Bitmovinは高品質ビデオストリーミングをアダプティブ・ストリーミング技術で可能にする

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世の人々が仮想現実(VR)ビデオの気違い染みた可能性、8Kレゾリューション、3D立体視やライトフィールド対応映像など、について話している端で、私ときたらスマホでLouis C.K.のビデオクリップをスムーズに再生しようと四苦八苦しているのだから、全く奇妙なものだ。

VRが成功するためには、企業はストリーミングの高品質化に伴なう様々な問題を解決していく必要があるだろう。

Bitmovinはアダプティブ・ストリーミングというテクノロジーを使い、こういった問題の幾つかを解決しようとしている。そのテクノロジーとは、ユーザーの使用している端末とインターネット接続様式に合わせて動的にビデオの品質を調節しようというものだ。同社によれば、そのテクノロジーを使えば動画のエンコーディングが100倍高速化し、現在市場に存在するどんなものよりも高品質のサービスを供給可能だと言う。

Bitmovinのテクノロジーの中心は、異なったVRのヘッドセット間で見られる光学的な性質の不一致に関連した問題を解決することだ。例えるならば、普通のHDディスプレーのついたスマホのVRヘッドセットにとんでもなく高精度の画像を配信することは意味がない。高度なVRテクノロジーが更に進歩するにつれ、このミスマッチの幅はどんどん広がって行くと考えられる。

「今年度はOculusを始めHTCやソニーなどのVRヘッドセット、更にはOrah、GiropticやNokiaのOzoなどからは360度カメラが次々と市場に投入されました」と、BitmovinのCEOであるStefan Ledererは言った。「どの様にビデオを制作し鑑賞するかという点で大きな変化が起こっているのです」

Bitmovinは競争相手に先んじてこのチャンスをものにしようと目論んでいる。同社はAtomicoのリードにより、シリーズAで1300万ドルを調達した。Ledererはこの資金を使い、Bitmovinのアダプティブ・ストリーミングをVRなどの新しいメディアに対応させるべく、その開発を加速させる予定だ。

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同社はすでに幾つかのVRのビッグネームに対してサービスの供給を開始しているが、現在同社が最も注力しているのはどちらかといえばより伝統的なビデオ配信ビジネスの方で、それは同社の設立者が極めて豊富な経験を持っている分野である。

Bitmovinの共同設立者はMPEG-DASHストリーミングのスタンダードを打ち立てた人物であり、それはNetflixやYouTubeなどの配信を支えており、アメリカのインターネット・トラフィックにおいてピーク時の50%にも達するものだ。BitmovinのHTML5プレーヤーは様々なプラットフォーム上でMPEG-DASHやHLSフォーマットのビデオを再生することができる。そのプラットフォームはデスクトップのウェブやスマホ、Smart TVやVRヘッドセットなど多岐に渡る。

「消費者はどこにいてもどんなデバイスにおいてもビデオに対し高い品質を期待するようになりました」と、Atomico社長のTeddie Wardiは言った。「消費者はビデオの再生が滞ったり画像が飛ぶといったことに対してますます敏感になってきていますが、Bitmovinはそういった問題を解決します」

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(翻訳:Tsubouchi)