ランチテイクアウトのサブスク「POTLUCK」にアプリ版が登場

月額制のテイクアウトサービス「POTLUCK(ポットラック)」を展開するRYM&COは7月24日、同サービスのスマホアプリ(iOS版・Android版)を正式リリースした。

POTLUCKはサブスク型のランチテイクアウトサービスとして2018年9月にスタート。これまではWeb版に特化して機能改善を進めていたが、本日より待望のアプリ版の提供も始める。

今回のタイミングで新機能の追加などは行なっていないとのことだが、新着メニューや人気メニューがトップに一覧表示されるなど「新たな飲食店との出会い」が生まれるようにアップデートされたそう。アプリリリースに合わせて料金プランも整備した。

あらためてPOTLUCKの仕組みを簡単にだけ紹介しておくと、同サービスは月額定額のチケットを購入することで、導入店舗の料理をテイクアウトできるというものだ。

決済と注文を事前に済ませる仕様のため、ユーザーにとってはランチタイムなど店舗が混雑する時間でもスムーズに料理を受け取れることが大きなメリット。POTLUCK限定のメニューが楽しめる店舗もあるほか、上手く使えば1食あたり400円〜650円になるので人によっては昼食代を浮かすことにも繋がる。

現在は昼のランチタイムに加えて夜の時間帯にも対応。12チケットで7800円(税別 / 1食あたり650円+税)の通常チケットプランに加えて、初回のお試しプランやランチ食べ放題プランなど3プランを用意している。一部の店舗では土日祝日の利用も可能だ。

  • 初回のみの1週間お試しチケット : 利用期限は1週間、3チケットで1490円(税別) / 1食あたり497円(税別)
  • 通常プラン : 12チケットで7800円(税別)/ 1食あたり650円(税別)
  • ランチ食べ放題プラン : 1ヶ月で1万2000円(税抜)/ 30日使用した場合は1食あたり400円(税抜)

飲食店側もテイクアウトを取り入れることによって売上の拡大や新規顧客の開拓を見込める。あらかじめ予約を受けているので作り置きをしておけるし、会計時も余計なオペレーションは不要。上限を決めておけば無理のない範囲でテイクアウトにも対応できる。

またPOTLUCK経由で繋がったユーザーが別の日に友人を連れて店内で食事をしてくれるなど、ユーザーとの新たな接点にもなりそうだ(以前話を聞いた際には、実際にそういった事例も生まれているということだった)。

昨年9月のWeb版リリースからもう少しで1年。20代後半〜30代前半の男女を中心に約8400人の会員を抱え、渋谷、恵比寿、代官山、中目黒エリアの飲食店約200店舗が登録するサービスへと成長した。累計で販売してきた料理は2万5000食に上る。

2019年に入って以降はテイクアウト保険を始め飲食店側がテイクアウトを導入しやすくなるための基盤作りに加え、期間限定メニューや他社とのコラボメニューなど「食事をより楽しんでもらえるようPOTLUCK限定のメニュー作りに力を入れてきた」(RYM&CO担当者)という。

RYM&COでは今回のアプリを通じてスマホからのPOTLUCKの使い勝手をさらに向上させる計画。これまでは絞り込み検索が必要だった新着メニュー・近くのメニュー・人気のメニューをトップに一覧表示するだけでなく、メニュー特集なども始める。

今後も基本的なUI/UXの部分を高めていくための改善を続けながら「POTLUCK限定メニューの開発やキュレーション、飲食店の方達とのコミュニケーションの密度をあげることで『テイクアウト』という体験自体のUX向上に注力する予定」(RYM&CO担当者)とのことだ。

LINEがテイクアウトサービス「LINEポケオ」開始、ガストなど国内約2000店舗から

LINEは4月18日、飲食店のテイクアウトをLINE上で完結できる新サービス「LINEポケオ」を先行公開した。まずはガストやバーミヤン、ジョナサンの国内約2000店舗にて導入をスタート。今後対象ジャンルや対象店舗を順次拡大していく計画だ。

LINEでは2017年7月よりフードデリバリーサービス「LINEデリマ」を開始。全国1万4000店舗のメニューをLINE上で手軽に検索・注文するプラットフォームとして事業を伸ばしてきた。それに続く形で昨年10月にテイクアウトサービスへの参入を発表。両サービスを足がかりに、LINEを通じてあらゆる飲食店への注文が可能となる「LINEオーダー」構想を掲げている。

本日先行公開されたLINEポケオは、今いる場所に応じて近くのテイクアウト可能なお店を検索し、注文から事前決済までをLINEアプリ上で完結できることを目指したテイクアウトサービスだ。

マップ検索を通じて対応店舗を検索するだけでなく、“セール”タブから近隣店舗のディスカウントメニューのみをピンポイントでチェックすることも可能。商品注文時に受け取り時間の指定をすることで、店頭で長時間待つ必要もない。

同サービスは個別のアプリではなくLINEアプリ上で「LINEポケオ」の公式アカウントを友だち追加することによって利用できる仕組み。購入金額に応じてLINEポイントが付与され、貯まったポイントは注文の際時に1ポイント=1円として使えるようになる。

冒頭で触れた通り、まずはガスト、バーミヤン、ジョナサンの国内約2000店舗からスタート。6月以降には松屋や松のやの導入を予定しているほか、コーヒーやファーストフード、スイーツなど、様々なジャンルの店舗にも拡大していく計画。2020年までに掲載店舗3万店を目指すという。

また機能面についてもアップデートを重ねていく方針。6月を目処に「LINE Pay」で支払いができるようにするほか(現時点では店舗支払いのみ)、ジャンルごとに飲食店を検索できる「ジャンル検索」にも今後対応予定だ。

スマホからテイクアウト商品を事前に注文・決済できる「モバイルオーダー&ペイ」型のサービスは、近年国内でもホットな領域のひとつ。直近でも「O:der(オーダー)」を手がけるShowcase Gigや「PICKS(ピックス)」運営のDIRIGIOについて紹介している。

テイクアウトに関しては10月の消費増税後も軽減税率が適用されることもあり、これからさらに盛り上がっていきそうだ。

ランチ難民救う、月額定額制のランチテイクアウトサービス「POTLUCK」

ランチの時間くらいゆっくりして、午後の仕事に備えたいーー会社に出社すればなかなか息をつく暇もないからこそ、ランチタイムをリフレッシュの時間として大事にしている人も多いだろう。

ただオフィス街では、なかなかそう簡単にはいかない。特に12時すぎはどのお店も混み合っていて、店の外まで並んでいる所も珍しくない。席が確保できたとしても、待っている人が大勢いればくつろぐのも気がひける。

「ランチ難民(昼食難民)」なんて言われることもあるけど、この問題を少しでも解決することはできないか。そんな思いから生まれたのが、月額定額制でさまざまな飲食店のランチをテイクアウトできる「POTLUCK(ポットラック)」だ。

SNSでもちょっとした話題になっていたので目にした人もいるかもしれないが、開発元のRYM&COは5月23日より同サービスの事前登録受付を開始。まずは今夏〜今秋を目処に、渋谷や恵比寿など一部エリアにてβ版を提供する計画だ。

サブスクリプション型のランチ持ち帰りサービス

POTLUCKは今風に言えば、サブスクリプションモデルのランチ持ち帰りサービスといったところだろうか。

ユーザーは30日間有効のチケットを月額料金で購入し、登録されている店舗の中から好きなお店を選んで事前にランチを注文。あらかじめ指定した時間に店舗まで足を運べば、行列に並んだりする必要なく食事を受け取れる仕組みだ。もちろん各店舗で決済をする手間もない。

テイクアウトの事前予約・事前決済という点では、海外で拡大する「モバイルオーダー&ペイ」サービスと共通する部分もある。関連するサービスとしてTechCrunchでも先日「PICKS」を展開するDIRIGIOを紹介した。

POTLUCKの場合はそこにサブスクリプションの仕組みを取り入れている点が特徴だ。価格は利用頻度にもよるが、1食あたり600〜680円。前日17時〜当日10時までにメニューと受け取り時間を指定する(平日限定)。

RYM&CO代表取締役の谷合竜馬氏によると「(飲食店とユーザーが)継続的に関係性を構築していけるような仕組みを作りたかった」ことからサブスクリプション型を採用。ある種ファンクラブに近いようなコミュニティサービスをイメージしているそうで、シンプルなテイクアウトの事前予約・決済ではなくあえて継続課金モデルを選んだ。

「新規でオープンしたお店や、もっとランチに力を入れていきたいという店舗にとっては、新しい顧客との最初の接点にもなる。試食のような感覚で、飲食店が顧客と関係性を築くきっかけとして使えるサービスにしていきたい」(谷合氏)

POTLUCKであればユーザーは30日間有効のチケットをすでに複数枚持っているので、それを使い切ろうと積極的にサービス内の店舗をチェックするユーザーは多そうだ。単発のテイクアウト予約サービスに比べ、新しい店舗が目を向けてもらえるチャンスは増えるだろう。

ランチタイムの混雑から解放され、有意義な時間を過ごせるように

RYM&COは2017年11月の創業。フリーランスとしてCAMPFIREの運営やNPOの支援に携わっていた谷合氏が立ち上げたスタートアップだ。

もともと谷合氏自身が冒頭でも触れたような、ランチタイムの“混雑萎え”を経験。当時のオフィスでは弁当のデリバリサービスのようなものがあったが、あまり利用しなかったという。

「とにかく空腹を満たしたい、外にでる時間がないけど何か食べたいといった場合には便利だった。ただランチタイムにリフレッシュしたい、食の時間を大切にしたいと思った時には、もっとさまざまな弁当から選べた方が良いと感じた。(デリバリーではなくテイクアウトにすることで)あえてオフィスから少し出てみると、気分転換にもなる」(谷合氏)

米国では同様のモデルで成長する「MealPal(ミールパル)」というサービスもある。オフィスから外にでる手間は発生するので面倒に感じる人もいるかもしれないが、それでもテイクアウトへのこだわりは強いようだ。

ボックスやクラフト紙にもこだわりがあるという

3月には3店舗と約20人のユーザーを対象に1ヶ月のテストを実施。特に食へのこだわりが強い女性からの反響が大きかったという。また店舗からも大きな手間がかかることなくテイクアウトを導入できるという点で、反応が良かったそうだ。

「外食中心で混雑疲れしている人や健康面が気になっている人には相性がいい。店舗にとっては予定の時間に合わせて作っておけば、あとは手渡すだけ。だいたい数秒で終わるので、そこにちょっとした“余白”ができ、お客さんとの間にコミュニケーションが生まれるきっかけになりうる。単にオーダーをして受け取るだけでなく、双方の関係性を育めるようなサービスにしていきたい」(谷合氏)

発表から3日でユーザーの事前登録数はすでに100人を超え、店舗からの問い合わせも数件合ったそう。今後はサービスの改良と飲食店の開拓を進めながら、まずは渋谷、恵比寿、代官山、表参道あたりからエリアを絞り、β版の提供を目指す。