Mojo VisionがARコンタクトレンズの最新プロトタイプを発表

数年前のCESで、我々は初期のプロトタイプをラスベガスで見たときから、Mojo Vision(モジョ・ビジョン)の市場への道のりが、長くて慎重なものになることはわかっていた。人体の最も脆弱な部分に装着するように設計された斬新で小さなものを実現しようとすれば、ハードウェアが難しいという話は何倍にもなるからだ。

米国時間3月30日、ベイエリアに拠点を置くこのスタートアップ企業は、その拡張現実コンタクトレンズ技術の新しいプロトタイプを発表した。このシステムは、Mojoが「Invisible Computing(目に見えない演算処理)」と呼ぶ、レンズ上に情報を重ねるヘッドアップディスプレイ技術がベースになっている。本質的には、過去40年以上前からさまざまなSF映画で見たことのある技術を実現しようとするものだ。この装置には、同社のオペレーティングシステムの最新版も搭載されており、スクリーンをユーザーの目の前に直接移動させることで、(ある意味)スクリーンへの依存を減らすように設計されている。

このシステムは、1インチあたり1万4000ピクセルという非常に高精細な0.5ミリメートルのマイクロLEDディスプレイを中心に構築されている。重ねて表示される文字はマイクロオプティクス(微小光学)で強調され、データは5GHz帯で送受信される。これらすべては、ARM Core M0プロセッサによって駆動する。搭載された視線追跡システムは、加速度センサー、ジャイロスコープ、地磁気センサーを利用して装着者の視線の動きを測定し、これがハンズフリーコントロールの基盤となる。

同社は次のように書いている。

2020年1月にMojo Lensを初めて世界に公開して以来、私たちは多くの人がコンタクトレンズのフォームファクターでは構築できない、ましてや機能させることなど不可能だと考えていたシステムを、革新し、構築し、統合してきました。この最新のプロトタイプを発表した際に私たちが最もよく耳にするのは「スマートコンタクトレンズが実現するだろうということはわかっていたが、それは今ではなく10年、20年先の話だと思っていた」という言葉です。しかし、これは今、実現していることです。私は次のマイルストーンとInvisible Computingの約束を実現することに興奮しています。

もちろん、これはまだプロトタイプの段階なので「今」は正確には今ではない。MojoはFDA(米国食品医薬品局)のBreakthrough Devices Program(ブレークスルー・デバイス・プログラム)を通じてこの技術を市場に投入するために、FDAとの協働を続けている。また、同社は最近、Adidas Running(アディダス・ランニング)などのフィットネスブランドとも提携し、この技術のワークアウトアプリケーションを開発することも発表している。

画像クレジット:Mojo Vision

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

普通のサウンドバーに満足できないDevialetがハイエンドのサウンドバーを発売

ハイエンドスピーカーメーカー、フランスのDevialet(デビアレ)から登場した新しいスピーカーのDevialet Dioneを紹介しよう。この新製品で、同社は新しい市場であるホームシネマサウンドシステムに参入する。Devialet Dioneはオールインワンのドルビーアトモス5.1.2対応サウンドバーで、価格は2190ユーロ(約29万7400円、日本での販売価格は税込35万9000円)だ。

DevialetのCEOであるFranck Lebouchard(フランク・ルブシャール)氏は筆者に対し「当社はハイエンドのマーケットの企業ですが、オールインワンオーディオシステムの製品があります」と語った。その意味するところは、標準的なサウンドバーとDioneは比較の対象ではないということだ。

例えばSonos(ソノス)のラインナップでDioneと同等のデバイスを見つけるとするなら、Sonos ArcサウンドバーとSonos Oneを2台、そしてサブウーファーのSonos Subのセットになるだろうとルブシャール氏はいう。このセットの現在の価格は2000ドル(約24万3300円)を超える。

ルブシャール氏は「すべてを1つのデバイスに収めたことが技術的な成果です。つまり17基のスピーカーを組み込む必要があり、これは前代未聞です」と付け加えた。

同社はパリのオフィスに試聴室を設けており、筆者は大型テレビとともにDevialet Dioneを聴く機会を得た。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の冒頭の数シーンと音楽を数種類、このスピーカーで聴いてみた。

確かにこのスピーカーのサウンドはすばらしい。没入感のあるサウンドを生み出し、テレビの前ではなく映画館にいるように感じられる。

これはレビューとしては十分ではない。筆者はオーディオの専門家ではないので、現在のトップクラスのサウンドバーと比較した場合のDevialetのサウンドバーの音はわからない。購入前にご自身で試聴することをお勧めする。

ルブシャール氏は「Sennheiser(ゼンハイザー)のサウンドバーにはスピーカーが12基あります。我々は17基のスピーカーを組み込んでいます。完全に魔法のようだというわけではありませんが、スピーカーを5つ増やせば聴いて違いがわかります」と述べた。

画像クレジット:Devialet

中身がぎゅっと詰まったサウンドバーだ。重量は12キロ、そして1.2メートルの長さがある。大型の55インチテレビを持っているなら、このようなスピーカーの購入を検討するといいだろう。

デザインは、これまでのDevialetのスピーカーに比べると控えめだ。Devialetの特徴的なデザインである卵型から、エッジや角が直線的なよくある四角い形になっている。

目立つのはデバイスの中央部にある小さな球だけだ。この球の中にはスピーカーが1つあり、動かせるようになっている。このため、サウンドバーを壁に取り付ける場合は球を動かして自分に向けることができる。

デバイス内部には17基のスピーカーがある。フルレンジドライバーが9基、四角いサブウーファーが8基だ。このサブウーファーはサウンドバーの仕様に合わせて設計された。したがって、Devialet Dioneではサブウーファー(またはサテライトスピーカー)を別に用意する必要がない。

このデバイスには独自のD/Aコンバーターも組み込まれている。実はDevialet Dioneには同社のフラッグシップ製品であるPhantomシリーズと同じSoCが使われている。Devialetはこの専用チップに関して複数の特許を取得しており、バックグラウンドノイズなし、サチュレーションなし、ディストーションなしのサウンドを謳っている。

ドルビーアトモス対応でない映画を再生する場合は、Devialet Dioneでサウンド信号を5.1.2オーディオに「アップスケール」できる。会話を聞き取りやすくするライブバランス機能もある。

接続に関しては、Devialet DioneをeARCとCECに対応したHDMIケーブルでテレビにつなぐ。スタンドアローンのスピーカーとして音楽を聴くこともできる。

Devialet DioneをWi-FiかEthernetでローカルネットワークに接続する。Bluetooth 5.0にも対応し、Devialetアプリを使用する。Spotify ConnectやAirPlay 2も利用できるので、音楽を聴く際に必ずしもアプリを使わなくてもよい。

画像クレジット:Devialet

オーディオマニア専用ではない

同社はDevialet Dioneには勝機があると見ている。ストリーミングサービスが注目作の映画を早期に配信するようになっているからだ。ルブシャール氏は「市場は大きく成長しつつあると認識しています」という。

同氏はさらに「このサウンドバーの典型的なお客様は55インチ以上の高画質テレビを持っている方です。そのような方々は画質に引けを取らない優れた音質を求めます。音楽をたくさん聴くDevialetの典型的なお客様とは少し違います」と述べた。

もし事業の目標を達成をしようとするなら、Devialet Dioneは1年間で同社売上の20%を担わなくてはならない。同社は新製品を発売する際に販売拠点のきめ細かいネットワークの力を借りることができる。現在、Devialetの販売拠点は世界各地に1900カ所ある。

同社は2015年のシリーズA以降は資金調達ラウンドについて公表していないが、その後の2回のラウンドで7000万ユーロ(約95億円)を調達している。直近では2020年1月に既存の投資家から5000万ユーロ(約67億9000万円)を調達した。

Devialet Dioneは米国時間3月29日からフランス、ベルギー、ルクセンブルク、スイスで発売され、その他の国でも同日に予約注文が開始されている。

画像クレジット:Devialet

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

ダイソンの顔に装着する空気清浄機

空気。私は好きだし、あなたも好きだ。私たちはみんな、1日中その中を歩き回り、肺や血液をその物質で満たしている。飽きることはない。しかし、あなたも私も、ペットのチンチラも、みんなが必要としている、美しくすばらしい命を支える空気が、ときに悪くなることもある。その通り。私たちが頼る空気には、時に悪いもの、微小なものが混ざるのだ。あなたの鼻の中に飛んできて、柔らかくて無防備な内部を大混乱させることが大好きな何かが。

この2年間で、ここ米国では空気清浄機が2020年の57%増をはじめとして販売台数を大きく伸ばしている。パンデミックにカリフォルニアの山火事などの現象が重なり、多くの人が家庭やオフィスにフィルターを設置するようになった。そうする間にも、Dyson(ダイソン)のエンジニアたちは、ある重要な問いを自問自答していた。もし、顔に清浄機を取り付ける方法を見つけたらどうだろう?マスク着用が日常になった世の中では、もしかしたら突拍子もない問いではないかもしれない。

おそらく。

画像クレジット:Dyson

Dyson Zone(ダイソン・ゾーン)は野心作だ。ダイソンでおなじみの製品デザインを多く取り入れながら、はっきりと目立つ、顔に装着するタイプであることが大きな特徴だ。より正確にいえば、ヘッドフォンに括り付けるかたちで口の前に置かれるもののようだ。正直にいえば、基本的なフォルムはアメフトのヘルメットに一番似ている。

