ドローン関連スタートアップ支援の「Drone Fund 2号」が52億円調達

ドローン関連のスタートアップに特化した投資ファンドであるDrone Fund 2号(正式名称:千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)は5月7日、新たな投資家を迎えて総額52億円を調達したことを発表した。

Drone Fund 2号の出資者としては、同1号ファンドから継続のMistletoe Venture Partners、オークファン、DGインキュベーション、日本アジアグループ、キャナルベンチャーズ、FFGベンチャービジネスパートナーズ、リバネス、その他複数のエンジェル投資家。

2号ファンドからは、小橋工業、みずほ銀行、大和証券グループ、マブチモーター創業家一家、KDDI、電通、セガサミーホールディングス、松竹、KSK Angel Fund、その他複数のエンジェル投資家が出資していた。

今回新たに、西部ガス、GMOインターネット、オリックス、日本郵政キャピタル、東京電力ベンチャーズ、ゼンリン、エン・ジャパン、エイベックスの8社が加わり。総額52億円となった。

Drone Fund2号は、すでに新規で7社に投資中だ。具体的には、農業用ドローンを開発するナイルワークス、空飛ぶ車を研究・開発するSkyDrive、個人用飛行装置(エア・モビリティ)を設計・開発するテトラ・アビエーション、京大初のベンチャーのメトロウェザーなどの国内スタートアップのほか、米国やマレーシア、ノルウェーなどの企業へ投資している。1号ファンドを加えると投資先は29社になるとのこと。また、2号ファンドから出資を始めた小橋工業は、TechCrunch Tokyo 2018のファイナリストであるエアロネクストが開発したドローンの商品化・量産化を支援している。

農業用ドローンのナイルワークスが16億円を調達、“空からの精密農業”推進へ

農業用ドローンを手がけるナイルワークスは3月14日、INCJ、住友化学、住友商事、クミアイ化学工業、未来創生ファンド、Drone Fundを引受先とする第三者割当増資により、総額で約16億円を調達したことを明らかにした。

2015年創業のナイルワークスは「空からの精密農業」をビジョンに掲げる日本発のドローンスタートアップ。2017年10月にも産業革新機構などから8億円を調達していて、累計の調達額は約24億円になる。

同社ではセンチメートル精度でドローンを完全自動飛行する技術を保有していて、この技術を取り入れた農業用ドローンの開発や生育診断サービスの事業化を進めている。

作物上空30~50cmの至近距離をドローンが飛ぶことで、薬剤の飛散量を大幅に抑えられるのが特徴。搭載したカメラから作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、散布する肥料・農薬の量を最適化する技術にも取り組む。

事前に圃場の形を測量することで、タブレットから開始ボタンを押せば経路に沿って離陸から散布、着陸までを自動で行うため、特別な操縦スキルも不要だ。

ナイルワークスによると、2018年夏には全国各地で75回におよぶ実証実験を実施。農作業の省力化を検証し、地域や水稲の品種ごとの生育データをもとに診断技術を磨いてきた。

並行してVAIOを委託先とした量産化体制を住友商事と共に構築し、量産化モデル第1弾である新型機「Nile-T19」の開発にも着手。2019年6月の販売開始に向けて準備を進めているという。

同社では今後も各出資企業・ファンド・組合と連携しながら「保有する技術を水稲以外の作物に展開し、日本のみならず海外にも進出することで、精密農業のリーダーになることを目指します」としている。

作物のわずか30cm上空を自動飛行、農業ドローンのナイルワークスが8億円調達

ドローンを活用した農業ビジネスを展開するナイルワークスは10月10日、産業革新機構住友化学クミアイ化学工業住友商事全国農業協同組合連合会(JA全農)農林中央金庫を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額は8億円だ。

2015年創業のナイルワークスは、「空からの精密農業」をビジョンに掲げる日本のドローン・スタートアップだ。農業用ドローン本体と、それを利用した生育診断クラウドサービスを稲作農家向けに提供している。

ナイルワークスはセンチメートル単位の精度でドローンを完全自動飛行させる技術をもつ。それにより、ドローンを作物から30cm離れた至近距離で飛行させて薬剤を散布したり、作物の生育状態を1株ごとに診断することも可能になるという。

ナイルワークスの農業用ドローンは、搭載したカメラの映像から田畑の形状を認識し、自動飛行によって薬剤を散布することができる。だから、ユーザーとなる農家に熟練のパイロットがいなくともドローンを農業に活かすことが可能だ。

大規模な農場では無人ヘリによって薬剤を散布するなどの取り組みもあるそうだが、それをドローンで行うことで、より小規模な農家でもシステマティックな農業を実践することが可能になる。

飛行1回あたりで散布できる薬剤の量は10リットルで、1ヘクタールまでの広さに対応できる。

ナイルワークスは、ドローン本体、タブレット端末、薬剤散布のスケジューリングなどを行える「農薬散布クラウドサービス」をセットとして年間100万円のレンタル料金で提供している。

同社は今回調達した資金を利用して、「自動化技術の安全性向上と生育診断技術の精緻化を進める」としている。