折り畳みスマホGalaxy Foldが使用1日でディスプレイに問題発生、現在調査中

先週、Samsung(サムスン)からGalaxy Foldがようやく発売された。改良版の目的はただひとつ、ディスプレイが壊れないようにすることだった。実際、私自身もこの問題にはついては何千語も記事を書いてきた

しかし新しいFoldにも小さな問題が起きてしまった。使用し始めて1日後、デバイスをポケットから取り出すとロック画面のチョウチョの2枚の羽の真ん中あたりに小さな斑点が見えるのに気づいた。原色が入り混じった不定形のシミで記事トップの画像がそれだ。下にクローズアップの写真も貼っておいた。はっきりした写真を撮るのに苦労する程度の小さなもので直径は1センチもなかった。

close foldそもそもFoldが出直さざるを得なかった前回の折り畳みディスプレイの欠陥(片側が真っ暗になるなど)に比べれば、今回現れたシミはそれほど大きな問題ではない。ではあっても使用開始から27時間でこれでは愉快ではない。私はデバイスをコンクリートに落としたり、水没させたり、踏みつけたり、その他サムスンがしてはいけないと警告しているような行為は何ひとつしていない。

いずれにせよサムスンは私のデバイスを(おそらくは韓国で)分解して詳細に原因を調査中だ。なにか判明すれば報告する。

サムスンはGlaxy Foldの使用にあたって注意を促していた。今回のバージョンの発表に先立ってビデオを発表し「取り扱いはやさしくしてください」と呼びかけていた。Foldに付属している注意書きによれば以下のようなことをしてはいけないという。

  • ディスプレイ表面に強い圧力をかける
  • 畳む際にカギのような異物を挟み込む
  • 水、埃にさらす
  • 標準のスクリーン保護シートの上にさらに保護シートを貼る
  • デバイスをクレジットカードや医療機器などの近くに置く

しかし私はそういうことは何ひとつした覚えがない(水を飲ませたり真夜中を過ぎてエサをやったこともない)。仔細に点検しても保護ラミネートには傷や凹みは見られなかったのでいったい何が起きたのか見当がつかない。

通常のスクリーン交換は149ドル(約1万6000円)だが、「ガイドラインに従った正常な使用にともなう故障」と判斷されれば無料で修理してもらえるかもしれない。

この故障がごくまれなもので、単に私が不運だったのかどうかも今のところ不明だ。今週末には多数のFoldが北米で利用され始めるからこの点についてもさらに情報が得られるだろう。

ハイテク機器のレビューを仕事にしていればこうした問題はどうしてもおきてしまうことを知っている。新しいヘッドフォンが空き缶を叩くような不快な音をたててるので交換してもらったこともある。初期ロットには製造上の不具合が起きがちだ。なんらかの製造上の欠陥であれば多くの場合、保証の対象となる。

今回の問題については無料修理の対象となるか149ドルの追加出費となるかも含めサムスンの対応が判明次第報告する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルのディスプレイスタンドはウォール街を喜ばせる秘密兵器

ここ数年Apple(アップル)はビジネス戦略をシフトして、上級顧客からの売上をさらに伸ばそうとしている。しかし、もしあなたが999ドル(約10万8000円)というiPhone XSの価格が大胆だと思ったなら、Appleが新型Mac Pro用に今日発表したこのどうかと思うディスプレイスタンドも999ドルだ。

WWDC基調講演の終了間近にスタンドの価格がさりげなく発表され、客席で堰を切ったようにささやき声が漏れはじめたとき、発表者は明らかに不意をつかれたようで話す内容を忘れてしまった。

同社のMac Proは5999ドル(約65万円)からというとんでもない価格だが、結局のところこれはアップルのパワーユーザー長年の望みを山ほど盛り込んだマシンだ。4999ドル(約54万円)のPro Display XDRもその価格には驚かされものの見どころは満載だが、このスタンドは何ひとつ特別なものがないのに999ドルだ。

もちろん、この種の値段の商品には、ディスプレイを支える以外の何かがあるものだ!確かにそれはあってディスプレイを90度回転できる。89ドルのViewSonicにもあるが。

アップルはプロフェッショナル市場を金銭価格の欠如したドル箱だと思っている。デバイスの販売が停滞する今、何として掴んでおきたい素晴らしい市場ではあるが、いくらなんでもプロフェッショナルユーザーを馬鹿にしている。多くの点(全部ではない)でPro Display XDRに匹敵するディスプレイは、このスタンドだけの値段よりも安く買うことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

HPが、価格5000ドル、65インチのモンスターゲーミングディスプレイを発表

HP Omen X EmperiumはThe Office(英国のコメディドラマ)の再放送を視聴するためのものではない。もちろん視ることは可能だが。このディスプレイは、NvidiaのBig Format Gaming Display(BFGD)ファミリの、最初のディスプレイだ。従来の大型ディスプレイとは異なり、これらはNvidiaの認定を受けており、極めて滑らかな動を通して、最高のゲーム体験を提供すると言われている。

決して安くはない。Omen X Emperiumの価格は5000ドルで、発売は2月の予定だ。

昨年の夏、Nvidiaはこれらのディスプレイを製造するために、複数のメーカーと協力する意向を発表していた。今回の製品は、初めて発表されたもののひとつである。従来のテレビ市場にある同様のサイズのディスプレイに比べて遥かに高価格なものではあるが、十分な数のゲーマーたちが、信じがたい映像によってもたらされる利点を享受するために、現金を差し出すことだろう。

Emperiumの内部には、NvidiaのG-Sync HDRテクノロジを採用した、Nvidiaチップセットが搭載されている。ディスプレイ内のこのテクノロジーは、正しいリフレッシュレートを確保するためにコンピューター内のNVidia GPUと同期し、結果としてより鮮明で、滑らか、そして淀みのない映像を生み出す。

その画面は、デスクトップモニタに利用できるものの中では最高の、HPの素晴らしいQuantium Dot技術を利用している。またDCI-P3色域は95%にも達する。すなわち大量のカラースペクトルを表示する能力を持っていることを意味している。ディスプレイのリフレッシュレートは144Hz、そしてテレビよりもモニターに近い性格から、実際の素晴らしい性能が期待できる。

従来、Samsung、LG、その他のメーカーからの大型ディスプレイは、240Hz以上の速いリフレッシュレートをしばしば売り物にしていた。それは嘘ではないが、ソフトウェアの強化によってのみ達成されているもので、しばしば貧弱な映像へとつながっていた。個人的には直接このディスプレイを見てはいないものの、その宣伝文句が正当なものであることを信じている。

ディスプレイにはNvidiaのShield TVソフトウェアパックが内蔵されていて、所有者はNvidiaのストリーミングサービスを通じて、ほぼすべてのストリーミングサービスと幅広いゲームにアクセスできる。

良い音は良い画像と同じくらい重要であるため、サウンドバーがディスプレイに付属している。

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(翻訳:sako)

Samsungの折りたたみディスプレイの開閉動画はこちら

噂されていた通り、本日(米国時間11/7)Samsungは 折りたたみディスプレイのプロトタイプを披露した。たたむとスマートフォン。開くとタブレット。すばらしい!

あまりすばらしくないこと:Samsungは本当の意味で見せるつもりがなかった。プロトタイプがステージにいたのは45秒間で、意図的に背面から光を当てられてほぼシルエット状態になっていた。彼らは「デザイン要素を偽る」ことで、秘密の調味料がなんであるかを隠していた。

プロトタイプが開閉する映像を探すためには2時間にわたるSamsungのデベロッパー向け基調講演を掘り起こす必要があるので、読者のためにGIF動画にしたものを貼っておく。

これがスマホモードからタブレットモードに変わる瞬間だ:

そしてこちらがタブレットモードからポケットに優しいスマホモードに戻るところ:

これは初めての折りたたみ端末ではないが、最後でもないだろう。本日Googleが折りたたみディスプレイ対応機能をAndroidに追加したということは、複数のメーカーがこのコンセプトを試そうとしていると考えたに違いない——少なくとも、Androidのコードベース本体にこの変更を加える価値があると判断できる数のメーカーが。

Samsungが基調講演で話した関連部分を見たい人は、下に貼り付けたストリームの1時間25分の少し前から始まっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsung、折りたたみスマートフォン「Infinity Flex Display」をチラ見せ

長らく噂されていた折りたたみスマートフォンの発表をほのめかしていたSamsungが、これを発表と呼べるのかどうか、折りたたみディスプレイ付き端末のプロトタイプを披露した。