同社によれば6年間で500回の試作を経て、最終的な製品が生まれたのだという。Dysonはいう。

当初はシュノーケルのような清浄空気用マウスピースと、モーターや内部機構を収納するバックパックの組み合わせでしたが、6年間の開発期間を経て、空気清浄型ヘッドフォンDyson Zoneは劇的な進化を遂げました。500回を超える試作の結果、当初はうなじの位置にあった1つのモーターが、イヤーカップに1つずつ、計2つのコンプレッサーとなり、シュノーケルのマウスピースは、顔全体に接触せずにクリーンな空気を送り出す、効果的で非接触型のバイザーに進化して、まったく新しいクリーンエアの供給機構を実現しました。

画像クレジット:Dyson

取り外し可能なバイザーは、顔に直接触れることなく、ユーザーの口と鼻に向けて一対のフィルターされた気流を吹き付ける。アレルゲンや汚染物質などの微粒子をろ過するように設計されている。Dysonは、Zoneが新型コロナウイルスのような病原体を除去する能力があるかどうかについては特に触れていない。その代わり、本製品にはさらに、フェイスカバーを装着するためのアタッチメントが付属している。ヘッドフォンは3種類のノイズキャンセリングモードを搭載し、フロントピースには4種類の空気清浄機能が搭載されている。

正確な価格と発売時期は未定だが、いったいこれをいくらで売るつもりなのかを知りたい私にとっては残念なことだ。ざっくりと、この秋のある時期に一部の市場で発売される予定だということは決まっている。さらなる詳細については、今後数カ月以内にお知らせする。

画像クレジット:Dyson

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)

モトローラが米国スマートフォン市場で第3位を獲得、まだ闘志は残っている

スマートフォン市場に、まだサプライズがあるんだね、少しは。米国市場のトップと2位なら、おそらく誰もが知っている。しかしCounterpoint Researchの最新の数字で、Motorola(モトローラ)が辛うじて2位を固持していると知ったら、思わずえっ?と言いたくなるだろう。

同ブランドにとっても、ここ10年、20年は順調ではなかった。世紀の変わり目には勢いある名前だったが、ポストiPhoneの世界は同社にとって厳しかった。巨額の損失後、Motorolaは2つに分かれ、モビリティ部門を2011年にGoogleに売った。Googleのハードウェアの成績はご存知のとおりで、3年後にはまた持ち主が変わった。

Lenovo(レノボ)は昔のブランドにとって、はるかに居心地の良い家だった。その成功の主な理由は、前述の上位ブランドが支配しているハイエンドの市場を避ける意思決定にあった。中でもブラジルとインドが、同社の主要市場になった。同時に米国も、重要な市場として残った。米国市場はミドルレンジのモデルや機やエントリーモデルが手薄だったため、そこが同社にとっておいしいマーケットになった。

Counterpointの数字によると、Motorolaの2021年の売上成長率は前年比で131%と驚異的だ。その結果同社は米国で400ドル(約4万9000円)未満のスマートフォンでは第2位、全機種では3位になった。特に売れたのが同社の300ドル(約3万6000円)未満のスマートフォンで、それにより同社は市場全体の10%をつかまえている。

画像クレジット:Counterpoint Research

2008年の勢いが戻ってきたわけではないが、携帯電話の市場をスマートフォンが支配して以降では、同社にとって最良の結果だ。プリペイドのプロバイダーであるMetro、Cricket、Boostなどは大物で、今では市場の約28%を支配している。しかしながら最も重要なのは、このリストにない名前だ。このところ業界にとっておかしな年が続いたが、その中で明らかにLenovoは好位置に付けていた。

米国のエンティティリストに載ってからは、Huawei(ファーウェイ)はもう敵ではない。またR&Dの大半をこれまたGoogleに売ったHTCは、眠ったように静かになり、VR方面へ舵を切った(その評価は未定)。しかし、最大の不在はLGだ。

2021年4月にこの韓国のハードウェア企業はスマートフォン市場から完全にいなくなった。そのとき同社は、次のような声明を残している。「これからのLGはモバイルの専門技術を生かし続け、6Gといったモビリティ関連の技術を開発し、スマートフォン以外の事業分野でその競争力をさらに強化していきます。20年間におよぶLGがモバイル事業で開発したコア技術は、現在および将来の製品に保持適用されていきます」。

LGのこのような動きによって、市場には完全にMotorolaの形をした穴が開いたようだ。スマートフォンメーカーとしての成功には、名門ブランドであることも寄与している。つまり、多くの人たちの意識から消え去りつつも、その栄光の日々からの「のれん」の力は強く、購入の意思決定を誘うのだ。ふところにあまり余裕がない人が、たとえばウォルマートで300ドルのスマートフォンを買うときには、自分がよく知っている名前に気持ちが傾くだろう。Razrの栄光の日々が20年も前であっても。業界人でもない一般消費者は、そんなことどうでもいい。現在の同社は、一貫して堅牢な低価格スマートフォンのメーカーという評価だから。

それを「カムバック」と呼んでもよい。それに反論する気はない。

画像クレジット:Motorola

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

京都大学とパナソニック、電池交換や電源ケーブルが不要になるマイクロ波電力伝送システムのサンプル提供開始

京都大学とパナソニック、電池交換や電源ケーブルが不要になるマイクロ波電力伝送システムのサンプル提供開始

京都大学パナソニックは3月24日、京都大学生存圏研究所の篠原真毅教授とパナソニックが共同開発してきたマイクロ波を使った長距離のワイヤレス電力伝送システムについて、プロトタイプ開発が完了し、試験用サンプルの提供を開始すると発表した。この技術が実用化されたなら、IoTセンサーやウェアラブル機器などの電源ケーブルや電池交換が不要になる。

これは、920MHz帯のマイクロ波を利用したワイヤレス電力伝送システム。2022年に電波法施行規則等に関する省令の改正が予定されており、それを見据えてサンプルが提供される。免許を取得すれば、屋内の一般環境で利用が可能となるのだが、規制によって送電できる電力は1ワット以下に制限される。そのため、この範囲内で電力を効率的に伝送し、広範囲に設置された受電機へ電力を送ることが開発のポイントとなった。京都大学とパナソニックは、高効率な送電方法、受電用の小型アンテナ、受電したマイクロ波電力を高効率に安定して直流に変換する回路の開発に取り組んだ。

ワイヤレス送電は、特に人の見守りや健康管理用のバイタルセンサーのためのウェアラブル端末への応用が期待される。しかし既存のアンテナでは、人に近づけると電波が人体に吸収されてしまうという課題があった。そこで、人体に装着しても受電効率が低下しないアンテナを開発した。またこのシステムでは、1つの送電機から複数の充電器に一括で送電が行える。そのため、工場やオフィスに多数設置されるIoTセンサーの電源としても利用できる。

パナソニックは、このシステム「Enesphere」(エネスフィア)としてサンプル化し提供を行う。システムには、1ワット以下の送電機と、カードタイプ、人体装着タイプ、液晶表示タイプ、基板タイプなどさまざまな形態の充電器で構成される。提供開始は「準備が整い次第」ということだ。京都大学とパナソニック、電池交換や電源ケーブルが不要になるマイクロ波電力伝送システムのサンプル提供開始

子ども向けインタラクティブ通話デバイスAmazon Glowが半年の招待制販売を経て米国で一般に販売開始

2021年9月、Amazon(アマゾン)は「Amazon Glow」という不思議な形のデバイスを発表した。

ビデオ通話デバイスでありながらプロジェクターでもあるこの製品は、離れている家族と子どもをユニークなデュアルスクリーン方式でつなぐことを意図している。1つは内蔵スクリーンで遠隔地の通話相手の顔を写し、もう1つはプロジェクターでデバイスの下にあるテーブルに照射し、ゲームや本のための大きなタッチスクリーンとして機能する。子どもが卓上のタッチスクリーンで見ているものはすべて、通常、遠隔地の発信者のiOS / Androidタブレットに反映される。ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんが遠く離れた場所でページをめくると、子ども側のページもめくられる。

しかし、Glowには当初、1つだけ難点があった。購入するには、まず招待を受ける必要があったのだ。Amazonの製品テストプログラム「Day 1 editions」の一環として製品の不具合を解消する間、出荷は一部のユーザーに限定されていた。

Amazonは、米国時間3月29日より招待が不要になることを発表した。注目すべきは、「Day 1」プログラムから外れるため、価格が249ドル(約3万600円)から299ドル(約3万6740円)に跳ね上がることだが、同社は以前からその予定であると述べていた。この価格には、本体に必要な本やゲームを提供するほぼ必須の(Amazonプライムとは別の)サービス「Amazon Kids+」の1年間の契約と、本体がテーブルから転がり落ちて壊れた場合の2年間の「安心」交換補償が含まれている。

なお、Amazonによると、Glowはこれから「米国内」のすべての人に提供されるとのことで、他の国での販売についてはまだ詳しく述べられていない。

数カ月前、3歳の子どもの手を借りて初期モデルをチェックしたが、予想されたバグや時折のハードクラッシュにもかかわらず、我々(と祖父母)は非常に楽しい時間を過ごすことができた。そのため、レビュー用の貸出機を返送したあと、すぐに自分たちのものを購入したぐらいだ。まだ少しバグがあるが、だんだん改善されている(より軽快で、ここ数週間はより多くのゲームが追加されている)。少なくともうちの子どもは、祖父母と私がFaceTimeしているのを見ると毎回、Glowに切り替えるよう要求する。

画像クレジット:Amazon

関連記事:【レビュー】Amazon Glow、本当に会話相手の存在を感じる小型プロジェクターは楽しいがまだ粗削り

画像クレジット:Amazon

原文へ

(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

京都大学、摂氏350度で動作する省電力型の集積回路を開発―高温動作集積回路の実用化に道

京都大学、摂氏350度で動作する省電力型の集積回路を開発―高温動作集積回路の実用化に道

京都大学は3月25日、京都大学大学院工学研究科の金子光顕助教、木本恒暢教授らによる研究グループが、独自構造のトランジスターを搭載したSiC(シリコンカーバイド)半導体を開発し、シリコン(Si)半導体では不可能な摂氏350度という高温での基本動作の実証に成功したと発表した。

現在広く使われているシリコンベースの半導体は、動作可能温度の上限が摂氏250度とされている。しかし、地下資源採掘や宇宙開発の現場では、それより高い温度での動作を求められる。シリコンよりも高温での動作が可能なSiC半導体の研究は進められているが、集積回路の基本要素であるトランジスターの高温での信頼性や電力消費量が大きな課題となっていた。

集積回路で一般的に使われているトランジスターはMOSFET(金属酸化膜半導体電解効果トランジスター)と呼ばれるタイプのもので、添加する不純物によってn型とp型と2種類に分かれる。この2つ組み合わせた相補型という集積回路が、待機電力をほぼ0にできるため広く普及した。SiC上にもMOSFETを作ることはできるが、酸化膜とSiCとの間の接合界面に欠陥が多く発生(Siの場合の100倍以上)するために高温での安定動作ができなくなる。これとは別に、JFET(接合型電界効果トランジスター)というトランジスターも作れる。こちらは界面欠陥がないため高温動作が可能なのだが、相補型回路の構成が不可能で、省電力とはならない。300度以上の高温環境では供給電力も限られることが予想され、低消費電力化が課題となっている。

研究グループが新しく開発したのは、JFETで相補型回路を作る方法だ。これまでJFETは、同一基板上にn型とp型の両方を同時に作ることが技術的に難しかったのだが、研究グループは、イオン注入という工業界では広く使われている方法でそれを可能にした。また、集積回路として重要となるゲート端子に電圧をかけていないときに電流を通さないノーマリーオフの特性を持たせることも、従来のJFETでは難しかったのだが、構造の工夫により実現した。これにより、「室温から350℃までのSiC論理ゲート動作実証に世界で初めて成功」した。京都大学、摂氏350度で動作する省電力型の集積回路を開発―高温動作集積回路の実用化に道

これは、「高温エレクトロニクスの創生を期待されながら遅々として進まない高温動作集積回路の実用化」だと研究グループは話す。今後は、微細化による小型化、高速化、高機能化がJFETでも可能かどうか、研究を進めてゆくとしている。

毎秒1.7ペタビット、既存技術の7倍の容量を可能にするマルチコアファイバーによる光海底ケーブルの5つの基盤技術を確立

毎秒1.7ペタビット、既存技術の7倍の容量を可能にするマルチコアファイバーによる光海底ケーブルの5つの基盤技術を確立

KDDI総合研究所は3月28日、1本の光ファイバーの中に複数のコアを持つマルチコアファイバーで大容量化した光海底ケーブルの実用化に向けた各種技術の開発と実証を行い、基盤技術を確立したことを発表した。これにより、アジア域をカバーする3000km級の光海底ケーブルを、既存システムの7倍(毎秒1.7ペタビット程度)に容量を拡大できるという。2020年代半ばの実用化を目指す。

KDDI総合研究所、東北大学住友電気工業古河電気工業日本電気(NEC)、オプトクエストの6機関は、総務省の委託研究として大容量光海底ケーブルの研究開発を行っている。5Gサービスの普及に伴うモバイルデータ通信の増加やデータセンター間の通信需要の増大などを背景に、国際通信の回線需要が増大しているが、それに対応するためには海底ケーブルにより多くの光ファイバーを通す必要がある。しかし、光ファイバーの本数を増やせばケーブルの外径が大きくなり、敷設が困難になる。そこで、1本のファイバーで複数の通信が可能となるマルチコア(多芯)ファイバーを使い、外径はそのままで容量を増やす技術が求められてきた。上記の6機関は、世界に先駆けてその基盤技術を確立し、実証を行った。

このシステムは、5つの基盤技術で構成されている。その第1が4つのコアを持つ光ファイバーだ。2020年11月に古河電気工業とKDDI総合研究所が開発した技術で、コア間の信号干渉を抑えることで損失は世界最小級となる1kmあたり0.155dB(デシベル)を実現し、クロストーク(混線)は100kmでマイナス60dBを達成。毎秒109Tbit(テラビット)の信号を3120km以上伝送でき、毎秒56Tbitの信号を1万2000km以上伝送できることを実証した。

第2の技術は、このマルチコアファイバーを収容した光海底ケーブルだ。2021年10月、NEC、OCC、住友電気工業は、マルチコアファイバーを32芯収容した海底ケーブルを開発し、水中で長距離の伝送試験を行った。ケーブルにした状態でも、マルチコアファイバーの光学的特性に大きな変化はなく、良好な伝送性能を得ることができた。

第3は、マルチコアファイバーの統制評価技術。マルチコアファイバーの依存損失とクロスオーバーの評価を行う波長掃引法と、損失、クロストークの長手分布を評価するOTDR法という2つの技術を開発した。

第4は、空間多重型高密度光デバイス。4コアファイバー用アイソレーター内蔵Fan-in/Fan-out(ファンイン/ファンアウト)デバイス、4コアファイバー用Fan-out付きTAPモニターデバイス、4コアファイバー用O/E変換器付きTAPモニターデバイスの3種類の光増幅装置を開発し、1つの複合機能デバイスに集約した。これにより、世界最高水準の低損失と小型化を実現させた。

第5は、マルチコア光増幅中継方式。シングルコア光増幅器をベースに作られた従来のマルチコア光増幅器は、コアの数だけ増幅装置が必要であり、コア数が増えればそれだけ大型化するという課題があった。新しく開発されたマルチコア光増幅器は、1つの増幅装置で複数のコアを一括して増幅できるクラッド励起方式を採用し、体積を従来の半分程度に収めることに成功した。

これらを統合することで、既存システムの7倍となる毎秒1.7ペタビットほどの容量拡大が可能になることが確認されている。今後は、マルチコアファイバーの量産化技術の開発、長期信頼性の検証、運用保守技術の開発を進め、2020年代半ばの実用化を目指すとしている。

アップルがiPhone SEの生産をウクライナ侵攻とインフレ懸念で20%削減との報道

チップ不足が続く中、Appleの最新決算報告では、同社が予想を上回る成果を上げたことが明らかになった。他のほとんどの市場が縮小する中、AppleはiPhoneの販売台数で9%の伸びを記録している。サプライチェーンに関わる場合、最大手であれば有利になる多くある。

しかし、Appleのような巨大企業でさえ、世界情勢の影響を受けないわけではない。パンデミックの初期には、Appleは不確実性を理由にガイダンスを提供することを行わなかった。ここ2年間の世界の状況を考えれば、それはおそらく正しい行動だろう。そして現在、最新のiPhone SEは、世界的な問題の「パーフェクトストーム」のようなものになりつつある。

Nikkei Asiaが事情に詳しい情報筋からの話として報じたところによると、AppleはiPhone SEの生産を20%削減するという。ウクライナ侵攻とインフレのワンツーパンチのため、少しは消費者が減るだろうとは考えられていたのは間違いないが、その数字の大きさは同社の最新スマホにとって驚きだった。この落ち込みは、同四半期で200〜300万台に相当する。

2022年3月初め、Appleは隣国ウクライナへの侵攻を受けて、ロシアでの販売を停止することを発表した。同社は当時「我々は状況を評価し続け、取るべき行動について政府と連絡を取り合っている。我々は平和を求める世界中の人々とともに行動します」。

Appleにとって最大のライバルであるSamsung(サムスン)をはじめ、他の多くの主要な消費者向けハードウェア企業が同様の行動をとっている。両ブランドとも、日常的に米国内のスマートフォン市場シェアのトップ5にランクインしている。

世界的なチップ不足は、広範なインフレ問題とともに、依然として購買決定に影響を及ぼす要因だ。スマートフォンのような非必需品に分類される製品の販売数には、必ずこうした経済的な懸念が関係している。少なくとも、ユーザーが旧型の端末を長く使うようになるという効果はある。

SEへの影響とともに、AirPodsの注文数も2022年全体で約1000万と大幅に増加したという。一方、iPhone 13の生産台数減少は、季節的な需要の変動によるところが大きいとされている。

TechCrunchは、Appleにコメントを求めている。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ウクライナ・マリウポリのレトロPC博物館がロシアによる侵攻により破壊、500以上の歴史的コレクションが失われる

ウクライナ・マリウポリのレトロPC博物館がロシアによる侵攻により破壊、500以上の歴史的コレクションが失われる

Club 8-bit

ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、現地にあるレトロPCとビデオゲームを集めた個人運営の博物館「Club-8bit」が戦火により破壊されたと報じられています。500を超えるレトロPCやゲーム専用機など、15年近くにわたり集められたコレクションが爆弾により失われたとのことです。

このレトロPC博物館はマリウポリにあり、ドミトリー・チェレパノフ(Dmitry Cherepanov.)氏により運営されていました。今回のニュースはウクライナのコンピュータとソフトウェア博物館(Software and Computer Museum/所在地はキーフ)のTwitterアカウントにより報じられ、オーナーのチェレパノフ氏は無事だそうです。

しかしチェレパノフ氏はFacebookで、博物館だけでなく自宅も失ったと述べています。「マリウポルのコンピュータ博物館はもうないんだ」「15年間集めてきたコレクションから残されたのは、博物館の(Facebook)ページ、ウェブサイト、ラジオ局での思い出の断片だけだ」とのことです。

米Gizmodoは2019年に博物館にてチェレパノフ氏に取材していましたが、そこではソ連圏が独自のPCを作っていた頃からコンピュータを集め始めていたと語られています。

コモドール64やMacintoshといった西側のマシンのみならず、広く知られていないが歴史的には貴重な価値があったソ連圏の遺産まで失われてしまったわけです。

チェレパノフ氏は10年以上にわたってこれらのPCを収集・修復しており、自らのPC博物館を「1980年代のPC革命の広い範囲を見ることができる魅力的なものです」と語っていました。

自宅とコレクションが破壊されて以来、チェレパノフ氏はPayPal口座を開設し、同氏やウクライナの他の人々を支援するための寄付を受け付けています

ロシアによるウクライナ侵攻は現在進行中であり、すでに数千人の死者や負傷者を出しています。また300万人以上が国外への脱出を余儀なくされ、大規模な難民危機も広がる一方です。世界各国はロシアに対する経済制裁をしだいに強化していますが、これ以上掛け替えのないものが失われないよう、一刻でも早く戦火が終わることを祈りたいところです。

(Source:Software and Computer Museum(Twitter)。Via KotakuEngadget日本版より転載)

リモートで働く新入社員向けのハードウェア選択・配布を支援するFirstbaseが約60億円調達

Firstbase(ファーストベース)は米国時間3月25日、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)が主導するシリーズBラウンドの資金調達を発表した。TechCrunchが同社のシリーズAを取材したのは1年前、世の中のリモートワークシフトが本格化した頃だった。

現在、よりハイブリッドな世界で、大小の企業がオフィス内の社員と在宅勤務の社員のバランスをどのようにとるかを考えており、我々はFirstbaseがどのように将来計画を立てているかに興味があった。

このスタートアップは、遠隔地にいるスタッフの入社を支援し、必要なハードウェアを必要なときに受け取れるようにするための支援を行っている。パンデミック時に転職した人なら、テクノロジー製品を新入社員に届けるのは必ずしも簡単なプロセスではないことを知っているだろう。この問題は、オフィスと個人の物理的な距離が遠くなる程、より複雑になる。

前回話したときから、同社は機能の幅を広げている。Firstbaseは、現在も顧客の新入社員がハードウェアを選ぶのを手伝い、出荷や回収、管理を担当している。そして、その提供内容に融資が加わった。現在、Firstbaseは、顧客が通常料金で、新入社員のハードウェアや、家具など遠隔地にあるオフィス周辺機器の購入代金を支払うことができるようにしている。

ハイブリッド時代の成長

Firstbaseにとって重要なのは、部分的にオフィスに戻りつつある世の中にどう適合していくかということだ。2021年4月以降の16倍の収益成長、同様の期間での7倍の顧客増加など、最近の四半期でスタートアップ級の指標を掲げた後、市場はFirstbaseの遠隔従業員サービス製品を以前より歓迎しなくなるのだろうか。

創業者兼CEOのChris Herd(クリス・ハード)氏はTechCrunchに、ハイブリッドな労働力を持つ企業は、Firstbaseを、オフィス内の従業員だけでなく、自宅から働く従業員にもハードウェアを供給していると語った。TechCrunchは、平均的な企業がどこに向かっているのかをより良く把握するために、リモートファーストの企業とハイブリッドスタイルの企業の間の顧客分布について同社に尋ねた。ハード氏によると、Firstbaseの顧客構成はかなり均等であるが、ハイブリッド型と言われる企業の中には、依然としてリモートワークが大半を占めている企業もあるという。

仕事の未来はまだ流動的だ。

しかし、Firstbaseが構築しているものは、オフィスの世界にきちんと適合する可能性がある。このスタートアップは、米国、英国、ヨーロッパで倉庫を拡張することを計画している。この物理的なフットプリントによって、同社は従業員との間でのデバイスの流れを管理し、必要性から納品までのタイムラグを抑えることができる。世界的なチップ不足の中、重要なサプライチェーン業務を第三者に任せることは、より多くのオフィスなど現実世界での労働力を求める企業にとっても魅力的であることがわかる。

TechCrunchは、Firstbaseが現在の活動に加えて、モバイルデバイス管理(MDM)ビジネスに参入する計画があるかどうかに興味があった。Jamf(ジャムフ)のようなMDMは、現在公開されているが、デバイスの物理的な配送やケアに関わるよりも、デバイス上でより多くの仕事をする。ハード氏は、2年前、MDM機能の構築は検討事項であったと述べている。しかし、その間にFirstbaseは、顧客が既存のMDM製品やHRIS(人事情報システム)ソフトウェアシステムを置き換えるのではなく、それらのシステムにプラグインすることを望んでいることを知った、と彼はいう。

もしFirstbaseがMDMツールを持たない中小企業に十分な販売をすれば、やがて小規模な顧客向けにシンプルなものを構築できるかもしれない。

とはいえ、シリーズAやBステージのスタートアップ企業との取引を想定していた同社は、数百人、数千人の従業員を雇用する顧客へと成熟度を高めていると、ハード氏は述べている。これは、5桁の取引ではなく、6桁の取引を意味すると、彼は言った。非公開企業は通常、このような一般的な指標以上のものを共有しないが、このケースでは、会社の最近の成長率を説明するのに役立っている。

Firstbaseは、ソフトウェア、ハードウェア、金融技術を巧みに組み合わせた企業だ。そのため、粗利やその他の経済的な詳細を推測するのは困難だ。誰かがデッキをリークするか、あるいはできるだけ早く会社が公開され、我々がデータを覗き見ることができるようになることを願う。

画像クレジット:filmstudio / Getty Images

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Yuta Kaminishi)

スマートリング「Oura Ring」が累計販売数100万個を突破

ハードウェアの世界では我々は、大きくてきりのいい数字が大好きだ。どんなものでも100万個を達成するのはすごいことで、その100万個が399ドル(約4万8800円)のスマートリングならなおさらだ。Ouraがウェアラブル分野を永久に変えたというのは早計だが、スマートウォッチというフォームファクター、そして特にある特定のスマートウォッチを中心に物事が固まっている今、状況を揺るがすスタートアップの登場は注目に値するだろう。

Ouraは、その高い値段にもかかわらず、パンデミックに後押しされたスタートアップの1つといえるだろう。このデバイスは、アクティブなフィットネストラッカーというよりは、ヘルスモニターである。そのバイタルトラッキングと控えめなフォームファクターにより、NBAからNASCARまで、多くのスポーツリーグとの提携を得た。これほどまでに世界レベルの著名人の指にまとわれている製品は少ない。

こうしたパートナーシップは、製品に内蔵された体温のトラッキングなどに関するいくつかの研究と相まって、うまく機能している。2020年末、科学ジャーナルNatureは「Feasibility of continuous fever monitoring using wearable devices(ウェアラブルデバイスを用いた連続的な発熱モニタリングの実現可能性)」と題する研究を発表し、体温の変化を検出するためにこのデバイスをどのように使える可能性があるか、それにより新型コロナ感染を早期に発見できる可能性があることを強調している。

また、同社は本日のニュースを通じて、睡眠トラッキング機能をアピールした。これもパンデミックによって世界が一変し、我々が夜通し眠れなくなってから2年余り、多くの人がたくさん考えたに違いないトピックだ。

「睡眠が私たちの健康の他の側面にどれだけ影響するかを理解していたので、Ouraは当初から睡眠に焦点を当てた最初のウェアラブルでした」とCOOのMichael Chapp(マイケル・チャップ)氏はブログ記事に書いている。「そして測定することにより、改善することができます。慢性的な睡眠不足と病気には直接的な相関関係があることが研究により明らかになっています。良い睡眠は、免疫力、パフォーマンス、メンタルヘルスなど、生活のほぼすべての側面を向上させます」。

Ouraは最初のスマートリングであったわけではなく、最後にもならないだろう。OuraはMotivに先を越されたが、後者はパンデミックの真っ只中にヘルストラッキングからバイオメトリクスにシフトして以来、ほとんど沈黙を守っている(控えめに言っても、きついタイミングだ)。その後、MovanoCircularといった企業が登場し、当初は支持を得られなかったこのフォームファクターでトラクションを獲得しようとしている(ちなみに、筆者は今でもリング派ではない)。Google(グーグル)傘下のFitbit(フィットビット)は、最近公開された特許のいくつかを発見し、独自のスマートリングに取り組んでいると噂されている。

Ouraはまた、いくつかのネガティブなフィードバックにもさらされている。Ring 3の概ね肯定的なレビューで指摘したように、同社は最近、いくつかの重要な指標をサブスクリプション制に変更し有料化した。これは、ハードウェアの高額な初期費用を支払った後では、当然ながら人によっては受け入れ難い。しかし、少なくともこれまでのところ、このような反発は、良いレビューと全体的なマーケティングを背景とした堅調な成長に影響を与えていないように見える。

画像クレジット:

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

Snapがマインドコントロールヘッドバンドのメーカー「NextMind」を買収

Snapは米国時間3月23日朝、NextMindを買収したことを確認した(買収額非公開)。パリに本拠を置く同スタートアップは、脳の信号を利用してPCのインターフェイス上で画像を動かす、自らの名前を冠したコントローラーで知られている。CESで399ドル(約4万8000円)の開発キットを発表した後、2020年第2四半期に出荷を開始している。TechCrunchは同年末に試す機会があり、このハードウェアを「稀にみる『すごい』もの」と評した。

「NextMindは、Snap Lab内で長期的な拡張現実の研究活動を推進するためにSnapに参加しました。Spectaclesは進化し、反復する研究開発プロジェクトであり、最新世代は、拡張現実の技術的限界を探る開発者を支援するように設計されています」と同社はブログで述べている。

このニュースは、同社がソーシャルメディア企業のハードウェア研究部門Snap Labに統合されたことを示している。また、NextMindの開発キットのスタンドアローン版も終了する。この技術の一部は「Camera」や「Spectacles」といったAR機能を含む、将来のSnapの製品に搭載されることはほぼ確実だ。

神経科学者とハードウェアエンジニアのチームによって2017年に設立されたNextMindの技術は、脳波計を内蔵したウェアラブルヘッドバンドを利用して、大脳皮質の神経活動を検出して読み取れる。装着者がディスプレイ上の画像を見ているときに、ヘッドセットがそれを動かしたいかどうかを判断することが可能だ。このようなマインドコントロールのインターフェースは、拡張現実にとって非常に理に適ったものだ。特にヘッドマウントディスプレイは、長い間コントローラーの問題に悩まされてきたが、このような技術はその解決への道筋をつけることができるだろう。

「この技術は、神経活動をモニターして、コンピューティングインターフェイスと対話するときのユーザーの意図を理解し、それに集中するだけで仮想ボタンを押すことができます。この技術は、思考を『読む』ことも、脳に向けて信号を送ることもありません」とSnapは付け加えた。

NextMindは、2018年半ばに460万ドル(約5億6000万円)のシードラウンドを調達している。引き続きチームはパリで活動し、その従業員のうち20人(主に技術系)がSnap Labsに加わり、より長期的な研究開発に注力する予定となっている。2021年5月、SnapはARヘッドセットに使用される部品を製造するWaveOpticsを買収した。同月、同社は第4世代のSpectaclesを披露し「拡張現実を実現する初のメガネ 」と称している。

画像クレジット:NextMind

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

マイクロLEDを埋め込んだ極薄フィルムで脳を覆う光遺伝学用デバイスを開発、脳神経の包括的な理解に道

マイクロLEDを埋め込んだ極薄フィルムで脳を覆う光遺伝学用デバイスを開発、脳神経の包括的な理解に道

開発したマイクロLEDアレイ。写真左:マイクロLEDアレイ中空構造。写真右:マイクロLEDアレイ極薄フィルムの発光像

豊橋技術科学大学(関口寛人准教授)、獨協医科大学(大川宜昭准教授)、沖縄科学技術大学院大学(福永泉美准教授)は3月18日、脳を覆って神経細胞を光で操作する、柔軟で極薄の生体適合性フィルムに多数のマイクロLEDを埋め込んだ光遺伝学用デバイスを開発したと発表した。

近年、特定波長の光で活性化するタンパク質を使って神経細胞の活動をコントロールする「光遺伝学的手法」が注目されている。特に、複雑な脳の神経ネットワークの包括的な理解に役立つことが期待されているが、それには広範囲に分布する特定の神経細胞の部位を自在に制御できる光刺激技術が必要となる。従来の光ファイバーや顕微鏡を用いる方法では、複数の部位に同時に光をあてることが難しく、また自由に行動する動物への適用も限られる。そこで、生体に埋め込めるLEDデバイスに期待が集まっているのだが、通常のLEDでは大きすぎてこの目的にはそぐわない。

そこで研究グループは、サイズが100μm(マイクロメートル)以下、厚さが数μmというマイクロLEDを、生体適合材料である極薄のパリレンフィルムの上に格子状に配置する手法を編み出した。化学薬品で半導体結晶の特定方向だけを溶かす「異方性ウェットエッチング」という技術を使い、シリコン基板の上に形成されたマイクロLED層の下側を溶かして浮かせ、マイクロLED層だけを剥がした後、パリレンフィルムに転写した。こうすることで、曲げても光照射特性が劣化しないフィルムができあがった。これをマウスの脳の表面に貼り付けたところ、明るい青い光を放った。

マイクロLEDを埋め込んだ極薄フィルムで脳を覆う光遺伝学用デバイスを開発、脳神経の包括的な理解に道

マイクロLEDを埋め込んだ極薄フィルムで脳を覆う光遺伝学用デバイスを開発、脳神経の包括的な理解に道

マウス脳に密着したマイクロLEDアレイ極薄フィルムにおいて、3点の狙ったLEDを点灯させた光照射の様子

脳の広い範囲を覆うことができるこのデバイスを使えば、光を使った複雑な脳活動の制御が可能になる。計測技術を組み合わせれば、脳の活動と、行動や疾患との関係が包括的に理解できるようになり、新しい神経科学研究の道が拓かれることも期待される。さらに、光に反応する生体内機能分子の開発が進めば、光をあてることで薬剤を狙った部位に好きなタイミングで効かせることができる生体埋め込みデバイスによる光治療技術への応用も期待できるということだ。

Nothing初のスマホは今夏発売予定、クラウドファンディングで追加資金調達へ

誰がなんと言おうと、Nothing(ナッシング)はティーザーをさらにもったいぶる方法を知っている。同ハードウェアスタートアップの弁明として、同社は米国時間3月23日朝に行われたイベントは「ロードマップ」の公開であるとし、具体的には、同社のラインアップに加わる別のデバイスに言及したが、その製品に関する情報はあまり提供しなかった。しかし同社は少なくとも、噂されていた2番目のハードウェア「Nothing Phone(1)」の発売予定を確認した。

我々は3月初め、Mobile World Congress(MWC)において、創業者のCarl Pei(カール・ペイ)氏が企業幹部たちとミーティングを行い、ワイヤレスイヤフォンのEar(1) と同様に透明感を強調したデザインを特徴とするバージョンのデバイスを披露していたことを紹介し、このデバイスの存在を確認した。

今回のオンラインイベントで同社は、製品にSnapdragonチップが搭載されることを含め、いくつかの詳細を発表した。Qualcomm(クアルコム)がNothingに出資していることを考えれば、驚くことではない。同じくペイ氏が設立したOnePlusに似て、このデバイスはAndroidを独自に改良したNothing OSを搭載し「Nothing製品や他の世界トップブランドの製品を簡単に接続、統合するオープンでシームレスなエコシステム上に構築される」という。

エコシステムは常にNothingの戦略の中核にあり、その統合がどのようなものなのか興味深いところだ。Apple(アップル)やSamsung(サムスン)などがモバイルを中心としたソーラーシステムを構想しているのと同じように、同社は携帯電話がそのシステムのハブとして機能することを思い描いているのは間違いないだろう。Nothingは4月、OSのプレビューを提供するつもりだという。

画像クレジット:Nothing

ソフトウェアは、OnePlusがOxygenOSで提供しようと取り組んできたもの、つまり、あまり多くの追加ソフトウェアを追加せずに、Androidに手を加える形に似ているようだ。外観的には、同社の「アナログ」デザイン言語を踏襲することになる。同社は、(Androidを土台にするとはいえ)ハードウェアとともにOSレイヤーを開発することで、Appleのような道を歩もうとしているのだ。同社のヘッドフォンはすぐに対応し、AirPodsやTesla(テスラ)などの自動車を含むサードパーティ製品のサポートに取り組んでいる最中だとペイ氏はいう。

Nothingは、携帯電話のOSアップデートを3年間、セキュリティアップデートを4年間提供することを約束している。

というわけで、同社はEar(1)が確立したパターンを踏襲し、今後数カ月のあいだ、次期スマホのより詳細な情報をチラ見せしていくことになるのだろう。

携帯電話のニュースとともに、同社は、わずか2週間前に実施された7000万ドル(約84億8000万円)のシリーズBに続いて、さらにクラウドファンディングで資金を調達することを発表した。同社が目指しているのは1000万ドル(約12億1000万円)で、VCが支援したラウンドと同じ評価額で募集される。現在、事前登録を受け付けており、4月5日に正式公開される予定だ。ファンに金銭的な利益を与えることで、コミュニティの関与を促進しようとするこの戦略は、これまで同社にとって成功を収めてきた。

このデバイスは、モバイル関連のスタートアップ企業にとって厳しい、しかし期待が集まる時期に登場することになる。初代iPhoneが発売されてから15年が経ち、携帯電話への関心は薄れている。パンデミック以前から売り上げは横ばい、低迷していたが、その後のサプライチェーンの制約やチップ不足とともに、この傾向はさらに悪化している。LGやHTCのようなかつての主要プレイヤーは、この業界から完全に撤退するか、劇的に規模を縮小している。

Nothingは、Essentialの失敗から生まれたプライバシー重視のOSOMを含む、新しいモバイルスタートアップ各社の小さなムーブメントに加わることになる。ちなみにペイ氏とNothingは、EssentialのIPを買収したが、同社は最終的にその名前を使って何もしていない。

