新型コロナで増えるバーチャルワークアウト、フィットネスインストラクター向けサービスMoxieが約6.9億円調達

新型コロナウイルスの影響で地球上の人々が屋内でワークアウトをするようになり、家庭用フィットネス市場がブームになっている。2020年10月には、設立3年目のFuture(フューチャー)がシリーズBラウンドで2400万ドル(約26億3000万円)を調達、パーソナルトレーナー向けストリーミングサービスのPlaybook(プレイブック)はシリーズAラウンドで930万ドル(約1億200万円)を調達した。新たにこの市場に参入したMoxie(モキシー)は、フィットネスインストラクターが、ライブや録画でクラスを配信できるプラットフォームだ。ライセンスを受けた音楽プレイリストにアクセスしたり、CRMや支払い用のツールを活用することもできる。クラスの受講価格は5~25ドル(約550〜2700円)で、さまざまなサブスクリプションやパッケージが提供されている。

Moxieは米国時間4月8日、Resolute Ventures(リゾルト・ベンチャーズ)が主導した「シード+」ラウンドで、630万ドル(約6億9100万円)の資金を調達したと発表。この投資ラウンドには、Bessemer Ventures(ベッセマー・ベンチャーズ)、Greycroft Ventures(グレイクロフト・ベンチャーズ)、Gokul Rajaram(ゴクル・ラジャラム)氏などの投資家も参加した。2020年10月に行われた210万ドル(約2億3000万円)のシードラウンドと合わせて、Moxieは合計840万ドル(約9億2100万円)の資金を調達したことになる。

今回の資金を使って、Moxieはユーザーと講師をつなぐ新しいツールや、受講前のクラスのプレビュー機能などを導入し、Moxieの厳選された人気クラスにおけるユーザー体験の最適化を計画している。

Moxieは、新型コロナウイルスが流行した時代に、その利便性から同社が「指数関数的な成長」を遂げたと主張する。2021年3月には8000クラスが完了し、100万クラス分 / 月を超えたという。Moxieの独立したインストラクターは、自分でスケジュールや価格を設定し、プラットフォームで得た収益の85%を確保することができる。

同社はStride Health(ストライド・ヘルス)との提携により、インストラクターに健康保険、歯科・眼科プラン、生命保険などを提供するヘルスケア特典「Moxie Benefits(モキシー・ベネフィット)」の導入も予定している。

また、同社が計画している「Moxie Teams(モキシー・チームズ)」は、Uber(ウーバー)のドライバーがチームを結成するのと同じように、インストラクターのグループがプラットフォーム上で小さなビジネスを行うことを可能にする。

Moxieの創設者でCEOのJason Goldberg(ジェイソン・ゴールドバーグ)氏は、声明の中で次のように述べている。「Moxieは、パンデミックの際にジムやスタジオから追い出され、突然起業家となってバーチャルフィットネスという新たなフロンティアを開拓しなければならなくなった何千人もの独立したフィットネスインストラクターとともに誕生しました。現在はオンラインフィットネスが人々の生活に広く浸透しており、Moxieの成長はこのような消費者行動の変化が持続力を持つことを証明しています。Moxieのユーザーの89%は、その利便性からバーチャルワークアウトを、新型コロナウイルス収束後も継続するつもりであることがわかっています」。

Resolute Venturesのパートナーであり、共同設立者であるRaanan Bar-Cohen(ラーナン・バーコーエン)氏は、次のように述べている。「我々の投資理論は、常に今日の問題を解決する起業精神に溢れた創業者を見極めることにあります。Moxieには、ジェイソンという経験豊富な経営者がいて、インストラクターや消費者がオンラインフィットネスへの移行で経験した問題を解決する製品があり、継続的な成功のための明確なロードマップを持っていると、我々は考えています」。

ではなぜ、Moxieは新しいバーチャルワークアウトの文化に定着することができたのだろうか?ゴールドバーグ氏によると、それにはさまざまな要因があるという。

まず、MoxieがVODアプリやPeloton(ペロトン)とも決定的に異なるのが、インタラクティブなグループフィットネスのクラスをライブで提供するという、2面性のあるフィットネスマーケットプレイスであるということだ。さらに、Pelotonのように「スター」として選ばれるのを待つのではなく、Moxieではどんなインストラクターでも教えることができる。なぜなら、クラスの90%はライブのグループフィットネスのクラスであり、これらはパーソナルトレーニングではなく、ヨガスタジオやHIIT(高強度インターバルトレーニング)クラスの代わりとなっている。ゴールドバーグ氏によると、多くのトップインストラクターがこのプラットフォームで6桁ドル(数千万円)の収入を得ているという。

確かにMoxieは、ジムが閉鎖されている間に、バーチャルクラスを簡単に行うことができるという事実をうまく利用してきた。だが、新型コロナウイルス収束後も彼らは残ってくれるだろうか?おそらく、多くの人が、ジムに足を運ぶよりも便利で、実際に対面するクラスに参加するよりも敷居が高くないことに気づくだろう。加えてユーザーは、テレビのチャンネルを切り替えるように、簡単にクラスを変更することができるのだ。

ゴールドバーグ氏は、メールで次のように語っている「新型コロナウイルスにより、誰もが初めてバーチャルフィットネスに挑戦せざるを得なくなりました。それでどうなったでしょう?人々は、オフラインのジムに行くよりも便利で、よりつながりが感じられると思うようになりました。それでどうなったでしょう?Peloton以外を選ぶ人が増えたのです」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:フィットネス新型コロナウイルスMoxie資金調達オンラインレッスン

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

注目している2021年の「意外な買収」

2020年の終わりに私は、パンデミック後も価値を失わないために、EdTech(教育テクノロジー)はもっと野心的になるべきだと書いた。ファウンダーたちには講演体験を積むことを考えるよりも、時代遅れなシステムや方法を、新しいITベースのソリューションで置き換えることに力を入れるよう促した。言い換えれば、魅力あるコンテンツを画面に出すだけでなく、画面がどう映り、何を追跡し、何を提供するか革新を起こす必要がある。

2021年に入って数カ月が過ぎ、EdTechスタートアップのイグジット環境では、まさしくそれが起きているように思える。パンデミック下で数十億、数百億ドル(数千億、数兆円)の評価額をつけられていたスタートアップたちが、新たな人材を集め、提供サービスの拡大に努めている。

コーディングのプロになろうとする人たちをブートキャンプ(トレーニングの場)と繋げるプラットフォーム、Career KarmaのファウンダーであるRuben Harris(ルーベン・ハリス)氏は、彼が同僚たちとパンデミックがブートキャンプ市場に与えた影響について話したことをまとめた長大なレポートを公開した

レポートの著者であるJames Gallagher(ジェームズ・ギャラガー)氏は、次のように私に言った。

まず指摘しておくべきなのは、ブートキャンプの可能性はまだフルに発揮されていないということです。たとえば訓練を受ける機会を得られない人々がテック分野で新たなキャリアを積むためのゲートウェイとして、テクノロジーセールスなどのニッチなサービスの試みが登場しています。こういうモデルを大きくするために、新しい会社はベンチャーキャピタルを必要としています。

同氏はさらに、2020年の注目すべき買収として、EdTechのK12がコーディングブートキャンプのGalvanizeを獲得したことを挙げた。「これによってK12は、企業教育やコーディング・ブートキャンプというこれまでと異なる市場に露出される機会を得ました」。

私はこのレポートから2つの兆候を読み取った。ブートキャンプにとっての利害関係者は他のブートキャンプだけではなく(まだそれもあるが)、驚くような提携関係によること。もう1つ、ゲーミングブラットフォームのRoboloxがEdTechのために言語学習ツールを買ったり、フラッシュカードで知られるスタートアップがITチューター・サービスを買うなど、クリエイティブな買収が見られたことだ。

ここまでで読者は、私が「意外な買収」(nonobvious acquisition)を気に入っていることに気づいただろう(なかなかま止まらないこともあるが)。というわけで、EdTechの買収情報を知っている人は、私にSignalまたはTwitterのDMで知らせて欲しい。

関連記事:TikTok買収はマイクロソフトを押しのけオラクル勝利との報道

まとめればこういうことだ。成功するスタートアップのファウンダーは、生来の野心家であり、困難なチャンスを見つけ、自分たちに勝算があると他人を説得する。しかし、野心とはなにかを決める天井はほぼ毎日高くなる。かつて勝利だったものが今や無価値になり、功績が功績であるのはライバルが同じ節目に到達するまでの間だけだ。

買収は、ライバルを手に入れ相乗効果のある人材を引き入れる1つの方法だが、最も重要なのはその次に何が起きるかだ。

本稿はこの後、Clubhouseの競合について、 社内の実験がどうやってフィットネステックの最速成長企業になったのか、および公開市場の冷え込みについて書く。

Clubhouseは数十億ドルの企業価値を生んでも、そこから何も得られないかもしれない

誰もがこぞって「ストーリーズ」について噂していたことを覚えているだろうか?パンデミックのずっと前だ。話題のアプリが消費者はオーディオが大好きだということを発見した後、いくつもの会社が独自のClubhouseを作る計画を発表した。

ここが大切:現時点でClubhouseクローンを作っていないのは誰かの予想を始めるのは簡単だ。我々の予言はすでに始まっているが、冗談はさておき、このクローンブームの高まりは、Clubhouseが収益化以前に資金調達しなくてはならないことを意味するかもしれない(Twitter Spacesが……)。重要な明察の鍵を最初に開けたのがどこのスタートアップなのかは問題ではない。問題はその重要な明察を一番うまく実行したのが誰か、である。

関連記事:
フェイスブックがClubhouseクローンのライブ音声SNS機能を開発中
DiscordがClubhouseのような音声イベント用チャンネルの提供を開始
LinkedInもClubhouse類似機能を開発中
好きな時に楽しめる非同期型音声会話ソーシャルネットワークアプリ「Swell」
Slackはテキストベース以上のプラットフォームになろうとしている、オーディオとビデオ機能追加を検討
Twitterの音声ソーシャルネットワーク機能「Spaces」がClubhouseより先にAndroidで利用可能に
SpotifyもClubhouseに負けじとライブオーディオに参入

画像クレジット:Getty Images

フィットネスの高いユニコーン

フィットネステックのスタートアップ、Tonalが先に新たな資金調達を完了してユニコーンになった。

ここが大切:この新たなステータスは、自宅フィットネスソリューション市場の成長ぶりを如実に表している。そしてTonalのS-1(上場申請書類)はまだないが、我々はTonalのEC-1は持っている。EC-1とはTechCrunchバージョンのS-1であり、企業の奥深い分析である。

画像クレジット:Nigel Sussman

I P … O no

みなさんは、CompassとDeliverooとKalturaよりはよい1週間を過ごしたと思う。3社は公開市場で起こりうるそれぞれの問題を経験した。

何が起きたのか:CompassはIPO株数を減らし価格を下げた。デリバリー会社Deliverooの公開市場デビューは厳しいものとなった。そして期待どおりの評価を得られなかったKalturaはIPOを延期した

その他のニュース:Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

Photo Taken In Arizona, United States

先週のTechCrunch
「ゼロトラストモデル」のおかげでスタートアップ企業もパスワードレスに
米国のiPhoneユーザーは2020年に平均1万5200円をアプリに支出
ポケモンGOのNianticジョン・ハンケ氏がARメガネ画像をちら見せ、AR OSの責任者募集
ザ・ウィークエンドがNFTオークションで未発表曲とアート作品販売を予告

カテゴリー:その他
タグ:教育Clubhouseフィットネス

画像クレジット:alashi / Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

センサーの追加なしでフィットネスバイクのケイデンスを測定するシステムのMotosumoが6.5億円を調達しPelotonに戦いを挑む

デンマークを拠点とするMotosumo(モトスモ)は、ロンドンのMagenta Partnersが主導し、従来の投資家が参加したシリーズAラウンドで600万ドル(約6億5000万円)を調達した。同社はこの資金で、ヨーロッパ、北米、アジア、オーストラリアでネットワークを組むスピンクラスのインストラクターを倍増し、技術部門とマーケティンングの強化を行う。

2015年に創設されたこのフィットテックスタートアップは、センサーを追加することなくフィットネスバイクのケイデンスを測定するシステムを開発した。ユーザーは、自分のスマートフォンやタブレットをフィットネスバイクに取り付けるだけで、運動の状態をリアルタイムでモニターできるようになる。Peloton(ペロトン)のような高価なネット接続式のフィットネスバイクを買う必要はない。屋根裏部屋で埃を被っている昔のフィットネスバイクを引っ張り出して、ストラップでスマホを縛り付けてペダルを漕ぐだけだ。

同スタートアップは、これまでどちらかというとB2Bに軸足を置き、リアルタイムのトラッキングでフィットネスの質の向上を図りたいと望むスピンクラスのインストラクターやジムに、ソフトウェアを販売してきた。だが今は、B2C事業にも乗り出した。新型コロナのパンデミックで人々がなかなかジムに通えない状況が続く中、家庭向けフィットネス事業にチャンスを見いだそうという考えだ。

「私たちはこのほど、B2C向け製品(Motosumo)の提供を開始しました」と、CEOのKresten Juel Jensen(クリステン・ジュエル・イエンセン)氏はTechCrunchに話した。「B2B製品(Momentum)には2万5000件を超えるユーザー数があり、2020年はダウンロード数が10万を超えました。そのB2CバージョンであるMotosumoのローンチにともない、私たちはユーザーをアクティブメンバーに導くための先行投資も行っています」。

「B2Cマーケティングは始まったばかりですが、初期メンバーのパフォーマンスはこの数カ月間で、セッションの平均的な評価は5を満点として4.9と非常に好調です。Motosumoのユーザーベースは、今後急速に伸びていくと期待しています」。

Motosumoは、モバイルベースのサイクリングトレーニングアプリに、ケイデンス、スピード、距離、カロリー消費量を測定する数量化技術を採り入れている。また、インタラクティブな3Dゲーム、チームチャレンジ、国際的なリーダーボードでモチベーションを高めてくれる。

「私たち独自の運動テクノロジーがあって初めて、Motosumoは実現しました。フィットネスバイクを持っているすべての人たちを、リーダーボードに名前が載るように、競争に参加するように、そしてインストラクターからの指導を受けるように鼓舞します」とジェンセン氏。「スマートフォンやタブレットに内蔵された加速度センサーとジャイロスコープを利用し、ケイデンス(1分あたりの回転数)、カロリー消費量、距離といった標準的なサイクリングの成績指標を計算します。専用ハードウェアやバイクのセンサーや心拍モニターなどには一切依存しません。

「これらのセンサーも、ユーザーが望む場合は接続して付加的なデータを取得することが可能ですが、なくても問題ありません。センサーなど備えていない20年前のフィットネスバイクでも、私たちのコミュニティのレースに参加してリーダーボードを駆け上ることが可能です。Motosumoのアルゴリズムは独自のもので、機械学習ループでトレーニングしています。現在の精度を出せるまでに数年かかりました。そこはバイク内蔵のセンサーと変わりません。これが新規競合他社を寄せつけない大きな砦となります」。

Motosumoはプラットフォームに独自のトラッキング技術を採り入れ、国際的なフィットネスインストラクターのネットワークが主催する一連のスピンクラスを生配信している。そのコンテンツに無制限アクセスできるコースの月額利用料は13ドル(約1400円)。Pelotonよりも安い。

そのフィットテックが(比較的)安価であることの他に、同社は他社のサービスとの差別化要素として、インタラクティブ性を挙げている。クラスの生配信では遅延ゼロを謳い、インストラクターは本当の意味でリアルタイムのフィードバックを送ることができる。現在同プラットフォームでは5人のコーチが指導を行っているが、ジェンセン氏によれば、6週間以内にさらに5人が増員されるという。

「Motosumoのライブフィットネス体験は、他社と大きく異なります」と彼は主張する。「ライブ体験によって、コーチたちは個人に合わせたワークアウトを指導できるようになり、ユーザーのコミュニティへの帰属意識が増し、体験のインタラクティブ性がさらに高まります」。

「Motosumoは、毎週40本以上のライブワークアウトを提供していますが、新しいコーチが加わりメンバーが増えれば、それに応じて増やしていきます。他社のプラットフォームは、ライブ配信と言っても、その多くは15〜60分のバッファーストリームです。私たちは不断の努力によって遅延を0.5秒にまで縮めました。これは、インストラクターが数字や絵文字や、いろいろなシチュエーションにその場でリアクションするという、実際にスタジオにいるような体験を提供するための投資です。ワークアウト1周年のお祝いを贈るといったことばかりではありません。それは私たちが使命としている、あらゆる面で本当にスタジオにいるようなライブ体験です」。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Motosumoフィットネス資金調達

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(文:Natasha Lomas、翻訳:金井哲夫)

高齢者向けフィットネスプログラムのBoldがシードラウンドで約7.4億円を調達

コロナ禍でバーチャル健康&ウェルネスプラットフォームの人気が高まる中、ある新しいスタートアップが高齢者に特化した取り組みを始めている。デジタル健康&ウェルネスサービスのBoldは、加齢にともなう健康の問題を防ぐために、パーソナライズされたエクササイズプログラムを無料で提供する計画だ。Boldを創業したのはAmanda Rees(アマンダ・リース)氏とHari Arul(ハリ・アルル)氏で、同社は2月第1週にシリコンバレーを拠点とするAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のJulie Yoo(ジュリー・ユー)氏が主導するシードラウンドで700万ドル(約7億4000万円)を調達した。

リー氏はインタビューで、自分の祖母が転倒したりしないように介助していたときにBoldを思いついたと語った。「転倒などの問題が起きるのをただ待つのではなく、長く健康でいるにはどうすればいいかをずっと考えていました」という同氏は、ダンスとヨガを学んだ自身の経験を生かしてBoldを始め、祖母がこの先転倒することのないようバランスを維持する訓練をサポートした。「高齢者向けに間口を広げ、利用しやすいソリューションを構築しようと情熱を注いできました」。

使い方はわかりやすい。ユーザーはウェブベースのプラットフォームでフィットネスに関する簡単な情報を入力し、目標と現在の状況を伝える。その情報をもとにBoldはプログラムをパーソナライズする。プログラムは週に1回座ったままでできる太極拳のクラスから、毎週数回実施する有酸素運動と筋トレのクラスまで幅広い。リー氏は「メンバーの現在の状況にぴったり合うクラスから始め、そこからこのプログラムを通じて短期間で効果が出るエクササイズに進んでいきます」と説明する。

現在、高齢者の医療費の増加が懸念され、現在と将来の両方の世代のために医療費をいかに削減するかが注目されている。転倒は医学的には必ずしも複雑な事故ではないが、骨折などの重傷につながる危険がある。Boldの転倒予防アプローチは、転倒を検知したときに救急に発信するネックレスやブレスレット型のモニタ機器よりも積極的なソリューションだ。バーチャルプログラムを提供すれば、リスクのある高齢者がジムで新型コロナウイルス(COVID-19)感染の危険にさらされることなくエクササイズをすることができる。

このようなエクササイズが有効だという研究結果がある。単純で強度の低いエクササイズであっても、バランスと筋力が強化され転倒を減らすという。転倒は現在、高齢者のケガと、ケガによる死亡の原因の第1位だ。

ケガを減らせば治療の機会が減り、病院や健康保険会社にとってもコスト削減につながるだろう。そのためBoldはシード資金に加え、メディケアアドバンテージ(訳者注:米連邦政府が運営する高齢者および障がい者のための健康保険がメディケアで、病院保険と医療保険、処方薬プランなどを含む「オールインワン」のプランがメディケアアドバンテージ)を扱う企業やリスク対策企業との連携を開始し、Boldのエクササイズプロブラムをユーザーが無料で利用できるようにする計画を立てている。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Bold資金調達エクササイズ高齢者

画像クレジット:Bold

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(文:Sophie Burkholder、翻訳:Kaori Koyama)

Apple Fitness+にAriPlayでのキャスティング機能追加、ただし消費カロリーなどは表示されず

Time to Walkを導入した1週間後、Apple(アップル)はそのFitness+の機能を拡大することを目的とした、別のソフトウェアアップデートをリリースした。米国時間2月1日にリリースされたベータ版のwatchOS 7.4とiOS 14.5では、AirPlay対応テレビにワークアウトをストリーミングすることが可能となる。ただし、いくつかの注意点がある。

ユーザーはAppleのサブスクリプションベースのフィットネスアプリのオーディオとビデオを、AirPlay 2対応システムにストリーミングできる。たとえばApple TVを持っていない人や、ホテルの互換性のあるテレビでこのサービスを利用したいと考えているユーザーにとって朗報だ(再び気軽に旅行ができるようになることを祈ろう)。

キャスティングされたFitness+の最大の違いは、メトリクスが画面に表示されないことだ。つまり、達成目標のリングや消費カロリー表示などを失うことになる。これらを確認するには、接続されたApple WatchやiPhone、iPadに頼る必要がある。これは世界の終わりではないが、Fitness+体験の重要な部分だ。Appleはエクササイズアプリを成長させながら、自社のハードウェアエコシステムを奨励し続けたいと考えているに違いない。

Fitness+は新型コロナウイルス(COVID-19)によって、多くの人が自宅でのワークアウトを選択し、ジムの会員権を失効させたAppleにとって最適なタイミングで登場した。一方で多数のワクチンが開発される中、ホームワークアウトの需要がどれだけ持続するのかについても疑問がある。

これらのアプリケーションを維持し継続的に成長させていくには、柔軟性が必要になる。先週、AppleにFitness+について話をしたところ、同社は人々が外出先でもアプリを持ち歩くことを想定していると述べた。これはジムでiPadからFitness+のワークアウトをしたり、バッグに入れて旅行中に使ったりすることを意味する。

この機能は現在、新しいwatchOSとiOSの開発者向けバージョンの一部として利用可能であり、最終バージョンがリリースされた時には一般ユーザーでも利用できるようになるはずだ。

関連記事:Apple Fitness+はジムの代わりにはならないが汗を流すには十分

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleApple Fitness+AirPlayフィットネス

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ローイングマシンにゲーム要素を取り入れた「Aviron」がホームフィットネスに参入

2020年の出来事から得た利益が、ホームフィットネスよりも多かったテック分野はあまりない。新型コロナウイルスが世界的に流行した中で、ジムが大きな問題エリアの1つであると指定されたことから、このカテゴリーへの関心は急速に高まった。突然、自宅でのワークアウトは単なる贅沢ではなくなった。

YCの支援を受けるAvironにとって、それは事業の方向転換するには理想的なタイミングだった。トロントを拠点とする同社は、B2B市場向けに、特にホテルやアパートのような人の出入りの多い環境で使用するために、ゲーム要素を採用したローイングマシンを提供していた。まだ従業員10人の小さな企業で、現在までに約75万ドル(約7900万円)を調達している。

突然、同社はPeloton(ペロトン)のような大手テック企業と市場シェアを競い合おうとしていることに気がついた。

もちろんこれまでのところ、Aviron社自身の売上高は、エクササイズバイクの大手よりもかなり地味なものだ。これまで同社は口コミでの販売に頼ってきたが、2020年7月に消費者向けに発売して以来、1000台近くを販売してきている。このローイングマシンは1台2299ドル(約24万円)で販売されているが、オンラインではそれ以下の価格で見つかる。

Aviron は、マシンを製造するためにODMと提携している。静音性に優れたナイロンベルトや100ポンド(約45kg)の自動電磁レジスタンスなど、いくつかの優れた機能をうたっているが、Aivronの主な差別化ポイントはソフトウェア、特に内蔵ディスプレイを介したオンラインゲーム体験だ。サブスクリプションは月額20~30ドル(約2095〜3140円)で、いつでも解約できることを明言している。

創業者兼CEOのAndy Hoang(アンディ・ホアン)氏はTechCrunchの取材に対し、「ローイングは体の筋肉の85%を使います。それにローイングはローインパクトです。多くのメリットがありますが、超退屈で超タフなエクササイズでもあります。それを高強度トレーニングと組み合わせると、誰もやりたがらないようなデスマシーンになってしまいます。それを楽しくエキサイティングにするのに、ビデオゲームを取り入れるより良い方法はあるでしょうか?」。

このシステムには、他の漕ぎ手とのリアルタイム競争を含む、6つの異なるワークアウトのカテゴリがある。初めての人が競技にいきなり飛び込んで怪我をしないように、入門用のワークアウトはいくつか用意されているが、全体的にはPelotonスタイルのクラスは避けている。

「我々のワークアウトは短いものです」とホアン氏はいう。「だいたい10分から15分程度です。それを1、2回やっただけで、最後にはキツくて死にそうになります。Pelotonの方は通常40分から60分で、もう少し強度は低く、抵抗も少ない。そして(向こうは)インストラクターが指導するクラスで、(うちのように)ゾンビには追われません」。

関連記事:CES 2021の人気カテゴリーは「ホームフィットネス」

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Avironフィットネス

画像クレジット:Aviron

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(文:Brian Heater、翻訳:TechCrunch Japan)

超コンパクトな家庭用トレッドミルTreadly 2はアプリでコミュニティとの連携も可能

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行が続く中、自宅でアクティブに過ごすための選択肢がますます重要になっている。Treadly(トレッドリー)はコンパクトで使いやすく、魅力的なスマートコネクテッド機能を備えた家庭用トレッドミルを開発することに注力しているスタートアップだ。同社は最近、第2世代の製品を発表した。この「Treadly 2 」と名づけられた新モデルは、超コンパクトで、ハードウェアの改良により使用者の体重制限も引き上げられ、さらにワークアウト時間を延長する冷却機能も追加されている。

基礎知識

Treadlyのデザインは、おそらくあなたが想像するよりもずっと小さい。ベース部分の高さはわずか9.4cm、重量は35kgだ。デッキ全体の長さは142cmで、幅は63.5cm。可倒式のハンドルは、速いペースでジョギングする際には伸ばすことができ、ウォーキングを行うだけなら畳んでおける。

デッキにはディスプレイが内蔵されており、スピード、総歩数、時間、距離などの主要なデータを白黒でシンプルながら見やすく表示する。手すり部分には手動で操作する各種コントロールが装備されているが、ベーシックモデルでは専用のリモコンで、アップグレード版の「Treadly 2 Pro」ではBluetooth経由でTreadlyアプリ(現在はiOSのみだが、Androidも近日中にリリース予定)を使って操作することもできる。

また、Treadly 2にはBluetoothスピーカーが内蔵されており、スマートフォンを接続して好きなアプリで音楽を再生しながらエクササイズに励むことが可能だ。TreadlyのiOSアプリでは、コミュニティやライブビデオと連携し、繰り返しワークアウトを行うこともできる。ユーザーはグループに参加したり、自分でグループを作ることもでき、他の人が運動している様子を見ながら一緒に運動したり、ユーザー同士が歩数や距離などの課題を出し合える機能も用意されている。

デザインと機能

Treadlyのデザインは前述のとおり非常にコンパクトで、狭いスペースにもフィットするサイズだ。使わないときには、ほとんどのソファの下に収納できるし、縦に置けば壁際やクローゼットの中に片づけることもできる。ミニマルなデザインは魅力的で、そのまま部屋に置いておいても一般的なエクササイズ器具ほど目立たない。

デッキに内蔵されたディスプレイは、コンパクトなサイズを維持しながらも、ホームジム器具に求められるすべてのフィードバックの数値を表示できる。もしこれが可倒式のハンドルバーに装備されていたら、運動中に定期的にチェックするのも簡単になるが、そうすると間違いなくバーを畳んだときに邪魔になる。それに多くの人にとって、統計的な数値が見づらいくらいの方が実はちょうどいいのかもしれない。思ったよりも数字が伸びていかないと、必要以上にワークアウトがきつく感じることがあるからだ。

ベーシックモデルには、有能でコンパクトなリモコンが付属する。ストラップがついているので、トレッドミルを使用している間には腕にかけておけば見失うことはない。Bluetoothスピーカーは期待するほどすばらしい音ではないかもしれないが、運動中に音楽を流すには必要十分といったところだろう。他にスピーカーやイヤホンを用意せずに済む。

画像クレジット:Treadly

実際にTreadly 2を使ってみたところ、確かに走ったり歩いたりする運動は可能だが、いくつか注意点もある。まず、本当の意味でのインドアランニングを期待してはいけない。このサイズのトレッドミルとしては、確かに耐荷重は優れているものの、最高速度は時速8kmほどなので、ほとんどの人にとっては低強度のジョギングにしかならない。ハンドルバーを下げると時速6kmまで落ちる。早歩きするくらいの速度だ。

Treadly 2はコンパクトな製品にもかかわらず、特に新しく改良された冷却システムのおかげで、時速8km以内で使用する分には使用時間に制限がなく、いつまでも走り続けることができる。これはすばらしい特長だ。室内に籠もって座りっぱなしのライフスタイルを改善するためと考えれば、Treadly 2の速度設定は、フィットネス上級者を除くほとんどの人にとって十分だろう。

結論

このTreadly 2は利便性、ソーシャル機能、ガイド付き使用、コネクテッドコントロール、省スペース設計を見事に融合させたコネクテッドトレッドミルで、ベーシックが749ドル(約7万8000円)、プロが849ドル(約8万8000円)と、価格も手頃な範囲に収まっている(すべてニューイヤーセール特別価格)。人気のエクササイズバイク「Peloton(ペロトン)」と同様、ほとんどの人が実際に長期的に使用する可能性が高い。この未曾有の時代の長い冬の間、アクティブに過ごすには最適だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Treadlyエクササイズレビュー

画像クレジット:Treadly

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(翻訳:TechCrunch Japan)

B2Cフィットネスプラットフォーム「Spaces」のTalent Hackが4.9億円調達

世界の人々がジムの外でのワークアウトに適応するのに苦労している中、フィットネスプラットフォームにとって2020年は狂乱の年となった。LululemonによるMirrorの大規模な買収から、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)のような企業が独自のソリューションを立ち上げるまで、エクササイズテクノロジーは流行の中で繁栄してきた。

Talent Hackはジムが多くの人にとって選択肢にならない世界で、フィットネスをもっと身近なものにしようとする成長中の数ある企業の1つだ。ニューヨークを拠点とするスタートアップである同社は独自のフロントエンドやキュレーションされたプラットフォームを作るのではなく、フィットネスインストラクターとスタジオのためのB2Cプラットフォーム「Spaces」を提供する。

今週、同社はGlobal Founders Capitalが主導するシードラウンドで470万ドル(約4億9000万円)を調達したと発表した。同ファンドはMindbody OnlineのRick Stollmeyer(リック・ストールマイヤー)氏、Lucy Deland(ルーシー・デランド)氏、Hannah Bronfman(ハンナ・ブロンフマン)氏、Amanda Freeman(アマンダ・フリーマン)氏、Ellie Burrows(エリー・バローズ)氏、Amy Klein(エイミー・クライン)氏らもラウンドに参加している。

Spacesは2019年1月以来、5万人以上のフィットネス専門職がこのサービスに登録しているものの、比較的知名度の低い状態で運営されている。同社によると、トップのトレーナーは25万ドル(2600万円)を稼いだという。

「私たちは前年比30%増のアットホームフィットネス市場で、個人のウェルネスインストラクターのための真のパートナーであり、個人の代理店を促進する初のフィットネスおよびテクノロジー企業です」と、CEO兼共同創業者のAlexandra Bonetti(アレクサンドラ・ボネッティ)氏はこのニュースに関連したリリースで語っている。「私たちの使命は、フィットネスとウェルネスの専門家が彼らのビジネスを推進し、必要なツールとリソースを提供し最高の仕事に集中できるようにすることです」。

