オンラインで「人対人」の接客を実現するオモチャデバイス「KARTE GATHER」

ショップに入ると、かわいいモンスター型の人形に向かって、店員が商品をあれこれ見せながら、何かを勧めている。接客の練習? それともスマートスピーカーか何かなのか? いや、どうやらモンスターのお腹にあるカメラの向こう側では、顧客がオンライン越しに、リアルタイムでショッピングを楽しんでいるらしい……。

顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を提供するプレイドは8月20日、同社のR&D部門が開発する新プロダクト「KARTE GATHER」を発表した。

オンライン越しにリアル店舗の接客ができるオモチャデバイス

KARTE GATHERは、モンスター型のオモチャデバイスを通じて「リアル店舗の店員がオンライン接客できる」というプロダクトだ。顧客が店のECサイトなどにアクセスすると、ウェブ接客のポップアップの代わりにデバイスへの接続ボタンが表示される。接続されると、デバイスに搭載されたカメラを通して店員との対話や商品の確認ができ、その場に居ながらにして、店で買い物しているような体験が可能になる。

開発を担当したプレイド VP of R&Dの秋山剛氏は、2017年11月に発表された、VR空間上にECサイトの訪問客を可視化するプロダクト「K∀RT3 GARDEN(カルテガーデン)」開発にも携わっている。秋山氏は1年ほど前から、店舗に新たな価値のひとつとして「コミュニティ」の場という役割を付加できないかと、新たなプロダクトを構想していたとのことだ。

「顧客の行動が変化し、オンラインでの購入が増える中で、店舗は商品を買うほかにショーケースとしての役割を担うようになっているが、果たして店舗はショーケースというだけでいいのか。またアパレルなどでは店員さんのブランド化・メディア化も進んでいるが、それもやはりメディアというだけでいいのか、と考えていた」(秋山氏)

プレイド VP of R&Dの秋山剛氏

ショーケース、メディアというだけでは「共通言語によるコミュニケーション」が足りていないという秋山氏。リアル店舗には、店員と顧客が互いに顔を覚えて“お得意様”になっていく過程や、これまでに顧客が買ったものを店員が覚えていて、その人に合った新しい提案をしたり、顧客の方も気軽に店員に質問ができたりする環境があって、リアルならではの購買体験がある。そこでオンライン/オフラインの垣根なく、新しいコミュニケーションを生むプロダクトとして開発したのがKARTE GATHERだと説明する。

「KARTEは、ECサイトで顧客ごとに個別最適化した提案ができるけれども、R&D的には物足りない。買い物はもっと楽しいもののはず。人と人とのコミュニケーションが生む意外性が、それを生み出す。ウェブ接客だと初回割引クーポンが出て、2回目以降だと割引率が初回より低いということもあるが、それでは合理性に走りすぎている。店に行くことが楽しいという、プライスレスな体験をKARTE GATHERでは提供したい」(秋山氏)

秋山氏は「今のテクノロジーだけでは、個別最適化が難しいところ、店員さんが勝っているところがある」という。KARTE GATHERでは、デバイスを通して対話することで、顧客と店員が互いに印象づけられ、「もう一歩二歩、深いところでコミュニケーションできるようになる」と話している。

なぜ「モンスター型オモチャ」の形をとったのか。秋山氏は「スマホでもタブレットでも同じような接客は実現できるが、無味乾燥だし、ほかの来店客から見て接客しているのか別の業務をしているのかが分かりにくい。お客さんに“ヒト感”があるのは接客には重要と考え、『ヒト感があるけれどもヒトではない』キャラクターデバイスを作った」と説明している。

現在3体用意されているデバイスは、外面を少しずつ異なる布地にしているとのこと。腹部にはカメラ、背面にはタッチパネル、角と目に当たる部分にはLEDが装備されいる。LEDは接客中に、顧客が「イイね」などのアクションを示すと、光で知らせてくれる。

デバイスは自分では動けないので、顧客が見たい商品がある場合には、店員にデバイスを抱っこして動かしてもらわなければならない。カメラ位置が商品に寄りすぎたり遠すぎたりする場合も、「もう少し後ろへ」「前へ」と声をかける必要がある。また、顧客はカメラを通じて接客する店員の顔を見ることができるが、店員は顧客の顔を見ることはできない。

これらは一見不便なようだけれども、この「余白」「非対称性」によって、店員の接客の個性が出るのではないかと秋山氏は考えている。

「最適・最速だけではヒト感がない。ミスや行き違いがあることもコミュニケーションを生む。店員さんによって行動が変わり、自由度があることで個性が生まれ、楽しい顧客体験を生む。店舗スタッフの力が発揮できる設計だ」(秋山氏)

あらゆる接客が発生する場を対象にトライアル企業を募集

KARTE GATHERの着想は、新型コロナウイルス感染症の影響が出る以前のことだが、その後、リアル店舗へ出向きにくい状況となり、店舗営業の縮小も増えている。一方で、「オンラインにはない価値」が見直される動きもあって、店舗のあり方は今、まさに問われている。

秋山氏は「店頭での接客を今、行うことについて、肯定的立場でも否定的立場でもない」と話す。「客がいないのに店を開けるべきでない、とか、リスクを超えても店は開けるべき、といった極論でなく、場とスタッフをうまく活用できればいいと思う。来店客がいないのでスタッフが暇だというなら、KARTE GATHERのようなツールを利用することによって、Eコマースに生かせればいい」(秋山氏)

今後、導入を検討する企業や店舗とともに、KARTE GATHERの実運用の部分を「一緒に作っていきたい」という秋山氏。CXプラットフォームのKARTE利用を前提として、アパレルや不動産ほか、「接客が発生するあらゆる店舗」(秋山氏)を対象に、導入トライアル企業を募集していくそうだ。

タグ1行でサイトを要素ごとに編集・評価、「KARTE Blocks」クローズドβ版提供開始

顧客体験プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を提供するプレイドは7月30日、新プロダクト「KARTE Blocks」クローズドβ版の提供を開始した。プレイド代表取締役CEOの倉橋健太氏は、新プロダクトについて「プレイドとして最初からずっとリリースしたかった、サイトそのものをより良くするプロダクト。ずっとアプローチしたかった領域に、念願叶って踏み出せた」と語る。

ノーコードでサイトを要素ごとに更新・評価できるKARTE Blocks

プレイドが2015年3月から提供するKARTEは、ウェブサイトやアプリを利用する顧客の行動をリアルタイムに解析。ユーザーを「データ」としてではなく「人」として可視化し、ポップアップやチャットなどで、それぞれに合ったコミュニケーションを提供するための顧客体験(Customer Experience:CX)プラットフォームだ。

KARTEが「ウェブ接客ツール」として打ち出され、サイト/アプリ上の「コミュニケーションレイヤー」を担うツールとして展開されてきたのに対し、新プロダクトのKARTE Blocksは「サイトそのもの」を扱うツールだ。

プロダクト開発を担当したプレイド Product Managerの棚橋寛文氏は、KARTE Blocksについて「サイトをブロックの集合体と捉えて、ブロックごとに整理・編集・更新・評価できる、今までにないサイトの『管理体験』を提供するもの」と説明する。

KARTE Blocksは、タグを1行追加するだけで、サイトのあらゆる構成要素をブロックとして分割。CMSで構築されたか、スクラッチで開発されたかを問わず、どんなサイトでもKARTE Blocksの管理画面からブロックごとの編集や、更新スケジュール設定、公開・非公開の設定ができる。また、閲覧数・クリック数・コンバージョン率など、ブロックごとのパフォーマンスの可視化も可能。プレイドではこのツールの概念を「BMS(Block Management System:ブロック管理システム)」と呼んでいる。

各ブロックの画像やテキストの編集・更新はコードの知識がなくても可能だ。また、HTML・CSS・Javascriptの心得があれば、より踏み込んだ編集・カスタマイズもできる。KARTEで得られた行動データをもとに、セグメントごとにブロックをパーソナライズして表示することも可能で、「来訪回数3回以上の人には、このブロックにこのメッセージと画像を表示する」といった出し分けも行える。また複数パターンでのA/Bテストも実施できる。

「コミュニケーションレイヤーを担ってきたKARTEに加え、サイト自体の体験も顧客に合わせて柔軟に変えていきたいという声は、以前からあった。そこに対して、どういう切り口で、どう価値提供していくか、社内でも試行錯誤した結果、KARTE Blocksが誕生した」(棚橋氏)

棚橋氏は「KARTE Blocksではコミュニケーションだけでなく、サイトという『場』、ECであれば『店』自体をより良くするもの」と述べ、「場とコミュニケーションとで総合的に、より良い顧客体験を提供するためのスタートラインに立てた」と語る。

「サイト上のコミュニケーション」から「サイトそのもの」のCX向上へ

KARTE Blocksを「念願のプロダクト」と呼ぶプレイド代表の倉橋氏は「KARTEの開発当初から、一番リリースしたかったのはサイトそのものをより良くするプロダクト。サイトを持つ全ての企業が取り組むことだから、本当は最初からやりたかった」と話す。

「KARTEはポップアップなどで表現されてきたように、サイトの“上”のコミュニケーションレイヤーで、既存の担当者のオペレーションを邪魔せずに、顧客体験向上につながる新しい価値を乗せていくという領域で事業をスタートした。パーソナライズ、解析基盤としては、かなりユニークなものを提供できている。これはプロダクトとしてバリューを出し、事業価値を証明するためにあえて選んだことだったのだが、今、ようやくサイトそのものの改善にかかわるプロダクトを出せる。今回のリリースは我々としてもうれしく、かなり気合いも入っています」(倉橋氏)

棚橋氏も「ウェブサイトの更新・評価は業種や規模によらず行われるもの。これをKARTE Blockによって、もっと簡単でシンプルにしたい」と述べている。ターゲットは「ウェブサイトを使う全ての企業・サービス」(棚橋氏)だ。

このため、小規模なサイト、会社でも導入しやすいよう、価格はPV数などサイトトラフィックに準じた設定を検討しているとのこと。今回のクローズドβ版は、既にKARTEを利用している企業に対し、提供企業数と期間を限定した上で無償提供されるが、KARTE Blocks正式版では月額数万円程度からの料金で、提供を予定しているという。

「KARTE Blocks」クローズドβ版先行導入企業の一部

「サイトそのものをどうマネジメントするか、サイトの体験をどう良くするかというところでは、あまりイノベーションが起きていない。CMSはあるけれども、根本からの新しい変化はなかったように思う。マーケティングオートメーション、カスタマージャーニーといった、周辺での変化は起きているが、サイトそのものの進化はなかなか起こせていない部分。できるかぎり、サイトにかかわる全ての企業、サービスで導入してほしい、使われてほしいプロダクトだ。小さなサイトでも導入しやすい構造は、KARTE以上に用意していきたい」(倉橋氏)

今後、KARTE Blocksで実現したいこととして、棚橋氏は「ブロックの集合がページ、ページの集合がサイトと考えて、サイト全体のパフォーマンス向上を分かりやすく可視化したい」と述べている。「加えてユーザーを人として見るというのがKARTEの思想。根幹は人軸にあるものとして、例えば未登録の人と初回、5回以上利用した人での行動の違いなどを、ブロックと人の両面から明らかにできるようにしたい」(棚橋氏)

また、現在はChrome拡張を使い、担当者がブロックを手動で定義しているのだが、タグを入れるだけで自動でブロックに分解し、管理画面に並べてパフォーマンスが確認できるような機能改善も目指す。「BMSによるサイト運営ナレッジの蓄積により、ベストプラクティスに簡単にアクセスできるような状況も、クライアントとともに実現していきたい」(棚橋氏)

倉橋氏は「BMSのコンセプトにより、ウェブサイト運営の課題に対応する、全てのパーツがそろった」と述べ、「KARTEが提供してきたアディショナルなマーケティングから、より日常的なマーケティング活動へ進化させるところへ、ようやく入ってきた」と話す。

「まずは、BMXの考え方の浸透に当面フォーカスするが、そこから、サイトのパーツのパフォーマンス、ユーザーへの寄り添い方などを、企業・サービスとともに考えていきたい」(倉橋氏)

KARTEの解析流通金額は年間1.55兆円まで拡大

プレイド代表取締役CEOの倉橋健太氏

プレイドでは2015年のKARTEに続き、アプリでもユーザー行動をリアルタイムに解析し、顧客体験を提供する「KARTE for App」をリリース。また、サイトのタグやアプリのSDKでリアルタイムにトラッキングした行動データに加えて、企業が保有する顧客データや商品データなどの静的データをKARTEに取り込み、リアルタイムデータと統合することで、さらなるデータの利活用を支援する「KARTE Datahub」も開発・提供している。

これまでは、これらのプロダクトの機能強化や認知拡大を進めてきたプレイド。Datahubを活用し、その人に合った商品をおすすめする「レコメンド機能」の提供や、KARTE for Appのメジャーアップデートなども実施した。また蓄積した膨大なデータを生かして、機械学習で企業のマーケティングなどを支援するデータ活用のための基盤を開発し、2019年8月のGoogle Cloud Nextで発表するといった活動も行っている。

現在、KARTEのクライアントの半数はEC領域。ほかに不動産や金融、人材、そしてB2B SaaSなどの領域で利用されている。EC領域での流通額は、KARTEで解析可能な範囲だけで年間1.55兆円に及ぶという。2019年の日本のネット通販市場は19兆円なので、そのうちの10%弱の金額に当たるユーザー行動が、KARTEで計測されていることになる。

「会員の属性データや購入データだけでなく、行動プロセスデータも集めているというところは、大手でもなかなかない」と倉橋氏。これだけのデータの量が確保できたことで、データを直接連携させなくても「傾向が見えるようになった」と話している。

「(機械学習では)大量にデータがなければいいアウトプットは期待できないが、ようやくいいアウトプットが提供できるようになってきた」(倉橋氏)

2019年11月にはGoogleからの資金調達も発表したプレイド。「今年後半からは、さらに事業連携を加速させていく」と倉橋氏は述べている。

プレイドはまた、2020年5月にはEmotion Techへの出資・提携を発表している。Emotion Techは、顧客体験の調査・分析クラウド「EmotionTech」、従業員体験の調査・分析クラウド「EmployeeTech」を提供する企業。倉橋氏は「Emotion Techには、CX、EX(Employee Experience:従業員体験)に関して、より高度なナレッジやリソースがある。プレイドだけでは対応しきれない、個々の企業・サービスへの具体的な運用については、こうしたパートナーとしっかりタッグを組んでいきたい」と語っている。

2020年は新型コロナウイルス感染症に世の中が翻弄されたが、プレイドも例外ではなく、クライアントの意思決定や予算確保の面では影響があったという。ただ「総論では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の機運が高まり、アフターコロナ/ウィズコロナ時代へ向け、企業の課題意識は未来を向いている」と倉橋氏はいう。

プレイドは、オンラインとオフラインをまたいで顧客への提案や価値提供を図るような取り組みも行っているが、倉橋氏はO2O/OMOへの新型コロナの影響について、次のように述べている。

「世の中の流れでいえば、今、オフラインの窓口や店に行くということが、一時的かもしれないが、希少性が高いものとなっている。店が予約制になっていたり、美術館がオンラインで受付をして人数制限をしたりということもあり、通常のオペレーションにデジタルが既に入ってきている。業界を問わず、ユーザー情報をオンライン・オフラインで閉じさせず、ユーザー軸でつなぐことで、シームレスな良い体験につながると思うので、今後O2O/OMOの話は確実に増えていくと見ている」(倉橋氏)

倉橋氏は「新型コロナにより、当初はリモートワークやSaaSといった仕事環境の面からDXが注目された。次に企業の目が向き始めているのがEX(従業員体験)だ。デジタル化が進むときに、人と人、人と企業のつながりをどう深めていくのか、これまでになかった課題感が生まれてきている」と話している。

そして「その先で、『事業として何のためにDXを進めるのか』というところで、CXという言葉にも目が向いてきた。CX向上とDX、つなげて考えなければ『基盤だけ刷新したけれども……』という話になってしまう」と語る。

「新型コロナにより、健全な課題感、問題意識へのシフトが起きていると実感している。中長期的には、我々のCXの領域でも市場が広がるだろうと考えている」(倉橋氏)

顧客体験プラットフォーム「KARTE」のプレイドがGoogleから資金調達

顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドは11月27日、Googleから資金調達を実施したことを発表した。調達金額は非公開だが、関係者からの情報によれば数億~十数億円とみられる。

KARTEはウェブサイトやアプリを利用するユーザーの行動をリアルタイムに解析。ユーザーを「データ」でなく「人」として分析し、個々に合った顧客体験を提供するためのコミュニケーションプラットフォームだ。プレイドでは2015年3月にKARTEを正式ローンチ。ECのほか、人材や不動産、金融などの業種でも導入されていて、現在の年間流通解析金額は1兆円超だという。

プレイドは、2018年12月にGoogle CloudがSaaSパートナーを支援するプログラム「Google Cloud SaaS イニシアチブ」への参加企業として、日本では初の認定を受けた企業の1社でもある。今回の資金調達に加え、プレイドではKARTEへのGoogle Cloudの機械学習やAI技術の統合でもGoogleと協業していくとのこと。より高機能で拡張性の高い、安全なクラウドプラットフォームを企業に提供することで、エンドユーザーのパーソナライズと顧客体験の向上を目指すとしている。また、両社は日本のクラウド市場拡大に向けても協業していく予定だという。

プレイド代表取締役CEOの倉橋健太氏は、「今回のGoogleからの出資をきっかけに、両社がより踏み込んだ多面的かつ戦略的なパートナーシップが始まります。より良いCX/顧客体験の創出と、プロダクトのパフォーマンス強化、そして圧倒的な事業成長に向け、共に取り組めることを楽しみにしております」とコメントしている。

プレイドの創業は2011年10月。これまで、2014年にフェムトグロースキャピタルなどから約1.5億円を調達、2015年にFidelity Growth Partners Japan(現Eight Roads Ventures Japan)とフェムトグロースキャピタルから約5億円を調達。2018年4月にはフェムトパートナーズ、Eight Roads Ventures Japanと三井物産、三井住友海上キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルなどを引受先とする第三者割当増資と、みずほ銀行などからの借入れにより、総額約27億円の資金調達を実施している。

SaaS企業を支援するGoogle Cloud SaaSイニシアチブにプレイド、グルーヴノーツの2社が日本初の認定

Google Cloudが7月に発表したSaaSパートナーを支援するプログラム「Google Cloud SaaS イニシアチブ」への参加企業として、日本から顧客体験プラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドと、機械学習プラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」を提供するグルーヴノーツが認定された。同プログラムには世界40カ国から100社以上の企業が選ばれており、日本企業では2社が初の認定企業となる。

認定企業は、共同販売プログラム等イニシアチブパートナー向け特典のほか、GCP Marketplaceへ開発したソリューションをグローバルで顧客に提供することが可能となる。

KARTEは、ウェブサイトやアプリを利用するユーザーの行動をひとりひとりの「人」としてリアルタイムに分析し、それぞれの人に合った体験を提供するためのプラットフォーム。2015年3月のサービス開始時には、いわゆる「ウェブ接客ツール」としてスタートしたKARTEだが、現在はウェブのポップアップだけでなく、LINEなどとの連携やサイト間・実店舗での横断的なユーザー行動分析、アプリ解析・メッセージングツールも提供している。

「個客」の動きを捉えるKARTEのリアルタイム解析は、秒間最大4万イベントを超える。その処理を支えるのは、Google Cloud Platformを中心に構成したクラウドサーバーサービス群だ。

KARTEを提供するプレイド代表取締役社長の倉橋健太氏は「KARTEのようなリアルタイム解析と自由度の高いウェブ上でのアクションをワンストップで実現できるサービスは世界的にもまだなく、日本市場と同様に高いニーズがあることを、今年7月の訪米時に実感した。プログラム参加を機に、グローバルでの市場創出と拡大を目指す」とコメントしている。

Google Cloud Next ’17で基調講演に登壇するプレイド代表取締役社長の倉橋氏

もう一方のグルーヴノーツが運営するMAGELLAN BLOCKSは、2016年4月にβリリースを公開、同年7月に正式版がリリースされたクラウドプラットフォームだ。

MAGELLAN BLOCKSでは、Google Cloud Platformで提供されているビッグデータ処理や機械学習などの処理を、ブラウザ画面の上でブロックを並べるように配置してつなぎ合わせることで、プログラミング知識なしで扱えるようにした。ノンプログラマでもデータがあれば、機械学習による販売予測や画像分析、音声認識、テキスト認識など、Google提供のAPIを直感的な操作ですぐに扱うことができる。

グルーヴノーツとMAGELLAN BLOCKSについては、2017年2月の資金調達時の記事でも紹介しているので、そちらもご覧いただければと思う。

ユーザーを「人」として分析する顧客体験プラットフォーム「KARTE」のプレイドが27億円を資金調達

写真左:プレイド代表取締役社長 倉橋健太氏 右:同代表取締役兼CTO 柴山直樹氏

ユーザーを「データ」でなく「人」として分析し、それぞれの人に合った体験を提供するためのプラットフォーム「KARTE(カルテ)」を運営するプレイド。同社は4月19日、既存株主のフェムトパートナーズEight Roads Ventures Japan(旧Fidelity Growth Partners Japan)と、新たに出資に参加する三井物産三井住友海上キャピタルSMBCベンチャーキャピタルみずほキャピタル三菱UFJキャピタルなどを引受先とする第三者割当増資と、みずほ銀行などからの借入れにより、総額約27億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

プレイドではこれまで、2014年7月にフェムトグロースキャピタルなどから約1.5億円を調達、2015年8月にはFidelity Growth Partners Japanとフェムトグロースキャピタルから約5億円を調達している。今回の資金調達により、累計調達総額は約34億円になった。

今回の調達に先駆けてプレイドは、4月17日にKARTEのブランドリニューアルと機能拡張を発表している。“ウェブ接客からCX(Custmer eXperience:顧客体験)プラットフォームへ”とうたったその内容は、プレイド代表取締役社長の倉橋健太氏にTechCrunchが3月に取材したときの話をほぼ踏襲したものだ。まずはその新しい機能について見ていこう。

数値でなく人から発想することでマーケティングを楽しく

プレイドでは、2015年3月にウェブ接客ツールとしてKARTEをリリースして以来、2016年3月にユーザーへのメッセージチャネルをLINEやSMSなどに広げる連携ツール「KARTE Talk」、2017年12月にはサイト間や実店舗でのユーザー行動も横断的に見ることができる「KARTE CX CONNECT」、2018年3月にはアプリユーザーを対象にした解析・メッセージングツール「KARTE for App」を提供してきた。

プレイド Customer Success Directorの清水博之氏は、これまでのサービス展開については「ユーザーとのコミュニケーションを求める市場に対して、ユーザーへの『アクション』部分の機能を強化してきたもの」と述べている。

「KARTEは接客ツールとして始まった当初から『人軸』でユーザーを見ること、つまりユーザーを“知る”ことと、ユーザーに“合わせる”ことの双方をコンセプトとしている。ただしこれまでは、“知る”ことは大事だと思いながらも、ニーズとして強かった“合わせる”ことのほうに、より応えてきた」(清水氏)

リリース以来、KARTEの導入企業・サイト数は純増を続け、3年間の累計解析ユーザーは22億人、導入企業の約半数であるECの年間売上解析金額は5480億円に上るという。利用企業の規模も大きくなり、認知度も上がった今、顧客企業からは「どういう人が買っているのか、結局わからない」との声が増えてきたと清水氏は言う。

「ユーザーに“合わせる”、アクションを提供するツールでは、CVRがいくつとか、メールを何通送ったとか、(評価が)数字やデータの話になることが多い。そこではユーザー一人ひとりがどういう動きをし、どういう環境にあるのかはわからない。また大きな組織でデータを分析しようとすると、各部署に散在しているデータを集め、必要なものだけ抽出して解析して……と分析のためのスキルが必要でコストもかかる。そこでこれからのKARTEは“知る”ことに重心を移し、誰でもユーザーを『人』として知ることができ、誰でもユーザーにアプローチできるように機能を拡張した」(清水氏)

マーケターなどいわゆる「分析屋」だけでなく、経営層やカスタマーサポート部門といった社内の誰もがユーザーを直感的に理解できるよう、進化させるというKARTE。今回発表された新機能は5つある。

既存のマーケティング環境(左上)に対して、KARTEの5つの新機能がカバーするエリアをプロットした図。

1. ライブ(仮称、ベータ版)

今夏の正式リリースに向けて開発が進められている「ライブ」は、ユーザー一人ひとりの行動を動画で見ることができる機能だ。サイトやアプリリニューアルの際に行うユーザビリティテストにも似たこの機能では、スクロール、タップやクリック、テキストの選択(ハイライト)といったユーザーの実際の動きを見ることができる。

「データにすると抜け落ちてしまう行動そのものを見ることで、新たな発見ができる。同時に(クリックなどの)イベントも計測しており、ユーザーの属性と動きを見比べることも可能だ。あるテキストを選択したユーザーがどういう属性かを見て、その人に刺さる言葉を考えるといったこともできる」(清水氏)

実店舗なら「買わない人」がどういう人で、どのように滞留して帰っていったか、ということも把握しやすいが、これまでの定量データでは、ウェブやアプリでアクションを起こさずに離脱した人の動きを見ることは難しかった。ライブ機能ではその把握もやりやすくなる。「数字じゃないところにヒントがある」と清水氏は話している。

2. スコア(ベータ版)

一人ひとりのユーザーの感情や状態をリアルタイムに数値化・可視化する機能が「スコア」だ。ユーザーが購入しそうか冷やかしなのか、よいユーザー体験を得ているかそうでないのか、といった度合いを見ることができる。

またECサイトならアパレル、コスメ、グルメといった商品カテゴリにより、ユーザー背景や動きは違ってくるが、それぞれのユーザー行動(イベント)をもとにルールを作成してポイントを付けることが可能。モチベーションの高いユーザーだけを絞り込んで表示する、といったこともできるので、コミュニケーションを取りたい人や観察したい人を見つけるのもやりやすくなる、と清水氏は言う。

3. ストーリー

スコアはあるユーザーのその瞬間の状態を把握するための機能だが、「ストーリー」はユーザーのこれまでの行動や状態を、時系列のグラフで表示することができる機能だ。スコアや行動量の変化を追っていって急に上下したところがあれば、グラフ上をクリックして、より詳しい行動を確認したり、ライブ機能で実際の動きを見たりすることができる。

「ライブ、スコア、ストーリーの3つの機能は、一人ひとりのユーザーを徹底的に可視化して、理解するためものだ」と清水氏は説明する。

4. ボード

残る2つの機能、「ボード」と「レポート」は定量データからユーザーにアプローチする機能だ。ボードはユーザーの属性や行動の統計値をグラフ、チャート、ファネルを使って見ることができる機能。見た目はGoogle Analyticsライクだが、グラフやファネル上でより詳しく見たいユーザー群があれば、クリックするだけで表示する内容を切り替えることが可能。ユーザー単位の情報にもたどり着ける。

「定量データから相関や特徴を読み解くことと、一人ひとりのユーザーに絞り込んだ理解とを、面倒な抽出やクエリなどの操作を挟まず、より直感的な操作でできるようにした」と清水氏は説明する。

5. レポート

レポートは5つの機能の中では「一番引いた視点」でユーザー情報を提供するもの。「事業サイドではやはりどうしても数字で情報が見たいときがあるので」全体像を把握するための機能も備えていると清水氏は言う。

ただしレポートでもボードと同様、情報から個々のユーザーにたどり着くことが可能。また逆に個々のユーザーの情報からレポートにたどり着き、そのユーザーが全体でどの位置に当たるのかを確認することもできるという。

清水氏はこれらの新機能により「ユーザー体験づくりが変わるはず」と言い、「数字とにらめっこして体験をつくる場合、どうしても数字から仮説を立てて、施策をやって、検証して、また分析をして……となる。『この人はなんでこういう行動をするんだろう』と人から発想すれば、マーケティングが楽しくなるのでは」と語っていた。

マーケティングのほか「先を示す」取り組みにも投資

プレイド代表取締役社長の倉橋氏は「新機能追加でも『データではなく、人としてユーザーを見る』という方向性は変わらない」として、お披露目されたばかりのコンセプトムービーを紹介してくれた。

そして導入企業も増える中で、より「顧客を知る」ニーズが顕在化してきたと倉橋氏は話す。今回の資金調達では「マーケティングも含めた投資で、成長に向けここでアクセルを踏む」と語っている。

プレイドの事業収益は2017年3月に単月黒字化を達成。「T2D3」*以上の成長を続けているという。
*“Triple, Triple, Double, Double, Double”の略。サービス開始から3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と年々売上が成長すること。SaaSスタートアップの成長指標として使われる。

「これまでの投資は、ユーザーを“知る”、“合わせる”と言ってきたことを実際のプロダクトで実現するために機能拡充を進めることと、ビジネスオペレーションの磨き上げに充ててきたが、マーケティング活動によらず、オーガニックに成長することができた」(倉橋氏)

倉橋氏は、ここで成長をゆるやかにせず「逆に成長角度を上げていきたい」と言い、「マーケティング投資が今回の調達の最大の目的」と述べている。

またマーケティング以外では、KARTEシリーズとして展開するアプリやKARTE CX CONNECT、KARTE Talkといったプロダクトをさらに良いものにすること、顧客企業のカスタマーサクセスにつながる体制強化のための採用活動や、EC以外のサービスへの普及なども進める考えだ。

非EC分野については、倉橋氏はこう言っている。「3年前は7割がECでの利用だったが、人材や不動産、金融など幅広い分野で利用されるようになり、現在はEC対非ECが50%ずつぐらい。KARTEが広い市場に受け入れられたサインだと思っている」

アパレル業界や不動産業界など、KARTEの導入率が高い業界も出てきている中で「プロダクトはシングルのまま、広く使っていただけるように戦略を強化していく」と倉橋氏は話す。

倉橋氏は海外への本格進出にも意欲を見せる。KARTEの多言語対応は、導入企業の中で日本から海外進出したり、海外の日本法人が利用したりしたことをきっかけに自然に始まったというが、倉橋氏は「今後は仕掛けて出て行く」と話している。

さらに昨年11月に公開された、サイトのユーザーが買い物する様子をVR空間で再現する「K∀RT3 GARDEN」(カルテガーデン)をはじめとした、研究開発への投資も加速する構えだ。

「コンセプトとしては『お客さまを大事に』『顧客視点が大事』といった当たり前のことしか言っていないKARTEだが、これをよりしっかり受け取っていただきたいとの思いから開発したのが、カルテガーデンだ。ユーザーを人として見られれば、感じ方や気づきが変わるということをもっと知ってもらいたい。そのために先を示す取り組みも進めていく」(倉橋氏)

また各サービスでの行動データの蓄積も進む中、R&Dによってデータをより意味のある形で、「人」化して本格的に提示していきたい、と倉橋氏は述べている。「新機能のライブやスコアでも、ゼロから見方を考えてもらうよりは、ある程度こちらから型を用意することで、顧客企業のナレッジのベースアップになれば。そういう意味でも、蓄積データで顧客を支援できれば、と考えている」(倉橋氏)

アプリ利用者をリアルタイムに解析して最適なメッセージが送れる「KARTE for App」提供開始

ウェブサイトの顧客行動を可視化する接客プラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドは3月19日より、iOS、Androidのアプリ向けに「KARTE for App」の提供を開始する。

KARTEはサイトへの来訪者の行動をリアルタイムに解析し、「どういう人がどのようにサイトを利用しているのか」を可視化するサービス。可視化した個々のユーザーに対して、適切なタイミングでポップアップやチャットなどを使った適切なメッセージを発信することができる。2015年3月に正式ローンチして以来、約3年で累計22億人のユニークユーザーを解析してきた。

今回提供するKARTE for Appは、これまでウェブサイト向けに提供されてきたKARTEの機能を、iOS/Androidのネイティブアプリ向けにSDKとして提供するもの。アプリを利用するユーザー行動をリアルタイムに解析し、さまざまなタイミングでメッセージを配信することができる。

KARTE for Appの事業責任者で、プレイド プロジェクトリードの棚橋寛文氏によれば、「KARTEを利用する顧客からは、かなり前から『アプリでも同じことができないか』という相談があった」とのこと。

「ヒアリングしたところ、モバイル経由の利用が増える中で、アプリについてはマーケティングや運用がウェブに比べてまだうまくできておらず、課題とする企業が多いことが分かった。そうした顧客に、アプリについてもマーケティング支援を進めたい、ということで今回のリリースに至った」(棚橋氏)

KARTE for Appの機能は大きく分けて3つ。1つ目はアプリ内のユーザーをトラッキングして、行動をイベントベースでリアルタイムに解析できる機能。ダッシュボードやスコアなどで、ユーザーの行動やモチベーションの変化をつかむことができる。

2つ目は行動イベントやユーザー情報を自由に組み合わせてセグメントし、プッシュ通知やアプリ内メッセージを配信する機能。ユーザーの属性やタイミングに合わせて、いろいろな形でコミュニケーションを取ることができる。

3つ目は、ウェブサイトと相互にユーザー行動を解析し、コミュニケーションする機能。ウェブでKARTEを導入済みであれば、共通の管理画面でウェブとアプリ双方を横断的に解析できる。例えば夜、PCでウェブサイトを閲覧していたユーザーが、朝、通勤中にスマホアプリからアクセスしてきた場合に、プッシュ通知を送るなど、ワンストップでコミュニケーションを取ることも可能だ。

KARTE for Appは、KARTEの既存顧客を中心にクローズドベータ版が3月から提供されており、ZOZOTOWNクックパッドなどでの導入が既に決まっているという。棚橋氏は「業種・カテゴリーを問わず、アプリでのユーザー体験を良くしたい、という企業すべてを対象に導入を進めたい」と話している。

「“人”にひもづいたデータを“人”が分析しやすい形で提供」

プレイド代表取締役の倉橋健太氏は、楽天に2005年に入社し、約7年間在籍していた。その中で「ネットショップでも銀行などのサービスでもメディアであっても、ユーザーが行動したデータはたまる。それをより良いユーザー体験のために活用したい」と考えていた。しかし蓄積したデータを分析し、活用するためには相当の工数やリソースが必要で、「データ=資産」ではないのが実情だった。

そこで「担当者が誰でも簡単に、あるべき姿でデータを把握できるようにして、データを価値として還元したい。より世の中に流通させたい」との思いから、2011年に創業したのがプレイドだ。

倉橋氏は「人間は実は、数字でのデータ分析、計算は得意ではない。データを扱うには一定以上のリテラシーが要る。それを誰でも活用できるようにして、データの民主化に寄与したい」と話す。

昨年プレイドで開発された「K∀RT3 GARDEN(カルテガーデン)」は、「人間が不得意な方法ではなく、得意なやり方、普通の人のベーススペックでできる方法でデータを見えるようにする」取り組みだ。TechCrunchでも以前取り上げたが、このサービスでは通販サイトの訪問客の動きをVR空間上でリアルタイムに可視化し、実店舗で人が買い物をしているかのように見ることができる。

「“データ”ではなく“人”として見れば、人間にとっては分析の精度もスピードも上がる。そう考えて、R&Dの一環として、カルテガーデンをリリースした」と倉橋氏は述べている。

「市場で“ウェブ接客”という文脈で語られるときには、ポップアップやチャット、アンケートといったユーザーが目にするフロントのツールに焦点が当たりがち。だが、それ以外にも、マーケティングやカスタマーサポートなど多様な場面で支援することがあるはず。我々のサービスは人にひもづいた形で、人のオペレーションチェーンに組み込む方向にシフトしていく」(倉橋氏)

実は“ウェブ接客”という言葉はプレイドが発祥で、商標も登録してあるそうだ。だが、倉橋氏は「これからはKARTEを“ウェブ接客”ツールではなく、“CX(Customer eXperience:顧客体験)”プラットフォームとして打ち出していく」と言う。

「3年前のKARTEリリース時には、スタートアップとして現実解も出さなければいけない、ということで、ツールとして分かりやすい言葉で出した。でも当時から、長期的な目標として掲げてきた『データによって人の価値を最大化する』という考えではあったし、それは今でも変わっていない」(倉橋氏)

「データ活用は、行動する人やそれを読み解く人、すべての人々の活動の結晶。それがCXとなって反映される」と語る倉橋氏は、最近参加したオフラインのイベントなどで、CXが取り上げられ、浸透していることを再認識した、という。

「インターネットでビジネスを展開するときに、これまではグロースハック、物量のハックということが言われてきたが、そこからの揺り戻しが来ていると感じる。勝ち残るためには“個客”の視点が必要。“ウェブ接客”については市場を作ってきたという自負もあるし、ツールとしての改善はもちろん行っていくが、より、本当にやりたかったこととしてCXを改めて打ち出した。CXの視点でネットビジネス全般を良くしていきたい」(倉橋氏)

倉橋氏はまた「KARTE for Appは、KARTEの今年の攻めの1つ目のトリガー」と話している。「今まではオフラインイベントへの出展を除けば広告なども行わず、顧客企業から他社への紹介など、オーガニックな集客だけで来た。顧客も増え、オペレーションも整い、ニーズも顕在化したことから、今年は攻めに転ずる。ここから年内にかけて、いくつか大きめのサービスリリースも準備している。2018年を飛躍の年として、全力でアグレッシブに行くつもりだ」(倉橋氏)