Wunderlist創業者のスタートアップがPowerPointに挑むために32億円を調達

ソフトウェア産業はもはや幼年期ではない、そしてそのことが私たちを技術的に興味深い瞬間にも引き合わせてくれるのだ。広く普及した最大級のレガシーアプリの中には、小規模で動きの速いスタートアップたちの挑戦を受け続けているものがある。スタートアップたちは新しいアプリケーションを開発して、巨人たちを打ち負かすことを夢見ている。その最新の動きとして、ベルリンのあるスタートアップが、米国時間10月1日に新しいプレゼンテーションソフトPitchのクローズドベータ開始を発表した。

これは特にMicrosoft(マイクロソフト)のPowerPointに対して挑戦しようとするものだ。なお、スタートアップの創業者たちはかつてMicrosoftに自分の会社を売却した経験を持つ者たちである。

同時に、Pitchは追加の3000万ドル(約32億円)を調達したことも発表した。このファンディングはThrive Capitalによって主導され、Instagramの共同創業者たちであるKevin Systrom(ケビン・シストローム)氏とMike Krieger(マイク・クリーガー)氏、そしてSuperhumanの創業者であるRahul Vohra(ラーフル・ヴォーラ)氏も参加している。

この資金は1年前に行われた、Index Ventures、BlueYard、Slack、その他ソフトウェアディスラプションに精通した他の多くのエンジェルたち(ZoomのCEO、DataDogのCEO、 Elasticの共同創業者が含まれる)が参加したラウンドで、Pitchが調達した1900万ドル(約20億円)にさらに追加されることになる。

Pitchは、Wunderlistを開発した人たちと同じメンバーによって創業された。Wunderlistは人気のToDoアプリで(多くの今回と同じ投資家たちから支援されていた)、Microsoftが2015年に買収し、その後独自のサービスTo Doの開発に伴ってその終了が発表されたばかりだ。昨年10月以来、Pitchはずっと密かにそのサービスの最初のバージョンを開発していた。創業者には、CEOのChristian Reber(クリスチャン・レーバー)氏のほかに、Vanessa Stock(ヴァネッサ・ストック)氏、Marvin Labod(マービン・ラボッド)氏、Adam Renklint(アダム・レンクリント)氏、Charlette Prevot(シャーレット・プレボット)氏、Jan Martin(ヤン・マーティン)氏、Eric Labod(エリック・ラボド)氏、そしてMisha Karpenko(ミシャ・カルペンコ)氏が名を連ねている。

現在行われている招待者限定フェーズは、開発のゆっくりとした進歩の1つだ。レーバー氏がインタビューで述べたようにベータ版の目的は、使用方法の情報とフィードバックをベータテスターから集めて、将来のフルバージョンに備えてアプリケーションを洗練する方法を見出すことだ。

言い換えれば、すぐにテストできる製品は実際にはまだないことを意味している。私が尋ねると、レーバー氏は試せるようになるには少なくともあと数週間は必要だと語った。とはいえ開発は着実に進行しており、十分な量な資金を調達することもできた。

Pitchの開発の背後にある主な動機は、長い間存在してきたゆえに、非常に強固に固まったプロセスを再検討しようというものだ。その長く使われてきたプロセスはそれほどうまくは機能しておらず、テクノロジーのすべての進化を念頭に置いて再検討を受けてもいいものだ。

闘いの相手の第一候補はPowerPointだ。その登場はなんと1987年に遡る。10億以上インストールされ、5億人以上のユーザーがおり、広大なプレゼンテーションツールの世界で最大かつ強大な存在となっているが、おそらくその賞味期限を多少過ぎてもいるツールだ。

「私たちはピッチ(発表)そのものを製品として構築していくというアイデアが気に入っていました」と彼は言う。「ここ数年、Figmaのような企業のことをみてもわかるように、デザインに多くのイノベーションが起きてきました。それが私たちに1つの疑問を投げかけたののです。どうしてプレゼンテーションツールは停滞したままなのかと。PowerPointの改良版を開発するというアイデアも気に入りましたが、私のビジネス脳がそれは酷いアイデアだと叫びました。なぜ、KeynoteやPowerPointに似た製品で市場に参入する必要があるのでしょう?」。

友人たちからフィードバックを得るためにチームがプロトタイプをいじり始めたときに、その質問への答えを得ることになった。レーバー氏によればそのことによって、チームは本質的に停滞しているフォーマットを動的なものに変えるための、ビジネスチャンスを理解したのだという。Pitchが開発フェーズからクローズドベータに移行する前に、テストとフィードバックを拡張し続けている大きな理由は、ユーザーとの対話を通じて前向きな進展が得られているからだろうと私は想像している。

レーバー氏によれば、Pitchを開発する決断は、彼の投資家としての経験からも裏打ちされているのだという。これまでにも彼は、既に確立されたソフトウェアが支配的だったサービスの再構築を狙う、多くのアプリケーションに焦点を当ててきた。彼の投資ポートフォリオには、仮想ワークスペースを構築するNotionが含まれている。その創業者もまたPitchへの投資を行っている。

レーバー氏の作業時間を占めている他の案件のことを考えると、Pitchの立ち上げの中には学ぶべき興味深い教訓がある。実は彼は現在Wunderlistを買い戻そうと多忙なのだ。Microsoftによる終了の発表にもかかわらず、このツールはいまでも動作しているし、数百万人のアクティブユーザーを抱えているのである。

レーバー氏は、かつてWunderlistを売却したことについては後悔はしていないと語る。当時も会社は成長していたが、最終的には自分たちの力では構築できない、より大きなプラットフォームが必要だと感じていた。そしてEvernote(これはレーバー氏と彼のチームにとって大いなる刺激だった)の運命と没落を見つめるなかで、彼はMicrosoftへの売却が正しい選択だったということを知っていたのだ。

しかし、そうだとしても、現在の大きな所有者のもとで、製品がだんだん衰えて無視されて行くのを見るのは辛かったのだろう。

「Microsoftのリーダーシップチームに何度もメールを送り、ツールを買い戻すことができるかどうかを尋ねました。なぜならMicrosoftがユーザーを混乱させることなく、それをシャットダウンするのに苦労していることがわかったからです」と彼は言う。そこで彼はMicrosoftに対して「私に買い戻させてほしい。もしお望みならチームとその他すべてをそのまま維持してもいいですよ。皆が幸せになれます」という提案を行ったのだ。しかし、それは先に進まず簡単でもなかった。1年後、彼はTwitter上で改めてピッチを行った。そして「彼らは音信不通になりました」と彼は語った。

Wunderlistは、しっかり動作するプラットフォームなしにはアプリを構築する方法を考え出すことが難しい時代に出現したものだったが、この原則はもはやそのような単純なものではなくなったように思える。これがレーバー氏がWunderlistを買い戻して運用できると考えた理由だ。

「新しいソフトウェア会社にとって最も難しい問題は、特にSlackの例を考えるとプラットフォームの問題なのです」とレーバー氏は言う。「MicrosoftはTeamsを構築してWindowsにプリインストールして、少なくともユーザーに対して、試してみるようにと圧力をかけています。私に言わせれば、それは極めて不公平な彼らの利点であり、スタートアップならば継続的に闘って行かなければならないものなのです」。

「しかし同時に、新しいものを開発しているするこれらすべての企業は、互いに深く結び付くものを開発していると思います。Slack、Zoom、そしてAirtableはすべて緊密に統合されています。つまり、製品のスイート一式を用意しなくても、本当に大きな企業を作ることができるのです」。確かに、これらのように、Pitchのアイデアは、インストールすることを選べば使える他の軽いアプリケーションとともに、ウェブベースのバージョンを提供するというものだ。Pitchで作成されたドキュメントを読んだり操作したりするためにはソフトウェアライセンスは必要ない。その代わり自身でドキュメントを作成したい者に対しては最初から有料プランを提供するというのが、彼らのビジネスモデルのコアだ。

すなわち、収益の確保に対して、Wunderlistが十分に早い段階では焦点を合わせていなかったことが1つの反省点だったとレーバー氏は述べた。初期のEvernoteやその他の多くのアプリケーションのように、その主目的は注目を集めることだったからだ。これもまた学んだ教訓である)

長期的にはスタートアップは、独立性を維持するか、自身がプラットフォームとなるか、それとも別のプラットフォームに乗るかという、どの方向に進むかについての選択を行う必要がある。しかし今のところ、それらはPitchが行わなければならない選択ではない。

「私たちは、大きな市場の可能性を秘めた急成長企業に投資しています。Pitchは、変化の機が熟している市場で、優れた製品を開発できる強力な立場にあります。Pitchへの期待は、プレビューに対して期待を寄せた何千社もの企業の存在によって、既に明らかなのです」とThrive CapitalのJoshua Kusher(ジョシュア・クーシャー)氏は声明の中で述べている。「私たちは製品のビジョンだけでなく、そのチームも含めた両者によって、Pitchを信じています。Wunderlistへの投資を通じて、私たちは創業者たちと強力な関係を築きました。Pitchで再び彼らと協力できることを楽しみにしています」。

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(翻訳:sako)

マイクロソフトはパワポ用のAIプレゼンコーチを導入開始

画像クレジット:NBC/Contributor/Getty Images

数カ月前、Microsoft(マイクロソフト)は、PowerPoint(パワーポイント)で、AIを活用したプレゼンテーションコーチがもうすぐ使えるようになると発表した。フィードバックをその場で返すことで、重要なプレゼンテーションの準備を手助けする機能を備えたものだ。米国時間の9月25日、同社はまずウェブ版のPowerPointから、この新ツールの導入を始めた

公衆の面前で話すのは本当はかなりの練習を要するスキルだが、プレゼンをリハーサルする人はほとんどいない。自分のプレゼンの出来栄えがすでに素晴らしいから(本当はそうでもないのに)練習の必要はないと考える人もいれば、リハーサルするだけで緊張してしまうからしないという人もいるだろう。それでも、プレゼンの練習が有効であることは間違いない。

PowerPointの新しいプレゼンテーションコーチの目的は、練習のわずらわしさを取り除くこと。このツールの現在のバージョンは、3つの点に着目する。ペース、スライドの読み方、単語の選択だ。ペースについては自明だろう。プレゼンの話の早さ、あるいは遅さをチェックする。「スライドの読み方」のチェックは、スライドにある文章を単語ごとに区切って読んだりしていないかどうか確認する。そのような退屈なプレゼンを、ずっと見ていたいと思う人はいない。「単語の選択」ツールは、(英語版の場合)「um(えーと)」「ah(おっ)」「actually(実は)」あるいは「basically(基本的に)」といった言葉の使用頻度を検出するだけでなく、「you guys(男性諸君)」や「best man for the job(この仕事に最適な男)」のような文化的に無神経な言葉の使い方を指摘してくれる。

このプレゼンコーチ機能以外にも、Office 365には、今回いくつかの新機能が加わっている。例えば、PowerPointでのインク機能のサポートの向上がある。スライドにインクで書き込む様子をプレゼン時に再生できるもので、一種のアニメーション効果を埋め込むことができる。この機能は、今のところWindows版とMac版で利用可能となっている。ウェブ版Officeでのインクのサポート強化も、もうすぐ提供される予定だ。また、Microsoft Whiteboard(ホワイトボード)もアップデートされ、新たなテンプレートが追加された。また、Office 365のサブスクリプションを利用している教師は、新しく10種類のレッスンプランを利用できるようになった。その中にはレッスンで活用できる23種のカスタムな3Dモデルも含まれている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Google Slidesの解説ナレーションがリアルタイムで自動的に字幕表示される

GoogleのプレゼンテーションツールSlidesに、プレゼン中のリアルタイムの自動字幕というおもしろい機能が加わる。耳の不自由な人や、聴くより読んだ方がよく分かるという人には、とても便利だろう。

この新しい機能は、画面読み上げツールの改良や、Braille、Google Docs/Sheets/Slidesの拡大表示などを作った同社のアクセシビリティーチームの作品だ。この自動化字幕は社内のハッカソンで生まれ、それが今回からは、デフォルトの言語がアメリカ英語である人がChromeブラウザーを使ってる場合に利用できる。対応言語は今後徐々に増やしていく予定だ。

この機能はSlidesのナビゲーションボックスの“CC”ボタンを押すと使えるようになる。あとは、コンピューターのマイクロフォンに向かって、ふつうに話すだけだ。

これはアクセシビリティーの機能であるだけでなく、プレゼンのナレーションの書き起こしを作って、それを後で何かに利用するためにも使える。

なお、最近MicrosoftのTeamsにも、同様の字幕/書き起こし機能が加わった。GoogleとAWSとMicrosoftは、その音声書き起こし技術をAPIとして提供しているので、自分のアプリケーションにこの機能を組み込むデベロッパーも徐々に増えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

企業がより効果的なビジネス英文を書けるように指導するTextioが$20Mを調達

企業の文書の文章を直してくれるTextioは急速に成長して、今ではCiscoやJohnson & JohnsonのようなFortune 500社の大企業が、人材の獲得業務を改善するために利用している。同社が行う、文章のちょっとした直しによって、求人への応募者の数や応募者の質が、がらりと変わるのだ。

今同社は、求人求職以外の分野への進出を志向しており、その業容拡大のために、Scale Venture Partnersが率いるラウンドにより、2000万ドルを調達した。参加した投資家は、Bloomberg Beta, Cowboy Ventures, Emergence Capital, そしてUpside Partnershipだ。

Textioを創業したKieran SnyderとJensen Harrisは二人ともMicrosoft出身で、あるとき企業の言語能力を良くするためのサービスをやろう、と発想した。前にMicrosoftの生産性スイート部門(Microsoft Office)にいたSnyderは、企業のコミュニケーション能力の面で、そのスタートアップに貢献したい、と思った。

彼らは自分のサービスを“augmented writing”〔仮訳: 拡張ライティング〕のためのプラットホーム、と呼んでいる。ユーザーは自分のテキストに対するフィードバックをもらうのだが、それは必ずデータに裏打ちされている。しかも、その文章を読むターゲットの層〔例: ハイティーン女性〕が、意識されている。そのため、ユーザーは自分のコミュニケーションを改良でき、より好意的な反応や返事をもらえるようになる。

(原著者注記: 生活のために言葉を並べている者の一人として、それを自分よりも上手にできるコンピューターがあると知れば、ものすごく不安になり、そんなくそったれのための記事なんか書きたくない、と思ってしまう。それを採用する人が増えれば、ぼくなんかすぐに要らなくなってしまうだろう。)

Textioの技術の最初のアプリケーションは求人だった。顧客は求人票の草案を同社に提出し、その問題点を指摘される。それは市場が大きいだけでなく、応募者が多かったか少なかったか、応募者の質が良かった(高かった)か良く(高く)なかったか、という具体的な評価がすぐ出る。

でもTextioは、自分たちの技術が企業の求人以外の分野にも応用できる、と信じている。そこで、今回の資金調達となった。企業が顧客やパートナーや、将来社員になるかもしれない人びととコミュニケーションするときにも、良い言葉、良い文章を求めるニーズがあるはずだ。

今回の投資で、Scale Venture PartnersのパートナーStacey Bishopが同社の取締役会に加わる。ScaleとBishopはマーケティング自動化企業Hubspotにも投資しているので、投資家としての一般的な助言のほかに、営業やマーケティングにおける企業のコミュニケーション能力について、専門的な知見をTextioのもたらすことができるだろう。

“このプラットホームをそのほかのタイプのビジネス文書にも拡張していきたい”、とSnyderは語る。“どの分野でも、より効果的な文書を書きたいというニーズはとても大きいはず”、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

90秒で相手に興味を持たせるピッチとは―、投資家からCEOへのアドバイス

【編集部注】Vitaly M. Golombは、HPのベンチャー投資部門HP Tech Venturesで、世界各地の企業に対して投資を行っている。以下は、企業を成長させる上での彼のアドバイスをまとめた本『Accelerated Startup』から、Golombが大好きなピッチに関する箇所を抜粋したもの。


私がイベントで話す姿を見たことがある人は、恐らく私のピッチに対する興奮や情熱についてご存知だろう。素晴らしいピッチはビジネスのさまざまな場面で役立つと私は信じていて、それこそが私のピッチに対する熱い思いの理由なのだ。企業のCEOであるあなたは、日夜ピッチし続けることになる。90秒間の短いエレベーターピッチ。デモデイやコンテストでの3〜6分間のピッチ。さらには至高の目標である、VCのオフィスで30〜60分間に渡って自分たちが関わってくるであろう未来について説明するためのピッチ。素晴らしいプレゼンターになるためには、それなりの鍛錬が必要になってくるし、私もピッチの練習には十分な時間をかけるよう勧めている。だからといって、練習不足が完全なる失敗に終わったピッチの言い訳になるわけではない。

まず、ピッチとは何なのかについて考えてみよう。個人的には、ピッチとは人に具体的なアクションを起こさせるための話だと私は考えている。聞き手から何かを引き出したいからピッチをするのだ。求めているものはアドバイスかもしれないし、相手のビジネスかもしれないし、(私たちがこの章でフォーカスすることになる)投資かもしれない。今後何を求めてピッチをするかに関わらず、CEOのあなたは既にたくさんのピッチをしているということを知っておいてほしい。恐らく起業しようとしたときには、スタートアップと呼ばれる狂気の沙汰のようなものを始めるのが意味あることだと、友人や家族、パートナーを説得したことだろう。当時働いていた会社の上司にも、パートタームで働く許可をとるためや、退職の意を伝えるために、それと似たようなことをしたはずだ。

「アクションを起こさせる」というのが極めて重要なポイントだ。もしも、相手にアクションを起こさせる助けにならないような事項がピッチの内容に含まれていれば、そんなものは取り去ってしまった方が良い。例えば90秒間のエレベーターピッチと、28章で触れた紹介の目的は全く同じで、ミーティングを設定するということだ。早口で膨大な量の情報を読み上げたところで、ミーティングのチャンスは与えられない。ピッチの目的はビジネスの全てを説明することではなく、相手の興味をひいて、相手がもっと知りたいと感じるのに十分なくらいの情報を共有することだ。

また、ほとんどのピッチはステージのようなものの上で行われる。物理的なステージがない場合もあるが、それでも概念的なステージの上に立っているということには変わりない。そしてステージ上で行われる他のことのように、あなたのピッチはパフォーマンスなのだ。もしもあなたのビジネスがその日ステージに立った企業の中で1番だったとしても、プレゼンターのあなたが自分の靴ばかり見て、ボソボソと話し、ただスライドの内容を読み上げているような具合では、投資家があなたの会社に興味を持つことはない。

会社が成長するにつれて、アクセラレーターのデモデイやスタートアップコンテストなどで、3分程度のピッチを行う機会も増えてくるだろう。ここでのゴールも相変わらず、ミーティングを設定することだ。しかしこの段階では、それ以外の目標もいくつか浮上してくる。もしもあなたの会社が大手のよく知られたアクセラレータープログラムに参加しているとすれば、恐らくあなたの会社は優秀なのだが、ここにはあるひとつの問題がある。それは、あなたの会社以外に、数百とはいわずとも数十社のスタートアップが同じステージでピッチを行うということだ。彼らは全員しっかりと準備を行い、資金調達する気満々だ。するとここでは、何百というピッチがステージ上で行われる中、自分たちの企業のことを聞き手に覚えてもらえるくらい目立たせる、ということが新たなゴールなってくる。デモデイの終わりには、投資家のノートがさまざまな企業の情報でいっぱいになる。その中で、あなたの企業の名前に丸印とドルマークが付くようにしなければいけないのだ。

全てのピッチはコンテストだと思い、競争に勝ち抜いて優勝賞品を獲得するんだという気持ちで毎回取り組んでほしい。つまり、ピッチ前にはリハーサルを行い、完璧に準備して、戦いに備えてしっかり休むようにしなければいけない。ところで、ここでの優勝賞品とは何を指しているのかというと、これこそさっきから繰り返し触れている投資家とのミーティングだ。賞品として巨大なホットドッグが贈られるホットドッグ早食いコンテストのような感じもするが、やるだけの価値は間違いなくあるので安心してほしい。ミーティングでは、恐らく20分程度でまたピッチをすることになるが、もしも投資家が内容を気に入り、活発に質疑応答が行われれば、1時間近くまで時間が長引くこともある。

それでは、次はピッチの内容についてだ。まずピッチでは、聞き手の注目を集めなければいけない。あなたが話をしているときも、彼らは手に持った携帯電話で、恐らくTwitterをチェックしたりメールを読んだりしていることだろう。もしも途中で耳にしたことに彼らが興味を持って、そこから注意を払いだしても、それまでの内容は全く伝わっていなかったことになる。これは残念ながらよくあることだ。そのため、聞き手の注目を集めるような内容からプレゼンをスタートしなければいけない。プレゼンの中で最も重要なポイント、それはトラクションだ。会社の調子はどうか?ユーザー数はどのくらいか?会社の成長率は?売上は?といった質問に対して目を見張る数字を持って答えることができれば、投資家はサービス内容自体に即座に興味は持たなくても、少なくともあなたのピッチに注意を払うようになる。もしも継続的に毎週50%成長している企業があれば、私はノートに手を伸ばし、後ほどミーティングで詳しく説明してもらおうと思う。そのくらいシンプルなことなのだ。

その次の内容は、あなたのスタートアップがやろうとしていることについてだ。顧客は誰なのか?どんな問題を解決しようとしているのか?このふたつの質問に答えられないような事業は、投資家側も評価のしようがないので気をつけてほしい。20章で伝えた通り、はじめは小規模なグループをターゲットにした方がやりやすい。その人たちがプロダクトを手放せなくなるくらいになってから、顧客を増やしていけばいいのだ。つまり、現在サンフランシスコ市民の3分の1があなたのプロダクトを使っていて、今後世界中に展開していく予定だという方が、現在世界中で20万人の人が使っていますというよりもずっと投資家の注意をひきやすい。ユーザー数という意味ではこのふたつは同じだが、そこから予想できることやプロダクトのストーリーは全く異なる。ターゲット層を一部の地域やもっと狭いグループの人たちに絞ること自体は全く恥ずかしいことではないが、きちんとプレゼンの中でそれを説明するように。

これでトラクションと市場がカバーでき、ユーザーにとってなぜ自分たちの取り組んでいる問題が重要かという説明もできた。次は、現在その問題に対してどのような解決策が存在するのかについて考えたい。というのも、あなたが全く新しい市場を発掘する可能性は極めて低い。Uberは新しい交通手段を発明したわけではなく、当時のタクシー業界を見て「ひどい状況だな。これなら俺たちがやったほうがうまくできそうだ」と考えたのだ。そこで現状の解決策について説明することで、あなたの会社が取り組んでいる問題が解決に値するものなのかというのを示すことができる。もしもあなたが解決しようとしている問題で困っている人がいないとしたら、残念ながらそれはビジネスにはならない。実は競合に関しても同じことが言える。競合企業が1社もないということは、そこには解決すべき問題が存在せず、市場もないため、ビジネスが成り立たないのだ。

ここまでの内容がうまくまとめられていれば、聴衆は椅子から身を乗り出してあなたの話を聞いていることだろう。市場について理解し、ターゲット層が抱える問題にも共感できた彼らは、あなたが問題をどう解決しようとしているのか知りたくてしょうがなくなっている。そこで、提起された問題と提供しようとしている解決策が、どれだけピッタリ合っているのかについて説明するようにしよう。私が気に入っている痛み止めとビタミン剤の比較をもとにこの意味を説明したい。もしもあなたの解決策が顧客にとって「あればいいな」というくらいで、ストックが切れてもわざわざ買い足さないようなものであるとすれば、あなたのビジネスには問題がある。逆に、私はAdvil(アメリカで販売されている痛み止め)のボトルが半分くらい空いただけでも、会社帰りに薬局に寄ることが多い。つまり、ビタミン剤ではなくAdvilのような解決策を目指し、聞いている人にもそれが伝わるように説明しなければならないということだ。

信じられないかもしれないが、私がここまでに説明したことは全て90秒のピッチの中に詰め込むことができる。エレベーターピッチよりも長く時間がとれる場合は、解決策の部分に時間をかけて聞いている人に強い印象を与えるようにしたい。もしも20分もの時間が与えられていれば、ライブデモも含めるようにしよう。ライブデモをやるには時間が足りないとしても、スクリーンショットを2、3枚挿入しておくだけでかなり効果がある。いずれにしろ、投資家が知りたいのは、あなたが具体的にどう問題を解決しようとしているかということなのだ。

VCが投資したいと思えるような内容にするために、次のパートは全て市場規模の説明にあてられる。市場規模は大きくなければならない。さもなければVCはあなたの会社に投資しようとは思わない。市場がどのくらい大きいか、そしてどのくらいの速度で成長しているかをここでは説明しよう。実際のところ、その時点での市場規模よりも、どのくらいのスピードで市場が拡大しているかのほうが重要だ。というのも、既に成長が止まった巨大市場に参入する場合、サイズの大きな競合企業から顧客を奪いとらなければいけないため、多大なお金や信頼性が必要になってくる。その一方、毎年100%の成長を続けている市場でトップの座につけば、自分たちの仕事をきっちりこなすだけで、会社も同じようなスピードで成長できることになる。

その次がビジネスモデルだ。どのように新規顧客を獲得し、どのように収益を生み出そうとしているのか?どうやって顧客候補を見つけ出し、どのくらいの時間とコストをかければ、実際にその人たちを顧客にできるのか?新規顧客を獲得してから損益分岐点に達するまでにどのくらいかかるのか?顧客生涯価値(LTV)はどのくらいか?といった問いへの答えを中心に説明していく。ここまでで市場規模とビジネスモデルについて説明したので、3年でどのくらいの売上規模になる予測なのか?その頃にはどのくらいの社員数が必要なのか?といった内容をまとめた資金計画もここに含めておこう。

この時点で投資家が間違いなくもっと知りたがっているのが、マネジメント層についてだ。まとまった金額を投資しようとしている彼らが、会社を率いている人たちにその適正・能力があるか知りたがるのももっともだと言える。もしもあなた自身やあなたのチームが、以前スタートアップをエグジットまで導いたことがあれば、大げさなくらいそれを打ち出した方が良い。さらに、以前Budweiserに勤めていて、ビールの売上増加に繋がるプロダクトをローンチしようとしているなら、前職との関係性を明確にすべきだ。また、何かの分野で世界でもトップクラスの専門性をもっており、博士号など具体的な事実でそれを証明できるならば、それも大々的に宣伝するようにしよう。時間の限られているピッチでは、このパートにあまり時間をかけないほうが良いかもしれないが、少しでも時間に余裕があればぜひ含めるようにしてほしい。投資家は、あなたの会社の成功の可能性を、トラクションとチームをもとに推測しているということを忘れないように。アイディアだけでは足りず、それを実行できるかどうかに全てがかかっている。チームに関するこのパートでは、それまでに説明したアイディアを実行する上で最適な人員が揃っているかどうかということを、聞き手に伝えることが目的なのだ。もしも最適な人が揃っているかに関して少しでも疑いがあるようであれば、ピッチは一旦ストップしてもう一度採用を行った方が良いだろう。

以上が、あるひとつのことを除いた、ピッチに関するアドバイスの全てだ。そして最後に残されているとても重要なパートが、クロージングだ。ピッチの終わりに、なぜ自分がそこにいるのかについてもう一度説明するようにしよう。「私たちには、生鮮食料品の購入の仕方を変えるすばらしいテクノロジーがあるだけでなく、業界での豊かな経験を持ったこのビジネスに最適な人材が揃っています。目標調達金額は200万ドルです。連絡先はスクリーンに表示していますので、詳細について知りたい方は私までメールでご連絡ください」というクロージングであれば、簡潔かつ必要なことが全て伝えられていて完璧だ。

ピッチ時の話し方に関連し、ボディランゲージについても少し触れておきたい。私は個人的に、1対1での指導を行っているプレゼンのコーチを雇うことを強く勧めている。アクセラレータープログラムに参加していれば、ピッチ指導もその内容に含まれていることが多いが、(まだ)そのようなプログラムに参加していなくても、あなたのピッチを間近で見て、指導してくれるような人を探した方が良い。自信をにじみ出させ、堂々とした姿勢で、ハキハキと話しながら聞き手とアイコンタクトをとるというのは、ピッチでは極めて重要であると同時にマスターするのはそこまで難しくない。練習あるのみだ。

投資家の中には、困ったことに事前に資料を送ってほしいと依頼してくる人もいる。今までに素晴らしいプレゼンテーションを見たことがある人であれば、スライドはあくまでペースを守る手助けをしたり、プレゼンターが言っていることを視覚的に補助したりするだけで、資料の中にプレゼンの全ての内容が含まれているわけではないことにお気づきだろう。もしもあなたが資料を事前に送ったとしても、投資家は恐らく内容を完全にはつかめないため、通常私はミーティングで顔を合わせるまでスライドは送らないように勧めている。この問題への対策のひとつが(もしも投資家が遠く離れた場所に住んでいるときのことを考えると、対策を立てておくにこしたことはない)、2種類のスライドを準備しておくということだ。ひとつは実際にピッチを行うときのためのもの、そしてもうひとつは、エグゼクティブ・サマリー(事業計画の概要)として、ピッチの雰囲気が読んで伝わるようなものとして準備しておくと良い。

ピッチの準備をするときには、アルバート・アインシュタインがかつて言った、「簡潔に説明できないのは、十分に理解していないからだ」という言葉を心に留めておいてほしい。あなたの事業領域に関する専門知識を持ち合わせていないかもしれない、部屋いっぱいに集まった投資家に対して、会社のことをうまく説明できないようであれば、いちからやり直しだ。


【編集部注】本記事の引用元である、今年発売されたVitaly M. Golomb著『Accelerated Startup』は、KindleiBooks用の電子書籍とハードコピーとして販売されている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

退屈なスライド・プレゼンをVR化して迫力を増すSharalike(iOS, Android, Oculus用)

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ちょいと!待ちなさいよ! あなたはこの記事のタイトルの、‘スライド’という(つまらない)言葉を見て、逃げようとしたでしょ。でもちょっとだけ、付き合いなさい。たしかにスライドは、涙が出るほど退屈だけど、でもSharalikeの最新のVRアプリケーションは、退屈な2D画像にVR(仮想現実)という新しい命を与えてしまうんだ。

Exploring photo slideshows in VR is a trippy experience.

SharalikeのVRでスライドの写真を見るとまるで幻覚のようだ

アプリケーション(アプリ)はAndroidiOS用、そしてOculusのアプリもあり、いわゆる没入的なスライドショウを体験できる。アプリが画像を調べてテーマを決め、それに合った背景ビデオや音楽を使う。

VRのスライドショウを作るのは、比較的簡単で分かりやすい。ただし、それを見る側は、慣れるまでちょっとたいへんかも知れない。ぼくは写真家なので、スライドショウについては、よく分かっているつもりだった。でもそれがVRという不思議で奇妙な体験になると、最初のうちはかなりまごつく。

Sharalikeのアプリがローンチしたのは18か月前で、ダウンロード数130万あまりという大ヒットになった。その‘スマートスライドショウ’に変換された写真は、3000万以上にもなる。大成功ではあるけれども、現状ではVR画像の解像度が課題だ。レティナディスプレイで写真を見慣れた目には、今のVRの視界は、その最良のものでも、ちょっとしょぼい。

でも手元にある古い写真が、360度やVRの世界で生き返る、と考えると、夢は大きいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

PowerPointによるプレゼンに投票、Q&Aなどリアルタイムの対話的機能を加えるGlisserが$1Mのシード資金を獲得

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退屈になりがちなプレゼンテーションを、Q&Aやリアルタイムの投票などの対話的アクションで活性化するGlisserが、シード資金として100万ドルを獲得した。そのWeb上のサービスは、プレゼンのオーディエンスがスライドをソーシャルメディアに保存共有できるなど、そのほかの活性化機能もサポートしている。

Glisserのシードに参加した投資家は、Downing VenturesとLondon Co-Investment Fund、および匿名のエンジェル数名だ。得られた資金により、このロンドンのスタートアップは、ニューヨークにオフィスを持ちアメリカに進出したい、と考えている。

GlisserがこのWebサービスを立ち上げたのは2015年で、今ではAmex, Visa, Bloomberg, UBS, 政府の省庁など、およそ100の顧客を抱える。また、個人ユーザーのプレゼンターもおよそ1万名いる。

同社はこの夏、Microsoftの著名なプレゼンテーションソフトPowerPointとの統合化機能を加えて、MicrosoftのLondon Accelerator事業に参加した。今日(米国時間10/10)一般公開されたそのPowerPointアドインにより、PowerPointを使ってプレゼンしている人たちも、対話的な機能を活用できる。

“これにより、プレゼンターやイベントの主催者は、PowerPointでプレゼンをしながら、新しいコンテンツをアップロードすることもできる”、と同社は言っている。

Glisserの機能を統合したPowerPointのユーザーは、投票やライブのQ&A、オーディエンスのデバイスへのスライドの共有、オーディエンスのアナリティクスやフィードバックといった対話的機能を利用できる。

ユーザーであるプレゼンターは自分のスライドをGlisserのクラウドへアップロードし、そのプレゼンのURLをもらう。そしてプレゼンターとプレゼン参加者の両方が、そのURLを開いて対話的活動を行う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのプレゼンテーションツールGoogle SlidesにQ&A機能が加わる…オーディエンスとのコミュニケーションを円滑に

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GoogleのPowerPoint対抗馬Google Slidesに、今日(米国時間5/4)からQ&A機能が加わる。これによってプレゼンターとオーディエンスのあいだに対話性が生まれ、前者は後者から質問やフィードバックをもらうことができる。オーディエンスが自分のお気に入りの質問に票を投じる機能もある。

SlidesのQ&A機能は、今日から全世界一斉に展開される。

プレゼンターがSlidesのプレゼンタービューでボタンを押すと、Q&Aセッションが始まる。モバイルではそれは、“オーディエンスツール”ボタンからのメニューにある。セッションが始まると、画面上部にQ&Aへのリンクが表示される。

Slides Q_A - Presenter

Googleによると同社は、この新しい機能をGoogle Science Fairで優勝したShree Boseが同社のニューヨーク支社で行ったプレゼンテーションでテストした。200名の中学生を前に彼女が行ったプレゼンに、170の質問が寄せられた(下のビデオ)。

それはプレゼンのオーディエンスの典型的な例ではなかったかもしれないが、でも明らかに、オーディエンスの全員がラップトップやスマホを持っている場合には、プレゼンの終了後などに口頭で行うQ&Aよりもずっと効率的だ。マイクのあるところまでのこのこ歩いていって、多くの聴衆を前に質問を言うことを、尻込みする人もいる。逆に、人前で話すことが大好きで、話が長すぎる人もいるしね!。

どんなプレゼンテーションでも使えるSocial Q&Aや、テキストメッセージによる投票サービスPoll Everywhereなどもあるが、それらは有料の場合もあるし、Google Slidesなど特定のプレゼンツールとの相性は、必ずしも良くない。

思い出した方もおられるかと思うが、Googleには前に、Moderatorというツールがあった。2015年の7月に閉鎖されるまで、Moderatorはよく似たクラウドソースのQ&Aサービスを提供していたが、でもそれは、大きなイベントが始まる前に質問を集める、というものだった。

今日Googleは、Q&A以外にも、プレゼンテーションをより容易にするための二つの新しい機能をSlidesに加えた。ひとつは、iPhoneやiPadからGoogle Hangoutへスライドをプレゼンできる機能。もうひとつは、コンピューターからプレゼンをする人のための、Web上の仮想レーザーポインターだ。

iOSAndroidのSlidesアプリにも、アップデートは今日からグローバルに適用される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユニークなプレゼンツールで成功したPreziのサンフランシスコオフィスで社長のPeter Arvalにインタビュー

ノンリニア*で対話的なプレゼンテーションができるPreziは、このところニュースらしいニュースがなかったが、このほどハンガリーのブダペストにおける同社のルーツや、9時間の時間差のある二つのオフィス(ブダペストとサンフランシスコ)を抱える悩みなどについて、話してくれた(上のビデオ)。〔*: 従来のスライド型のプレゼンソフトは、リニア(線形)。〕

今やSalesforceやLufthansa、Marriott、IBMなどもPreziを使ってクリエイティブなプレゼンを作っている。同社は2009年、シリコンバレーに進出して以来爆発的に成長し、MicrosoftのPowerPointから相当数のユーザを奪った。

同社によると、今年ユーザ数が6000万を超え、これまでに1億9000万あまりのプレゼンテーションが作られ、それらは合計10億回以上見られた。

上のビデオはPreziのサンフランシスコ本社のオフィス、取材に応じてくれたのは同社の協同ファウンダで社長のPeter Arval。インタビュワーは私Sarah Buhrだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

一方交通的だったプレゼンに対話性とエンゲージメントと活気をもたらすZeetings

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PowerPointのプレゼンテーションを作るのも見るのも飽きた人たち向けに、オーストラリアのZeetingsが、オーディエンスと対話でき、彼らのエンゲージメントをチェックできるツールをローンチした。

Zeetingsの協同ファウンダでCEOのRobert Kawalskyは語る: “テクノロジはどんどん進歩して、新しいことがいろいろできるのに、プレゼンテーションは昔のままだ。とくにまずいのは、“見せるだけ”という一方交通が今でも続いていること。実際には、それを見ている人間がたくさん、目の前にいるのにね”。

Kawalskyが見せてくれた、Zeetingsのやり方はこうだ。最初は、ふつうにスライドを見せて概要を説明する。そしてその次に、三択などの質問をして各人の答を投票させる。グループ全体とチャットしたり、一人々々チャットしたりする。オーディエンスが個人的にノートをとることもできる。最後は、そのプレゼンに対して最高5つ星のスターで評価する。

たしかに面白そうだが、でも重要な違いはあるのだろうか? Kawalskyによると、Zeetingsのチームも、同じ問を自問した。“ちょっと目先が変わるだけか、それとも、プレゼンテーションを本質的に変えるものか?”

Zeetings poll

当然ながら、結論は、本質的な変化だった。たしかにZeetingsを表層的に使うこともできるけど、ベータに参加した顧客たちは、たとえばプレゼンの最初と最後に投票をしてもらって、製品への評価がどれだけ変わったかを知るなど、有意義な使い方を編み出している。精神衛生など、機密性が必要な問題への投票では、匿名の投票もできる。

Kawalskyによると、一方交通のプレゼンではオーディエンスの注意を惹きつけるために苦労しなければならないけど、対話性があると自然な注意が生まれる。“これまでのプレゼンだと、飽きたオーディエンスが、スクリーンを見ずに、自分の携帯でメールチェックなんかやってたからね”、と彼は語る。

対話性があると、エンゲージメントも生まれる。たとえば資料を請求されたり、あとで個人的に話をしたい、と言われたり、投票をし、スター評価をする。オーディエンスが、自分もエンゲージできるんだ、と分かると、悪循環の逆の良循環が作り出され、プレゼンをさらに良くしていくための方向性も、エンゲージメント(=顧客の反応)から具体的に分かる。反省も得られるから、次のバージョンでは、エンゲージメントをさらにもっと積極的にすることもできる。

Zeetingsのプレゼンは、ネット上でリモートで(対個人で)“上演”することもできる。そのベータユーザはDeloitteとeBayとHPだった。Khosla VenturesのIrene Auとの議論を元に作ったZeetingsのプレゼンがこれだ

Kawalskyは、PowerPointのような既存のプレゼンツールを駆逐する気はない、と言う。ただ、あの一方交通的なプレゼンではだめだ、と感じたとき、スライドの部分だけをPPで作って、全体をZeetingsで再構成すればよい。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Slidebeanは(たぶん)世界でいちばん簡単なプレゼン作成ツール

あなたの頭の中にあるコンテンツを美麗なプレゼンテーションに簡単に変える方法をお探しなら、Web上でプレゼンを行うSlidebeanが格好のツールかもしれない。

プレゼンツールは何年も前からいろいろ出回っているが、コンテンツとフォーマットが別立てになるプレゼンテーション作成ツールはSlidebeanが初めてで唯一、だと思う。

どういうことかというと:

このサービスに登録したら、まず、コンテンツのスライドを一枚一枚入力していく。そのとき、ページ下部にあるスライドのタイプを指定する: Title Only(タイトルのみ)、Bullet Points(箇条書き)、Imagery(画像)、Video(ビデオ)、Text(テキスト)、など。どのスライドにも、タイプを指定すること。

画像はURLを指定したり、自分のコンピュータからアップロードするほかに、Slidebeanにネット上を探させてもよい。彼(?)が見つけた画像でOKなら、それを指定する。

さて、そうやってコンテンツの入力が全部すんだら、今度はDesignタブをクリックしてフォーマットや色使いを編集する。色の組み合わせは5種類、デザインの選択肢も5種類あり、どれもアニメーションを使える。

終了するとSlidebeanがそのプレゼンのリンクを作ってくれる。それをクリックすればプレゼンが始まる。もちろん、プロジェクターを使ってもよい。

このサービスのWebバージョンは無料だが、必ずPDF形式にしたい人は、月額4ドル99セントの会費を払う。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))