企業はノートPCを購入するかわりに数分の手続きでレンタルすべきだと考える「Fleet」

フランスのスタートアップFleet(フリート)は、ハードウェアをサービスとして管理することで、IT部門のベストフレンドになろうとしている。Fleetの顧客は、パソコンやスマートフォンを月々定額でレンタルできる。ハードウェアに問題が発生した場合は、返品や修理に対応する。

また、更新時期には、古いノートパソコンやスマートフォンを新しいものと交換することができる。顧客は、現在保有しているデバイスを1つの管理画面で確認することができる。

同社は、幅広い種類のデバイスを提供している。例えば、M1 Proチップと16GBのRAMを搭載した14インチのMacBook Proは、現在1台あたり月額99.90ユーロ(約1万2930円)だ。M1 MacBook Airは1デバイスあたり月額54.90ユーロ(約7100円)から。128GBのストレージを搭載したiPhone 13は、月額44.90ユーロ(約5810円)になる。

Microsoft(マイクロソフト)のノートパソコン(Surface Laptop Go、Surface Laptop 4、Surface Pro 7)、Dell(デル)のパソコン、そしてChromebookも数モデル用意されている。端末が寿命を迎えてFleetに送り返されると、同社はその端末を非営利団体に譲渡したり、再生業者に売却したり、リサイクルしたりする。

Fleetはブートストラップしたスタートアップで、VCからの資金調達はしていない。しかし、現在のランレートで1200万ユーロ(約15億5300万円)の年間売上高が見込まれるなど、順調に成長している。

同社は現在、Ankorstore、Ornikar、Sunday、Matera、Cubyn、Wemaintain、Shineなど、フランスの有名なスタートアップ数社を含む600社の顧客を有している。そして中央ヨーロッパ時間3月14日、同社はスペインでDaaS(Device as a Service)の提供を開始する。そしてバルセロナにもオフィスを開設する予定だ。

Fleetのサプライヤーの多くはすでに欧州全域に配送可能であるため、同社の欧州での展開はまだまだ続く。ポルトガル、イタリア、ドイツ、ベルギーを次の市場として考えている。

多くの企業は、従業員用のデバイスを直接購入することを選択する。しかしそれには大きな初期費用がかかるし、ハードウェアの問題が発生したときに助けてくれるサプライヤーがいないことになる。

企業は、こうした大きな資本支出を運用コストに転化する方法を模索してきた。例えば、企業はハードウェアを購入するために、銀行とクレジットラインを交渉することができる。

そして、これがFleetのビジネスモデルを理解する鍵になる。同社は、金融機関やリース会社と直接交渉しているため、顧客はアカウントを作成し、いくつかの書類を提出するだけでよい。数分もあれば、ノートパソコンを注文することができる。そしてFleetは、顧客に代わってやっかいな仕事をこなす、もう1つのサービスプロバイダーとなるわけだ。

画像クレジット:Jeremy Bezanger / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

Lenovo、新ThinkPadにQualcommのSnapdragonプラットフォームを採用

長い間ハイエンドモバイルプロセッサの世界をリードしてきたQualcomm(クアルコム)が、あなたに売りたいノートPCを手に入れた。2021年末に毎年恒例のSnapdragonサミットで発表したSnapdragon 8cx Gen 3シリーズで、同社はノートPCの部品の世界へ進出する。

名前からわかるように、Snapdragon 8cx Gen 3はノートPCに使用されるQualcomm製品としては第3世代だ。現在、Apple(アップル)はARMベースのチップを自社開発し、かなりのパフォーマンスを実現している。QualcommもモバイルのパフォーマンスをWindows 11 ProベースのノートPCに活かして、同じことを実現したいと考えている。

画像クレジット:Lenovo

QualcommのプラットフォームでMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceデバイスが開発されるという噂がある中、Lenovo(レノボ)はMWCでThinkPad X13sを発表した。このプラットフォームの利点はぱっと見ただけで明らかだ。ノートPCのフォームファクタでARMアーキテクチャに移行するという長年の約束が守られている。つまり、超軽量薄型で5G内蔵、バッテリー駆動時間が長く、Qualcommの数世代にわたるセキュリティの進歩をベースにしている。

Lenovoは最初のパートナーとしては理想的だ。まず、ThinkPadブランドは仕事用のノートPCとして多くの人に浸透している。また、Lenovoは新しい道を探ることにおいては最も熱心なノートPCメーカーかもしれない。

仕様を見てみよう。13インチで重量は2.35ポンド(約1.06kg)と、MacBook Airの2020年モデルよりも200gほど軽い。厚さは0.53インチ(約1.3cm)で、MacBook Airの0.41~1.61cmの範囲に収まっている。バッテリー持続時間は驚異的で、動画再生時に28時間とされている。ある経営幹部はイベントに先立って実施されたブリーフィングで、1泊の出張でニューヨークに持っていってまったく充電しなかったと述べた。これは確かに信憑性があるようだ。

Qualcommのメリットとして、コンピュータビジョンのプロセッサによりログイン認証が向上した点も挙げられる。筐体は90%リサイクルのマグネシウムで、これまでと同様にポインティングスティックもある。

ThinkPad X13sは5月出荷開始予定で、価格は1099ドル(約12万7000円)から。

画像クレジット:Lenovo

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

ユーザーが修理可能なノートPCで注目を浴びたFrameworkが製品ラインナップの拡大を計画中

2021年11月、Apple(アップル)は「Self Service Repair(セルフサービスリペア)」プログラムを開始すると発表した。これまで個人による修理を認定していなかった同社にとって、これは驚くべきことだ。もちろん、このような変化が何もないところで起こったわけではない。米国では大統領も議会も、いわゆる「修理する権利」を開放するよう働きかけてきた。その理由は、消費者の選択を増やすためや持続可能性への配慮など、いくつもある。

しかし、かつての抵抗勢力だった企業がこの変化を受け入れ始めたとしても、修理できる可能性をユーザーに開放することと、製品を実際にユーザーが修理できるようにすることでは異なる。近年の家電製品は薄型化が進み、ますます専門家でなければ修理することが困難になっている。

元アップルやOculus(オキュラス)・Facebook(フェイスブック)のエンジニアだったNirav Patel(ニラブ・パテル)氏が2019年後半に設立したFramework(フレームワーク)という会社は、修理可能性を製品設計の重要な機能として位置づけることに注力する、急成長中のハードウェアスタートアップの1つだ。米国時間2月1日、同社は1800万ドル(約2億円)のシリーズA資金調達を発表したが、これはそのミッションの正当性を証明するものだと宣伝している。

画像クレジット:Framework

「私たちの使命とFramework Laptop(フレームワーク・ラップトップ)に対するみなさまの多大かつ迅速な関心は、私たちが正しい道を歩んでいることを明白にしてくれました」と、パテル氏は資金調達を発表したリリースで述べている。「この業界では、長く使えるように設計されたパーソナルな製品が、以前から高く必要とされています。このことは、私たちだけでなく、誰にとっても明らかであり、Spark(スパーク)社のパートナーもそれを確信しています」。

パテル氏によれば、今回のラウンドを主導したSpark Capital(スパーク・キャピタル)は、OculusのシリーズA資金調達も主導していたという。この投資により、SparkのゼネラルパートナーであるKevin Thau(ケビン・トー)氏がFrameworkの取締役に就任した。他にシード投資家のPathbreaker Ventures(パスブレーカー・ベンチャーズ)、Anorak Ventures(アノラック・ベンチャーズ)、Formic Ventures(フォーミック・ベンチャーズ)もこのラウンドに参加した。パテル氏は、ベイエリアを拠点とするFrameworkが「会社の存続のために投資家の資金が必要だった」わけではなく「アップグレード、カスタマイズ、修理をより多くのコンシューマーエレクトロニクスに提供する」ための製品ラインナップの拡大に、この資金を使うと述べている。

それが、どのようなカテゴリーになるのかは明らかにされていないものの、同社はすでに今後2年間のロードマップを作成しているという。スマートフォンは、その一般性の高さから、妥当な判断だと思われるが、最近の市場はノートパソコンよりもさらに飽和状態にある。アムステルダムを拠点とするFairphone(フェアフォン)は、2021年「Fairphone 4」をリリースするなど、積極的にこの市場をターゲットにしている。