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

LiDARスタートアップLuminarがFreedom Photonics買収、高性能レーザーを手中に

自動運転車のためのビジョンベースのLiDAR(ライダー)と機械知覚技術を開発するLuminar(ルミナー)は3月21日、高性能レーザーメーカーのFreedom Photonics(フリーダムフォトニクス)を買収した。Luminarが自社の普通株式300万株(同日の株価で約4230万ドル[約51億円])を発行した。規制当局への提出書類によると、すべて株式による取引だ。

この買収は、LiDARの中核部品を垂直統合し、より正確で低コストの製品を市場に投入するためのLuminarの最新の試みだ。

「取引は第2四半期に完了する見込みで、Freedom Photonicsの高出力レーザーとその関連フォトニック集積回路技術が、当社の将来のセンサーの性能を最適化するとともに、コストロードマップを前進させることができます」とLuminarの共同創業者で最高技術責任者のJason Eichenholz(ジェイソン・アイヘンホルツ)氏はTechCrunchに語った。

市街地であれ高速道路であれ、自動運転車システムが直面する大きな問題は、遠距離にある物を見て認識する能力だ。アイヘンホルツ氏によると、AVシステムが300メートル先の道路にタイヤや人が見えるかどうかを判断するのに必要な点密度と解像度を得るためには、高出力レーザーパルスと高品質ビームが重要だが、いずれもFreedom Photonicsが得意とする部分だという。

両社の数年にわたる協力関係に続く今回の取引は、LuminarのLiDARの品質を向上させるだけでなく、同社がサプライチェーンにおけるコストをしっかりとコントロールすることを可能にする。これは、レーザーそのものが特に入手しにくいからではなく「自律性を発揮し、自動車に適した環境で求められる積極的な安全性を確保するための適切な性能パラメータを持つレーザーの入手が、かなり難しいからです」とアイヘンホルツ氏は話した。

LiDARは、自動運転システムの中で最も高価な部分の1つだ。そのため、商業化と規模拡大が難しい。コスト削減は不可欠であり、Luminarは積極的に進めている。同社は、アイヘンホルツ氏が「3本の脚」と呼ぶ3つの重要なLiDARハードウェアコンポーネント(受信機、ASICまたは処理能力、レーザー)の材料費を100ドル(約1万2000円)以下にするという目標を掲げている(レーザーは現在、Freedom Photonicsから調達している)。

Luminarはすでに、残る2本の脚のために、技術とチームを獲得済みだ。カスタム信号処理チップメーカーのBlack Forest Engineersを2017年に買収し、Luminarは受信機のコストを数万ドル(数百万円)から3ドル(約360円)に下げることができた。また、2021年のOptogrationとその受信機チップの買収も、アイヘンホルツ氏によると、同社の能力と経済性における制限を取り払った。

「Luminarとの全面的な協力は、Freedom Photonicsにとって完璧な機会であり、私たちの世界クラスのレーザーチップ技術の大規模商業化への道を加速します」とFreedom PhotonicsのMilan Mashanovitch(ミラン・マシャノビッチ)CEOは声明で述べた。「Luminarの自動車産業におけるリーダーシップ推進に役立つだけでなく、他の産業分野の顧客を同時にサポートし、顧客を拡大するためのより大きな機会となります」。

Freedom PhotonicsのスタッフもLuminarに買収された。経営陣は買収完了後も引き続きLuminarでこれまでと同様に事業をリードする。

Luminarの株価は時間外で約2%下がった。

画像クレジット:Luminar

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ハイパースペクトルイメージングで鉱石を現場で見分けるPlotlogicが約21.8億円調達

鉱業は今ある産業の中で最古の産業に属するが、需要の増大とともにハイテク化が進んでいる。Plotlogicは、ハイパースペクトルイメージングと呼ばれる、実験室や人工衛星でよく使われている技術を使って、重要だが古めかしい仕事に新しいデータ層と自動化をもたらす。

ハイパースペクトルイメージングは、基本的に可視域外の光を捉える写真で、人間の目には同じように見える物質を識別できる。他のほとんどのものと同様、「自然」が最初に到達した。鳥や昆虫は、私たちが見ることのできない波長を見ることができ、それが彼らの世界全体の見方を変える。

ハイパースペクトルはは結局、分光分析の一種で、放射線を物体に当てて、その反射や吸収を見るものだ。皮膚、セメント、レアアースなど、あらゆる物質にはそれぞれ固有のスペクトルがある。Plotlogicが目指しているのは、明らかに後者のカテゴリーだ。

2018年にオーストラリアのブリスベーンで創業したPlotlogicは、多重スペクトル+LiDAR画像という組み合わせで、山積みになった大量の鉱山の砕石から「リチウムが少々ある、銀も少しある、硫黄もややある」などという(これらが同じ砕石の山にあることは、実際にはないだろうが)。

もちろん、鉱山ではこんな分析を以前から何らかの方法で行っているはずだ。そうでなければ、精錬場へ行くトラックと廃棄場へ行くトラックを見分けられない。しかしそのような分析は通常、ラボにサンプルを送って、そこでスペクトル分析を行ってもらう方法だ。しかしPlotlogicは、この重要な分析を現場で行い、効率化する。

鉱石サンプルをスキャンする定置型OreSenseと、そのサンプルの分析例(画像クレジット:Plotlogic)

CEOで創業者のAndrew Job(アンドリュー・ジョブ)氏によると「分析を採掘工程と一体化して、現場のスタッフがリアルタイムの情報でやる気になることが、本当のイノベーション」という。

同社がこのOreSenseと呼ばれるマシンを開発したのは2019年で、それ以降、現場で何度も使われ、主な鉱山企業からのフィードバックも得た。可動方式と据え付け型の両方で使うことができ、スキャンを採掘現場でも、あるいはどこかに砕石を集めてからでもできる。踏み板を使うバージョンは、人が安全に行けない場所にも行ける。

そのシステムは鉱業の既存の工程と合うように設計されているため、鉱石の掘り出し方を従来のものから変える必要はない。ジョブ氏によると、変更が必要な場合は効率アップで正当化されるという。

Plotlogicの創設者でCEOであるアンドリュー・ジョブ氏(画像クレジット:Sarah Keayes/The Photo Pitch)

「経済的なメリット、環境維持のメリット、安全性のメリットの3つがあると考えています」とジョブ氏はいう。「より多くの鉱石を処理し、廃棄物を減らすことができるため、より収益性が高くなります。より正確に、より多くの岩石をその場に残し、燃料や温室効果ガスを廃棄物の移動に費やさないようにすることができるのです。そして、それは鉱山での人間の被曝時間も減らします」。

肺が黒くなる鉱山での病は過去のものかもしれないが、それでも鉱業は今なお、基本的に困難で危険な仕事だ。重機の側にいたり、閉鎖空間内にいたり、粉塵が充満した空間にいることは少ない方が良い。信頼性の高い情報豊富な画像が得られれば、鉱業の自動化も近くなるとジョブ氏はいう。

1800万ドル(約21億8000万円)のシリーズAは、Innovation EndeavorsがリードしBHP VenturesとTouchdown Venturesが参加した。どちらも、大手鉱業グループのベンチャー部門だ。さらに、DCVCとBaidu VenturesとGrids Venturesも参加。資金は、商用展開の拡張と国際化努力の開始に充てられるという。

画像クレジット:Plotlogic

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルMac Studioの内蔵SSD、ユーザーによる自力交換をソフトウェア的にブロックか

アップルMac Studioの内蔵SSD、ユーザーによる自力交換をソフトウェア的にブロックか

Luke Miani

Mac Studioの内蔵SSDはハンダ付けされていないため、たやすく取外しや交換ができます。しかし、実はユーザーによる自力交換はソフトウェアによりブロックされていることが判明しました。

3月19日に公開された分解動画では、Mac Studioの内部には2つのSSDスロットがあり、元々のSSDを別のコネクタに(物理的には)挿し直せると実証されていました。

それを受けてテック系YouTuberのLuke Miani氏(Mac Studio発表前に正確な予想画像を公開)は自らのYouTubeチャンネルで、実際にユーザーがSSDを自力でアップグレードできるかどうかを検証しています。

具体的にはMac StudioのSSDを消去して取り外し、もう1つの空スロットに挿し直す、というものです。しかしMacのステータスランプがSOSを示す点滅をするだけで、結局は起動していません。

こうした挙動からは、Mac StudioはSSDを認識しているが、アップルのソフトウェアが起動を妨げており、ユーザーに自力でSSDをアップグレードさせないよう意識的にしていると推測されます。実際アップルは公式サイトで、Mac StudioのSSDは「ユーザーがアクセスできない」として、「より大きな容量に構成することを検討してください」と但し書きしています。

しかしソフトウェアによるブロックとすれば、裏返せばアップルが将来的に解除し、ユーザーが自前でアップグレードできるようにする可能性もあるといえます。

元々Mac Proのストレージもユーザーが交換することは不可能でしたが、その後にアップルはMac Proの内蔵SSDストレージ容量をアップグレードできるキットを発売しています。今後Mac Studioでも、同じような動きがあるのかもしれません。

(Source:Luke Miani(YouTUbe)。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

ダイヤモンドを放熱材とする窒化ガリウム・トランジスターの製作に成功、温度上昇を約3分の1に抑え特性を改善

ダイヤモンドを放熱材とする窒化ガリウム・トランジスターの製作に成功、温度上昇を大幅に抑え特性を改善大阪市立大学は3月18日、ダイヤモンドと窒化ガリウム(GaN)の直接接合技術を活かして、ダイヤモンドをベースとした窒化ガリウム・トランジスターの製作に成功したと発表した。次世代トランジスターの素材として期待される窒化ガリウムに高い放熱性を持たせることで、レーダーやインバーターなどの高出力、大電力用途に使用範囲が広がると期待される。

次世代トランジスターとされる窒化ガリウムを材料としたトランジスターは、従来のシリコン(Si)ベースのトランジスターに比べて高周波で駆動し、高出力に対応できる利点があるため携帯電話の基地局などで使われているが、大量の熱を発生することにより性能が制限されてしまう欠点がある。現在、放熱性に優れたダイヤモンドに窒化ガリウムを接合し熱問題に対処する技術が方々で研究されているが、トランジスター製作後にダイヤモンドと接合する方式のため、大面積化が困難という弱点がある。

大阪市立大学大学院工学研究科の梁剣波准教授、重川直輝教授は、東北大学金属材料研究所 大野裕特任准教授、永井 康介教授、物質・材料研究機構(NIMS) 清水康雄博士、エア・ウォーター 川村啓介博士らからなる共同研究グループで、窒化ガリウムとダイヤモンドを接合してからトランジスターを作る技術を開発した。同研究グループは、2021年9月に窒化ガリウムとダイヤモンドの直接接合に成功し、摂氏1000度の熱処理に耐えることを実証していたが、今回はその技術を使って、ダイヤモンドに接合した窒化ガリウムを摂氏800度で熱処理し、放熱性に優れたトランジスターを製作した。

(a)(b)窒化ガリウムとダイヤモンドを接合させた試料。(c)ダイヤモンド上に作られた窒化ガリウム・トランジスターの光学顕微鏡写真。(d)ゲート電極断面の走査型電子顕微鏡像

まずはシリコン基板上に堆積させた窒化ガリウム層と炭化ケイ素バッファ層をシリコンから分離し、表面活性化接合法(真空中でアルゴン原子ビームを照射し試料同士を密着させて荷重をかける方法)でダイヤモンドに接合させた。摂氏800度の熱処理などの工程を経た後に、それを使ってトランジスターを製作。高品質な炭化ケイ素バッファ層により、トランジスターに加工した後も膜剥がれは起こらず、良好な接合が実現した。

確認のため、シリコン基板上に作られたまったく同じ窒化ガリウム・トランジスターと特性を比較したところ、同じ電力を投入したときの温度上昇は、ダイヤモンドはシリコンの約1/3であり、それによりトランジスター特性が改善することが実証された。

窒化ガリウムとダイヤモンドを接合した後にトランジスターを作る方式なので大面積化が可能になり、集積化した際の放熱特性が改善される。そのため、レーダーやインバーターなどの高出力、大電力の用途に利用範囲が拡大するとのことだ。「本研究の成果が早期に実用化され、窒化ガリウム素子、集積回路の放熱性向上、SDGs達成につながることを期待します」と梁准教授は話している。

【レビュー】Mac Studio、すてきでパワフルで値段も高い、Macのデスクトップに求めるものがほとんど揃う

先週のイベントで行われた発表は、そのほとんどが事前に噂されていたものだった。しかし、多くの消費者向けハードウェアが変わりばえのしないものになったこの時代に、Apple(アップル)は驚きを与えることに成功した。イベントの発表の中で明かされたMac Studio(マック・スタジオ)は、大きな変化球ではなく、Appleがパーソナルコンピューター戦略を進化させ続けていることを示すサインだった。最初のAppleコンピューターの登場から半世紀近くが経過したが、このカテゴリーにはまだ寿命が残っている。

ほんの数年前なら、その言葉に自信を持てなかったと思う。Macはまさに「中年」の危機を迎えていたのだ。iPhoneが、Appleの象徴という意味でも売上シェアでもトップに躍り出て、iPadがその残りを吸収していたのだ。イノベーションという観点からは、macOSはモバイル版の残り物を再利用しているようにしか見えなかった。

一方、ハードウェアの面では、かつて同社の基盤の重要な部分を形成していたプロフェッショナル向けクリエイティブ分野を放棄し、MicrosoftのSurfaceシリーズのような製品が花開く余地を残したように見えていた。一時はTouch Barの追加で再び盛り上がりを見せようとしたが、結局Appleもまぼろしに見切りをつけ、その奇妙な実験を静かに終了させた。

数年前のMacは、訴訟沙汰にもなったキーボードの不良や、ポート不足に悩まされていた。後者をAppleの合理化のせいにすることは簡単だが、だからといって失望は抑えられなかった。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、2020年に再びパラダイムシフトが起こった。この変化をもたらしたのはやはり、iPhoneの研究開発の直接的な成果だった。しかし、今回は新しいiOSアプリが追加されたわけではない。この間に、AppleはiPhoneのチップを自社開発へと移行し、Macのハードウェアを飛躍的に向上させたのだ。同社はこれまで、可能な限り単独で物事を進めたがってきたが、自社で主要な半導体(Appleシリコン)を開発したことで、その機会が大きく広がった。

Appleがその半導体をMacにも使うのは時間の問題だった。同社はM1チップを発表し、同時に、MacBook Air、MacBook Pro、Mac Miniの3つの新しいMacを発表してパンデミックの最初の年を終えた。Macは復活した──少なくとも性能の面では──というのがほぼ一致した評価だった。家のリフォームやウェブサイトのリニューアルをしたことがある人ならわかると思うが、解体には時間がかかるものだ。M1のデビュー戦は古い車体に新しいエンジンを搭載したようなものに思えた。

2021年5月、アップルは新しい24インチiMacを発表した。このときは新しい半導体(M1)を新しいデザインの筐体に搭載し、約10年半ぶりにオールインワンマシンを根本的に作り直した。こんなことは1度か2度あるかないかだ。私は、ハードウェアのデバイスを指して「cute(かわいい)」という形容詞を行うことはない。「かわいい」はウサギと赤ん坊のためにある形容詞だ。だが2021年のiMacも「かわいい」のだ。かわいくて、しかも力強い。1年以上、デスクトップを日々の手足として使っているが(以前ほど自宅から出なくなった)、M1の限界を超えたと感じた瞬間は一度もなかった。

画像クレジット:Brian Heater

24インチの画面領域で十分ならば、ほとんどのユーザーには、特に私のようにスペースに制約のあるユーザーには、iMacを心からお勧めできる。個人的な唯一の問題点は黄色にしたことだ。

しかし、あえていうなら、新しいMacの誕生は2021年10月だったのだ。私の話を聞いて欲しい。そのとき発表された最新のMacBook Proは単に新しいハードウェアだっただけではなく、ハードウェアに対する新しいアプローチを提示していた。Appleは、自社のデザイン決定に一心不乱に取り組むあまり、その過程で世論の反発を招くことがしばしばあると言っても、あまり驚かれはしないだろう。iPhone SEに関するDevin記者の熱のこもったエッセイを読めば、私が何を言いたいかわかるはずだ。愛着のある機能を失うこと、それは時には進歩の名の下に、時には美学のために行われるが、いつもおおごとなのだ。

2021年のMacBook Proは、いつもと違う感じがした。それが明らかになったとき、活気のないスタッフの間にそれなりの興奮が巻き起こった。何年も我慢を重ねてきたあとで発表された、新しいM1 ProとMaxチップを搭載したMacは妥協のないものだと感じられた。最近のMacのリリースで散見されてきたような不安要素はなく、Macユーザーにも勧めやすい製品だった。

では、Mac Studioはこの中でどこに位置するのだろうか?一見したときよりも、少々込み入った話になる。1つは、上にも書いたように、この製品の登場が意外だったことだ。先週の時点では、デスクトップは27インチiMacが確実視されていた。すなわち2021年のオールインワンをステップアップさせ、iMac Proの穴を埋めるような製品だ。今にして思えば、それはAppleがM1ロードマップを練り上げ、Mac Proのゆらぎを正している間のつなぎだ。

画像クレジット:Brian Heater

27インチiMacは出るのだろうか?おそらくはノーだ。報告によれば、それはすぐに起こりそうもなく、率直にいってMac Studioと重なる部分が多すぎるものだろう。2021年のモデルでは、iMacはAppleのエントリーレベルのデスクトップとしての正当な位置に事実上返り咲いた(非常に強力なマシンだがM1によって全体の水準が上がってしまったのだ)。そのカラーリングは、iPodやiPhone Miniのような製品の伝統を受け継ぐものであることは間違いない。

画像クレジット:Brian Heater

価格設定も、一見したところでは少々複雑だ。現在、M1 Mac Miniは699ドル(日本では税込7万9800円)から、iMac M1は1299ドル(税込15万4800円)からとなっている。一方、Mac Studioは1999ドル(税込24万9800円)からで、事実上2つの製品を合わせた価格だ。だが、もう少し複雑なのは、この中3つの中ではディスプレイを内蔵しているのはiMacだけだという点だ。要するに、お金を節約したい、あるいはすでに完璧なスクリーンを持っているのであれば、必ずしもApple製のディスプレイを使う必要はないということだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

もちろん、このレビューのためには、Appleから送られてきたStudio Display(スタジオ・ディスプレイ)を使っている。これでさらに1599ドル(税込19万9800円)が追加され、開始価格は約3600ドル(税込44万9600円)になる。本当のお金の話はこれからだ。テストした機種はM1 Max搭載だ。32コアのGPU、64GBのRAM、1TBのストレージを搭載し、価格は2799ドル(税込33万7800円)である。M1 Ultraが欲しい?その場合は3999ドル(税込49万9800円)からとなり、7999ドル(税込93万9800円)までとなる。しかし、このような価格帯では、議論しているのは全Macユーザーの0.1%(実際の数字ではない)以下のニーズということになる。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

予想通り、GeekBenchでは2021年のM1 Max Proと遜色ない性能を発揮している。Appleシリコン版テストでは、MacBook Proの1781/12674に対してStudioは1790/12851、Intel版テストではMacBook Proの1348/9949に対してStudioは1337/9975というスコアだった。GFXBench Metalテストでも、MacBookの279.6に対して307と差をつけている。残念ながらUltraチップは入手することができなかったが、それでも結果は非常にすばらしいものだった。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

さらに印象的だったのは、Intelモデル上では非常にリソースを消費するような作業を、Studioではファンをそれほど回すこともなく、触っても暖かくなることもなく実行できたことだ。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

先週のイベントで「最後に1つ」とMac Proを予告したAppleが、これからどこへ行こうとしているのか、気になるところだ。M2チップだろうか?おそらくは。とはいえ、ピクサー映画をフルにレンダリングしたり、本当にハイエンドなVRコンテンツを開発したりする必要のある人はあまりいないだろう。もちろん、そういう人はいるし、これからどんどん増えていくだろう。そして、ノートパソコン以上に、これらのデバイスを将来にわたって使えるようにすることが重要なのだ。3000ドル(約35万6000円)もするデスクトップなら、しばらくは使い続けたいものだ。

新しいMacBook Proと同様に、Mac miniよりもトレードオフは少ない。まず、一番大事なのはポートだ。ポートは重要だ。あなたの機器を他の機器につなげることができる。Studioは、前面にUSB-Cポートを2つとSDリーダーを備えている。特に後者は、頻繁に取り扱うものなので、前面に出しておくと便利だ。裏側には、さらにUSB-Cが4つ、USB-Aが2つ(iMacにはなくなって残念なもの)、Ethernet、ヘッドホン端子、HDMI出力(ただし、入力は不可)がある。Studio Displayを加えると、さらに4ポートのUSB-Cが手に入る。

画像クレジット:Brian Heater

Studio本体以上に、Studio DisplayはAppleのラインアップにある重要な穴を埋めるものだ。思い出して欲しいのだが、Appleは、5000ドル(約60万円)のPro Display XDRが登場するまでしばらくの間、自社製のディスプレイ提供から完全に撤退していた。Mac ProやM1 Ultraと同様、Pro Display XDRはほとんどの人が必要としているものをはるかに上回っているモニターだ。もしあなたがApple製のモニターを手に入れたいと考えているなら、27インチの5K Retina Apple Studioディスプレイはほとんどの人にとって十分なモニターだ。さらに300ドル(税込4万3000円)を足せば、反射防止コーティングとNano-textureガラスを採用し、映り込みが劇的に低減される。これはプロユーザーにもノンプロユーザーにもうれしい仕様だ。

iMac 2021のマイクテスト

Mac Studio 2022(Studio DIsplay)のマイクテスト

マイクの品質は良好で、Appleは「スタジオ品質」と位置づけているものの、ウェブ会議以上のことをするつもりなら、前述のポートのいずれかに外部マイクを接続することをお勧めする。とりわけ、よりタイトに入り込むことができる余裕が生まれるだろう。スピーカーのサウンドは最新のiMacよりも充実しているが、これは広くて厚いフレームのおかげで、下向きに音を出すグリルの表面積を広げることができるからだ。

左上から時計回りに:iMac 2020、iMac 2021、外付けウェブカメラOpal C1、Mac Studio(Studio DIsplay)

AVの観点から見て、一番残念なのは、間違いなくウェブカメラだ。センターフレームは追従性が良いが、最近のM1搭載Macと比べると驚くほど映像画質が落ちている。ホワイトバランスが崩れ、画像ノイズが多くなっている。最初は、誤ってそのままにしてあった保護フィルムをはがせばよいかと思ったが無駄だった。その結果が上の画像だ。1599ドル(税込19万9800円)以上のモニターとしては、かなりがっかりだ。

M1のISP(画像信号プロセッサー)に注力し、カメラそのものをアップデートしたので、新しいMacでは外付けのウェブカメラは必要ないとAppleが最近主張していることが、この状況をさらに悪化させている。上の画像を見れば、その意味は明らかだろう。少なくとも今のところ、仕事のインタビューやポッドキャストでは外付けカメラを使い続けるだろう(同じような照明条件で撮影しているが、Opalはデフォルトで画像を反転させることに注意して欲しい)。修正版が出たら、喜んで再挑戦する。

画像クレジット:Apple

カメラモジュールは事実上、新しいiPadに搭載されているものと同じなので、システムアップデートで修正されるのを期待したい。このようなシステムのチューニングは、ソフトウェア側で行われる場合が多いからだ。Matthew記者もStudioをしばらく使っていて、近々公開されるハードウェアに関する大きな記事の一部として、Studioについて説明する予定だ。その一部を引用する。

私たちが行ったテストでは、Studio Displayのカメラは、ローカルでもリモートでも、粒子が粗く、コントラストが低く、全体的に貧弱な画像を生成した。目の前の画像は、現時点では、2021年型24インチiMacのカメラが出力する画像よりも悪い。

ウェブカメラを初めて起動したときに、すぐに品質の問題に気づいた。他のデバイスともつないで確認したところ、MacOS 12.2を搭載したMacBook Proで使った場合、すばらしいとまではいえないものの、若干良くなることに気がついた。こうした違いがあることから、何らかの処理ミスがあるのではと推測している。私はAppleに、この結果が典型的なものであるかどうかを尋ね、サンプル画像とビデオを送った。検討の結果、Appleの広報担当者からは、システムが期待どおりの動作をしていないことと、カメラの性能に対応するためのアップデートを行うことが伝えられた。

それらのアップデートのタイムラインや具体的な内容はわからないが、AppleはStudio Displayのカメラ画質に問題があることを認識しており、修正に取り組んでいるとのことだった。このことは、購入の判断材料として知っておいて損はないし、アップデートで品質が向上するかどうかを確認できるまで待つ理由にもなる。

現時点では、ディスプレイ本体やインモニターオーディオの新基準を打ち立てたスピーカーの優れた性能に並ぶことはできない。

画像クレジット:Apple

Appleが「修理する権利」に関心を持ち始め、サステナビリティへの関心を広げている中で、ユーザー修理性は機会を逸したように思える。ケースを持ち上げて内側からファンを掃除したり、パーツを交換したりすることができれば、多くのユーザーにとってうれしい方向に向かうと思われる。しかし、Appleはその点については、まだコミットメントの準備が整っていない。必要が生じた場合には、ユーザーはApple正規代理店に持ち込む必要がありそうだ。つまり、おそらくWWDCで登場するだろうMac Proでは、モジュール性とアップグレード性が大きな差別化要因になる可能性が高いということだ。

画像クレジット:Brian Heater

iMacと同様に、Studioもデスクトップに置いて見栄えがする。背の高いMac Miniという形容が最も近いデザインで、Mini同様に丸みを帯びたコーナーとブラッシュドアルミニウムが特徴だ。最高にデザインされたMacと同じように、それはインダストリアルでありながら、冷たくはなく、同じアルミニウム製スタンドの上に置かれたStudio Displayの隣に置けば印象的だ。高さを調節できるスタンドオプション(2299ドル、税込4万4000円)や、縦長に傾けられるVesta Mountアダプターもある。少なくとも1人のTechCrunch編集者は、2台目のTweetdeck(ツイートデック)用モニターとして、これを欲しがると思う。

また、最大5台のモニター(USB-C経由で4台、HDMI経由で1台の4K)に対応し、その点でも大いに期待できる。今、Macに5台のスクリーンを接続する習慣がなくても事態はすぐに進展するものだ。テストしているStudioは、2799ドル(税込33万7800円)の構成だ。これに1899ドル(税込24万2800円)のディスプレイ(Nano-textureガラス版)を加えると、4700ドル程度(税込58万600円)になる。これに、Touch IDと数字パッドを備えた新しい黒いキーボード(税込2万800円)に、マウス / トラックパッド(99ドル[税込1万800円] / 149ドル[税込1万5800円])を追加すると良いだろう。気の弱い人や財布の薄い人には向かないマシンだ。

前回試用したIntel搭載27インチiMacより数百ドル(数万円)高く、単体のPro Display XDRとほぼ同じ価格だ。まあすべては相対的だよね?

Appleは、在宅勤務の推進に乗り遅れたことを反省しているに違いない。もし、新しいiMacとMac Studioが2020年の初めか半ばに発売されていたら、同社は大儲けしていたことだろう。しかし、それでも多くの人がオフィスに戻る日は来ないかもしれない。多くのユーザーはやはりiMacを選ぶだろう。しかし、映像や音楽など、リソースを大量に消費するクリエイティブな編集を行い、より大きな予算を持っているなら、これはすばらしいマシンだ。Mac Proは現時点では最後のクエスチョンマークだが、新しいStudioはほとんどの購入希望者にとって十分なマシンだ。

Read more about the Apple March 2022 event on TechCrunch

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:sako)