Talent Hackによると、今回のラウンドではマーケティングを強化し、カスタマーエクスペリエンスを改善し、採用を拡大するという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Talent Hack資金調達フィットネス

画像クレジット:Talent Hack

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

セレブがウォーキングをリードしてくれるApple Fitness+の新機能

Apple(アップル)が変化球を投げてきた。Fitness+(フィットネスプラス)アプリのPremierプランがローンチされてから1カ月半ほど経つが、同社はiOSの(そしてリビングルームの)範囲を超えた運動の新次元をもたらすアドオンの提供を開始する。

米国時間1月25日より、Fitness+のサブスクリプション登録者は、著名人のゲストが入れ替わりホストになってウォーキングをリードする「Time to Walk」(タイム・トゥー・ウォーク、歩く時間)が利用できるようになる(訳注:対象地域はアイルランド、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)。

初回の顔ぶれを見てもわかるとおり非常に多様なキャストが登場するこのアドオンは、本日のソフトウェアアップデートで実装される。最初の4人は、おそらく2021年の時点で最も広く愛されている有名人であるカントリーシンガーのDolly Parton(ドリー・パートン)、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズのパワーフォワードだが、スポーツ選手ということですべての人に愛されているとはいい難いDraymond Green(ドレイモンド・グリーン)、ミュージシャンのShawn Mendes(ショーン・メンデス)、ドラマ「Orange Is the New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)」のスターであるUzo Aduba(ウゾ・アドゥバ)だ。

画像クレジット:Apple

最初の4つのエピソードは、Apple Watch Workout(ワークアウト)アプリのアクティビティーカードとして提示される。実際、これらのエピソードは間もなく、アプリのフィードにカードで現れる。今後は、1週間に1つのペースで追加される予定だ。

この体験は、一見した限りでは、実にストレートなものだ。基本的にAppleは、ゲストに実際に歩いてもらいながら録音を行っている。アプリからは音楽が流れ、Apple Watchの小さな画面に画像が映し出される。彼らと一緒に歩いているような、ちょっとした没入感を与える工夫だ(だが、気が散るほどではない)。Apple Musicのプレイリストに曲を保存することもできる。エピソードも、聞き返したいときのために保存しておける。車イスを使っている人には、この機能は「Time to Push(押す時間)」として示される。これは、数年前にAppleがローンチした車イス向けフィットネスのトラッキング機能の上に追加される。

これを利用するためにはApple Fitness+のサブスクリプション登録が必要となる。部分的にApple One Premierプランに深く組み込また機能だからだ。またどちらも、ワークアウトの基本的な構成要素としてMusicなどの他のAppleのサービスと直接リンクされている。

私はよく歩く人間だ。時間と距離が許せば、クルマや公共交通機関は使わずに歩くことにしている。だが2020年は、ワンルームのアパートから外に出るいい訳として、またどこのジムも閉鎖されてしまったので運動する手段として、特にウォーキングが重要になった。率直にいって、パンデミックを生き抜くための大変に重要なファクターだ。

画像クレジット:Apple

歩くとき、私は音楽かポッドキャストを聞く。以前は「歩きながら瞑想」を試したこともあるが、結局その体験は「静かなる内省」を中心としたもので、59番街の橋を渡ってマンハッタンの中心部まで歩こうという気力を奮い立たせてくれるものではなかった。Time to Walkは、ある意味その逆だ。誰かと一緒に歩く擬似体験をさせてくれる。彼らが歩くとき、そこに意識の流れのようなものが伝わってくる。その途中で個人的な話をいろいろ絡ませてくる。もちろんこれは、多くの人、特にクリエイティブな仕事をしている人にとって、ウォーキングは頭を真っ白にするためのツールだという考えに基づいている。

「ウォーキングは世界で最も人気の高い運動であり、自分の体にとって、最も健康的な行動の1つでもあります。ウォーキングには、単に運動するという以上のものもあります。頭を空っぽにできる。問題の解決法を思いつく。新しい視野が開けるなどです」とAppleのJay Blahnik(ジェイ・ブラニク)氏はリリースの中で述べている。「このような困難な時期においても、多くの人に許された活動にウォーキングがあります。Time to Walkは、毎週オリジナルのコンテンツをApple WatchのFitness+にお届けします。ユーザーのみなさんがウォーキングの力を通して体を動かし続けられるよう、非常に多様で、魅力的で、セレブなゲストたちが、インスピレーションとエンターテインメントを提供します」。

以前のFitness+と同じく、この新機能も、世界各地(特に米国)がいまだにパンデミックによるシャットダウンに苦しんでいる今の時期をよく見計らって出されている。毎日、新たな変異種発見のニュースが伝えられ、これまで普通に行ってきたことが、やりにくくなってきている。Time to Walkは、私たちのウォーキングに楽しい仲間を加えてくれる取り組みだ。

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カテゴリー:ハードウェア
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(翻訳:金井哲夫)

スポーツテック領域200サービスをまとめた「スポーツテックカオスマップ2021年.ver」が公開

  1. スポーツテック領域200サービスをまとめた「スポーツテックカオスマップ2021年.ver」が公開

「フィットネスで世界をつなぐ。」をビジョンに、ソーシャルフィットネスアプリ「Aesta」(アエスタ)を手がけるAestaは1月13日、「スポーツテックカオスマップ2021年.ver」と調査レポート(有償)を1月7日に公開したと発表した。

同カオスマップおよび調査レポートでは、国内外スポーツテック領域の200サービスについて、「ウェアラブルデバイス」「栄養管理」「健康管理」「福利厚生」「観戦・放送」「ファンエンゲージメント」「分析」「コンディショニング」「トレーニング」「IoTジム」「エンタメ」に分類。資金調達の動き、独自性、ユーザー数の多さなどを基準に独自目線で選出し、前作である「スポーツテックカオスマップ2020.ver」から半数近く入れ替えを実施したという。

また調査レポートでは、各サービスの特徴、価格、会社概要、資金調達動向の説明に加え、視覚的にサービスがわかる動画やスクリーンショットを添付。主に、同領域で新規事業立ち上げを検討している方やスポーツ・フィットネス業界の方が、戦略立案およびポジショニングの確認のために短時間で多くのスポーツテックサービスを効率よく把握できるように設計しているとした。

スポーツテック領域の注目動向

  • コネクティッドフィットネスの急成長:新型コロナウイルスの影響で諸外国では厳しい外出制限が設けられる中、自宅でフィットネスを行う需要が急増。その中でも、ハードウェアを通じトレーナーやユーザー同士でつながりながらトレーニングを行うサービスが急成長している。数百億円単位の資金調達およびM&Aが複数見受けられた
  • ウェアラブルデバイスのさらなる進化:日本国内においてもスマートウォッチ(腕時計型)の普及率が高まり、ある程度成熟してきた。また、血中酸素濃度を計測できるデバイスや声によってストレスレベルを検知するデバイスなど、機能面で進化が続いている。さらに、これからはスマートグラス(眼鏡型)やスマートリング(指輪型)などの、これから普及が拡大するであろうデバイスも複数出現
  • 新たなスポーツ視聴体験の創出:映像技術およびAIの進化により、スポーツの決定的なシーンの自動検出や、360度の3D映像の生成、インタラクティブなチャットに参加しながら視聴できるプラットフォームなどが出現。eスポーツ領域やエンタメ領域と同時に事業展開できるケースが多いので、スケールしやすい点に特徴がある
  • ソーシャルサービスの重要性:コロナ禍によりリアルでのつながりが極端に減少し、インターネット上でのつながりが今まで以上に重要視された。中国では、フィットネス(ソーシャルフィットネスアプリ)を通じユーザー同士がつながれるサービスが、ユニコーンとなるという事例も登場した
  • フィットネス×エンタメの可能性:身体を動かしながらゲームを進めていくといったサービスが国内外問わず増加。現在は自宅で家庭用ゲーム機を利用するサービスが爆発的に人気を得ており、品切れが続くといった状態が見受けられた。アフターコロナでは、自宅以上の規模で体験できる施設が増える可能性はある

Aestaは、「フィットネスで世界をつなぐ。」をビジョンに2020年8月に法人を設立。ひとりではトレーニングを継続できないという人、自分の身体の現状に不満や不安がある人に向けてソーシャルフィットネスアプリ「Aesta」を開発し、フィットネスジムの垣根を超えた国内最大規模のコミュニティ創出を目指すという。

代表取締役の夏井大輝氏は、12年以上フィットネスジムを利用し続けている背景があり、コロナの影響で厳しい状況が続いているフィットネス業界に貢献できるよう努めている。

Aestaは、トレーニングを通して好きな人・仲間などとつながることで、モチベーションを高めながら成果も実感できる、新しいフィットネスアプリという。2021年春リリース予定で、事前登録限定キャンペーンを展開中だ。

なかなか見えにくいフィットネスの成果をユーザー自身で共有できる場を設けることで、「モチベーションを保てない」「成果を実感できない」という課題を解決するという。スポーツテック領域200サービスをまとめた「スポーツテックカオスマップ2021年.ver」が公開
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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Aestaカオスマップ(用語)フィットネス / エクササイズ(用語)日本(国・地域)

CES 2021の人気カテゴリーは「ホームフィットネス」

2021年初めて、すべてがバーチャルになったCESでは、当然のようにジムもバーチャルだ。過去12カ月で私たちのフィットネスの日課のほとんどが、完全に変わってしまった。私についていうなら、Apple Watchのウォーキングの歩数に2020年3月と4月に大きな谷がある。

フィットネスのスタートアップにとっては、予期せざる追い風だ。2020年6月にLululemonはMirrorを5億ドル(約518億円)で買収する計画を発表し、同社と競合するTonalは年商が7倍になった。12月にApple(アップル)はFitness+をスタートし、そのオンデマンドサービスで世界中のPelotonたちと張り合うつもりだ。

ゲームなどと同様に、フィットネスにもストリーミングサービスの時代が始まったと思わざるをえない。もちろん大きな業界だし、始まった以上は「ノーマル」に戻るとは考えられないが、映画などと違って、ユーザーが同時に複数のサービス登録することは想像しづらい。

これまでのところ、CES 2021においてこの市場に参入してきた最大のビッグネームはおそらくSamsung(サムスン)だろう。このエレクトロニクス大手は、Smart Trainerを発表した。同社がこれまで次々と出してきたフィットネスアプリの一員だ。このシステムはSamsungのSmartTV専用で、ウェブカメラでエクササイズを追跡する。少なくともこの分野において、加速度計と心拍計だけをフィードバックに利用するApple Watchのフィットネストラッキングよりも機能が充実しているようだ。SamsungのSmart Trainerは、AppleのFitness+と同様にトレーナーがエクササイズを指導する。その中にはセレブのJillian Michaels(ジリアン・マイケルズ)氏のワークアウトもある。

フィットネスビデオにおけるもう1つのメジャークラスが、今週デビューしたUltrahumanだ。同社は最近、800万ドル(約8億3000万円)のラウンドを完了した。Fitness+と同じく、同社のバイオトラッキングもApple Watchを利用し、心拍や燃焼カロリーなどを表示する。Ultrahumanによると同社サービスは「上級クラス」のフィットネスだという。

UltrahumanはクロスフィットのチャンピオンKara Saunders(カラ・サンダース)氏や、フィットネスのセレブAmanda Cerny(アマンダ・チェルニー)氏、コーチのJohannes Bartl(ヨハネス・バルトル)氏、アスリートでコーチのKris Gethin(クリス・ゲシン)氏、MindSizeのCEOであるChristian Straka(クリスチャン・ストラカ)氏といったら人気のアスリートやセレブたちと提携している。アプリはiOSとAndroidの両方があり、Apple Watchと統合してメディテーションやワークアウトの効果を測定し改善できる。CalmやHeadspaceなどのセレブ重視のサービスと違いUltrahumanは、テクノロジープラットフォームとして体験の改善と長期的な結果を狙っている。

これらのサービスは、MirrorやPelotonそれにNordicTrackの新製品などと違って、大げさなエクササイズ器具を使わず、誰でも気軽に始められるようになっている(ただしSamsungのサービスは高価な大型テレビが必要)。多くの人がもっとジムに気軽に行くようになれば、このようなサービスへの需要は減るだろが、業界へのある程度の刺激になることは確かだ。

とはいうものの、ホームフィットネスで十分という時代になれば再びジムに行く人は減るだろう。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:フィットネスSamsungUltrahumanCES 2021

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米上院議員クロブシャー氏、アマゾンのフィットネストラッカーHaloについてプライバシー面の懸念を表明

ミネソタ州選出のAmy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員は、Amazon(アマゾン)が新しく発表したフィットネストラッカーのレビューを受け、公開書簡を出している

クロブシャー上院議員は米国保健福祉省のAlex Azar(アレックス・アザー)長官宛に、「最近寄せられる報告から、Halo(ヘイロー)が個人の健康に関する、大変広範囲にわたるプライベートな情報にアクセスできることについて懸念せざるを得ません」と書き送ったのだ。そして、「ヘイローは、市販のコンシューマー向け健康デバイスの中でも前例のない規模の個人情報を収集すると考えられます」と危惧した。

このフィットネストラッカーに対する懸念を表明したのは、同議員が初めてではない。2020年8月のデバイス発表時に、人々が眉をひそめたのは事実だ。しかし、常時オンのマイクや装着者の全身ボディスキャン機能を搭載するこのデバイスに疑問を呈した人々の中で、彼女は製品に対して実際に行動を起こせる立場にある数少ない一人だ。

同議員は、TechCrunch(テッククランチ)とのインタビューの中で「私は今もFitbit(フィットビット)を着けていますよ」と述べた。それからすぐに訂正し、 「あら、今朝は着けるのを忘れていたみたい。 なんてこと。 フィットビットは、ほぼ毎日着けています。しばらく着けない時期があったんですが、2月からは大体ずっと着けています」と語った。

もちろん同議員だけではない。Pew(ピュー)が2020年1月に出したレポートによれば、米国では成人の約5人に1人がスマートウォッチかフィットネストラッカーを普段から装着している。筆者自身も着けているし、読者の中にも少なからずおられるだろう。ヘイローは一線を越えてしまったとする見方もあるかもしれないが、トラッカーにおけるプライバシー侵害の懸念はヘイローに始まったことではない。同議員は、ヘイローが収集するデータの規模が「何らかのルールと規制の必要性を感じさせるものだった」とはいえ、トラッカーの分野において全体的に監視と規制の強化が必要だ、とした。

「規定が必要だと本当に思います」とクロブシャー上院議員は述べる。「保健福祉省に書簡を送るのは、保健領域のデータのプライバシー保護について同省にもっと大きな役割を担ってほしいからですが、健康に関する個人情報が守られるためには、保健福祉省と連邦取引委員会の間で、何らかの規定を策定する必要があります。アマゾン・ヘイロー・バンドはその最たる例にすぎず、同様の問題を抱えるデバイスは他にいくつもあるのです。この点で、州レベルでの規制などはすでにありますから、あと必要なのは合衆国基準です」。

同議員が送った書簡では、アザー長官と保健福祉省に対し、健康データの保護において同省が果たす役割に関する4つの質問が提起されている。アマゾン側の言い分は、大きく次の2点だ。まず、ボディスキャンと会話検出はオプション機能であること、そしてローカルに格納されるこれらのデータに同社が直接アクセスすることはできないという点である。

クロブシャー上院議員が送った書簡について尋ねたところ、アマゾンから次のような回答が返ってきた。

「アマゾン・ヘイロー・バンドに関する質問の件につきましては、クロブシャー上院議員の事務所とやり取りさせていただいているところですが、当製品の設計と製造において、大前提にあるのはプライバシーです。ボディスキャンの『Body』や音声収集の『Tone』は任意選択の機能であって、製品の利用に必須ではありません。また、アマゾンはボディスキャン画像や収集された音声サンプルにアクセスできないようになっています。本サービスのプライバシーに対する取り組みは透明性の高いものであり、詳しくはアマゾン・ヘイロー・バンドのプライバシーホワイトペーパーにてお読みいただけます」。

クロブシャー上院議員は、「(書簡は)特に健康に関する個人情報の保護や、セキュリティとプライバシーの確保を求めているんです」と述べる。「それらすべての手段を講じているとアマゾンが言っているとしても、この分野に関わるすべての企業に対するルール作りは必要です」。

個人の健康情報に関するプライバシー保護が注目を集めるきっかけとなったのは、2019年11月にGoogle(グーグル)が21億ドル(約2100億円)でフィットビットを買収する計画を発表したことだ。その時は、この買収は2020年のどこかの時点で成立するものと思われていた。しかしフタを開けてみれば、その見込みは楽観的すぎたようだ。2020年8月の証券取引委員会への届出の際に、フィットビットは買収の成立が2021年5月にまで延びる可能性を示したのだ。

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックもこの遅延の一因になったと考えられるが、グーグルが直面している最大のハードルは政府の承認だ。Amnesty International(アムネスティ・インターナショナル)をはじめ、多くの団体や個人がこの買収に対する懸念を表明している。欧州連合(EU)は、この買収によって「グーグルが広告の提供と表示のパーソナライズに活用できるデータが、すでに掌握している膨大なデータに加えて、さらに増加するため、グーグルのオンライン広告市場における支配的地位をより強固なものにする恐れがある」と8月に判断した。

この買収に関する調査が行われ、今週ついに欧州委員会は買収へのゴーサインを出したが、これには重大なただし書きが付いている。グーグルに課せられた最大の条件は、フィットビットの健康関連データを10年間はターゲティング広告に利用しないというものだ。また、EUは期間後に、この保護措置をさらに10年間延長する権利を留保している。

クロブシャー上院議員は、プライバシーに関する条件を課すことは必須だと考えていることを述べ、「条件が十分かどうかは、事実に基づいて、米国の規制当局がこの米国で判断すべきだと思います。データサイロを作成することになって良かったです。(……)それと、合併に対する調査を大いに強化することが必要だと思います。合併のタイミングを狙って、反競争的行為として許可を与えないか、条件を課した上で許可するようにすべきなのです」と語った。

独占禁止法違反への監視強化は、同議員にとって重要なプロジェクトになっている。2019年8月には、コネチカット州選出のRichard Blumenthal(リチャード・ブルメンソール)上院議員とともに、独占行為を抑止するための法案を提出しており、新大統領の着任後に法案が通過することを希望しているところだ。

「新たな会期が重要な転機になるでしょう」とクロブシャー上院議員は述べた。「トランプ政権のもとで、これらの重要な問題が取り上げられました。遅かったですが、最終的にはやるべきことをやってくれたのです。ただ、市場の独占に対処するための法律を実際に成立させるほど力を傾ける余裕が、トランプ大統領にはありませんでした。それで、これはバイデン政権と次期司法長官の仕事になると思います」。

とはいえ、テック企業の規模と影響力を有意に抑えるには、買収時点での規制当局の調査を強化するだけでは不十分だ。多くの事案において、その規制ポイントははるか昔に通過してしまっている。

同議員も、「今後の独占的な吸収合併について考えればいい、というものではありません」と述べ、次のように続けた。「すでに起こったことも見直すのです。Facebook(フェイスブック)訴訟はそういうことですし、グーグルの訴訟も、見る角度によってはそういうことです。 他にDoubleClick(ダブルクリック)などの事案もありますが、問題の大部分は、独占力がどのように行使されているか、という点です。過去の吸収合併について訴えられることもありますが(フェイスブックの事案がそうです)、『排除行為』と呼ばれる反競争的な行為について訴えられる可能性もあります」。

フィットビットユーザーの上院議員がインタビューの結びに付け加えたのは、彼女は決してアンチテクノロジー派ではない、ということだった。「イノベーションってすばらしいと思うんです。私もいつも利用しています。まあ、オンライン注文で愉快な体験をしたこともありますよ。今、家には900グラムのメープルヨーグルトが6個もあるんです。冷蔵庫に入れていた小さいパッケージのものと勘違いして、買ってしまいました。 イノベーションはすばらしいものだとは思いますが、競争を許容しても同じようにすばらしいと思います。むしろ、さらに良くなりますよ」。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:プライバシー アマゾン フィットネス

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(翻訳:Dragonfly)

オンラインフィットネス動画の「LEAN BODY」が5.2億円調達、採用・コンテンツなど強化

オンラインフィットネスの「LEAN BODY」が5.2億円調達、採用・コンテンツなど強化

オンラインフィットネス動画配信サービス「LEAN BODY」(リーンボディ)を提供するLEAN BODYは1月12日、第三者割当増資ならびに金融機関からの借り入れにより、総額5.2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、新規引受先のi-nest capital、DBJキャピタル、AGキャピタルの3社、既存株主のYJキャピタル。

調達した資金により、採用強化、コンテンツの拡充、マーケティング、アライアンス拡大への投資を積極的に行う。

2015年12月設立の同社は「世界中の人々に最高の資産(カラダ)を」をミッションに掲げ、オンライフィットネス動画配信サービスLEAN BODYを提供。パソコンまたはスマホひとつで、時間や自宅・旅行先などを問わず、いつでもどこでもフィットネスが行えるとしている。

また、厳選した有名インストラクターを採用し、ヨガ・筋トレ・マッサージ・ストレッチなど400以上のレッスンを展開。ジムに通っているようなレッスンを受け放題という。

2020年は、コンテンツ拡充とサービスの認知に伴う会員数増加に加え、コロナ禍を受けた在宅時間の増加によりオンラインフィットネスの需要が急激に高まり、会員数が昨対比約900%の成長となった。

同社によると、オンラインフィットネスは、日本でもフィットネスにおける選択肢のひとつとして浸透しているという。今後さらにサービスの改善及び展開を加速するために、今回の資金調達に至ったとしている。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達(用語)フィットネス / エクササイズ(用語)LEAN BODY日本(国・地域)

ソフトバンクが375億円のラウンドで中国発のフィットネスアプリKeepに投資、評価額は2082億円に

フィットネスクラスを提供している中国発のアプリ「Keep」は、Peloton(ペロトン)のようなバイクや健康志向のスナックなど、提供するサービスの多様化を続けており、その野心に資金を注ぎ込むために新たな投資家を迎え入れている。

中国時間1月11日、Keepは最近、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが主導する3億6000万ドル(約374億8000万円)のシリーズF資金調達ラウンドを終了したと発表した。このラウンドには、既存の投資家であるGGV Capital、Tencent(テンセント)、5Y Capital、Jeneration Capital、Bertelsmann Asia Investmentsに加え、Hillhouse CapitalとCoatue Managementが参加した。

この最新の資金調達では、設立6年の同社はポストマネー約20億ドル(約2082億円)で評価されていると、関係者がTechCrunchに語った。Keepの広報担当者がTechCrunchに語ったところによれば、同社は現在、株式公開の予定はないという。

Keepは2014年に在宅ワークアウト動画を提供することでスタートし、3年で1億人のユーザーを獲得した。同社によれば現在では、3億人以上のユーザーにサービスを提供しているという。時間をかけて、動画でライブレッスンを行うフィットネスインフルエンサーのエコシステムを育成し、現在ではコースデザイナー、ストリーミングコーチ、動画ストリーミングビジネスに特化した運営スタッフからなるチームを運営している。

同社の主な収益源は、パーソナライズされたサービスを受ける1000万人のユーザーからの会費だという。また、コンシューマー向けの製品ラインも拡大している。例えば昨年同社は、Pelotonのようにビデオ指導ができる、インターネットに接続されたステーショナリーバイクを発表した。また、アパレル、トレッドミル、スマートリストバンドも展開している。

同社は2018年、海外のホームフィットネス市場を狙ってKeepアプリの海外版を発売した。2019年春まではInstagramやFacebook、Twitterなど欧米のソーシャルネットワークに熱心に投稿していた。

Keepによると、今回の資金調達の目的は、中国政府の「国民フィットネス」キャンペーンを背景に、ユーザーへのサービスや商品の改善、フィットネスのプロへのサービス提供など、近年同社が注力してきた取り組みを継続させることにあるという。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドのマネージング・パートナーであるEric Chen(エリック・チェン)氏は、次のように述べている。「中国の人々の所得が増加し、健康意識が高まるにつれ、フィットネスは人々の日常生活に欠かせないものになっていると考えています」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達 フィットネス Softbank Vision Fund

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(翻訳:Nakazato)

ランナー向けSNSアプリを中心にメディア/ECサービスを運営するラントリップが6000万円を調達

ランナー向けSNSアプリを中心にメディア/ECサービスを運営するラントリップが6000万円を調達

ランナー向けSNS「Runtrip」(ラントリップ。Android版iOS版)を中心にメディア「Runtrip Magazine」/ECサービス「Runtrip Store」を展開するラントリップは12月25日、第三者割当増資による6000万円の資金調達を発表した。引受先はFFGベンチャービジネスパートナーズ、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏(HiRAKU)、および既存投資家。累計調達総額は約2億円となった。調達した資金は、サービスのさらなるユーザー体験向上のための機能開発や、事業規模の拡大に向けた人材採用に活用していく。

コロナ禍において、世界中で「健康維持」や「リフレッシュ」などを目的にランニングを始める人が増加。これまで以上に「ココロ」と「カラダ」の健康に対する世の中の意識が向上し、ランニングをはじめスポーツの価値が改めて見直された1年となった。

一方ラントリップによると、ランニングは手軽に始められる反面「継続することが難しい」といった課題を抱えているという。同社はこうした課題を解決し、ひとりでも多くのランナーが楽しく走り続けられるよう「もっと自由に、楽しく走れる世界へ。」というビジョンを掲げてサービスを展開してきた。

2020年は多くのマラソン大会やイベントの中止が相次ぎ、オンライン上でランニングのモチベーションを維持するニーズが増加したことから、同社ランナー専用SNSアプリ「ラントリップ」では、ユーザーがお互いの走行履歴を賞賛する「Nice Run!」が毎月160万回以上送り合われた。また、新規ユーザーの約4割がアプリダウンロード後に運動頻度が向上しているそうだ。

10月提供開始の「オンラインランニングイベント」では、累計約2万9000人が参加する国内最大規模のイベントへと成長。同社ブランドを中心に取り扱うECサイト「Runtrip Store」ではコロナ前の平均売上げの26倍以上の規模に急拡大し、アパレルの観点からもランナーのモチベーション向上に寄与しているとした。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達(用語)新型コロナウイルス(用語)スポーツ(用語)フィットネス / エクササイズ(用語)ラントリップ日本(国・地域)

Quellが3.1億円調達、ゲーム感覚フィットネスが専用ハードウェア版を開発中

家庭用のフィットネスがビデオゲームみたいだったら楽しいな、と思っている人は多いのだろうか。任天堂のリングフィット アドベンチャーのすごい人気を見るかぎり、答はイエスだ。

ロンドンのQuellは、それはこの新しいジャンルの始まりに過ぎないと考えている。そしてそれを証明するためにこの度、300万ドル(約3億1000万円)のシード資金を獲得した。

Quellのゲームの主役は、その「ガントレット」だ。プレイヤーはその装備をはめてゲームをコントロールする。プレイヤーがゲームの世界で叩いたり避けたりすると、ガントレット内蔵のセンサーがそのパンチのスピードや正確さを測定しカスタマイズ可能な抵抗バンドがやりごたえのあるプレイを実現している。

TechCrunchがQuellを紹介したのは8月のことになるが、そのときはY Combinatorの2020年夏季のベストスタートアップ(未訳記事)として紹介している。

今回のシードラウンドの投資家は、Twitchの共同創業者Kevin Lin(ケビン・リン)氏とEmmett Shear(エメット・シアー)氏、AngelListの創業者Naval Ravikant(ナバル・ラヴィカント)氏、WikiHowの創業者Josh Hannah(ジョシュ・ハンナ)氏、TenCent、Khosla Ventures、Heartcore、Social Impact CapitalそしてJamJar Investmentsだ。

Quellの共同創業者であるDoug Stidolph(ダグ・スティドルフ)氏によると、最初の評価額は1000万ドル(約10億4000万円)だったが、ラウンドの最後の頃には1500万ドル(約15億6000万円)に増えた。同社は最近、Kickstaterのキャンペーンも終えており、そこでは3000名近い支援者から米ドル換算で約67万ドル(約7000万円)を集めた。パンデミックが続いているため、禁じられていない国や州でさえジムには行きづらい。そこで、家庭用フィットネスの需要が大きく高まっている。

Quellのハードウェアとゲームは最初はPCやMac、モバイル用だった。つまりゲーム機用はなかった。でもこのようなゲームはテレビの大きな画面が理想的なディスプレイであるため、ゲーム機用を最初に出すべきだったのではないだろうか。同社は、ゲーム機は計画にはあったというが、特殊なハードウェアを用いるゲームであるため、それらの承認を得るのに手間取ったようだ。

Quellは、社内にゲームスタジオを作り、ゲームのための技術開発をデベロッパー向けに行っているImprobableのリードプロデューサーであるPeter Cornelius(ペーター・コルネリウス)氏をGame Production部門のリーダーとして迎えた。Quellの共同創業者Cameron Brookhouse(キャメロン・ブルックハウス)氏によると、その主な目標はプレイヤーがエクササイズをしながら深く没入できるようなゲームを開発することだ。プレイヤーが望むのは、ゲームプレイをしながら、いちいち考えなくてもエクササイズの正しい動きができること。つまり、「はい!ここでジャンピングジャックしましょう!」のような表示が出てはいけない。

Quellによると、上記の新しい体制による最初のハードウェアが登場するのは、2021年の終わりごろだという。現在はプロトタイプをプロダクションに移行させているところで、抵抗感の調節やガントレットの着脱をもっと簡単にしたいという。またセンサーが検出できて、ゲームに利用できるエクササイズの種類を、もっと増やしたいとのことだ。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Quellフィットネス資金調達

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「1日5分」のおうちフィットネスアプリ「zeehaa」のshowcaseが1800万円を資金調達

「1日5分」のおうちフィットネスアプリ「zeehaa」のshowcaseが1800万円を資金調達

showcaseは12月4日、1800万円の資金調達を発表した。引受先は複数の個人投資家。また、1日5分のおうちフィットネスアプリ「zeehaa」(ゼーハー)のiOS版を正式リリースしたと明らかにした。Android版は2020年12月中に公開予定。

zeehaaは、ダイエット、ヨガ、ピラティスなど、「1日5分」に特化したワークアウト動画・フィットネス動画を提供するアプリ。SNS機能により仲間とつながりを持つことで、フィットネスで最重要課題である「継続」へのハードルを圧倒的に下げることが可能としている。

同社は、お金や時間、密な環境など様々な理由でジムに通えない方、コロナ禍においても「フィットネス」「ダイエット」という武器で自分を磨く方を支えたいという。

またアプリ公開当初は、ヨガ・ピラティス・ダイエットの動画コンテンツのみとしているものの、今後瞑想やダンササイズなど、多様なニーズに答えられるようコンテンツを拡充する予定。

「1日5分」のおうちフィットネスアプリ「zeehaa」のshowcaseが1800万円を資金調達

2020年7月設立のshowcaseは、「見えない努力にエールを送る。」ことで、「身体の健康」「心の健康」を届けることを目指すスタートアップ企業。その一環として、素晴らしいフィットネス関連コンテンツを本当に必要としている人に届けるべく、フィットネス領域に特化したプラットフォームの構築を行っている。zeehaaを通じ、フィットネス情報を発信したい人と必要としている人を応援するとしている。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:資金調達(用語)showcaseフィットネス / エクササイズ(用語)日本(国・地域)

コーチングアプリRosita Longevityが高齢者に伝えたい健康長寿の秘訣とは

スタートアップ企業にとって、長寿とは、現代版の錬金術を探求するかのようにバイオテクノロジーやAIなどの技術を実験的に応用する、途方もなく壮大な野望の世界である。究極の目的は、何らかの方法で生態を「ハック」して人間の寿命を大幅に伸ばすこと、そしてできれば死さえも取り除くことだ

この点でもっと地に足のついた取り組みをしているのが、スペインのスタートアップ企業、Hearts Radiant(ハーツ・ラディアント)だ。「長寿テクノロジー」ビジネスを展開する同社は、老化に立ち向かうため、壮大な野望よりもはるかに強力な根拠に基づく、実用的なアプローチを取っているという。要するに同社は、人々が長生きするための秘訣を突き止めたと考えているのだ。

この記事では、同社が考える、「健康的に」長生きする方法を紹介する。

ハーツ・ラディアントの挑戦は、聖書時代のように150歳まで生きられるようにする、あるいはそれより少し短い120歳まで生きられるようにする、というものではない。同社が目指すのは、(できれば)自立性と活力を維持しながら、高齢者が95歳くらいで「天寿を全うする」まで元気に生きられるよう、テクノロジーを応用してサポートすることだ。このテクノロジーを活用すれば、生きがいを感じられる整った生活習慣を確立でき、高齢化に伴うフレイル(身体的機能や認知機能の低下が見られる状態)や社会的孤立などの問題に対処する助けとなる。

段階的にアプローチする

ハーツ・ラディアントは本日、これまでの沈黙を破り、プレシード資金調達の第1トランシェ(融資区分)を開示した。同社はまた、TechCrunchの取材に応じ、アクティブで充実かつ自立した生活を送れるよう高齢者をサポートするという夢について語ってくれた。

JME.vc(JMEベンチャーキャピタル)がリードし、Kfund(Kファンド)、Seedcamp(シードキャンプ)、NextVentures(ネクストベンチャーズ)が参加した45万ユーロ(約5600万円)のプレシードラウンドは、Rosita Longevity(ロジータ・ロンジェビティ)デジタルコーチングアプリ向けの研究と継続的な開発のために使用される見込みだ。このアプリは、1月から限定された形でベータテストが行われている。高齢者は家族のお下がりのスマートフォンを使っていることが多いため、現在はAndroid(アンドロイド)デバイスのみが対象だ(ただし、iOSも開発計画に入っている)。同アプリは60歳以上をターゲットに、有酸素運動ができるフラメンコや年齢に合ったヨガなどのレッスン動画を、ライブストリーミングとオンデマンドで提供している。

Rosita Longevityを開発するハーツ・ラディアントは、夫婦である最高経営責任者(CEO)のJuan Cartagena(フアン・カルタヘナ)氏と最高顧客責任者(CCO)のClaraFernández(クララ・フェルナンデス)氏が、最高技術責任者(CTO)のDavid Gil(デービッド・ギル)氏と共同で創業した企業だ。高齢者が本当に必要としているのは、できるだけ長く活動的であり続けるための手引きと動機付けであり、パーソナライズされた「健康的な習慣」を形成するという療法を多くの高齢者に利用してもらうにはデジタルプラットフォームが最適な方法である、というのが彼らの基本理念だ。

カルタヘナ氏は「当社が、習慣の形成を促す存在になるべきだと考えています」と述べ、彼らが目指す姿を示すもう1つのキーワードとして「健康寿命」を挙げた。

ハーツ・ラディアントの経営には、バレンシアを拠点とする家族経営の事業Balneario de Cofrentes(バルネアリオ・デ・コフレンテス)のCEOを長年務めるフェルナンデス氏の経験が直接生かされている。同氏はこの事業のことを「長寿の学校」または「高齢者向けのキャンプ」と表現しており、バルネアリオのウェブサイトでは、スパ・ホテル、理学療法・リハビリテーション施設、そして教育センターが統合されたものだと紹介されている。同氏はこの施設で、高齢者向けのアクティビティや教育プログラムの監督を担当し、指導者付きのエクササイズや、病気の予防、良好な栄養状態を保つ方法などについてアドバイスを提供してきた。

フェルナンデス氏はこう説明する。「私たちはこの10年の間に、高齢者の方々が健康寿命を延ばすための教育方法や習慣作りの方法について、非常に包括的な戦略を立ててきました。私たちには具体的な方法論があります。高齢者の方々に現在の健康状態を管理する方法を教えることから始め、生活習慣や主な病気の予防、さらには科学分野における最新の発見についての教育を段階的に進めていく予定です」。

続けて、プログラムをデジタルコーチングアプリへとパッケージ化したことについてはこう述べた。「この手法を拡大するには、オンラインにするのがいいと考えました。そうすればもっと多くの高齢者の方々に活用してもらえるからです」。
生活習慣はRosita Longevityアプリが提案する手法の重要な要素である。しかし同社は「長寿テクノロジー」という表現を好む。

カルタヘナ氏はこう語る。「さまざまな理由から、私たちはフィットネス分野で勝負しようとはしていません。フィットネスには限界があり、私たちはその限界を超えようとしています。フィットネスは身体を強化し、最終的に病気につながるような健康問題に対処するための出発点にすぎません」。

定期的かつ適度な運動が、フレイルにつながる筋肉量の減少や骨密度の低下(転倒や股関節の骨折につながり、突然、要介護の状態になる可能性がある問題)など、加齢に伴うさまざまな状態に対抗するための手段として有効であること、さらに、精神と脳の健康維持にも有効であることは(壮大な野望ではなく)科学によってすでに実証されており、それが、Rosita Longevityアプリ開発の基盤になっている。

とはいえ、AIやチャットボットのような、おなじみだがまだ時々ぎこちないテクノロジーによってパーソナライズされ、デジタル配信で提供される生活習慣コーチングのプログラムに高齢者がリモートで参加した場合に、(何よりもまず)フレイルを、人間の理学療法士の手を借りずに克服できるのだろうか。これは、Rosita Longevityアプリがこれから実証すべき点である。

Rosita Longevityアプリのスクリーンショット(画像クレジット:Hearts Radiant/Rosita Longevity)

そのため、調達資金の一部は、バルネアリオで実施されている「長寿の学校」プログラムをデジタルプラットフォームに変換する方法に関する研究に充てられる予定だ。具体的には、60歳以上の高齢者向けにパーソナライズされたデジタルコーチングによって、対面でのグループエクササイズと同じように、フレイルを克服できるか(またそれによってアクティブに過ごせるか)どうかを調査する(純粋なデジタル体験によって得る人との社会的つながりと、対面でのグループ療法とで、効果に違いがあるかどうかという点は、綿密な研究を行うべき点の1つだ)。

確かに、世界中のどんなスマートフォンも、普通のバスルームをバルネアリオにある高級スパのような設備に変えることはできない。しかし、バルネアリオのプログラムのそれ以外の部分は、デジタル化と体系化によって対面と同様の効果をもたらすことができる、というのがRosita Longevityアプリの考え方だ。

彼らがこのアプリのために開発しているデジタル活動プログラムは、高齢者が楽しく使えることだけでなく、フレイルのレベルに合わせて調節できるように設計されている。現在提供されているクラスの例としては、動きを抑えたダンス、バーピーをしない「クロスフィット」、変形性関節症でも安全にできる空手などがある。

ユーザーの身体状況に適した活動レベルのコンテンツを提供するために、アプリの使用開始時には、フレイルのレベルを判断するための評価が行われる。

長い道のり

カルタヘナ氏は、長寿研究の分野で有名なバレンシア大学教授のDr. José Viña(ホセ・ヴィーニャ博士)の協力を得ていると述べる。「ヴィーニャ博士は、いくつかの生活習慣に加えて、運動療法により特定の筋肉に特定の方法で働きかけることによって、フレイルを初期段階で克服できることをすでに証明しています。まだ証明されていないのは、それを自分1人で行うリモート環境に適用できるかどうか、という点であり、それこそが今、私たちが取り組んでいることです。今回のプレシードラウンドの目的は、証明されていないこの点について調査するために、数千人のユーザーにこのアプリを使ってもらい、12か月後に[ユーザーのフレイルレベルが]改善するかどうかを確認することです」と同氏は付け加えた。

バルネアリオの施設は、新型コロナウイルスによる健康被害のせいで現在閉鎖されているが、2021年3月には再開する予定だ。その後はRosita Longevityアプリの受講者を毎年受け入れて、健康をサポートする習慣へユーザーを導くことができているかどうかについての継続的なフィードバックを集める。

カルタヘナ氏は次のように説明する。「お客様についてしっかり理解するということが何よりも大切で、それが当社の強みです。年間1万5000人の高齢者がバルネアリオのクラスに参加されます。それにより、お客様の習慣や、お客様が普段していること、していないことをよく把握できます。毎年参加される方には、去年は何をしていたかをお聞きすることもできます」。

「これはつまり、大きなフォーカスグループを活用できるということです。例えば、アプリを10日間使用しているフォーカスグループをデータ上で観察できるとします。しかし、そのような解析データを見るだけでなく、アプリを使用している人を目の前で実際に観察することにより、アプリの修正をはるかに迅速に行えるようになります。 私たちのリゾートを利用されるお客様は1日100人、ときには500人に達します。これが、お客様に本当に必要とされ、愛用してもらえる製品を作り上げるための基本的なやり方になると思います」。

Rosita Longevityアプリの現行バージョンには、パーソナライズされたAI搭載のコーチングはまだ含まれていない。 しかし、ここにもプレシードの資金が投入される。「教育と、フレイル克服プランの最初のコーチングプログラムは(iOS用アプリと同時に)3週間で準備が整うはずです。これにより、ユーザーが抱えている差し迫った問題が解決されます」とカルタヘナ氏は言う。

「パーソナライズされたコーチング(病理学、フォローアップ、コンテキスト、エクササイズの細分化など)は数多くの論理に基づいており、これをきちんとテストするには長い時間がかかります。 コーチングプログラムは段階的に展開する予定で、クリスマスの頃には『自信を持っておすすめできる』アプリになっていると思います。 それが私たちの『Habits Engine(習慣エンジン)』となるでしょう。このテストとジェロサイエンス(老年科学)研究計画にも、今回調達した資金を活用する予定です」。

Rosita Longevityアプリのもう1つの重要な目的は慢性的な痛みの解消だが、対処できない痛みもあることを、カルタヘナ氏は認めている。 このアプリは従来の医療に取って代わるものではなく、補完することを目的としている、と創設者たちは付け加えた。アプリはユーザーがより前向きになれるように設計されており、加齢による問題の予防こそが、健康で長生きするための戦略だと彼らは語る。

フェルナンデス氏は次のように説明する。「遠隔医療の目的はどちらかというと病気を管理することです。しかし、私たちの目的は病気を予防することです。高齢者が、自分の体に何が起こっているのか、この先10年間で何が起こるのかを理解し、自然な老化プロセスの進行を最小限に抑えられるような習慣を、ゆっくりと身につけることができるようにする。私たちはそれを着実に実行できるようにするための指標やツールを見つけだすことに重点を置いています」。

カルタヘナ氏によれば、フレイルを予測する能力を強化するために、アプリと連動できるセンサーハードウェアの開発についても研究者と協力して進めているそうだ。これにより、ユーザーカテゴリーの幅を広げて細分化できるようになるという(アプリの最初のバージョンには3つのカテゴリーがあるが、それを9つに増やしたいそうだ)。

スマートフォンとセンサーハードウェア、それにAI技術のおかげで、何年か前から、新世代のガイド付き理学療法アプリが登場し始めている。これらのアプリは、慢性的な痛みに対して、薬剤を使う治療に代わるものを提供しようとしている。Kaia Health(カイア・ヘルス)Hinge Health(ヒンジ・ヘルス)がその例だ。そしてもちろん、マインドフルネスやガイド付き瞑想は巨大なアプリビジネスになっている。一方、「デジタルヘルス」という広い概念から、いつでも気軽に利用できるCBT(認知行動療法)という治療プログラムがここ5年ほどで増えてきている。したがって、高齢者向けの健康長寿コーチングサービスという考え方は、そもそも奇妙なものでも、物珍しいものでもない。

とはいえ、意図された通りのユーザー体験を実現することが最大の課題になるかもしれない。 カルタヘナ氏は、バーチャルコーチと実際に良い関係を築き、利用を継続してもらうには、アプリのトーンが重要だと言う。「横柄」な印象を与えたり、アプリが「宿題」を与えているように感じさせたりしないトーンにしたいということだ。

フェルナンデス氏も、目標は良い習慣を維持することだと強調している。それには、全力で走る短距離走ではなく、ゆっくり走るマラソンの方が向いている。

高齢者が不快に思ったり、退屈、混乱を感じたりしない、安全で魅力的な体験を設計することができれば、生活の質を向上させるセラピーや活動、情報へのアクセスを拡大できる可能性は非常に大きくなる。フレイルはRosita Longevityアプリチームが取り組む最初の課題にすぎない。製品を開発し、利用率を上げていく中で、例えば認知症などの神経変性疾患の予防に役立つ健康習慣をユーザーが身につけられるようなサポートも提供していきたいそうだ。孤独感や社会的孤立に対処することも目標の1つだ。そのため、同アプリでは多種多様な健康プランを提供していきたいと考えている。

フェルナンデス氏は次のように語る。「現在の取り組みは、特にフレイルに焦点を当てており、その上でパーソナライズされたAIコーチを開発しています。そしてこれからは、長寿コーチングとは別に、さまざま健康プランを作り、追加していくことを考えています。栄養学、認知刺激、リラクゼーション、呼吸法、さまざまな予防戦略など、健康長寿を目指すためのさまざまなクラスを導入していく予定です」。

「私たちがクリニックで試してきたことの中で非常に重要なものの1つに、ユーザーへの助言があります。 その日何をすべきかということだけでなく、その人の老化プロセスがどうなっているのか、代謝がどうなっているのか、筋骨格系がどうなっているのかについても話します。 自分の体がどんな風に、なぜ老化するかを知らなければ、日常のちょっとした決定を下すことはできません。 助言を通じて力づけることにより、ユーザーは、その助言が長期的に役に立つ理由を理解し、共感できるようになります」。

「私たちは、現在進行形で体に生じている長寿化という現象と、長寿について科学が現在理解していることに基づいてコーチングプログラムを開発しました。これは大きな成功を収めてきた戦略の1つです。加えて、老化の症状を最小限に抑える方法も突き止めました。そして、これらを完全に[アプリ]の形に落とし込んでいることも、この戦略が成功している理由です」と同氏は付け加えた。

カルタヘナ氏はまた、新型コロナウイルス感染症「第4波」での死亡リスクについても指摘している。ロックダウン措置や感染リスクへの懸念から高齢者の活動がさらに制限され、その結果、体を動かさないためにフレイルが進行し、死亡リスクが高まる可能性があるという。

言い換えれば、自宅のソファに座っていれば高齢者のウイルス感染を防げるかもしれないが、急に動かなくなり、活力が低下すると、それもまた健康寿命を縮める原因になり得るということだ。そのため、高齢者のアクティブな生活を維持するためのツールは、これまで以上に重要になっているように思える。 こうした状況に鑑みて、Rosita Longevityアプリはパンデミックが終息するまで無料で提供する予定であり、その期間は2022年まで伸びる可能性がある、とカルタヘナ氏は言う。
Rosita LongevityアプリのビジネスモデルはB2Cであり、ユーザーとセラピストを直接つないで進捗状況をチャットで共有する機能などの有料コンテンツに力を入れているようだ。その一方で、デジタル版「モチベーションエンジン」であるこのアプリを市場に出すために、VCから支援を受けている。

現在、アプリには5000人が事前登録していて、1000人の高齢者が積極的に体験利用に参加している(場所はスペインで、ユーザーはいずれも60歳~80歳)。最近、アプリの更新プログラムがリリースされた。ソフトウェアは「早期アクセス」の段階を終え、「長寿のための個別AIコーチ」サービスの提供に向けて準備中だ。

Rosita Longevityアプリのコーチングが対応している言語は現在スペイン語のみだが、チームはこれまでにさまざまなレベルや慢性疾患に対応した「何百本」もの動画を作成しており、英国市場から始めて欧州全体に(そしておそらく欧州外にも)規模を拡大していくことを目指している。 そのため、次は英語のコンテンツを開発することになるだろう。

関連記事:新型コロナで好調のエクササイズコーチングアプリFutureが約25億円調達

カテゴリー:ヘルステック
タグ:エクササイズ 健康

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(翻訳:Dragonfly)

クリエイターファーストのフィットネスプラットフォーム「Playbook」が約9.8億円調達

フィットネスコンテンツのPatreon(コンテンツ制作者向けクラウドファンディング)を目指すPlaybookが、シリーズAでE.ventures、Michael Ovitz、Abstract、Algae Ventures、Porsche Ventures 、FJ Labsから930万ドル(約9億8000万円)を調達した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、パーソナルトレーナーやフィットネス業界は大打撃を受けた。ジムが閉鎖され、トレーナーが新規顧客を獲得する手段は閉ざされた、あるいは減ってしまった。Playbookは、コンテンツを通じてトレーナーの収入源を作ろうとしている。

Playbookのクリエイターには、ビデオを制作し視聴者を増やすツールが提供される。ほかの多くのフィットネススタートアップとは異なり、エンドユーザーではなくクリエイターのビジネスに着目している。収益化に適したツールとプラットフォームがあればトレーナーは視聴者を引きつけることができると考えているのだ。

Playbookは、クリエイターが固有のリンクでプラットフォームに視聴者を誘導すると、そのユーザーからの売上の80%をクリエイターに支払う。どのクリエイターからプラットフォームに来たかわからないユーザーの場合、トレーナーは再生された秒数に応じて支払いを受ける。

エンドユーザーの利用料金はシンプルだ。見放題のサブスクリプションで月額15ドル(約1600円)、年額99ドル(約1万500円)だ。

Playbookは、2020年6月にシードラウンドで300万ドル(約3億1600万円)を調達した(未訳記事)。同社のプラットフォームには魅力的なトレーナーがそろっている。Kevin Hart(ケビン・ハート)のトレーナーであるBoss Everline(ボス・エバーライン)、Gal Gadot(ガル・ガドット)とAlicia Vikander(アリシア・ヴィキャンデル)のトレーナーであるMagnus Lygdback(マグナス・リッドバック)、Ryan Reynolds(ライアン・レイノルズ)とBlake Lively(ブレイク・ライブリー)のトレーナーであるDon Saladino(ドン・サラディノ)などだ。

Playbookの共同創業者でCEOのJeff Krahel(ジェフ・クリエル)氏は、クリエイターに提供するテクノロジーのサービスを増やすことに取り組んでおり、そうすればほかのことはついてくるだろうと述べた。

クリエル氏は「このことが、Michael Ovitz(マイケル・オービッツ)氏を戦略的投資家として迎えた理由のひとつです。我々はテック主導の芸能事務所であり、クリエイター向けツールを備える優れたテックプラットフォームです。当社はほとんどアクセラレーターのように、クリエイターを支援して影響を最大化することを目指しています」と語った。

同社はクリエル氏のほか、Michael Wojcieszek(マイケル・ボイチェシェック)氏とKasper Ødegaard(カスパー・エデゴール)氏が共同で創業した。

今回の資金調達で、Playbookの調達金額の合計は1230万ドル(約13億円)になった。

カテゴリー:ヘルプテック
タグ:Playbook、資金調達、フィットネス

画像クレジット:Playbook

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(翻訳:Kaori Koyama)

「EchelonのPrime Bikeはコラボ商品ではない」とアマゾンがページから削除

9月22日にフィットネス用品メーカーのEchelon Fitness(エシュロンフィットネス)がPrime Bikeという最新プロダクトを発表した。価格は500ドル(約5万3000円)で、1900ドル(約20万円)するPeloton(ペロトン)のバイクのほぼコピーだ。EchelonはPrime Bikeを「Amazon(アマゾン)とのコラボで」開発したと話した。しかしアマゾンはそれは真実ではないとし、サイトからPrime Bikeを除外し、Echelonとは距離を置く声明を出した。Prime Bikeを発表したプレスリリースは、大半のリストから削除されている。

「バイクはアマゾンのプロダクトでもなければ、Amazon Primeに関連するものでもない」と同社は声明で述べた。「Echelonはアマゾンと正式な提携関係にない。当社は今回のことを明確にすること、プロダクトの販売を停止すること、プロダクトのブランド名を変えることでEchelonと連絡を取っている」

今回のアマゾンの声明は、昨日のEchelon Fitnessによるプロダクト発表を受けてのものだ。発表の中で同社は「(アマゾンの)初となるコネクテッドフィットネス製品」とうたっていた。500ドルのバイクは確かにPelotonの安価なコピー商品のようだった。EchelonのPrime BikeはPelotonのオリジナル商品より45ポンド(20kg)も軽いが、配色やデザイン、機能が同じで、唯一大型のビデオモニターがない。

現状、Prime Bikeはアマゾンでは購入できない。上記のアマゾンのコメントからすると、ゆくゆくは異なる商品名でアマゾンのサイトで販売されるかもしれない。なおいま購入したい人は、異なる商品名ながらWalmart(ウォルマート)で同じものを同じ価格で買うことができる。

画像クレジット: Echelon

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(翻訳:Mizoguchi