今回の追加資金は、Frameworkの人員増強に充てられる。ユーザーによる修理が可能であるという魅力が、比較的ニッチな顧客層を超えて十分に関心を集められるかどうかは、まだわからない。同社より大きないくつかの企業が、修理可能性の実現に向けて一定の成果を上げているものの、多くの大企業がFrameworkやFairphoneと同じようにオープンな設計に取り組むことは、おそらくないだろう。

画像クレジット:Framework

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

半導体不足にもかかわらず2021年の全世界でのPC販売台数は大幅増

2021年のパソコンの販売台数は、半導体不足によって全世界的に減少したと想定するのは容易だが、そんな月並みの考えは間違っているかもしれない。実は市場調査企業Canalysの調査報告によると、2021年のPCの出荷台数は前年比で15%伸び、2019年に比べると27%増加した。売れた総台数は3億4100万台というすごい量だ。

その調査報告によると、第4四半期は前年比1%増と微々たる伸びだが、しかしそれでも、2012年以降で最良の年だった。

CanalysのシニアアナリストIshan Dutt(イシャン・ダット)氏によると、半導体の供給不足にもかかわらずPCはすばらしい年を経験し、PCは私たちの仕事とレジャーの両方にしっかりと根を張った。そして世界の先進地域では、家庭に複数のPCがあることが標準的な姿になりつつあるという。

「供給の制約という暗雲が常に立ちこめている市場で、好調だった2020年を超える成果を達成したことは、過去12カ月のPCの需要がいかに大きなものであったかを示している。長期的に見た場合、2021年で最も重要な展開は、PCの普及率と使用率の大きな増加だ」。

2021年のPC市場におけるビッグ3は、Lenovo、HPそしてDellで、Appleは4位だった。下表にあるように、2021年は各社とも好成績だったが、前年比伸び率が最大だったのは28.3%を達成したApple(アップル)、次位が販売台数では5位のAcerの21.8%だった。

マーケットシェアでは、勝者は24.1%のLenovoと21.7%のHPとなる。3位のDellが17.4%、次いで4位のAppleは8.5%だった。

画像クレジット:Canalys

半導体不足は2022年も続くと予想され、また教育市場の飽和も囁かれているが、Canalysの予測では2022年もPCの売れ行きに関しては良い年だ。それどころか、CanalysのアナリストRushabh Doshi(ルシャブ・ドーシ)氏によると、供給問題がなければ2021年の市場はもっと大きかっただろうという。

「不足の一面には需要が大きかったということにもある。供給状況が良ければ間違いなくPC業界は、もっと強力に成長して大きくなっていただろう」とドーシ氏はいう。

彼は、今後も市場は拡大し続けると見ている。「自由な視点で見ると、より高性能で高速なPCに対する需要は、職場だけでなく家庭でもかつてないほど高まっています。過去2年間でPCの重要性が強化されたことで、成長は今後も続くと考えています」とドーシ氏は述べた。

画像クレジット:Irina Cheremisinova/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ゲーミングノートPCに-15°Cの冷気を送り込むクールなデバイス「Line Frzr」

LinedockCESの常連で、アルミ削り出しのハイエンドなドッキングステーションを出展している。2022年は、明確にゲーマーに狙いを合わせたアクセサリーを携えてラスベガスに戻ってきた。この「Line Frzr(ライン・フリーザー)」は、ゲーミングノートPCに流入する空気を事前に冷却するサーモエレクトリックアクティブクーリングデバイスだ。

従来のノートPC冷却ソリューションは、PC内部を通り抜ける空気の流れを増加させるものだったが、Linedockのソリューションは、その戦略をさらに2、3歩進めたものだ。Line Frzrはその空気を、室温から冷凍庫並みの-15°Cまで冷却してから、その凍てつくような冷気をノートPCに注入する。これによってコンピューターのCPUとGPUはより低い温度に保たれ、より高クロックでより高いパフォーマンスをより長く発揮できるようになるという理論だ。

このクールな技術は熱電冷却を利用するものだが、ペルチェ素子をプロセッサに直接接合するのではなく(これは散々実証されている酷いアイデアだ)、Linedockのチームは別のアプローチを考え出した。それは一対の小さな冷却塔で空気をあらかじめ冷却し、そこからラップトップに空気を送り込むというものだ。そのデザインは、ゲーミングノートPCの最も一般的な設計アーキテクチャに基づいているという。バッテリーはキーボードの下に収まり、ノートPCは小さな足で持ち上げられて空気の循環を最大に高め、空気を大量に掻き込む2基のファンが搭載されている。

「電子部品には推奨動作温度というものがあります。CPU / GPUのサーマルペーストについても同じことが言えますし、それが最も重要なのはバッテリーです」と、Linedockの共同創業者であるNancy de Fays(ナンシー・デ・フェイ)は、氷点下の空気をノートPCに吹き付けても害がない理由を説明する。「Line FrzrはノートPC全体を凍らせるのではなく、ノートPCの吸気口に氷点下の空気を送り込みます。その空気はファンに流れ込み、最終的にヒートシンクのラジエーターを通過します。ノートPCのファンは氷点下の温度に対応しており、さらにノートPCの温度を監視する赤外線センサーによってこのシステムは制御されています。GPU/ CPUが50℃以下になると、システムは冷却を停止します」。

CESで発表されたLine Frzrの試作品。穴はゲーミングノートPCの吸気口に合わせてデザインされており、小さな三芒星は温度センサー(画像クレジット:Linedock)

「ノートPCの電子機器ではなく、ファンに空気を送り込むように、私たちはデザインしました。Frzr自体は携帯用ではありません。自宅でゲームをプレイするときにゲーミングノートPCに大量の冷却を加え、本物のデスクトップPC並のパワーを利用するためのものです」と、LinedockのCEO兼共同設立者であるQuentin Malgaud(クエンティン・マルゴード)氏は説明する。「実は私たちは、(2017年に)最初のIndiegogo(インディゴーゴー)キャンペーンに取り組んでいたときに、このコンセプトには着手していたのですが、バッテリー駆動にできるほど効率が良くなかったので、後回しにしていました。(マルゴード氏はCESの同社のブースで技術プロトタイプをジェスチャーで示し)この不良少年でのテストでは、最大25%のCPUスコアの改善が見られました」と語った。

「ゲーミングらしい外観にしたかったので、このように小さな冷却塔が備わったデザインにしました」と、デ・フェイ氏は説明した。

そもそも、この製品が良いアイデアなのかどうか、私には少し疑問に感じられた。素人考えでは、熱特性の異なる部品を急速に加熱・冷却すると問題が生じるのではないかと思ったからだ。しかし、同社によると、そんな心配は杞憂であるようだ。Frzrの上に置かれたノートPCの温度を監視する赤外線サーモスタットシステムを使うことで、問題を未然に防ぐことができるという。冷却は必要に応じて自動的に行われ、ドライバーのインストールも不要だ。Frzrは温度センサーからのデータを平均化することで、独自に冷却を管理する。

Linedockはこの冷却システムの機能を、実際に作動する試作品で実証した。今回は空気を-13.5℃まで冷却している(画像クレジット:Line, Inc.)

LineはノートPCの温度を観測するIRセンサーに関する特許を取得しており、その他にも多数の特許を出願している。

この製品の価格はまだ正式に決まっていないが、マルゴード氏はエンドユーザーが300ドル(約3万5000円)以下の価格を期待するはずだと思っており、同社では最終的な製品が完成するまでに200ドル(約2万3000円)以下にしたいと考えていることを示唆した。2022年10月には、熱心なセミモバイルゲーマーに向けて出荷を開始できる見込みだという。

画像クレジット:Line, Inc.

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】Windows 11搭載「Surface Pro 8」は快速で新鮮な印象、新OSとライバルiPad Proとの比較

最新のSurface Proには、新しい良さが詰まっている。スクリーンが新しくなり、筐体も新しくなった。最新のIntel(インテル)製チップセットを搭載し、ついにThunderbolt 4にも対応してくれた。「Surface Pro 8」にはWindows 11も搭載され、多くの新機能が追加されている。特徴的なキックスタンドの動きも良くなり、オプションのキーボードも改良されている。唯一欠けているのはMicroSDXCスロットで、今回のバージョンでは採用されなかった。

Surface Pro 8は、これまでのモデルから大幅にアップデートされているが、それでいて親しみやすさも兼ね備えている。Microsoft(マイクロソフト)は、ついにSurface Proのデザインをアップデートしたが、そろそろ頃合いだったのだろう。同社は2013年にSurface Proを発表したが、7世代のプロダクトを通じて筐体はほとんど変わってこなかった。Surface Pro 8では、Microsoftが2020年に発表した「Surface Pro X」のすばらしいボディを活用した。最高だ。Surface Pro 8はこれまで以上に優れている。

私自身、これをいうことに何のためらいもない。Surface Pro 8は、これまでで最高の2in1であると。気に入っている。使っていて楽しいし、コンパチブルタイプのWindowsマシンを探している人には最適なソリューションと言えるだろう。

レビュー

Surface Pro 8はすばらしい。キックスタンドを開くと、Windows 11が起動する。遅延もほとんどない。読み込みも反応もすべてがスピーディなのだ。第11世代のIntel Core CPUを搭載したSurface Pro 8は、LightroomからFactorioまで高速に動作する。

ディスプレイも美しく、これまでのモバイルデバイスの中で最高のものの1つだと思う。残念なことに、Windowsが120Hzのオプションをコントロールパネルの奥深くに隠しているので、すべての購入者がこのスクリーンの良さを体験できるというわけではない。また、HDRのサポートについては、私は動作させることができなかったのでここで報告することができない。

Windowsは、Surface Pro 8の弱点のように思える。新しいWindows 11の状態であっても、OSはやはりSurface Proの欠点の1つだろう。Windows 11には、ユーザー泣かせな奇妙な癖があり、それに慣れるのに時間がかかった。新しいスタートメニューはあまり好きになれないし、ウィジェットのようなモバイルファーストの機能はすべてただ無造作に追加されているだけのように映る。

ハードウェア

Surface Pro 8は、2020年に発売されたSurface Pro Xの美しいアルミニウム筐体の中で、最新のIntelチップを動かしている。新しい筐体のおかげで、指紋が表面に付着することがなくなった。エッジは丸みを帯びており、過去のモデルよりも洗練されたハードウェア体験を提供してくれる。先代モデルと比較して、厚さは2mm、重さは100g増加している。その理由を尋ねたところ、Microsoftの担当者は、冷却性能の向上と大容量バッテリーは、多少の厚さに見合う価値があると感じていると答えてくれた。

Surface Pro 8は、あらゆるポータブル機器の中で最高のスクリーンを搭載している。このスクリーンは、画質とタッチスクリーン機能の両方の点で見事な仕上がりだ。明るく鮮明で、ピクセル数が多く、クリアな画面だ。リフレッシュレートは120Hzだが、この機能を有効にするには、詳細メニューの「ディスプレイ設定」で有効にする必要がある。また、HDRにも対応する予定のようだが、現時点では対応していないようだ。アダプティブ・カラー・アジャストメントにも対応している。Surface Pro 8は、周囲の光に合わせて色温度を微調整してくれる。

11.3インチのディスプレイ解像度は2880×1920、1インチあたり267ピクセル(ppi)だ。ちなみに、最新iPad Proの11インチのディスプレイは2388×1668、264ppiだ。

ディスプレイは、この新しいSurface Proの魅力の大きな部分を占めているといえるだろう。とても美しく、SlackからPhotoshopまで、あらゆるものを新しいもののように輝かせてくれる。

タッチスクリーンの操作性も向上しているようだ。新しいディスプレイ(あるいはWindows 11)は、スタイラスや指を使ったときの感触がより滑らかになっている。加えて、画面に触れることが楽しくなった。大げさに聞こえるかもしれないが、私はそう感じている。

Microsoftは「Surfaceスリムペン」の新バージョンをリリースした。この第2モデルでは、先端部のデザインを一新し、ハプティックフィードバックとともに遅延を低減している。スリムペン2は使っていて楽しい。さまざまな種類のブラシに合わせて異なるハプティックフィードバックを感じられる。ブラシを使うと、スマッジングスタンプを使うのとは違う感覚を得られる。鉛筆を選択すると、スリムペン2は擦れるような感覚を与えてくれる。アプリケーションがこの機能をサポートする必要があるが(現在はいくつかのアプリケーションがサポートしている)、この体験は過去のものとは根本的に異なるものとなるだろう。

また、Surfaceスリムペン2は、キーボードヒンジの気の利いた場所に収納して充電することが可能だ。しかし、これはSurfaceシリーズの新機能というわけではない。Microsoftは2020年に「Surface Pro X」でこれを採用していたからだ。

内部では、第11世代のIntelチップがSurface Pro 2を動かし、アクティブな冷却によって安定したパフォーマンスを維持している。今回のSurface Proは、過去のモデルほど大幅にパフォーマンスをスケールアップしているようには見えない。

私の試用機は、Core i7に16GBのRAMと256GBのSSDを搭載している。IntelのIris Xグラフィックスを採用している。このマシンの価格は1599ドル(日本では税込21万5380円)で、これにキーボードの価格が加わる(Surfaceスリムペン2の有無にかかわらず)。このモデルが、CPUにCore i7を搭載したモデルの中では最も安価な選択肢だ。もっとお金をかければ、ストレージやRAMを増やしたモデルを選ぶこともできる。価格は2599ドル(日本では税込32万5380円)まで上昇し、32GBのRAMと1TBのSSDを搭載している。

これまでのUSB-Aポートはなくなってしまった。その代わりに、ついにSurface ProシリーズにUSB-Cを導入し、最新のThunderbolt 4を採用した。この構成では、Surface Pro 8は複数の4Kディスプレイに電源を供給したり、外部GPUに接続したり、その他の激しいデータ転送を行うアクセサリーも使用したりすることができる。USB-CポートはSurface Proの充電にも対応しているが、Microsoftは独自のSurface Connectポートでの充電を推奨している。

microSDXCスロットはなくなってしまったが、SSDはユーザー自身で交換できるようになった。MicrosoftがmicroSDXCスロットを廃止したのは残念だ。これはiPad Proと比較して大きなセールスポイントだったからだ。SSDはキックスタンド下のパネルに隠れている。それを突き出せば、SDDに簡単にアクセスでき、ネジ1本で固定できる。SSDの交換には1分もかからないだろう。

バッテリー駆動時間

Surface Pro 8は、1日中使えるポータブルデバイスだ。試用機を手にしてからまだ1週間も経っていないが、頻繁に使用していて、一晩中コンセントにつないでいただけだ。しかも、私はMicrosoftのアプリを使っていない。EdgeやTeamsではなく、Chrome、Slack、Xoomを使っている。これは重要なことだ。バッテリー駆動時間について語るとき、Microsoftは、バッテリー駆動時間を延ばすためにアプリを最適化したことを明らかにした。

同社によると、Surface Pro 8は18時間のバッテリー駆動が可能とのことだが、私はその数字を達成できなかった。Chromeの使用、YouTubeTVのストリーミング、ビデオ通話などで、平均して約10時間のバッテリー駆動時間を確認した。

Surface Pro 8には新しいアクティブクーリングデザインが採用されているが、それでも触ると熱さを感じる。この熱さのために、メディアを編集する際にタブレットとして使用すると不快感があった。Lightroomは問題なく動作するが、PhotoshopではSurface Pro 8が不快なレベルまで熱くなってしまう。

ウェブカメラ

Surface Pro 8にはすばらしいウェブカメラが搭載されており、しかも適切な位置に設置されている。この配置については、MicrosoftがApple(アップル)を軽く非難してすらいる。発表会でMicrosoftの広報担当者は「そして前面カメラは、横ではなく中央の、本来あるべき場所に配置されています」と笑顔で語っていた。Appleはなぜか、iPadのカメラを画面の短辺側に配置し続けている。そのため、タブレットをラップトップモードにしてキーボードを接続すると、ウェブカメラが横にずれてしまい、奇妙なウェブカメラ体験となってしまう。

前面のカメラは非常に優れている。1080pの動画と5mpの静止画を搭載しており、ホワイトバランスや露出などの高度なコントロールが可能だ。

以下、Surface Pro 8やiPad Pro(2020)との比較だ。

Windows 11についての簡単な説明

私がPCを使う目的は主に2つある。ゲームとメディア編集だ。私がこのレビューをMacで書いているのは、それが私の仕事環境だからだ。Windowsは私の毎日の仕事道具ではないし、Windows 11は私にMac OSをやめさせようとするものでもなかった。

新しいスタートメニューは、ユーザーに圧迫感を与えるものだ。画面の中央にかなりのスペースを占めており、その大きさを正当化する理由が見当たらない。その新しいスタートメニューの大部分は空白となっている。さらに悪いことに、以前のバージョンのようにスタートメニューをカスタマイズすることはほとんどできない。

それ以外の新しいWindows体験については一応許容範囲内だ。Windowsのトップレイヤーしか使わない私にとっては、この新しいシステムは古いシステムと同じように感じる。

私はMac OSではウィジェットを使わないし、Windows 11でも使うことはないだろう。今のところ私の試用機では、これらのウィジェットはカスタマイズできない。プリインストールされているウィジェットはカスタマイズできるが、ウィジェットを追加することができない。また、読み込みや更新にも時間がかかる。

Windows 11を日常的に使用しているユーザーから見たWindows 11の詳細をまた待っていて欲しい。

Surface Pro 8とiPad Proの比較

Surface Pro 8とiPad Proは、根本的に異なる製品だが、ターゲットとする市場の多くは同じだ。Surface Pro 8が完全なデスクトップOSを搭載しているのに対し、iPad ProはiPhoneで使われているソフトウェアのモバイル版を搭載しているが、その機能は強固だ。

Surface ProとiPad Proは、どちらもすばらしいディスプレイを備えており、タッチスクリーンの機能も同様にすばらしいものだ。スタイラスも同様に機能する。新しいSurface Penの方にはハプティックフィードバックが搭載されている一方、最新のApple PencilとiPad Proの方がより正確で、より楽しく使える。

この2つを選ぶには、それぞれのユースケースを見る必要がある。Surface Pro 8はデスクトップに代わるデバイスとして優れているが、ユーザーによっては、タスク次第でモバイルOSを使った方が良い場合もあるだろう。

ここで、いくつかアドバイスがある。

Surface Pro 8がおすすめな方。

  • 独自のソフトウェアを実行する機能を備えている、デスクトップに代わるデバイスを探していている方
  • Microsoftの法人向けアプリを動かすためのポータブルデバイスが必要な方
  • ゲームが好きで、Xboxゲームのストリーミングに満足している方
  • フルサイズの着脱式キーボードが必要な方

iPad Proがおすすめな方。

  • 主流のアプリ(Adobe PhotoshopやLightroomなど)でメディアを編集するためのデバイスを探している方
  • Google(グーグル)のG-Suiteを動作させるためにハイエンドのポータブルデバイスを必要としている場合
  • Microsoft Office 365の基本機能やアプリを使っている方
  • スマートフォンに搭載されているようなモバイルファーストのゲームを楽しみたい方

その価値は?

Surface Proは、これまでのバージョンで最も優れたモデルとおえるだろう。発売時にはいくつかの重要な機能が欠けているが、可能性を十分に秘めている。この製品は、美しいディスプレイと優れた品質を備えたすばらしいセットだ。新しいスタイラスは歓迎すべきアップグレードであり、Intelの最新チップはパフォーマンスにおいて、コンピューターとしてより信頼できるものにしてくれている。

Surface Proシリーズの製品ラインは常に奇妙なポジションに位置していたが、今回のバージョンでメインストリームとしての選択に近づくことができた。これまでは、パフォーマンスがわずかに不足していて、ハードウェアもぎりぎりまぁ良いかなという具合だった。Surface Pro 8では、パフォーマンスはようやく許容できるものになり、ハードウェアは美しいものになった。Surface Pro 8は、最高のWindows 2in1といえるだろう。

画像クレジット:Matt Burns

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(文:Matt Burns、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ドコモから重量1キロ以下の5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場、月額1100円から維持可能

月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場

NTTドコモ(以下、ドコモ)が5G対応PCとして「ThinkPad X1 Nano」を2021年10月6日に発売します。販路はドコモオンラインショップ、全国のドコモショップ、家電量販店。

本製品はTiger Lakeこと第11世代インテル Core i7(またはCore i5)を搭載した13インチのモバイルノート。ドコモに先んじてレノボが2020年12月08日に発売しましたが、今回、新たにキャリア版が追加された格好です。

特徴は何といっても1キログラムを切る軽さです。構成によって若干変わりますが、実測で905グラム(公称の最低値は907グラム)となっており、モバイル性を重視した1台となっています。もちろん打ちやすさで定評のキーボード(US・JIS配列を選択可能)に加え、トラックポイントとトラックパッド、それにドルビー・ビジョン対応のスピーカーを搭載しているなど、テレワーカーに適した製品といえます。

描画性能とAI処理能力が向上したハイエンド仕様で、メモリは8GB or 16GB、ストレージ(SSD)は256GB or 512GB or 1TBから選択できます。本体サイズは292.8×207.7×16.75ミリ。内蔵バッテリーはType-Cケーブルと65W出力のACアダプターを用いて充電できます。月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場月額1100円から維持可能、ドコモから5G対応モバイルPC「ThinkPad X1 Nano」登場

製品概要の詳細は既出の速報やレビューをご覧ください。

【関連記事】ThinkPad X1 Nano レビュー テレワークの使用感をM1 MacBookと比較

ドコモ版 ThinkPad X1 Nano の注意点

ドコモ版は5G対応かつnano SIM(eSIMは非搭載)を1枚挿せます。回線契約なしで購入でき、端末の返却を前提とした割引きプログラム「いつでもかえどきプログラム」を適用することも可能です。

本製品で契約可能な料金プランは5Gギガホ、5Gギガライト、データプラス、ahamo。なお、ドコモによれば、ギガプランの契約があれば月額1100円から維持できるとのことです。また、サポートに関しては、レノボが用意する保守・サポートを受けることが可能ですが、ドコモの「ケータイ保障サービス」への加入はできません。

(Source:NTTドコモEngadget日本版より転載)

マイクロソフトがWindows 11に先駆けて「Surface Laptop Studio」と「Duo 2」発表、5つの新Surfaceとアクセサリー

半年ぶりのWindowsのメジャーリリースが目前に迫る中、Microsoft(マイクロソフト)は新ハードウェアを大量に発表した。Surfaceシリーズは、最先端ハードウェアのブレークスルー対して常に刺激を与えてきたわけではないOSのコンセプトを証明するプロダクトだと考えられてきた。

このブランドは、ノートPCやタブレット、そして最近ではスマートフォンといったカテゴリー間の境界線を曖昧にすることにフォーカスし、コンシューマー向けハードウェアの可能性を押し広げる機会をMicrosoftにもたらしている。Surfaceの実績は全体的に見て堅実なものだが、フォームファクターに手を加えるということは、誰もが100%の確率で正しいことをするわけではない。

関連記事:Windows 11の提供開始は10月5日から、マイクロソフトが発表

画像クレジット:Microsoft

2020年の「Surface Duo」は、もちろん、より大きな兄弟機である「Surface Neo」を除けば、この現象の最も良い例の1つだ。この2つのデバイスは、2019年に同じイベントで発表され話題を集めた。大きく期待されていた2つのデバイスは、2つのまったく異なる理由で最終的に失望させられることになった。

Neoは単に発売されなかった。Microsoftが2021年初めにWindows 10Xをその後キャンセルしたことが、最後の釘となったようだ。Duoは発売されたが、その宣伝には応えられなかった。フォームファクターは発売時と同様に興味深いものだったが、会社は他のことに集中することを選択したため、精彩を欠いたスペックを実質的に認めることになった。私はこのプロダクトを1400ドル(約15万4000円)という価格を正当化するには至らない「未完成品」と呼んだ。

画像クレジット:Microsoft

もちろん、Microsoftははっきりと言わないだろうが、新しいSurface Duo 2は、何かをやり直すことを意味するものだ。例えばSamsungの初代フォルダブルのように、私たちが「こうあって欲しい」と願うプロダクトの延長線上にある。スマートフォンの世界では、約10年半の間、モバイルデバイスがずっと採用してきた基本的なフォームファクターを拡張するプロダクトの登場が切望されている。今回のデュアルスクリーンデバイスは、その可能性を示唆するものだといえる。画面の解像度は1344×1892、解像度は401ppiとなっている。Snapdragon 888プロセッサの搭載や、2020年モデルはLTEのみの対応だったが、5G接続が可能になったこともうれしいポイントだ。Duo 2では、(前面の1200万画素に加えて)背面に大型のカメラモデルを追加し、1200万画素のワイドと望遠、1600万画素のウルトラワイドという3つのレンズを搭載している。

画像クレジット:Brian Heater

変わらないのは、価格だ。現在予約受付中で、価格は1500ドル(約16万5000円)からとなっている。

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今回の新製品の中で最も興味深いのは「Surface Laptop studio」だ。このデバイスは、Microsoftがずっと強気で取り組んでいる2in1のカテゴリーを巧みに利用したもので、その名前はSurface StudioとLaptopの両方に敬意を表しており、おそらく両者の違いを分けているものだろう。この製品は、14.4インチのタッチスクリーンが折り紙のようなスタンドに取り付けられており、さまざまな形に配置することができる。基本的には、キーボードケースの上に、タブレットのように動くように設計されたスクリーンを搭載したノートPC(非常にMacBook風なノートPC)だ。また、製品の下側にはマグネットが付いており、同社の新しいスタイラスを取り付けることもできる。

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この製品は、Appleが長年にわたって追い求めてきたクリエイティブプロフェッショナルをターゲットにしている。Laptop Studioは、第11世代のインテルCore H35を搭載し、i5またはi7の構成となっている。価格は1600ドル(約17万6000円)からで、現在予約受付中だ(日本では2022年前半に発売予定)。

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今回はSurface Go、Pro、Pro Xのすべてがアップデートされている。「Go 3」には新しいIntel Core i3が搭載され、パフォーマンスが最大60%向上される。10.5インチのシステムは400ドル(日本では6万5780円)からで、今後数カ月のうちにLTEオプションも追加される予定だ。「Pro 8」は、13インチのスクリーン、第11世代のインテルCoreプロセッサー、2つのThunderbolt 4ポートを搭載した2in1モデルだ。価格は1100ドル(日本では14万8280円)からとなっている。一方、薄くて軽い「Surface Pro X」は、Microsoft SQ2 ARMチップを搭載し、価格は900ドル(日本では14万2780円)からだ。

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これらすべてのモデルが、より細いペン先、触覚フィードバック、磁気充電機能を備えた新しい「Surface Slim Pen 2」に対応している。価格は130ドル(約1万4300円)。さらに、海から回収されたプラスチックを20%使用した「Microsoft Ocean Plastic Mouse」も登場する。また「Surface Adaptive Kit」は、キーキャップラベル、バンプラベル、ポートインジケータ、デバイスオープナーなどを貼り付けて、デバイスのアクセシビリティを向上させることができる。

  1. Surface-Adaptive-Kit-Hero_under-embargo-until-September-22

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  2. Surface-Slim-Pen-2_under-embargo-until-September-22

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  6. Surface-Duo-2-Internals

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全体的に見て、良いバランスだと思う。Surface Laptop Studioは、2in1スペースのもう1つの魅力的な居場所を探っている。それはニッチだろうか?そう、おそらく。しかし、Microsoftはこの種のプロダクトを長く手がけてきたため、その規模に応じた特性を理解している。また、OSのメジャーアップデートといっても、それを推進するためのハードウェアがなければ意味がない。

一方、Duo 2は、最初の頃はうまくいかなかった待望の新製品を改良したものだ。Microsoftは、このデバイスの欠点を率直に述べており、新製品でそれに対処しようとしている。このデバイスがもっと高い価格で提供されるべきだというかなり説得力のある議論をすることもできるが、多くの奇妙なコンセプトの製品(Neoの場合)がそこまで受け入れられなかったことを考えると、このように既成概念にとらわれない製品にこだわっているようなのは良いことだ。

画像クレジット:Microsoft

その他の新しいSurface製品は、Windows 11を見据えたより洗練された製品となっている。複雑なシステム要件が示すように、Microsoftは明らかにハードウェアをアップグレードして欲しいと考えている。

「Microsoft Ocean Plastic Mouse」は、確かに、ハードウェアのアップグレードを推進するためのちょっとしたギミックだ。さらに理想的な世界では、同社のすべての機器が同じような部品で作られているはずだ。海からプラスチックを救い出すことができるなら、それはそれで良いことだと思う。「Surface Adaptive Kit」は、これまで業界をリードしてきたアクセシビリティへの取り組みのうち、消費者向けの製品となる。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

大手IT関連機器メーカーのレノボが2021年9月8日開催のプライベートショー『Lenovo Tech World 2021』に合わせて、Windows 11搭載ノートPCの第一陣となる製品を海外向けに発表しました。

その中でも最大の注目モデルが、14インチ/2880×1800解像度/16:10仕様の有機EL(OLED)画面を搭載し、本体重量1.1kgからのモバイルノートPC『Yoga Slim 7 Carbon』。

日本では“白いカーボン”などのキャッチコピーで知られる13.3インチ機『Yoga Slim 750i Carbon』の大画面+AMD CPU版モデルとも呼べる位置づけです。

発売はWindows 11のリリースとほぼ同時となる2021年10月から、米国での価格は1289.99ドルから。

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

有機EL搭載だけあり、液晶パネルとのコントラストや色域比較イメージも。仕様は後述しますが、いよいよ高級モバイルノートPCも“世代交代”が本格化しそうな仕様です

「世界最軽量の14インチ有機EL画面搭載ノートPC」を謳うこのモデルの特徴は、ノートPC用としては新世代となるアスペクト比16:10の有機ELパネル(これまでは、PC用としては16:9のみでした)をはじめ、CPUには8コア16スレッド対応のAMD『Ryzen 7 5800U』を、単体GPUとしてNVIDIA『GeForce MX 450』を搭載可能など、2021年末のモバイルノートPCとしてヘビーユーザーが欲しい機能を満載した“欲張りセット”的な仕様という点。

本体重量は現行13.3インチ版の約966gから140gほど増し1kgをオーバーしてしまいますが、仕様の充実度は間違いなくそれ以上と呼べるレベルです。

・参考記事:レノボ「白いカーボン」は966g高級モバイル。2560×1600液晶のYoga Slim 750i Carbon発表(2020年12月)

本体色は、13.3インチ版のホワイトとは一転し、シルバーとグレーの中間的な『クラウドグレー』。本体外装は現行モデルに引き続き、カーボンファイバーとマグネシウム合金を採用。本体重量は公称1.1kg、薄さは14.9mmからとなります。レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

第一の注目点は、搭載される有機ELパネルです。上述したように、ノートPC用としてはアスペクト比16:10の有機EL、という時点で目新しいもの。

さらに解像度はQHD+(2880×1800)、最高リフレッシュレートはモバイルノートでありながら90Hz、さらに総合的な画質ではVESAの『DisplayHDR TrueBlack 500』認証をパスするなど、モバイルノートPCとしては驚異的な数値が並びます。

HDR映像ソースではドルビービジョンに対応し、最高輝度はHDR映像ソースによって上げられるタイプ(iPhone 12系などと似た仕様です)となっており、通常時は400nitながら、HDR映像ソースなどでのピーク値は600nitとなる仕様に。

色域はデジタルシネマ仕様であるDCI-P3を100%カバー、出荷時カラーキャリブレーション(色較正)済みで色差(ΔE)は2以下、さらに4辺ナローベゼル設計……など、最新世代だけあり、モバイルノートPCとしては(現行の有機ELパネルを含めてさえも)ちょっと驚くような仕様です

なお隠れた特徴として、レノボのプレスリリースではパネルメーカーに関してSamsung Display製を明示しています。

加えて視力保護の観点では、第三者認証機関であるTUV Rheinland(テュフ ラインランド)のEye Comfort認証を得ている点も特徴。これは同社のディスプレイ認証で一般的なブルーライトカットに関してのみならず、反射防止処理やフリッカーフリーの効果についても規定された、より上位的な認証となっています。

さらにタッチ対応もオプションで選択可能。その場合の表面ガラスは、おなじみコーニングのゴリラガラスを採用します(ただし世代は非公開)。

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

キーボードは現行のYoga 7シリーズとほぼ共通。Enterキー周りの“複数配列を兼用するための変形レイアウト”も引き継がれます

この超強力な液晶パネルに応じて、基幹パーツも現状のモバイルノートとしては最も強力、と言っても過言ではない布陣が敷かれます。

CPUはAMDのノートPC用Ryzen 5000Uシリーズ。モバイルノートだけありTDP(性能と発熱、消費電力の目安となる数値)は15W版となりますが、最上位には“Zen 3”世代のCPUを8コア搭載し、16スレッドの同時実行が可能な『Ryzen 7 5800U』を搭載可能です。