「デバイス自身のサイズを大きくすることなく画面を大きくするにはどうすればよいだろうか?」とSamsungの幹部が壇上で問いかけた。

同社は折りたたみできるデバイス、”Infinity Flex Display”のプロトタイプを紹介した。真っ暗な部屋の中で幹部が披露したそのデバイスは、「フォームファクターを隠す」ために大きめのケースに入れられていた。外側には本体と比べて小さめの通常画面が置かれていたが、開くとそこには巨大な7.3インチディスプレイがあった。

折りたたみ画面が外側ではなく内側に置かれていたのには少々驚かされたが、画面の実際に折れ曲がる部分が端末の縁にならなくてすむ方が、ディスプレイの信頼性を高められるに違いない。

端末を開くと、動いていたアプリは前面ディスプレイからタブレットサイズのディスプレイへと移動する。Androidの最近のアップデートで初めて可能になった機能だ。

この「イノベーション」を大きく謳ってはいるものの、Samsungはこのタイプのデバイスを発売できる準備がまだ整っていない。新型ディスプレイの量産は数ヶ月のうちに開始すると言っていた。また2019年の次期Samsung Unpackedイベントでこのデバイス関連の発表をさらに行うことも同社は示唆した。

これがファブレットの未来なのかどうかはともかく、スマートフォンのフォームファクターの進化の一つであることは確かだ。Samsungは折りたたみディスプレイが「明日のスマートフォンの基礎をなす」と信じているが、果たしてギミック以上のものになるかどうか、もちろんまだわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ワイヤレスでポータブルなiPadディスプレイアダプターLunaが80ドルで発売

Luna Displayで、世界が変わった人も多い。ぼくも、この赤い小さなドングルを試してみて、そう感じた。このデバイスの機能はDuetに似ているが、ケーブルを使わないし、追随性も良い。

昨年Kickstarterに登場したLunaが、80ドルで発売された(クラウドファンディングのときより20ドル高い)。決して安くはないし、iPadを持っていてMac用のポータブルな外付けディスプレイが必要な人以外は、用のないものだ。

でも、どっちも持ってる人にとっては、これによって出張などのときの仕事のやり方が、大きく変わるだろう。ぼくは、あちこち出かけることが多いし、オフィスでは大きな外付けモニターが必需品だ。つまりぼくは、「よく旅をする」と「外付けモニタが必要」の両方に該当するから、Lunaには相当期待している。

自分の家では、このシステムはすばらしい。アダプターをUSB-CかMini DisplayPortに挿入し、MacとiPadを同じネットワークにつなぐ。これで外付けモニターが完成する。

でも、VerizonのWi-Fiに依存している本誌ニューヨーク本社は、ちょっと難物だ。Lunaのアプリも、“Wi-Fiは難しい場合がある”、と言っている。ぼくの場合は手作業で、iPadのカメラでMacBookのQRコードを撮った。

何度かトライして、やっと使えるようになった。フェイルセーフのためのバックアップは、有線でやった。理想的なやり方ではないけど、とりあえず間に合う。

使える状態になると、相当よろしい! ウィンドウのドラッグなども、完璧にできる。

問題も多少ある。Darrelが彼のレビューで言っていた、何かを動かすときの描画性能は、今でもあまり良くない。ヘンな現象は、ほかにもある。FacebookのDMのポップアップウィンドウはおかしいし、混雑したメニューバーも再現性が悪い。

ぼくにとって重要な、RSSフィードやブラウザー、Slackなどにとって、これらは大問題ではない。そして、外付け画面でタッチが使えることは、Macでタッチが使えることにほぼ等しい。

Luna Displayは今では誰でも買える。iPadを一時的にWacomのお絵かきタブレットのように使える、同社のAstroPadとの併用もできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

RED Hydrogen Oneの発売はまた遅れて10月になったから写真でも見て我慢しよう

一度遅れたREDのHydrogen Oneは、今月(米国時間2018/8月)出るはずだったが、また遅れて10月か11月になった。でも、実際に出たとしても、あなたがそれを買わないであろう確率はかなり高い。1295ドルといえばAiboの半分だ。でも初めて公式にシェアされたこれらの写真は、REDの最初のスマートフォンの実物にいちばん近いものだから、せめてこれらでも見て楽しもう。

この、上品に言えば過剰、ふつうに言えばやり過ぎを見て、言いたいことはいろいろあると思うが、あなたならなんと言うかな。でも、ハイエンドのカメラメーカーが、市場に揺さぶりをかけてきたことは、確かだ。5.7インチの“ホログラフィック・ディスプレイ”と、これが同社から今度出るカメラのファインダーでもあるという事実に加えて、デザインそのものも、とんでもなくユニークだ。

REDは最近の業界のトレンドとも言えるシンプルなデザインに対して、その徹底的なケバさで逆らっている。CNETが気づいたように、サイドはギザギザがあって鋸刃ナイフみたいだ。表向きは、持ちやすくするためだと思うが、本音は外見をクールにするためだ。こんなデザインのスマートフォンは、街角で人の注意を引こうとして大声で叫んでいるようだ。うっかり立ち止まったら、“ホログラフィック・ディスプレイ”の説明を5分間聴かなければならない。

REDのデベロッパー向けモデルは今月の終わりに限られた数、出るようだ。予約購入した顧客が現物を受け取るのは10月9日からで、キャリアのストア(AT&T, Telcel, Verizon)に登場するのは11月2日だ。

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Samsungの曲げられるディスプレイは何度落としても壊れなかった

Samsungの“壊れない”ディスプレイを、最初から疑問視する人びともいる。人間は、疑う動物だ。でもやはり、2メートルの高さから落としても壊れないし異状もないスマートフォンと聞けば、すごく心惹かれてしまう人が多いことも、否定できない。

そのSamsungの自由に曲げられるOLED(flexible OLED, 可撓性OLED)が実機に載るのは、いつのことか。新製品への期待が大きいことを知ると、SamsungやLGは経済的な検討がまだない時点でプレビューをちらつかせる。こういう珍品に関心を向けすぎると、人びとは必ず、そんな残酷なジョークに見舞われる。

しかし、し・か・し、今度の噂は、来年発売される“折りたためる”ディスプレイ(foldable display, 褶曲性ディスプレイ)を指している。壊れないディスプレイを載せた壊れないスマートフォンという夢のような話も、そのとき正夢になるのだろうか。確かに、“それ”をめぐって今、いろんなテストが行われているようだ。

製品テストの老舗ULの落下テストは(やってる人は楽しかったと思うが)、ディスプレイを120センチメートル(4フィート)の高さから連続で26回落とした。超高温や超低温のテストも行い、上で述べたように、念のために180センチメートル(6フィート)からも落とした。いずれも、画面に損傷は生じなかった。

SamsungのGM Hojung Kimが言っている: “携帯用の電子機器には強化プラスチックのウィンドウがとくに適している。それは壊れにくいだけでなく、軽量で、伝導性を持たせられ、硬質である。これらの特長は、ガラスと比べて遜色がない”。

その技術は、スマートフォンだけでなく、自動車やゲーム機、タブレットなどにも使われるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

拡張現実用ディスプレイのメーカーDigiLensが自動車部品大手から$25Mを調達、そのココロは?

拡張現実(augmented reality, AR)はまだ、モバイルのプラットホームが初期的段階にあり、決定的なユースケースを欠いているが、それでも大企業やハードウェアメーカー企業は、消費者用ARヘッドセットというものを市場に定着させるために、さまざまな技術開発に明け暮れている。

そんなスタートアップのひとつが、拡張現実用のディスプレイを作っているDigiLensだ。同社は今日(米国時間5/17)、シリーズCで2500万ドルの資金を調達したことを発表した。その投資家は、自動車部品メーカーの大手、ドイツのContinentalだ。

DigiLensは、導光板ディスプレイ(waveguide displays)というものを作っている。それは前からある技術だが、ARのヘッドセット用には最適、とされている。

VR(virtual reality, 仮想現実)のヘッドセットなら、前からある液晶やOLEDのディスプレイにカメラからパススルーされるフィードを入れて“混成現実”をシミュレートできるが、しかしスマートグラス的(メガネタイプ)なARヘッドセットを醜悪でないデザインで作りたいハードウェアメーカーは、導光板技術に頼らざるをえなかった。それはふつうのバックライト液晶のように裏面に光源を置くのではなく、液晶版の側面から光を入れる〔参考記事〕。ここではその技術的な詳細は省略するが、側面から光を得るとパネルそのものは透明にできることを、お分かりいただけるだろう。つまり、画面に表示される「現実」の向こうに、本物の実在する「現実」を見ることができるのだ。まさに、ARにぴったし!

そしてDigiLensの技術が独特なのは、導光板の反射成分をガラス板に直接、印刷することだ。これにより、競合製品よりもコストを低くできる。

サニーベールのDigiLensは、第一世代のARヘッドセットにぴったりの小さな導光板ディスプレイで大きく報道されたが、ほかのディスプレイメーカーと同様に同社も、車やオートバイのヘルメットの、ヘッドアップディスプレイにもっと至近の機会があることを理解している。Continentalから得た大金により、同社の株式の18%を自動車部品メーカーが持つことになっているのだ。

DigiLensのこれまでの資金調達総額は6000万ドルで、CrunchbaseによるとSonyやFoxconnも投資している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleが8+8=16Kの超精細VRヘッドセットを開発中か

Appleはかなり前から、拡張現実グラスを開発していると噂されていたが、今日はある記事が、同社は仮想現実でもGoogleやMicrosoftやFacebookと競合しようとしている、と示唆している。

そのCNETの記事によると、AppleはARとVR両用のワイヤレスヘッドセットを2020年に出すつもりらしい。その記事は、T288というプロジェクトのコードネームまで挙げている。そしてCNETの情報筋によると、そのヘッドセットはディスプレイが片目8Kで、専用の“ボックス”にワイヤレスで接続する。

VrvanaのTotemヘッドセット

市場ではこれまで、Appleはユーザーと現実世界との間にライフスタイルにフォーカスしたARを置くことに関心があるので、エンターテインメントにフォーカスしたVRは“スキップする”、という想定が一般的だった。

ぼくも、この記事のAR/VR両用説には懐疑的だ。むしろそこで“AR”と呼ばれているものは、MicrosoftがそのVRヘッドセットで実装した“混成現実”(mixed reality)に近いものではないか。それは、ヘッドセットの中で体験するVRの世界を、まわりの現実の情報でコントロールしたり、より豊かにする技術だ。Appleが昨年買収したVrvanaは、まさにそれをやろうとしていた。Appleが本当にARとVRをその解像度で合体させようとしたら、ARとは思えない相当でっかいデザインになってしまうだろう。

片目で8Kの画像は、microLEDだろう。それは現状ではものすごく高価なものになり、電力消費もすごいだろう。今の8Kのディスプレイを二台並べてテストすることを想像すると、複数のハイエンドのGPUをつないで動かすことになる。記事によれば、これはワイヤレスで、Appleが設計したチップが動く外部システムに接続する。二本の8Kフィードをワイヤレスで送るとなると、それもまたたいへんなチャレンジだが、アイトラッキング(eye-tracking)によるレンダリングだから、そのストリーミングの負荷はそれほど大きくはないかもしれない。

Magic Leapのライトウェア(lightwear)

今から2年先とは遠い話だが、Appleはディスプレイのコストを下げる技術に自信があるのだろう。Bloombergの最近の記事では、Appleは、ある特定タイプのディスプレイの製造工場をひそかに作り、その重要なユースケースがヘッドマウントディスプレイだ、という。レンズがあって、しかも人間の目にとても近いから、画素の高密度が重要な要素になる。

その記事でも、このディスプレイの完成を2020年としている。もちろん、それが変わることもありえるが。

VRは着実に改良が進んでいるようだ。初期のブームの原動力だった誇大な扱いは萎えてしまったが、実力に余裕のある大手のテクノロジー企業は、今もVRをひとつの産業に育てようとしている。FacebookとOculusの取り組みは、ある面ではとても洗練されている(限界はまだとても多いけど)。そしてAppleは、バスに乗り遅れたときの大損害を、今から意識しているようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Galaxy S9のディスプレイがカメラと並んで最高の評価、iPhone Xを上回る

今月の初め、SamsungのGalaxy S9のカメラはDxOMarkから、これまででもっとも高い得点を獲得した。そして今度はそのスクリーンが、DisplayMateとディスプレイマニアRay Soneiraからこれまでの全機種の中で最高と評価された。しかし勝者と敗者の差は、世代を重ねるたびに小さくなっている。

S9は、その競合機に勝った。正直に言うなら、その中にはiPhone Xも含まれる。色の精度や設定の自由度など、すべての評価項目でS9が上位だった。それらの測度の多くは、Soneiraのラボで新記録を達成した。色再現域、コントラスト比、画面反射、許容視野角、などなどの項目だ。いずれも、S9がトップだった。

iPhone Xが明るさで上回る場合もあるが、しかし色再現域の高度な設定ができる場合は明るさよりも実際の色の方が重要だ。白色点の調節など、そのほかの項目もS9の高評価に貢献している。また、その優れたカメラ画像も、このスクリーンの上なら見栄えが良いだろう。

S9のカメラや画面以外の評価は、本誌の今後のレビュー記事をお待ちいただきたい。前世代機から大きく変わったところはないと思うが、しかし少なくとも、同じことでも前より良くなっているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPhone Xの画面にナゾの緑の縦線――グリーン・ライン・オブ・デスの正体は不明

これまでもAppleの新モデルの最初の出荷分にはなにかしらマイナーな問題があった。電波が途切れるアンテナゲートや筺体が変形するベンドゲートなどの事件を覚えているユーザーも多いだろう。どうやらiPhone Xもこの例に漏れないらしい。一部のユーザーがiPhone Xのディスプレイに緑の線が表示されたままになる謎の現象を報告している。

トップ画像はTwitterのユーザー、mix0mat0sisNate HeagyChristian Romanからのもので、いわゆる「グリーン・ライン・オブ・デス」の例だ。この現象が起きる確率、原因などは不明だ。私はAppleにコメントを求めておいた。

ここから先はわれわれの推測になるが、こういうことは言えるかと思う。iPhone Xのディスプレイのピクセルは斜めの格子状だ。これを縦にみると赤と青のピクセルは交互に配置されているが、緑のピクセルはまっすぐ一列に配置されている。これはDisplayMateのテストで実際に観察することができる。:

一部のiPhone Xにんらかの障害があり、ディスプレイの制御回路に微弱な電流が流れて緑のピクセルを光らせているのかもしれない。緑の線が画面の端から端まで垂直に通っているところをみると、画面周辺の回路に問題があって数ピクセルを一度に光らせているようだ(もし1列だけが光っているならこれほど太い線にはならないはず)。この線は画面の左右どちらかの端に現れる傾向があり、気づくのが遅れるという。

大量生産ラインに新しいテクノロジーを投入する野心的なデバイスにはこの種のバグはつきものだ。昨年はSamsungの画面にピンクの線が現れた。発生の確率が0.001%である場合、事前のテストで発見することは不可能だろう。そこで運の悪いユーザーがそういう現象を引き当てることになる。

あるユーザーは「不具合のあったデバイスはAppleで取り替えてくれた」と報告している。そうしたことからみて、不具合はソフトではなくハードにあったもようだ。もし読者のiPhone
Xに緑線が現れたらぜひ画面の写真を撮ってわれわれのとろへ送っていただきたい(その後、ストアに持ち込めば交換してもらえるはず)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがPixel 2 XLの画面の焼き付き問題を目下精力的に調査中

GoogleのPixel 2 XLは先週発売されたばかりだが、週末にかけて、そのOLED画面に焼き付き(ゴースト)の兆候があるという報告が上がってきた。画面をoffにしてもボタンなどのUI成分がかすかにわかる、というのだ。

Googleのスポークスパーソンは、同社が今その問題を調査中であることを確認した:

Pixel 2 XLのスクリーンは最新のPOLED技術により設計されており、QHD+の解像度および広い色再現域や高いコントラスト比により、自然で美しい発色と描画能力を有している。すべてのプロダクトは製造過程および発売前に徹底的な個別の品質検査を経ている。この報告については、目下集中的に調査中である。

日常的な利用には支障のない問題のように思えるが、焼き付きは、長期的にはだんだん目立ってくることが知られている。だから初期のテスターたちがすでにこの問題を経験していることは、良い兆候ではない。

この問題は今のところ、LG製の大型機Pixel 2 XLだけに見られるようだ。

ぼくも、表示が変わったときに前の画面の下の方のナビゲーターバーのゴーストを経験したが、それは数秒で消えるからいわゆる焼き付きではないと思う。

OLEDディスプレイは一般的にまだ技術としての完成度が低く、いくつかの既知の問題がある。しかし今回の症状は、もっと深刻かもしれない。ぼくの場合はグレーのバックグラウンドをダウンロードしてから、目をこらして画面の下の方を見ると、やっと残像が分かる程度だったから、全ユーザーに影響のある重大な問題ではない、と思っていた。でも今回の報告は、結果を注視する必要がありそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

REDのスマートフォンのホログラフディスプレイはこんな原理だ…今後のコンテンツが人気の鍵

映画撮影用カメラのメーカーREDが、スマートフォンを出す気だ。Hydrogenと名付けられたそのスマートフォンは、ビデオカメラを自慢しているだけでなく、“ホログラフディスプレイ(holographic display)”なるものを搭載している。ほとんど未知の技術だが、YouTube上の人気ヴロガー(vlogger)MKBHDは発売前にちょっと触ってみたらしい。しかしEngadgetの記事によると、REDのCEO Jim Jannardは、HP LabsのスピンアウトLeia Inc.をディスプレイ技術のパートナーに選んだという。

Leiaの技術は光界技術を利用する。それはLCDの束(積層)に、バックライトがいろんな方向から光を当てる。光を当てる角度のさまざまな組み合わせにより、3Dの効果が作り出される。Leiaのイノベーションは、ふつうの2Dの表示機能を持ったまま、この3D効果を実装したことにある。だから従来の2Dの画像や画面は、従来どおり見ることができる。そしてモードを切り替えれば3D効果を使える。

問題はこの技術に対応するコンテンツがまだ十分にないことだが、Jannardによると、同社のスマートフォンは.h4vと呼ばれるホログラフ形式を使って4Dのコンテンツをスクリーンに描画できる、という。4Dというのは、4台のカメラで違う角度から同時に撮影してホログラフを作ることだが、アマチュアには難しそうだし、既存の2Dや3Dのコンテンツをホログラフに変換する場合も、2Dはきわめて難しい。

しかし少なくともこれは、AmazonのFireスマートフォンのときのような、擬似的な‘ホログラフもどき’ではなさそうだ。Fireのそれは、誰もすごい!とは思わなかった。当分はニッチ製品に留まるだろうけど、Leia社の語源となったLeia姫からのSOSが銀河の彼方から届くようになると*、人気が爆発するかもしれない。〔*: 画期的なホログラフコンテンツが登場したら…〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートフォンのディスプレイの性能、世界の最上位はGalaxy Note 8というテスト結果

ディスプレイの技術とその進歩に関心のある人なら、Ray Soneiraが最新のスマートフォンやそのほかの製品についていつもやっている、徹底的なテストをご存知だろう。その彼の最新のターゲットがGalaxy Note 8だ。そしてこのSamsungの優れたファブレットは、これまでのあらゆるスマートフォンの中で最高最良のスクリーンを誇示していることが、明らかとなった。

しかもそれは、そんなに意外でもない。OLEDは当然、スクリーンの未来だし、その技術も、初期のぎごちなさを克服して、改良に改良を重ね、これまでのLCDを大きく超えてしまった。

それだけではない。上の写真の、美しいサイン(署名)をご覧あれ。Soneiraによると、もっと重要なことは:

ディスプレイのパフォーマンスを最高度に上げるために、多面的な機能強化が行われている。しかもモバイル用のOLEDディスプレイの技術は今、これまで以上にめざましく進歩している。Galaxy Note 8は、われわれがこれまでテストしたものの中で、もっとも革新的かつ高性能なスマートフォンディスプレイを備えている。

とくに興味深いのは、複数のキャリブレーションモードがあることだ。そのそれぞれが、目的に応じて色の再現性を上げ、これまでのふつうのスクリーンとは一線を画している。実際の画像のレンダリングにおける互いのモードの違いは、微妙なものもあれば、はっきり違うのもある。また、ホワイトバランスをユーザーが調節できるので、プロの写真家や、色温度を気にするユーザーには重宝するだろう。

改良点はここに網羅的に書かれており、それは野次馬の読み物としても、おもしろい。

Note 8のここまで徹底的に高度なディスプレイ技術に、他社、とくにAppleは、今後どう対応するのか。噂どおり次のiPhoneがOLEDになるのなら、それがNote 8より見劣りするわけにはいかない。これまでのAppleを見ると、同社のキャッチアップは素早いはずだ。同社のIPS LCDは世界最高と言われたが、明日も明後日もそれだけで勝負するわけにはいかない。

しかし現状の問題点は、高品質なOLEDの供給が追いつかないことだ。当面はそのことが、Appleをはじめ各社の脚を引っ張るだろうが、2018年はディスプレイ市場がいよいよますますおもしろくなるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))