プログラミング言語RustにGoogle、Microsoft、AWSなどが開発とメンテの拠点を提供

サバイバルゲームではなくてプログラミング言語のRustが、Rust Foundationという新たな拠点を手にいれた。AWSとHuawei(ファーウェイ)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)そしてMozillaが米国時間2月8日に立ち上げたこの団体は、2年分で100万ドル(約1億500万円)の予算をかけては「各種のサービスや事業やイベントによりRustプロジェクトのメンテナーを支援し、最高のRustを構築していく」という。

Rustは、C / C++に代わる言語を作ることを目的として、Mozillaの副次的プロジェクトとして始まった。Mozillaの研究員であるGraydon Hore(グレイドン・ホア)氏が設計し、JavaScriptを開発したBrendan Eich(ブレンダン・アイク)氏らが協力したRustは、FirefoxブラウザとそのGeckoエンジン、そしてMozillaのレンダリングエンジンServoの基盤作りに貢献している。Rustは現在も、プログラマーたちの間で人気の高い言語だが、MozillaのレイオフによってRustのチームの多くが仕事を失い、主力のサポーターを失った言語の将来が危ぶまれた。しかしそれでも、そのプロジェクトには数千名のコントリビューターと多くの企業ユーザーがいたため、言語そのものは健在だった。

オープンソースの大きなプロジェクトは多くの場合、方向性を決めていくリーダーや、商標などコミュニティのさまざまな側面を管理する法務的な機能も必要もあり、この新しい団体がその役を担うのだろう。団体の理事会には、創設メンバー5社から理事が1人ずつが選出され、プロジェクトのリーダーとして5名のディレクターが選出される。

MozillaのメンバーでRust Foundationの理事を務めるBobby Holley(ボビー・ホリー)氏は声明で次のように述べている「MozillaはRustを育てFirefoxを改良し、インターネットの改善にも貢献しました。新しい拠点であるRust Foundationは、Rustが言語として独自に成長し成功するための基盤を与えます。それと同時に、MozillaがRustのコミュニティと共有する重要な価値も、そこで継続的に増幅されるでしょう」。

すべての企業スポンサーがRustの受益者ユーザーであり、彼らのソフトウェアスタックの重要な部分をRustで構築している。たとえばGoogleは最近、ウェブのApacheサーバーをより安全にするRustベースのプロジェクトに資金を提供し、MicrosoftはRustのチームを作って、WindowsのAPIの中核部分をリライトしようとしている。またAWSが最近立ち上げた、コンテナのための新しいLinuxディストリビューションBottlerocketには、その大部分がRustで書かれているビルドシステムがある。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:RustプログラミングRust Foundation

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Pythonの作者Guido van Rossum氏がMicrosoftに入社

プログラミング言語Pythonを作ったGuido van Rossum氏が今日(米国時間11/12)、引退生活をやめてMicrosoft(マイクロソフト)のDeveloper Divisionに入ったことを発表した。

Van Rossum氏は、最後はDropboxの社員だったが、同社に6年半在席したのち、昨年10月に引退した。しかし明らかに、その引退を長く続けるつもりはなかったようだ。彼によると、Microsoftでは、Windowsの上だけでなく一般的に、Pythonの使用を確実に改善していくという。

Microsoftのスポークスパーソンによると、とくに共有すべき詳細情報はないけれども、van Rossum氏が本当にMicrosoftに入社したことは確実だそうだ。スポークスパーソンは曰く、「彼がDeveloper Divisionの一員になったことはすばらしい。MicrosoftはPythonのコミュニティに寄与貢献し、共に成長することにコミットしており、Guidoの入社は、そのコミットの反映である」。

オランダ出身の彼は、のちにPythonになるものの開発を1989年に始めた。90年代半ばには彼はアメリカで、アメリカ国立標準技術研究所に勤めながらその言語の開発を積極的に続け、その後はさまざまな企業を転々とした。たとえばBeOpenではPythonLabsのディレクターになり、ZopeやElemental Securityにも在籍した。Dropboxに行く前は2005年から2012年までGoogleにいた。そこで彼は社内で使うコードレビューツールMondrianを開発し、App Engineの開発にも関わった。

[Guido van Rossum: 引退は退屈だと分かったからMicrosoftのDeveloper Divisionに入った。何をするのかって?候補が多すぎて一言では言えないね! でもPythonの使用を確実に改善していくだろう(Windowsの上だけではなくて)。ここにはオープンソースが大量にある。今後にご期待を。]

今のPythonは、もっとも人気のあるプログラミング言語のひとつであり、たとえばAIの研究者のためのデファクトスタンダードだ。

ほんの数年前なら、van Rossum氏がMicrosoftに入るなんて考えられなかっただろう。同社のオープンソースへのアプローチは、それぐらい不評だった。でも今やそれがすっかり変わって、今日のMicrosoftは他社と共にもっとも積極的なオープンソースへの企業コントリビューターだ。それに、今やGitHubのオーナーでもある。Rossum氏がMicrosoftで何をするのか、いまいちよく分からないが、彼は「選択肢が多すぎる」と言っているし、「ここには大量のオープンソースがある」のだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa