ニューヨーク五番街のアップルの最新ストア内部の詳細を17枚の写真で

2年間にもおよぶリノベーション作業を終えて、巨大なガラスのキューブから覆いが取り払われた。米国時間9月20日、Apple(アップル)のニューヨーク五番街の旗艦店が一般公開されたのだ。この開店は、AppleのiPhoneやApple Watchの新モデルの発売と時機を合わせたものとなった。そうした最新の製品に、それにふさわしい壮大なお披露目の機会が与えられたわけだ。

その開店の前日の朝、Appleは選抜したメディアに対して内覧会を開催した。もちろんTechCrunchも選ばれている。その間も、何人かの人が、歩道から中をのぞき込んでいたので、スタッフはカーテンを閉めなければならなかった。キューブそのものは、それほど大きくは変わっていない。ただし、新たな輝きを帯びている。残念ながら、キューブ全体を覆っていたカラフルなラップは、一時的なものだったことが判明した。

ところで、できてから十数年にわたって、ニューヨーク市のランドマークともなっていたものを、なぜ作り直す必要があったのか? このストアは、市内でも最も交通量の多い交差点の1つ、セントラルパークの南東の角、プラザホテルの真向かいに位置している。どうでもいいかもしれないが、例の大統領のタワーから2ブロックほど北だ。数年前までは、あの有名な玩具店、FAOシュワルツと同じブロックを分け合っていた。

しかし今では、Appleが完全にこの空間を占領している。キューブを取り巻く広場は大きく変更され、太陽光と50万個ものLEDの組み合わせを活用する新しい照明システムの採用を可能にした。詳しくは、こちらの記事を参照していただきたい。

地下は、ストアが広場のすべての領域を専有している。面積が増えたことで、ストアの一辺を占めるジーニアスバーも、必然的に大きくなった。HomePodの視聴エリアは、かつての高級ステレオショップのガラス張りの試聴室を思い起こさせる。

いちばん驚いたのは、かつてのストアのシンボル的な存在だったガラスの螺旋階段が、もはや純粋なガラス製ではないということ。今や、個々のステップには、ステンレス製のカバーが付けられている。おそらく安全上の理由だろう。今朝、いっしょにストアを訪れた人は、以前最初にこのストアに来たとき、階段を降りていて、うっかり足を取られそうになったと言っていた。全部ガラス製というのは、見栄えは良くても、雨が降るたびに惨事が発生するのをただ待っているのようなものだったのかもしれない。

期待どおり、この照明システムは大きな効果を発揮している。くもりガラスの舷窓のような丸い窓から陽の光が差し込み、その回りをLEDの照明リングが取り囲んでいる。これはなかなか見応えのある組み合わせだ。下の写真の反射で、それがよく分かるだろう。

太陽光は、ストアの東側と西側、2列に分かれた8本の大きな木と、東側に伸びる生きた緑の壁にも降り注ぐ。この緑の壁の近くには、なぜかAirdPodsがある。ここは、日の出と日の入りの際には、赤味がかった光に包まれ、もっともすばらし景色となる。

新しいストアは、9月20日金曜日の午前8時、一般向けに開店した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

改装されたニューヨーク五番街のアップルストアは自然採光がポイント

2006年に開店した五番街のApple(アップル)旗艦店は、たちまちニューヨーク市民と旅行者の主要な目的地になった。巨大なガラスキューブはそれまでの電気製品店とはかけ離れた外観で、24時間営業の地下店舗への入口になっていた。立地も完璧で、プラザホテルとセントラルパークの向かいにある高級玩具店FAOシュワルツと同じブロックにある。

しかし2017年の初めから、店はリノベーションのために閉鎖されていた。そして今月、Appleはガラスキューブのベールを剥いだ(ただし、マルチカラーの保護シートが貼られている)。先週、iPhoneを発表したイベントで、Appleの小売担当上級副社長のDeirdre O’Brien(ディアドラ・オブライエン)氏は、再発明されたその空間を詳しく紹介した。

Fifth Ave 1

AppleはTechCrunchの取材に答え、プラザの地下全体に広がる店舗についてさらに詳しく話してくれた。どのAppleストアもそうだがライティングが重要だ。しかし、地下空間となると口でいうほど簡単ではない。店内の照明は太陽光とLEDの組み合わせによって作られている。

店舗が再オープンすると、地上に並ぶ一連の「明かり窓」が昼間の照明の大部分を担う。円形の窓はすりガラス処理されて上を歩く人のプライバシーを守り、シルバーのLEDリングが補助照明を受け持つ。さらに、18個(キューブの両側に9個ずつ)の「スカイレンズ」が補う。2組の3×3に配置された「彫刻的家具」は道行く人たちの休憩場所にもなる。

もちろん、自然採光だけで24時間営業店をすべて賄うことはできない。それを他のAppleストアと同じ布地ベースの照明システムを使った天井灯が補う。ただしここでは他のAppleストアと異なる複雑な幾何学的形状をした雲のような構造になっている。布地の中の調光可能なLEDライトは外部の環境に反応する。外が晴れていれば地下は明るくなる。曇っているときは減光される。

全体では24時間営業にあわせて5つのモードが用意されている。

  • Sunrise(日の出):3000K
  • Day(昼間):4500K~5250K(外部の明るさに応じて変わる)
  • Sunset(日暮れ):3000K
  • Evening(夕~夜):3250K
  • Night(夜間):3500K

Screen Shot 2019 09 17 at 12.21.48 PM

見てみるにはSunriseとSunsetが最適かもしれない。暖かい光が1時間ほど点灯する。全部で80基のリングライトと約50万個のLEDに加えて、2500基のLEDスポットライトが店内のテーブルや商品を照らす。太陽光は地下空間に植えられた8本の樹木と壁の植物が生きていくためにも使われる。

改装された店舗は9月20日午前8時、新しいiPhoneを待つ行列に合わせて開店する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook