ブガッティ・チェントディエチは1600馬力で9億円超、90年代スーパーカーのリバイバル

VWグループのフランスの自動車メーカー、Bugatti Automobiles(ブガッティ・オトモビル)が史上最強のスーパーカー、ブガッティ・チェントディエチを製作することを発表した。チェントディエチは同社のスーパーカー、シロンをすこーし上回る1600馬力を発生するエンジンを搭載する。しかし驚くべきなのはパワーだけではない。価格も890万ドル(約9億4660万円)という空前のレベルに達している。

クサビ形で角張ったシルエットのスーパーカーはエンブレムやフロントグリルなどにブガッティの特徴を残しているものの、全体としては同社をロマーノ・アルティオーリが所有していた1991年に製作されたミッドエンジンのEB110の遺産を強く受け継ぐデザインとなっている。

モンテレー・カー・ウィークで世界デビューしたチェントディエチは、一見したただけで90年代のスーパーカーから強いインスピレーションを受けていることがわかる。

bugatti front

ブガッティ・チェントディエチ

EB110を押しつぶしてクサビ型にしたようなデザインではではあるものの、チェントディエチは90年代スーパーカーのコピーではない。現代のブガッティのデザイナーはEB110のモダナイズに成功している。ブガッティのチーフ・デザイナー、アキム・アンシャイト氏は次のようにコメントしている。

20世紀のクラシックなスーパーカーのデザインを単なるコピーでなしに21世紀によみがえらせるのは、控えめに言っても、多大の技術的困難を伴った。(前モデルの)シロンのテクノロジーをベースにしながら複雑な空気熱力学上の要求と(シロンとは)まったく異なるフォルムを組み合わせる方法を見つけるねばならなかった。

チェントディエチはイタリア後で110という意味だ。こはEB110のリバイバルであることを意味するだけでなく、エットーレ・ブガッティがこの会社を創立して110周年にあたることも記念している。

奥まったフロントスポイラー、3分割のエアインテークがまず強烈な印象を与える。ブガッティのトレードマークである馬蹄形はこのモデルではごく控えめにフロントグリルの中央に用いられている。これはチェントディエチのフロントがクサビ型に強く傾斜しているためだといいう。このモデルのヘッドライトはきわめて細いが、このデザインは強力なLEDランプを内蔵することで可能になった。ヘッドライトケーシングは日中のライトも内蔵する。キャノピー直後の片側5個の正円の給気口がミッドシップに搭載されたW型16気筒のエンジンにエアを供給する。

bugatti centodieci

チェントディエチの90年代へのオマージュは外見のデザインだけだ。車内は完全に現代のエンジニアリングであり、8リッター W16エンジンは1600馬力を叩き出し、0から100kmの加速はわずか2.4秒だという。最高速度は電子リミッターで時速270kmに制限されている。

ブガッティの生産責任者であるPierre Rommelfanger氏はTechCrunchのインタビューに対し「ブガッティ・オトモビルはチェントディエチを10台のみ限定生産するが、すでに全車予約済みだ」と述べた。こうしたスーパーカーは販売前に顧客からの注文によっって高度にカスタマイズされているのが通例だ。チェントディエチも例外ではないだろう。「生産を妨げないかぎりいかなるカスタマイズも可能だ」という。

チェントディエチが顧客の手元に届くのは2022年になる見込みだ。ブガッティではチェントディエチ以外のオーダーを受け付けており、ブガッティ・ディーヴォとラ・ヴォアチュール・ノワールを製造中だ。もしステファン・ウィンケルマン社長の「毎年2モデルを生産する」というプランが実現できるのなら、ブガッティ・オトモビルはチェントディエチの次のモデルを間もなく発表するはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

LEGOは100万点を超えるTechnic部品から、運転可能な実物大のブガッティを作り上げた

これまでレゴで製作された物の中で、最も野心的なものとして、このブロック会社は実物大で実際に運転可能なスーパーカー、ブガッティ・シロンを作り上げた。

いや、マジで。

それは、レゴのクリエイティブチームの情熱プロジェクトとして、そしてまたイタリアン・グランプリでのプロモーション展示のために製作された。モデルに使われたTechnic部品の総数は100万以上に及ぶ。

(ご存じない方のために説明すると、Technicとは、よく知られたレンガ状のブロックよりももう少し複雑な、ピストン棒、ギア、車軸、モーター、その他の部品を連結するレゴのシリーズのことだ)。

レゴ社によれば、製作プロセスには、延べ時間で多くとも1万3500時間程度しかかからなかったという。彼らは去年の6月にブレーンストーミングを始め、実際の製作は2018年3月に始められた。

LEGOが最初に上のビデオを送ってきたとき、私はまず、どこかにCGが使われているのだろうと考えた。彼らはそれに反応して、組み立て中の数百枚の写真を送ってきた。そのうちの何枚かを以下に掲載しておく。

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  2. chiron-2

  3. chiron-6

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  5. chiron-4

  6. chiron-5

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正確に言えば、それは完全にレゴでできているわけではない。合計で1.5トンにも及ぶものを扱おうとすると、とにかくプラスチックでは再現できない部品があるのだ。たとえば、鋼鉄のフレーム(下の写真)、一対のバッテリー、3Dプリントされたギア、そしてすべてを載せる実際のブガッティのタイヤなどだ(楽しいこぼれ話:レゴは数字だけ見れば世界最大のタイヤメーカーなのである …もちろん、それらは小さいタイヤだが)。

さらに凄いことに、これは動くのだ。もちろん時速400キロ以上を叩き出す実際のシロンに及ぶ筈はない。だが同社は、上で見せたビデオのために、時速約21キロを出すモデルを作ったと言う。そしてさらに理論的には時速30キロ強程度は出ると語る。おもちゃの部品でできていて、大量のプラスチックのモーターで駆動される車としては悪くない。

そのことについて言うなら、このモデルには2000個以上のLego Power Functionモーター部品が組み込まれている。合計で得られる理論上の出力は5.3馬力だ。それぞれが96個のレゴモーターで作られている24個のモーターパックが、タイヤを駆動する鋼鉄のチェーンと組み合わされている。

それに加えて、他にも多数の楽しい仕掛けが組み込まれている:

  • 取り外し可能なハンドル
  • 実際に開閉するドア
  • ボタンを押すだけで上下するスポイラーや、全てのライトと電装品を動かすためのコントロールパネル
  • 実際に動作するスピードメーター。これもTechnic部品から製作

愚かな行為だろうか?おそらくは。それは素晴らしいと呼べるものだろうか?間違いなく。だが悲しいかな、もしこのチームがアクセスできたような実質的に無限のレゴ供給庫なしに、誰かが似たような仕事に挑もうとするならば…1つあたりの小売価格が約30ドルのモーターを集めるだけで7万ドルが必要となる。

レゴは、モンツァで開催されるイタリアGPで、このモデルを公開する予定だ。

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(翻訳:sako)