ユーザーの貯蓄を促すファイナンスアプリのAlbertが250万ドルを調達

screen-shot-2016-11-23-at-10-20-31-am

貯蓄口座にお金を預けたり、支出を記録したり、借金を減らしたり、公共料金を節約したり、うまく投資をしたりと、誰でも個人の財政状態を改善するための基本的な方法を知っているはずだ。しかし本当に難しいのは、このような知識を今すぐ実践できるようなアクションへと変換することだ。Albertというアプリがその問題を解決しようとしている。最近行われたシードラウンドで250万ドルの資金を調達したAlbertのアプリを使えば、ユーザーは簡単に収支をトラックできると共に、ひとりひとりに合った財政上のアドバイスを受けることができる。

Bessemer Ventures PartnersやCFSI(Center for Financial Services Innovation)、500 Startups、500 Fintechなどが参加した前述のラウンドが開催されたのは、今年の夏にアプリがローンチされてからすぐのことだった。

Albertは、金融サービス業界での勤務経験を持ち、大学時代の友人同士であるYinon RavidとAndrzej Baraniakによって共同設立された。

thealbertapp

若いモバイルユーザーをメインのターゲットとしているAlbertは、Simpleのようなモバイルバンキングアプリではない。このアプリは、例えるならばMintのように、銀行口座やクレジットカード、不動産、ローン、投資のように、各サービスに散らばったファイナンスに関するデータを一か所に集めるサービスを提供している。

しかし、Mintのようなサービスと違って、Albertはユーザーに対して財政上のアドバイスを行い、ユーザーの行動に変化を起こすことにフォーカスしていると共に、日頃の収支を追うためのサポートも行っている。

そして、実際にユーザーに行動を起こさせるため、Albertは少々強引にアドバイスを行うようにつくられている。

アドバイスの一例として、Albertはユーザーに貯蓄口座を作るように勧めることがある。

「20~40歳の人のほとんどが貯蓄をしておらず、実は彼らの過去3ヶ月間の支出は同じ期間の収入を上回っているんです。そのため、私たちからの最初のアドバイスのひとつは、緊急時のために少しずつでも貯金をするということです」とRavidは説明する。

その後Albertは、実際に貯蓄を作るために、ユーザーの銀行口座からAlbert Savingsへ自動送金を設定するサポートを行う。なおAlbert Savingsとは、アプリ上に存在する、FDIC(連邦預金保険公社)によって保護された貯蓄口座のことを指している。

自動送金は、貯蓄アプリのDigitやQapital、投資アプリのStash InvestやAcornsといった、もっと広い意味でのフィンテックサービスでも採用されている機能で、Albertはそのほかにも、Level MoneyやProsper Dailyのような、ユーザーの財政状態を俯瞰するための機能も備えている。さらに、ユーザーが自分でお金の管理をするためのパーソナルアドバイスサービスは、Albert以外にもLearnVestが提供している。

しかしAlbertは、このような複数の機能を一か所にまとめることで、ユーザーの心をつかもうとしているのだ。

貯蓄以外についても、Albertは、クレジットカード上の負債を支払うために利率の低いローンの借入を促したり、自動車保険の料金を下げるために保険会社の変更を勧めたり、投資を提案したりと、さまざまなアドバイスをしてくれる。

  1. albertappfinancialhealth

  2. albertapphome

  3. thealbertapp

上記のようなアドバイスをするために、Albertは外部企業と提携しており、そこがこのサービスのマネタイズのポイントでもある。Albertは、ローン見積もりを行う金融業者や、投資に関するアドバイスを行うBetterment、保険見積もりを行うCoverHoundと協力し、彼らから受け取る紹介料を収入源としているのだ。そのため、ユーザーは無料でAlbertのサービスを利用することができる。

これはつまり、ユーザーへのアドバイスに関し、Albertは手間がかかる箇所の大部分をアウトソースしていることになるが、そのおかげでアドバイスの公平さが保たれているとRavidは話す。

「ユーザーにアドバスをして、彼らの財政状態を改善する上で、私たちがとても重要だと考えていることのひとつが、オススメするサービスから一定の距離を保って客観的であり続けるということです」と彼は語る。

アドバイス以外にも、当座貸越の費用が発生したときや、公共料金の支払期限が近づいたときなど、Albertはユーザーのお金に関する重要な情報を通知する機能も備えている。その他にも、Albertには、支出や請求書、収入などを確認するためのツールなど、ユーザーがAlbertのアドバイスにもとづいてアクションをとった後も、継続的にアプリを利用するきっかけになるような機能が搭載されている。

Ravidは、Albertアプリのユーザー数については明かさなかったが、現在iTunes App Storeのファイナンスカテゴリーで、同アプリは84位にランクインしており、Appleも最近Albertアプリを人気アプリとして取り上げている。またRavidによれば、Albertがトラックしている情報量は増加傾向にあり、現時点では5000万件以上の決済情報を追っている。

ロサンゼルスを拠点とし、4人のメンバーで構成されているAlbertは、Android版のリリースを待たずして、最近iOSアプリのバージョン2.0をリリースした。同アプリはApp Storeから無料でダウンロードできる。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

あなたの節約を実現するために、個人向けファイナンスボットTrimが220万ドルを調達

unnamed

これまでUberに毎月いくら払っているか気にしたことはあるだろうか?新しくリリースされた Trim charbot答をSMSで教えてくれる。

Trim は各種のサブスクリプションを管理する手助けもするし、支出のアラートを設定したり、銀行の残高のチェックもしてくれるのだ。しかしアプリは提供されていない。ただボットを介してのみSMSやFacebookに連動することができるのだ。

「モバイルバンキングアプリでできることのうち、お金を動かすこと以外はTrimを使って行うことができますよ」と語るのはCEO兼共同創業者のThomas Smythだ。彼は仲間のエール卒業生Daniel Petkevichと一緒にビジネスを設立し、サンフランシスコに拠点を置いた。

アシュトンカッチャーはこのコンセプトを信用し、Sound Venturesを通して彼らの220万ドルの資金調達ラウンドに参加している。ラウンドはEniac Venturesが主導していて、Version One VenturesとCore Innovation Capitalも一緒に参加している。

Trim

Trim

「私は平均的なアメリカ人家族のために熱意を持って資産管理を提唱し、状況に変化をもたらそうとするThomasとDanielのようなチームの支援が大好きなのです」と語ったのはEniacのジェネラルパートナーであるTim Youngだ。

Trimは7か月前に開始されたが、当初は不要なサブスクリプションを特定してキャンセルすることに焦点を当てていた。チームは、これまでTrimの利用者たちは600万ドルの節約をできただろうと見積もっている。

今回より多くの機能を追加して、Smythは彼らのサービスがバンキングアプリだけではなく、個人ファイナンスアプリの代わりにもなることを期待している。彼は「人はメッセージング・インターフェースを使うのが好き」という信念を持っているからだ。

このサービスは無料だが、Smythは最終的にはプレミアム機能に課金することによって収益を上げるつもりだと語った。

Facebookがchatbotsを立ち上げて以来、わずか数ヶ月しか経っていないが、 多くの企業は、それがヒットするかどうかを見るためにコンセプトを色々試しているところだ。顧客サービスからニュースダイジェストまで、利用者はロボットとのコミュニケーションを介してAIによって裏打ちされた応答を得ることができる。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)