いずれもキャンプ用品メーカー) …君たちには期待したい。君たちなら私の朝を耐えられるものにできるだろう。

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(翻訳:sako)