ICC KYOTO 2019スタートアップ・カタパルトの優勝は保険適用の夜間診察クリニックのファストドクター

優勝はファストドクター(YouTubeのLIVE中継をキャプチャ)

9月2日~5日かけて京都で開催されているICCサミット KYOTO 2019。9月3日にはスタートアップ企業のピッチイベント「スタートアップ・カタパルト」が開催された。

ICC(Industry Co-Creation)サミットは、B Dash CampIVS(Infinity Ventures Summit)などと同様に、ベンチャーキャピタルや投資家、大企業に向けての重要な露出の機会となるスタートアップの祭典だ。ICCサミットは毎年2回開催されており、2019年は2月18日~21日の福岡に続き、京都は2回目となる。

ICCサミット KYOTO 2019のスタートアップ・カタパルトの本戦出場を決めたスタートアップ企業は以下の15社だ。最終審査で、6位はシルタス、5位はLinc’well、4位はRevComm、2位は2社あり、データグリッドとガラパゴス、1位はファストドクターという順位となった。

RevComm

2017年7月設立。AI搭載型クラウドIP電話「MiiTel」(ミーテル)のサービスを提供する。5月に開始されたB Dash Camp 2019 Spring in Sapporoのピッチコンテスト「Pitch Arena」で優勝を勝ち取ったスタートアップだ。

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With The World

2018年4月設立。モニター通信授業による少人数のディスカッションや交換留学によって、社会問題について世界の学生たちと解決策を提案・実施する機会を創り、次世代のリーダーを育成するサービスを提供する。

ファミワン

2015年6月設立。LINEを利用した妊活コンシェルジュサービス「ファミワン」を提供。チェックシートへ回答することで、必要なアドバイスを受けられるのが特徴。妊活の専門家に病院選びを相談することもできる(初回無料)。

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エナジード

2012年10月設立。中高生向けの学習教材「ENAGEED」を開発・提供。現在、同志社中学校や東京都立高島高等学校などの学校や学習塾で100校以上で実際に使われている。国内だけでなく、フィリピン・ガーナ・ボリビアでも展開。そのほか、企業向け人材育成ツール「ENAGEED for Biz」の開発も手がけている。

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オリジナルライフ

2015年4月設立。結婚準備の情報を集めたポータルサイト「WeddingNews」を運営。結婚式に向けたメイクやネイル、スタイリンのほか、ウェルカムボードや席札のデザイン、人気のウェディングケーキなど結婚式にまつわるさまざまな情報を集約。キャンペーンやクーポンなどのお得情報も掲載する。

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Elaly

2018年5月設立。家具の月額レンタルサービス「AirRoom」を運営。約20ブランドが販売する500〜600品目の家具を月額定額で利用できるサービス。ユーザーはそれらの家具を月額500円から借りることができ、1カ月単位で自由に家具の入れ替えられる。高い料金のものでも月額5000円程度で家具を使うことができる。

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データグリッド

2017年7月設立。GANと呼ばれる技術を活用した「アイドル生成AI」「全身モデル自動生成AI」などを開発・運営。アイドル生成AIでは、実在のアイドルの顔画像を学習させることによって、架空のアイドルの顔画像を自動生成するサービスで注目された。全身モデル自動生成AIの場合は、実在しない人物の全身画像を自動生成可能なので、アパレルや広告などの業界で活用が期待される。

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シルタス

2016年11月設立。スーパーのポイントカードを登録するだけで、購入した食材などの栄養素を解析してくれるサービス「SIRU+」(シルタス)を提供。をリリース。神戸市内のスーパーでの実証実験を経て、今年7月からはダイエーの都内2店舗でもサービスが試験導入されている。

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Linc’well

2018年4月設立。クリニック向けのSaaSを開発・運営。患者の体験向上、およびクリニックの経営管理効率化のためのサービスで、ウェブやLINEを使った診察予約、 事前のウェブ・iPad問診、決済などの機能を備える。電子カルテとの連携なども可能だ。患者・消費者向けオンラインプラットフォームや院内オペレーションを最適化するためのサービスも提供している。

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YACYBER

2015年6月設立。近くの農園や直売所を探せるメディア「YACYBER」を運営。位置情報を利用して、現在位置から10km以内の野菜の直売所を見つけ出せる。同社は、食育やレシピなどの情報を集めたメディア「やさコレ」も立ち上げている。

Eco-Pork

2017年11月設立。モバイル養豚経営支援システム「Porker」を開発・販売。スマートフォンなどのモバイル端末を用いて農場現場で発生するさまざまなデータを現場で入力することで、繁殖や肥育の状況把握から経営分析までを可能にするシステム。2018年9月から提供を開始しており、2019年3月現在で全国20農家、母豚規模で3万5000頭ぶんの農場で稼働中とのこと。同社はTechCrunch Japanが2018年11月に開催した「TechCrunch Tokyo 2018」のピッチイベント「スタートアップバトル」のファイナリストだ。

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ファストドクター

2016年7月設立。夜間・休日に特化した救急往診を手配できるサービス「ファストドクター」を運営。保険適用可能で提携医療機関の医師がユーザーの自宅まで出向いて診察してくれる。対応エリアは東京23区。料金は、成人3割負担の場合で診察料が4950円~、往診にかかる交通費は実費(1000円程度)となる。往診可能時間は、月~金曜は19時~翌6時、土曜は18時~翌6時、日曜は朝6時~翌朝6時。

ギバーテイクオール

2017年2月設立。住宅・不動産業界向けのサービスを開発・運営。2018年2月に、LINEを使って住宅アドバイザーに家づくりについて相談できるサービス「auka」(アウカ)事業を立ち上げ。aukaでは、工務店の選定や住宅ローンを含む資金計画などもサポートしてくれる。

ガラパゴス

2009年3月設立。デザイナー向けAI「AIR Design」を開発・運営。AIを活用することで高品質なクリエイティブが短期間で制作でき、A/Bテスト実施を前提として計画からレポーティングまでワンストップで提供できる。

Tsunagu.AI

2017年4月設立。ウェブサイト開発プロセスをAI化して開発効率を高める「FRONT-END.AI」のクローズドベータ版をリリース。FRONT-END.AIは、複数のディープラーニングのモデルを独自に結合し、フロントエンド開発に特化した学習を行ったAIサービス。ページ全体のデザインカンプとウェブ用素材をアップロードするだけで、HTMLの構造および、デザイン要素の分析・自動でコーディングが可能。

エムスリー出身のファミワン、無料診断と生活習慣のサポートで“妊活”を支援する「FLIPP」をローンチ

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妊娠に向けた活動を指す「妊活」。これを支援すべく立ち上がったスタートアップがファミワンだ。同社の調査によると、妊活を開始する平均年齢は28.1歳、平均期間は19カ月、平均費用は59万円だそう。妊活は大きく分けて(1)タイミング法(排卵日予測)、(2)人工授精、(3)体外受精の3つがある。(1)、(2)に関しては保険が適用されるが、より確度の高い(3)は保険適用外で1回30〜50万円かかるそう。期間的にも経済的にも負担は小さくなく、まだまだ「負」が存在する領域なのだという。

そんな負を解消すべく、ファミワンは7月25日、妊娠のパーソナルサポートサービス「FLIPP(フリップ:Fertility Life Improvement – Personal Program)」ベータ版の提供を開始した。

FLIPPはオンラインでの無料妊娠力診断とその改善サポートを組み合わせたサービス。妊娠力診断では、食事・運動・夫婦関係・ストレス・習慣の5つのカテゴリーの質問を元に、妊娠を望む家族向けに、10段階評価での「妊娠力」を診断する。診断内容は聖路加国際大学 不妊症看護認定看護師教育課程の専任教員である川元美里氏が監修する。改善サポートでは、サプリメント、書籍、自然食品、メールによるパーソナルサポート、妊活後のサポート(出産後のお祝い金5万円)の計5点を月額9800円(3点6800円)で提供する。

FLIPPでの支援内容

FLIPPの支援内容

「妊活で苦しむ人をゼロにしたい。年間200万組が妊娠を希望していると言われているが、では実際に何をすればいいか、誰に聞けばいいかという不安を抱える人は多い。そんな人の道しるべになるようなサービスにしたい」——ファミワン代表取締役の石川勇介氏はこう語る。

石川氏は医療従事者向けの情報サイトなどを展開するエムスリーの新規事業開発部門の出身。自らの家庭でも妊活に苦労した経験から2015年6月にファミワンを創業した。同年11月より試験的に妊活支援サービスをリリース。サービス自体はうまく回らなかったが、2016年3月にはその一部を切り出す形で無料のQ&Aコミュニティ「famione」をローンチ。さらに妊活支援のオウンドメディア「famit」をローンチしたのち、FLIPPの提供に至った。

同社は現在、エンジェル投資家からシードマネーを調達しており、サービスの進捗を見て、今秋をめどにも資金調達を検討する。3年後に課金ユーザー5万組を目指す。また今後は、FLIPPで得た妊活のデータをもとに、妊活ついての研究も進めるとしている。「妊活のプラットフォームを作っていきたい。現在はヒアリング1つとっても難しい領域だが、生活習慣のデータが集まることで、まだ解き明かされていない点も多い妊活を科学的にひもといていけるのではないか。もちろん医療行為はできないが、リスク提示や『こういうことをやってみればいい』ということは伝えていきたい」(石川氏)。なおファミワンは7月15日〜16日にかけて開催されたIncubate Camp 9thに参加している。