Peek.comが1000万ドルを調達、Yelpとのパートナーシップを通じて販路を拡大

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Peek.comは「1000億ドル規模のアクティビティ市場におけるOpenTable」になるため、エクイティファイナンスで1000万ドルを調達したと、同社の共同設立者兼CEOのRuzwana Bashirが発表した。

サンフランシスコを拠点とし、ユタ州のソルトレイクシティにも複数のオフィスを構えるPeek.comは、旅行者や地元の人に向けて、ツアーやテイスティング、レッスンといったアクティビティの検索・ブッキングサービスをオンラインとモバイル経由で提供している。

Peek.comのウェブサイトには、認証済みのカスタマーレビューが掲載されているほか、当日予約の可否もチェックできる各アクティビティの空き状況が表示されている。

現在80人のフルタイム従業員が勤務しているPeekは、Peek Proと呼ばれるオンラインツールも提供しており、ツアーオペレーターがオンラインやモバイル端末でツアーの運営を行うのに利用されている。

Bashirによれば、ツアーオペレーターはウォーキングやカヤックのほか、ボートやヘリコプターに乗ったり、工場見学やSegwayに乗ったりと屋外での活動が多いため、Peek Proはまずモバイル向けに開発が行われた。

さらに彼女は、ツアーオペレーターが気に入っているPeek Proの人気機能が、デジタル免責同意書だと語った。

「水辺に立って今からアリゲーター鑑賞ツアーに行こうとしている中、クリップボードと紙と鉛筆をツアー客に配るのは不便ですからね」

Peek.comはツアーオペレーターからの手数料が主な収入源で、Peek.comか、Peek Proを利用しているオペレーターのウェブサイトを通じて予約されたアクティビティが手数料の対象となる。

Peek.comは「トラベルテック」として、Viator.com (現在はTripAdvisor傘下)、Zozi.comIfOnly.comなどのアクティビティブッキングサイトの競合と認識されているが、Bashirは、彼女のビジネスが旅行と「垂直統合型SaaS」という2つの同じくらい重要な要素から成り立っていると語った。

同社のシリーズAに参加した投資家は、全て富裕層の個人で、機関投資家や企業は含まれていなかった。

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ツアーやアクティビティを紹介するPeekのオンラインマーケットプレイス。

投資家には、Trulia設立者で現在はPeek.comの取締役も務めるPete Flint、TPG設立者のDavid Bonderman、元Oracle社長で長年のベンチャーキャピタリストでもあるRay Lane、Hyatt HotelsのGigi PritzkerとMichael Pucker、そして以前から支援を行っているEric Schmidt、Jack DorseyさらにはTravelocity元CEOのCarl Sparksらが名を連ねる。

Sparksは、Peek.comのマーケットプレイス上の選びぬかれたツアーや、各ツアーに関する高品質なコンテンツ・レビューを賞賛していた。

彼はさらに「消費者は、宿泊施設から移動手段やアクティビティまで、どの製品カテゴリーにもすぐに欲求を満たしてくれるのを期待していますが、(これまでは)アクティビティに関しては、ほとんどが紙のカレンダーで管理されていたこともあり、それが不可能でした。しかし今では、彼らは朝目覚めた後に携帯電話を何回かタップすれば、その日の午後の楽しいアクティビティを予約することができます」と話していた。

Peekの取締役で、Truliaの設立者でもあるPete Flintは、Peekが既に市場の中で良いポジションにあり、各取引でしっかり利益を生み出すことができていると述べた。彼はさらに、新たな従業員の雇用がPeekの次の成長フェーズを支えるカギになると考えている。

ふたりとも、調達した資金が、引き続き優良ツアーオペレーターをPeekのプラットフォームへ誘導するのに利用されるだろうと話した。また、Sparksは、Yelpとのパートナーシップのように、旅行業界の中でパートナー企業を増やすことで、Peekの提供する素晴らしい旅行体験を一般消費者が知るようになり、さらに同社の成長を加速させると語った。

Yelpとのパートナーシップのほか、PeekはHawaiian AirlinesとVirgin Americaにアクティビティ情報を供給している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Airbnbが「City Hosts」プログラムを開始、旅行者に現地の体験ツアーを提供

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Airbnbは、一般的な宿泊先や印象に残るホテルに泊まるのとは違う個性的な旅行体験をゲストに提供することで有名になった。現在、Airbnbは旅行体験全体を新しくする方法を検討している。ゲストが現地の生活に触れることができる体験ツアーを専属のガイドと回るサービスだ。

部屋をシェアするサービスAirbnbは、City Hostsという新たなプログラムをプライベート・ベータ版でローンチした。Airbnbのゲストは宿泊先だけでなく、専属のツアーガイドを予約して、宿泊する街に隠された魅力を体験するツアーに参加することができる。プライベート・ベータ版では、サンフランシスコ、ロンドン、ロサンゼルス、パリ、東京のCity Hostsが利用可能だ。

Airbnbは、人々の旅行体験にもっと入り込みたいと考えている。このサービスのインターフェイスはNetflixの画面とよく似ている。ゲストが個別のエンターテイメント体験を簡単に選べるようにしたいという、このプログラムにおけるAirbnbの意図を示している。

現在36の体験コースがあり、私が思うにどれも面白そうな内容だ。サンフランシスコでカイトサーファーと冒険したり、パリ出身のシェフ主催のベトナム料理教室があったり、レコード好きとロンドンのグライム音楽シーンを巡るツアーなどがある。体験ツアーはゲストの人数に応じて支払う。また、Airbnbを通じてツアーが開催される街の宿泊場所を予約する必要がある。予約するCity Hostsによっては、体験ツアーで他のAirbnbのゲストと一緒になる場合もあれば、自分たちだけの場合もある。

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例えば、東京で「Art Luminary」のCity Hostsの体験に行きたい人は、ゲスト毎に250ドルを支払うと、ヨウコさんという現地のアートキュレーターが案内するツアーに参加できる。ゲストは1日およそ3時間の4日間、ヨウコさんと現地のアートギャラリーを訪れたり、アーティストに会ったり、知る人ぞ知るレストランやバーでひとときを過ごすことができる。ほとんどのコストは予約時の金額に含まれている。

このプログラムはまだ実装して間もないが、ユーザーの旅行体験に深く入りこもうとしているAirbnbが、着実にサービスの対象範囲を広げていることを示す。またこのプログラムでゲストは、体験したいアクティビティーに主軸に、いつどこへ旅行するかを選ぶことができるようになる。体験ツアーを予約すると、サイトはその体験ツアーの近くで何泊か宿泊できる場所のリストを提供している。

City Hostsがスケール可能かどうかについては、まだ分からない。Airbnbがこれらの町の興味深いカスタム体験ツアーに投資し、多くの労力をかけてこの施策に取り組んできたのは明らかだが、これを自分の街を自慢をしたい全てのユーザーに開放することになるかどうかは不明だ。ここにある多くの体験ツアーは夏以降からしか利用できないようだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter