プログラミング学習用のJetBrains Academyが新型コロナ対応で無料開放

新型コロナウイルスのパンデミックに対応して、多くの組織が無料、または非常に安価に、人々がスキルアップするのを手助けする講座を提供している。私たちが最終的にロックダウンから抜け出す際に役立つはずだ。

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

プログラミング学習についても、かなり多くのソースがある。例えば、Freecodecampや、General AssemblyのFree Fridaysスキームなどだ。ゲームに興味がある人には、ビデオゲームの開発を通してプログラミングを学べるGamedev.tvが講座料金を80%オフにしている。

ただし、無料または有料を問わず、ほとんどのオンラインのプログラミング講座では、コースの進行に合わせ、受講者にプロジェクトをダウンロードさせたり、コードの断片を示して、そこからコピー&ペーストさせるのが基本となっている。IDE(Integrated Development Environments、統合開発環境)を含んだものはほとんどない。実はそれこそが学習過程で役立つものなのに。

そこで、デベロッパー向けの開発ツールを作っているスタートアップであるJetBrainsは、実際に独自の教育用IDEを開発した。それによって、特にこうしたパンデミックの際には、オンライン学習に新鮮なアプローチをとることができることに気付いたのだ。

同社が独自のIDEを提供することで、一部はブラウザーを利用するとしても、大部分は受講者個人のコンピューターのIDE上で学習できるようになる。つまり受講者は、プロ用と同様のIDEを直接使い、実践的なタスクと、統合されたテストを通じてプログラミングを学ぶことができる。また結果をすぐに確かめることも可能だ。

この新製品は、JetBrains Academyと呼ばれ、新型コロナウイルスの大流行の直前に、ベータ版を脱して正式版がリリースされる予定だったもの。当初は有料にするつもりだったが、パンデミックの最中には、このプラットフォーム全体を無料にすることをJetBrainsは決定した。これにより、家に閉じ籠もっている人や、職を失った人、あるいは一時解雇された人でも、新しいスキルを学ぶことができる。

受講者はJava、Python、またはAndroidアプリ開発に適したGoogle製の言語Kotlinを、60以上のプロジェクトを通じて学習できる。プロジェクトは自分でビルドし、IDEを使って即座に動作を確認できる。各プロジェクトは、概念ごとに独立したトピックから構成される完全なカリキュラムとして提供される。1つのトピックは、約15分で完了することができる。全部で5700以上もの、インタラクティブな課題に挑戦することができる。

またJetBrainsでは、無料の教育用IDE(Educational IDE)も提供する。実践的なタスクと統合されたテストを通して、プロ用と同じ環境でプログラミングを教えることのできるものだ。言語としては、Java、Kotlin、Python、Scala、JavaScript、Rust、C/C++、Goをサポートしており、今後さらに多くの言語が追加される予定。講師は、そのIDEを使って独自のプログラミング教育コースを作成できる。レッスンの数も自由に設定可能だ。作成したコースは、特定の受講者だけに提供することも、公開して広く共有することもできる。

さらに、学生、教師、学校、あるいは講座ごとに、フル機能のJetBrains IDEとチームツールの教育用ライセンスを申請すれば、無料で使用できる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

タイピングゲーム感覚でプログラミングを“写経”して学べる「SHAKYO.io」のベータ版公開

ソースコードを模写して入力する「写経」は、プログラミング初級者が基本的な文法や言語ごとの特徴を学ぶ際の勉強法として長年親しまれてきたものの1つだ。

従来は紙の技術書などを開き、そこに記載されているソースコードを見ながら自身のPC上で同じように打ち込んでいくやり方が定番だったが、本日ベータ版がローンチされた「SHAKYO.io」を使えばタイピングゲーム感覚でブラウザ上にて簡単に写経を体験できる。

SHAKYO.ioではC、Java、Python、Rubyなど複数のプログラミング言語ごとに合計で100種類以上の基本的なアルゴリズム(レッスン教材)が収録されているので、ユーザーは気になるレッスンを選択し、画面上に表示されるソースコードをなぞるように入力していく。基本的にはその繰り返しで、とてもシンプルなサービスだ。

実際に試してみるとタイピングゲームにかなり近く、間違ったキーを選ぶと画面上に赤色でアラートが表示される。入力開始と同時にストップウォッチが作動し、毎回ソースコードを入力し終えるまでにどのくらいの時間を要したのかがわかるようになっている。

利用料金は月額980円。一部レッスンは無料で体験可能だ。有料版では全てのレッスンが受講できるほか、自身でソースコードをアップロードすることもできる。

同サービスを手がけるのは昨年11月に紹介した“卒業まで学費無料で通えるプログラミングスクール”を日本で展開するLABOT。代表取締役の鶴田浩之氏はSHAKYO.ioを立ち上げた背景について、初学者がエンジニアとしてステップアップする上で、勉強ではなくトレーニングとしてプログラミングスキルを磨けるツールが必要だと考えたと話す。

「今はProgateやドットインストールを始め個人でも安価にプログラミングの学習が進められる優良なサービスが増え、教科書的な学習ができる環境が充実してきている。一方で勉強はできても繰り返し練習やトレーニングをする習慣が身につかず、その結果としてつまずいてしまう人が多いのではないかという仮説を持っている」

「自分自身も中学生時代に見よう見まねでソースコードを打ちながら、フィジカルでプログラミングを覚えた。SHAKYO.ioでは反復練習をキーワードとして気軽に写経に取り組める仕組みを作ったので、一日十数分ずつだけでもトレーニングを継続してもらうことによって、プログラミングに対するメンタルブロックや複雑なシンタックス(文法)へのアレルギーをなくすきっかけになれば嬉しい」(鶴田氏)

メインのターゲットはプログラミングの初学者になるが、そのほかにも言語の学び直しや、新しい言語を習得したいユーザーが言語ごとの文法の違いを把握しながらトレーニングする際にも使えるという。

基本的にはプログラミング学習サービスやスクールなどと組み合わせながら「プログラミング学習の副教材」として活用してもらうことを考えているそう。毎日の筋トレのような形で、短い時間でも反復して取り組んでもらえることを目指し、今後はクイズやランキング機能などゲーミフィケーションを取り入れた仕組みの導入も検討していく。

並行してコンテンツ周りの拡充も進める方針。現在は運営側で数百のコンテンツを準備しているが(ライセンスなどに気をつけながら教材として使っていいものを集めているとのこと)、各ユーザーが自身でアップロードしたソースコードを他ユーザーにも公開できる仕組みも取り入れる。

「プログラミングは1つの明確な答えがあるわけではないので、中長期的にコンテンツが増えてくれば『どの言語の、どういう実装を、どの教材を使って学ぶか』という楽しみ方もできるようになる。コンテンツ面では写経用のコンテンツを提供してもらえる協賛企業も増やしたい。現場で実際に使われているようなソースコードの一部を学習コンテンツとして使えれば、初学者にとっては今後仕事につなげていく上でも、達成感を得る上でも大きな効果があると考えている」(鶴田氏)

LABOTとしては今後個人ユーザーだけでなく、教育機関での副教材や企業内の研修ツールとしての利用も促進していきたい考えだ。

特に直近では新型コロナウイルスの影響でオンライン学習体制を余儀なくされている教育機関や、リモートワークへの移行によって新人の研修・トレーニングをリモートにせざるを得ない企業も多い。そういった教育機関や企業に対しては、SHAKYO.ioの有料機能にアクセスできるライセンスを無償で提供する取り組みも行っていくという。

堅実ではあるが成長の遅いスタートアップはこの先どうなるか?

さまざまなプログラミング言語に対するコーディングクラスを提供している、米国ニューヨークに拠点を置くオンラインインタラクティブプラットフォームのCodecademyは、目立たない企業だ。創業者のZach Sims(ザック・シムズ)氏が、まだコロンビア大学の学生だった2011年に会社を創業してから、同社は堅実に運営を続けてきた。それは多くの人が知っていて、利用もしてきたブランドだが、耳目を集める資金調達ラウンドは行わず、またニュース価値のあるレイオフもなしに着実に成長して来たために、この90人の会社が日頃プレスの注目を集めることはほぼない。

それはシムズ氏にとっては気になることではない。私たちはシムズ氏と先週話をする機会を持ったが、それは最近若いライバルのLambda Schoolが行った4800万ドル(約53億円)の資金調達という、シムズ氏にとってはあまりうれしくないニュースの直後のことだった。ちなみにこれまでCodecademyが調達してきたのは総額で4250万ドル(約47億円)である。シムズ氏は、彼の会社は順調に進み続けていると語る。

ここでの問題は、それがVCたちにとって「いい」かどうかの問題が、ますます大きくなってきているということだ。実際、Codecademy は、多くのスタートアップたちが現在直面しているものと同様に、スマートで堅実だが、大きく成長しているビジネスではないという厄介な立場にあり、それが次のステップに対する疑問を投げかけている。

私たちが最後にシムズ氏と話したのはおよそ2年前だが、当時それまで意味のある収益をどのように生み出すかで長年苦労してきたCodecademyは、2つのプレミアム製品を開始したばかりだった。それらの1つであるCodecademy Proは、コーディングの基礎に加えて、機械学習やデータ分析を含む最大10領域をより深く学ぶためために月に40ドル(約4500円)(または年間240ドル(約2万7000円)を喜んで払いたいひとのためのコースだ。シムズ氏は、これは軌道に乗っていると言うものの、その詳細について語ることは拒んだ。

ウェブサイト開発、プログラミング、もしくはデータサイエンスのいずれかに6〜10週間学習者を没頭させるようにデザインされた2つ目の製品「Codecademy Pro Intensive」は、その後廃止されている。

どんな人が有料ユーザーなのだろうか?シムズ氏によれば、そうした人たちは2種類に分かれる傾向があるという。1つは単発のスキルセットを学ぶ人たちで、おそらくウェブサイトを作るために切羽詰まっている人たちだ。そしてもう1つは、現在職には就いているものの、昇格もしくは転職を考えており、Codecademyに週に数時間費やすことがそれを実現するための手段だと考える人たちである。およそ60%が米国の居住者で、残りはインドやブラジルを含む様々な場所の人たちだ。コーディングスキルの必要性は「米国に限られる現象ではありません」とシムズは指摘する。

シムズ氏は、Codecademyの価格設定を考えると、投資の回収はかなり迅速行えるだろうと口にした。比較として挙げるなら、一部のオンプレミスコーディングスクールの中には、年間2万ドル(約220万円)以上を請求するものもある。これはたいそうな金額だが、そうしたスクールは利用者が参加しやすくするために事前の徴収は行わずに、就職した後の給与の中から一定の割合で徴収する。

当然ながらCodecademyは主にオンラインで運営されているため、そこで認識されている欠点についてときおり批判されている。ある顧客(自称コンピューターサイエンス専攻)は12月に思慮深いレビュー を投稿しているが、そこには「プログラマーであるということは、単に構文を覚えられるということ以上のものだ」と書いている。確かにCodecademyは「達成しやすい中毒性のあるひと口サイズの学習」を通じて「多くの学習者にコンピューターサイエンスの基礎」を伝えてきたものの、このレビュアーはそれは「プログラマーのマインドセット」の育成には不十分だと書いている。

とはいえ、十分な数の人たちがCodecademyの提供する膨大な数のコンテンツに価値を見出したおかげで、同社は最近重要なマイルストーンに到達した。現在はキャッシュフローが黒字になったのだ。昨年は収益を2倍にした。

シムズ氏はこの結果を当然のこととして誇りにしており、「持続性と利益性が高い成長を続け、ビジネスに再投資可能な現金を生み出しているコーディングプラットフォームは、ほとんどありません」と語る。

Codecademyは最初から変わらない追い風を受けている。コーディングスクールに対してはより広く懐疑的な見方が広まっているが、ソフトウェアの設計、実装、修正、そしてセキュリティ実現の能力は、ますます重要になっている。手ごろか価格の関連教育を受けられることは、相変わらず魅力的な提案のままなのだ。

これは同社が消費者に対して提供を続けているものであり、企業の場合は、Codecademy型のコースを従業員に対して提供し始めているのではないかと私たちは推測している。Codecademyはすでにコースのまとめ売りを行っているが、シムズ氏は、2020年に力を入れたいのは、従業員に対して教育特典を提供したいと考える企業とのタイアップだと語っている。

同様に投資家の喜ぶ絵を描くつもりなのかどうかは、明らかではない。シムズ氏に対して、より広意味での資金調達について尋ねたところ、回答は拒否された。

確かに、先週の「ポートフォリオの肥大化」を扱った記事で説明したように、後期ラウンドは成立させることが難しくなってきている。その理由は、近年VCたちがこれまでにない速さで、新しいスタートアップに注ぎ込むための資金を大量に集めているからだ。そして、彼らはそのすべての資本からリターンを得るために、「次の有望株」を見つける必要に迫られている。

これにより、着実に成長している多くの企業が、今のところ自分のことは自分で面倒をみる状況になっている。

その結果がどうなるかは、まだ誰にもわからない。Codecademyの黒字化したキャッシュフローは、その答を出す期限を引き伸ばしてくれるだろう。

トップ画像クレジット:scyther5 / Getty Images

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(翻訳:sako)

卒業まで無料で通えるプログラミング学校が恵比寿に開校へ、転職後に給与の一部を支払うISAsモデルを採用

「週50時間、6ヶ月に及ぶ本格的な学習プログラム」「問題解決アプローチを重視し、チーム開発を中心に設計されたカリキュラム」「望む転職に成功しなかった場合、受講費用は発生しない」——。そんな特徴を持ったプログラミングスクールが2020年1月、恵比寿ガーデンプレイス内にてスタートする。

同スクールを手がけるのは2019年7月創業のスタートアップLABOT。同社では1月の開校に向けて11月29日より1期生の事前募集を開始した。カリキュラムの内容もさることながら、既存のプログラミングスクールと大きく異なるのは契約モデルとその背景にある思想だ。

冒頭でも少し触れた通り、LABOTが開校するスクールでは開始から卒業まで受講料金が発生しない。要は基本的に無料で通い続けることができる(厳密には副教材の一般書籍などは任意だが購入する場合は自己負担)。その代わり予め定めた条件を満たすような転職に成功した場合、就職後に一定期間に渡って給与の一部から“後払い”のような形で支払う仕組みだ。

今回LABOTでは昨今米国で広がり始めているISAs (Income Share Agreements)モデルを採用し、アレンジして組み込んでいる。ISAsとは米国で生まれたスクールと学生の新しい契約モデルで、受講開始から卒業までの期間は受講費用が発生しない代わりに、一定の条件をみたした場合に卒業後の収入から一 定割合をスクールに支払うという内容の所得分配契約のことだ。

米国では学生が多額の学費ローンを抱えることが1つの社会問題となっていて、ISAsはそれに変わる新しいモデルとして注目を集める。LABOTによると職業訓練から大学まで様々なスクールが採用し始めているほか、関連するファンドや事業者も増えつつある状況。2019年7月には連邦法を定める合衆国上院にISAs法案が提出され、議論が開始されているという。

LABOTが提供する日本版ISAsのイメージ

LABOTの日本版ISAsは卒業生がIT人材として年収を上げて就業できることが前提。現在の年収水準が概ね420万円以下の非IT職種・プログラミング未経験者を対象に、6ヶ月のカリキュラムを提供する。入学金や学費は一切なく、卒業後に希望する職種への就労が実現すれば、目安として24〜36ヶ月に渡って月給の13〜17%を支払うイメージだ。

学習中に挫折してしまった場合や望んだ転職に成功しない場合、LABOTのISAsの規定に定める年収ライン(年320万円)を下回る期間については、支払いの義務は発生しない。また病気や怪我、介護、育児等の何らかの事情で給与を得られない時は、その期間のISAsにおける支払いは停止する。

LABOTの日本版ISAsに関するポリシー。支払い額には予め上限が設定されているため、高い年収での転職が決まった場合も一定ラインに達すればそれ以上の支払いは不要だ

ISAsの特性上、学生の長期的なキャリアの成功がスクールの成功になるため、双方の利害が一致するのがポイント。これまでIT業種へのキャリアがありつつも金銭的なハードルや不安からプログラミングスクールに通うことができなかった人や、強い意思がある人に対して実践的かつ長期的なカリキュラムを提供することで「未知の課題を解決できる」人材を輩出することを目指すという。

当然ながら一定数の成功者がでなければ事業を継続できないため、事前にエントリーシートや面談を通じて受講者を選抜した上で1200時間相当(目安は週50時間、6ヶ月間の訓練)みっちり学習する機会を設ける。

デザインカリキュラムも約120時間分ほど用意しているほか、プロジェクトマネジメントやデジタルマーケティングなどを学ベる時間も確保。知識に加えて問題解決のための思考を養うべく、カリキュラム後半の60%はチーム開発に当て、実際にプロダクトをリリースすることが目標だ。

「プログラミングとはPCの前だけでやるものではなく、色々な場面でプログラミング的な思考が必要とされるので、単にコーディングだけ学んでいれば良い訳ではない。自分たちのカリキュラムは50%以上がチーム開発のプロジェクトの時間になっていて、ホワイトボードの前でディスカッションするなど、黙って座っている時間が1番短いスクールになる」(LABOT代表取締役の鶴田浩之氏)

定期的に1on1の面談を行い学習のサポートをするほか、カリキュラムの後半では事業会社を模した評価を行い、学生同士のピアレビューも実施。いわゆる先生的な役割の人は存在しないが、現役のエンジニアがメンターとして参画し、実務に近い環境でコードレビューやアドバイスを受けることができるという。

家庭環境や学歴、年収に関わらず新しい挑戦ができる仕組み作りへ

LABOTの代表を務める鶴田氏は過去に「すごい時間割」や「ブクマ!」などを生み出してきたLabitの創業者だ。2017年には開発チームとともにメルカリに参画し、子会社ソウゾウの執行役員として教育領域のCtoCサービス「teacha」の立ち上げにも携わった。

「もちろんプログラミングスクールをやりたかったという思いもあるが、根本的には日本で教育領域におけるISAsモデルの可能性の検証をすることが目的。教育は『自己投資』と表現されることもあるように投資であり、投資であるならROIで考えることもできるのではないかという仮説を持っている」

「たとえば職業に直結する人の学習や学び直しであれば、その人が将来的に活躍することが見込めれば自己投資だけではなく他者から投資を受けるという仕組みもありえるのではないか。実際にアメリカでは学生ローンや奨学金に変わる新しいモデルとしてISAsモデルが注目を集めていることもあり、日本でも今後広がる余地があるのではないかと考えた」(鶴田氏)

ISAsに関するカオスマップ。すでに海外ではこの仕組みを取り入れた機関や、それをサポートする会社がいくつも登場している

鶴田氏自身がもともと人に何かを教えることが好きなことに加え、長年身を置いているITスタートアップ業界において「ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家が増えるなどエコシステムが発展する一方で、現場で実際にものを作るエンジニアはまだまだ少ない」ということもあり、プログラミング学習領域で事業を立ち上げることには以前から関心があったという。

良い仕組みが作れないかを考えていた際に最初に思いついたのが「無料で提供して、受講者が成功した場合に後から受講料をもらう仕組み」。海外の事例なども調べるとまさに数年前からISAsが広がり始めていたことを知り、このモデルを取り入れてLABOT流のプログラミングスクールを設計した。

ISAsであれば学歴や年齢、現在の収入などに関わらず誰でもチャレンジの機会を得られる可能性があるのが特徴。また途中で挫折してしまった場合には受講費用が発生しないため、ある意味“通常のスクールよりも辞めやすい”構造で、本当にやりたい人だけが最後まで残る。

「もちろん事前の審査に加えて学生をケアする仕組みは取り入れるが、ある程度長期間に渡って取り組む中で『あ、自分は向いてないな』と納得して挫折するのであれば、それでもいいと考えている。既存の仕組みでは向いてるかわからないままモヤモヤしながら結果的に挫折してしまったり、就職したものの職種とのミスマッチなどで短期間に離職してしまう人も一定数存在する」(鶴田氏)

ISAsモデルの場合、仮に学生が就職に成功しても短期間で離職してしまうような形では意味がない。卒業生が望んだ職種で、なおかつIT人材として待遇をあげて働けるようなサポートが必要だ。

「そのためには学生とフェアな立場で紳士的に向き合うことが不可欠。単にISAsにすれば良いという話ではなく、カリキュラムの思想とも密接に関わる。LABOTでは学校のミッションを『未知の課題に対して取り組み、自走できる人を輩出すること』と設定し、変化が激しい時代の中で1人の技術者として自分で考えて自走できる人材を育てていきたい」(鶴田氏)

第一弾は恵比寿ガーデンプレイス内に開校。平日7時〜24時までスクールを開放し、いつでも利用可能。カリキュラム前半には厳しい出欠管理がある。16歳以上でIT業種への転職・就労の意思がある人が対象だ

つい先日には寄付モデルを取り入れた学費無料のエンジニア養成機関「42」の東京校をDMM.comが一般社団法人として立ち上げ、2020年4月から開校予定であることを発表したばかり。LABOTの場合は42とは異なるアプローチにはなるが、業界の発展に向けて新しい形態のプログラミングスクールの確立を目指していく。

鶴田氏の話では1期生は10人前後を予定しているそう。まずは小さく始めるが、きちんと成立する形が作れれば仕組み化しながら拡大していく計画。ゆくゆくはプログラミングスクールに限らず、他の分野においてもISAsモデルを展開していくことも視野に入れているようだ。

「家庭環境や学歴、年収に関係なくどんな人であっても新しい可能性にチャレンジできる機会を作っていきたい。これまでの日本社会では『どの大学に進学したか』『新卒でどの会社に就職したか』がその後の選択によって多少なりともその後の選択が制限され、23歳以降で思いきった意思決定をするのが難しかった側面もある」

「ただ周りを見ていても強い意思を持って、変われた人はたくさんいる。そういった人たちを後押しする仕組みを広げたい。自分としては単に『ISAsの学校をやります』ではなく、ゆくゆくは国の制度の1つとしても普及するようなモデルを作っていきたいと思っている」(鶴田氏)

“オンライン完結インターン”で企業の技術や文化を疑似体験、プロエンジニア養成所「TechTrain」が新機能

U30の次世代エンジニアを対象としたプロエンジニア養成サービス「TechTrain」を展開するTechBowlは10月16日、企業の事業や技術、カルチャーを疑似体験できるオンライン完結型のインターン機能「MISSION」を公開した。

MISSIONは企業とTechBowlが共同で開発したオリジナルのオンライン型インターンプログラムだ。企業の事業や技術、カルチャーを「好きな場所で、好きな時間に」体験することが可能。実際にインターンをクリアしたユーザーは企業担当者からフィードバックを受けたり、オフィスでの交流会に参加したりといった機会を手にすることができる。

各MISSIONのページでは詳細や大まかな開発ステップ、技術面のヒント、提供企業の担当者からのメッセージ、企業情報などを掲載。ユーザーはこのステップに基づいてオンライン上でプログラムに取り組んでいく。

第1弾としてサイボウズ、アカツキ、LIFULLが本日より独自のプログラムを公開している。たとえばチームのコラボレーションツールを開発するサイボウズのお題は「就活生同士で会社情報を共有できるアプリの作成」。モバイルゲーム事業を展開するアカツキの場合は「ワンタップで遊べる、横スクロールランナーゲームの作成」といったように、各企業の事業内容やカルチャーを反映している点がポイントだ。

実際に公開されているサイボウズのプログラム

TechTrain自体がプログラミング未経験者ではなくプログラミングの経験がある(自分で学習している人も含め)ユーザーを対象にしていることもあり、インターンの内容も実践的なものが並ぶ。

プログラムを進めていく上で課題に直面した場合にはTechTrainのウリでもある「経験豊富な社会人エンジニアのメンター」にすぐに相談できる機能を搭載。1回30分、無料のオンライン面談を通じて“開発現場で役に立つナレッジやフィードバック”をもらえるのが特徴だ。

以前も紹介したようにメンター制度は当初からTechTrainのコアコンテンツとなっていて、現在は35社70名を超える社会人エンジニアが所属。ユーザーは個別で気になるメンターを指名するほか、スキルや職種といった条件から該当するメンターを探すことも可能。このサービスは人材紹介でマネタイズをするモデルのため(採用が決まった際に企業から成果報酬を得る)、ユーザーは完全に無料で使うことができる。

TechTrainはこれまで約400名のユーザーに活用されていて、代表取締役の小澤政生氏によると全体の7割ほどが学生で3割が社会人とのこと。最近はプログラミングスクールの卒業生がより実務に近い体験をしたくて登録しているケースが多いほか、すでに企業でエンジニアとして働いている新卒2〜3年目のメンバーも複数名いるそうだ。

「プログラミングよりも『実務においてどんなトラブルが起こり、それをどうやって乗り越えるのか』といったエンジニアリングを学べる場所を意識して作ってきた。(入門者向けのプログラミングスクールは増えてきているものの)そういったスキルや知識を身につけられる環境はまだ整っていない。特に今使ってくれている学生の中には地方在住のユーザーも多く、オンラインで現場のエンジニアと繋がりメンタリングを受けられる点は価値を感じてもらえている」(小澤氏)

僕自身も関西の大学に通いながら就活では関東のベンチャー企業を中心に受けていたから、その大変さはわかる。地方在住の学生や若手エンジニアにとって今回スタートしたオンライン完結型インターンはもってこいのプログラムと言えそうだ(ちなみに学生だけでなく社会人も参加できるとのこと)。

小澤氏の話では企業側としてもエンジニアの採用競争が激化する中で、就活時期に限らずオンラインコンテンツを介して通年でエンジニアの卵と接点を持てることは大きいとのこと。特にMISSIONをクリアしたユーザーはプログラムを通じて企業への理解もある程度深めている状態のため、その後のコミュニケーションも進めやすい。

時期的な観点では来年は東京オリンピックが開催される時期とサマーインターンのタイミングが重なるため、採用担当者から「従来のように東京でインターンを実施するのが難しい」という相談を受けることも多いそう。オンライン完結型のインターンはその解決策の1つにもなりうるということだった。

現役エンジニアが執筆した教材で“作りながら”プログラミングを学べる「Techpit」が資金調達

CtoCのプログラミング学習プラットフォーム「Techpit」を運営するテックピットは9月26日、​F Venturesなどを引受先とする第三者割当増資により、​総額3000万円​の資金調達を実施したことを明らかにした。

同社が手がけるTechpitは現役エンジニアが執筆した学習コンテンツを用いて、アプリを作りながらプログラミングスキルを磨けるCtoCの学習プラットフォームだ。未経験者や初学者向けに基本からレクチャーするプログラミング教室や学習サービスとは異なり、入門レベルの文法を学んだ後「自分でWebアプリケーションを作ってみたい」と考えるユーザーに実践的なコンテンツを提供する。

たとえば「Instagram風簡易SNSアプリを作ってみよう」や「Tinder風マッチングアプリを作ってみよう」、「Trello風ToDoタスク管理アプリを作成しよう」といった教材は実際にTechpit上で販売されているものだ。

現在公開されているコンテンツは約50種類。各教材は基本的にテキストベースで作られていて、項目に沿って開発を進めていけば目的のアプリが完成するようになっている。

動画とテキストという違いはあれど、サービスの仕組み自体は「Udemy」に近い。コンテンツ執筆者は自ら作った教材を有償で公開し、購入された場合には代金の65%を受け取れるモデル。運営側はコンテンツ公開前のレビューやマーケティングのサポートをする代わりに残りの35%を手数料として取得する。

執筆者として登録しているエンジニアは現在150人ほどいて(テックピットの基準を満たした人のみが登録)、その内約30人がすでにコンテンツを公開しているそう。顔ぶれも大企業やベンチャー企業で働くエンジニアからフリーランスまで幅広く、経験豊富な熟練者もいれば新卒3年目の若手エンジニアもいるのだという。

エンジニアにとっては「受託開発など、労働時間に対して収入を得られるものとは違ったスタイルの副業」という捉え方もでき、実際に副業の1つとして執筆に取り組むユーザーもいるそう。「隙間時間などを活用して自由なペースで進められるのがメリット。1度作ってしまえば、コンテンツが売れるごとに継続的な収入を見込める」(テックピット代表取締役の山田晃平氏)のが特徴だ。

執筆者向けの画面

「実際のサービスの作り方がわからない」を解決

慢性的なエンジニアの人材不足という背景もあってか、近年はオフライン・オンライン問わず未経験者であってもプログラミングを学びやすい環境が整い始めている。

「progate」や「ドットインストール」のようにオンライン上で手軽にスタートできるものから、講師のサポートを受けながら一定期間集中して学習に取り組む「テックキャンプ」や「テックアカデミー」といったものまで選択肢は多い。

Techpitは2018年10月のローンチで後発とも言えるが「言語の文法を初歩から学べるサービスはあるが、その次のステップとしてプロダクトの作り方を実践的に学べる場所がない」というユーザーの課題に着目して開発した。

テックピットのメンバー。左から取締役COOの辻岡裕也氏、代表取締役CEOの山田晃平氏、取締役CTOの前山大次郎氏

「これまでであれば、Web上で公開されているブログ記事などで調べながら作っている人が多かった。ただ無償のため質にバラツキがあったり情報が古かったりもする。有償になったとしても現役のエンジニアが作ったコンテンツを通じて、実務に基づく形でサービスの作り方を学べるのであれば十分に価値があると思った」(山田氏)

初学者向けの学習サービスが受験勉強における「教科書」的な位置付けだとしたら、Techpitはそこから一歩エンジニアに近くづくための「参考書・問題集」のようなものをイメージしているそう。初学者のレベルから企業で求められるようなレベルへ橋渡しをする役割を担いたいという。

正式ローンチ前にプロトタイプを作ってTwitterにポストしたところ反響があったため、教材数を増やしながらプロダクトをブラッシュアップ。10月のローンチ初日には1000人の登録者が集まった。

山田氏いわく、今後のポイントはユーザーが満足する良質なコンテンツをいかに集められるか。特にTechpitはCtoCという性質上、自分たちで教材を作るわけではないため「執筆者となるエンジニアの負担をなるべく減らしつつ、わかりやすい教材が継続的に生み出されるための環境整備」が必要だ。

「プログラミング言語や技術はアップデートが頻繁に行われ、新しいものもどんどん生まれる。その中でCtoCの仕組みがうまく回れば、内省でやる以上に最新のトレンドに沿ったものやニッチな領域のものまで、豊富な種類の教材を提供することもできる。だからこそ執筆の環境作りには重点的に力を入れていて、フォーマットやテンプレートを使うことで少しでも楽に書ける仕組みを整えたり、章ごとにフィードバックをしたりなど、教材づくりのサポートをやってきた」(山田氏)

今後は執筆者の工数をさらに削減するべく執筆者向けのプロダクトのローンチも計画。入門レベルを終えた中級者向けのプログラミングサービスとして、より充実した場所を目指していく。

なおテックピットは2018年7月の創業。代表の山田氏と取締役CTOの前山大次郎氏が同年4月にガイアックスへ新卒入社後Gaiax STARTUP STUDIOに採択され、会社を立ち上げた。

Microsoft Code Jumperで視覚ハンディキャップ児童もプログラミングが可能に

教育システムのトレードショー、 BETTがロンドンで開催中だ。Microsoftはさきほど多数のプロダクトを発表したが、中でも興味あるのはCode Jumperだ。これは視覚にハンディキャップがある児童がプログラミングできるようにするデバイスでパソコンに接続して利用する。

Code JumperはMicrosoftが2017年に発表したProject Torinoの一環で、 イギリスMicrosoftのケンブリッジ・ラボが「物理的接触でプログラミングできる言語」の開発に取り組んでいる。これはレゴブロックのような部品を組み合わせることでプログラミングができるようにしようとするものだ。

Microsoftはプレスリリースで「子どもたちにプログラミングの初歩を教えるのにもっとも効果的なのはブロック・コーディングと呼ばれる手法だと発見したことからこのこのプロジェクトは始まっている。しかしブロック・コーディングにはアクセシビリティーにおいて改善すべき点があった。視覚にハンディキャップがある場合、スクリーン読み上げや拡大といった方法を用いても自分が何をしているのか理解することが難しかったからだ」と述べている。

Microsoftは視覚障害者の自立を支援するNPO、American Printing House for the Blindにテクノロジーと各種データを提供する。今年中に オーストラリア、カナダ、イギリス、アメリカでプロダクトは入手可能になる。その後、他の国にも拡大される予定だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

40万人が使うプログラミング学習サービス「Progate」、米国子会社を設立しグローバル展開を加速

「海外展開は思っていたより簡単じゃない、というのが正直なところ。プロダクトの基盤が一通りできてきた一方で、日本と海外でのニーズのズレなど課題も感じている。そこをどう乗り越えていくかが今後のチャレンジだ」——Progate(プロゲート)代表取締役の加藤將倫氏は同社の現状についてそう話す。

Progateが運営するプログラミング学習サービス「Progate」については、これまでTechCrunchでも何度か紹介してきた。

スライド教材を見て基礎を確認した後、ウェブブラウザ上で実際にコードを書きながら学べるスタイルを考案。初心者にとって難易度の高い環境設定などもなく、プログラミングを始めるまでのハードルが低い。

そんなProgateが力を入れているのが、英語圏を中心としたグローバル展開だ。同社では7月1日に初となる子会社Progate Globalを米国に設立。海外ユーザーの獲得をさらに加速させようとしている。

国内ユーザー数は約35万人、コンテンツ数も66レッスンまで拡充

Progateは2014年7月に、東京大学の学生だった加藤氏や取締役の村井謙太氏らが共同で創業。自分たち自身が苦労しながらプログラミングを学んだこともあり、初心者でも挫折しにくいサービスとしてProgateを立ち上げた。

特徴は初心者が最初につまずきやすいポイントを解消しつつ、実際に手を動かしながらプログラミングの楽しさに触れられること。

本や動画学習サービスを使って学習する場合、コードを書くためには自分で環境構築をしないといけないが、初心者にとってはこれが意外と面倒。その点Progateの場合はすぐにブラウザ上でコードを書くことができ、その結果をリアルタイムに確認できる。

2017年2月にはフリークアウトグループ、DeNA、エンジェル投資家から1億円の資金調達を実施(それ以前にもEast Ventures、ロンドンブーツの田村淳氏、メルカリ創業者の山田進太郎氏らから資金調達をしている)。調達した資金も活用しながら、英語版やアプリ版の開発、コンテンツの拡充などプロダクトの改善を着々と進めてきた。

特に国内ではアプリのリリース(1月にiOS版、4月にAndroid版)以降ユーザー登録のペースが以前の倍くらいになっているそう。国内のユーザー数は約35万人にまで増え、そのうちの5%ほどが有料会員だという。

Progateのキモとなるコンテンツについては、現在15コース・66レッスンを提供。直近ではメルカリ/メルペイの現役エンジニアと共同でGo言語のレッスンを開発するなど、外部のエキスパートと共同でコンテンツを作る新しい取り組みも始めテイル。

海外ユーザーのペインを解決できるプロダクトが必要

このような背景もあり、加藤氏は「ProgateのVer1が完成に近づいてきた状態」と話す。ただこれはクチコミである程度ユーザーが安定的に入るようになってきた日本での話。海外では少し事情が違うらしい。

「海外版を出せば日本と同じような層に広がっていくかと思っていたが、そもそもターゲットの抱える目的や課題も違うことがわかってきた。海外で戦えるプロダクト、海外ユーザーのペインを解決できるプロダクトとしてはまだ足りない」(加藤氏)

具体的には「コンテンツが圧倒的に足りない」という加藤氏。同社にとってコンテンツの増強が今後の大きなテーマになるようだ。

Progate代表取締役の加藤將倫氏

たとえばインドの場合。現地の学校を回ったり若者と情報交換をしたりなどヒアリングをしてみると、「データサイエンスやマシーンラーニングのコースがあるのかをどこに行っても聞かれる」のだという。ここは現状のProgateではまだカバーできていない領域だ。

「海外の方がニーズが進んでいるイメージ。インドの場合だと高校の授業でProgateのレッスンのような内容を学んでいたりもするので、日本と同じように大学生向けに同じようなコンテンツを提供していては上手くいかない」(加藤氏)

そのため国内と海外ではユーザー層にも違いが生まれているそう。現在海外ユーザーは約5万人。内訳としてはインドが3万人、米国が1万人、その他が1万人とのことで、インドについては日本よりも年齢層が低く、10代後半がボリュームとしては大きい。

海外では日本以上にプログラミング学習サービスの選択肢も多くなるため、他社と比べられる機会が増えるという事情もある。

実際、加藤氏が注目するサービスのひとつとして挙げるUdemyなどには膨大な量のコンテンツが並ぶ。ユーザー投稿型のためコンテンツの質にはバラツキがあるものの「(プログラミングに関するものだけで)1万レッスンないしそれ以上のコンテンツがあり、上位5%のクラスは質も高い」(加藤氏)という。

「Progateで提供しているコンテンツには自信を持っているけれど、たとえば現状でPythonのコースは5コースしかない。これだけのために課金をしてまで使うか、クチコミで広がっていくかというと難しい。他にも選択肢がある海外ではなおさらのことだ」(加藤氏)

コンテンツが充実すれば海外でも十分チャンスはある

Progateの英語版。2017年10月のβ版を経て、2018年5月に正式リリース

後発とも言えるProgateが、今後海外でどのくらい広がっていくのだろうか。加藤氏に手応えを聞いてみたところ「コンテンツを拡充させることができればやっていける感触はある」という答えが返ってきた。

「インドや中国など、十分にプログラミング教育が発展していない国には大きな可能性を感じている。ツール自体もあまり知られていないので、そこまで後発というわけでもない。そこでしっかりと盤石な立ち位置を確立できれば、他のエリアでもより多くの資金を使って取り組める」(加藤氏)

一方の米国は相当大変になってくると話すが、「この市場はウィナーテイクオール(1社がひとり勝ちするようなビジネス)ではない」ため、いいコンテンツを提供できればチャンスはあるというのが加藤氏の見解だ。

大まかなプランとしては、まず海外で既存のコンテンツが刺さる層のファンを増やす活動に注力。並行して世界で戦えるようなコンテンツを開発しながら、新たなユーザーも開拓し日本と同様にクチコミで広げていく方針だという。

今回設立した米国法人も「世界で1人でも多くのファンを作る」手段のひとつ。インドでも近く法人の設立が完了する予定で、これがProgateの海外展開を加速させるギアとなりそうだ。

「自分たちの強みは徹底的にユーザーに向き合ったコンテンツを作れること。(このスタイルは崩さず)アプリや機械学習など対応するコースも増やし、『どんなものを学びたいかに限らずProgateであれば安心できる』という環境を作っていきたい」(加藤氏)

AI人材プラットフォーム目指す「Aidemy」が9200万円を調達、教育サービスを皮切りに法人向けの新事業も

アイデミーのメンバー。前列中央が代表取締役CEOの石川聡彦氏

AIプログラミング学習サービス「Aidemy」を提供するアイデミーは5月10日、UTEC(東京大学エッジキャピタル)および9名の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額約9200万円を調達したことを明らかにした。

今回のラウンドに参加した個人投資家は、千葉功太郎氏、安藤祐輔氏、ユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏、ウルシステムズ代表取締役の漆原茂氏、キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏氏、popIn代表取締役の程涛氏ら。アイデミーでは調達した資金を元に組織体制を強化し、B2B事業の拡大や学習コンテンツの拡充、2018年8月に予定している海外展開の準備を進めていく方針だ。

なお同社は2017年の6月にSkyland Venturesとファクトリアル代表取締役社長の金田喜人氏から、同年11月にUTEC、ペロリ創業者の中川綾太郎氏、クラウドワークス取締役副社長COOの成田修造氏から累計で約1700万円を調達している。

現役エンジニアも使うAIプログラミング学習サービス

Aidemyはディープラーニングや自然言語処理など、AI関連の技術を学べるプログラミング学習サービスだ。実践重視で実際にコードを書きながら学んでいくスタイルを採っていて、学習は全てブラウザ上で完結。特別な環境を用意することなくすぐに始められる。

プログラミング学習サービスと言えば、プログラミング未経験者や初学者のユーザーが多いイメージがあるかもしれない。そんな中でAidemyの特徴は現役のエンジニアが多く使っているということ。エンジニアと言ってもIT、機械、ケミカルと幅広いポジションのユーザーがいるそうだが、ほとんどが日常業務にAIを活用したいという目的で参加しているそうだ。

この辺りは先日TechCrunchでも紹介した通りで、2017年12月のリリースから約100日で1万ユーザーを突破。現在は16のコースを提供していて、ブロックチェーンなどAI以外の先端テクノロジーを学べる講座も始めた。

2018年4月からは有料プランをスタート。現在は新規コンテンツの開発と並行して6月にリリース予定の法人向けサービス「Aidemy Business」や、8月に公開を予定する海外版の準備を進めている。

キャリア支援やシステム開発支援など法人向け事業も強化

ここからはアイデミーの今後の展望についてもう少し紹介したい。先に言ってしまうと、アイデミーが目指しているのは「AIプログラミングサービスを入り口としたAI人材プラットフォーム」(石川氏)だ。

もし「プログラミング学習サービス」を軸に事業を広げていくのであれば、対応するジャンルやコースを増やしたり、最近増えている小・中学生向けのサービスなど、セグメントごとにサービスを提供することも考えられる。ただアイデミーの場合はそうではなく、「AI人材、AI技術」を軸にキャリア支援やシステム開発支援といった法人向けの事業を含め、事業を拡大していく方針だ。

「(個人向けの)プログラミング学習サービスは引き続き力を入れるが、それだけでは自分たちが目指す事業規模には届かないと考えているので、今後はB2B事業に本腰を入れていく。まずはすでに6社への導入が決まっているAidemy Businessを皮切りに、AIエンジニアの紹介事業や企業のAI開発を支援する事業にも取り組む。長期的にはエンジニア向けのPaaS(Platform as a Service)も提供していきたい」(石川氏)

人材紹介事業については2018年夏頃、開発支援事業については2018年末頃を目処に開始する計画。PaaSの提供に関しては2019年以降の予定で具体的な中身は今からつめるそうだが、AIアプリケーションのデプロイを簡単にするツールを想定しているという。

「イメージとしてはAIに特化したHerokuのようなツール。今後コンピュータサイエンスや機械学習の専門家ではない人も、AIの開発に携わるようになっていく。(アプリケーションを公開するまでの)敷居を下げることで様々な分野におけるAIの開発をサポートしていきたい」(石川氏)

石川氏によると、今は個人向けのプログラミング学習サービスがきっかけとなってAidemy Businessを導入したいという問い合わせに繋がったり、B2Bの営業が進めやすくなったりと良い循環が生まれてきているそう。アイデミーでは今後も月に2コース、年間30コンテンツの作成を目指すほか、VTuberを起用した動画教材など新たなコンテンツ開発にも力を入れつつ、そこを入り口にさらなる事業拡大を目指す。

エンジニアも使うAIプログラミング学習サイト「Aidemy」が1万ユーザー突破、有料プランも開始

自然言語処理、データクレンジング、Pandasを用いたデータ処理——これらはAIプログラミングを学べる「Aidemy」で、実際に提供されているコースの一例だ。

開発元のアイデミーは4月10日、同サービスの会員登録数が3月末に1万人を突破したことを明らかにした。Aidemyのリリースは2017年12月の下旬で、リリースからは約100日。本日より有料会員プランを開始するほか、新講座「異常検知入門」の提供も始める。

プログラミング学習サービスと言えば、これまでTechCrunchでも紹介してきた「Progate」や「TechAcademy」のように、初心者からでも始めやすいものが多かったように思う。一方のAidemyはというと、Python入門のようなコースも用意されているものの、より専門的な内容が多い。

実際アイデミー代表取締役CEOの石川聡彦氏によると「利用者の7割を占める社会人のうち、7割は理系学部出身者」なのだという。もともと2017年の9月に、AIプラグラミングに特化したオンライン家庭教師サービスをリリース。これは約2ヶ月間、ビデオチャットやテキストチャットで講師からフィードバックを受けながら、集中的にプログラミングスキルを学ぶというものだ。

「当初は文系の人でもわかりやすく学べるというテーマでやっていたが、実際にサービスを始めると受講者の8割近くがエンジニアだった。サービスを提供する中でこの分野はエンジニアにニーズがあると気づき、現在提供しているAidemyはエンジニア向けに開発している」(石川氏)

現在はAI関連の技術を中心に15のコースを提供している。理論よりも実践を重視し、実際にコードを書きながら学んでいくスタイルが特徴。学習は全てブラウザ上で完結するため、特別な環境の用意は一切必要ない。特にITエンジニアのユーザーが多く、機械エンジニア、ケミカルエンジニアと続く。ほとんどが業務にAIを活用する目的で受講しているのだそうだ。

これまでは無料でサービスを提供していたが、本日から有料会員プランをスタート。Python入門、機械学習入門、ディープラーニング基礎の3コースは引き続き無料で受講でき、それ以外のコースは有料となる。

受講方法は各コースごとの買い切り型と、月額定額のサブスクリプション型(チケット制)。単体では1コースだいたい2000~3000円のものが多いそうで、サブスクリプションの場合は若干安く受講できるという。

Aidemyでは当初AIに特化していたが、Twitterで「Pythonによるブロックチェーン実装」講座のニーズを探ってみたところ大きな反響があり正式にサービス化。引き続きAI関連のコースを充実させながらも、たとえば量子コンピュータなど先端技術を学べるサービスを目指すという。

また個人向けには夏頃を目処に海外版のリリースを予定しているほか、法人向けのビジネスにも着手する。企業の研修コンテンツとしてAidemyを提供する「Aidemy Business」は6月リリース予定だが、すでにディップへの導入が決まった。

その先の展開としてプログラミングスキルを学んだ人材の転職支援や、企業がAIやブロックチェーンを活用したシステムを開発する際のサポートも事業として行っていく方針。

「『社会と技術の距離を縮めていこう』というのをひとつの目標にしている。プログラミング学習サービスを通じて技術を知ってもらう部分はもちろん、先端技術に関わる分野に関して人材紹介や開発支援までやっていきたいという思いがある」(石川氏)

アイデミーは2014年の創業。当時、東京大学の学生だった石川氏が立ち上げた。デリバリーサービスやポイントカードアプリ、キュレーションメディアなど複数の事業にチャレンジするも失敗。3年目はシステム制作やデータ解析など、受託事業をやっていたという。同時期に大学に復学、機械学習応用系の研究に携わったことなどもあり、現在の事業を始めた。

同社は2017年の6月にSkyland Venturesとファクトリアル代表取締役社長の金田喜人氏から、同年11月に東京大学エッジキャピタル、ペロリ創業者の中川綾太郎氏、クラウドワークス取締役副社長COOの成田修造氏からそれぞれ資金調達を実施。累計で約1700万円を集めている。

“習い事”として注目のプログラミング、「TechAcademy」が子ども向け教室のフランチャイズ事業

2020年から日本国内の小学校でプログラミング教育が必修科目となることはご存知の方も多いだろう。加えてAIを中心としたテクノロジーの発展により、これからはさまざまな産業においてプログラミングの知識やITへの理解が求められていくはずだ。

そのような時代背景もあり、昨今は習い事のひとつとして、プログラミングへの関心が高まってきた。試しにGoogleで検索してみても、子ども向けのプログラミング教室やワークショップがいくつもヒットする(子ども向けに限った話ではないが)。

オンラインプログラミングスクール「TechAcademy」を運営するキラメックスが2018年4月から新たに始める「TechAcademyキッズ」も、このプログラミング教育のニーズに応えるサービス(2月26日より事業者の先行受付を開始)。といってもこれまで同社がやってきたような、学習者向けに直接オンラインレッスンを提供するという形式とは少し異なる。

TechAcademyキッズは「プログラミング教室を始めたい」事業者や個人に向けたフランチャイズパッケージだ。塾やカルチャースクールといった事業者(個人も可能)に対して、オリジナルの学習教材や教室運営に必要なノウハウを提供。事業者はそれを活用して各地で「オフライン」のプログラミングスクールを開講し、小中学生に教えていくというモデルをとっている。

「これまではオンラインだったが、親御さんの安心感なども考慮して教室に足を運んでもらう形を選んだ。子どもたちが集中できるような環境を整え、継続的にモチベートしていく上でもリアルな教室で、先生がサポートをするというのは適している。小学生向けのプログラミング教室を展開していく上ではこの仕組みが最適だと考えた」(キラメックス取締役でTechAcademyキッズの事業責任者を務める樋口隆広氏)

TechAcademyキッズでは子ども向けプログラミング言語「Scratch」を利用したコースを提供し、まずはゲーム感覚で楽しみながらプログラミングを学べるようにする。今後はWebアプリケーションやスマートフォンアプリなどステップに応じた教材も用意していくという。

子どもたちは教室に足を運び、基本的には動画を見ながら自分で手を動かしてプログラミングを学ぶ。先生たちの役割は必要に応じてそれをサポートすること。そのためプログラミングに精通していなくても、スクールを開講することができる。

「未経験の人でも教えられる環境を作れれば、日本のプログラミング教育の発展につながる。これまで培ってきたノウハウを活用することで、テクノロジー教育の裾野を広げ、もっと多くの人に提供していきたい」(樋口氏)

冒頭でも触れたように、2020年に向けてプログラミングを教えるスクールや個人も増えてきている。ただそういった人からも「どういうステップで教えていってあげるべきかがわからない」という声が多いそうだ。

実際にTechAcademyの受講生の中には、街のスクールでプログラミング言語に触れた後、次のステップとしてTechAcademyを選んだ小学生がいるという。「『階段を作る』ようなイメージ。自己実現をサポートできるようなカリキュラムを(フランチャイズパッケージの中で)整えていきたい」(樋口氏)

クオリティのコントロールや安全性の担保の面から、フランチャイズ契約を希望する事業者に対して最低限の審査を実施。クリアした事業者がパートナーとなる。本日より先行受付をスタートしていて、サービスの開始自体は4月頃の予定だ。

キラメックスは2009年2月の創業。クーポン共同購入サイトの運営などを経て、2012年からプログラミング学習事業のTechAcademyを始めた。現在のオンライン完結型のプログラミング学習サービスは2015年6月より開始。翌年2月にユナイテッドの子会社となった。

当時は3つしかなかった学習コースは現在23コースになり、メンター数は100人から400人にまで増加。同様にアクティブの受講生も100人から1500人と約2年で急増している。最近ではAIコースやブロックチェーンコースのように、トレンドのテクノロジーを学べるコースも始めた。

また中高生向けの「TechAcademyジュニア」や転職支援の「TechAcademyキャリア」などプログラミング教育を軸にサービスを拡大。研修用プログラム(企業へTechAcademyを提供)や、卒業生の人材紹介事業といった法人向けの事業も展開している。

写真左がキラメックス代表取締役社長の村田雅行氏、右が同社取締役でTechAcademyキッズの事業責任者を務める樋口隆広氏

Code First: Girlsは2020年末までに2万人の女性にプログラミングを教える、そのためのクラウドファンディングも実施中

ここ数年、Code First:Girlsは、間違いなくその大きさを上回る活躍をしてきた。元々は起業支援会社であるEntrepreneur Firstから派生した、この英国のソーシャル企業は、既に5000人以上の女性にコードの方法を教えてきた。その目的は広く、英国のハイテク産業におけるジェンダーギャップを縮めること、そして一般的なハイテク人材不足を補うことなどだ。

本日(米国時間12月5日)、同組織はさらに努力を拡大し、英国とアイルランドの2万人の若い女性たちに、2020年の終わりまでコードの書き方を無償で教えるキャンペーンを開始した。この目的を達成するために、Code First:Girlsは、KKRやOVHといった主要な雇用者たちからの提携と支援を受けて、キャリアの初期段階における若い女性たちの訓練を実施し、さらにクラウドファンディングキャンペーンも実施している。

特に、このプログラムは「2020 キャンペーン」協賛パートナー企業の従業員たちに、訓練を提供するためのものだと聞いている。それらの企業の若い女性スタップに訓練の機会を与え、無償のコーディングコースを企業に代わって女性たちに提供するのだ。

トレーニングに加えて、Code First: Girlsは、卒業後もお互いに学び合うことができるように、コース卒業生たちのためのコミュニティプラットフォームを用意している。そして、おそらくは抜け目なく、キャンペーンの「上位」パートナー企業たちは、このプラットフォームを通して、最終的にコーディングコースを終了し、テクノロジーとデジタルの世界でキャリアを模索したいと考える、2万人の若い女性の集団にアクセスすることができるようになる。

言い換えれば、これは実際に就職の機会を得ることができるということだ。Code First: Girlsは、その意味で既にまともな実績を持っている。このソーシャル企業で訓練を受けた女性たちは既に、沢山のスタートアップで職を得ている。例えばOnfido、Technology Will Save Us、BlaBlaCar、Starling Bankなどだ。

なぜこのようなことが大切なのだろうか?Code First: Girlsは、女性が現在英国のテクノロジー分野では過小評価されており、それどころか退行傾向にある統計データを引用している。それによれば2002年には33%だった女性比率が現在では27%にまで減少しているのだ。またイギリス統計局によると、英国の技術者や通信技術専門家を調査した結果、女性プログラマーとソフトウェア開発者はわずか3.9%で、2007年の10%から減少している。間違いなくこれには多くの理由があるものの、職に繋がるパイプラインが主要な要因の1つであることは間違いない(また、雇用主たちによって日常的に提供される言い訳もその1つだ)。

もちろん、ハイテク業界は、高給の職業が生み出されている場所であり、より幅広い意味では、テクノロジーが社会のあらゆる側面を改変している。すべてのバックグラウンドと性別の人びとが、自分自身のために、そして私たちすべての幸福のために、未来がどのように形づくられていくかに関わる必要があり、また関わるべきなのだ。

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(翻訳:sako)

モーションセンサーやLEDパネルで遊べるKanoのプログラミング教材

著者注 :著者のAbel OwenはIngridの9歳の息子だ。記事は主に彼の言葉によるもので、Ingridはそれを少しばかり素早く入力する手伝いをしただけである。

僕はいつもコンピューターとインターネットを使っていて、本当にそれらが大好きだ。それらは現代生活の重要な部分を占めている。そして、それらがどのように働くかを知ることはかなりクールなことだ。なのでお母さん(Ingrid)が僕にKanoプロダクトのレビューを手伝って欲しいと言って来たときには「もちろん!すぐやろうよ!」と叫んだ。

知らない人たちのために説明しておくと、Kanoは、子どもたち(やその他の人たち)のためのインタラクティブなコーディングデバイスを提供している会社だ。そのデバイスを使って、テクノロジーや、コンピュータやその他の電子デバイスの仕組みを学ぶことができる。ここ数週間の間、僕はPixel KitとMotion Sensor Kitという名前の、2種類のKanoデバイスを試していた。

まず、7月に発売されたハンドヘルドLEDライトボードのPixel Kitを使い始めた。

実際のマシンを使い、コーディングでそれを制御したので、とてもエキサイティングだった。箱の中に入った部品として提供されているのも気に入った。それを使うためには組み立てをしなければならないからだ。これは僕とお父さんがSnap Circuitsと呼ばれるもので遊んだ経験を思い出させた。

部品を組み立て終わったら、Kanoアプリを使ってコンピュータにリンクする。アカウントを作成すると、キットとコンピュータが接続される。

僕は以前Scratchを学校で使っていた。これは小さなスクリーン上で、テレビゲームをコーディングして作成することができるものだ。今回のキットはそれよりも少しクールなものだ、なぜならPixelキットでは、Pixelの128個のLEDライトを実際に制御するプログラム(Kano独自のコーディングブロックまたはJavaScriptのいずれかで記述)を作成することができるのだ。僕は音に反応するライトショーを作成するのが楽しめた:手を叩いたり、大きな音に反応してライトが光るのだ。それらはとても「素晴らしい」(お母さんが「クール」とばかり書かない方が言ったので)ものだった。

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僕はKanoの指示に従って、ゲームを作ってみた。1つは、財宝を探すヒーローものだ。主人公を財宝に向かって導かなければならない。

また加速度計も用意されていて、それを使って(手の中に収まる)Pixel Kitを傾けることでライトを動かすゲームを作ることができた。Kanoには、習得するタスクのシナリオが用意されていて、やり方を学ぶのに役立つ。僕は今では指示なしでも、Pixel向けの簡単な独自ゲームを作ることができると思う。

この数週間後、KanoコレクションにMotion Sensor Kitを追加した。これもKanoアプリで動作する、小さなジェスチャーコントローラーだ。

これを使うためにPixel Kitを使用する必要はない。Pixelと同様に、Kanoアプリでスクリプトを作成する。Motion Sensorを使用すると、これらのスクリプトを使って、モーションセンサー上で手を振ったときにアプリが動きに反応するようにできる。

僕が作ったスクリプトの1つは 「ギター演奏」だった。モーションセンサーの上でギターをかき鳴らすように手を振ると、アプリの画面ではギターの弦が動き、動きに合わせて音が出るようにできた。

あるいは動きに反応する小さな画像を作成することもできる。例えば回転する亀や、上下に移動するヘビなどだ。そして、他にはこのようなものも:

Pixelの場合と同様に、ゲームを作ることもできる。僕が好きだったのは「ポン」で、僕の手を卓球用のパドルにすることができ、コンピュータで遊ぶことができた。

お母さんは両方について気に入らなかった点も話して欲しいと言う。Pixel Kitを改善するなら、より出来ることの幅が広がると良いと思う。そして自分の作品を3つより多くPixel Kitに保存できると良い。そうすればもっとエキサイティングになるだろう。

そして子供が扱うことを考えると、それはやや壊れやすいものだった。ある日には、バッテリーがただ「脳」から切り離されてしまった(僕たちはそれを再び接着しなければならなかった)。そして、電池を接着し直そうとしている時に、お母さんが電源ボタンを壊してしまい、それもまた接着しなければならなくなった。

(注:これはおそらくKanoというよりも私たちの問題かもしれない。また、Macではなく、iPad用のKanoアプリや、家族が使用するGoogle Chromebook Pixelを手に入れることができることも良いことだろう。Kano製品はWindowsコンピューターや以前にリリースされたKano Computer Kitでも動作する)。

Motion Sensorはより頑丈だったが、お母さんのMacに繋がれていなかったらもっと良かったと思う。

Motion Sensor Kitは29.99ドル/29.99ポンドで販売されていて、Pixel Kitは79.99ドル/74.99ポンドだ。

どちらもKanoストアを通じて直接購入することができる。米国では、Amazon.com、Barnes&Noble、Toys R Us、ThinkGeek、Gamestopから買うこともできる。カナダではIndigo、Toys R Us、そしてThe Sourceで購入できる。英国ではamazon.co.ukで購入することもできる。

Alex Klein、Yonatan Raz-Fridman、Saul Kleinが共同創業したKanoは、これまでに1900万ドルの資金を調達している。その中には口コミで広がったKickstarterキャンペーンによる調達と、その後のより正式なベンチャーラウンドで調達された1500万ドルが含まれている。投資家として、Jim Breyer、Marc Benioff、Martin Sorrell、Index Ventures、James Higa、 Troy CarterそしてShana Fisherなどが名を連ねている。

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(翻訳:Sako)

プログラミング教育用ロボットのOzobotが300万ドルを調達

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現在、市場にはプログラミング教育用のおもちゃがたくさん存在する。そして、そのほとんどがタブレットやスマートフォンとの連携を必要とするタイプのものだ。親たちは子ども達をなんとかスクリーンから遠ざけようとしているなか、みずからも父親である起業家のNader Hamda氏は、従来のおもちゃとは違ったプロダクトを開発したいと願っていた。また、高価な教育用おもちゃをいくつも観察していた彼は、手頃な値段でその代替品となるプロダクトを開発し、それを広く学校や学生に広めたいと思っていた。

彼が開発した教育用ロボット「Ozobot」は、ゴルフボール程度の大きさで、子どもが紙に描いた線をたどるロボットだ。異なる色の線を描くことでOzobotの挙動をコントロールすることができる。このロボットはオフラインで遊ぶこともできるが、専用のモバイルアプリを使ってOzobotを操作することも可能だ。また、このアプリはプログラミングを学べるような仕組みになっていて、子どもたちは自分が書いたプログラムをテキストメッセージを使ってロボットに送信することができる。それで近くのOzobotをコントロールするのだ。

Ozobotのスターターキットの価格は約60ドル。Ozobotのオンラインストアで購入することもできるし、Barnes & NobleやToys “R” Usなどの従来型の小売店でも取り扱っている。また、Hamda氏によれば、近日中にBest BuyとTargetでも取り扱いを開始する予定だという。これまでに、Ozobotはファミリーユーザーや教育者を中心に50万機以上のロボットを販売。同社はオリジナル版のOzobotの他にも、Bit やOzobot Evoエディションなどのロボットを開発している。

Ozobotの開発元であり、カリフォルニア州レドンドビーチに拠点をおくEvollve Incは現地時間15日、シリーズAで300万ドルを調達したことを発表した。これにより、同社はOzobotのさらなる向上を目指した開発を続けるとともに、アメリカ、フランス、韓国などに展開するOzobotに新機能や新コンテンツを追加していく予定だ。今回のシリーズAをリードしたのはTribeca Venture Partnersで、その他にも名称非公開のベンチャーキャピタルや、ZICO創業者のMark Rampolla氏をはじめとするエンジェル投資家も本ラウンドに参加している。

Rampolla氏は、これまで彼が所有するPowerPlant Venturesを通してエコロジー食品や農業分野のスタートアップに投資してきた人物だ。その彼がなぜエドテックに出資したのだろうか?Rampolla氏はTechCrunchの取材にこう答えてくれた。「家族や友人から調達したわずかなリソースしか持たないにもかかわらず、Nader氏はOzobotを完成させ、3000以上の学校に販売してきました。また、導入をした学校の教師からはすでに良い反応を得ています。この出資は、彼らのアーリービジネスの拡大を手助けするという目的があります」。

またRampolla氏は、ココナッツウォーターを販売するZICOがかつてそうであったように、Ozobotによってエドテックという分野に新しいカテゴリーが生まれる可能性もあると話す。彼によれば、ZICOが開拓したココナッツウォーターというカテゴリーには今では80以上のブランドが存在している。彼がZICOを創業した当時、アメリカ国内でココナッツウォーターを販売していたのは同社だけだったのにもかかわらずだ。Ozobotがこれから生み出すであろうカテゴリーとは、学生がもつスキルの上昇とともに成長する、手頃な値段の教育用ハードウェアというカテゴリーだろうと彼は話す。

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TechCrunchを訪れたOzobot CEOのNader Hamda氏

Ozobots CEOのNader Hamda氏は、「私たちのゴールは、子どもや大人がテクノロジーを消費するのではなく、それを創りだすという世界です。保育園児から博士号の学生にいたるまで、プログラミングを学ぶためのツールとしてOzobotを使ってくれればと思います。しかし、今のところは10代やそれ以下の子どもたちにフォーカスしていきます。そして、今後は新しい機能やコンテンツを追加することで、それよりも年齢の高い高校生にも深い体験を提供できるようなOzobotを開発していくつもりです」。

その新機能の1つが、それぞれのロボットが反応し合う「スマートソーシャルロボット」だ。これによって、互いが協力し合うようにプログラムされたロボットの「群れ」をつくることが可能になるとHamda氏は語る。また、同社は教室でそのまま使えるような教育カリキュラムを用意していく予定だ。

教育者たちは、みずから考えたOzobotの授業例をEvollveにシェアすることがしばしばある。その中でもHamda氏のお気に入りは、ある生物の先生が考えた授業だったという。その授業は、紙に描かれたヒトの体内図のなかでOzobotを移動させることで、食べ物が消化される過程を学ぶというものだ。

Ozobotの成長を加速する要因の1つとなったのは、同社とMarvel Avengersとのタイアップだ。配信元のディズニーは、Ozobotに取り付け可能な「着せ替え」を販売しており、それを装着するとOzobotが発する音や動きが変わるようになっている。なかでもIron ManやCaptain Americaなどが人気のキャラクターだ。同社は今年中にBlack Widow、Ultron、The Hulkの着せ替えも販売開始する予定だという。

Tribeca Venture Partnersの共同創業者兼マネージングディレクターであるBrian Hirch氏は、TechCrunchの取材に対して、コンシューマー向けハードウェアを開発するスタートアップに出資することが少ない同VCがOzobotへの出資を決めたのは、Ozobotが狙う市場の大きさが理由だったと語る。Gartner社による調べによれば、スマートトイの販売台数は今年の800万台から、2020年までには4億2100万台へ拡大するという。また、Juniper社は全世界でのスマートトイ販売台数が2020年までに112億台にまで膨れ上がると予測している。

Ozobotの競合となるのは、Dash & DotAnki CozmoBots_aliveOsmoなどの企業だ。しかし、Hirsch氏は、この市場は「勝者がすべてを獲得する」タイプの市場ではないと語る。80年代に流行したTransformers、Speak、Spell、そしてMinecraftなどのプロダクトまでを考えると、この市場に少数の勝者が存在しないことが分かるだろう。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter