スマート秤がコーヒー好きの悩みを解消、焙煎したての豆をなくなる前に自動補充

あなたも、月に一度くらいは、コーヒー豆を切らしたことに後から気付いて、大きなため息をもらしたことがあるだろう。Bottomlessは、Y Combinatorの最新バッチに含まれる200を超えるスタートアップの1つで、カフェイン中毒者向けのソリューションを提供するもの。

共同創立者のMichael Mayer氏によれば、まだ確定ではないものの、36ドルの年会費を払い、ブレンドの種類の応じて毎回11.29ドルを払えば、コーヒー豆のストックが底をつく前に、Bottomlessが自動的に補給してくれる。どうやって?このスタートアップは、インターネットに接続された秤(はかり)をメンバーに無料で配る。メンバーは自分のコーヒー豆の袋をその上に置いておく。Bottomlessの秤が袋の重さを監視して、顧客のコーヒー豆が残り少なくなると、あらかじめ選んである種類の煎りたてのコーヒー豆を、なくなる前に配達してくれる。

よっしゃ、これでもうコーヒーを切らすことはない!

Mayer氏とLiana Herrera氏の夫妻が2016年にシアトルで設立したBottomlessは、Nike.comの元デベロッパーだったMayer氏が情熱を持って始めたもの。Bottomlessが十分な数の顧客を確保し、二人がこのプロジェクトにフルタイムで取り組んでも大丈夫と分かるまで、Herrera氏はシステム実装の専門家として働き続けた。それは2018年のことだった。何カ月か後、2回目の応募で、彼らはY Combinatorのアクセラレータプログラムへの参加を認められた。

Bttomlessのスマート秤

今日、Bottomlessには約400人の顧客がいる。さらにFour BarrelやPhilz Coffeeなどとも配給契約を結んでいる。YCが個々のスタートアップに提供する15万ドルの投資を含め、Bottomlessは、サンフランシスコやシアトル地区のエンジェル投資家から、プレシードラウンドをすでに獲得していた。

YCのためにサンフランシスコに引っ越す前は、Bottomlessの創立者夫婦はシアトルの自宅で無我夢中で働いていた。

「私たちはずっと、アパートに置いた3Dプリンターを使ってプロトタイプを作っていました。はんだ付けもアパートの中でやりました」と、Mayer氏はTechCrunchに語った。「私たちは、自分たちの住まいを、新しい製造工場に変えたわけです。そこらじゅうゴミだらけで、大騒ぎでした。それでもなんとか自分たちの手で、150個の製品を、指に火傷しながらはんだ付けして組み立てたのです」。

長期的な目標は、ペットフード、石鹸、シャンプーなど、いろいろな家庭用品の補充プロセスを自動化することだ。彼らの課題は、顧客の自宅に複数のスマート秤を置いてもらうこと。それは、デジタルアシスタントに指示して、Amazonにコーヒーや石鹸を注文するのとは違うのだ。

Amazonは最近、商品をセルフオーダーできる貼り付けタイプのIoTデバイス、ダッシュボタンを廃止したことを発表した。そのデバイスは、Google HomeやAmazon Alexaが流行りだす前の2015年に発売された。

それでも、なぜキッチンにスマート秤を設置するのか。デジタルアシスタントに、補給を依頼するのではだめなのか?Mayer氏によれば、コーヒー豆の品質が、競争力を保つ秘訣なのだという。

「私たちの最も熱心な顧客の中には、都会からかなり遠く離れた郊外に住んでいる人もいます。彼らは本当に新鮮なコーヒー豆が欲しいのです」とMayer氏は言う。「市街の中心部から20、30分も離れたところに住んでいたら、焙煎したてのコーヒー豆を手に入れる方法はないでしょう?」。

「サンフランシスコやシアトルのような都市なら、レストランがあちこちにあるので、煎りたてのコーヒー豆も簡単に手に入れることができると思うでしょ?」と、彼は続ける。「それは間違いないでしょう。でも、コーヒー豆の残りが少なくなってきたとき、買い足すのに最適な日を覚えておくのには、ちょっと気を使わなければならないのです」。

Mayer氏とHerrera氏は、自らをコーヒーの専門家だとは考えていない。現在、コーヒーの聖地とみなされているシアトルで、基本的に消費者に直売するコーヒー市場を運営しているにもかかわらずだ。

「私はポートランド出身で、ポートランドの人はコーヒーについて詳しいのです」と、Mayer氏は言う。「私は自分では、自分のことを熱心なコーヒー愛飲家だとか、コーヒー通だとか考えたことは、まったくありませんでした。とはいえ、そこらにいる一般的な米国人と比べれば、私はポートランド出身者らしく、よくコーヒーを飲む方だと思います。私がこの仕事を始める前に知っていたのは、コーヒー豆は新鮮なほど良い、ということだけです。本当にそれだけ」。

Bottomlessは現在、ベータユーザーとして顧客を募集している。このチームは来週、YC Demo Daysで投資家にプレゼンする予定だ。

画像クレジット:Bottomless

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(翻訳:Fumihiko Shibata)