8年ぶりの新バージョン「Unreal Engine 5」が来年登場、PS5上での驚愕のデモを先行披露

Unreal Engine 4の登場から8年、Epic Games(エピック・ゲームス)はついにUnreal Engine 5について発表する準備を整えた。来年の初めにプレビュー版をリリースし、さらに同年末までには一般にリリースする予定としている。

Unreal Engine 5の特徴は、PlayStation 5やXbox Series Xのような次世代ゲーム機のパフォーマンスを最大限に活用することにある。そうしたゲーム機は、超高解像度と高フレームレートをサポートしているが、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏に言わせれば、それら新しいハードウェアのデータストレージの扱い方が、最もワクワクする部分だという。それによって、どんなゲーミングPCにも勝る「最高水準のパフォーマンス」を発揮できるというのだ。

Unreal Engine 5になって大きく進化した部分は、動的レンダリングだろう。デベロッパーは、何百万ものポリゴンからなる非常に複雑なオブジェクトをゲームに持ち込み、そのオブジェクトを画面上でどれだけ忠実にレンダリングするか、あとはエンジンに任せればいい。PlayStation 5なら、驚くほど複雑なレンダリングが可能だ。Epic Gamesは、PS5上で動作しているUnreal Engine 5の、まったく見事としか言いようのないデモを公開した。

「スケーラビリティの問題からデベロッパーを開放し、私たちの側で請け負うことにしました」とスウィーニー氏は言う。

スウィーニー氏によると、このデモは、レンダリングされるポリゴンが、個々のピクセルのサイズにまで縮小されたときに何が起こるかを示すものだという。「より高解像度のモニターが手に入るまでは、つまり、8Kや16Kが使えるようになるまでは、これ以上の詳細は表現できません」と、彼は付け加えた。

Unreal Engine 5の進歩の主要な部分は、NaniteとLumenと呼ばれる2つの新機能によるところが大きい。Naniteは、いわゆる動的レンダリングを担い、非常に詳細なシーンの再現を可能にする。一方Lumenは、動的なシーンの照明のためのパイプラインで、デジタルデータに対して、現実と見紛うようなライティングを可能にする。

今回のアップデートでは、接続性がさらに強化される。ツールの1つとして、Epic Online Services利用可能となるのだ。それによってデベロッパーは、マルチプラットフォーム対応のオンラインゲームを実現できる。つまりFortniteと同様に、モバイルデバイス、ゲーム専用機、PCを簡単に接続できるようになる。

Epic GamesはUnreal Engineの大幅なアップデートのニュースに加え、言うまでもなくUnreal Engine 5を活用したFortnite(フォートナイト)が、PlayStation 5とXbox Series Xの発売と同時に登場することも明らかにした。Fortniteのいかにもアニメ的なアートスタイルは、上に示した超現実的なデモのように、限界を突き破るような性格のものではない。しかし、次世代のゲーム機にも移植されることで、その支配力がますます強まるのは確かだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

【次世代SNS編】米国SNSの最新事情とZ世代が新しい場所を求める理由(その3)

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

この記事では、Z世代が求める次世代SNSについて考察していく。TwitterとSnapchatの最新事情についてこちらの記事、InstagramとTikTokの最新事情についてはこちらの記事を参照してほしい。

Z世代にリーチするために知るべきこと

SNSを見るときに最も重要なのは、若者の行動を観察すること。特に今のSNSがダウントレンドなのか、アップトレンドなのかはZ世代を見るのが一番いい。それは次世代SNSは2つの要素で作られていて、その1つが若者、特に10代から20代が作り上げるカルチャーなのだ。Facebookも大学生の中で人気に、Snapchatは高校生、Musica.lyは中高生の中で人気になってから、それぞれ一般化した。

投資銀行のPiper Jaffray(パイパー・ジャフレー)が2019年に出したレポートによると、Z世代の間ではInstagramが一番使われているSNS、一番好かれているSNSはSnapchat。TikTokは三番手で、フィルターアプリのVSCOは横ばい。Facebookの利用頻度がかなり下がっている。ただし、圧倒的にInstagramとSnapchatに寄っている。

Z世代の「BSメーター」

Z世代はSNSを通して新しいビジネス、文化、政治を学んでいる。これは過去ない現象だ。よりクリエイティブであり、カメラの前にいるのが気にならない。短期間の集中力で、圧倒的な「BSメーター」(デタラメに対しての感度)が高い。SNS慣れしているZ世代はとてつもないコンテンツ量を毎日見ている。そのため、何が広告で何がリアルなコンテンツかを一瞬で判断できる能力を持っている。Instagramなどでは広告やインフルエンサーが多いので、変な商品のプロモーションやマーケティングを見るとそのブランドを信頼しなくなる。さまざまなブランドのオプションがある中、信頼性を切ってしまうと二度と戻ってこない可能性が高い。そのためZ世代ユーザーへリーチしたければブランディングをきちんとやらなければならない。それはブランドの裏の人間のストーリー、会社の立ち上げの話、会社のカルチャーも含めて「完全なる透明性+ストーリー+コメント・DMのエンゲージメント=強いコミュニティーとブランド」だ。

Z世代とミレニアル世代の違い

まず認識しなければならないのは、ミレニアル世代はインターネット世代だがZ世代はスマホ世代と言うこと。もちろんミレニアル世代はスマホと一緒に育っているが、Z世代はスマホの前の世界をほぼ知らない。それによってアプリの使い方、考え方、信頼するブランド、見ているコンテンツやセレブが違う。

ミレニアル世代はハリウッドのレッドカーペットで歩くスターを見ている中、Z世代はTikTokやYouTuberを見ている。そして買い物でも、ミレニアル世代は大手リテーラーと比べてD2Cブランドを多少好む程度なのが、Z世代は圧倒的にオンラインで生まれたD2Cブランドを好む傾向にある。

Instagramの使い方も違う。Z世代の多くは過去の写真をアーカイブする傾向にあり、6枚ぐらいの写真しか見せないことが多い。昨日ではなく、今日の自分を表現したいために直近の写真しか見せない傾向だ。

Z世代が求めているプラットフォームとは

自己表現をクリエイティブにできるプラットフォーム、そして自分の弱みや本性を見せられるプラットフォームがいま最も求められている。フィルターなし、ブレるカメラワーク、磨かれてないグラフィックを求めている。ミレニアル世代で統一された「インスタ映え」とは大きく違う方向性で、ユニークさが今のクールになっている。

そして写真ベースなのは明らか。TikTokは音楽メディアとして報道されていて、実際にTikTok上で新しい音楽が生まれているのは確かだが音楽メディアではない。

Z世代は完全に「今日の自分」にフォーカスを当てている。そして明日の自分は変わってもいい、アイデンティティーの入れ替えと変わった人格・表現力が受け入れられているのが現状だ。TikTokはまさにそう言うプラットフォームであり、その影響なのかYouTube上のインフルエンサーのコンテンツも進化し始めている。YouTuberのEmma Chamberlain(エマ・チェンバレン)さんのコンテンツを見ると編集していない風に見せたり、スッピンで家でダラダラしている姿を見せている。

TikTok上では過去なかったコンテンツが存在し、TikTokのフィードによりローカルの文化やMemeが世界展開するのが普通になった。今後のSNSはこのような世界観を入れ込まなければいけない。

なぜいま米国のVCはSNSへの投資を必死に探しているのか?

米国のVCは最近「次世代SNSを探している」とよく言い合っている。Facebook、Instagram、Snapchat、Twitter、TikTokがある中でなぜそう思うのか?それは全体のSNS市場の流れを見るとわかるのが、今のトップSNSプラットフォームはソーシャルからステータスメディアに変わっていて、このシフトにより新しいSNSが誕生するチャンスが出てきている。

ほとんどのSNSは10年~15年前にスタートして、小さくコントロールされたコミュニティからスタートした。Facebookはハーバードの学生、WhatsAppはプライベートグループメッセージ、Snapchatは友達との1対1メッセージ。今は成長率が減速しているため新しい会社を買収したり、ユーザー成長や売上、マージンにフォーカスしている。SNSのサービスが成熟すると、親密なネットワークから放送・配信ユースケースが一番になる。2019年初めにMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はFacebookはピークに到達して、これからは「街広場」ではなく「リビング」の立ち位置として戻らなければいけないと語った。SNSが成長する中で、ユースケースがエンタメ、コミュニティ、ユーティリティーから「ステータス」に移行していく。この進化は成熟されたどのSNSにも起こる。

本音が言えなくなるプラットフォームに

例えばTwitterで考えてみよう。2006年にローンチしたTwitterは、エンタメとコミュニティー、会話の要素が強かった。Twitterは面白いアップデートをSMS風にウェブ上で遅れるエンタメ感と、友達を集めてお互いの出来事や思いを共有できるコミュニティーだった。当時はステータスやユーティリティーは一切考えてなかった。

Twitter共同創業者のEvan Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏も「誰がこのアプリが役に立つ必要があると言った?」と発言したこともある。2020年版のTwitterは強調している特徴をかなり変えている。ユーザーはTwitterをかなり役に立つ方法を見つけた。まず、ニュースの場として役に立ち、さらにビジネスが顧客とコミュニケーションできる場にもなった。Twitterは あとあとフォロワー数やリツイート数にてステータスを作るようになった。多くのツイートは公開されているためユーザーはステータスを獲得するのが目標となる。そうすると本音を語れない、もともと友達とシェアしていたものがTwitterでは共有されなくなる。

FacebookからInstagramへ、そしてInstagramからSnapchatやTikTokへという流れは各SNSがソーシャルメディアからステータスメディアへ変わり始めたからでもある。Facebookはよりオープン化(そこまで親密ではない友達とつながった)したおかげで、本音の投稿を出さなくなった。Instagramも「親がInstagramに居るから本音が言えない」と語る大学生や高校生が多かったためSnapchatに移行。そしてInstagramの「インスタ映え」に疲れはじめたユーザーは本来の自分を表現できるプラットフォームを求め、TikTokにたどり着いた。

重要視されたステータスによってのプレッシャー

SNSだとユーザーに対してバリューを発揮する瞬間やKPI(重要業績評価指標)がある。Facebookだと友達の数、Instagramの初期だと5人フォローしたらその「マジックナンバー」にたどり着く。友達がいるから投稿したり、会話をしたくなるので、最低限の人たちとつながるように仕組まれるのは当たり前。面白いのはSNSが成熟したタイミングで逆の事が起こる。SNS内で一定のユーザー数を突破するとユーザーは不思議と投稿したくなくなる。これをソーシャルネットワークからステータネットワークへのティッピングポイントと呼べるだろう。

Facebook、Instagram、Snapchat、TikTokで同じ現象が起き続けている。最初に集まったFacebookだったが、10代の子からすると家族につながっているので、高校や大学でパーティーしている写真はなかなか出せない。これによって何を投稿するのかを考え、投稿のハードルが上がる。

Instagramも「インスタ映え」を目指してライフスタイルを変える人や、「いい写真しかあげられない」プラットフォームとして認識されてしまった結果、投稿回数が減ってInstagramに不満を抱える人も増えている。そもそもInstagramもFacebookから離れたい人たちが始めたプラットフォームだが、最近だとInstagramのフェイクアカウント「Finsta」が増えている。10代の子たちが親や家族に見られて良いアカウントを立ち上げ、別途自分用のアカウントを作っている。Instagramではステータスを求めて詐欺アカウントも出てきている。

