Verizonがアマゾンと提携し米国の農村部に衛星インターネットを提供

Amazon(アマゾン)のインターネット衛星が、農村部におけるブロードバンド提供拡大のために投入される。CNBCの報道によると、Verizon(ベライゾン)はAmazonと提携して、米国の農村部における固定無線インターネット接続を改善しようとしている。この提携ではまず、Amazonの「Project Kuiper(プロジェクト・カイパー)」を「バックホール(基地局と基幹通信網をつなぐ回線)」に利用してベライゾンのLTEおよび5Gサービスを拡大することに注力し、高速データがほとんどあるいはまったくない地域でのカバレッジを高める。


その後、両社はスマートファームや交通機関など、世界中の産業に一元管理されたインターネットアクセスを提供したいと考えている。現時点では、すでに開発されているProject Kuiperのアンテナ技術を用いて、農村部のブロードバンドの技術要件を確立中だ。

両社はこの衛星を使ったサービスのスケジュールについて明らかにしていない。AmazonはこのほどProject Kuiperのためのロケット打ち上げを明らかにしたが、衛星の半分が地球低軌道に乗るのは2026年になると予想している。遅くとも2029年7月には完全なコンステレーションが完成する見込みだ。

2社の提携には「敵の敵は友達」という側面がある。AmazonとVerizonは、急速に発展しているSpaceX(スペースX)のStarlinkサービスに対抗しようと競い合っている。Starlink が強固に足場を固めると、Google(グーグル)などの法人クライアントを含む顧客を失うリスクがあるからだ。とはいえ、米国人にとっては、より多くの地域で高速インターネットが利用できるようになるというのはどうでもいいのかもしれない。FCC(連邦通信委員会)が5Gに数十億ドル(数千億円)を投資しているにもかかわらず、地方におけるインターネット提供は完全とは程遠い。今回の提携により、以前のように農村部に回線を引くことなく、インターネット格差を埋めることができるかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Amazon

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

定額制ブロードバンドで英国ISPの「反逆者」目指すCuckoo Internetが約6.5億円を調達

英国のブロードバンドプロバイダー市場を破壊することを目指しているCuckoo Internetは、RTP Globalが主導し、JamJar Investmentsが参加した600万ドル(約6億5000万円)の投資調達ラウンドをクローズした。また英国時間4月26日から、価格比較サイト「uSwitch」でサービスを開始する予定だという。

RTP Globalは、YandexやDelivery Hero(デリバリー・ヒーロー)、Datadogを早くから支援してきた。一方のJamJarは、Bulb、Deliveroo、Tails、Oatlyを支援している。その他の個人投資家には、MonzoやStripe(ストライプ)の元幹部らが含まれている。

Cuckooのセールストークは、シンプルなブロードバンドサービスで、単一プランである67Mb/sのファイバー契約を月単位の継続契約で提供し「隠された料金は一切なし」というものだ(2021年4月現在、月額29.99英ポンド / 約4500円)。

Cuckooの創業者兼CEOであるAlexander Fitzgerald(アレクサンダー・フィッツジェラルド)氏は、声明の中で次のように述べた。「ブロードバンド市場は壊れており、消費者は毎日のように搾取されています。2020年、何百万人もの人々が自宅で仕事をするようになったことで、高速で信頼性が高く、かつ手頃な価格のブロードバンドの重要性がより明確になりました。今回の資金調達により、(英国)全国の何万人もの人々のブロードバンドをシンプルにする支援ができることをうれしく思います」。

RTP GlobalのパートナーであるGareth Jefferies(ギャレス・ジェフリーズ)氏は次のように述べている。「消費者向けブロードバンドは、最大の市場の1つでありながら、最もサービスが行き届いていない市場の1つです。消費者は、顧客に不利な価格設定、柔軟性に欠ける契約、わざとらしいほどひどいカスタマーサービスにうんざりしています。保険やエネルギー、銀行で見られたように、差別化された商品パッケージと顧客に対する新たな敬意をもって、既存企業のシェアに食い込んでいこうとするチャレンジャープロバイダーが数多く登場してくるでしょう」。

カテゴリー:その他
タグ:Cuckoo Internet資金調達ブロードバンドイギリス

画像クレジット:Cuckoo

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】米国の低所得者ブロードバンド支援はLifeline Programの再構築で改革せよ

本稿の著者Rick Boucher(リック・バウチャー)氏は民主党米下院議員を28年間務め、米国下院エネルギーおよび商業対策委員会の通信・インターネット小委員会の議長を務めた。Internet Innovation Alliance名誉議長。

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「If you build it, they will come(それを作れば、彼らはやってくる)」は、行動を勇気づけるために30年以上繰り返されているスローガンだ。映画「Field of Dreams(フィールド・オブ・ドリームス)」に出てくるこの一文は、強力な格言だが、私はそこに一語加えてみたい。「If you build it well, they will come.(それをうまく作れば、彼らはやってくる)」。

米国のLifeline Program(ライフライン・プログラム)は、低所得世帯が不可欠な通信サービスを利用できるようにするための月額助成制度であり、すばらしい意図の下に作られた。当初の目標は誰もが使える電話サービスの構築だったが、連邦通信委員会(FCC)がこれをブロードバンド中心のプログラムに変更しようとしたことで、達成目標を大きく下回っている。

FCCのユニバーサルサービス管理会社の推定によると、現在同プログラムを利用しているのはLifeline有資格世帯のわずか26%だ。これは、低所得消費者の4人中3人が得られるべき恩恵に預かっていないことを意味している。しかし、これはJor Biden(ジョー・バイデン政権)が最近発表したインフラストラクチャー計画が示唆している、プログラムを廃止すべきだという意味ではない。

むしろ、今こそLifeline Programのブロードバンドへの転換を完了し、支援をブロードバンド市場に見合ったレベルへと引き上げることによって、利用価値を拡大するチャンスである。しかし、この計画に関するホワイトハウスの概況報告書は、インターネット利用サービスの価格統制を推奨し、低所得世帯への女性をフェーズアウトするとしている。これは欠陥のある政策処方箋だ。

もし、米国の世界的競争力を維持し、費用のかかる郊外地域にブロードバンド基盤を築き、国による5Gワイヤレスサービスの迅速な展開を続けることが国家目標なのであれば、政府はインターネットアクセスの価格を決めるべきではない。

手頃価格なブロードバンドを追求するために人為的な低価格を強制することによって、インターネットサービスプロバイダーは、国の通信インフラストラクチャーの要求を満たすための優れたなイノベーションと十分な投資に必要な収益を上げることができなくなる。

代わりにLifeline Programに目標を定めた変更を施すことによって、登録者が増え、現代世界で雇用、教育、医療、政府情報へのアクセスなどに不可欠な電話およびブロードバンドサービスを必要としている貧しい米国の人たちを繋ぐという目標の実現に近づくことができる。

まず、Lifeline Programへの登録をもっとずっと簡単にすべきだ。現在、サービスを利用しようとする個人は、個別の登録プロセスを使う必要がある。SNAP(補助的栄養支援プログラム、旧称フードスタンプ)やMedicaid(メディケイド、医療費補助性度)などの政府支援制度の対象者が、Lifelineに自動的に登録される「coordinated enrollment(連携登録)」を実施すれば、プログラムの深刻な低利用率は解消されるはずだ。

同じ市民たちを複数の政府プログラムが対象としているため、対象プログラムすべてに適用される単一の登録プロセスを作れば、政府・自治体の効率が高まり、機会を逃している国民に手を差し伸べることができる。

2014年にアメリカン・エンタープライズ研究所で講演したFCCのMignon Clyburn(ミニヨン・クライバー)委員は次のように語った。「ほとんどの州では、消費者はすでに、州政府が管理する国の支援プログラムに登録するために所得関連書類を集めル必要があり、プログラムによっては面接もあります。他の政府支援プログラムへの申請と同時にLifelineに登録できるようにすれば、消費者の体験は向上し、私たちの作業効率も高まります」。

次に、Lifeline特典の利用は、SNAPプログラムの電子給付金送金(EBT)カードのように、助成金が電子Lifeline給付カードアカウントを通じて直接入金されるようになれば、消費者にとってずっと簡単になる。Lifeline給付金カードによって、プログラムへの登録が簡単になるだけでなく、低所得層はさまざまなプロバイダーの中から、自分のニーズにぴったり合ったキャリアを選べるようになる。消費者の選択肢が広がることで、プログラムに登録する動機づけが高まる。

そして、Lifelineの現在の助成金、月額9.25ドル(約1000円)は、ブロードバンド契約に十分ではない。助成金が真に意味のあるものになるためには、月額の給付を増やす必要がある。2020年12月、議会は一時的なEmergency Broadband Benefit(緊急ブロードバンド支援)を承認し、パンデミック中、米国の低所得者はブロードバンド接続のために月額最大50ドル(約5400円)、部族所有地では75ドル(約8100円)の減額を受けられるようになった。緊急支援終了後には、ブロードバンド契約料金負担に見合った月額給付金が必要になる。

月間9.25ドル以上の支援を行うためには、Lifelineの財源も見直す必要がある。現在同プログラムはFCCのユニバーサルサービス基金に依存しており、その財源は従来の長距離および国際通話の「税金」で賄われている。

ウェブによる音声会話の利用が増え、伝統的電話の利用が減ったことによる固定電話サービスによる収入減を補うために、税率が引き上げられている。10年前、「contribution factor(寄与因子)」と呼ばれるこの税は15.5%だったが、現在は維持不可能な33.4%へと2倍以上に増えている。変革を起こさなければ問題は悪化する一方だ。

ブロードバンド給付金の財源を滅びゆくテクノロジーと結びつけておくべきでないことは明白だ。代わりに、Lifeline Programはインターネットエコシステム全体で共有される「税」で賄うことができる。例えば顧客とつながるためにブロードバンドに依存しているウェブサイトから、あるいはLifeline Programのための議会が定めた政府歳出予算から直接支出するなどだ。

ここに挙げた改革案は実現可能かつ単純明快だ。プログラムを廃止するのではなく、今こそLifelineを「再構築」し、当初の目標を実現して米国の最貧困層に手を差し伸べる時だ。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Lifeline ProgramアメリカコラムインターネットブロードバンドFCC

画像クレジット:Paul Taylor / Getty Images

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(文:Rick Boucher、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Plumeがブロードバンドプロバイダー向けにスマートホーム用Wi-Fiを強化、評価額1420億円で285億円調達

2020年は世界中がパンデミックに見舞われるという特別な年となり、家で仕事をする人の数が激増したが、その生活様式の移行により、私たちのブロードバンドネットワークの質がいまひとつであることが露呈した。米国時間2月22日、ブロードバンド接続を最適化するメッシュWi-Fiプラットフォームを構築し、世界の2200万世帯に幅広いスマートホームサービスを提供するスタートアップPlume Design(プルーム)が、2億7000万ドル(約285億円)という大型ラウンドによる資金調達を発表した。Wi-Fi環境のさらなる改善が期待される。

「私たちは家庭内のWi-Fi接続の最適化に長けていますが、それが目標ではありません」とPlumeの共同創設者でありCEOのFahri Diner(ファリ・ダイナー)氏はTechCrunchのインタビューで話した。「私たちはこれを基礎と考えています。そこで経験を積んできたわけですが、さらに大きく進歩して、高度なペアレンタルコントロールや、どのデバイスがネット接続ができて、どのパスワードを使うかを管理する安全なアクセスコントロールといったサービスも提供するようになりました。私たちは、消費者が関心を高めつつあり、次の大きな市場分野になると目される洗練されたセキュリティに重点を置いています」。

「Plumeの究極の製品は、顧客がキュレーション、管理、サービスの提供を行える、総合的なクラウド駆動型プラットフォームです。それがこの会社の目的なのです」。

今回のシリーズE投資は、投資会社Insight Partners(インサイト・パートナーズ)の単独の出資によるもので、現在のPlumeの評価額は13億5000万ドル(約1420億円)とされた。これは大変な成長だ。ちょうど1年前、同社はエクイティとデットの組み合わせで8500万ドル(約90億円)を調達したが、そのときの評価額は5億1000万ドル(約538億ドル)だった。

家庭用ブロードバンドネットワーク業界の人間でない限り、Plumeという社名に馴染みはないだろう。だが、それを利用したことがない人でも、同社の技術を使ったサービスの宣伝を聞いたことならあるかも知れない。または、間もなく耳にするようになるだろう。

パロアルトを拠点とする同社は、家庭向けブロードバンドサービスの提供と、家庭でのWi-Fi接続の性能を高めるPlumeのメッシュ技術を販売する世界170社あまりのキャリアと契約している。この技術は、古くて大きな家や、大勢の人が住んでいてブロードバンドネットワークの負担が大きい家では特に重要だ。ネットワークセキュリティ、ペアレンタル接続コントロール、モーション認識といったPlume独自のサービスもこれに加わる。

Plumeは、これらの付加サービスをHomePass(ホームパス)というブランド名で提供しているが、さらにキャリア向けにクラウドベースの運用ツールHaystack(ヘイスタック)とHarvest(ハーベスト)も用意されている。これらは、キャリアのカスタマーサポートとネットワーク管理の支援、より良いパフォーマンス分析データの収集、利用者の使用と乗り換えに関する状況報告などを行う。

Plumeはまた、大手ながらあまり知られていないハードウェアメーカーとも提携し、同社の事業を支えるルーターやプロセッサー、関連ソフトウェアの開発も行っている。

顧客の一部であるComcast(コムキャスト)、Charter(チャーター)、Qualcomm(クアルコム)、Belkin(ベルキン)、Cablevision(ケーブルビジョン)、Liberty Global(リバティー・グローバル)、Shaw Communications(ショウ・コミュニケーションズ)は、長年の戦略的投資者にもなっているが、これが市場のビッグプレイヤーを引き寄せている証拠だ。同社はこれまでに、総額で3億9700万ドル(約420億円)を調達した。

家庭のWi-Fi環境改善には、高速ネットワークから高性能なルーターやWi-Fi中継器など、何年間にもわたる数々の努力があった。

Plumeの技術は、その中の1つのテクノロジーであるメッシュアーキテクチャに基づいている。これはGoogle(グーグル)のNest(ネスト)Wi-Fiシステムにも使われているものだ。1台のルーターと複数のノードで構成され、それらがネットワーク上の単一のデバイスであるかのように振る舞う(これに対して中継器はそれぞれ独自のSSIDとパスワードを持つ)。

このメッシュアーキテクチャの上に、Plumeはソフトウェア定義のネットワークを構築し、トラフィックを正確に測定できる。そのためオートメーション機能が、例えばネットワークに新しいデバイスが追加され、正常に機能させるためにはもっとパワーが必要だと判断すると、自動的に対処する。

Plumeには、取得したものと申請中のものを合わせて170ほどの特許技術があり、それらが製品を支えてる。

注目すべきは、Plumeが一時期、メッシュベースのWi-FiルーターのスタートアップEero(エーロ)と比較されていたことだ。Eeroは後にAmazon(アマゾン)に買収され、Amazonは現在、同社独自のメッシュWi-Fiソリューションの一部としてそのルーターを販売している。

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だがこの2つの企業には、決定的な違いがある。それは主に双方の基礎となっている事業の前提だ。ダイナー氏が指摘するように、Plumeのサービススタックは、ルーターを中心としたものではない(Eeroはルーター中心だった)。むしろ、ハードウェアとクラウドを結ぶオープンソースのフレームワークプラットフォームを利用したメッシュ技術を主体として、OpenSync(オープンシンク)と呼ばれるメッシュネットワーク上で利用できるサービスを構築することが主軸になっている。これにより、サービスプロバイダーは、Plumeのメッシュアーキテクチャの上に独自のサービスを構築できる。

ちなみに、ダイナー氏は、キャリアーが何を求めているか、実際に何を使い、何を考えているかを、長期的な視点で深く理解している。彼自身は工学の教育を受け、いくつものベンダーに勤め出世の道を歩んできた。ちょうど、キャリアが従来の銅線から光通信のファイバーへと移行していった時期だ。電気通信事業社の資本支出が最高潮だったころ、彼は自分で立ち上げた長距離光通信ネットワークのパイオニア企業Qtera(キューテラ)を、今はすでに廃業したNortel(ノーテル)に32億ドル(約3380億円)で売却している。彼自身もまた長期的な視野を持つ投資家であり、数々の大手次世代型通信ベンダーの役員にも就いている。

電気通信の世界は共食いされないか、いわゆる「ダムパイプ」の役割に追いやられないかと、長い間心配し続けていたのだが、そんなキャリアに、PlumeはWi-Fi接続で使えるサービス、つまりアプリの開発という道を提示した。

だが、音声、ブロードバンド、映像の3つのサービスを提供するというキャリアの「トリプルプレー」の約束が、特に固定電話回線の利用と維持に関心を持つ利用者が減ったことで果たせなくなり、キャリアの存在の危機はさらに高まった。コンテンツでは、テック企業やメディア企業が大量に送り込んでくる、より魅力的で新鮮な独自制作作品に完全に負けてしまった。

あとはブロードバンドに目を向けるしかなかったのだが、それは一定の価格で商品化されたため、どのキャリアも同じような速度と信頼性を提供することになった。

「どう差別化するか」が全員の疑問となったと、ダイナー氏はいう。Plumeの答えは「新しいサービス一式によって家の中で差別化を図る」ことだった。

ところが現実には、最大手級のキャリア(それもすべてではない)にしか、そのためのリソースも意欲もないかも知れなとダイナー氏は話す。現在170社を数える顧客の中でも、そのプラットフォーム上に独自のサービスを構築している企業は5社だけだという。

だからこそPlumeは、サービスを開発してそれをキャリアにホワイトラベルとして提供し、利用者に販売できるようにしている。このサービスがサービスプロバイダーの間で大きな関心を集めているのも、そのためだ。OpenSyncは、現在2600万カ所のアクセスポイントをカバーしているが、家庭に導入されるデバイスが増え、1日中使用されるようになるにつれ、その数は急増している。

そうした家庭向けサービスも、いずれは各社とも似通ったものになっていくのではないかと思われるかも知れない。しかし、オープンプラットフォームは、やがて多くの企業やサービスに革新を引き起こすようになると、単純に期待できる。

当面は、PlumeにとってWin-Winの状態が続く。

「スマートホーム分野は爆発的に成長していますが、消費者のエクスペリエンスの質は低下しています」とInsight Partnersの業務執行取締役Ryan Hinkle(ライアン・ヒンクル)氏は声明の中で述べている。「私たちは、Plumeが、そのスケーラブルなクラウドデータプラットフォームのアプローチ、高効率な市場開拓戦略、大きな勢い、全SaaS KPI中でトップ4に入る業績(収益、成長率、粗利益、効率性、顧客維持率など)、世界クラスのチームによって、この分野に変革をもたらすと確信しています。このエキサイティングな旅に参加し、支援できることを心からうれしく思っています」。今回のラウンドから、ヒンクル氏はPlumeの取締役会に参加する。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:PlumeWi-Fiメッシュネットワークブロードバンド

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:金井哲夫)

Isotropic Systemsが新しいコンステレーションを最大限に活用する衛星アンテナで42億円を調達

英国のIsotropic Systems(アイソトロピック・システムズ)は、同スタートアップが「定員超え」と主張する投資ラウンドで4000万ドル(約42億円)を調達し、2022年を目標とする次世代ブロードバンド端末の生産段階に入る。これにより、同社が調達した資金の総額は6000万ドル(約63億1000万円)となった。今回のシリーズB投資ラウンドはSESが主導し、べンチャー投資側ではBoeing HorizonX、Space Angels、Orbital Venturesが参加。さらに、英国政府の助成金も含まれている。

Isotropicの事業の中核は、新しいタイプのブロードバンド端末だ。複数の周波数にまたがった通信が可能で、同時に複数の衛星ネットワークに、個々の信号の品質や通信速度を一切落とすことなく接続できるというものだ。つまりその最終的な製品は、OneWeb(ワンウェブ)、SpaceX(スペースエックス)、Intelsat(インテルサット)、SES、Amazon(アマゾン)などの現在整備されつつあるいくつもの衛星ブロードバンドネットワークに、地上で同時に接続して利用できる利便性を利用者に提供する。

同スタートアップは、英国のレディングに2万平方フィート(約1860平方メートル)の試験と予測のための施設を開設し、最初の実用版地上端末の生産を2022年までに開始する予定だ。この完成版が宣伝どおり機能すれば、衛星ネットワークの接続プロバイダーにとっても、一般ユーザーにとっても大きな前進となる。なぜなら衛星ネットワークを使おうとするユーザーは、利用可能なサービスから1つを選ぶ必要はなく、たった1つのハードウェアソリューションで複数のネットワークに対応でき、その中で最善の通信速度を享受できる上に、ネットワーク冗長性も獲得できるからだ。

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経済的に合理性がある限り、その恩恵は明らかだ。たとえば国際線の飛行機でWi-Fiを利用する場面を想像してみてほしい。どう控えめにいっても、飛行機で使えるネットワークは安定性が低い。通信可能な範囲や品質の急激な低下は日常茶飯事だ。最高の条件が整ったときですら、速度が上がらないことが多い。Starlink(スターリンク)などのネットワークは、こうした数ある昔ながらの問題を改善したいと考えているが、さらに上をいくのが、複数の衛星ネットワークに同時に接続できるこのソリューションだ。必要に応じてネットワークを切り替えつつ常に最良のネットワーク品質を保ち、速度をさらに向上できると思われる場合には、利用可能な周波数帯域も組み入れる。

Isotorpicの潜在顧客は、軍事、政府、民間の各市場のブロードバンドから低データ速度のIoTの分野にまで広がっている。今回調達した資金により同社は、その画期的な製品の生産規模の実現性と、約束どおりの有効性の実証を可能にするだろう。

カテゴリー:宇宙
タグ:Isotropic System資金調達衛星コンステレーションブロードバンド

画像クレジット:Isotropic

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(文:Darrell Etherington、翻訳:金井哲夫)