GoogleがマップとYouTube、そしてアシスタント向けにプライバシー強化機能を追加

Google(グーグル)は米国時間10月2日、消費者向けのいくつかのプライバシー機能を新たに発表した。対象となるのは、Googleマップ、YouTube、Googleアシスタントなどの特に使用頻度の高いアプリだ。これらの機能は、そうしたサービスを利用するユーザーからGoogleが収集するデータを、ユーザー自身がコントロールし、自ら管理して削除もできるようにするためのもの。場合よっては、そもそもGoogleがデータを収集できないように設定することもできる。

Googleマップでは、以前からChromeブラウザーに搭載され、その後YouTubeでも利用可能となったシークレットモードが使えるようになった。

基本的な考え方としては、特定の場所を検索したり、町をぶらついたりするとき、Googleにマップの利用状況を追跡されたくないこともあるだろう、という状況に対応するもの。

マップで追跡されることをオプトアウトしたくなる理由には、いろいろ考えられる。例えば、パーソナライズされたお勧め情報を関係ないデータで乱したくないという場合もあるだろう。あるいは、自分のすべての検索と、正確な位置情報を、1つの会社がずっと追跡しているのは、あまりに不気味で気に入らない、という人もいる。

マップアプリで、プロフィール写真をタップすると表示されるメニューから、シークレットモードを有効にできる。この機能は今月にはAndroidでリリースされ、その後iOSでも利用可能となる。

一方YouTubeアプリには、YouTubeの履歴を自動削除する機能を提供する。これによりユーザーは、YouTubeの履歴を保持しておく期間を、たとえば3カ月、あるいは18カ月のように設定可能となる。その期間を超えた履歴は、自動的に削除される。ユーザーが、特定の履歴を選んで手動で削除することも可能だ。

そしてGoogleは、ついにGoogleアシスタントでのプライバシー問題にも取り組んでいる。

「オーケーグーグル、どうやって私のデータを安全に保存してくれるの?」と言って、詳しいことを尋ねてみてもいいかもしれない。しかしほとんどの消費者が、このようなコマンドを実際に口に出すとは考えにくい。

それよりも、音声コマンドを使ってアシスタントのアクティビティを削除できる新機能の方が役に立つ。今後数週間のうちにも追加されるはず。

たとえば、「オーケーグーグル、今言ったことを削除して」とか「オーケーグーグル、先週言ったことは全部削除して」と言うことができる。

1週間より以前に言ったことを削除したい場合、アシスタントはユーザーをアカウント設定ページに移行させるので、そこで実行できる。これはちょっと面倒だが、少なくとも以前よりは少ないステップで実現できるようになった。

ボイスアシスタント機能が収集したデータの扱いについて、最近ちょっとした騒ぎになっていた。そうしたアシスタント機能は、完全には無人化されていないことを、ニュースメディアが消費者に警告したからだ。実際には、録音された音声ファイルを人間がレビューし、アシスタント機能の反応や応答を調整したり、改善したりするために利用していたのだ。

Googleアシスタント、Alexa(アレクサ)、さらにはApple(アップル)のSiriも、この新しい分野におけるプライバシーの保護に注意を払っていなかったことを非難されるに至った。そして3社とも、それぞれ対策を余儀なくされた。

たとえばAmazonは、Alexaの録音を人間がレビューすることを、ユーザー自身がオプトアウトできるようにした。Appleは、Siriの応答グレーディングプログラムを世界中で停止した。これは、将来のソフトウェアアップデートで、プライバシーコントロールの問題に対処できるようになるまでの措置、としている。

Googleによれば、アシスタントのデータを削除するための新たな音声コマンドは、数週間以内に利用可能になるという。まずは今週、英語について使えるようになり、来月には、他のすべての言語でも有効になるとしている。

また別のセキュリティ関連の機能強化として、GoogleはパスワードマネージャにPassword Checkup(パスワード チェックアップ)と呼ばれる新機能を導入することを発表した。ユーザーのパスワードが弱いものだったり、複数のサイトで使い回していたり、あるいは漏洩してしまったことをGoogleが検出した場合に、通知してくれる。

こうした機能は、ほとんどのサードパーティのパスワード管理アプリでは標準的なものであり、それを今Googleが取り込むことにも意味がある。

Password Checkupは、すでにパスワードマネージャを開けば利用できる。今年後半にはChromeに直接組み込まれる予定となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

デジタル遺言のススメ

このような記事を書くことにならなければ、どんなによかったかと思う。でも、最近こういったことを意識せざるを得ない、不幸な状況に遭遇してしまった。この時代における死というものが、複雑で困難な、技術的にもやっかいな状況をもたらすことがあることにも気付かされた。言うまでもなく、遺言は書いておくべきだ。遺志は文書にしておくべきなのだ。しかしほとんどの遺言は、故人の財産の処分方法を指示するものに過ぎない。もしあなたがいなくなったとき、あなたの人生の一面でもある、デジタル世界のものはどうなってしまうのか?

「デジタル遺言」や「デジタル遺産相続」といったものについての優れたガイドは、ネット上にもいろいろある。その中には、FacebookやGoogleのアカウントをどうすべきか、といったことが書かれている。そうしたリンク先にアクセスして、このようなテーマについて詳しく調べておくことをお勧めする。とりわけ、2、3の点については、しっかりと意識しておく価値があると思われる。

1つは、こうした用途にも、LastPassや、1Passwordといったパスワードマネージャの利用が有効であるということ。まず、それによって、あなたが利用しているオンラインアカウントの一覧がすぐに分かる。またそうしたサービスは、リカバリ機能を内蔵しているので、あなたの遺族や相続人に後を託すことができる。私が個人的に利用しているLastPassは、実際に「パスワードのデジタル遺言を準備する」ための詳細なガイドを用意している。1Passwordの場合には、この目的で利用するためのサードパーティによるガイドが存在している。

もう1つは、2段階認証の問題だ。もしも、事故に遭って、スマホやYubiKeyなども破壊してしまったとしたらどうだろう? あるいは、相続人がスマホのパスコードを解除できない場合にはどうなるのだろう? そうした状況に対しては、2FAバックアップコードを作成して、パスワードマネージャーの緊急リカバリキットに追加しておくのが有効だ。

技術的なレベルが高い人ほど、デジタル的な後処理は複雑なものになる。ほとんどの人にとって、問題となるのは電子メール、ソーシャルメディア、写真くらいのもの。しかし、技術的な仕事をしている人、特にデベロッパーなら、状況はもっとずっと複雑だ。まず、独自のドメインを持っているか? あなたの相続人は、そのドメインについて、さらにそれを登録したのがどこなのか知っているか?その相続人は、技術に明るいか? そうでない場合、彼らが状況を把握する前に、ドメインの有効期限が切れてしまうことも考えられる。あなたは、AWSやGCP、あるいはDigital Ocean上で実行しているサービスを所有しているか? もしくは、プライベートのGitHubリポジトリを持っているか? あるいは無視できないほどの数のスター、フォーク、イシュー、そしてWikiページを伴ったパブリックなリポジトリを持っているか? また、Slackのワークスペースを管理しているか?

上に挙げたようなことに心当たりがあるのなら、独立した「技術的遺言執行人」を指名した方がいいだろう。そうしたことをどう処理すべきか、執行人に指示を預けておくのだ。技術に詳しくない人は、仮にそうしたものにアクセスできたとしても、指示の意味を理解できないだろう。事前のわずかな準備が、あなたが遺したものを処理しなければならない人の仕事を、大幅にやりやすくすることがあるものだ。

最後に、あなたが個人的に保有しているかもしれない暗号通貨はどうだろう? 一般的に、暗号通貨のウォレットには、何らかのリカバリシードが付属している。あなたは、それをどこかの貸金庫に保管しているだろうか? あなたの相続人は、その貸金庫について知っているだろうか? もしあなたが、相続人にビットコインを引き継いでもらいたいなら、それについて知らせておかなければならない。もちろん、これにはセキュリティ上の代償もある。相続の対象となる金額によって、どれくらい用心すればいいのか、という程度も変わってくるだろう。

まとめておく。デジタル遺言について、さらによく調べ、実際に作成しておこう。どれかのパスワードマネージャーを利用しよう。それは、あなたのオンラインアカウントの明細としても機能する。そして、相続人が緊急用のリカバリキーにアクセスできるようにしておこう。相続人には、2FAバックアップコードも渡しておこう。もしあれば、暗号通貨のウォレットのリカバリシードについても知らせておく。また必要に応じて、技術的な遺言執行者を指名する。そして、これは非常に重要なことだが、何人かの信頼できる人に、あなたがしたことをすべて確実に知らせておこう。そうしておかないと、あまり意味がないのだ。

場合によっては、何らかのハードウェアの消失や災害に遭遇し、このような対策を取っていたことに自ら感謝したいような気になることもあるだろう。そういうことがなかったとしても、あなたの相続人は、間違いなくあなたに感謝するはずだ。私たちは誰も、突然何の前触れもなく、自分がこの世からいなくなってしまうとは考えていない。しかし私は、はっきりと言っておきたい。私が最近経験した残酷な現実からも分かるように、そうしたことは起こるのだ。準備は怠らないように。

画像クレジット:パブリックドメインライセンスによるWikimedia Commons

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(翻訳:Fumihiko Shibata)