SNSのティッピングポイントは本音コンテンツの投稿を戸惑う瞬間。親がいるからFacebookからInstagramへ、そしてSnapchatへ、そして今はTikTokへ。Facebookだと「いいね」、InstagramとTwitterだと「フォロワー」が増えるだけ「ステータス」が上がり、それでビジネスやインフルエンサーとして活動できるため「ステータス」を求めるメディアとなった。

総合的に見ると、少なくともFacebookとInstagramはソーシャルの領域を超えて、今はステータスメディアになっていると思う。

アーリーステージのVCであるCanaan PartnersのLaura Chau(ローラ・チャウ)氏が語るには、ソーシャルとステータスのサイクルには以下の5つのステップがある。

  1. 5つの特徴の中からSNSサービスが生まれる
  2. SNSが成長するに応じてユーザーのステータスを求める需要に応えるように機能設計などを行う
  3. プラットフォームのユーザー数が多すぎるとステータスメディアへシフトする
  4. ステータスメディアになると本音コンテンツや繋がりを求めて新しいSNSが立ち上がる
  5. そのSNSはギャップを埋めながら、新しい世代へステータスを引き寄せる新プラットフォームとなる

ステータスが王となり、会話が犠牲者となる。Twitterだけではなく、ほとんどのプラットフォームはこの流れに入ってしまっている。逆に言えば、SNSがこのようにステータスメディアとしてシフトしていく中で新たなSNSプラットフォームが出てくるチャンスでもあると思っている。

注目されている次世代SNSサービス

米国VCが次世代SNSを探している中で、いくつか候補が出ている。中にはFortnite(フォートナイト)、Minecraft(マインクラフト)、Roblox(ロブロックス)などのゲーム内のSNSや、DiscordやClubhouse、TTYLなどの音声からのSNSが候補として挙がっている。もちろんそれ以外に多く次世代SNSを狙っているアプリはあるが、以下は特に気になっているものを紹介しておく。

シリコンバレーのVCが必死に追いかけているClubhouse

米国のVCは最近「Clubhouse」というアプリで大盛り上がりだ。

Twitterのオーディオ版に似ていて、いろいろな人の会話に入り込み、聞いたり、参加することができる。まだベータ版だが、シリコンバレーの著名VCやテック業愛のトップの人たちが必死にアクセス権を獲得しようとしている。このようなVC業界でSNS系にハマったのは、Meerkat、Secret、Foursqure、Twitter以来な気がする。

このアプリの凄いところは、今のところPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成しているように見えること、行動変化を及ぼしていること。何名かのVCにヒアリングしたところ、ちょっとした空き時間でアプリをチェックするようになったり、寝る前、起きた時にまず見るアプリになってきているそうだ。ライブで音声会話を聞ける、特に業界トップの人たちの会話をフィルターなしで聞けるのはなかなかない。そして仕事やタスクをやりながらできる手軽さのおかげで評判が高い。

Twitterやポッドキャストとのポジショニングをかぶらないようにする必要があるが、うまくいくとポッドキャスト市場とイベント市場を潰しに行ける気もする。ライブであることがポッドキャスト市場との大きな違い。いまは録画機能がないので、その場にいない限り会話が聞けない。それが人をこのアプリに引き戻せる力でもある。著名ベンチャーキャピタリストであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏でさえもClubhouseのユーザーのひとりだ。

そしてClubhouseの一部の魅力は半端ないスピードでプロダクト改善、プロダクトリリースをしていること。2人しかいないのに1日に数回新規リリースしている。Y Combinator共同創業者のPaul Graham(ポール・グラハム)氏も言っているが、新しい機能を出せるスピードは意外にスタートアップの成功率と相関する。

まだ初期段階の会社であり、2名体制なので実際にヒットするかはわからない。そして今は親密な感じでアプリを利用できるが、今後はその親密度を保ちながらスケールできる方法を考えなければいけない。そして最近だと調子が悪いと噂されているTTYLなどを見ると、Clubhouseはなぜうまく行っているかが少し不思議。もしかしたらTTYLはコアユーザーが間違っていたのかも?友達間がメインだったTTYLだと、自分で何十人も集めて会話をスタートしなければいけないのと比べて、Clubhouseは知らない人の会話、特に著名人の会話が聞けるのがポイントかもしれない。

もちろんClubhouseは新型コロナウイルスのパンデミックのタイミングだから伸びていると言える点もある。ほかの人の声を聞きたい需要が増えているからだ。ただそれ以外にも、フェイクニュースの広がりの影響もある気がする。Twitter上で知らない人の声を聞くのが面倒、悪いコメントが多すぎる、そして信頼している人と会話ができない環境がある中から生まれたのもある気がする。

参加型SNS

Facebook、MySpace、Friendsterなど初期世代のSNSは、99%の人が見るだけで、1%の人が書くというプラットフォームだった。誰かのプロフィールに行ってコンテンツを見ることが多かった。コメントや返信など多少はしたかもしれないが、大半は見るだけで終わる。Facebookは進化して行った中でmコメントやニュースフィード、「いいね」ボタン、絵文字でのリアクションができるようにして、書くことによりエンゲージさせようとしている。ただ、一個人が情報・コンテンツを共有することをベースにすると圧倒的にコンテンツを書く人が少なくなる。そこで新しいモデルにFacebookは向かっている。それがFacebook Groupだ。

タウンホールからリビングに移行したいFacebookが、Facebook Groupにかけている理由は明らか。それはGroupだと個人が中心として成り立たないから。そのグループの構成、テーマ、コンテンツに重点が置かれる。今後のSNSはパッシブにコンテンツを受け入れるだけではなく、アクティブにコンテンツを作成できるものとなる。

その中では、Discord、Fortnite、Minecraft、Robloxなどが含まれている。アクティブにプラットフォーム上で参加するのが前提・必須となると、よりそのプラットフォームにいる意味合いが生まれる。MinecraftやRobloxは完全にクリエイター側が中心となっているのはその理由だ。この「参加型」と言うのが今後キーワードになってくる気がする。

結論

Twitter、Snapchat、Instagram、TikTokは争っているものの、各自ポジショニングをしっかりしているため、ユーザーが両立できているように見える。ただ、5年~10年スパンでどんどん新しいSNSが生まれてきて、古いSNSが進化しない限りユーザーが違うプラットフォームに写ってしまう。その中、米国VCはすでに次のSNSを探している。

新しいSNSを作るのは2つのドライバーがある。

  1. 10代~20代前半から生まれる新しい文化
  2. ステータスメディアが生む苦しさ

本音が出せない、そしてステータスを求めるプレッシャーでSNSは成熟するほどコンテンツエンゲージメントが悪化してしまう。広告が収益ベースとなるプラットフォームはそうなる運命である。マーケターはすべてのものを台なしにするという話は事実。Facebook、Twitter、Instagram、そして徐々にTikTokもインフルエンサーマーケティングや企業プロモーションであふれ始めている。そうなると、本来作られたユースケースと離れ、金儲けコンテンツへ走ってしまう。プラットフォームもユーザーが増えるとそのマネタイズを支える人たち、インフルエンサーと企業を喜ばせるプロダクト開発を行うので、ユーザーの不満が大きくなる。

いま米国ではTikTokの次のSNSが見つかってない。その候補としてClubhouseなど盛り上がっているが、まだどこも勝ち抜いてない。逆に今がSNSを作る最大のチャンスであると信じているし、どんなユースケースがハマって急成長するアプリを楽しみにしている。

引用記事
Snapchat will launch Bitmoji TV, a personalized cartoon show(TechCrunch)
What’s trending: Experts decode Gen Z(DIGDAY)
NO. 330: GEN Z ARBITRAGE(2PM)
The Era of Participatory Social(Medium)
The Sound of Silence(Posthaven)
Snapchat launches privacy-safe Snap Kit, the un-Facebook platform(TechCrunch)
Snapchat preempts clones, syndicates Stories to other apps(TechCrunch)
To stop copycats, Snapchat shares itself(TechCrunch)
Clubhouse voice chat leads a wave of spontaneous social apps(TechCrunch)

新型コロナ蔓延下ではゲーム性よりソーシャルプラットフォームを優先したゲームが必要だ

この長く退屈な物理的隔離の日々が、永遠に続くベージュ色の廊下のように不確かな未来に向かって伸びる中で、友達との付き合いを、懐かしく思い出さずにいることはできない。特に、何か特定のことをするわけでも、何かのトピックについて話し合うわけでもなく、ただ一緒にぶらぶらしているような付き合いが恋しくなる。

だが、お互いに物理的な距離を置き続けている中で、私たちが持っているツールを使って、社会的な存在感を分け合うことは難しいのかもしれない。たとえZoom や、その他のよりカジュアルなチャットアプリを使用したとしても、ビデオチャットは平板なものに感じるだろう。(そして、幸運にも自宅で仕事ができる私たちにとって、仕事をするのに使用しているものと同じツールを使って、仕事の後友達を訪問することは、必ずしも気分が良いものとは限らない)。しばしば私たちは、決まったビデオチャットスポットに静止して座りながら、自己隔離の様子をやり取りしたり、たぶん猫や1人2人の子供を画面にひっぱりこんで話していることだろう。

しかし、より遊び心のあるビデオ チャット アプリや、FacebookのPortalとその分離したカメラのような、革新的な技術を使って机から離れたとしても、何か別のものがまだ伝わり切っていないのだ。フラットスクリーンを介してでは、物理的な相互関係がほとんどわからない。結局のところ、空間の中での社交体験を、私たちがこれまでどれだけ当然のことと考えていたのかが、明らかになったということだ。だが、ゲーム業界はこれを随分昔から理解してきた。

いま、私たちはこれまで以上に、他の人の存在を感じるための創造的な方法を必要としている。この危機はゲーム業界にとって大きなチャンスであると同時に、仕事の後に「Call of Duty」をせいぜい数ラウンドプレイするようなものではなく、より超越したデジタルソーシャル体験を提供するものとなりそうだ。ひょっとすると、これらの体験はあまりにも豊かな想像力を要求するために、まだどのように見えるのかさえわからないのかもしれない。

もしVRが初期の約束を果たせていたならば、おそらく私たちはみな、現在その世界の中に住んでいただろう。ある種の共有仮想領域を持つというアイデアは今でも有力なものだが、追加のハードウェアは一般の人が使うにはあまりにも法外な価格であることが証明されていて(少なくとも今のところは)、最もクールなVR体験でさえニッチなものに留まっている。それでも、InstagramのDMやメールスレッドを使うだけでなく、共有スペースを移動するアバターとして、私たちが一緒の行動をしたいと思っていることは明らかだ。何らかの手段で。

関連記事:新型コロナの影響で自宅待機中のTechCrunchスタッフを熱中させているもの

仮想世界の正しい理解

もし「どうぶつの森」の幅広い成功が、何らかの兆候であるとするなら、人々は現在仮想空間に対する大きな欲求を持っていることになる(ここでは特に最新作である「あつまれ!どうぶつの森」のことを指している)。たとえ任天堂の使いにくいオンラインマルチプレイであったとしても、友達を訪ねて網でバチバチ闘ったり、新しいグッズを見せ合ったりすることには、何か楽しくて特別なものがある。

どうぶつの森に関して言えば、本当に「部分を合計した以上の体験」を得ることができるゲームだ。私が最近本当に笑って止まらなくなったのは、ゲームが開始された直後に妹のどうぶつの森の島を訪ねたときだった。インターフェース上の少ない感情表現と厳しいキャラクターの制限にもかかわらず、彼女の奇妙なユーモアのセンスは、ゲームの制限を乗り越えて湧き上がることに成功していた。そして、その制約がなぜか特別なものを生み出していた。彼女の島を去るときには、周りに輪をぐるぐる回している、彼女の滑稽で奇妙な姿に別れを告げることが悲しかった。それはビデオチャットからサインアウトしたり、テキストを送り合っていた会話からドロップアウトしたりするのとは異なる感覚だった。

こうした体験は個人レベルだけでなく、集団レベルでも起こっていて、人々は創造的になり始めている。Rogue Oneの作家の1人は、ゲーム内で「どうぶつの森トークショー」を制作した。ショー内には独自の小さなゲストカウチと街並みの景観が備わっている。

完全にどうぶつの森の島の上で開催される開発カンファレンスを立ち上げた、ニューヨークの開発者さえ登場した。通常の会議と同様に、この「Deserted Island DevOps」は、発表者、司会者を揃えており、さらには会議後にはトークがYouTubeにアップロードされることになっている。

多くの人々が先「どうぶつの森」を使ってより親密な集まりも開催している、たとえば先月のラマダン過越祭を祝ったり、遠く離れた友人や家族を1か所に集めたりしたりしているのだ。

今回のパンデミックが示しつつあるものは、この先主流となる仮想存在のスイートスポットは、Zoomのようなビデオ会議以上のもので、かつ完全なVR体験以下のどこかにあるのではないかということである。ビデオゲーム、より具体的に言うならプラットフォームとしてのビデオゲームは、ゲーマーとしては識別されない種類の人々の間でも現在共鳴を起こしているように見える。その最後の点が重要なのだ。

これは、Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Gamesが、ずっと行ってきたことだ。フォートナイトがどうぶつの森のように、ノンゲーマーを迎え入れたのには理由がある。もちろん、Fortniteは楽しくて中毒性があるものだが、そもそも多くのゲームは楽しくて中毒性があるものだ。しかもフォートナイトはそうしたたくさんのゲームよりもはるかに難しいのだ。

Epicが生み出した真のイノベーションは、プラットフォーム間でプレイヤーをシームレスに接続する、バターのように滑らかなソーシャルレイヤーなのだ。友達にアプリをダウンロードさせることができたなら、すでにビジネスに参加したことになる。もちろん、他のゲームでもこれは正しく行われている。もちろん、Minecraftが頭に浮かぶし、ほかのゲームもそうだが、今ではタイミングがすべてなのだ。そしてフォートナイトのチームは、すでに良いことがわかっているアイデアを巧みに繰り返している。

今週Epicは、パーティーロイヤル(Party Royale)と呼ばれる、意図的にのんびりプレイできる新しいゲームモードをフォートナイトに追加した。これは友人たちとぶらぶらするための新しい島だ。投げられるハンバーガーやペイントボール銃のような、適度に奇抜な致死的ではない武器が散らばっている。パーティロイヤルはグループを組んで、他愛もなく意味もないことで楽しみながらチャットを行う場所なのだ。ぎこちなくサッカーボールを蹴ったり(なぜか私は全く見ず知らずの人物と20分ほどそれで遊んだ)、仮想オフロードカーを仮想絶壁から落としたりできる。

そして、Epicの多くのバトルロイヤルヒットのように、島自体には奇妙で、カラフルなライト、巨大なネオンダンサー、そして非常にサイケデリックな雰囲気に溢れた(そしてクスリはなしだ)、海賊船や音楽祭の会場までもが用意されている。メインゲームとは別の領域のような、ドライブイン映画館も用意されていて、これは興味深いことが起こる可能性を示唆している。運良くもしEpic が拡張してくれれば、フォートナイトの最新のカジュアルなオンライン仮想空間はかなり面白いものに進化する可能性がある。

フォートナイトは表向きは、自分が殺される前に相手を殺すことを目的にしたゲームだが、同時にコンサート会場でもあるのだ。そしてそれは多目的なソーシャルプラットフォームとしてのゲームに対してEpicが持つ、より深いアイデアを示唆している。先月、フォートナイトは最新の大規模なゲーム内ショーイベントを開催したが、今回はゲーム内で超高層ビルの高さを誇る有名ラッパーのトラビス・スコットが、ゆっくり回転する万華鏡バージョンのフォートナイトのマップの中で飛び回りながらパフォーマンスを披露した。このイベントには1200万人が参加した。この数は1年前に行われた、より地味なゲーム内EDMショーのMarshmelloの中でプレイした1000万人を上回っている。日頃彼の音楽を聴いているかいないかには関わらず、その視覚的に想像力を掻き立てられるイベントは、誰が見ても最高にクールだった。

ビデオゲームは時代の要求を満たすために進化すべきだ

大規模なマルチプレーヤー型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)で時間を費やしたことがある人にとっては、これはすべてなじみのある話だ。これらのゲームには、膨大な数の人々を永続的な共有仮想空間に集め、彼らに自分自身を表現させるという、活気のある長い歴史がある。衣装を整えたり、空間を装飾したり、プレイスタイルや同盟の選択をしたりすることは、同じことをしている他の人たちが住む仮想世界の中で、自分自身を表現する方法なのだ。何年もの間World of Warcraftをプレイした人間にとって、これは多くの参加者にとってゲームの真の魅力を伝えてくれるものだった。ゲーム自体(クエスト、ダンジョン、その他)は、二次的なものだった。

10年前のピーク時、World of Warcraftにはトラビス・スコットのイベントに参加したプレイヤーと同数の、1200万人のアクティブなサブスクライバーがいたのだ。それ以降、ゲームは爆発的な勢いで主流となり、2018年の後半までには、フォートナイトのアクティブプレイヤー数は約8000万人を誇るようになった。オンラインマルチプレイヤー自体も、主に大ヒットした一人称視点シューティングゲーム(FPS)の成功によって進化した(FPSは通常残忍で、日頃特定のゲーマーを引き寄せる、漠然とあるいは極端に軍事的な側面を打ち出したゲームだ)。だがフォートナイト、スプラトゥーン、Overwatch(オーバーウオッチ)といった遊び心のあるカラフルなシューティングゲームが登場して、カジュアルなプレイヤー、さらにはノンゲーマーにも手を差し伸べることになったが、オンラインゲーム自身にはシューティングゲームの枠を超えた可能性がある。

Minecraftの人気は協力型ゲームへの道を切り開いたが、それは単に物を作るのが信じられないほど楽しいからだけではない。もちろんそれは真実だが、仮想空間で友達と何か新しいことをやるのは本当にクールだからだ。驚異的なNo Man’s Skyのような小規模ゲームは、Minecraftが構築で行ったことを探検で行うことができる。だがインディーズデベロッパーの予算ではマルチプレイヤーに対する大きなアイデアもせいぜいその程度止まりだ。歴史的に、業界のリソースの大部分は今でも、利益性が確実に高いミリタリースタイルのシューティングゲームに向けられている。しかし、世界が変化することで、トレンドも変化する可能性がある。どうぶつの森のソーシャル風水シミュレーションの売上が、流行の最初の数カ月間で圧倒的なシェアを占めていたことに着目しよう。

ゲームをプレイしない人に対して、魅力的な共通ソーシャル体験を提供できるゲームには、今大きなチャンスが巡って来ている。家に閉じこめられている人にとって、想像力豊かなゲームの世界は、今現在のストレスからの逃避だけでなく、会えないときに空間を共有する方法を提供してくれる。

訪問できるゲームがもっと必要だ。

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(翻訳:sako)

フォートナイトで著名ラッパーがサイケなコンサートを開催、なんと1230万人が視聴

ゲーム内でラッパーのTravis Scott(トラビス・スコット)のコンサートを開催するというアイデアは、少し馬鹿げているように思えるかもしれない。私もそうだが、あなたがFortniteのプレーヤーでないなら特にそうだろう。

これまで、Fortnite(フォートナイト)は映画や音楽のプロモーションイベントを開催してきた。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離によって人々がライブパフォーマンスに飢えていたとしたら、なぜ実際に行われたスコットのコンサート映像を見ないのだろうか?

しかし、スコットとFortniteの販売元であるEpic Gamesが提供したのは、巨大な怪獣サイズのスコットのアバターがプレイヤーの上に登場して、会場内をテレポートしながら、彼の周りの映像がどんどんサイケデリックになっていくという、なんとも壮大かつシュールなイベントだった。これこそ、バーチャルコンサートでしかできない楽しみだろう。

さらにイベントでは、最大規模のコンサート会場の入場者数よりもはるかに多くの人々に視聴された。Epic Gamesによると同時参加者数は1230万人で、これはFortniteの新記録となっている。

上の動画ではイベントの様子を見ることができるが、もしあなたが「SICKO MODE」を歌っている巨大なスコットと実際に交流したいのであれば、Epic Gamesは週末にもアンコールイベントを計画している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

新型コロナの影響で自宅待機中のTechCrunchスタッフを熱中させているもの

自宅待機中のTechCrunchスタッフを熱中させているもの

現在が困難極まりない状況であることは言うまでもない。まだ把握しきれていない新型コロナウイルスの突然の大規模な流行により、世界中の誰もが何らかの変化を余儀なくされている。

戸惑いや困惑は誰も同じだが、こんな時こそ新たなスキルや長年抱いている興味、はたまた頭脳を一切使わない気楽なエンターテイメントに没頭することで、気持ちがリフレッシュされ、日々の生活が満たされるかもしれない。自宅でできるワークアウトや癒しのバーチャル農業シミュレーター、弊社スタッフメンバーのペットを描くCatherineの驚くほどにハイクオリティな絵など、我々が熱中している数々のエンターテイメントを紹介する。

Natasha Mascarenhas(レポーター)

Bon AppétitのYouTubeビデオ

革新的なコンセプトとは言えないものの、Bon AppétitのYouTubeビデオは仕事後の気分を落ち着かせるのに最適。昔ながらの伝統料理に再度挑戦する気にさせてくれる、同社のインド系アメリカ人シェフPriya Krishnaのコンテンツは特におすすめしたい。ニュージャージーが好きならBradのビデオを。グルメシェフがHot Pockets(アメリカで人気の冷凍食品)などのニッチな食品を再現するビデオなら、Claireのコンテンツがおすすめだ。

Overcooked
Overcookedビデオゲームは好きではないけど、ハンバーガーの焼き方に関してルームメイトと真剣に語り合えるタイプならこのゲームを試してほしい。シェフになりきり、他のユーザーとレシピを完成させることが目的。思い通りに進まないと思わず燃えてしまう。

Catherine Shu(ライター)

ProcreateアプリとApple Pencil
ProcreateアプリとApple Pencilさまざあな画法を用いたスケッチが好きなのでデジタルアートに関しては半信半疑だったけど、ProcreateとApple Pencil(iPad Air上で使用)の組み合わせは意外にも優良。フリーハンドのスケッチと写真のトレーシング技術を組み合わせて独自の塗り絵を制作している。スケッチ入りの日記や友達のペットのポートレートを描くのが楽しみで、これはTechCrunchのハードウェアエディターであるBrianが飼っているウサギのルーシー。

日記を書く
日記を書く

または、本物のペンと紙を使ったスケッチはいかが?iPadを持っていなかったり、絵を描くことに興味がなければ日記がおすすめ。とても困惑させられることが多く、事態はエスカレートし続けている今日この頃。私の住む台湾でCOVID-19はすでに数ヶ月もの間、日々の生活に多大な影響を与え続けている。毎日起きたことや週ごとの感情を事細かく覚えておくことはとても難しく、たとえ数行でも日記に記録することでぼやけてきた日々の輪郭を縁取ることができる。

Brian Heater(ハードウェアエディター)

High Weirdness: Drugs, Esoterica, and Visionary Experience in the Seventies
High Weirdness70年代のサイケデリックなサブカルチャーの発展における、フィリップ・K・ディック、テレンス・マッケナ、ロバート・アントン・ウィルソンの役割を紐解いた分厚い参考書のような本。内容重め。

On cinema
On cinemaTim HeideckerとGregg TurkingtonによるOn Cinemaverseは、めくるめく知識の宝庫。ポッドキャストやシリーズ、映画、別シリーズ(Dekker)、数時間におよぶ模擬裁判の他、オスカースペシャルのライブストリーム7本など、すべてめちゃくちゃ面白い。

ケトルベル
ケトルベル埃をかぶったケトルベルを取り出してきた。これと朝のヨガ(Natasha Lomasの記事を参照)が、最近の自分にとっての運動のすべてと言えるだろう。ただの鉄玉と侮るなかれ。これ1つで驚くほど多くのワークアウトをこなすことができる。

「The Earth Is Not a Cold Dead Place」 Explosions in the Sky
Explosions in the Skyはっきりとした理由はないが、ここアメリカでの事態が酷くなって以来、自分はほぼインストルメンタル系の音楽しか聴くことができなくなっている。セロニアス・モンクやビル・エヴァンスなどのジャズピアノ、ジョン・フェイヒー、ジム・オルーク、カーキ・キングなどのギタリスト、CANやBorisなどのノイズ系が最近のプレイリストをしめている。だがポストロックバンドは別物だ。ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーやモグワイ、真のクラシックExplosions in the Skyは自分にとって揺るぎないロックンロールと言える。

Devin Coldeway(ライター)

リングフィット アドベンチャー
リングフィット アドベンチャー仕事後の毎日のエクササイズに役立つ、リング型のコントローラーを搭載したSwitchのフィットネスゲーム。ジムに通えない今となっては便利このうえない。

Stardew Valley
Stardew Valley真剣なゲームに興味のない友達とプレイするなら、平和な農業ゲームがおすすめだ。Discordをダウンロードするだけで農業体験を楽しめる。皆が同じプラットフォームにいることを確認するのを忘れずに。

Generative.fm
Generative.fm在宅勤務未経験者は大抵、仕事中にも耳障りにならないアンビエント音楽の大量なコレクションを持っていないだろう。このサイトを使えば、耳に心地よく作業の邪魔にならないストリームをエンドレスに聴くことができる。

時代劇モノの韓流&華流ドラマ
時代劇モノの韓流&華流ドラマアメリカのテレビドラマやシットコムの再放送に飽き飽きしているなら、韓国や中国の素晴らしい時代劇ドラマを見てほしい。『琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~』や『ミスターサンシャイン』など、見慣れたドラマとは一味違う作品が多く揃っている。

Darrell Etherington(サイエンスエディター)

RimWorld
RimWorld

資源を収集し発展させていく壮大で愉快なシミュレーションゲーム。PCとMacのどちらでも使うことができ、非常に簡単なシステムのみを要する。最近の拡張でさらに面白くなっている。

Zooniverse
Zooniverse持て余している時間を活用して、Zooniverseで進行中の科学研究にクラウドソーシングとして貢献するのはどうだろう。ラボでの結果を検証したり、アライグマを探したり。興味深いさまざまな研究に、すべて自宅から簡単に参加することができる。

Hello from the Magic Tavern
Hello from the Magic Tavernシカゴ出身のごく一般の男が、J・R・R・トールキン作品の世界観のようなファンタジーの世界を彷徨うという内容のロングランのポッドキャスト。すべて即興の現場からのストーリーテリングで、豊富なアーカイブが揃っている

Josh Constine(エディターアットラージ)

カウボーイビバップ
カウボーイビバップアニメに興味を持ったことはあるが、子供っぽく馬鹿げていると感じているなら、1997年のアニメシリーズ『カウボーイビバップ』を試してほしい。地球を崩壊させかけた事故後の近未来の宇宙を舞台に、賞金稼ぎらの葛藤と活躍を描いたものだ。ノワール調の美しいイラストとスタイリッシュなファッション、スリル満点のアクションにサスペンスに満ちたロマンスなどが、ヒップなジャズのサウンドトラックと共に繰り広げられる。2シーズン分をまとめてビンジウォッチ(イッキ見)するのも良いが、ほとんどのエピソードは一話完結的な内容のためちょっとしたエンターテイメント補給に最適だ。

Overwatch
Overwatch反射神経と経験が物を言うほとんどの一人称シューティングゲームでは、長くプレイしているゲーマー達にひるみ、負かされるのが日常だ。『Overwatch』は違う。皆が似たような武器やスキルを持つのではなく、この6対6の戦いでは、ユニークな攻撃やシールド、ヒーリング能力などを持つ21種類のキャラクターから1つを選ぶことができる。2丁の武器を操る不気味な暗殺者や巨大なハンマーを持つバイキングの騎士、チームメイトを復活させることができる天使のような医者など多岐にわたる。個々の努力よりもチームのキャラクターの相互作用の方が重要と言えるこのゲームは、自宅待機で孤独を感じている人々に最適だ。

Greg Kumparak(エディター)

Apex Legends
Apex Legendsバトルロワイヤルゲームのコンセプトは好きだけど『フォートナイト』の構築的側面には興味がないと言う場合、『Apex Legends』をチェックしてほしい。それぞれ独自の長所と能力を持つ12人の「レジェンド」の中から1人を選択し、他の2人のプレイヤーとチームを組んで最後まで生き残るのが目的だ。ほとんどのバトルロワイヤルゲームがそうであるように、「あと1ゲームだけ」と言っているうちに8時間連続でプレイしていたという事になるのがこのゲーム。Windows、Xbox One、PS4で使え、何と言っても無料!!なのが魅力だ。

Ask the StoryBots
Ask the StoryBots子供がいる環境での在宅勤務中、皆の平静を保つために一役買うのがテレビタイムだ。『Daniel Tiger』にも我慢できなくなってきたなら、『Ask the StoryBots』が活躍してくれる。星はどこから来るの?耳はどうやって音を聞くの?などの子供の質問に対し、StoryBotsがその答えを探しに行くというものだ。JibJab(その昔まだインターネット上の爆発的流行が日常ではなかった頃に起きた爆発的流行)を手掛けた兄弟デュオが制作し、Netflixに買収されたこの作品は、誰もが息抜きを必要としている時にぴったりの存在だ。正直に言うと、自分も同作品から学んだ知識がいくつかある。メロコアバンド、ナーフ・ハーダーの才能溢れるソングライター、Parry Grippがこの番組の多くの音楽を手掛けているのも嬉しい。曲が頭から離れないという問題は起こるが、『Baby Shark』の曲が離れないよりはましだろう。

MasterClass
MasterClass最高クラスの「遠距離学習」と言えば。ステフィン・カリーやプラットフォームに現れるその他のゲスト講師群を見て、ここでの教育に文句を言う者はいないだろう。

Lucas Matney(ライター)

あつまれ どうぶつの森
あつまれ どうぶつの森金曜のどうぶつの森リリースに向けて私の期待は大いに高まっていたが、サンフランシスコで州政府による自宅待機命令が出た後、私はたぬきちへ返済すべき厳しい住宅ローンが緩和されることを待ち望んでいる。過去のバージョンとどう異なるのかほとんど予測できないが、前回のリリースから8年ぶりの新作にただならぬ期待を寄せている。

Natasha Lomas(シニアライター)


YouTubeのフィットネスコミュニティはロックダウンの期間中、我々の正気と健康を保つために不可欠なものになるだろう。専門的なトレーニングにしても、一般的なレベルのフィットネスを実行するにしてもだ。私が1つだけチャンネルを選ぶとすれば『Yoga with Kassandra』になる。ヴィンヤサヨガと陰ヨガのクラスのミックスで、中には数時間に及ぶものもある。さまざまなレベルと興味に応えてくれるこのチャンネル。上級者向けクラスでは最小限の指示しか出されないため、ヨガムードで周囲を占領したくないリビングルームをシェアしている人には最適だ。ナマステ。

Matt Burns(マネージングエディター

ガンダムのプラモデル
ガンダムのプラモデル私はガンダムを観たことも読んだこともなく、このロボットに関する知識を全く持っていない。それでもこれを組み立てるのは最高に面白い。何が良いって糊が一切必要ないのだ。すべてのパーツは心地良く折りちぎれるし、必要なのはニッパーのみ。数時間もすれば、どうだ、巨大な銃を持ったロボットが完成する。さらに複雑化することも可能だ。奥行きを出すために極細のペンで各パネルを縁取るビルダーや、ダメージ加工や戦闘による傷を施すビルダーもいる。私は数パネルに着色をした。ルールなんてないのだ。

Anthony Ha(シニアライター)

スター・トレック:ピカード
スター・トレック:ピカードCBS All Access(米国外ではAmazon Prime Video)が配信する『スター・トレック』スピンオフの新シリーズの出だし数エピソードでは「次世代」の時代以降のどんよりとした未来を彷徨い、面白みに欠ける。だがペースは早まり、この闇こそが明るい未来を勝ち取るために必要な試練であり、我々には思いやり、好奇心、楽観主義が常に必要なんだと感じさせてくれるのである。
公園

公園

NEW YORK, NY – OCTOBER 23: Manhattan and Central Park are seen from the ‘Top of the Rock’ observation deck at Rockefeller Center on October 23, 2012 in New York City. Hedge fund billionaire John A. Paulson and the Paulson Family Foundation are donating $100 million to the Central Park Conservancy. It is thought to be the biggest gift ever to a public park. (Photo by Mario Tama/Getty Images)

 

外出に関するルールは地域によって異なるが、安全な距離を保った上での散歩や運動は多くの人々にとって重要だ。ここニューヨークではバーやレストラン、映画館などは閉まっているものの、多くの住民が緑あふれる公園に癒しを求めにきているようだ。(他人と1.8メートル以上の距離をとるのを忘れずに!)

Ingrid Lunden(エディター)

Pandemic(とその他のボードゲーム)
Pandemicコロナウイルスの悲劇を嘆くのはおしまい!パソコンの画面を離れてグループで楽しめる『Pandemic』ゲームは、世界中を研究所で埋め尽くすことが目的だ。ここから学べる素晴らしい教訓は単独の「勝者」はいないという事。治療法を発見するという目標を達成するため必要なのは皆との協力なのだ。私の家族が好きなその他ボードゲームは『Catan』『Ticket to Ride』『Perudo』など。

Kirsten Korosec(シニアレポーター兼エディター)

縄跳び
縄跳びドアに掛かっていた縄跳びを見てこれ使えるかもと思ったが吉日、縄跳びの楽しさを再発見した。イライラした時や長時間座りっぱなしの時、数分跳ぶことにしている。

整理整頓!
整理整頓!混乱した世の中で、私にとって整理整頓や掃除が役立っている。縄跳びを見つけたのもそのおかげ。

写真日記
写真日記 / Pixel 3Pixel 3のカメラを使いこなすため、今まで気にもしていなかった機能を掘り下げて学んでいる。自分の周囲にある物を被写体に、マクロ撮影や芸術的な写真(私の目には)を撮り続けている。猫の写真が大量にあるのは言うまでもない。毎日の写真が自分のムードを反映しているように見えるのが面白い。

Taylor Hatmaker(ライター)

ポケットモンスター ソード・シールド
ポケットモンスター ソード・シールド世界は混乱に陥っているが、最新のポケモンゲームにはリラックス効果とこれまで通りの安定感がある。それに、バーチャルな動物を捕まえて小さな球形の檻に閉じ込める作業をすることで、隔離された現在の状況もそんなに悪くないんじゃないかと思えるから不思議。

Duolingo/Memrise
Duolingo何も学んでいないような気がすると居ても立っても居られなくなる私にとって、言語アプリは最適なツールだ。初心者向けの日本語を学んだことがあるので、アプリでその記憶を取り戻そうとしている。幸いにも、隔離期間が終わるまでに暗記しなければいけない事はたっぷりあるようだ。

フォートナイト
フォートナイト予想に反して、ゲーマーでなかった妻を『フォートナイト』にハマらせることができたので、どうしても頭のスイッチを切り替えることができない時にプレイする事にしている。『どうぶつの森』シリーズや『Stardew Valley』のようなリラックスしたゲームとは全く異なる同ゲームだが、時間を忘れてのめり込みたい時には最適だ。新シーズンにはかなりマッチョな三毛猫、Meowsclesが登場する事も述べておきたい。

電子書籍の料理本
電子書籍の料理本電子書籍を購入して、理想の自分像が身に付けているべきスキルを習得するには最適なタイミングだ。私の場合は和食とタイ料理の基本を学ぶ事。これでもう外食する必要はなくなるだろう。最近は毎日料理をしているし、料理はこの状況下で正気を保つのに大いに役立っている。何かを作って、その一皿の素敵な写真を撮るのにたっぷりと無駄に時間を割く。ミシュランの星を獲得するわけではないが、達成感はこの上ない。もし失敗しても、パンケーキを作ったり気がすむまで作り直せばいいことだ。

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

フォートナイトの急成長、テックジャイアントが注目する「メタバース」とはなにか

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するPodcast「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、次世代ゲームの話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

日本ではそれほど盛り上がってないかもしれないが、グローバル、特に米国では2018年頃からFortnite(フォートナイト)ブームが続いている。FacebookやTwitterなどのSNSの競合もフォートナイトと言われている。他にも、ストリーミング戦争の記事でも少し記載したが、Netflixの代表が株主総会で競合としてフォートナイトを指名するなど他業界でも脅かす存在となっている。実際に若者層からの支持は圧倒的で、親会社であるエピックゲームズは、フォートナイトを次世代SNS、そしてインターネットに続く世界インフラである「メタバース」の構築を狙っている。

今回は、ユーザーのアテンション(注目)を奪い合う戦いになっている今、フォートナイトがなぜこれほど支持されているのか、「メタバース」とはなにか紹介したいと思う。メタバースを知ることによって、Facebookがオキュラスを買収した意図、マイクロソフトが今まで以上にコンシューマーサービスに注力しているかなど理解できるだろう。

フォートナイトとは

フォートナイト(Fortnite)はエピックゲームズが開発・発売しているバトルロワイヤルゲーム。オンライン上で100人と同時にプレイができ、戦った最後に残った1人が勝ちだ。

フォートナイトが初めて発表されたのは、2011年。技術が遅れていたため、実際に公開されたのは6年越しの2017年だった。最初は、今のように基本無料の形ではなく、プレイするのにお金がかかるモデルだった。

すぐに無料でプレイできるモデルに変更したフォートナイトは、最初の1カ月で50万ダウンロードされ、2カ月目に100万ダウンロードを達成した。もともろバトルロワイヤル形式ではなかったフォートナイトは人気ゲーム「PUBG」をコピーし、「フォートナイト バトルロイヤル」を同年に公開。PUBGが人気だったため、フォートナイトもすぐに火がついた。公開初日で100万人、その2週間後には1000万人を達成。

以下の図は、フォートナイトの成長を表している。こう見ると、凄まじいスピードで成長しているのがわかる。

ここ数年の「eSportsブーム」により、リーグ・オブ・レジェンドやDota 2がなどもユーザーを増やしたが、驚異的なスピードでフォートナイトが抜いていった。

20%以上のユーザーが1週間のうち16時間以上プレイをし、35%以上のユーザーがフォートナイトが原因で学校の授業をサボったことがあると言われている。Off Topicのポッドキャスト(#19 Fortniteの大ヒットからみる次世代ゲーム事情)でも話があったが、人気になりすぎてフォートナイト中毒から抜け出すセラピーキャンプに子供を通わせる親もいるほどだ。

すごいのはプレイ時間だけではなく、売上も伸びている。2019年だけでフォートナイト事業は18億ドルの売上を達成。以下の2018年のフォートナイトの1ユーザーあたりの売上でも、Google、Facebook、Twitter、スナップチャットを合計額の約2倍もある。

フォートナイトの影響はそれだけではない。大麻やタバコ、アルコール、エロ、テレビの代理ソリューションとなっている。数年前はゲームばかりしている子供を心配している親が多かったが、実際はよかったのかもしれない?

フォートナイトがこれほどまで人気な理由

なぜこれほど人気なのか?それはフォートナイトが成功するタイミング、機能、そしてユーザーを徹底的に理解していたから。

1. 人気ゲームコンセプトへの参入スピードと柔軟性
PUBGなどバトルロワイヤルモードが増え、多くのゲームユーザーはこのフォートナイトがベースになりつつあった。フォートナイトは、元々異なるゲームだったのに対し、急遽変更できたのは柔軟性が高いゲームエンジンを持っていたから。

2. クロスデバイスと無料化でプレイできないという状況をなくす
フォートナイトが2.5億人ユーザーまで成長できたのは、様々なプラットフォーム(PC、モバイル、コンソール)でのプレイを可能にしたからとも言える。今まではPCやコンソールゲームはデバイスありきで、ソフトを買わなくてはならなかった。そのため友達みんなとプレイすることができなかったが、今は全員スマホ持っているので、プレイすることができないということがないのだ。

エピックゲームズが開発した「Unreal Engine」(後ほど詳しく説明する)のように1つのコードベースでマルチプラットフォームへ配信可能にするのが普通になるだろう。 DauntlessというハンティングゲームもPCとコンソールのクロスプレイを実装したら3週間でユーザー数が4倍に増加。その影響か、リーグ・オブ・レジェンドもようやくモバイル版のリリースも発表された。

3 . 「ゲーム」から「ソーシャル」への進化
フォートナイトの凄みは、ゲームからSNSへと進化していっていること。発売当時のユーザーは、「フォートナイトを一緒にプレイしよう」と言っていた。今は、「”フォートナイトで”集まろう」と場所になっているのだ。今までは放課後、カフェやモールに行っていたのがフォートナイト上でだらだらする若者が増えている。フォートナイトをしながら、友達と話したり、ゴシップ話をするのが普通になってきているのだ。平均使用時間は、1〜1.5時間と言われている。高い数値と言われていたスナップチャットの30分よりも圧倒的に高い。フォートナイトは意図的に「サード・プレイス」として生まれてなく、そこへ進化したことがよりユーザーが好んでいるかもしれない。フォートナイト現象が起きるからこそ、次のSNSプラットフォームはゲームになるのではないかとAndreessen Horowtizなどが予想している。

4. 常にアップデートされる新しいコンテンツ
これまでのゲームは、3〜5年と長期スパンで続編を発売していたが、次世代ゲームは月1ペースで新しいコンテンツやゲームを変化させている。ユーザーフィードバックなどを活用してゲームは進化し続ける。まさにGame-As-A-Serviceになっている。

5. ユーザーが自ら作れるクリエイティブモード
昔からあったが、今だと新しいツールを利用してユーザーが改造・変更する「Mod(モッド)」を作るのがトレンドになっている。PUBGやリーグ・オブ・レジェンドなど有名ゲームもModだった。

フォートナイトのクリエイティブモードでYouTuberのMustard Playsがゲームを公開。フォートナイト内で全く別のストーリーやパズル、障害物コースを作ったミニゲーム。自分のアバターが全く別のゲームの主人公になっている姿を見るのワクワクする。

フォートナイトの野望「メタバース」

メタバース(Metaverse)とは、SF作家のニール・スティーヴンスンによる「スノウ・クラッシュ」の作中で登場するインターネット上の仮想世界のことを指す。「メタ」はギリシャ語で「beyond(超える)」と言う意味から、今の世の中を超える世界、いわゆるインターネット2.0、インターネットの次のインフラとして言われている。オフラインとオンラインがより統合されたものと言われていて、セカンドライフや映画 マトリックス、最近だとレディ・プレイヤー1などがイメージとして言われているが、実際にメタバースというものがどんな形になるかはいまだに誰も理解していない。

ただ明らかなのは大手テック企業のCEOたちは、メタバースを重要視しているということ。フォートナイトの進化、FacebookやGoogleがハードウェアへの参入、MicrosoftやAmazonがクラウドコンピューティングへの投資などはもちろん短期的利益もあると思うが、裏にはメタバースの作成というマクロな目的が各CEOの頭にある。大手テック企業の社長室には似た本やものが置いていることがあるが、最近だと「メタバース」や「アバター」と名付けたニール・スティーヴンスンの『スノウ・クラッシュ』が一番読まれているのではないかと思う。

メタバースとはなにか?

メタバースがなにかと聞かれると回答するのは難しい。マトリックスやレディ・プレイヤー1など、バーチャルリアリティ的なインターネット世界へ繋がるような表現をされることが多い(おそらく違う)。1982年にインターネットが2020年にはどのようになるか想像出来なかったように、次のインフラのイメージ図を出すのは非常に難しい。ただメタバースのコアな機能や特徴を紹介したいと思う。

1. 終わらない
オフラインやインターネットの世界みたいに、「オフボタン」はなく、常にあり続けること。

2. 常にライブで同期されている
今までの人生と同じく予定されたイベントなどは実在するが、メタバース自体が全ての人に取ってリアルタイムで体験できるものとなる。

3. 誰でも参加できるアクセス人数は無制限
誰でもメタバースに参加ができ、一緒にイベントや場所、アクティビティーに参加しながら、個性を表現する場所でもあること。

4. 自社経済を持つこと
個人や企業がメタバース上で物やサービスの開発、売買、投資、保有、そして作った物などについて報酬をもらえる経済ができること。

5. オフラインとオンラインやオープンとクローズドで体験を提供

6. データ、デジタルアセット、コンテンツなどで過去ないレベルの相互運用生が可能に
他のゲームでのスキンが別のゲームでも使えるようになったり、Facebookで共有できるようになるのが重要になる。

7. 様々な人々が作るコンテンツや体験があること
個人、小さいグループや会社がコンテンツや体験を作れて提供できるようになる。

逆にメタバースと勘違いされやすいコンセプトは、

1. バーチャルな世界ではない
AIキャラクターが含まれたり、人間が入っているバーチャルなゲームや世界は何十年前からあるが、これはただゲームの目的として作られている世界。

2. バーチャルなスペース

ゲーム性がなく、ソーシャルで集まり、アバターで自分を表現するセカンドライフなどバーチャルなスペースの多くが初期メタバースとして見られることが多いが、これだけだと「世界」としての機能が足りない。

3. バーチャルリアリティー(VR)
VRは単純にバーチャルな世界やスペースを体験する方法だけである。

4. デジタルやバーチャル経済
これも既に過去に存在しているコンセプト。「World of Warcraft(ワールド オブ ウォークラフト)」上でバーチャルグッズを実際のお金と交換したり、バーチャルタスクを実際のお金で取引するケースもあった。

5. ゲーム
フォートナイトはメタバースの特徴を多く捕らえているが、ゲームだけだとそれは足りてない。

6. ディズニーランドやバーチャルテーマパーク
メタバースではディズニーランドのようにに1社がテーマパークをデザインしないはず。ロングテール向けにユーザー自身や色んな会社が自社のテーマパークの乗り物をいっぱい作れるようにするはず。誰でもインターネット上でウェブサイトを作れるような感じ。

7. 新しいアプリストア
メタバースは今考えているアプリストアより遥かに複雑なインフラになるはず。

8. 新しいUGCプラットフォーム
YouTubeやFacebookのようなユーザー生成コンテンツだけではない。メタバースがまだ想像つかないかもしれないが、過去にBI: Before Internet(インターネット前)とAI: After Internet(インターネット後)の世界で別れたように、メタバースもBM: Before Metaverse(メタバース前)とAM: After Metaverse(メタバース後)に分かれてもおかしくないと思う。

なぜメタバースが大事になっていくのか?

大手テック企業がメタバースの構築をリードしたい理由は明らか。インターネットのトップ企業が次々と世界のトップ企業として名前を挙げられている中、次のインフラでも同じことをしなければいけないと思っている。しかも今度はインターネットを超えてオフラインの世界にも入ってくるため、よりユーザーのアテンションと時間、より大きな市場規模となり得る。

さらにメタバースは地域関係なく、平等にリソースのアロケーションが提供されるため、地方に住んでも都内と同じ仕事や経済に入れるようになる。インターネットの普及でそれを少し見ることが出来たが、メタバースだとそれがさらに加速されるだろう。

メタバースで必要になってくる技術とインフラ

メタバースで必要なのは一つの場所に無制限の同時アクセスが出来る技術。この技術はまだ発展中で、ようやく現実になり始めているのが現状としてある。フォートナイトが2019年に実行したMarshmelloのコンサートも1,100万人が同時アクセスされたと記載があるが、実は100人毎のインスタンス(グループ)が10万個に分けられていただけ。Fortniteも100人のグループに分ける理由は100人と言う数字がゲームプレイが一番楽しいからではなく、単純にそれが現状の同時アクセス数のリミットだから。セカンドライフなども多くの人が一緒にプレイしているように見えるが、実はFortniteと同じようにシャーディングされて、地域別にサーバーを置いたりしている。Facebookも何億人も使っているが、他のユーザーではなくFacebookのサーバーだけとリンクしている。何か情報が必要な時にはFacebookサーバーから取っているだけなので、そこまで負担がない。メタバースはビデオ電話とゲームを組み合わせたサーバー負担になる。現在のビデオ電話でも50人以上入ったらかなり遅くなり、そうするとライブ配信とかが必要になるが、ライブ配信はインタラクティブなコネクションがない。結局メタバースのインフラは現在存在してなく、インターネットがメタバースのような体験に今は耐えられない。

さらに課題として上がってくるのは現在のインターネットはオープンなスタンダードで作られたものの、ほとんどのインターネット上のものはクローズドになっていること。Amazon、Facebook、Googleなどで似たような技術を使っているものの、全体としてスタンダード化されていないため、Facebookで作ったものはAmazonにフィットしなかったりする。似た話をすると、画像フォーマットも現状だとGIF、JPEG、PNG、BMP、TIFF、WEBPと多くフォーマットがあり、各自上手く組み合わないケースもある。メタバースではこの技術、フォーマット、インフラのスタンダード化と言うのは必要になってくるが、そこに全世界が合意するのはかなり時間がかかるだろう。

フォートナイトがなぜメタバースに一番近くにいるのか?

その中でなぜフォートナイトが最もメタバースに近いと思うのか?まず、3年前以上からエピックゲームズのCEOのティム・スウィーニー氏がメタバースについて語っている。

フォートナイトが最もメタバースに近い理由をまとめると、

  1. 人気なツールを作り、それを上手くソーシャル化している
  2. プラットフォームの大きさを使って世界中のIPを掻き寄せている
  3. 自分のアバターが中心にあること
  4. ユーザーが自社コンテンツを作れるクリエイティブモードを提供
  5. 全てを可能にしている技術へ投資をかなりしている

1. ツール → ソーシャル → 初期メタバースの流れを既に作っている

メタバースはSNSと同様で最初から作っても人は入ってこない。Facebookも最初に大学キャンパス内での友達や恋人の見つけ方、そして後々写真共有やメッセージングサービスへ変わってからSNSになった。メタバースを作る会社も同じようにツールから初め、それをソーシャル化して、その後にメタバースへと進化させることが大事。

フォートナイトは最初の2つのステップをクリアしつつある。元々は面白いゲームとして知られていたのが、今ではフォートナイト上で集まっておしゃべりをする。面白いのが、フォートナイトでフォートナイトの話をしていないことだ。ゲームの進化についてもCEOのスウィーニー氏はもちろん認識している。

2. フォートナイトの中心には自分のキャラクターがいる

この良さが出てきたのは、スターウォーズの新作とのコラボ企画だった。以下は、マーケティング戦略に詳しいジャック・アップルビー氏の引用だ。

まず、ゲーム内でしか見れないを予告動画を作った。ここで注目するのはコンテンツがどれだけ見やすいことなどではなく、フォートナイト上で友達と共有し一緒にバーチャルな世界で予告が見られること。

ワンタイムイベントも人気だった。特にライトセーバーの好きな色投票はかなりの数集まった。投票自体は何もゲームにはおそらく影響なかったが、プレイヤーが参加している気分を作るのが大事だった。

ゲームコンテンツとしてはライトセーバーを装置してプレイできるようになった。これがおそらく多くのファン心をくすぐる瞬間だろう。これはディズニーがカルフォルニアに作った新しいスターウォーズのテーマパーク「ギャラクシーズ・エッジ」でユーザーが自分だけのカスタムライトセーバーが作れると同じように、「自分だけの」や「自分のキャラクター」と言う発想が今までゲームではあまりなかった。

実はスナップチャットも同じような施策をBitmojiで行っていた。彼らもBitmojiを起点にFacebookに勝ちに行っている戦略として見ている。SnapがBitmojiを$62.5Mで買収した時はみんなはてなマークを浮かべていたが、最近リリースしたBitmoji TVや去年自分のBitmojiキャラクターをTinderやAnchorなど色んなプラットフォームで出せる試作を取った時に初めてFacebookが出来ない機能を大きく推したと思った。結果としてSnap DAUの7割がBitmojiを使っていて、直近は「Bitmoji TV」をリリースした。

他のアプリにBitmojiキャラクターを導入させることによって、Facebookには出来ない戦略をSnapができて、それの次のステップがこのBitmoji TV。Fortniteと同じく、自分のアバターをメインキャラにしてアニメ番組を制作していて、友達のアバターもストーリーの中で出てくる。

3. 巨大プラットフォームおかげでの色んなIPが集まる場所になったこと

フォートナイトが大きくなったからこそいろいろなIP、ブランド、ストーリーが集まる場所となった。有名なのはMarshmelloのコンサートだが、それ以降も多くのコラボイベントを実施した。先ほど紹介したスターウォーズとのイベントもでも、映画で公開されてなかった音声がフォートナイト上で流れた。それはいかにフォートナイトが浸透しているのを表していることでもあるし、望んでいる他の世界との繋がりなのだ。

アーティストのWeezerもフォートナイト上でWeezer専用の島を作り、その島に入るとWeezerの新作アルバムが聞けるプロモーションをした。

他にも限定タイムモードでNikeのエアジョーダンを履くことができたり、映画「ジョン・ウィック」とのコラボイベントなども実施。

こういったコラボイベントが重要な理由は、フォートナイトにとっての売上やユーザーのリテンション向上だけでなく、メタバースへ進化するためのIPの収集を実現しているから。例えば、マーベルとDCコミックスの絡みが見れる数少ない場所がフォートナイトだ。フォートナイトが提供するDCコミックの都市ゴッサムシティ内でマーベルキャラクターとしてプレイできるのは今まででは昔だとありえなかった。また、コミックのキャラだけではなく、NFLなどスポーツのユニフォームや、様々なスキンを使って色んなIPをかき集めているのがフォートナイトの強みでもある。これはまさにリアルの世界と同様で、今後のメタバースには重要な中性的立場にあること。

これだけのIPの混ざり合うのは過去見たことがない。これができたのは、オーガニックでユーザーが集まり、IPホルダーたちが無視できない大きなプラットフォームになったからこそ。企業がFacebookページを作るのが当たり前になったように人やIP、ブランドがフォートナイト上存在しないといけない日が来ている。The Game Awards 2019でフォートナイトのクリエイティブディレクターのドナルド・マスタード氏は、「目標は、すべてのIPが共存でき、あらゆる経験ができるメタバースを作ること」と述べていた。

これまでのディズニーのような大手コンテンツ企業は、ゲームスタジオが自社IPを作成し、プロモーションするのはかなりお金がかかっていた。最近では、立場が逆転し、ディズニーは無償でフォートナイトとコラボしているとの噂も。これを考えると、今後D2Cなどコンシューマープロダクトはフォートナイト上でローンチするのも面白いかもしれない。

新しい例だとフォートナイトの新しいゲームをデッドプールがリツイートしたり、その動画内にも出演したコラボもやっていた。


IPの重要性も理解しているフォートナイトは、元Zyngaで、Nikeの最高デジタル責任者であり、経営戦略トップのアダム・サスマン氏を採用したのが明らかになった。

4. 自社コンテンツや世界を作れるプラットフォームを作れる初期メタバースのクリエイティブモード

フォートナイトですごいのはプレイヤーにかなりの自由とクリエイター機能を与えていること。自分のスキンやダンスの動きを作れる。元々フォートナイトで有名なGIFなどになったBackpack Kidのダンスの動きが可能になり、さらにヒットした。

この影響かはわからないが、フォートナイトは今年プレイヤーが自分の踊りをSNSで投稿してそのダンスの動きがフォートナイトキャラが使えるようにする企画も作った。今のTikTokとすごく相性が良いことをやるのはさすがのフォートナイトというところだ。

さらにダンスだけではなく、フォートナイトのエンジンやアセットを使ってミニゲームなどを作れるクリエイティブモードを提供している。このクリエイティブモードがまさに初期メタバースのようになっている。プレイヤーが自分のアバターを選んで多くのミニゲームやミニ世界に入り込める扉を選択できるロビーに出てくる。

クリエイティブモードでは色んなゲームや世界が描かれている。かくれんぼのゲームもあったり、スターウォーズのデススターを再現して脱出ゲームを作る人もいる。

その中で完璧に新しいストーリーなどを作っている人もいる。その中でも凄かったのは6つのマップに渡り、6時間から10時間ぐらいのプレイ時間が必要なゲームをYouTuberが作った。


ここで大事なのは自分のアバターでミニゲームをやること。どのゲームでも同じキャラクター、しかもそれが自分のキャラクターが主人公として出ていると、より愛着が出るし、色んな世界を見たくなる。

5. エピックゲームズの技術「Unreal Engine」の強み

エピックゲームズはフォートナイトで実証したのは、他社と比べて圧倒的な相互運用性を持っているゲーム開発をしていること。フォートナイトのポテンシャルの鍵はその相互運用性にあると思われる。

現在フォートナイトはiOS、Android、PlayStation、任天堂、PC、Xboxなどクロスデバイスでプレイが可能になっている。各社別々のアカウント登録、決済方法、ソーシャルグラフなどを持っているクローズドのエコシステムを打ち破いている。クローズドにしたいのは各社体験をコントロールしたいのと、オープンにすると自社のネットワーク効果がなくなるから。ただ、各社は同じゲームで別のデバイスを持っている人たち同士でプレイしたいことは昔からわかっていたこと。

エピックゲームズがこの圧倒的な立場を取れたのは「Unreal Engine」と言うゲーム開発が可能なゲームエンジン。Unityに続き使われているゲームエンジンなので、何千とのゲームがエピックゲームズのツールやソフトウェアを使っているおかげでアセットの共有、体験のインテグレーション、ユーザープロフィールの共有などベーシックな共通インフラを提供している。

さらにエピックゲームズはゲーム開発だけではなく、多様に活用できるように投資を行っている。映画やテレビ、ライブイベントなどでもUnreal Engineを使えるのだ。実際にディズニーの「マンダロリアン」はUnreal Engineで作られている。

マーベル映画の98%がCGで出来ている中、映画のワンシーンを撮影するときにこんな形になってしまう。

Unreal Engineの技術を使うことにより、裏に実際に撮影で使えるバックグランドのCGなどを入れているので、このような形になる。

ただ、複雑なゲームや映画などを作るのは大変でかなりの知識が必要なので、メタバースでは誰でもコンテンツや体験を作れるようになるだろう。それを実現するためにエピックゲームズはTwinmotionという建築ビジュアライゼーションツール企業を2019年4月に買収。

そう考えると、エピックゲームズはUnreal Engineで3つのクリエーションツールを作った。

  1. 通常のコーディングするエンジン(ほとんどのゲームや映画が作られている方法)
  2. 建築家やセミプロがビジュアルを主に活用したTwinmotion技術での制作
  3. プログラミング未経験でも世界を作れるフォートナイトクリエイティブモード

VRやメタバース用のAdobe Photoshopを作ることについてスウィーニー氏は2016年ですでに言及していた。さらにエピックゲームズが提供するオンラインサービスはゲーム開発社がソニー、Microsoft、任天堂、PC、iOS、Androidのクロスプレイを簡単に可能にしたり、エピックゲームズのアカウントシステムや16億人登録されているソーシャルグラフを活用できる仕組みを無料で提供している。

多くの他社、特に大手は手数料を取っていることが多いが、エピックゲームズに限っては「無料の方が価値がある」と気づいている。それは無料にすると自然とゲーム開発社が寄ってくれて、既に大きなソーシャルグラフにユーザーを追加してくれたり、ゲーム同士がコラボしやすくしたり、プレイヤーが一つのゲームから別のゲームや体験へジャンプしやすくしている。さらに、エピックゲームズの一番の優位点はゲームが増えることによってフォートナイトへ依存しなくなる。

大手テック企業たちのメタバース構築計画

エピックゲームズ以外にも大手テック企業はメタバースの構築をしたがっている。今回はFacebook、Microsoft、Amazon、Apple、Unity、Valveなどがどう言う形でメタバースに入り込もうとしているかを説明したい。

1. Facebook
2014年にFacebookがOculusを買収と聞いた時、ゾッとした覚えがある。ちょうど「サロゲート」というSF映画を飛行機で見たばかりで、Facebookが同じようにVRを通して次の世界インフラをコントロールしたいと思っているように感じた。Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏は明確にメタバースを開発してコントロールしたいとは言い切ってないが、今までの行動を見るとそういう動きにしか見えない。

Oculusを買った理由をザッカーバーグ氏はこう説明している。「戦略的にモバイルの次のメジャーなコンピューティングプラットフォームを開発したい。次にコンピューティングプラットフォームになり得る選択肢は少ないが、Oculusはコンピューティングの将来の長期的な賭けだ」。

Facebookはどの会社よりもメタバースの構築に入り込まないといけない。SNSより超えるメタバースはFacebookのアプリを意味なくする可能性もある。Facebookは今までハードウェアやスマホのOSの開発を行っていたが、ハードウェアはまだニッチな領域でOSはボツになっている。大手テック企業の中で唯一アプリ・サービスレイヤーに止まっているFacebookがメタバースを通して初めてインフラレイヤーに入り込めるチャンスでもある。Facebookの目的はOculusの力を使ってメタバースで次のAndroid/iOS/iPhone、そしてそこをコントロールできればバーチャルグッズの売買でAmazonになること。

Facebookの現段階の優位性は圧倒的なユーザー数、利用時間、そしてどのプラットフォームよりもユーザー生成コンテンツを持っていること。さらに多大なるキャッシュ、優秀なエンジニア、そして多数の議決権を持っていてこのビジョンをやり遂げたい創業者がいること。

ここ数年でOculus意外にもいくつかメタバースのための買収を行っている。直近だと脳によるコンピューター操作に取り組むCTRL-labsの買収や、買収はしなかったが買収交渉したウェアラブルのFitbitやチップメーカーのCirrus Logicと、ハードウェア買収を本格的にやっている。去年末にVRゲームBeat Saberも買収していて、直近ではVRスタジオのSanzaruも買収を発表。

Facebookは今年Horizonと言うまさにレディ・プレイヤー1 、メタバース的な世界をクローズドベータでローンチを発表。今までのソーシャルな機能とFacebookが伸ばしている仕事用コラボレーションツールWorkplaceを混ぜ込む作戦なはず。キャッシュがあるうちに上手く将来のインフラを読み取ってそこに大きく投資をする度胸と感度はFacebookのレベルの会社でしかできない。

ザッカーバーグ氏もそれを理解している。「歴史を見ると次のプラットフォームが来るのは間違えない。それを作って定義づけをできるものが未来を設計してその利益を取れる」。

ただ、Facebookには課題もある。ゲーム開発プラットフォームなど提供していたが、使いにくいと第三者からの意見が多数あったり、Libraのようなコンソーシアムのリーダーとしてはあまり良い実績が無かったりする。さらに一番の課題はユーザーの信頼性がないこと。データ・プライバシー問題が多々あったFacebookは現在かなり悪い印象になっている中、本当にユーザーがFacebookが作ったメタバースに入りたいのか?と言う疑問点はかなりある。

2. Microsoft
MicrosoftはMicrosoft Office、LinkedIn、Azure、Xboxを使ってメタバースへ入り込もうとしている。MicrosoftはAppleとは変わっていて、オープンなOSを提供している。Microsoft Officeがどのブランドのパソコンでも使えるように、メタバースにあっている仕事のサービス・プラットフォームを用意している。さらにFacebookにはかなわないが、LinkedInと言う大きなソーシャルグラフを持っているのと、世界で二番手のクラウドコンピューティングソリューションを提供しているので、インフラの構築はできそう。さらにXbox+、Xbox Live、HoloLens、マインクラフトなどを通してメタバースへの入り口を作っているのはかなりの優位ポイント。

メタバースをもしMicrosoftがリードするとスマホ世代以来にMicrosoftがOS/ハードウェアのリーダーシップポジションを取り戻すことになる。ここ5年ぐらいのMicrosoftを見ると必死にエンタープライズだけではなく、C向けブランドとしてアピールしている。これはメタバースの準備のためでもあると思う。C向けにもヒットしながら、仕事では欠かせないツールを使うとメタバースではMicrosoftが入るのは必然的になってくる。

3. Amazon
Amazonはインフラが変わってもものを買う場所として生き残るのは間違えなさそう。既にTwitchでも売っているので、色んなタイプのインフラ(ブラウザー、アプリ、ゲームエンジン内)で売ることに対して抵抗感はないはず。さらにAmazonは何百万枚のクレジットカード情報を持っていて、中国外では圧倒的なECシェア率、クラウドコンピューティングでもナンバーワン。様々なC向けメディア(動画、音楽、本、オーディオブック、ゲーム配信)を提供、そしてサードパーティーのコマースプラットフォーム(Fulfilled by Amazon、Amazon Channels)を提供している。

Amazonはクラウドコンピューティング用のゲームエンジンを開発を行っているし、ARメガネ、そして家の中のデジタルアシスタントを開発しているのを考えると、かなり前からメタバースを意識している風に見える。

しかもAmazonのCEOであるジェフ・ベゾス氏はこのインフラ設計をどの会社よりも大事にしている。その一つの例として宇宙輸送事業のSpaceXの目的は火星の植民と違って、ベゾス氏は明確にBlue Origin(SpaceXの競合)の目的はAWSなどと似たように、宇宙のインフラを開発することと言っている。彼曰く、「大きなチップ工場を宇宙で作りたい」とまで発言している。

そう考えるとAmazonはどのテック企業よりもオープンなメタバースに賛同するはず。彼らはUXやアカウントのコントロールは望んでいなく、裏の取引やインフラを構築することで儲けようとしている。

4. Google
メタバースはインターネット以上にデータ量が発生する。そういうデータをマネタイズしたい会社はGoogle。現在オンラインとオフラインのインデックスを一番お金かけてうあくやっているのはGoogle。オフラインのGoogle Map用に1万人以上の協力者がいる。中国外では世界一のデジタルソフトウェアとサービス企業である。Googleは世界で一番使われているOSであるAndroidを提供しているし、一番オープンなクラウドコンピューティングプラットフォームも提供している。

さらに過去に失敗したがGoogleはGoogle Glassを通して本格的にウェアブルコンピューティングに入り込もうとして、今では家の中のデジタル化している流れに沿ってGoogle Assistant、Nest、FitBitなどを買収したりしている。

Google/Alphabetは数多くの関係なさそうなプロジェクトを行っているが、それを全て統合するのはメタバースではないかと踏んでいる。Stadiaのエッジコンピューティング、Project Fi、Google Street View、ウェアラブル、バーチャルアシスタントなどは実はメタバースを意識しているのではないかと思う。

5. Apple
Appleはメタバースに対してあまり賛同しないはず。それはメタバースの存在はAppleの大きなコアビジョンと戦略と遠ざかっているから。Appleは全てのデバイスやOSを一つのプラットフォーム、Appleのプラットフォームで統一させて、クローズドなエコシステムを目掛けている。Steve Jobsのその思いから抜けない限り、Appleはメタバースに賛同しないだろう。

6. Unity
エピックゲームズのUnreal Engineより使われていて、約半分のスマホゲームがUnity上で開発されていると言われている。さらにUnreal Engine以上に建築家やデザイナーがUnityを使って3Dオブジェクトのレンダリングやシミュレーションをつくっている。ディズニーのマンダロリアンはUnreal Engineで行ったものの去年でたライオン・キングはUnityで制作された。Unityはさらに大きなデジタル広告ネットワークを運用している。

ただ、Unityがどのような形でメタバースに関わっていくかが今のところ不明確。オンラインストアもなく、ユーザーアカウントもなく、直接C向けサービスを作っていない。Unityは多くのゲーム開発のコアエンジンとして使われているが、ほとんどは割とシンプルなスマホゲームで、メタバース内で開発されるような新しい世界などはあまりUnityに向いてないかもしれない。ただし、Unityが作っているゲーム開発のスタンダード化(フォーマットなど)、簡単に制作が出来ることなどを見ると大手テック企業が買収して上手くUnityのアセットを使うことは想像できる。

これを考えるとFacebookがUnityを買収したかった理由が明らかになる。ザッカーバーグ氏自身がメールで数千億円かけてもUnityの買収、UnityのOSを買うのは必要と書いていた。以下そのメールの一部だ。

数千億円は高く見えるが、次のインターネットインフラの土台の一部と考えるとその投資は小さいもの。Unityの直近時価総額は$3Bと言われているが、どこかが買収してもおかしくないと思う。

7. Valve
日本ではあまり聞かれないかもしれないが、Valve(バルブ)が運用しているPCゲーム、PCソフトウェアおよびストリーミングビデオのダウンロード販売とハードウェアの通信販売、デジタル著作権管理、マルチプレイヤーゲームのサポート、ユーザの交流補助を目的としたプラットフォーム。Valveのゲームストアはユーザー数、タイトル数、売上などを比較しても圧倒的にエピックゲームズより大きい。さらに古くから人気なマルチプレイヤーゲームのCounter-Strike、Team Fortress、Dotaを作った会社でもある。

ValveはさらにVRハードウェアの開発も何年も前から投資していて、Valveのチームはオープンソース技術を好んでいる人たちでもある。ただ、ValveのゲームエンジンであるSourceはあまり使われてないので、そこがメタバースへの道のりに一番ネックになるかもしれない。

a16zから調達した次世代ゲーム「Roblox」

エピックゲームズに一番近しいゲームはマインクラフトとRoblox(ロブロックス)。Robloxはゲーム制作プラットフォームであり、Roblox上で他の人が作ったゲームをプレイできるレゴやマインクラフト的なゲーム。Robloxはかなり面白い立ち位置にいて、著者はGoogleなどが買収するのではないかと思っている(特にGoogleはStadiaを開始したばかりなので)。圧倒的にメディアに取り上げられることはフォートナイトやマインクラフトより少ないが、実際はフォートナイトよりMAUが多く、マインクラフトに追いついている超人気ゲーム。去年の1月時点で月間10億時間プレイされる驚異的ゲーム。

子供に超人気なレゴでも1カ月で4億時間プレイされていることを考えると、レゴの約3倍の数字を誇るRoblox。そしてRobloxのCEOはまだ40倍延びることが可能と感じている。

そんなRoblox CEOが持っているも2023年までの目標がこれだ。以下はRobloxのKeynoteだ。

フォートナイトみたいに自分のキャラクターを作り、そして他のプレイヤーとコミュニケーションが取れる。Robloxで直近で人気なゲームは自分のテーマパークを作れるゲーム、色んな災害から生き残るゲーム、ピザ屋さんで働けるクッキングゲームなど、かなりバラエティー溢れている。

Robloxは13歳以下の子供たちに人気、YouTubeよりRobloxに時間をかけている。

去年のRobloxイベントではCEOは明らかにRobloxはゲーム以上のカテゴリーだと発言し、75%のスタッフがプラットフォームを作ることにフォーカスしているとのこと。Robloxのすごいところは圧倒的にフォートナイトよりクリエイターが存在し、クリエイターありきで育ったゲーム。今現在400万人のクリエイターがいて、5,000万ゲームがRoblox上で開発された。Robloxは2019年でクリエイターに100億円以上払い、Roblox自体は2019年は$435Mの売上を達成。

すごいのがRobloxの影響力。かなりの中学生以下の親はRobloxを知っていて、子供たちがRoblox経由でお小遣いをお願いすることが多いらしい。そこで自分のキャラクターのカスタマイズ、ゲームでのVIPステータス、アイテム購入のために使っているとのこと。さらに、Robloxはゲーム内の動画ストリーミング(ゲーム内映画館)をテストしている。これは本当にメタバースを狙っているとしか見えない。

そして先日、Andreessen Horowitzがリードインベスターとして$150M調達したことを発表。まだRobloxが買収されてないことが少し不思議に感じる。。

 

結論:結局誰がメタバースを作って、誰が勝つの?

最終的にまだメタバースがどのようなものになるかが見えない中、どのプレイヤーが勝つかはわからない。そしてメタバースは一社が勝つのではなく、複数社、複数プラットフォーム、複数の技術が渋々共同で作り上げるものになるだろう。

メタバースのビジョン、技術、そして機能はまだSF映画で出るようなものにしか聞こえなく、実際に10年後でも出来上がっているかはわからない。ただ、技術やメタバースに興味があるプレイヤーが増えていくごとにメタバースへの世界が近づいているのは間違えない。そのメタバースが一つの会社、もしくはオープンではなくクローズドなメタバースを作りたい会社が構築してしまうと、一般ユーザーの人生、データ、コミュニケーション、そして社会に対しての影響力、権力集中が凄いことになってしまう。エピックゲームズのスウィーニー氏が自社でメタバースに関わりたいのも、GoogleやFacebookが保有している力、特にユーザーデータをメタバースで同じことを繰り返したくないから。彼は何があってもユーザーデータを他の会社に共有せず、それを広告で一切使わないと誓っている。

ただ、コンセプトとしては多くのゲーム(フォートナイト、マインクラフト、Roblox、GTAなど)がこの領域に一番近いと言ってもおかしくない。各社ユーザー数も劇的に伸びていて、今はゲーム以上のものへシフトしている。

結局このメタバースも100社はいないかもしれないが、バトル・ロワイヤルであり、誰が生き残るかを楽しみにしている。

米俳優アルフォンソ・リベイロがフォートナイトのダンス訴訟を取り下げ

「ベルエアのフレッシュプリンス」のスターであるアルフォンソ・リベイロ氏は、彼の「カールトン」ダンスをゲーム内で無断使用したとしてゲーム「フォートナイト」の制作会社Epic Gamesを相手に起こしていた訴訟を取り下げた。

ロサンゼルス裁判所に提出された書類によると、リベイロ氏は自発的に訴訟を取り下げた。同氏はTake-Two Interactiveに対する同様の訴訟も既に取り下げている。先月リベイロ氏は、彼のダンスの著作権を司法省に否定され、おそらくそれが彼の訴訟にとどめを刺したものと思われる。

「カールトン」ダンスのおかしな腕の振り方はすぐ認識できるが、著作権局担当者には通じなかったようだ。リベルト氏の著作権主張を否定した米国著作権局の文書には拒否する理由として、彼の動作は「単なるダンスのルーチン」であり、舞踊術作品として登録することはできないと書かれていた。

一方では、オリジナルの創作表現は、常にクリエーターが限界に挑戦するインセンティブになっている。その一方で、ダンスの一動作を著作権登録するのは少々厄介に感じるが、もちろん気持ちは理解できる。おそらく、将来著作権ゴロが訴訟する分野が1つ減ったという意味ではいいことなのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「フォートナイ トシーズン8」配信開始、海賊、大砲、火山の噴火で大興奮

プレイヤー2億人のFortnite(フォートナイト)は現在世界最大のゲームの一つだが、先ほど待望のシーズン8を公開したことを発表した

Fortniteのプレイヤーではない読者のために説明しておくと、このゲームには「シーズン」という期間があり、一定の世界観とストーリーが用意される。各シーズンには特有のツールやマップが含まれ、2ヶ月半程度継続する。ゲームが定期的にリフレッシュされるのでゲーマーは新たな世界にチャンレンジできると同時にEpic Gamesも収入を確保できる。各シーズンには有料のBattle Passが用意され、武器やスキン、ツール、などをアンロックしたりemoteに新しいダンスを踊らせたりできる。

Season 8はおおむねリーク情報のとおりの内容だった。海賊には巨大なバナナ・スーツが用意されていた。新しい武器には海賊の大砲が含まれる。大砲で直接射たれるとダメージは100ポイントになる。近くに射ち込まれただけで50ポイントのダメージになるから要注意だ。またプレイヤーはこの大砲を使って別のロケーションに移動できる。

Fortniteではマップも重要な役割を果たす。シーズン8では火山に溶岩が追加された。プレイヤーが溶岩に触れるとそのつどダメージ・ポイントが付いてしまう。火山が噴火するとプレイヤーや乗り物が空高く噴き上げられることがある。海賊船の中には大砲、宝箱がある。

プレイのやり方で主要な変更は 「パーティー・アシスト」の追加だろう。このモードでは友達を招待し、協力してその日(あるいはその週)のチャンレンジをクリアすることができる。このチャンレンジをクリアするとスキンや宝などのアイテムをアンロックできるので大きな意味がある。実際、シーズン7でいくつかのチャンレンジをクリアしたプレイヤーはシーズン8のBattle Passを無料で入手できる。数百万の家庭が10ドルを節約できるかもしれない。【略】

最近の記事によれば、1月のFortniteの収入は大きく落ち込んだというのだが、これは事態をあまり正確に伝えていない。12月に新しいBattle Passが売れた後、収入が落ちるのは当然だ。また一般的に言っても12月はクリスマス商戦で売上が伸びる。.

情報源によれば、Fortniteの大ヒットで2018年のEpic Gamesの利益は30億ドルに上ったという。 この勢いを継続させるためには新しいシーズンにも優秀なゲームを提供しなければならない。 強力なライバルも次々に登場しているのでシーズン8に対するプレイヤーの反応は非常に重要になってくる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

会社評価額1兆円超えのエピックゲームズ記事が2位に(2018年8月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。8月は例年9月に発表される新型iPhoneや、久しぶりのアップデートとなるMacBook Airのウワサ記事がランクインした。

iPhoneに代表されるアップル関連記事は、TechCrunchだけでなくどのウェブメディアでも大人気。新iPhone登場前の8月が最も盛り上がるが、ここ数年は機密情報がダダ漏れなので8月に出るウワサをしっかり頭に入れておけば、新iPhoneの特徴はほぼわかるという状態となっている。しかし2018年は状況が異なった。アップルがメインストリームから外したMacBook Airが第一線に復活するというウワサが流れ、マックユーザーが久しぶりにドキドキした。

そして、そんなアップル祭りの8月に2位にランクインしたのが、バトルロワイヤルゲーム「フォートナイト(Fortnite)」で大人気のエピックゲームス(Epic Games)の記事。同社が2018年に調達した資金は、巨大ユニコーン企業であるUberの12億ドル(約1324億円)を上回り、12億5000万ドル(約1379億円)。会社評価額は150億ドル(1兆6554億円)に達したほか、フォートナイトの成功で30億ドル(約3310億円)の利益を上げた。ちなみにフォートナイトのAndroid版は、Google Play Storeにはなく、同社のウェブサイトからダウンロードするという仕様なので注意してほしい。

1位 iPhone 8の後継モデルもiPhone Xデザインを踏襲か?
2位 フォートナイト・バトルロイヤルAndroid版がPlay Storeをスルー
3位 AppleがMacBook Airの新モデルを発売か
4位 これが新しいiPhone XSの外観だ
5位 エントリーモデルMacBookは来月発表