ニューヨーク市は学校でのZoom禁止、セキュリティ上の懸念からMS Teamsに移行へ

休校が続いても生徒たちは学習を続けねばならない。このほど米国ニューヨーク市の学校当局は、リモート教育にビデオ会議サービスのZoomを使用することを許可しないと発表した。セキュリティ上の懸念が理由に挙げられている。

ニューヨーク市教育庁の広報担当者、Danielle Filson(ダニエル・フィルソン)氏は「リモート学習を生徒に提供するにあたって安全性と信頼性の確保は不可欠だ。セキュリティ上の懸念をさらに検討したところ、学校はできるだけ早くZoomの使用をやめるべきだという結論となった。リモート教育に多くの新しいサービスがあり、われわれは(その採用に関しては)教職員、生徒の利益のを最優先してリアルタイムで意思決定を行っていく」と述べた。

同氏によれば、市教育庁は学校をMicrosoft Teamsに移行させているという。こちらは「適切なセキュリティ対策が講じられており、機能も同等」だとしている。

この禁止によって、市内の5つの区の1800校以上の学校の約110万人の生徒が影響を受ける。2018年に創設されたニューヨーク市のコンピュータ・セキュリティーを担当する組織であるNYC Cyber Commandはすでに学校でのZoomの使用を一部禁止している。

Zoomからはまだコメントがない。

新型コロナウイルスの流行拡大のために世界では何億人もの人々がビデオチャットのプラットフォームを利用することを余儀なくされている。このためZoomのユーザー数も急拡大していたが、同社のセキュリティとプライバシーに対する方針と行動に多数の欠陥が発見され、批判の嵐が起きていた。そこにこの禁止が発表された。

セキュリティ専門家がZoomのシステムは中国当局による傍受の危険にさらされていると強く批判した後、4月4 日に同社のCEOであるEric Yuan(エリック・ユアン)氏は、ルーティングの一部が中国を通じていたのは「設定のミスによるもの」だとして謝罪した。 同時にZoomは、このサービスがエンドツーエンドで暗号化されていなかったにもかかわらずそうしていると主張していたことについても謝罪した。

Zoomはまたデフォルト設定を「パスワードを有効する」に変更した。これはパスワードなしで行われているZoomのビデオチャットに部外者が乱入して妨害するZoombombingが多発したことによるものだ。

しかし一部の学校では他のサービスへの移行に困難を感じている。 Chalkbeatが最初に報じたが、3月16日にニューヨーク市の市立学校が休校となった後、Zoomはすぐにビデオチャットサービスの一番人気となった。ブルックリン区の校長の一人は、Microsoft Teamsの「使いにくい」を挙げて、「Zoomの禁止はリモート学習に困難さを加えるもの」とChalkbeatに答えている。

ニューヨーク市の広報担当者は、「学校に対してはすでに数週間前からMicrosoft Teamsの操作を訓練してきた」語った。同時に、将来(学校が)Zoomに戻ることを許可する可能性を除外しなかった。

ニューヨーク市は「Zoomの開発の状況をモニターし、引き続き詳しくレビューしていく。なんらかの進展があればすぐに学校にもアップデートを通知する」予定だという。

画像:ニューヨーク市の公立学校教室内部 Michael Loccisano/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazon、ニューヨーク市の第2本社建設を断念

Amazonは第2本社の一つをニューヨーク市内に建設することを断念すると発表した。クイーンズ区のロングアイランドシティーの第2本社計画がキャンセルされた原因は地元の住民、議員からの強い反発によるものだ。Amazonが長年反労働組合的な姿勢を取ってきたこと、また自治体のAmazonに対する税制優遇措置などが反対の理由として挙げられていた。

TechCrunchはAmazonから「候補地選定を再開する考えはない」とする長文の声明を受け取った。Amazonはバージニア州アーリントンの第2本社、またテネシー州ナッシュビルでの大型フルフィルメントセンターの建設計画を推進する。

こちらがAmazonの声明の全文だ。

慎重に考慮を重ねた結果、クイーンズ区ロングアイランドシティーにAmazonの第2本社を建設する計画を進めることを中止すると決定した。 Amazonが新本社建設にコミットするためには州政府、地方地自治体との長期にわたる良好な協力関係を築かねばならない。これには首長、議員による積極的な支持を必要とする。世論調査によれば、ニューヨーク市民の70%がAmazonの計画とそれにともなう投資を支持している。しかしながら州や自治体の多数の政治家がわれわれの進出に反対し、ロングアイランドシティーの建設プロジェクトを前進させるために必要な良好な関係を構築するつもりがないことを明らかにしていた。

このような結論となったことを遺憾に思っている。われわれはニューヨークを愛しており、そのダイナミズム、市民、文化は比類ないものと考えている。ことにロングアイランドシティーではスモールビジネスのオーナーや住民など、希望に溢れ、前向きに思考する多くのコミュニティー・リーダーと知り合うことができた。現在ブルックリン、マンハッタン、スタテンアイランドでは5000人以上がAmazonで働いており、われわれはこのチームをさらに拡大していくよう務める。

クオモ・ニューヨーク州知事、デブラシオ・ニューヨーク市長、またそのスタッフは第2本社を招致するために献身的かつ熱意に溢れる努力を払ってきた。われわれはこうした支援に深く感謝する。ニューヨークの市民を代表してクオモ知事、デブラシオ市長はAmazonの投資と職の創出を支援するために全力を挙げてきた。われわれはこうした努力に適するような感謝の言葉を知らない。【略】

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第2本社として選定された他の地区を異なり、クイーンズの場合はAmazonの計画発表と同時に地元からの反発が起きていた。反発の原因の一つはすでに不人気なビル・デブラシオ市長とAmazonの密室取引がある。ニューヨーク市のインフラは限界に近く、住宅事情も逼迫していた。さらに第2本社建設予定地が学校や公園、低所得者向け住宅と小規模な商業区域のための再開発用地だったことも助けにならなかった。

Amazonの代表者は市議会で繰り返し激しい攻撃を浴びた。「ニューヨークは組合の町だ」というスローガンを掲げる議員もいた。先週、Amazonはロングアイランドシティーの計画をキャンセルするかもしれないと報じられたが、その時点ではTechcrunchに対して「撤退の考えはない」と述べていた

しかもわずか2日前にはデブラシオ市長はミッション・クリティカルな計画だと述べていた。残念ながらこの「ミッション」は空中分解したようだ。

画像:Andrew Lichtenstein/Corbis / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+