さらにグラフィックス部オプションとして、単体GPUのNVIDIA『GeForceMX 450』も搭載可能。Ryzen 5000Uシリーズは内蔵GPUも比較的強力ですが、これをさらに強化できる仕様。昨今のモバイルノートで単体GPUが搭載可能という時点で、非常に珍しい仕様です。

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

天板は現行Yogaシリーズに共通したシンプルな仕上げ。右側面には電源ボタンとカメラオフ用スライドスイッチ、USB Type-C端子を備えます

RAMはノートPC用Ryzenでは最速となるLPDDR4Xタイプで、最大16GB。ここまで充実の仕様で32GBオプションがないのは残念ですが、おそらく価格バランスも考慮されたものと想定されます。

ストレージは、最大1TBのNVMe(PCI Express接続)のM.2 SSDと、イマドキとしては標準的な仕様です。

これだけ強力な心臓部となるとバッテリー駆動時間が心配、という方もいるでしょうが、そちらもしっかりと強化。容量は61Whと、13.3インチ版の50Whより大幅増になりました。

これにより公称バッテリー駆動時間は最大14.5時間をキープ。強力な有機ELパネルやCPU、GPUを搭載しつつも、昨今のモバイルノートとしての水準を満たす仕様。また急速充電も「15分で約3時間分」とアピールする、かなりの速度です。

隠れた特徴はスピーカー。現行モデルと同じくドルビーアトモス対応ですが、搭載位置は大きく変更され、キーボード左右になりました。現行モデルでは底面側だったため、実際の音質や定位は改善が期待できます。

またこのスピーカーグリルは冷却孔も兼ねるシステム。強力な基幹パーツから発生する熱対策の手助けともなっています。

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

左側面にはUSB Type-C×2基とヘッドセットジャックが配置。ACアダプタはType-C経由となる仕様です

拡張端子は、USB Type-C×3基(速度は全て10Gbps、ただし電源入力とDisplayPort Alt Mode対応は内2基のみ)と、3.5mmヘッドホン/マイク兼用オーディオ入出力。さすがにCPUがRyzen系だけあってかThunderboltには非対応ですが、現行世代の水準と呼べそうです。

本体の堅牢性に関しても、現行モデルに引き続き9種の『MIL-STD 810H』テスト(米軍調達仕様)をパス。厳しい動作環境や物理的な衝撃にも強い点をアピールします。

使い勝手の面では、現行モデルから引き続き、のぞき見警告機能『プライバシー・アラート』機能を継承。Webカメラ部に搭載された赤外線カメラとTOFセンサーにより、離席時の自動画面ロックや復帰なども行えます。

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800

プレスリリースでの仕様一覧。有機ELパネルに関する仕様は、改めて見ても壮観と呼べるレベルでしょう(なお、「AAR」とはいわゆる「画面占有率」です)

レノボが重量1.1kgの14型ノートYoga Slim 7 Carbon発表、Ryzen 5800Uで16:10有機EL・解像度2880×1800このようにYoga Slim 7 Carbonは、モバイルノートPCのヘビーユーザーが欲しくなるようなディスプレイと基本性能をジャストで備えてきたかのような、非常に魅力あふれる意欲作。

重量こそ1kgの大台を上回るものの、高解像度かつ広色域な有機EL画面と快速処理という特徴を思い切り追求したかのような仕様に魅力を感じるEngadget読者も少なくないはずです。

昨今のレノボのYogaシリーズの製品展開から予想するに、日本での発売も期待できそうなモデルだけに、可能であれば早め、かつ内外価格差少なめでの発売を期待したいところでしょう。

(Source:レノボ ニュースリリース(英語版)Engadget日本版より転載)

米国の第2四半期PC販売台数は17%増もパンデミック需要反動で伸びは鈍化

Canalysは8月25日、米国の第2四半期のPC販売台数を発表した。販売台数は前年同期比17%増と極めて好調だった一方で、伸びはパンデミックによって74%増を記録した前四半期から大きく鈍化した。おそらく、原因はあちこちで報道されている世界的なチップ不足だ。

HPがマーケットシェア21.9%で第2四半期連続でトップの座を維持し、販売台数は前年同期に比べて20%超増えた。Appleが変わらず第2位で、マーケットシェアは20.6%だった。ただ、同社の成長率がマイナス2.8%に落ち込んだのは注目に値する。

関連記事:米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

Dellがマーケットシェア15.6%で第3位となり、Lenovoが12.4%で続いた。前年同期からの成長率に目を向けると、Samsungが50%超と最も高い成長をみせたがマーケットシェアはわずか8%強にとどまった。

画像クレジット:Canalys

Canalysの調査アナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、2020年から2021年にかけてこの部門で目にしてきたパンデミック由来の成長が今後も続き、経済のリバウンドが続くのにともなって消費者の買い替えの兆しが見えてくる、と楽観的だ。

「商業部門と教育部門が爆発的に伸び、かなりの買い替え需要を引き起こしています。米国経済はパンデミック問題から立ち直り、零細企業も復活しています。これはPCの購入につながります」とリンチ氏は声明で述べた。

合計で3680万台が販売され、伸び率はノートブックが27%増、デスクトップは23%増、タブレットは停滞気味で実際には1%減だった。この前年割れについてCanalysは教育マーケットがタブレットから移ったこと、多くの人が家に留まることを余儀なくされたときにタブレットを購入し、すぐには買い替えないことを挙げた。

にもかかわらず、タブレット部門でAppleはシェア45%と確固たる地位を築いている。その一方でAmazonがシェア22%で第2位の好位置につけ、Samsungが同18%で続いている。

どこかの時点で多くの人が対面学習やオフィスでの業務に戻るにしても、学校や企業の多くがハイブリッド式、あるいは完全リモートのアプローチすら取り続けるのは明らかで、これはPC産業にとって良い兆候であり、チップ不足が最終的に緩和すれば特にそうだろう。

画像クレジット:Ibrahim Sahin / EyeEm / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

第2四半期のChromebook出荷数は前年同期比75%の増加

2021年第1四半期にChromebookの売上台数は前年同期比275%増の1200万台となった。調査会社Canalysの最新の調査によると、第2四半期はそこまで大きな数字ではないが、それでも前年同期比75%の成長で1190万台を出荷した。

コロナ禍でPC市場全体が成長する中、Chromebookはこの市場の一角を占めるようになってきた。消費者が緊急に在宅勤務の体制を整えなくてはならない状況で一般的なタブレットやPCが堅調に成長する一方、GoogleのOSは学校がリモート学習を始めたことからさらに大きく伸びている。

コロナ禍の発生から1年以上経って多くの学校が再開しているが、Chromebookの売上の伸びは依然として目覚ましい。GoogleはこのOSを教育分野にとどめずさらに範囲を広げて、この成長を足がかりにしようとしていると見られる。

Googleは間違いなくエンタープライズ分野に注目している。デプロイもロックダウンも簡単なシステムはエンタープライズから歓迎されるだろう。

画像クレジット:Canalys

CanalysのBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は発表の中で「Chromeが教育分野で比較的堅調を維持し、2021年にGoogleは商用分野に大きく乗り出しています。Google Workspaceの『個人用』サブスクリプションや、古いPCを転用して既存のChromebookと共存させるCloudReadyライセンスのプロモーションといった新たなサービスで、スモールビジネス対策を強化していると見られます」と述べた。

AppleもM1ベースのシステムを複数発売してからはビジネス分野に力を入れている。同社は最近、新しいApple at Workのサイトを公開した。

Appleは企業向けITの取り組みについてサイトに次のように書いている。「組織でお使いのデバイスが10台でも1万台でも、Appleは既存のインフラと簡単に統合できます。IT部門はゼロタッチ導入によってリモートで構成と管理を行い、あらゆるチームに合わせて設定プロセスを調整できるので、すべてのMac、iPad、iPhone、Apple TVを、すぐに使い始めることができます」。

2021年後半にはWindows 11が登場し、Microsoftはリモートなども含めた職場での優位性を維持するために独自の主張をしていくはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ChromebookパソコンノートパソコンGoogleCanalys教育オンライン学習

画像クレジット:Boston Globe / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

米議会襲撃の暴徒に「顔を使って」ノートPCのロック解除を裁判所が命令、生体認証に黙秘権使えず

ワシントンD.C.の連邦判事は、米国連邦議会議事堂で2021年1月6日に起きた暴動に参加した罪に問われている男性に対し、彼のノートパソコンに反政府暴動未遂の罪を明らかにするビデオ映像が入っている可能性が高いと検察側が主張したため、「顔により」ノートパソコンのロックを解除するよう命じた。

Guy Reffitt(ガイ・リフィット)容疑者は、暴動に参加してから3週間後の2021年1月下旬に逮捕され、以来、刑務所に収監されている。彼は、国会議事堂敷地内への銃器の持ち込みや司法妨害罪など、5つの連邦容疑に対して無罪を主張している。WindowsノートPCはFBIが押収した複数のデバイスのうちの1つで、パスワードで保護されていたが、レフィット容疑者の顔を使ってロックを解除できたと捜査当局は述べている。

検察によると、このノートパソコンには、暴動の一部を記録するために使用したとされるレフィット容疑者のヘルメット装着型カメラの映像が数GB単位で入っていたことが、科学捜査の結果から判明したという。検察側は、パソコンのロックを解除するために、レフィット容疑者がパソコンの前に座ることを強要できるかどうか裁判所に尋ねていた。

レフィット容疑者の弁護士は、依頼人はパスワードを「覚えていない」と裁判所に伝えていたが、裁判所は検察を支持し、容疑者の生体認証を強要する申し立てを認めた。レフィット容疑者の弁護士は、裁判所の命令を最初に報じたCNNに対し、ノートパソコンのロックが解除されたことを明らかにした。

政府は、憲法修正第5条の抜け穴を利用したことになる。憲法修正第5条は、米国内の誰にでも黙秘権を認めており、パスワードなど、自己負罪となるおそれがある情報を提供しない権利もそれに含まれている。しかし、一部の裁判所は、これらの保護はパスワードの代わりに使用できる人の身体的属性、例えば顔面スキャンや指紋などには及ばないと判断している。

レフィット容疑者の起訴状では、FBIはそのように述べており、コンピュータの前に座ることで同氏にコンピュータのロックを解除することを強要しても、「被告人の自己負罪に対する憲法修正第5条の権利には抵触しない」と主張している。

全米各地の裁判所は、修正第5条の解釈と、それが個人のバイオメトリクスの強制使用に適用されるかどうかについて、まだ意見が分かれている。米国最高裁がこの問題をすぐに取り上げることはないだろう。最高裁は、この問題を裁定するための請願をここ2年の間に2度却下しており、その結果、適用は各州の判断に委ねられている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ワシントンD.C.顔認証アメリカノートパソコン生体認証

画像クレジット:U.S. Courts / supplied

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

AndroidアプリがAmazonアプリストア経由でWindows 11に登場、ウィンドウとして動作

エコシステムは奇妙な仲間を生む。米国時間6月24日に行われた「Windows 11」イベントでは、最近記憶する中でもっとも奇妙な、そしてもっとも予想外だったニュースの1つが発表された。Microsoft(マイクロソフト)は、次のメジャーバージョンのOSでAndroidアプリを利用可能にする。

チーフプロダクトオフィサーであるPanos Panay(パノス・パネイ)氏は、この追加を「もう1つだけ小さなサプライズ」と呼び、モバイルアプリはスタートメニューやタスクバーに統合できると述べた。また、OSの新しいアプリ配置UIの一部として、タイル状に整列させたり「ウィンドウ」になったりする。

画像クレジット:Microsoft

これらのAndroidアプリは、Amazonアプリストアを経由してMicrosoft Store上で提供される。同社は、OSのデモで動作するTikTok(ティックトック)を紹介した。同アプリはモバイルファーストのデザインから予想されるように、縦長のポートレートで表示されている。

Androidアプリは185万種類あるので、現在のところ、これはMicrosoftのアプリストアに新しいコンテンツを大量に流し込み、最新の人気モバイルアプリをいきなりプラットフォーム上で利用できるようにする方法だ。しかし(Intel Bridge上に構築された)この体験が最終的にどれほど良いものかは、時が経ってみないとわからない。

Windows 11は2021年の年末ホリデーシーズンにリリースされる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftWindows 11WindowsOSパソコンノートパソコンAndroidアプリAmazon

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

パンデミックによる需要増を受け、米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は前年同期比73%増となった、とCanalysは発表した。計3400万ユニットが販売された。Appleの出荷台数は36%増と好調だったが、HPが1100万ユニットを販売して年間成長率は122.6%とAppleを上回った。

Canalysが指摘したように、ホリデーシーズン後の第1四半期はAppleのハードウェアは苦戦する傾向があるが、これはHPにとっては追い風だ。出荷台数を大きく伸ばしたその他の企業には、116%増のSamsung、92.8%増のLenovoがある。Dellは29.2%増で、他社に比べると控えめな成長だった。

PCは飛ぶように売れ、全体的にはすばらしい四半期だった。Canalys ResearchのアナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、これは部分的には人々が2020年に在宅ワークやオンライン教育に移行し、新しいPCを必要としたことによる需要増が貢献したと指摘した。しかし成長が歴史的に比類ないものだったにもかかわらず、2021年第1四半期は業界のこれまでで最も好調だった第1四半期の1つという位置づけだ。メーカーは供給問題が世界の他のエリアで解決される前に米国の不足していた在庫の補充を優先した、とリンチ氏は発表文で述べた。

画像クレジット:Canalys

おそらく驚くことではないが、PC買い換えを検討し、特に教育目的だった人がPCマーケットのローエンドに目を向けたため、低価格のChromebookが最も人気だった。この傾向は高価格のApple製品にマイナスの影響を及ぼしたはずで、 Appleは出荷台数トップの座を失った。

そしてSamsungや他のChromebookメーカーが躍進した。2020年Chromebookの売上高は548%増加し、なかでもSamsungが1963%増と驚異的な数字で成長をリードした。ASUS、HP、LenovoもChromebookの売上を900%超増やした。

そうした数字にはデスクトップ、ノートブック、タブレット、ワークステーションが含まれるが、中でもノートブックが前年比131%と目覚ましく増加するなど、その大半はノートブックとタブレットだった。タブレットの売上はノートブックと同様の増加率ではなかったが、販売台数は51%増の1100万ユニットに達した。

教育部門の需要が継続し、マーケットが今後数四半期で急激に落ち込むことはないとCanalysは予想する。パーツ、特にチップの不足は引き続き業界に影を落としているが、これは今後の四半期の需要につながるだけだと同社はとらえている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:CanalysノートパソコンChromebookアメリカ

画像クレジット:Boston Globe / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】マイクロソフトのSurface Laptop 4は予想どおり堅実な進化を遂げている

最近では、ノートパソコンのデザインで最も簡単なやり方は、Apple(アップル)のMacBook(マックブック)をそのまま模倣することだと言われている。確かにこの数年の間には、酷いケースも目にしてきた。しかし、Microsoft(マイクロソフト)はその製品ラインアップ全体の工業デザインにおいて、独自の道を挑戦的に切り開いてきた。同社の製品は概して非常に興味深く、革新的だ。最近こんな言葉はすべてのハードウェアメーカーに対して言えるものではなくなっているが。

しかし、マイクロソフトのやることが常に正しかったとは限らない。例えば、Surface Duo(サーフェイス・デュオ)では非常に大胆な試みに打って出た。確かに革新的ではあったものの、誰もに推奨できるとは言えない部分があったのも事実だ。その一方で、Surface Laptop(サーフェイス・ラップトップ)は、シリーズで最も画期的な製品というわけではないが、Windows対応のタッチスクリーンと、より標準的なノートブックのデザインを併せ持つ、一貫して最も優れた製品の1つであり続けている。

ここ数世代のモデルは堅実で、2021年のモデルも(おそらく大方の予想通り)大きな変化はなかった。約1年半ぶりの大きなアップグレードは、新しいチップ(AMD Ryzen、Intel Core i5またはi7のいずれか)の搭載と、8時間30分も長くなったバッテリー駆動時間の大幅な向上だ。基本的には、モデルの定期的な刷新時に予想される(あるいは期待される)種類の改良に過ぎない。

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デザイン言語はほとんど変わっていない。Surface Laptopは、テーパードした側面やフェルト(アルカンターラ素材)で覆われたパームレストなど、その面では類を見ない独自性を備えている。素材の感触は良く、特に寒い日にはメタル素材製のものを明らかに凌ぐが、しかし短期間使用しただけで、すでに少し摩耗していることに気づいてしまった。

キーボードは従来と同じくソフトな感触で、驚くほどの弾力性がある。これまで私が見たノートパソコンの中で最高のキーボードというわけではないが、最悪のキーボードでもない(あのアップルの粗雑なキーボードの動きを忘れることができるだろうか?)。他のすべてのキーボードと同じように、慣れるには少し時間がかかる。

また何度も同じことを繰り返すと思うかもしれないが、おそらく毎回マイクロソフトが気候の良い時期にSurface Laptopを発表するせいだろう、私はいつもこれを外に持ち出したくなる。そして毎回、残念に思うのがあのディスプレイの反射だ。ほとんど集中できない。もちろん、多くのノートパソコンに光沢(グレア)スクリーンが採用されているが、マイクロソフトは特にその傾向が強い。この点において、Surface Laptopを陽光の下で使うことはおすすめできない。たとえ輝度を最大にしても、スクリーンは反射を打ち消すことができないからだ。

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見える環境に持って来れば、画面の表示はきれいだ。マイクロソフトが送ってくれたのは、2サイズが用意されているうち小さい方の13.5インチで、解像度は2256×1504px、201ppiとなる(15インチでも画素密度は同じ)。我々は新色のアイスブルーを選んだ。しかし、これは微妙な色合いだ。正直なところ、私にはブルーというよりシルバー / グレーに近ように見える。スピーカーの音は素晴らしく、ウェブカメラも問題ないが、依然としてビデオ会議が多く行われている現在、そろそろ(現在の720pから)1080pにアップグレードする時に来ていると言っていいだろう。

13.5インチのモデルの価格は1000ドル(日本では税込12万8480円)からで、8GBのRAMと256GBのストレージ(SSD)、そしてAMD Ryzen 5 4680Uプロセッサを搭載する。我々の手元にあるモデルは、RAMとストレージを2倍に増やし、プロセッサをAMDからIntelのCore i7に変更した仕様で、価格は1700ドル(日本では税込21万6480円)となる。さらに600ドルを足せば、RAMとストレージがさらに2倍になる(プロセッサは同じCore i7、日本では税込29万3480円)。Geekbenchのスコアでは、シングルコアで1378、マルチコアで4876という堅実な数値が出た。パフォーマンスは全体的に安定しているものの、アップルのM1を長時間使用した後では、Intelに大変な仕事が残されていることは明らかだ。

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マイクロソフトは、依然として独自のマグネット式充電ポートの採用にこだわっている。熱狂的なファンがいることは承知しているが、個人的にはUSB-Cポートをもう1つ追加するなど、より一般的な方法を採用してもらいたいと思う。だが、それでは他のSurface用のさまざまなアクセサリーとの互換性に影響が出てしまう。反対側には、USB-A、USB-C、そしてヘッドフォンジャックが備わる。これは良い組み合わせだが、ポート数が増えればさらに強化されることは間違いない。

2020年のSurface Laptop Goでは、さまざまな機能が削減されており実に失望させられた。もちろん、エントリーレベルの13.5インチLaptopは、12インチLaptop Go(日本では税込8万4480円)よりも300ドルも高い。しかし、基本的な作業以上のことをやりたいと思うのであれば、これはおそらく賢明な投資になるはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftSurfaceノートパソコンレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サムスンが新フラッグシップノートパソコン「Galaxy Book Pro」を発表

何週間にもおよぶ恒例のリーク情報に続いて、Samsung(サムスン)は同社のノートPCシリーズにいくつかの新製品を追加した。GALAXY Book ProとGALAXY Book Pro 360は、同社の幅広いデバイスにハイエンド向け製品として仲間入りした。これは、MacBook Proに対するサムスンなりの見解と考えることもできる。

これらのWindowsマシンは、Galaxy PCとモバイル製品の間にある生産性の境界線を曖昧にすることを推し進めており、いくつかのクロスデバイスソフトウェアの提供や、当然ながらPro 360に同梱されているSペンも含まれている。その名のとおり、Pro 360のフタはどちらの方向にも回転するので、ライティングサーフェスとしても利用できる。

薄くて軽いデザインは、おそらくサムスンにとって最大の特徴だろう。ProとPro 360の厚さは、それぞれ11.2mmと11.9mm。どちらも、13.3インチと15.6インチのSuper AMOLEDをオプションとして用意している。解像度は1920×1080ドットだ。そしてIntel(インテル)の第11世代Core i5またはCore i7プロセッサー、8GBまたは16GBのRAM、最大1TBのストレージ(Proは最大512GB)を搭載している。

画像クレジット:Samsung

LTE版と5G版も用意されている(市場によりモデル展開は異なる)。これは、サムスンが「オールデイ(終日)」と評価しているバッテリーにほぼ確実に影響を与えるだろう。どちらのモデルも、USB-Cポート経由で65Wの高速充電が可能だ。キーボード機構も以前のモデルからアップグレードされ、トラックパッドが23%大きくなった。

製品は米国時間4月28日より予約受付を開始し、5月14日より出荷を開始する。価格はProが13インチと15インチでそれぞれ1000ドル(約11万円)と1100ドル(約12万円)、Pro 360が1200ドル(約13万円)と1300ドル(約14万円)となっている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsungノートパソコン

画像クレジット:Samsung

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

NokiaがインドでノートPC「Nokia PureBook X 14」発売、価格約8万5000円

155年の歴史を誇るNokia(ノキア)はゴムやケーブル、携帯電話、通信機器など、さまざまなアイテムを製造してきたが、新たなカテゴリーへの拡大に向けて準備している。

フィンランドのNokiaはWalmartが所有するFlipkartと共同で、現地時間12月9日にインド市場向けてノートPC「Nokia PureBook X 14」を発売した。

Nokia PureBook X 14は14インチのフルHDディスプレイを採用。Intelの第10世代クアッドコアi5プロセッサーを搭載し、ターボ・ブースト時と最大4.2GHzとなっている。価格は5万9990インドルピー(約8万4700円)だ。

Windows 10 HomeがプリインストールされたこのノートPCには、512GBのNVMe SSDと8GBのDDR4 SDRAMが搭載されている。NokiaがノートPCの分野に参入するのは今回が2度目(未訳記事)となり、10年以上前、同社は最初で最後のネットブックである「Nokia Booklet 3G」を発売していた(未訳記事)。

PureBook X 14のその他の仕様には次のとおりとなる。スクリーン対ボディ比は86%、視野角178度、つや消しブラック仕上げ、Dolby Atmosベースのスピーカー、Windows Hello搭載Face Unlock、Intel UHD 620グラフィックス(クロックは最大1.1 GHz)、Bluetooth 5.1、USB3.1ポート×2、USB2.0ポート×1、USB-Cポート×1、HDMIおよびEthernet専用ポートもある。重量は約1.1kgで、1回の充電で最大8時間のバッテリー駆動が可能だ。

画像クレジット:Nokia / Flipkart

Flipkartは近年、プライベートブランドやブランドのエコシステムを成長させており、新型ノートPCのデザインと製造のパートナーとなっている。Flipkartの担当者がTechCrunchに語ったところによると、Motorolaと同様、FlipkartもNokiaとライセンス契約を結んだという(NokiaとHMD Globalのスマートフォン分野での提携(未訳記事)だと考えて欲しい)。

このノートパソコンは、インドのFlipkartで独占的に販売される予定で、インドはこのデバイスの唯一の市場となる。

「Nokiaブランドをこの新製品カテゴリに投入したことは、Flipkartとの提携が成功した証だ。Nokiaブランドのノートパソコンをインドの消費者に提供することで、市場のギャップに対処する革新をもたらすとともに、Nokiaブランドが持つスタイル、パフォーマンス、信頼性を向上させることができることを楽しみにしている」とNokiaのブランドパートナーシップ担当副社長であるVipul Mehrotra(ヴィプル・メホロトラ)氏は、声明の中で語っている。

インドのノートPC市場は近年、スマートフォン大手のXiaomi(シャオミ)を含む数社の新たなプレイヤーが参入しており、同社は2020年にインドで手頃な価格のノートPCを発売している。マーケティング調査会社IDCによると、インドでは同四半期に約340万台のPCが出荷され、前年同期比で9.2%の成長を遂げた(IDC記事)という。同四半期の市場シェアはHP、Lenovo、Dellが70%以上を占めたとIDCは推定している。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Nokiaインドノートパソコン

画像クレジット:Nokia / Flipkart

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(翻訳:TechCrunch Japan)