Githubの新機能公開スケジュールがわかるPublic Roadmapが登場

GitHubは米国時間7月28日にGitHub Public Roadmapをスタートさせた。この新機能はコードレポジトリをはじめとしてActionsやモバイルアプリ、セキュリティツールなどでGitHubが準備している新機能の概要、開発状況、公開予定などをユーザーに知らせることが目的だ。

GitHubのプロダクト担当シニアバイスプレジデントのShanku Niyogi(シャンク・ニヨギ)氏は取材に対して「現在、Githubがどんな機能を準備しているのかを知らせ、ユーザーに議論へ参加してもらい、Githubにフィードバックを送って我々と協力できるようにすることが目的だ」と述べた。

ニヨギ氏はまた「GitHubのエンタープライズ部門が拡大するにつれて、カスタマーがGitHubが開発中の新機能をあらかじめ知り、対応を準備する必要性も増えていることがこのページを作った理由の1つだ」と指摘した。これまでGithub はこうした情報を一部の大手ユーザーに対して(伝統的なスライドの形式で) 直接伝えていた。しかし今後はこうした情報をすべてのユーザーが利用できることになる。ニヨギ氏によればPublic Roadmapの公開は「すでに多くのユーザーが GitHubで取っていた開発手法をGitHub自身も取り入れたということだ」という。

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当然だが、新しいページはGitHubレポジトリ内にある。したがってすべてはレポジトリの文法に従っており、機能に応じたタグ、影響する分野、開発の現状などが表示される。GitHubは今後スクリーンショットを添付するなど詳細を表示できるようにしていく計画だ。

GitHubでは、最近スタートさせたDiscussionsなどの機能を通じてユーザーがGitHubにフィードバックを送れるようにしたいと考えている。

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現在のロードマップは1年先まで表示しているが、ニヨギ氏は「もちろんここに5年も6年も先に実現するかもしれない機能について表示する必要はない。しかし何か必要性が生じてきた場合にはそれについても表示しておきたい。ソフトウェアの開発ではなにごとも変化していく。我々はこれは当然のことだと考えている」と述べた。

ユーザー登録をしておけばロードマップに何か変化があった場合に通知を送ってもらうことができる。

GitHub Public Roadmapはすでに一般公開されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android 11向け純正開発環境がアップデート、ADBにWi-Fi、Kotlinサポート強化など多数

先週Google(グーグル)は次世代Androidの発表イベントを「お祝いをする時期ではない」として延期していたが、やっとAndroid 11のベータ版が公開されたのを機に開発環境も強化された。

TechCrunchでも報じたとおり、このアップデートでは消費者向けの多数の機能が追加された。同時にAndroidアプリ開発を助けるためのデベロッパー向けツールの改良も行われている。ファンファーレとともにキーノートがライブ配信されるといった派手な登場の仕方ではなかったが、Googleは機能を紹介する記事とビデオ多数を公開している。

同社はブログ記事で「グーグルは公衆が米国における人種的正義という重要な問題に集中できるよう、ライブ発表イベントトを延期した。今回我々はAndroid 11ベータ版の発表に関する計画を変更し、短いビデオクリップ多数とウェブページで開発者が必要と考える情報にじっくり接することができるようにした」と述べた。

これまでどおり、Androidアプリ開発のコアとなるIDEはAndroid Studioだ。これは各種のアップデートのハブであり、同社はAndroid Studio 4.1ベータとAndroid Studio 4.2 Canary Release(カナリア版)の両バージョンをリリースした。

私はAndroidの責任者であるStephanie Cuthbertson(ステファニー・カスバートソン)氏にインタビューしたが、同氏はアンドロイドのデバッグ環境、ADB(Android Debug Bridge)のリニューアル、中でもワイヤレスデバッグ機能が追加されたことを強調した。デベロッパーはADBを通じてWi-Fi経由でAndroid 11アプリをデバッグすることができる。マシンのUSBポートは限られており、それでなくても複雑な接続となっている現在の開発環境ではWiFi接続が利用できることは時間と労力を大幅に節約できるし、デベロッパーから長年強く望まれていた機能でもある。

ADBに加えてもうひとつの大型アップデートはAndroid Emulatorだ。このエミュレータはこれまでも着実にパフォーマンスが強化されてきたが、今回はデザインそのものが変更され、Android Studioに統合された。IDE内から利用できるようになったことでデベロッパーは多数のデバイスのテストを並行して実行できる。これも時間の節約効果が大きい。

またAndroidチームは、全般的にビルドからデプロイメントまでのプロセスを高速化するためにシステムを改良した。具体的には、Android StudioのビルドツールであるGradleでの巧妙なキャッシュ利用、Kotlin言語におけるアノテーション機能のネイティブ化などが大きい。Androidアプリ開発において、Javaは引き続きサポートしているものの、Kotlinが事実上の最優先言語となっているため、同社はKotlin関係に多くのリソースを投入していることは注意すべきだろう。

機械学習を抜きにしては最近の開発者向けの発表は終わらない。同社は、開発者がML KitとTensorFlow Liteを利用して作ったモデルをAndroid Studioに直接インポートできるようになったことを発表した。

ゲーム開発者向けには、パフォーマンスプロファイラーに新しいユーザーインターフェイスを導入するなどの改良が加えられた。

同社はしばらく前にAndroid向けUIツールキット、Jetpack Composeを予告している。このプロダクトはまだアプリ制作に商業的に利用できるレベルになっていないが、今回のアップデートではデベロッパープレビューのバージョン2が発表された。これにはアニメーションやウィジェットのレイアウトを保つConstraintlLayoutのサポートなどが含まれる。 ただし Jetpack Composeのアルファ版がリリースされるのは今年夏、 1.0のリリースは来年になる予定だという。息を詰めて待つには少し早いようだ。

現在、Google Playストアの上位アプリ、1000タイトルの約70%はKotlin言語を使用している。今回のアップデート(プラス、Kotlin 1.4)で同社は非同期処理を実装するためのKotlin Coroutinesをサポートした。これにより並列処理を書くことが非常に簡単になる。同社は現在、Coroutines利用を正式に勧告しており、Jetpackライブラリではすでにこのテクノロジーを利用したものがある。

Google Play関連では新しいGoogle Play Consoleがリリースされた。このコンソールを利用すれば「クリアでわかりやすいデザインを簡単に作れると同社は約束している。またゲームのパフォーマンスを測定するPerformance Insightsの統計も理解しやすくなり、利用約款の変更についてのガイダンスなども新たに提供されることになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Microsoft EdgeにPinterest統合、サイドバー検索、仕事利用時自動切り替えなど新機能が多数搭載

Microsoft(マイクロソフト)はオンラインで開幕したBuldカンファレンスで新しいEdgeブラウザに多数の機能を追加することを発表した。アップデートの一部は一般ユーザー向けだがビジネスユーザー、IT管理者、デベロッパー向け機能も含まれる。Edgeの安定バージョンがリリースされたのは最近だが、開発チームはこのブラウザをライバルと差別化するための新機能を組み込み始めたようだ。

一般ユーザー向けのアップデートの1つは、Edgeのコレクション機能をPinterest に利用するというものだ。Pinterestとコレクション機能はどちらも、ページ、画像その他なんでもユーザーがオンラインで見つけたアイテムのリンクを保存できるようにするものだ。そこでマイクロソフトはEdgeにPinterestを利用したツールを追加し、コレクションの下部にPinterestからの「おすすめ」を表示できるようにした。クリックするとユーザーは「類似したピンを集めたPinterestボードに移動する。ユーザーは興味あるアイテムを見つけて自分のコレクションに追加できる」という。逆にEdgeのコレクションをPinterestにエクスポートすることもできる。一部のユーザーには歓迎される機能だろうが、(特に個人的には)無効にするオプションが欲しいところだ。

コレクションは既にWord、Excelと統合されているが、さらにアイテムをOneNoteのメモ作成ツールにエクスポートする機能も追加される。

これらのEdgeの新機能は、今後数日以内にまずプレリリースチャンネルで公開される。

サイドバー検索はまったく新しい機能で、名前のとおりブラウザのメイン画面で新しくタブを開かなくてもサイドバーから検索が実行できるようになる。ユーザーがタブを移動してもサイドバーは維持されるので、これはかなり役立ちそうだ。このアイデアは他のブラウザも真似することになるだろう。

我々の多くは、同一のコンピュータの同一のブラウザにビジネスアカウントと個人アカウントを混在させている。Edgeが導入するプロフィールの自動切り替え機能も便利そうだ。これはページ内に業務用認証情報を必要とするリンクを検出すると、Edgeは自動的にプロフィールを「仕事用」の設定に切り替える。

これに関連するが、EdgeはWindows 10のWIP(Windows情報保護)をサポートすることになる。WIPは企業向け管理システムで、個人データと企業データを判別する。私用のメールアカウントから企業が開発中の極秘のプロダクトの画像を送信するなどの誤用を防止できる。WIPのサポートは企業からの要望事項のトップだった。

デベロッパー向けの新機能やツールも発表された。その1つはOrigin Trialsだ。これを利用するとデベロッパーは実験的なウェブ機能を一定期間サイトにアップし、Edgeユーザー向けにテストできる。マイクロソフトによれば「Edgeを通じてサイトを訪れるユーザーの一部に一般的公開前のプロトタイプをテストしてもらうことができる」という。

Windowsのデベロッパーは新しいWebView2プレビューをテストすることができるようになる。このデベロッパー向けプレビューは従来Win32プログラムに制限されていたが、アップデート後は.NETおよびUWPアプリもサポートされる。

またWindowsのPWSA(プログレッシブWebアプリ)が強化された。

【略】

利用できるのは当面一部のビルドのユーザー(Windows Insider buildsとEdge Canary preview builds)に限られる。

個々のアップデートも十分興味あるものだったが、最もポイントとなるのはEdge開発チームが単なる「もうひとつのブラウザ」を超え、ライバルとはっきり差別化されるブラウザを目指して機能のリリースを開始したことだろう。Edgeはもともと非常に優秀なChromiumベースのブラウザなので、この新しい方向は大いに期待できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Visual Studioベースの完全クラウド開発環境GitHub Codespacesが登場

Microsof(マイクロソフト)のグループとなったGitHubは、新型コロナウイルス危機が起きていなければ今週パリでデベロッパー向けカンファレンスを開催していたはずだ。 多くのイベント主催者同様、GitHubもSatelliteをバーチャル版に切り替えて続行することにしたのでGithubから多数の発表があるはずだ。

オンライン版のSatelliteの目玉はやはりGitHub Codespacesだろう。これはマイクロソフトのVisual Studio Codespacesをベースにして、デベロッパーにフル機能の開発環境をクラウドで提供するサービスだ。Codespacesというブランド名はまだなじみが薄いかもしれない。これはマイクロソフトがVisual Studio Code Onlineをリニューアルして名称をCodespacesに変えたものだ。GitHubも基本的に同じコンセプトでサービス内に直接Codespacesを組み込むこととした。以前GitubでVisual Studio Onlineを使ったことがあれば、GitHub Codespacesは非常によく似ていることに気づくだろう。

米国時間5月6日の発表でGitHubの製品担当シニア・バイスプレジデントのShanku Niyogi(シャンク・ニヨギ)氏は「コミュニティに貢献できるようなコードを書くのは難しい。 どのリポジトリも独自の開発環境を持つためコードを書く前に何十ものステップを必要とするのが普通だ。さらに面倒なのは、同時に作業している2つのプロジェクトの開発環境がバッティングする場合だ。GitHub Codespacesは、GitHub内でサポートされるクラウド開発環境であり、数秒で起動しフル機能が利用できる。このためすぐにプロジェクトに対してすぐに実際のコードを書き始めることができる」とコメントしている。

現在、GitHub Codespacesはベータ版で利用は無料だ。 ベータが外れた後、料金がどうなるかはまだ明らかになっていない。ニヨギ氏は「料金はGitHub Actionsと同レベルになる」と述べている。Anctiosnsではプログラムのビルドのような多量のコンピューティング能力を必要とするタスクに課金されている。現在、マイクロソフはVisual Studio Codespacesのユーザーに対し仮想マシンの種別に応じて時間単位で課金している。

本日のイベントではさらに GitHub Discussionsというフォーラム機能が発表された。これはプロジェクトごとに意見交換の場を設けるものだ。GitHubにはすでにプルリクエストや特定の問題に関してユーザーが会話できる機能を提供しているが、新しいDiscussionsは構造化されておらず自由にスレッドを立てて会話を始めることができる。 これは特にQ&Aに適しており、事実GitHubもFAQなどのドキュメントを共有する場所によいと述べている。

現在、Discussionsはベータ版であり、オープンソースコミュニティだけに提供されているが、近くほかのプロジェクトでも利用できるようになる。

GitHubのもう1つの柱であるセキュリティ分野では、コードスキャンとシークレットスキャンという2つの機能が発表された コードスキャンは、書いたコードに潜在的なセキュリティの脆弱性がないかどうかチェックする。CodeQLを利用しており、オープンソースプロジェクトの場合は無料だ。シークレットスキャンはプライベートリポジトリで利用できる(同様のサービスはパブリックなプロジェクトでは2018年にリリースされている)。どちらの機能もGitHub Advanced Securityの一部だ。

エンタープライズ向けとしてはPrivate Instancesが発表された。これは他のGithubクラウドと同様の機能を備えたサービスだがここにアップされたコードは当該ユーザー企業以外には一切共有されない。「Private Instancesはセキュリティとコンプライアンスが強化されており、ユーザーは自社の独自の暗号鍵を利用でき、バックアップをアーカイブし、各国のデータ主権の要求に適合させることができる」とGitHubは説明している。

画像:Michael Short/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトが無料開催のオンライン版Build 2020の登録を開始

Microsoft(マイクロソフト)は、5月19日から20日まで、今年はオンラインのみで開催するBuild 2020デベロッパー・カンファレンスへの参加登録を開始した。

通常なら、このイベントには6000人以上のデベロッパーが参加する。しかし新型コロナウイルスのパンデミックのため、いつも通りの開催はできない。今年はGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスを完全に廃止したGoogleとは対照的に、マイクロソフトは仮想イベントとして開催することにした。これは非常に異例のBuildとなるが、オンラインのみの開催だからというだけではない。

まず基調講演が短くなる。ただし、第1日と第2日に、それぞれ基調講演の枠は確保されている。もう1つの違いは、デベコンの参加者のみに焦点を合わせることにしたこと。これは、以前に参加したデベロッパーからのフィードバックに、マイクロソフトのチーム応えたものだ。過去数年間、マイクロソフトは、Buildを消費者向け製品を発表する場としても利用してきた。GoogleがI/Oでそうするのと同じだ。しかし今年はそれはない。さらに基調講演でも、半年以上経っても利用できないような機能に先走ってスポットライトを当てるのではなく、デベロッパーがすぐに利用可能なもの、あるいはすぐに登場するか、数ヶ月のうちにはデベロッパーの手に渡る新機能について取り上げることになる。

マイクロソフトのCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、引き続き基調講演に登場するとしても、企業哲学についての大局的な話は減り、デベロッパー向けのツールやAPIについての話が増えることになるはずだ。

基調講演とデモの一部はライブで配信されるが、その他のコンテンツは事前に録画されたものとなる。それでも全体的に、Buildのルックアンドフィールは、これまでにリモートで視聴したことのあるデベロッパーの体験から、そう大きくかけ離れたものとはならないはずだ。とはいえ、期間は短くなり、これまでよりも集約されたものとなる。それは必ずしも悪いことではない。

米国ワシントン州シアトルで2018年5月7日月曜日に開催されたMicrosoft Developers Build Conferenceで、参加者がポッドの中に座っている様子。Buildカンファレンスは、シアトルで2年連続で開催され、同社のクラウドテクノロジーと、クラウドサービスとして提供される人工知能関連の機能に重点を置くものとなった(写真:Grant Hindsley/Gtty Images経由のBloomberg)

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

マイクロソフトのVisual Studio Onlineが5割値下げ、Visual Studio Codespacesに刷新

1年ほど前にMicrosoft(マイクロソフト)はVisual Studio Onlineをスタートさせた。これは定番のデスクトップ開発環境、Visual Studio Codeのオンライン版だ。簡単にいえば、ブラウザから利用できるフル機能のコードエディタだ。

今日、マイクロソフトはプロダクトをリニューアルしVisual Studio OnlineからVisual Studio Codespacesに名称も変更したことを発表した。利用料金も1時間あたり0.08ドルからと50%以上引き下げられた。デベロッパーはクラウド上のバーチャルマシンを使って比較的低料金でソフトウェアを開発することが可能になった。

米国時間4月30日の発表で同社のScott Hanselman(スコット・ハンセルマン)氏は「われわれは大半のデベロッパーがVisual Studio Onlineをブラウザで使える単なるエディタ以上のものと考えていることを知った。

「こうしたユーザーの認識とプロダクトの真価をマッチさせるために、我々はVisual Studio Onlineの名称をVisual Studio Codespacesに変更した(なるほどネーミングというのは難しい!) あなたはあなたの長期的なプロジェクトに取り組んで素晴らしい経験をしたいですか? 本格的なプロジェクトで素晴らしい体験をしたいなら、Codespaceをチェックしてもらいたい。アプリのプロトタイプの作成やコードレビューのプルリクエストなどのケースでもCodespaceなら素早くの簡単にプロジェクトを作ることができる。何をプログラミングするのであってもマイクロソフトのCodespacesは最も生産性の高い場所だ」とハンセルマン氏は述べた。

新料金は、5月19日、マイクロソフトの(バーチャル)Buildカンファレンスの開幕と同時に実施される。かなり思い切った料金引き下げだ。たとえば4コア、8GBメモリのバーチャルマシンの場合、1時間あたり現行の0.45ドル(日本では50.4円)から一挙に0.17ドルとなる(これにストレージのコストが加わるが、64GBのSDDでも1時間あたり0.0088ドルという少額だ)。

同氏は「大部分のデベロッパーは普段さほど大きなコンピューティングパワーを必要としない」と指摘し、Basicプランでは2コア、4GBメモリーのバーチャルマシンが1時間あたり0.08ドルで使えるようになると発表した。このプランは現在は1時間概算0.24ドル(日本では27円)で提供されており、5月19日に値下げが実行されるのだろう。引き下げ後の料金でスタートさせてもよかたった思うが、そうしなかった理由は不明だ(この点についてもマイクロソフトに質問してあるので回答があったらアップデートする)。

こうした発表は例年ならBuildデベロッパーカンファレンスを舞台にするところだが、今年はイベントを完全に取り止めた企業も多い。しかしマイクロソフトは5月中旬のバーチャル・カンファレンスの開催に向けて全力前進しているので、その具体的内容についてもうすぐ発表があるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルとグーグルが新型コロナ感染警告向け通知APIのベータ版をリリース

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行の抑制に取り組んでいるApple(アップル)とGoogle(グーグル)は共同で、感染者との接触をモニタするアプリを開発している。両社が感染追跡APIと呼んでいた感染リスク通知APIの最初のバージョンがリリースされた。これはデベロッパー向けAPIのシード版であり、フィードバックを得るのが主たる目的だという。公衆衛生機関と契約して感染者との接触を追跡しリスクがある人々にこれを通知するアプリを開発するデベロッパーが対象だ。

先週、アップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏はEU委員会のThierry Breton(ティエリー・ブルトン)氏に「APIはまもなくリリースされる」と述べている。これが事実リリースされたわけだ。ただし、現在利用できるのは「世界中の公衆衛生当局の依頼を受けてアプリを開発しているデベロッパー」だと両社は述べている。

シード版という意味は、5月中旬に一般に公開されるAPIに先駆け、デベロッパーから利用上の問題点などのフィードバックを得ることを目的としたテストだという。正式に公開されれば、デベロッパーはAPIを利用したアプリを開発してiOSとGoogleのストアから公開できる。

両社は「今週の金曜にAPIのリリースに関する詳細を発表する」と述べた。ここでサンプルコードに加えて実際にどのように作動するのかがが明らかにされるようだ。両社は一般公開された時点でマニュアルなどのドキュメンテーションのアップデート版も提供する。またテスト期間中、アクセスできるデベロッパーを随時追加する。ただし両社はAPIへのアクセスを公衆衛生当局のために活動するデベロッパーに限定している。

両社はデベロッパー向けサイトでスペックの詳細を記述した文書を公開しており、機能の改良についてのアップデートもすで行われている。先週の電話記者会見でも述べられていたが、ユーザーのプライバシー保護と利用の容易さには特に重点が置かれ、デベロッパーがこれをアプリ内で実装する方法に特に努力が払われた。

最新版では、公衆衛生当局がそれぞれの実情に基づいて独自の基準を作成しユーザーの感染リスクを判定できる機能が追加された。変数には新型コロナウイルス感染確認者と接触した距離や時間の長さなどが含まれる。デベロッパーはどのレベルのリスクがあった場合にユーザーに警告を通知するか容易にカスタマイズすることができる。

ベータアップデートでは、下のスクリーンショットにあるように、ユーザーが個々のアプリの新型コロナウイルスの感染警告の通知の有効、無効を簡単にトグルできる機能が追加されている。

両社は4月10日にAPIと、最終的には、OSレベルに感染リスク追跡機能を組み込むアプリを共同開発していることを発表した。APIの一般公開は5月中旬、その後数カ月の間にOSレベルでへの統合を行う予定だ。 このテクノロジーはプライバシー保護に留意してデザインされている。特定個人が識別されることがないよう、ランダムに生成したユーザーIDが割り当てられ、2週間で破棄されて新しいIDが付与されるという。

画像:Bryce Durbin/TechCrunch
新型コロナウイルス 関連アップデート
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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AWSとIBMは新型コロナ問題に挑むデベロッパーを支援する

社会が新型コロナウイルス(COVID-19)のため高まりつつある世界的な危機に直面する中、多くの企業がさまざまな方法で取り組みを強化している。米国時間3月20日、2つの大手IT企業、Amazon(アマゾン)とIBMはそれぞれ、このパンデミックに関連するさまざまな問題の解決策を見つけられるようデベロッパーを支援するプログラムを発表した。

画像クレジット:VectorMine/Getty Images

アマゾンでは、クラウド部門のAWSが「AWS Diagnostic Development Initiative」を発表した。予算として2000万ドル(約22億2000万円)を確保し、AWSクレジットとテクニカルサポートとして提供する。このプログラムは、新型コロナウイルス診断問題に取り組むチームを支援し、鼓舞するように設計されており、より優れた診断ツールが開発されることを目指している。

「AWSビジネスにおいて、緊急の必要性を突きつけられた分野の1つは、新型コロナウイルスの診断方法の研究開発です。迅速で正確な検出と診断が必要とされています。優れた診断法は、治療と封じ込めを加速し、やがてこの流行期間を短くすることにつながるでしょう」と、Teresa Carlson(テレサ・カールソン)氏は、3月20日の同社のDay Oneブログに書いている。

このプログラムは診断ソリューションの開発に取り組んでいる顧客が、製品をより迅速に市場に投入できるよう支援することを目的としている。さらに、関連する問題に取り組んでいる複数のチームが、協力して作業の奨励も目指す。

同社はまた、科学者と健康政策の専門家から構成される諮問グループを設立し、このイニシアチブに参加する企業の支援も発表した。

一方IBMは「2020 Call for Code Global Challenge」というデベロッパーコンテストに、改めて注力することにした。このコンテストの2020年における憲章は、地球規模の気候変動に関する問題を解決するというものだったが、拡大するウイルス危機に関する問題の解決も目指すことにした。いずれも、オープンソースのツールを開発することで貢献しようというものだ。

「新型コロナウイルスは、非常に短い間に私たちが当たり前のことと考えていたシステムの限界をさらけ出してしまいました。2020 Call for Code Global Challengeは、3つの主要な新型コロナウイルス対策の領域について、オープンソースのテクノロジーソリューションを開発するためのリソースを提供します。その3つとは緊急時の危機報道、遠隔学習環境の改善、地域コミュニティの協力関係の増進です」と、同社はブログ記事に書いている。

そうした領域は、かなり多くの人がウイルスを封じ込めるために屋内に留め置かれていることで、大きな負担を強いられている。IBMは、そうした問題に取り組むデベロッパーのインセンティブを鼓舞し、問題の解決につなげることを願っている。

社会のあらゆる状況が影響を受ける社会的、経済的な激変期には企業、学界、政府が協力して、このウイルスに関する無数の問題を解決する必要がある。これらは、そのほんの一例に過ぎない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

FacebookがF8 2020デベロッパーカンファレンス開催日時を発表

FacebookがF8 デベロッパーカンファレンスの日程を発表した。Facebookは毎年このイベントで同社が開発したテクノロジーを披露し、将来戦略をプレゼンしている。発表によれば、2020年のイベントは5月5日と6日にサンフランシスコのMcEneryコンベンションセンターで開催される。興味がある読者はwww.f8.comに登録しておけばチケット購入がスタートしたときに通知してもらえる。

昨年のF8ではFacebook本体の大規模なリニューアル、Messenger、WhatsApp、Dating、Marketplaceなどさまざまなプロダクトのアップデートや機能の新設が発表された。またデベロッパーはFacebookが開発中のVRやスマートホームなどのハイテクハードウェアの活用方法、AxBoTorchなどのプロジェクトについて学んだ。

Facebookが発表したのは開催日時だけで、 2020 F8で何が発表されるのかは明かしていない。声明は「(F8 カンファレンスは)多数のプロダクトのデモ、来るべきテクノロジーを検討し、クリエーティブな利用法を深く学ぶセッションが予定されており、世界のデベロッパーコミュニティのトップメンバーの考えを直接聞き、メンバー相互の交流を深める機会でもある」と述べている。個々のテクノロジー、サービスのデモと紹介に加えて、F8はFacebookの野心的なビジョンをどう実現するのかを説明する格好の舞台だ。

例えば、昨年のF8ではFacebookはプロダクトの個人化を進め、現在のユーザーのエンゲージメントをさらに拡大しようとする方針だということがわかった。最近同社は暗号通貨の一種であるLibraを発表してディスラプトを進める姿勢を示している。しかし一方でFacebookはSnapchatやTikTokのような新興メディアに地盤を侵食されていることを痛感しているはずだ。来年のF8ではFacebookがこうしたライバルの挑戦に対し、どのような新たな回答を持っているのかが分かるかもしれない。他方で、同社は反トラスト法に基づく司法省の調査というさらに大きな問題に直面している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルからiOS 13.1ベータを配布、安定版リリースは間近

Apple(アップル)は6月のiOS 13プレビュー版の発表以後、最初のアップデートを行った。米国時間8月27日、iOSとiPadOSのデベロッパー向けベータである 13.1がそれぞれリリースされた。

この動きは実は少々意外だった。通常Appleはメジャーアップデート(13.0)を行う前にマイナーアップデート(.1)をリリースすることはしないからだ。 さらにAppleは今回watchOS 6.0、tvOS 13.0のベータを同時にリリースした。

さっきAppleが投稿したのが最初のiOS 13.1ベータなのかな?

そこで考えられるのはiOS 13.0はすでに十分な完成度となっているということだ。 AppleはiOSの新しいメジャーバージョンをリリースして数日後に大がかりなプレスイベントで新しいiPhoneを発表してきた。今年の場合、このプレスイベントは9月上旬に実施されるはずだ。iOS 13.0のリリースは予想より早まるかもしれない。

Appleは初期のiOS 13でいくつかマイナーな機能を落としていた。MacRumorsが発見したところによれば、プレビューで落とされた機能の多くがiOS 13.1ベータに追加されているという。これにはショートカットオートメーションやAppleマップの到着時間推定機能などが含まれる。

つまりAppleでは13.0をできるかぎり安定したプロダクトとしたいと考えているのだろう。そのためにはいくつかの機能は少し後回しになってもいいということらしい。

WWDCでAppleが「これこれがiOS 13にやってくる!」と発表したのは、 「13」にやって来るということで「13.0」に全部がやって来ることを意味しない。これは覚えておく必要がある。

正直言って、どんな新機能が搭載されるのかいち早く知るのは好きだが、販売戦略の上から生煮えの新機能を使わせられるのはゴメンだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトからAzure Kinect AIカメラキットが約4.3万円で登場、まずは米国と中国で

今年のMWC(Mobile World Congress)でMicrosoft(マイクロソフト)は3次元認識能力があるAIカメラであるKinect(キネクト)をデベロッパー向けに復活させることを発表したAzure Kinect DKパッケージに含まれるのは100万画素の奥行きセンサーカメラ、360度マイク、1200万画素の通常のRGBカメラ、姿勢センサーなどで、全体は比較的小さくまとめられていた。DKパッケージは数カ月前から予約可能となっている。

米国時間7月11日、Microsoftは米国と中国で一般ユーザー向けにこのパッケージを市販することを明らかにし、399ドル(約4万3300円)で予約の受け付けを開始した。

オリジナルのKinectはXboxのゲーム用に開発されたアクセサリで、大きな注目を集めないまま終了していた。これに対してクラウド版のAzure Kinectはビジネスユースを念頭に置いている。つまり視覚認識能力があるAIツールを開発するデベロッパー向けにプラットフォームを提供するもので、名称のとおりAzureのエコシステムを全面的に利用できる。新しいKinectではMicrosoftの各種の機械学習サービスも利用できる(すべてのサービスがAzureの利用を必須としてるわけではない)。

Microsoftは、デベロッパー向けにXBox用Kinectを思いださせるボディートラッキングプレビューができるSDKなど多数のSDKを発表している。

kinect developers

新しいKnect DKのカメラはオリジナルのものとは異なり、むしろ同社が今年バルセロナのMWCで公開したHoloLens 2(ホロレンズ2)のカメラに近い。プレスリリースによれば、Azure Kinect DKには第2世代のHoloLens ARヘッドセットで利用されているToFセンサーが含まれている。ToF(Time-of-Flight)カメラはパルス光を照射し、画素ごとに反射時間を計測してフレーム全体の奥行きを一挙に認識する仕組みだ。DKのテクノロジーの中心となるのはこのToFカメラだが、Microsoftによればマイクロフォンアレイも発話者を聞き分けるなど高度な音声認識のために役立つという。

新しいKnectキットは生命科学、ヘルスケア、リテール、ロジスティクス、ロボティクスなどの分野で画像の奥行き認識を利用したAI、機械学習プロダクトを開発するプラットフォームとして役立つものとMicrosoftは期待している。同社のパートナーであるQualcommからも同種のキットが発表されているが、今回のKinect DKのような3次元認識カメラは含まれていない。

(Techcrunch Japan編集部追記)Azure Kinect DKは日本Microsoftのサイトから購入を申し込むことができる。サイトは日本語だが申し込みは英語でアカウントの取得が必要。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

WWDC 2019で発表されたアップルのプロダクトまとめ

今週米国サンノゼでApple(アップル)のWWDC19が開催された。カンファレンスにはここしばらくAppleが開発に努力してきたハード、ソフトが勢揃いした。TechchCrunchではそれぞれ個別記事で紹介しているが、ビデオでハイライトを振り返ってみよう。

iOS 13

今年秋に一般公開されるiOS 13はかなりビッグなアップグレードになることわかった。デザインではダークモードが目立つが、アプリのダウンロードサイズは50%も小さくなり、動作は2倍速くなる。プライバシーが強化され、Appleがアカウント作成を代行する機能が加わった。これによりユーザーの個人情報がサイト側に漏れるリスクが大きく減少する。またiPhoneからスマートスピーカーに音楽をストリーミングできるようになる。

AirPods

AirPodsとiOSの連携が強化され、AirPods利用中にメッセージが届くと音声で再生され、返信もできる。まだ楽曲再生のシェアリングも容易になった。

Mac Pro

ハードウェアでは噂どおりMac Proがリニューアルされた。Appleは円筒形の「ゴミ箱」スタイルを捨て、実用的なタワー型に戻した。ただし本体は「チーズおろし」スタイルの枠に収められている。12コアのIntel Xeonプロセッサーが用いられ、メモリーは最大1.5TB、PCIスロットx8を備える。恐ろしく強力な処理能力を誇るが、価格も6000ドル(64万8000円)からで財布に大穴を開けそうだ。

6Kディスプレイ

Mac Proの発表と同時に6K、32インチのフラグシップディスプレイとしてPro Display XDRが発表された。表面にはナノテクスチャと呼ばれる新しいマット加工のガラスが用いられている。価格も5000ドル(54万円)とモンスター級だ。同時に1000ドルのディスプレイスタンドも発表され、会場をざわめかせていた。

macOS

maOSでは新しいCatalina(カタリナ)が登場した。予想どおりiTunesは音楽、ポッドキャスト、Apple TVの3つのアプリに分割された。SicecarはiPadをMacの外部ディスプレイにできる。MacBook、iPhone双方を探してくれる新しい「Find My App」アプリがmacOSで使えるようになった。

iPadOS

iPadのOSがiOSから分離し、広い画面を活用できるようになった。Safariでウェブサイトを訪問するとパソコン版がデフォールトで表示される。またスライドオーバーなどマルチタスキングが改良された、後付けでSDカードもサポートされる。新しい3フィンガーのジェスチャーでカット&ペーストができる。Apple Pencilのレイテンシーが9ミリ秒と半減した。

tvOS

tvOSが複数ユーザーをサポートし、XboxとPlayStationのコントローラにも対応するようになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

WWDCでiOS 13の詳細判明、ダークモード、プライバシー強化などアップデート多数

先ほど開幕したWWDC19でApple(アップル)は、iOS 13のプレビューを紹介した。製品版はこの秋に一般公開される。

ダークモード始め、大小さまざまなアップデートが発表された。ソフトウェアエンジニアリング担当副社長のクレイグ・フェデリギ氏は「iOS 13には多数の新しい機能が追加され、非常に大規模なアップデートになる」と述べた。

フェデリギ氏はこれに続いて、パフォーマンスの改善の詳細を説明した。Face IDは30%速くなる。App Storeからの新規ダウンロードはサイズが小さくなる。しかもiPhoneはアップデートのたびに全体をダウンロードするのではなく、必要な部分だけ取得するので、サイズは平均60%も小さくなるという。アプリのローンチまでの時間は半分に短縮されるなどなど。

ダークモードとシステムレベルの改善

すでの多数のアプリがダークモードを採用している。しかし今回アップルは、iOS 13ではダークモードがシステムレベルで実装されることを明かした。コントロールセンターからワンタッチでUIをダークモードに設定できる。音楽、カレンダー、メッセージなどネイティブアプリはすでにダークモードをサポートするようアップデートされている。

通知、ウィジェットの外観が変わり、全体として暗めのデザインになった。アプリを開くと背景は純粋黒になる。OLEDモニターはまったく光を発しないようにできるので黒がすっきり締まって見える。

ネイティブキーボードは、キーからキーへスワイプして入力できるようになった。共有をコントロールするシェアシートのデザインがアップデートされ、ユーザーの活動履歴をベースに最適と思われる連絡相手がシェアの候補に表示される。音楽アプリではスクロールして歌詞を表示できるようになった。

純正アプリのアップデート

アップル自身が提供するアプリについてだが、Safariにはウェブサイトごとにテキストサイズを設定できるオプションが加わった。メールもリッチテキストが利用できる。メモ(Notes)にはギャラリー表示とフォルダーが加わった。

リマインダーもまったく新しいデザインになった。タスクを追加するためのクイックタイプバーが新設された。タスクをネストさせて下位のタスクをインデントできる。連絡相手をタグ付けすると、iMessageで通知が行く。

アップルのメグ・フロスト氏は、新しいマップをデモした。地図データが改良されたのはもちろんだが、アップルの地図にGoogleのストリートビューに似たLook Aroundという機能が追加された。同機能による地点間の移動は驚くほどスムーズだ。

このほか、マップには友だちとの待ち合わせの予定到着時間(ETA)を表示する、お気に入りの場所を記録する、リストを友だちと共有するなどの機能も追加された。

米国については、年末までにアップル独自の地図データが利用できるようになるという。他の国では来年以降になる。

プライバシー強化

アップルは位置情報の取扱を厳格化するアップデートを行う。ユーザーはワンタッチでロケーション情報の共有設定ができるようになる。

これによりサードパーティーのデベロッパーはユーザーが利用しているWi-FiやBluetoothについての情報を得られるなる。こうした情報からユーザーの位置がリークされるというスキャンダルの防止に役立つはずだ。

アップルはまた「Facebookでログイン」に対抗して「アップルでログイン」というという機能を追加する。ユーザーは個人情報を明かす心配なしに新しいアカウントを作成できる。またアカウントがメールアドレスを必要とする場合、ランダムな文字列によるアドレスを生成し、アカウントへのメールを受信することができる。メールは本当のアドレスに自動的に転送される。

スマートホーム関係ではHomeKitのプライバシーも強化された。セキュリティカメラの映像10日ぶんをiCloudのHomeKit Secure
Videoに保存できるようになった。再生するためのキーはアップル自身ももっていない。またセキュリティカメラのデータはiCoudの容量にカウントされない。Logitech、Netatmo他の有力メーカーは今後、新しいHomeKitをサポートするという。

HomeKitデバイスのセキュリティをさらに強化するため、アップルはHomeKitにルーターを経由させる機能を加えた。これを利用すればHomeKitデバイスはファイアウォールで切り離され、インターネットに直接アクセスできなくなる。

iMessageがさらにパーソナルに

iMessageにはどうしても強化版のSMSというイメージがつきまとっていた。iOS 13ではもっとWhatsApp的になる。ユーザーはプロフィール画像を登録し、選択した連絡相手に表示できるようになる。

アップルはこの機会に、人の顔のアニ文字、ミー文字のカスタマイズ機能も強化した。ミー文字をオリジナル絵文字のビット文字やスタンプに利用することもできるようになる。

写真

写真まわりではアップルはポートレートに新しい照明効果を追加した。ポートレートモードでの撮影がプロフェッショナルなレベルまでカスタマイズできるようになる。

カメラアプリにはサチュレーション、ハイライト、シャドウなどをコントロールするボタンが追加された。これらの機能は静止画だけでなく動画でも利用できる。ビデオが回転できるのはInstagramのユーザーには朗報だ。

写真ライブラリの管理では、iOSは同一写真を自動的に検出し、最もよく撮れている写真を選んでくれる。写真ライブラリをナビゲートするための新しいタブも追加された。写真のブラウズはよりスムーズになり、ビデオは周囲が暗く表示される。新しいタブバーで年、月、日ごとにハイライトを見ることができる。

Siriもさらに賢くなった

AppleはSiriの音声機能を強化した。例えば、AirPodsを装着しているときにメッセージを受信するとSiriはそれを読み上げる。ユーザーは音声で返信ができる。

iPhoneとAirPodsを持っている友だちと音楽を共有することもできる。具体的には、1台のiOSデバイスから2台のAirPodsに音楽をストリーミングできる。

スマートスピーカーのHomePodに関してはiPhoneをタップしてHomePodに音楽を送れるようになった。またインターネットラジオをライブで再生できるようになったというのだが、これは正直、今までできなかったことを知って驚いている。また、マルチユーザーでの利用が可能になり、カレンダー、メッセージなどをユーザーごとに呼び出せるようになった。

CarPlayもアップデートされ、Siriの新機能が利用できる。ユーザーは車内で音声でPandoraの音楽やカーナビのWazeをコントロールできる。SiriにアニメがCarPlayのスクリーンを占領してしまうこともなくなった。

iOS 13ではSiriのショートカットアプリが標準でインストールされる。ユーザーは簡単な操作でSiriの音声ショートカットを設定でき、ひと言で複雑な動作を行わせることができる。またお勧めのショートカットの候補も推薦される。Siriの音声も改良され、自然さがアップした。

これ以外にもiOS 13には多数の新機能が登場する。特にiPad独自の機能が拡充され、iPadOSという独自の名称となった。詳しくはこちらの記事を参照

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

週明け開幕のWWDC 2019でアップルが発表するモノ

昨年のWWDCはApple(アップル)としては珍しくソフトウェア重視だった。WWDCに先立ってハードウェアのマイナー・アップデートのプレスリリースがいくつか出ていたが、WWDCでは新しいデバイスは一つも登場しなかった。その後アップルが力を入れてきたのはApple TV+関連のソフトウェアとコンテンツだった。

先週もこのパターンが繰り返された。MacBook Proのアップデートが発表されたが、懸案だったキーボードの改修が主な内容だった。これと対照的に来週のWWDC 2019はビッグイベントとなりそうだ。多数の関係者が「大きな発表がある」と予想している。ハードウェアも各種Proデバイスに動きがあるかもしれない。

Google I/OとMicrosoft Buildがどちらかというと地味なものだったのでアップルとしては来週のWWDCを盛り上げる必要がある。アップルといえどもスマートフォン市場の飽和といった大きなトレンドと無縁でいることはできない。最近の四半期決算報告でも、アップルはハードウェアからサービスに事業の中心を移す姿勢を見せていた。Apple TV+を通じてたコンテンツの獲得に巨額の投資が行われているのがよい例だ。

もちろんWorld Wide Developer Conferenceという名前が示すとおり、このイベントは本質的にデベロッパー向けだ。初日のキーノートはメディア全般の注目の的だが、本当に重要な話題はなんといってもデベロッパーに直接影響するアップルの各種プラットフォームに起きる変化だ。まず大きいところから検討してみよう。

iOS 13

リーク情報によれば、今年macOSで採用されたダークモードiOSにも登場するという。新しいダークモードはシステムを通して利用可能で、作業中の部分を除いた背景が暗くなり、目に優しく、バッテリー消費量が抑えられるという。アップル自身のアプリだけでなく、サードパーティーのアプリも必要なアップデートをすれば利用できる。

Bloomberg(ブルームバーグ)はYukonというコードネームで準備されているiOS 13に搭載されそうな機能について観測を掲載していた。ちなみにアップルは、すでに5GとARを目玉とするiOS 14の開発に取り掛かっており、コードネームはAzulだという。

当然だが、ヘルス関係のアプリがリニューアルされるはずだ。これにともなってユーザーからヘルスケア情報を取得するApple Watchなどもアップデートされるだろう。またiPadを外部モニターとして使えるDuet Displayアプリのような機能が標準でiOSに搭載されるかもしれない。外部モニター接続機能は以前から噂になっていたが、個人的に大いに興味がある。これは私の作業環境を一変させるかもしれない。メール、マップ、ホームもアップデートを受けるはずだ。

ハードウェアではバグフィックスは当然として、パフォーマンスの改善、旧機種への適合性の向上などが予想される。実際、消費者は以前より長期間デバイスを使い続けるようになった事実は受け入れざるを得ないだろう。

macOS 10.15モバイルデバイス同様、パソコンも過渡期にある。もちろんパソコンの危機はモバイルが主流となったときから続いている。今週、台北で開催されたComputex 2019ではWindowsパソコンのメーカーがこぞってモバイルデバイスのセカンドスクリーンとして利用できる機能を発表していた。

アップルとしてはMicrosoft(マイクロソフト)やSamsung(サムスン)の追撃を受けて侵食されたクリエイティブツールの王者という地位を取りも戻す必要がある。

昨年アップルはニュースなどいくつかのiOSアプリをデスクトップに移植した。これはMarzipan(マジパン、アーモンド粉の練り菓子)というコードネームのmacOSアプリ開発プロジェクトの一環だった。ちなみにこの1年のアップルのコードネームの中ではこれが一番面白かった。今後移植されそうなiOS機能はスクリーンタイム、iMessageのエフェクト、Siriのショートカットなどだ。

Macハードウェア

ハードウェアでは新しいMac Proが登場するらしい。長らく待たされていただけに実現すればエキサイティングだ。もちろんまだ確定ではない。実際、過去に噂に振り回されて痛い目にあったことがある。冒頭で述べたようにアップルはハードウェアに関しては一時停止ボタンを押した状態で、動きが止まっている。しかしこれはハイエンドのデスクトップを完全に一新する準備をしているせいだとも伝えられている。Mac Proがリニューアルされる必要があるのはもちろんだが、他のPro製品についても同様だ。

また 31.6インチの6K Proディスプレイが登場するという情報もある。これはMac Proにぴったりのカップルとなるだろう。ただし財布の中身は炎上しそうだ。

その他いろいろ

アップルの最近のイベントはほぼすべてApple TVがらみだった。新アプリも登場したことだし、引き続きApple TV+関連のアップデートがあるだろう。なんといってもケーブルテレビ会社だけでなくライバルの動画ストリーミング・プラットフォームもターゲットにした数十億ドル級の大プロジェクトだ。

Apple Watchを公共交通機関で利用する実験が進められていたが、明日からニューヨークの一部の地下鉄駅でApple Watchが使えるようになる。WWDCではヘルスケア関連で大きな動きがありそうだ。これはソフトウェアとサービスに力を入れる戦略の一環でだ。真剣な努力をしていることをアピールすればFDA(食品医薬品局)の認可を受けやすくなる。ヘルスケア提供企業との提携を深めることができるだけでなく、ライバルのウェアラブルに大きく差をつけるのにも役立つだろう。アップルは女性の生理周期をモニターして適切なメディケアを提供するサービスを開発中だ。

小さいところではボイスメモ、電卓、Apple Booksアプリなどのアップデートも発表されるかもしれない。

WWDC 2019は米国時間6月3日午前10時(日本時間、4日午前2時)に開幕する。TechCrunchも参加し、現地からライブブログで報じるほか、関連記事も多数アップする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleがiFrameに代わる遷移タグPortalsをデモ、サイト間の連携を大幅強化へ

米国時間5月7日、GoogleはPortalsと呼ばれるChromeウェブブラウザ用の新しいページ遷移タグを発表した。このテクノロジーはGoogleがしばらく前から開発を続けてきたもので、機能自体はiFrameとほぼ同様だ。

Googleは「Portalはナビゲーション可能なiFrame」と説明している。従来のiFrameではページ内に別サイトのビューを表示するが、Portalsでは実際にそのウェブサイトにアクセスする。

Googleはレシピを集めたサイトを例にしてPortalsがどのように使われるかデモした。サンプルのサイトは他のサイトに掲載されたレシピを多数引用していたが、iFrameで引用した場合、調理の手順、材料などレシピの内容を詳しく確認するにはビューをクリックして引用先のウェブサイトにジャンプする必要がある。

これに対してPortalsで引用した場合は、元のレシピサイトに留まったままそうした詳細を見ることができる。また保存したいレシピがあった場合、Portalsによる引用から直接保存ができる。例えば、元サイトで「共有」ボタンをクリックするとポップアップ窓から引用先サイトの当該ページを読み込める。ユーザーは元サイトを離れることなく、レシピを好みのSNSに投稿できる。

Google I/OではNom NomというダミーのSNSにレシピを投稿する過程がデモされた。ユーザーが「共有」ボタンをクリックするとPortalsを使った窓の中にNom Nomのドメインがオープンした。その間も元のレシピサイトはバックグラウンドで待機しており、ユーザーはドメインを移動せず直ちに戻ることが可能だった。

こうしたことが可能になるのはPortalsタグの窓に引用先サイトが実際に開かれるためだ。つまりPortalsタグは単ににビューを表示するのではなく、本当の意味でポータルの役割を果たすわけだ。

レシピがNom Nomに投稿され、保存されるた後、ユーザーがPortals窓をクローズするとそのまま元のレシピサイトに戻り、サイトのブラウズを続けることができた。

Portalのもうひとつの有用な機能は元サイトからPortalsで共有されたサイトに情報を送れることだ。レシピサイトの例で説明すると、ユーザーが実際に調理したいレシピを見つけた場合、Portalsの中からオンライン通販サイトを開き、食材情報を送って購入することができる。こうしたデスティネーションサイトをロードする間、Portalsはオリジナルサイトにアニメーションを表示してユーザーに読み込み中を知らせる。これはユーザー体験を改善するために効果があるだろう。

Googleによれば、Portals APIはCanary版Chromeの#enable-portalsで確認できるという。Googleではデベロッパーコミュニティーからフィードバックを待っている。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google I/Oはアクセシビリティ強化に全力、聴覚障害者にも電車でYouTubeを見るにも便利

マウンテンビューの本社に隣接するアンフィシアターで開幕した今年のGoogle I/Oでは驚くほど長い時間がアクセシビリティの改善に関連する発表に振り向けられた。ライブキャプションなどの新機能はすべて発話とテキストを相互変換するテクノロジーの改善をベースとしている。

テクノロジーとして特に注目すべきなのはこうした音声ベースの自然言語処理の一部が、クラウドとデータをやり取りすることなく、デバイス上で直接実行できるようになった点だ。

Androidの新しいアクセシビリティ機能は聴覚などに障害を持ったユーザーの生活の質を大きく改善するはずだ。ライブトランスクリプションは音声による発話を認識してリアルタイムでテキストに起こす機能だ。また逆に音声合成によりテキストをリアルタイムで音声化することもできる。

音声入力機能はGoogleが以前から重点項目として挙げていた。機能として単純だがスピードと精度が高くなれば非常に役立つツールとなる。 現在でもAndroid上でアプリを起動しマイクのアイコンをタップすると音声を聞き取ってテキスト表示してくれる。

現在でもOne Miniなど音声入力、音声出力による機械通訳デバイスが利用できるようになっている。昨日のMicrosoftのBuildカンファレンスでもミーティングの内容をテキストに起こすアプリが発表されていた。こうした機能の必要性ははっきりしており、むしろなぜもっと早く実現しなかったのかというほうが興味ある問題だ。

実は自然言語認識システムはかなり以前から実用化されていたが、特定のユーザーが静かな環境かつ一定のボキャブラリーで話す内容の聞き取りにとどまっていた。これに対して不特定多数のユーザーが雑音の多い駅やカフェで友だちと自由に会話するのを認識するのは非常に困難な作業だった。リアルタイム通訳となれば当然複数のユーザーの話す内容を聞き取らねばならない。出力も自然な音声合成が必要となる。これらを商品として実用に耐えるレベルにまで改善するのは控え目に言ってもチャレンジだった。

今回のアップデートでは音声認識にさらに新しい機能が追加された。これはライブキャプションといい、上に述べた音声認識テクノロジーをビデオに適用してリアルタイムで字幕を表示できるものだ。ユーザーはYouTubeビデオを見ながら登場人物が何を言っているのかリアルタイムで字幕で見ることができる。これはビデオメッセージ、ボイス・メッセージにも利用できる。

この機能は聴覚にハンディキャップがある人々に便利なのは当然として、対象言語の聞き取り能力が不足しているが音声をテキスト化してもらえば判読できるという何千万人ものユーザーにとっても朗報だ。あるいは職場や交通機関内で音声をミュートしてビデオを見るときにも使える。ベッドでビデオを見ながら眠ってしまいそうなときも音を消して字幕にしてしまえれば好都合だ。リアルタイムで自然言語を認識しテキスト化する能力が使える場面はこれ以外にも無数に考えられる。

Gif showing a phone conversation being captioned live.

サンダー・ピチャイCEOによれば通話へのライブキャプションの適用は「まだ開発途上」ということだったが、「ライブリレー」というデモがステージで披露された。ユーザーが聴覚にハンディキャップがあるか、いろいろな理由でうまく発話できない場合、通常の音声通話はほとんど意味ないものとなる。しかしライブリレーが実用化すれば着信ないしマイクで入力された音声をライブでテキスト化して表示、あるいは送信できるようになる。

ライブキャプションはAndroid Qの機能として実装される。デバイスによって機能の一部に制限が生じる可能性はある。ライブテキスト化は現在でも利用できるが、まだベータ段階だ。ライブリレーは上述のように未公開だが、デモの完成度から判断すると公開される時期はそう遠くないはずだ。

【Japan編集部追記】ソースネクストから販売されているリアルタイム翻訳デバイス、ポケトークは複数の音声認識エンジンを利用しており、日本語/英語翻訳のエンジンはGoogle翻訳をカスタマイズして利用している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトがVisual Studio Onlineプレビュー版を発表

米国時間5月6日、Build 2019カンファレンスをスタートさせたMicrosoft(マイクロソフト)はVisual StudioファミリーのコードエディターとしてVisual Studio Onlineのプライベートプレビュー版発表した

Visual Studio OnlineはVisual Studio Codeをベースとしている。これはMicrosoftの人気あるオープンソースのデスクトップ開発環境のクラウド版だ。つまりVisual Studio Onlineは現在提供されているVisual Studio Codeのワークスペースやエクステンションをすべて利用できることを意味する。今日一般に公開されたAI利用開発ツールのIntelliCodeもビルとインされている。

オンライン版はVisual Studioのコンパニオンであることが強調されている。 つまり開発環境としてデスクトップ版のVisual Studioを完全に置き換えるものではなく、手軽なエディターとして使われるものだ。またアプリをVisual Studio Live Shareで共有し、コメントや機能の追加の要望を募ったりすることも予想している。

Visual Studio Onlineという名前に記憶があるという読者もいるかもしれない。実はMicrosoftはこのブランド名をリサイクル利用している。DevOpsがバズワードだったのはそれほど昔でない。この時期、Visual Studio OnlineはMicrosoftのDevOps開発の総称だった。昨年MicrosoftはAzure DevOpsに名称を変更したので、Visual Studio Onlineは別のブランドの名称として使えるようになった。

Visual Studio Onlineという名前を見てMicrosoftの統合開発環境がそのままウェブに移行したサービスと考えた読者も多かったかと思うが、実際にはそれほど大掛かりなものではない。

MicrosoftがVisual Studio Onlineを一般公開するまで待ち切れないデベロッパーはCoderなどのスタートアップが提供するオンライン版のVisual Studio Code環境を利用することを考えてもいいだろう。

画像:Photovibes / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Windowsのコマンドラインターミナルがメジャーアップデート

Windows 10のコマンドラインターミナルがメジャーアップデートされる。米国時間5月6日、Microsoft(マイクロソフト)は開催中のBuild 2019デベロッパーカンファレンスでWindows Terminalを発表した

Microsoftによれば、新しいターミナルが一般に利用可能になるのは6月中旬だ。これは現行のWindows Command Promptのメジャーアップデートとなる。これはほぼPowerShell同等の機能を備える。実際、新しいWindows Terminalは今後、Microsoftのコマンドライン環境、PowerShell、Command Prompt、Windows Subsystem for Linux全体のデフォールトのインターフェイスとなるようだ。

新ターミナルはGPUベースの高速テキストレンダリングにより「絵文字リッチ」なフォントが利用できるという。何によらずこの頃のアプリは絵文字が使えないと話が始まらないらしい。コマンドラインも華やかになるので嬉しいユーザーも多いだろう。もっと本質的な問題として、Windows Terminalは各種のエクステンションに加えてショートカット、タブ、ティアアウェイウィンドウ、テーマなどをサポートする。またUnicodeと漢字その他の東アジアフォントをネーティブでサポートする。

Microsoftによれば、新しいターミナルは「Windowsのコマンドライン・ユーザーの体験を一新する」ものだという。Windows Terminaのベータ版はすでにに利用可能。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android Qは「キッシュ」?来週のGoogle I/O 2019の発表を予想

デベロッパーカンファレンスの季節がやってきた。FacebookのF8の後は、Google I/O 2019が来週予定されている。会場はマウンテンビューの本社に隣接する野外劇場だ。今年のGoogle I/Oはビッグイベントになりそうだ。今週の第1四半期決算のカンファレンスコールでCEOのサンダー・ピチャイ氏が今年のデベロッパーカンファレンスに言及し、さまざまなプロダクトの発表があると示唆したからだ。

現在流れている各種情報8も合わせて考えるとマウンテンビューのアンフィシアターからAndroid OS、アシスタント、ハードウェアに至るまで数多くのホットなプロダクトがお披露目されそうだ。以下に「何が発表されそうか?」を簡単にリストアップしてみた。

Android Q

次世代Android OSはベータ2がリリースされているが、ニックネームは何になるのだろう?キッシュ?キンジン?後者は初めて聞く名前だったのでググってみた。どうやらブラジルで人気があるココナツ入り焼プリンみたいなものらしい。

ともあれ、I/Oではまだニックネームは発表にならないだろうが、Android Pieの後継OSについてもっと詳しく知ることができるのは間違いない。毎年、Androidはカンファレンスのセンターステージを占めてきた。夏にリリースされるというスケジュールを考えれば、Android v10の製品版に近い新しいベータを見ることができると思う。

現在わかっているのはプライバシーと認証の改良、Bubblesを利用したマルチタスクなどだ。Android Qのベータ2で公開されたBubblesはFacebookのチャットヘッド風の通知アイコンだが、I/Oではさらに新機能が紹介されるだろう。感圧型タッチ機能やダークモードの拡大などが噂されている。

折り畳みディスプレイを展開

フォームファクターの画期的改善に役立つはずだった新テクノロジーはやっかいな逆風に悩まされている。その原因はなんといっても大々的に宣伝された後でつまづいたGalaxy Foldだ。 しかしカンファレンスコールではGoogleは折り畳もディスプレイに関して強気な姿勢を崩さなかったが、そうせざるを得ない事情もあった。沈滞ぎみのスマートフォン市場にカツを入れるためには、Androidを折り畳み式にするのが近道だと考えているのだと思う。

当面棚上げになってしまったGalasy Foldだが、再リリースのスケジュールを早く知りたい。フォルディングスマートフォンはHuawei(ファーウェイ)のMate Xをはじめ、Motorola、Xiaomi(シャオミ)、TCLなどのメーカーが発表を予定している。Googleでは折り畳みディスプレイを次世代Androidのメインにしたいはずだ。

低価格のPixel

I/Oはもともとデベロッパーカンファレンスなので消費者向けデバイスの発表の場所としては不向きだった。しかし来週はこの点に変化があるかもしれない。サンダー・ピチャイ氏は四半期決算の記者会見でPixel 3aの発表を予告した。 当初Pixel Liteと呼ばれていたこのモデルはGoogleのスマートフォンのフラグシップ、Pixel 3の低価格版だ。

噂ではこのモデルの定価は500ドル前後になり、ヘッドフォンジャックが復活するという。Bluetoothヘッドフォンの価格が高すぎて低価格版Pixelで広く利用されるのは無理という判断のようだ。【略】

ゲーム

Googleは3月のGDCで新しいゲーム配信プラットフォームとしてStadiaを発表して注目を集めた。ライブストリーミングテクノロジーによってハードウェアやOSと無関係にゲームがプレイできる可能性を開いたことがGDCでStadiaに強い関心が注がれた理由だ。しかしGoogleはGDCではテクノロジーの詳細の発表を控えた

ピチャイCEOはカンファレンスコールでStadiaについても触れ、I/Oで何らかの発表があることを匂わせた。

スマートホーム

Google Hardware Event 2018

スマートホームはビジネスとしてなかなか難しい局面だが、GoogleアシスタントはAmazon Alexaより機能面で優っている点が多い。Home Mini、Hubの売れ行きも好調だ。I/Oでアシスタントのアップデートが発表されるのは間違いない。おそらくAI、機械学習に関連した機能となるだろう。

またハードウェアとして廉価版PixelとともにNest Hub Maxが発表される。リーク情報によればこのデバイスは名前のとおり大型で、10インチ画面を備え、スマートホームのハブの役割を果たすという。

その他.

AR(拡張現実)構築ツールのARCoreについても発表があるだろう。今週アップデートされたWear OSAndroid Automotive、 ChromeOSなどにも時間が割かれるはずだ。ただしこの方面で驚くような発表は期待していない。

我々は来週マウンテンビューのアンフィシアターからライブでイベントを報告するのでご期待いただきたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

4月30日からFacebookのデベロッパーカンファレンス「F8 2019」がスタート

サンノゼのマッケナリー・コンベンション・センターでいよいよFacebookのデベロッパー向けカンファレンスF8 2019がスタートする。TechCrunchは現地から詳しく報道する予定だ。

今回のイベントでFacebookのトップが登壇し、デベロッパー向けプライバシー・ツールなどの新しいプロダクトを発表するので大きな注目を集めるはずだ。
TechCrunchのJosh ConstineFrederic Lardinoisが現地からカバーする。

Facebookに限らずソーシャルメディア一般、デベロッパー・ツールに興味があればConstineとLardinoisの記事に期待していただきたい。なおExtra Crunchの無料トライアルを利用すれば太平洋時間で水曜午後2:00(日本時間木曜6:00AM)から2人のポッドキャストによるカンファレンス報告を聞くことができる。なにが一番重要なプロダクトだったか、Facebookは今後どこに向かうのかなどについて話す予定だ。

画像:Justin Sullivan / Staff / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook